JPH10284083A - 銅−有機ジスルフィド電極およびそれを用いた二次電池 - Google Patents

銅−有機ジスルフィド電極およびそれを用いた二次電池

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JPH10284083A
JPH10284083A JP9210639A JP21063997A JPH10284083A JP H10284083 A JPH10284083 A JP H10284083A JP 9210639 A JP9210639 A JP 9210639A JP 21063997 A JP21063997 A JP 21063997A JP H10284083 A JPH10284083 A JP H10284083A
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賢慶 成
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いエネルギー密度および優れた可逆性を有
する改良された正極、および高いエネルギー密度および
優れた可逆性を有する二次電池を提供する。 【解決手段】 二次電池に使用される正極であって、
1)i)S−S結合が電解還元により切断されて有機チオ
レートを形成し、そして有機チオレートの電解酸化によ
り再生される有機ジスルフィド、ii)銅金属粉末、CuXま
たはCuY2(XおよびYは、共役酸のアニオンである)で表
される銅塩からなる群から選択される、1つまたはそれ
以上の銅成分、およびiii)伝導性高分子を含む正極材
料;ならびに2)該正極材料がペーストされる、集電極
としての銅金属または銅合金を含有する、正極が提供さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高いエネルギー密
度および優れた可逆性を有する改良された二次電池に関
する。より詳細には、i)可逆的に有機チオレートを形成
し得る有機ジスルフィド、銅化合物および伝導性高分子
と、銅金属を含有する集電極(current collector)とを
含有する正極、ii)リチウム塩を有する固体高分子電解
質;ならびにiii)リチウム金属、リチウム合金、または
リチウム層間化合物から製造される負極、を備えた電池
に関する。
【0002】
【従来の技術】電池は、携帯用の電子装置の鍵をにぎる
構成要素となりつつある。特に、大容量、軽量、および
低容積である先進の二次電池は、携帯用装置(例えば、
携帯電話およびノートパソコン)の開発に不可欠であ
る。
【0003】正極材料として有機ジスルフィドを用いた
二次電池は、米国特許第4,833,048号に開示されてい
る。この特許において、正極を構成する有機ジスルフィ
ド化合物のS−S結合は、電解還元により切断されて有
機チオレートを形成し、そして有機ジスルフィドは、有
機チオレートの電解酸化により再生される。特に、分子
中に2つまたはそれ以上のチオレート基が存在する場
合、高分子形態の有機ジスルフィドが形成される。有機
ジスルフィドと有機チオレートとのレドックス対を、金
属負極と組み合わせることで、350〜800Wh/kgの理論エ
ネルギー密度となる。この発明に記載される、再充電可
能な金属−硫黄電池は、理論可能出力よりかなり低いと
はいえ、従来の二次電池より高い実際上のエネルギー密
度(150Wh/kg)を提供する。
【0004】有機ジスルフィド電極の実際の容量を増加
させるために、米国特許第5,324,599号は、π電子共役
した伝導性高分子(例えば、ポリアニリン)を有機ジス
ルフィドを含有するカソード組成物に添加することを示
唆した。同じ発明者の報告(Nature、373、598(1995)に
開示)によると、有機ジスルフィドの電子移動は、ポリ
アニリンの存在下で触媒的に促進された。従って、有機
ジスルフィドおよびポリアニリンを分子レベルで共に混
合した複合電極は、リチウム金属を負極として組み合わ
せる場合、600Wh/kgまで高められたエネルギー密度を示
す。しかし、高いエネルギー密度を維持するために、こ
の電池は4.75Vまでの高い充電電圧を必要とするが、こ
の電圧は、電池成分(例えば、高分子電解質および他の
有機部分)の電気化学的安定性を確保するには高すぎ
る。実際は、より低い充電電位が必要であるが、その結
果として電池のエネルギー密度は低下する。
【0005】有機ジスルフィド電極の可逆性を改善する
ために、有機ジスルフィドおよびポリアニリンの混合物
に加えた銅金属粉末を含む複合電極材料、または有機ジ
スルフィド電極と組み合わされた銅集電極が、日本公開
特許第96-213021号に示されている。この開示におい
て、充放電サイクルを通しての放電容量の低下は、有機
ジスルフィドと銅金属との間の相互作用により低減され
る。日本公開特許第96-213021号には、電極のサイクル
寿命を改善するために、有機ジスルフィドに加えて銅金
属粉末を含有する正極組成物、および有機ジスルフィド
電極のための銅集電極の使用が示唆されているが、活物
質としての銅金属の役割については記載されていない。
さらに、銅金属を含有するカソード材料と組み合わせ
る、いかなる銅集電極も示唆されていない。
【0006】従って、正極材料として有機ジスルフィド
を使用する二次電池に対しての容量およびサイクル寿命
を高めるような改善は、いまだ実現されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高い
エネルギー密度および優れた可逆性を有する正極を提供
することである。本発明の他の目的は、高いエネルギー
密度および優れた可逆性を有する改良された二次電池を
提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、二次電
池の正極を提供することであって、その正極は、 1)以下を含む正極材料 i)S−S結合が電解還元により切断されて有機チオレー
トを形成し、そして有機チオレートの電解酸化により再
生される可逆性の有機ジスルフィド、 ii)銅金属、CuXまたはCuY2(XおよびYは、共役酸のアニ
オンである)で表される銅塩からなる群から選択され
る、1つまたはそれ以上の銅成分、および iii)伝導性高分子;ならびに 2)この正極材料がペーストされる、銅金属または銅合
金材料を含有する集電極を含有する。
【0009】本発明の別の目的は、二次電池に使用され
る別の正極を提供することであって、この正極は、 1)以下を含む正極材料 i)式Cux(SyR)z(ここで、Rは、脂肪族炭化水素または
芳香族炭化水素であり;x、y、zは、x,y,z≧1、1≦y≦
6、yz/2≦x≦yzの範囲の整数または分数である)で表さ
れる可逆性の銅−有機チオレート錯体、および ii)伝導性高分子;および/または iii)銅金属粉末、CuXまたはCuY2(XおよびYは、共役酸
のアニオンである)で表される銅塩からなる群から選択
される、1つまたはそれ以上の銅成分、および/または iv)S−S結合が電解還元により切断されて有機チオレ
ートを形成し、そして有機チオレートの電解酸化により
再生される有機ジスルフィド、 2)この正極材料がペーストされる、銅金属または銅合
金材料を含有する集電極を含有する。
【0010】本発明の他の目的は、高いエネルギー密度
および優れた可逆性を有する改良された二次電池を提供
することであって、この二次電池は i)上記の正極の1つから選択される正極、 ii)リチウム塩を有する固体高分子電解質;および iii)リチウム金属、リチウム合金、あるいは炭素または
グラファイトのようなリチウム層間材料から製造される
負極を備える。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の改良された正極は、有機
ジスルフィドと組み合わせて、電極反応に活物質として
関与する銅金属を含有する。電池が充電される場合、銅
金属は、酸化により銅カチオンになり、そして電池が放
電される場合、銅金属は、還元により再生される。銅イ
オンは、有機ジスルフィドが還元される電位と同様の範
囲で、リチウム金属電極に対して3〜3.5Vで還元され
る。銅金属と銅カチオンとのレドックス対(Cu/Cu(I
I))が電極反応に利用される場合、理論容量は、843mAh
/gになる。これは従来の二次リチウムイオン電池に使用
される金属酸化物電極の理論容量よりかなり大きい。
【0012】本発明によれば、正極の容量は、集電極と
しての銅金属を、主成分の1つとして銅金属を含有する
正極材料と組み合わせることで高められる。さらに、電
極材料として含有される金属と集電極として含有される
金属との、異なる金属の接触により生じる、望ましくな
い容量の損失は、両方の目的に銅金属を使用することに
よって防ぐことができる。集電極が、銅金属より低い酸
化電位を有する金属から製造され、そして充電電流の一
部が、銅金属のイオン化に先立って集電極の金属成分の
イオン化により消費されることは望ましくない。さら
に、銅金属から製造される集電極は、電池が充電される
際、電圧の上限を銅金属の酸化電位に固定することによ
り電位の過剰の上昇を妨げて、電池の各成分の安定性を
維持する。
【0013】電極材料としての有機ジスルフィドへの銅
金属の添加が、日本公開特許第96-213021号に開示され
ているとはいえ、そこでは、有機ジスルフィド錯体の形
成による電極の安定性のみが示唆されており、カソード
活物質としての銅金属の機能はなんら記載されていな
い。
【0014】一方で、有機ジスルフィドは、電極中に存
在し、かつ集電極として存在する銅金属種と相互作用す
る。硫黄原子と銅種との間の相互作用は、充放電の繰り
返しサイクルを通して、活物質が可溶な形態(例えば、
有機チオレートおよび銅イオン)で電解層中に拡散する
ことを最小にする。
【0015】電極材料に使用される有機ジスルフィドに
関して、(R(S)y)nで表される式は、米国特許第4,833,04
8号で開示された。この材料は、還元された場合、R(SM)
yにより表され得る。これらの式において、Rは、芳香族
炭化水素または脂肪族炭化水素を表し;yは、1〜6の
整数であり;そしてnは、2またはそれ以上の整数であ
る。有機ジスルフィドの例としては、2,5-ジメルカプト
-1,3,4-チアジアゾールおよびトリチオシアヌル酸が挙
げられる。有機ジスルフィドの他の例として、1分子内
に2つまたはそれ以上の有機チオレート基を有し、そし
てジスルフィド結合を分子内形成し得る化合物が含まれ
る。そのような化合物の一例は、米国特許第5,324,599
号に記載されるような1,8-ジスルフィドナフタレンによ
って表される。
【0016】銅金属は、粉末形態で添加され、そして電
極材料の混合物中に分散される。銅金属を均一に分散す
るために、強力な撹拌または超音波処理と共に、極性有
機溶媒が使用され得る。粉末の粒径は、10μmより小さ
く、そして金属表面は、希弱酸(例えば、酢酸)での処
理により活性化され得る。好ましい銅部分の含量は、電
極中の全活性成分の5〜95%である。
【0017】本発明の他の実施態様において、正極材料
は、Cux(SyR)z(ここで、Rは、脂肪族炭化水素または
芳香族炭化水素の1つであり;x、y、zは、x,y,z≧1、1
≦y≦6、yz/2≦x≦yzの範囲の整数または分数である)
によって表される銅チオレート化合物を正極活物質とし
て含む。
【0018】正極材料に使用される伝導性高分子として
は、高分子骨格または側鎖に窒素原子または硫黄原子を
有する化合物が好ましい。伝導性高分子中の窒素原子ま
たは硫黄原子と他の活性成分(有機ジスルフィドおよび
銅種)との相互作用は、全ての活性成分が互いに組み合
わされ、そして電極からの活性含量の損失を最小にする
ことを助ける。さらに、伝導性高分子の存在下で有機ジ
スルフィドの電子移動が促進されることは、Nature、37
3、598(1995)に記載されている。そのような伝導性高分
子の例としては、ポリアニリン、ポリピロール、および
ポリチオフェンが挙げられる。
【0019】ポリアニリンは、化学的または電気化学的
のいずれかで酸化重合により調製され得る。化学重合に
使用される酸化剤は、ペルオキシジスルフェートの無機
塩またはアンモニウム塩、あるいはFe(III)およびCu(I)
の金属イオン塩から選択され得る。重合は、水相中また
は有機媒体中で行われる。水中での重合の場合、酸性条
件が必要とされ得る。ポリアニリンのドーピング剤とし
ては、BF4 -、PF6 -、ClO4 -、AsF6 -、SbCl6 -、SbF6 -、H2P
O4 -、HSO4 -、Cl-およびBr-から選択されるアニオンが添
加され得る。ドーパントアニオンは、重合中または重合
完了後に酸の形態で添加される。ポリアニリンは、ドー
プされた形態またはドープされていない形態で本発明の
電極材料に添加され得る。正極材料に含まれるポリアニ
リンは、有機ジスルフィドの重量に対して、0.2〜2.0の
重量部分を有する。
【0020】電極ペーストを調製するために、伝導性炭
素(例えば、アセチレンブラックまたはグラファイト)
が、伝導剤として使用され得、そしてバインダが添加さ
れ得る。バインダとして使用される高分子は、好ましく
は高分子電解質に使用されるものと同種の高分子であ
る。しかし、イオン伝導しない適切な高分子もまた、選
択され得る。バインダを溶解するために、有機溶媒、一
般的には非プロトン性溶媒が使用され得る。複合混合物
は、機械的に撹拌または音波処理される。充分分散した
複合電極材料は、銅集電極上にペーストされる。
【0021】リチウム二次電池に使用される電解質とし
ては、リチウムイオンを溶媒和し得るイオン伝導性高分
子が使用される。そのような高分子電解質は、高分子お
よびリチウム塩ならびに可塑剤として使用される有機溶
媒からなる。可塑化溶媒としては、カーボネート基を有
する極性溶媒(例えば、プロピレンカーボネート、エチ
レンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカ
ーボネート、およびメチルエチルカーボネートからの1
つまたはそれ以上の組み合わせ)が、使用され得る。
【0022】本発明によれば、大容量および優れた可逆
性を有する正極が供給され得る。なぜなら、有機ジスル
フィドと組み合わされた銅金属のレドックス系が、効果
的に利用されるためである。さらに、本発明は、軽量か
つ大容量の再充電可能な電池を提供する。それは、携帯
用電子装置(例えば、セルラーホンまたはノートパソコ
ン)への適用に最も好都合である。さらに、本発明のリ
チウム二次電池は、全て固体成分から成るので、液体の
漏出に関する問題を生じず、そして電池の種々の適用目
的に従って適切な形状に容易に製作され得る。
【0023】本発明は、以下の実施例によって、より具
体的に説明され得る。しかし、本発明の範囲は、これら
実施例に限定されない。
【0024】
【実施例】
(実施例1) 正極の調製 1gのトリチオシアヌル酸、0.4gのポリ(ビニリデンフル
オライド)、1.6gのポリアニリン(Versicon、Allied S
ignal Inc.)、および0.1gの炭素分散剤(Brij35)をN-
メチル-2-ピロリドン中に溶解させた。次いで、0.6gの
銅金属粉末(粒径、1〜10μm)、0.4gのアセチレンブラ
ック、および0.3gのグラファイトを添加した。この混合
物を、2日間より長く撹拌した。得られた混合物を、ア
ルゴン雰囲気下で銅金属シート上にペーストした。電極
を、減圧下で60〜80℃で乾燥し、そして0.1〜3トン/cm2
の圧力下でプレスした。
【0025】負極の調製 電池グレードのリチウム箔をアルゴン雰囲気下で貯蔵
し、そしてさらに処理することなく使用した。
【0026】高分子電解質の調製 3.0gのポリ(アクリロニトリル-co-メチルアクリレー
ト)(94:6)および2.3gのリチウムテトラフルオロボレー
トの混合物を、プロピレンカーボネートおよびエチレン
カーボネート(10.5:7.9wt/wt)の混合溶媒に添加した。
この混合物を、窒素雰囲気下で120〜140℃にて加熱し
た。次いでこの高分子を、ガラス板上にキャストし、そ
して減圧下で60〜80℃にて乾燥した。得られた電解質フ
ィルムのイオン伝導性は、インピーダンス測定により10
-3〜10-4S/cmであった。
【0027】試験電池Aの組み立て 試験電池Aを上記で調製した電池成分を組み合わせるこ
とにより調製した。銅集電極を有する正極、およびニッ
ケルメッシュ集電極を有するリチウム金属箔から調製さ
れた負極を、電極間に挿入した高分子電解フィルムと組
み合わせた。
【0028】(比較例1)試験電池Bを、正極の集電極
としてアルミニウム金属箔を銅金属シートの代わりに使
用したこと以外は、実施例1と同じ方法で調製した。
【0029】(実施例2)充放電実験を、実施例1およ
び比較例1の試験電池を用いて、アルゴン雰囲気下で室
温にて実施した。試験電池を、電圧領域2.5〜4.5Vの定
電流で充放電した。図1に、銅集電極を用いた実施例1
で調製した試験電池Aの放電プロフィールおよびアルミ
ニウム集電極を用いた比較例1で調製した試験電池Bの
放電プロフィールを示す。銅集電極を有する試験電池A
は、試験電池Bと比較してより大きい放電容量を示し
た。試験電池Aのエネルギー密度は、750mWh/g-カソー
ドより大きく、そしてトリチオシアヌル酸とポリアニリ
ンとの理論容量をはるかに上回った。このことは、銅金
属が、銅集電極と組み合わされる場合、正極において活
物質として機能することを示している。図2は、充電−
放電サイクルの数による試験電池Aのクーロン効率(Co
ulombic efficiency)の変化を示した。50サイクルま
で、試験電池Aは、90%より大きいクーロン効率を維持
した。本発明に従って調製された電極が、高いエネルギ
ー密度および優れた可逆性を有することが明確に示され
ている。
【0030】
【発明の効果】本発明は、高いエネルギー密度および優
れた可逆性を有する改良された二次電池に関する。より
詳細には、電池が、i)可逆的に有機チオレートを形成し
得る有機ジスルフィド、銅化合物および伝導性高分子
と、銅金属を含有する集電極とを含有する正極、ii)リ
チウム塩を有する固体高分子電解質;ならびにiii)リチ
ウム金属、リチウム合金、またはリチウム層間炭素から
製造される負極を備えた電池に関する。
【0031】本発明により、高いエネルギー密度および
優れた可逆性を有する正極、および高いエネルギー密度
および優れた可逆性を有する改良された二次電池が提供
される。
【0032】本発明によれば、大容量および優れた可逆
性を有する正極が供給され得る。なぜなら、有機ジスル
フィドと組み合わされた銅金属のレドックス系が、効果
的に利用されるためである。さらに、本発明は、軽量か
つ大容量の再充電可能な電池を提供する。それは、携帯
用電子装置(例えば、セルラーホンまたはノートパソコ
ン)への適用に最も好都合である。さらに、本発明のリ
チウム二次電池は、全て固体成分から成るので、液体の
漏出に関する問題を生じず、そして電池の種々の適用目
的に従って適切な形状に容易に製作され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、実施例1に記載された方法により調
製された試験電池Aの放電プロフィール、および比較例
1に記載された方法により調製された試験電池Bの放電
プロフィールを示す。
【図2】 図2は、サイクルの数による、試験電池Aの
充電−放電効率を示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二次電池に使用される正極であって、 1)以下を含む正極材料 i)S−S結合が電解還元により切断されて有機チオレー
    トを形成し、そして有機チオレートの電解酸化により再
    生される有機ジスルフィド、 ii)銅金属粉末、CuXまたはCuY2(XおよびYは、共役酸の
    アニオンである)で表される銅塩からなる群から選択さ
    れる、1つまたはそれ以上の銅成分、および iii)伝導性高分子;ならびに 2)該正極材料がペーストされる、集電極としての銅金
    属または銅合金を含有する、正極。
  2. 【請求項2】 可逆有機ジスルフィドが、2,5-ジメルカ
    プト-1,3,4-チアジアゾールおよびトリチオシアヌル酸
    からなる群から選択される、請求項1に記載の二次電池
    に使用される正極。
  3. 【請求項3】 伝導性高分子がポリアニリン、ポリピロ
    ール、およびポリチオフェンからなる群から選択され
    る、請求項1に記載の二次電池に使用される正極。
  4. 【請求項4】 二次電池に使用される正極であって、 1)以下を含む正極材料 i)式Cux(SyR)z(ここで、Rは、脂肪族炭化水素または芳
    香族炭化水素であり;x、y、zは、x,y,z≧1、1≦y≦6、
    yz/2≦x≦yzの範囲の整数または分数である)で表され
    る銅−有機チオレート錯体、および ii)伝導性高分子;および/または iii)銅金属粉末、CuXまたはCuY2(XおよびYは、共役酸
    のアニオンである)で表される銅塩からなる群から選択
    される、1つまたはそれ以上の銅成分、および/または iv)S−S結合が電解還元により切断されて有機チオレ
    ートを形成し、そして有機チオレートの電解酸化により
    再生される有機ジスルフィド、 2)該正極材料がペーストされる、集電極として銅金属
    または銅合金を含有する、正極。
  5. 【請求項5】 伝導性高分子が、ポリアニリン、ポリピ
    ロール、およびポリチオフェンからなる群から選択され
    る、請求項4に記載の二次電池に使用される正極。
  6. 【請求項6】 高いエネルギー密度および優れた可逆性
    を有する、改良された二次電池であって、 i)請求項1および請求項4に記載の正極の1つから調製
    される正極; ii)リチウム塩を有する固体高分子電解質;および iii)リチウム金属、リチウム合金、あるいは炭素または
    グラファイトのようなリチウム層間材料から製造される
    負極を備えた、二次電池。
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