JP2014053298A - 蓄電デバイス用正極およびその製造方法、蓄電デバイス用正極活物質およびその製造方法、ならびに蓄電デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】充放電過程の初期から高容量を発現することができ、容量密度に優れた蓄電デバイス用正極を提供する。
【解決手段】導電性ポリマーを正極活物質として含有する蓄電デバイス用正極であって、上記導電性ポリマーの粒子のメジアン径が5μm以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、蓄電デバイス用正極およびその製造方法、蓄電デバイス用正極活物質およびその製造方法、ならびに蓄電デバイスに関し、詳しくは充放電過程の初期から高容量を発現することができ、容量密度に優れた蓄電デバイス用正極およびその製造方法、蓄電デバイス用正極活物質およびその製造方法、ならびに蓄電デバイスに関するものである。
近年、携帯型PC、携帯電話、携帯情報端末(PDA)等の携帯用電子機器における電子技術の進歩、発展に伴い、これら電子機器の蓄電デバイスとして、繰り返し充放電することができる二次電池等が広く用いられている。このような二次電池等の電気化学的蓄電デバイスにおいては、電極として使用する材料の高容量化が望まれる。
蓄電デバイスの電極は、イオンの挿入・脱離が可能な機能を有する活物質を含有する。活物質のイオンの挿入・脱離は、いわゆるドーピング・脱ドーピング(またはドープ・脱ドープということもある)とも称され、一定の分子構造あたりのドーピング・脱ドーピング量をドープ率と呼び、ドープ率が高い材料ほど、電池としては高容量化が可能となる。
電気化学的には、イオンの挿入・脱離の量が多い材料を電極として使用することにより、電池として高容量化が可能となる。より詳しく述べると、蓄電デバイスとして注目されるリチウム二次電池においては、リチウムイオンを挿入・脱離することができるグラファイト系の負極が用いられ、6つの炭素原子あたり1つ程度のリチウムイオンが挿入・脱離し高容量化が得られている。
このようなリチウム二次電池のなかでも、正極にマンガン酸リチウムやコバルト酸リチウムのようなリチウム含有遷移金属酸化物を用い、負極にリチウムイオンを挿入・脱離し得る炭素材料を用い、両電極を電解液中で対峙させたリチウム二次電池は、高エネルギー密度を有するようになるため、上述した電子機器の蓄電デバイスとして広く用いられている。
しかし、上記リチウム二次電池は、電気化学反応によって電気エネルギーを得る二次電池であって、上記電気化学反応の速度が小さいために、出力密度が低いという欠点がある。さらに、二次電池の内部抵抗が高いため、急速な放電は困難であるとともに、急速な充電も困難となっている。また、充放電に伴う電気化学反応によって電極や電解液が劣化するため、一般に寿命、すなわち、サイクル特性もよくない。
そこで、上記の問題を改善するため、ドーパントを有するポリアニリンのような導電性ポリマーを正極活物質に用いるリチウム二次電池も知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、一般に、導電性ポリマーを正極活物質として有する二次電池は、充電時には導電性ポリマーにアニオンがドープされ、放電時にはそのアニオンがポリマーから脱ドープされるアニオン移動型である。そのため、負極活物質にリチウムイオンを挿入・脱離し得る炭素材料等を用いたときは、充放電時にカチオンが両電極間を移動するカチオン移動型のロッキングチェア型二次電池を構成することができない。すなわち、ロッキングチェア型二次電池は電解液量が少なくてすむという利点を有するが、上記導電性ポリマーを正極活物質として有する二次電池はそれができず、蓄電デバイスの小型化に寄与することができない。
このような問題を解決するために、電解液を大量に必要とせず、電解液中のイオン濃度を実質的に変化させないとともに、これにより体積や重量あたりの容量密度、エネルギー密度の向上を目的とした、カチオン移動型の二次電池も提案されている。これは、ドーパントとしてポリビニルスルホン酸のようなポリマーアニオンを有する導電性ポリマーを用いて正極を構成し、負極にリチウム金属を用いているものである(特許文献2参照)。
特開平3−129679号公報 特開平1−132052号公報
しかしながら、上記特許文献に記載の二次電池は、電極活物質として正極にマンガン酸リチウムやコバルト酸リチウムのようなリチウム含有遷移金属酸化物を用いたリチウム二次電池に比べて、容量密度やエネルギー密度が低い等の難点がある。また、上記特許文献に記載の二次電池は、電池を組み立てた直後の充放電の初期段階では、低レート(0.05C)で数回充放電処理をする必要があるため、充分な容量密度を発現することができないという難点もある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、充放電過程の初期から高容量を発現することができ、容量密度に優れた蓄電デバイス用正極およびその製造方法、蓄電デバイス用正極活物質およびその製造方法、ならびに蓄電デバイスを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、導電性ポリマーを正極活物質として含有する蓄電デバイス用正極であって、上記導電性ポリマーの粒子のメジアン径が5μm以下である蓄電デバイス用正極を第一の要旨とする。
また、本発明は、導電性ポリマーを含有する正極活物質粒子に、少なくとも導電助剤と、バインダーと、水とを加えてスラリーを形成する工程と、上記スラリーをシート状に賦形する工程とを備え、上記導電性ポリマーとして、JETミル微粒化装置によって微粉化処理したメジアン径が5μm以下の導電性ポリマーの粒子を用いる蓄電デバイス用正極の製造方法を第二の要旨とする。
さらに、本発明は、導電性ポリマーを含有する蓄電デバイス用正極活物質であって、上記導電性ポリマーの粒子のメジアン径が5μm以下である蓄電デバイス用正極活物質を第三の要旨とする。
そして、本発明は、導電性ポリマーを含有する蓄電デバイス用正極活物質の製造方法であって、上記導電性ポリマーとして、JETミル微粒化装置によって微粉化処理したメジアン径が5μm以下の導電性ポリマーの粒子を用いる蓄電デバイス用正極活物質の製造方法を第四の要旨とする。
また、本発明は、電解質層と、これを挟んで対向して設けられた正極と負極とを有する蓄電デバイスであって、上記正極が、メジアン径が5μm以下の導電性ポリマーの粒子を正極活物質として含有する蓄電デバイスを第五の要旨とする。
すなわち、本発明者らは、充放電過程の初期から高容量を発現することができ、容量密度に優れた蓄電デバイスを得るため、正極を中心に鋭意検討を重ねた。そして、正極活物質である導電性ポリマーの粒子(以下、「導電性ポリマー粒子」と言う場合もある。)の粒度分布に着目し、各種実験を重ねた結果、メジアン径(d50)が5μm以下の導電性ポリマー粒子を使用すると、充放電過程の初期から高容量を発現することができ、所期の目的が達成できることを見いだした。この理由は、必ずしも明らかではないが、正極活物質としてメジアン径が5μm以下の微細な導電性ポリマー粒子を使用すると、導電性ポリマー粒子の中心部(深部)への電解液やイオンの拡散が向上するためであると推察される。
このように、上記蓄電デバイス用正極は、メジアン径が5μm以下の微細な導電性ポリマー粒子を正極活物質として含有するため、この蓄電デバイス用正極を用いた蓄電デバイスは、初期充放電における初期容量の発現に優れるとともに、活物質重量当たりの容量密度に優れている。
また、上記導電性ポリマーが、ポリアニリンまたはその誘導体であると、容量密度やエネルギー密度がさらに向上する。
蓄電デバイスの一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、以下に記載する説明は、本発明の実施態様の一例であり、本発明は、以下の内容に限定されない。
上記蓄電デバイス用正極(以下、単に「正極」と略す場合もある。)は、正極活物質として導電性ポリマーを含有し、その電性ポリマー粒子のメジアン径が5μm以下であることを特徴とする。
<導電性ポリマー>
上記導電性ポリマーとは、ポリマー主鎖の酸化反応または還元反応によって生成し、または消失する電荷の変化を補償するために、イオン種がポリマーに挿入し、またはポリマーから脱離することによって、ポリマー自身の導電性が変化する一群のポリマーをいう。
このようなポリマーにおいて、導電性が高い状態をドープ状態といい、低い状態を脱ドープ状態という。導電性を有するポリマーが酸化反応または還元反応によって導電性を失い、絶縁性(すなわち、脱ドープ状態)となっても、そのようなポリマーは、酸化還元反応によって再度、可逆的に導電性を有することができるので、このように脱ドープ状態にある絶縁性のポリマーも、本明細書においては、導電性ポリマーの範疇に入れることとする。
また、好ましい導電性ポリマーの1つとしては、無機酸アニオン、脂肪酸スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、ポリマースルホン酸アニオンおよびポリビニル硫酸アニオンからなる群から選ばれた少なくとも1つのプロトン酸アニオンをドーパントとして有するポリマーである。また、好ましい別の導電性ポリマーとしては、上記導電性ポリマーを脱ドープした脱ドープ状態のポリマーである。
上記導電性ポリマーの具体例としては、例えば、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリイソチアナフテン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリアズレン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)等や、および前記の置換体高分子等の導電性ポリマー系材料、あるいは、ポリアセン、グラファイト、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、グラフェン等のカーボン系材料があげられる。なかでも、電気化学的容量の大きなポリアニリン、ポリアニリン誘導体、ポリピロール、およびポリピロール誘導体が好ましく用いられ、ポリアニリンおよびポリアニリン誘導体がさらに好ましく用いられる。
上記ポリアニリンとは、アニリンを電解重合させ、または化学酸化重合させて得られるポリマーをいい、ポリアニリンの誘導体とは、例えば、アニリンの誘導体を電解重合させ、または化学酸化重合させて得られるポリマーをいう。
ここでアニリンの誘導体としてより詳しくは、アニリンの4位以外の位置にアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルコキシアルキル基等の置換基を少なくとも1つ有するものを例示することができる。好ましい具体例としては、例えば、o−メチルアニリン、o−エチルアニリン、o−フェニルアニリン、o−メトキシアニリン、o−エトキシアニリン等のo−置換アニリン、m−メチルアニリン、m−エチルアニリン、m−メトキシアニリン、m−エトキシアニリン、m−フェニルアニリン等のm−置換アニリンがあげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。また、4位に置換基を有するものでも、p−フェニルアミノアニリンは、酸化重合によってポリアニリンが得られるので、アニリン誘導体として好適に用いることができる。
以下、特に断らない限り「アニリンまたはその誘導体」を単に「アニリン」といい、また、「ポリアニリンまたはポリアニリン誘導体」を単に「ポリアニリン」という。したがって、導電性ポリマーを構成するポリマーがアニリン誘導体から得られる場合であっても、「導電性ポリアニリン」ということがある。
〔導電性ポリマーの調製〕
導電性ポリアニリンは、既によく知られているように、適宜の溶媒中、アニリンをプロトン酸の存在下に電解重合し、又は酸化剤を用いて化学酸化重合させることによって得ることができるが、好ましくは、適宜の溶媒中、プロトン酸の存在下にアニリンを酸化剤にて酸化重合させることによって得ることができる。上記溶媒としては、通常、水が用いられるが、水溶性有機溶媒と水との混合溶媒や、また、水と非極性有機溶媒との混合溶媒も用いられる。この場合には、界面活性剤等を併用することもある。
水を溶媒としてアニリンを酸化重合する場合を例にとって、より詳しく説明すれば、アニリンの化学酸化重合は、水中、プロトン酸の存在下に化学酸化剤を用いて行われる。用いる化学酸化剤は、水溶性、水不溶性のいずれでもよい。
好ましい酸化剤として、例えば、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、過酸化水素、重クロム酸カリウム、過マンガン酸カリウム、塩素酸ナトリウム、硝酸セリウムアンモニウム、ヨウ素酸ナトリウム、塩化鉄等を挙げることができる。
アニリンの酸化重合のために用いる酸化剤の量は、生成する導電性ポリアニリンの収率に関係し、用いたアニリンを定量的に反応させるには、用いたアニリンのモル数の(2.5/n)倍モルの酸化剤を用いることが好ましい。但し、nは、酸化剤自身1分子が還元されるときに必要とする電子の数を表す。従って、例えば、ペルオキソ二硫酸アンモニウムの場合には、下記の反応式から理解されるように、nは2である。
(NH4228 + 2e ⇒ 2NH4 ++2SO4 2-
しかし、ポリアニリンが過酸化状態になるのを抑制するために、用いるアニリンのモル数の(2.5/n)倍モルよりも若干少なくして、上記アニリンのモル数の(2.5/n)倍モル量に対して、30〜80%の割合を用いる場合もある。
導電性ポリアニリンの製造において、プロトン酸は、生成するポリアニリンをドーピングして、導電性にすると共に、アニリンを水中で塩にして水に溶解させるためと、重合反応系のpHを好ましくは1以下の強酸性に保つために用いられる。従って、導電性ポリアニリンの製造において、用いるプロトン酸の量は、上記目的を達成することができれば、特に限定されるものではないが、通常は、アニリンのモル数の1.1〜5倍モルの範囲で用いられる。しかし、用いるプロトン酸の量が多すぎるときは、アニリンの酸化重合の後処理において、廃液処理のための費用が不必要に嵩むことから、好ましくは、1.1〜2倍モルの範囲で用いられる。かくして、プロトン酸としては、強酸性を有するものが好ましく、好ましくは、酸解離定数pKa値が3.0未満のプロトン酸が好適に用いられる。
このような酸解離定数pKa値が3.0未満のプロトン酸として、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、過塩素酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、フッ化水素酸、ヨウ化水素酸等の無機酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等の脂肪族スルホン酸(又はアルカンスルホン酸)等が好ましく用いられる。また、分子中にスルホン酸基を有するポリマー、即ち、ポリマースルホン酸も用いることができる。このようなポリマースルホン酸としては、例えば、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリ(アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸)、フェノールスルホン酸ノボラック樹脂、ナフィオン(登録商標)に代表されるパーフルオロスルホン酸等を挙げることができる。ポリビニル硫酸もプロトン酸として用いることができる。
しかし、上述した以外にも、例えば、ピクリン酸のようなある種のフェノール類、m−ニトロ安息香酸のようなある種の芳香族カルボン酸、ジクロロ酢酸、マロン酸等のようなある種の脂肪族カルボン酸も酸解離定数pKa値が3.0未満であるので、導電性ポリアニリンの製造において、プロトン酸として用いられる。
上述した種々のプロトン酸のなかでも、テトラフルオロホウ酸やヘキサフルオロリン酸は、非水電解液二次電池における非水電解液の電解質塩の卑金属塩と同じアニオン種を含むプロトン酸であり、例えば、リチウム二次電池の場合であれば、リチウム二次電池における非水電解液の電解質塩のリチウム塩と同じアニオン種を含むプロトン酸であるので、好ましく用いられる。
導電性ポリマーは、前述したように、プロトン酸アニオンにてドーピングされたポリマーであってもよく、また、このように上記プロトン酸アニオンにてドーピングされたポリマーを脱ドープ処理して得られる脱ドープ状態のポリマーであってもよい。必要に応じて、上記脱ドープ状態のポリマーを更に還元処理してもよい。
導電性ポリマーを脱ドープ処理する方法として、例えば、プロトン酸アニオンにてドーピングされてなる導電性ポリマーをアルカリにて中和処理する方法を挙げることができ、また、プロトン酸アニオンにてドーピングされてなる導電性ポリマーを脱ドープ処理した後、還元処理する方法として、例えば、プロトン酸アニオンにてドーピングされてなる導電性ポリマーをアルカリにて中和処理して脱ドープし、かくして、得られた脱ドープされたポリマーを還元剤にて還元処理する方法を挙げることができる。
プロトン酸アニオンにてドーピングされている導電性ポリマーをアルカリにて中和処理する場合、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、アンモニア水等のアルカリ水溶液中に導電性ポリマーを投入して、室温下に、又は必要に応じて、50〜80℃程度の加温下に、撹拌すればよい。加温下にアルカリ処理することによって、導電性ポリマーの脱ドープ反応を促進して、短時間で脱ドープすることができる。
上記蓄電デバイス用正極は、上記導電性ポリマーに加え、必要に応じて、バインダー、導電助剤、水等を適宜加えることができる。特に、バインダーとしても機能するアニオン性材料を有することが容量密度を向上させる点で好ましい。
<アニオン性材料>
上記アニオン性材料としては、例えば、ポリマーアニオンや分子量の比較的大きなアニオン化合物、電解液に溶解性の低いアニオン化合物等があげられる。さらに詳細には、分子中にカルボキシル基を有する化合物が好ましく用いられ、特にポリマーであるポリカルボン酸が好ましく用いられる。上記アニオン性材料としてポリカルボン酸を用いた場合は、ポリカルボン酸がバインダーとしての機能を有するとともに、ドーパントとしても機能することから、蓄電デバイスの特性が向上する。
ポリカルボン酸としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニル安息香酸、ポリアリル安息香酸、ポリメタリル安息香酸、ポリマレイン酸、ポリフマル酸、ポリグルタミン酸およびポリアスパラギン酸等があげられ、ポリアクリル酸およびポリメタクリル酸が特に好ましく用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記ポリカルボン酸としては、分子中にカルボキシル基を有する化合物のカルボン酸をリチウム型にするものがあげられる。リチウム型への交換率は、好ましくは100%であるが、状況に応じては交換率は低くてもよく、好ましくは40%〜100%である。
上記アニオン性材料は、導電性ポリマー100重量部に対して、通常、1〜100重量部、好ましくは、2〜70重量部、最も好ましくは、5〜40重量部の範囲で用いられる。上記導電性ポリマーに対するアニオン性材料の量が少なすぎると、容量密度に優れる蓄電デバイスを得ることができない傾向にあり、他方、上記導電性ポリマーに対するアニオン性材料の量が多すぎても、結果として活物質材料が減り、容量密度の高い蓄電デバイスを得ることができない傾向にある。
また、上記導電性ポリマーとともに用いられるバインダーとしては、上記アニオン性材料以外に、例えば、フッ化ビニリデン等があげられる。
上記導電助剤は、導電性に優れるとともに、電池の活物質間の電気抵抗を低減するために有効であり、さらに、電池の放電時に印加する電位によって性状の変化しない導電性材料であることが望ましい。通常、導電性カーボンブラック、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等や、炭素繊維、カーボンナノチューブ等の繊維状炭素材料が用いられる。
<正極>
蓄電デバイス用正極は、上記導電性ポリマーと、アニオン性材料等との複合体からなることが好ましく、通常、多孔質シートに形成される。
上記正極の厚みは、通常、1〜500μmであり、好ましくは10〜300μmである。上記正極の厚みは、例えば、先端形状が直径5mmの平板であるダイヤルゲージ(尾崎製作所製)を用いて測定し、電極の面に対して10点の測定値の平均を求めることにより算出できる。なお、集電体上に正極(多孔質層)が設けられ複合化している場合には、その複合化物の厚みを上記と同様に測定して測定値の平均を求め、この値から集電体の厚みを差し引いて計算することにより正極の厚みが求められる。
上記蓄電デバイス用正極は、例えば、つぎのようにして形成される。上記導電性ポリマーを含有する正極活物質粒子に、少なくとも導電助剤と、バインダーと、水とを加えて、充分に分散させてスラリーを調製する。そして、これを集電体上に塗布した後、水を蒸発させる等によって、上記スラリーをシート状に賦形する。これによって、集電体上に導電性ポリマーと、必要に応じて加えられるアニオン性材料等との混合物の層を有する複合体からなる正極(シート電極)を得ることができる。
上記導電性ポリマー粒子のメジアン径が5μm以下であることが最大の特徴であり、好ましくは4.0μm以下、特に好ましくは3.0μm以下である。上記導電性ポリマー粒子のメジアン径が上限を超えると、充分な初期容量が得られず、容量密度が劣る。なお、上記導電性ポリマー粒子のメジアン径の下限は、通常、0.01μm以上であり、好ましくは0.05μm以上、特に好ましくは0.1μm以上である。
上記メジアン径は、例えば、レーザー回折散乱法、動的光散乱法、画像イメージング法、誘導回折格子法等により測定できる。上記動的光散乱法としては、一般的な動的光散乱式粒径分布測定装置等を用いて測定することができる。
上記メジアン径が5μm以下の導電性ポリマー粒子は、例えば、導電性ポリマーを作製し、アセトンやメタノール等を溶媒とする湿式もしくは乾式のJETミル微粒化装置を用いて微粉化処理することにより作製することができる。
その他、湿式もしくは乾式のビーズミル,ボールミル,アトライター等を用いてもよい。なお、メジアン径が5μm以下の導電性ポリマーを合成して微粉化処理を行わず、そのまま用いてもよい。
<電解質層>
上記電解質層は、電解質により構成されるが、例えば、セパレータに電解液を含浸させてなるシートや、固体電解質からなるシートが好ましく用いられる。固体電解質からなるシートは、それ自体がセパレータを兼ねている。
上記電解質は、溶質と、必要に応じて溶媒と各種添加剤とを含むものから構成される。上記溶質としては、例えば、リチウムイオンなどの金属イオンとこれに対する適宜のカウンターイオン、例えば、スルホン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロヒ素イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドイオン、ハロゲンイオン等を組み合わせてなるものが好ましく用いられる。上記電解質の具体例としては、LiCF3SO3、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252、LiCl等をあげることができる。
上記溶媒としては、例えば、カーボネート類、ニトリル類、アミド類、エーテル類等の少なくとも1種の非水溶媒、すなわち有機溶媒が用いられる。このような有機溶媒の具体例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N'−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン等をあげることができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なお、溶媒に溶質が溶解したものを「電解液」ということがある。
<セパレータ>
また、本実施の形態では、上述のように、セパレータを各種の態様で用いることができる。上記セパレータとしては、これを挟んで対向して配設される正極と負極の間の電気的な短絡を防ぐことができ、さらに、電気化学的に安定であり、イオン透過性が大きく、ある程度の機械強度を有する絶縁性の多孔質シートであればよい。従って、上記セパレータの材料としては、例えば、紙、不織布や、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド等の樹脂からなる多孔性のフィルムが好ましく用いられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
<負極>
上記負極としては、金属またはイオンを挿入・脱離し得る負極物質(負極活物質)を用いて形成されたものが好ましい。上記負極活物質としては、金属リチウムや、酸化・還元時にリチウムイオンが挿入・脱離し得る炭素材料や遷移金属酸化物、シリコン、スズなどが好ましく用いられる。なお、負極の厚みは、正極の厚みに準ずることが好ましい。
<正極集電体、負極集電体>
上記正極集電体、負極集電体の材料としては、例えば、ニッケル、アルミ、ステンレス、銅等の金属箔や、メッシュ等があげられる。なお、正極集電体と負極集電体とは、同じ材料で構成されていても、異なる材料で構成されていても差し支えない。
<蓄電デバイス>
つぎに、蓄電デバイス用正極を用いた蓄電デバイスについて説明する。この蓄電デバイスとしては、例えば、図1に示すように、電解質層3と、これを挟んで対向して設けられた正極2と負極4とを有するものがあげられる。なお、図1において、1は正極集電体、5は負極集電体を示す。
蓄電デバイス用正極を用いた蓄電デバイスは、上記負極等の材料を用いて、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、上記正極と負極との間にセパレータが配置されるように積層し、積層体を作製し、この積層体をアルミニウムラミネートパッケージ等の電池容器内に入れた後、真空乾燥する。つぎに、真空乾燥した電池容器内に電解液を注入し、電池容器であるパッケージを封口することにより、蓄電デバイスを作製することかできる。なお、パッケージへの電解液注入等の電池の作製は、グローブボックス中、超高純度アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
上記蓄電デバイスは、上記ラミネートセル以外に、フィルム型、シート型、角型、円筒型、ボタン型等種々の形状に形成される。また、蓄電デバイスの正極電極サイズとしては、ラミネートセルであれば1辺が、1〜300mmであることが好ましく、特に好ましくは10〜50mmであり、負極の電極サイズは1〜400mmであることが好ましく、特に好ましくは10〜60mmである。負極の電極サイズは、正極電極サイズより、わずかに大きくすることが好ましい。
また、上記蓄電デバイスは、電気二重層キャパシタのように、重量出力密度とサイクル特性に優れるとともに、従来の電気二重層キャパシタの重量エネルギー密度よりも非常に高い重量エネルギー密度を有する。そのため、上記蓄電デバイスは、キャパシタ的蓄電デバイスであると言える。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例,比較例となる蓄電デバイスの作製に先立ち、下記に示す各成分を調製・準備した。
<導電性ポリアニリン粉末の調製>
テトラフルオロホウ酸をドーパントとする導電性ポリアニリン(導電性ポリマー)の粉末を、下記のように調製した。なお、本明細書において粉末とは、粒子が集合したものをいい、通常、1次粒子が集合した2次粒子の状態のものである。すなわち、イオン交換水138gを入れた300mL容量のガラス製ビーカーに、42重量%濃度のテトラフルオロホウ酸水溶液(和光純薬工業社製、試薬特級)84.0g(0.402mol)を加え、磁気スターラーにて撹拌しながら、これにアニリン10.0g(0.107mol)を加えた。テトラフルオロホウ酸水溶液にアニリンを加えた当初は、アニリンは、テトラフルオロホウ酸水溶液に油状の液滴として分散していたが、その後、数分以内に水に溶解し、均一で透明なアニリン水溶液になった。このようにして得られたアニリン水溶液を低温恒温槽を用いて−4℃以下に冷却した。
つぎに、酸化剤として二酸化マンガン粉末(和光純薬工業社製、試薬1級)11.63g(0.134mol)を、上記アニリン水溶液中に少量ずつ加えて、ビーカー内の混合物の温度が−1℃を超えないようにした。このようにして、アニリン水溶液に酸化剤を加えることによって、アニリン水溶液は直ちに黒緑色に変化した。その後、しばらく撹拌を続けたとき、黒緑色の固体が生成し始めた。
このようにして、80分間かけて酸化剤を加えた後、生成した反応生成物を含む反応混合物を冷却しながら、さらに、100分間、撹拌した。その後、ブフナー漏斗と吸引瓶を用いて、得られた固体をNo.2濾紙(ADVANTEC社製)にて吸引濾過して、粉末を得た。この粉末を約2mol/Lのテトラフルオロホウ酸水溶液中にて磁気スターラーを用いて撹拌洗浄した。つぎに、アセトンで数回、撹拌洗浄し、これを減圧濾過した。得られた粉末を室温(25℃)で10時間真空乾燥することにより、テトラフルオロホウ酸をドーパントとする導電性ポリアニリン12.5gを得た。この導電性ポリアニリンは、鮮やかな緑色粉末であった。
<導電性ポリアニリン粉末の電導度>
上記導電性ポリアニリン粉末130mgを瑪瑙製乳鉢で粉砕した後、赤外スペクトル測定用KBr錠剤成形器を用い、75MPaの圧力下に10分間真空加圧成形して、直径13mm、厚み720μmの導電性ポリアニリンのディスクを得た。ファン・デル・ポー法による4端子法電導度測定にて測定した上記ディスクの電導度は、19.5S/cmであった。
<脱ドープ状態の導電性ポリアニリン粉末の調製>
上記により得られたドープ状態の導電性ポリアニリン粉末を、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液中に入れ、3Lセパラブルフラスコ中にて30分間撹拌し、中和反応によりドーパントのテトラフルオロホウ酸を脱ドープした。濾液が中性になるまで脱ドープしたポリアニリンを水洗した後、アセトン中で撹拌洗浄し、ブフナー漏斗と吸引瓶を用いて減圧濾過し、No.2濾紙上に、脱ドープしたポリアニリン粉末を得た。これを室温下、10時間真空乾燥して、茶色の脱ドープ状態のポリアニリン粉末を得た。
<還元脱ドープ状態のポリアニリン粉末の調製>
つぎに、フェニルヒドラジンのメタノール水溶液中に、上記で得た脱ドープ状態のポリアニリン粉末を入れ、撹拌下30分間還元処理を行った。ポリアニリン粉末の色は、還元により、茶色から灰色に変化した。反応後、メタノール洗浄、アセトン洗浄し、濾別後、室温下真空乾燥し、還元脱ドープ状態のポリアニリンを得た。得られた還元脱ドープ状態のポリアニリンについて、アセトンを溶媒とし、レーザー回折粒度分布測定器(島津製作所社製、SALD−2100)を用いて、メジアン径を測定した。その結果、還元脱ドープ状態のポリアニリン粒子のメジアン径は13μmであった。以下、実施例、比較例におけるメジアン径は、この方法により測定した値を意味する。
<還元脱ドープ状態のポリアニリン粉末の電導度>
上記還元脱ドープ状態のポリアニリン粉末130mgを瑪瑙製乳鉢で粉砕した後、赤外スペクトル測定用KBr錠剤成形器を用い、75MPaの圧力下に10分間真空加圧成形して、厚み720μmの還元脱ドープ状態のポリアニリンのディスクを得た。ファン・デル・ポー法による4端子法電導度測定にて測定した上記ディスクの電導度は、5.8×10-3S/cmであった。これより、ポリアニリン化合物は、イオンの挿入・脱離により導電性の変化する活物質化合物であるといえる。
<ポリカルボン酸の準備>
ポリアクリル酸(和光純薬工業社製、重量平均分子量100万)4.4gをイオン交換水に溶解し、4.4重量%濃度の粘稠なポリアクリル酸水溶液20.5gを得た。ついで、得られたポリアクリル酸水溶液に、水酸化リチウム0.15gを加え、再度溶解させアクリル酸部位の50%がリチウムに置換したポリアクリル酸−ポリアクリル酸リチウム複合体溶液を調製した。
<セパレータの準備>
不織布(宝泉社製、TF40−50(空孔率:55%))を準備した。
<負極の準備>
厚み50μmの金属リチウム(本城金属社製、圧延Liフォイル)を準備した。
<電解液の準備>
1mol/dm3濃度のテトラフルオロ酸リチウム(LiBF4)のエチレンカーボネート/ジメチルカーボネート溶液(キシダ化学社製)を準備した。
〔実施例1〕
<正極の作製>
上記で得た還元脱ドープ状態のポリアニリン粉末を、湿式のJETミル微粒化装置(スギンマシン社製、スターバースト)を用いて微粒化し、メジアン径が1.2μmのポリアニリン粉末を調製した。つぎに、このポリアニリン粉末4gと、導電性カーボンブラック(電気化学工業社製、デンカブラック)粉末0.6gと、水4gをと混合した後、これを上記バインダー溶液(ポリアクリル酸−ポリアクリル酸リウチム複合体溶液)20.5g中に加え、スパチュラでよく練った。これを、超音波式ホモジナイザーにて5分間超音波処理を施した後、フィルミックス40−40型(プライミックス社製)を用いて高剪断力を加えてマイルド分散させ、流動性を有するペーストを得た。このペーストに、あわとり練太郎(シンキー社製)を用いて3分間脱泡操作を行い、脱泡ペーストを得た。
つぎに、卓上型自動塗工装置(テスター産業社製)を用い、マイクロメーター付きドクターブレ−ド式アプリケータによって、溶液塗工厚みを360μmに調整し、塗布速度10mm/秒にて、上記脱泡ペーストを電気二重層キャパシタ用エッチングアルミニウム箔(宝泉社製、30CB)上に塗布した。これを室温(25℃)で45分間放置した後、温度100℃のホットプレート上で乾燥し、ポリアニリンシート電極(正極)を作製した。
<蓄電デバイス(リチウム二次電池)の作製>
上記により得られたポリアニリンシート電極を正極として用い、その他準備した上記材料を用いて、リチウム二次電池を組み立てた。なお、電池を組み立てるにあたり、ポリアニリンシート電極(正極)と、負極集電体として準備したステンレスメッシュとを80℃にて2時間、セパレータを120℃にて3時間、真空乾燥した。そして、電池の組立ては、グローブボックス中、超高純度アルゴンガス雰囲気下にて行った(グローブボックス内の露点:−100℃)。正極サイズは27mm×27mm、負極サイズは29mm×29mmとした。
〔実施例2〕
<正極の作製>
上記で得た還元脱ドープ状態のポリアニリン粉末を、湿式のJETミル微粒化装置(スギンマシン社製、スターバースト)を用いて微粒化し、メジアン径が2.7μmのポリアニリン粉末を調製した。そして、このポリアニリン粉末を使用する以外は、実施例1と同様にして、ポリアニリンシート電極(正極)を作製した。
<リチウム二次電池の作製>
実施例1で使用したポリアニリンシート電極(正極)に代えて、上記で作製したポリアニリンシート電極(正極)を用いた以外は、実施例1と同様にして、リチウム二次電池を作製した。
〔実施例3〕
<正極の作製>
上記で得た還元脱ドープ状態のポリアニリン粉末を、湿式のJETミル微粒化装置(スギンマシン社製、スターバースト)を用いて微粒化し、メジアン径が3.4μmのポリアニリン粉末を調製した。そして、このポリアニリン粉末を使用する以外は、実施例1と同様にして、ポリアニリンシート電極(正極)を作製した。
<リチウム二次電池の作製>
実施例1で使用したポリアニリンシート電極(正極)に代えて、上記で作製したポリアニリンシート電極(正極)を用いた以外は、実施例1と同様にして、リチウム二次電池を作製した。
〔実施例4〕
<正極の作製>
上記で得た還元脱ドープ状態のポリアニリン粉末を、湿式のJETミル微粒化装置(スギンマシン社製、スターバースト)を用いて微粒化し、メジアン径が4.9μmのポリアニリン粉末を調製した。そして、このポリアニリン粉末を使用する以外は、実施例1と同様にして、ポリアニリンシート電極(正極)を作製した。
<リチウム二次電池の作製>
実施例1で使用したポリアニリンシート電極(正極)に代えて、上記で作製したポリアニリンシート電極(正極)を用いた以外は、実施例1と同様にして、リチウム二次電池を作製した。
〔比較例1〕
<正極の作製>
上記で得た還元脱ドープ状態のポリアニリン粉末を、湿式のJETミル微粒化装置による微粒化処理を行わずに、そのまま使用した。このポリアニリン粒子のメジアン径は、8.9μmであった。そして、このポリアニリン粉末を使用する以外は、実施例1と同様にして、ポリアニリンシート電極(正極)を作製した。
<リチウム二次電池の作製>
実施例1で使用したポリアニリンシート電極(正極)に代えて、上記で作製したポリアニリンシート電極(正極)を用いた以外は、実施例1と同様にして、リチウム二次電池を作製した。
〔比較例2〕
<正極の作製>
上記で得た還元脱ドープ状態のポリアニリン粉末を、乾式のボールミル(フリッチュ社製、P−6)により造粒した。このポリアニリン粒子のメジアン径は、18.4μmであった。そして、このポリアニリン粉末を使用する以外は、実施例1と同様にして、ポリアニリンシート電極(正極)を作製した。
<リチウム二次電池の作製>
実施例1で使用したポリアニリンシート電極(正極)に代えて、上記で作製したポリアニリンシート電極(正極)を用いた以外は、実施例1と同様にして、リチウム二次電池を作製した。
このようして得られた実施例および比較例について、下記の基準に従って各特性の評価を行った。その結果を、下記の表1に併せて示した。
<重量容量密度>
上記で得た各リチウム二次電池を、25℃の恒温槽内に静置し、電池充放電装置(北斗電工社製、SD8)を用いて、定電流一定電圧充電/定電流放電モードにて測定を行った。充電終止電圧は3.8Vとし、定電流充電により電圧が3.8Vに到達した後は、3.8Vの定電圧充電を電流値が定電流充電時の電流値に対して20%の値になるまで行い、得られた容量を充電容量とした。その後、放電終止電圧2.0Vまで定電流放電を行い、2サイクル目で得られた重量容量密度を測定した。この重量容量密度は、正極活物質である導電性ポリアニリンの正味重量当たりに換算した値を示す。
<初期容量発現率の測定(%)>
上記得られた各ラミネートセルについて、下記式(1)により算出した値を初期容量発現率とした。なお、式(1)中の、1サイクル目で得られた重量容量密度は、上記重量容量密度測定で測定した5サイクル目の1サイクル目で得られた重量容量密度を用いた。
〔数1〕
初期容量発現率(%)=(1サイクル目で得られた重量エネルギー密度/5サイクル目で得られた重量エネルギー密度)×100 …(1)
上記表1の結果から、メジアン径が5μm以下の導電性ポリマー粒子を正極活物質に使用した実施例1〜4は、メジアン径が5μmを超える導電性ポリマー粒子を正極活物質に使用した比較例1,2に比べて、重量容量密度および初期容量発現率がいずれも優れていることがわかった。
上記蓄電デバイス用正極を用いた蓄電デバイスは、従来の二次電池と同様の用途に使用でき、例えば、携帯型PC、携帯電話、携帯情報端末(PDA)等の携帯用電子機器や、ハイブリッド電気自動車、電気自動車、燃料電池自動車等の駆動用電源に広く用いられる。
1 正極用集電体
2 正極
3 電解質層
4 負極
5 負極用集電体

Claims (9)

  1. 導電性ポリマーを正極活物質として含有する蓄電デバイス用正極であって、上記導電性ポリマーの粒子のメジアン径が5μm以下であることを特徴とする蓄電デバイス用正極。
  2. 上記導電性ポリマーが、ポリアニリンまたはその誘導体である請求項1記載の蓄電デバイス用正極。
  3. 導電性ポリマーを含有する正極活物質粒子に、少なくとも導電助剤と、バインダーと、水とを加えてスラリーを形成する工程と、上記スラリーをシート状に賦形する工程とを備え、上記導電性ポリマーとして、JETミル微粒化装置によって微粉化処理したメジアン径が5μm以下の導電性ポリマーの粒子を用いることを特徴とする蓄電デバイス用正極の製造方法。
  4. 上記導電性ポリマーが、ポリアニリンまたはその誘導体である請求項3記載の蓄電デバイス用正極の製造方法。
  5. 導電性ポリマーを含有する蓄電デバイス用正極活物質であって、上記導電性ポリマーの粒子のメジアン径が5μm以下であることを特徴とする蓄電デバイス用正極活物質。
  6. 導電性ポリマーを含有する蓄電デバイス用正極活物質の製造方法であって、上記導電性ポリマーとして、JETミル微粒化装置によって微粉化処理したメジアン径が5μm以下の導電性ポリマーの粒子を用いることを特徴とする蓄電デバイス用正極活物質の製造方法。
  7. 上記導電性ポリマーが、ポリアニリンまたはその誘導体である請求項6記載の蓄電デバイス用正極活物質の製造方法。
  8. 電解質層と、これを挟んで対向して設けられた正極と負極とを有する蓄電デバイスであって、上記正極が、メジアン径が5μm以下の導電性ポリマーの粒子を正極活物質として含有することを特徴とする蓄電デバイス。
  9. 上記導電性ポリマーが、ポリアニリンまたはその誘導体である請求項8記載の蓄電デバイス。
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