JP2014120453A - 非水電解液二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】重量エネルギー密度に優れるとともに、電池性能の劣化を効果的に抑制する新規な非水電解液二次電池を提供する。
【解決手段】正極と負極と、上記正極と上記負極の間に配置されたセパレータと、(a)イオン伝導性を有する支持塩および(b)SEI膜を形成する添加物を含む電解液とを備えた非水電解液二次電池であって、上記正極が導電性ポリマーを含み、上記負極が(x)イオンを挿入・脱離しうる炭素質材料含有層と(y)ポリマーアニオンのアルカリ金属塩の層とを有し、上記ポリマーアニオンのアルカリ金属塩の層が上記炭素質材料含有層上に形成された非水電解液二次電池。
【選択図】図1
【解決手段】正極と負極と、上記正極と上記負極の間に配置されたセパレータと、(a)イオン伝導性を有する支持塩および(b)SEI膜を形成する添加物を含む電解液とを備えた非水電解液二次電池であって、上記正極が導電性ポリマーを含み、上記負極が(x)イオンを挿入・脱離しうる炭素質材料含有層と(y)ポリマーアニオンのアルカリ金属塩の層とを有し、上記ポリマーアニオンのアルカリ金属塩の層が上記炭素質材料含有層上に形成された非水電解液二次電池。
【選択図】図1
Description
本発明は、非水電解液二次電池に関し、詳しくは電池性能の低下を効果的に抑制する非水電解液二次電池に関するものである。
近年、携帯型PC、携帯電話、携帯情報端末(PDA)等における電子技術の進歩、発展に伴い、これら電子機器の蓄電デバイスとして、繰り返し充放電することができる二次電池等が広く用いられている。
二次電池の中でも、電極活物質として正極にマンガン酸リチウムやコバルト酸リチウムのようなリチウム含有遷移金属酸化物を用い、負極にリチウムイオンを挿入・脱離し得る炭素質材料を用いる二次電池は、その充放電時に電解液中のリチウムイオン濃度が実質的に変化しない所謂ロッキングチェア型のリチウムイオン二次電池として、広く用いられている。このロッキングチェア型の二次電池は、所謂リザーブ型の二次電池に比べて、電解液量を低減することができることから小型化が可能になり、また小型でありながらも高エネルギー密度を有することから、上述した電子機器の蓄電デバイスとして広く用いられているのである。
しかし、上記リチウム二次電池は、電気化学反応によって電気エネルギーを得る二次電池であって、上記電気化学反応の速度が小さいために、出力密度が低いという欠点がある。さらに、二次電池の内部抵抗が高いため、急速な放電は困難であるとともに、急速な充電も困難となっている。また、充放電に伴う電気化学反応によって電極や電解液が劣化するため、一般に寿命、すなわち、サイクル特性もよくない。
そこで、上記の問題を改善するため、ドーパントを有するポリアニリンのような導電性ポリマーを正極活物質に用いる非水電解液二次電池も知られている(特許文献1)。しかしながら、一般に、導電性ポリマーを正極活物質として有する二次電池において、充電時には正極のポリマーにアニオンがドープされ、放電時にはそのアニオンが正極のポリマーから脱ドープされるアニオン移動型であるため、前述したようなロッキングチェア型の二次電池を構成することができない。したがって、導電性ポリマーを正極活物質に用いた非水電解液二次電池は、基本的に多量の電解液を必要とするため、電池の小型化に寄与することができないという問題がある。
このような問題を解決するために、正極に、ポリビニルスルホン酸のようなポリマーアニオンをドーパントとして有する導電性ポリマーを用いて、カチオン移動型とし、電解液中のイオン濃度が実質的に変化しないようにした二次電池も提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、上記二次電池は負極にリチウム等の金属を用いている。一方、リチウムイオン二次電池においては、一般に、安全性やサイクル特性の観点から、負極にリチウムイオンを挿入・脱離し得る炭素質材料を用いることが望ましいと考えられている。これは、正極に導電性ポリマーを用いた非水電解液二次電池の場合も同様である。
本発明は、上述のような事情に鑑みなされたものであり、正極に導電性ポリマーを用い、負極に炭素質材料を用いた非水電解液二次電池であって、電池性能の低下を効果的に抑制する新規な非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、正極と負極と、上記正極と上記負極の間に配置されたセパレータと、(a)イオン伝導性を有する支持塩および(b)SEI膜を形成する添加物を含む電解液とを備えた非水電解液二次電池であって、上記正極が導電性ポリマーを含み、上記負極が(x)イオンを挿入・脱離しうる炭素質材料含有層と(y)ポリマーアニオンのアルカリ金属塩の層とを有し、上記(y)ポリマーアニオンのアルカリ金属塩の層が上記(x)炭素質材料含有層上に形成された非水電解液二次電池を要旨とする。
すなわち、本発明者らは、電池性能の劣化を効果的に抑制する新規な非水電解液二次電池を得るために鋭意検討を重ねた。その過程で、本発明者らは、SEI(固体電解質界面)膜形成に有利な添加物を電解液に加えるとともに、負極を構成する炭素質材料含有層上に酸性の修飾基を有するポリマーアニオンのアルカリ金属塩の層(塗膜)を形成することによって電圧低下が抑制されることを見出した。なお、このメカニズムはまた明らかになっていないが、以下の通りであると推察される。
電池内の水分は、電解液中のアルカリ金属と反応することでガスを発生させるとともに水酸化アルカリ金属塩に変化する。この結果、電解液中のアルカリ金属が消費されることとなる。つまり、電池中に水分が多量に含まれていると、充放電に寄与することができるアルカリ金属が減少することになる。また、一般的に、電池内の水分は炭素質材料含有層上へのSEI膜の形成を阻害すると言われている。これに対し、本発明の非水電解液二次電池では、負極においてポリマーアニオンのアルカリ金属塩の層が上記炭素質材料含有層上すなわち電解液側(集電体とは逆側)に形成されているため、水分の一部がポリマーアニオンのアルカリ金属塩にトラップされることになり、その結果、炭素質材料含有層の近傍に水分が存在しない状態になる。したがって、本発明の非水電解液二次電池では、上述のアルカリ金属の低減およびSEI膜の形成阻害が緩和され、電池性能の劣化が効果的に抑制されているものと推察される。
また、一般的に、SEI膜は様々な化合物から形成されているが、主成分はRCO3Li(Rはアルキル基)であると言われている。したがって、炭素質材料含有層上に形成されたポリマーアニオンのアルカリ金属塩の層がSEI膜と同等の役割を果たしている可能性もある。
さらに、本発明の非水電解液二次電池においてポリマーアニオンのアルカリ金属塩がリチウム塩である場合、電解液が注入された時点で負極中の電位差によりリチウムイオンが炭素質材料含有材料中にドーピングされて電位が下がり、充電前にSEI膜が形成された可能性もある。
このように、本発明は、正極と負極と、上記正極と上記負極の間に配置されたセパレータと、(a)イオン伝導性を有する支持塩および(b)SEI膜を形成する添加物を含む電解液とを備えた非水電解液二次電池であって、上記正極が導電性ポリマーを含み、上記負極が(x)イオンを挿入・脱離しうる炭素質材料含有層と(y)ポリマーアニオンのアルカリ金属塩の層とを有し、上記(y)ポリマーアニオンのアルカリ金属塩の層が上記(x)炭素質材料含有層上に形成された非水電解液二次電池であるため、電池性能の低下を効果的に抑制できるようになる。
また、上記添加物が、ビニレンカーボネートおよびフルオロエチレンカーボネートの少なくとも一方である非水電解液二次電池であると、良質なSEI膜を形成することができ、延いては電池性能の低下をより一層効果的に抑制できるようになる。
さらに、上記ポリマーアニオンのアルカリ金属塩が、ポリアクリル酸リチウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸リチウム、およびポリスチレンスルホン酸ナトリウムからなる群から選ばれた少なくとも一つである非水電解液二次電池であると、水分に対するポリマーアニオンのアルカリ金属塩の層の親和性が充分に高いため、電池性能の低下を一層抑制できるようになる。
そして、上記支持塩が六フッ化リン酸リチウムである非水電解液二次電池であると、電池性能の低下を一層抑制できるようになるだけでなく、重量エネルギー密度等の電池性能を向上させることができる。
また、上記導電性ポリマーがポリアニリンおよびその誘導体の少なくとも一方である非水電解液二次電池であると、より一層、重量エネルギー密度を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、以下に記載する説明は、本発明の実施態様の一例であり、本発明は、以下の内容に限定されない。
本発明の非水電解液二次電池は、正極と負極と、上記正極と上記負極の間に配置されたセパレータと、(a)イオン伝導性を有する支持塩および(b)SEI膜を形成する添加物を含む電解液とを備えた非水電解液二次電池であって、上記正極が導電性ポリマーを含み、上記負極が(x)イオンを挿入・脱離しうる炭素質材料含有層と(y)ポリマーアニオンのアルカリ金属塩の層とを有し、上記(y)ポリマーアニオンのアルカリ金属塩の層が上記(x)炭素質材料含有層上に形成されたことを特徴とする。
以下、上記各部材および使用材料等について順を追って説明する。
<正極について>
〔導電性ポリマー〕
上記のように、本発明の非水電解液二次電池の正極は、導電性ポリマーを含有する。本発明における導電性ポリマーとは、ポリマー主鎖の酸化反応または還元反応によって生成し、または消失する電荷の変化を補償するために、イオン種がポリマーに挿入し、またはポリマーから脱離することによって、ポリマー自身の導電性が変化する一群のポリマーをいう。
〔導電性ポリマー〕
上記のように、本発明の非水電解液二次電池の正極は、導電性ポリマーを含有する。本発明における導電性ポリマーとは、ポリマー主鎖の酸化反応または還元反応によって生成し、または消失する電荷の変化を補償するために、イオン種がポリマーに挿入し、またはポリマーから脱離することによって、ポリマー自身の導電性が変化する一群のポリマーをいう。
このようなポリマーにおいて、導電性が高い状態をドープ状態といい、低い状態を脱ドープ状態という。導電性を有するポリマーが酸化反応または還元反応によって導電性を失い、絶縁性(すなわち、脱ドープ状態)となっても、そのようなポリマーは、酸化還元反応によって再度、可逆的に導電性を有することができるので、このように脱ドープ状態にある絶縁性のポリマーも、本発明においては、導電性ポリマーの範疇に入れることとする。
また、好ましい本発明の導電性ポリマーの1つとしては、無機酸アニオン、脂肪酸スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、ポリマースルホン酸アニオンおよびポリビニル硫酸アニオンからなる群から選ばれた少なくとも1つのプロトン酸アニオンをドーパントとして有するポリマーである。また、本発明において好ましい別の導電性ポリマーとしては、上記導電性ポリマーを脱ドープした脱ドープ状態のポリマーである。
上記導電性ポリマーの具体例としては、例えば、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリイソチアナフテン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリアズレン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)等や、これらの種々の誘導体があげられる。なかでも、電気化学的容量の大きなポリアニリン、ポリアニリン誘導体、ポリピロール、およびポリピロール誘導体が好ましく用いられ、ポリアニリンおよびポリアニリン誘導体がさらに好ましく用いられる。
本発明において、上記ポリアニリンとは、アニリンを電解重合させ、または化学酸化重合させて得られるポリマーをいい、ポリアニリンの誘導体とは、例えば、アニリンの誘導体を電解重合させ、または化学酸化重合させて得られるポリマーをいう。
ここでアニリンの誘導体としてより詳しくは、アニリンの4位以外の位置にアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルコキシアルキル基等の置換基を少なくとも1つ有するものを例示することができる。好ましい具体例としては、例えば、o−メチルアニリン、o−エチルアニリン、o−フェニルアニリン、o−メトキシアニリン、o−エトキシアニリン等のo−置換アニリン、m−メチルアニリン、m−エチルアニリン、m−メトキシアニリン、m−エトキシアニリン、m−フェニルアニリン等のm−置換アニリンがあげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。また本発明においては、4位に置換基を有するものでも、p−フェニルアミノアニリンは、酸化重合によってポリアニリンが得られるので、アニリン誘導体として好適に用いることができる。
また、本発明に係る正極では、上記導電性ポリマーに加え、さらに窒素を有することが好ましい。正極材料に窒素を含有する場合、電解液中に生成する酸などを正極材料がより効果的に吸着するようになるためである。また一方、正極では、さらにポリカルボン酸およびポリカルボン酸金属塩の少なくとも一方や、導電助剤を有することも好ましい。
〔ポリカルボン酸およびポリカルボン酸金属塩の少なくとも一方について〕
本発明において、上記ポリカルボン酸とは、分子中にカルボキシル基を有するポリマーをいう。上記ポリカルボン酸としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニル安息香酸、ポリアリル安息香酸、ポリメタリル安息香酸、ポリマレイン酸、ポリフマル酸、ポリアスパラギン酸、およびポリグルタミン酸が好ましく用いられ、なかでもポリアクリル酸およびポリメタクリル酸がより好ましく用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
本発明において、上記ポリカルボン酸とは、分子中にカルボキシル基を有するポリマーをいう。上記ポリカルボン酸としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニル安息香酸、ポリアリル安息香酸、ポリメタリル安息香酸、ポリマレイン酸、ポリフマル酸、ポリアスパラギン酸、およびポリグルタミン酸が好ましく用いられ、なかでもポリアクリル酸およびポリメタクリル酸がより好ましく用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
また、上記ポリカルボン酸金属塩は、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩をいい、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。アルカリ金属塩は、好ましくは、リチウム塩やナトリウム塩であり、上記アルカリ土類金属塩は、好ましくは、マグネシウム塩やカルシウム塩である。なお、ポリカルボン酸およびポリカルボン酸金属塩の少なくとも一方を以下、単に「ポリカルボン酸」と略す場合がある。
本発明の非水電解液二次電池において、上記ポリカルボン酸は、導電性ポリマー100重量部に対して、通常、1〜100重量部、好ましくは、2〜70重量部、最も好ましくは、5〜40重量部の範囲で用いられる。上記導電性ポリマーに対する上記ポリカルボン酸の量があまりに少ないときは、エネルギー密度に優れる非水電解液二次電池を得ることができない傾向にあり、他方、導電性ポリマーに対する上記ポリカルボン酸の量があまりに多いときは、正極活物質以外の部材重量が増大することによる正極重量の増大によって、電池全体の重量を考慮した時、高エネルギー密度の非水電解液二次電池を得ることができない傾向にある。
また、任意成分である上記導電助剤は、導電性に優れるとともに、電池の活物質間の電気抵抗を低減するために有効であり、さらに、電池の放電時に印加する電位によって性状の変化しない導電性材料であることが望ましい。この導電性材料としては、通常、導電性カーボンブラック、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等や、炭素繊維、カーボンナノチューブ等の繊維状炭素材料が用いられる。
〔正極の外形について〕
本発明の非水電解液二次電池に係る正極は、少なくとも上記導電性ポリマーからなる複合体からなり、好ましくは多孔質シートに形成される。通常正極の厚みは、1〜500μmであることが好ましく、10〜300μmであることがさらに好ましい。
本発明の非水電解液二次電池に係る正極は、少なくとも上記導電性ポリマーからなる複合体からなり、好ましくは多孔質シートに形成される。通常正極の厚みは、1〜500μmであることが好ましく、10〜300μmであることがさらに好ましい。
上記正極の厚みは、先端形状が直径5mmの平板であるダイヤルゲージ(尾崎製作所社製)を用いて正極を測定し、電極の面に対して10点の測定値の平均をもとめることにより得られる。集電体上に正極(多孔質層)が設けられ複合化している場合には、その複合化物の厚みを、上記と同様に測定し、測定値の平均をもとめ、集電体の厚みを差し引いて計算することにより正極の厚みが得られる。
〔正極の作製について〕
本発明の非水電解液二次電池に係る正極は、例えば、つぎのようにして作製される。例えば、前記ポリカルボン酸を水に溶解させ、または分散させ、これに導電性ポリマー粉末と、必要に応じて、導電性カーボンブラックのような導電助剤を加え、これを充分に分散させて、溶液粘度が0.1〜50Pa・s程度であるペーストを調製する。これを集電体上に塗布した後、水を蒸発させることによって、集電体上に上記導電性ポリマーと、必要に応じて前記ポリカルボン酸と、導電助剤を含有する正極活物質含有層を有する複合体(多孔質シート)としてシート電極を得ることができる。
本発明の非水電解液二次電池に係る正極は、例えば、つぎのようにして作製される。例えば、前記ポリカルボン酸を水に溶解させ、または分散させ、これに導電性ポリマー粉末と、必要に応じて、導電性カーボンブラックのような導電助剤を加え、これを充分に分散させて、溶液粘度が0.1〜50Pa・s程度であるペーストを調製する。これを集電体上に塗布した後、水を蒸発させることによって、集電体上に上記導電性ポリマーと、必要に応じて前記ポリカルボン酸と、導電助剤を含有する正極活物質含有層を有する複合体(多孔質シート)としてシート電極を得ることができる。
<負極について>
本発明の非水電解液二次電池に係る負極としては、主に(x)イオンを挿入・脱離しうる炭素質材料含有層および(y)ポリマーアニオンのアルカリ金属塩の層から構成されている。上記炭素質材料含有層(x)としては、リチウムイオン二次電池の負極活物質として用いられている公知の炭素質材料を使用できる。具体的には、コークス、ピッチ、フェノール樹脂、ポリイミド、セルロース等の焼成体、人造黒鉛、天然黒鉛等があげられ、なかでも好ましくは、人造黒鉛、天然黒鉛があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
本発明の非水電解液二次電池に係る負極としては、主に(x)イオンを挿入・脱離しうる炭素質材料含有層および(y)ポリマーアニオンのアルカリ金属塩の層から構成されている。上記炭素質材料含有層(x)としては、リチウムイオン二次電池の負極活物質として用いられている公知の炭素質材料を使用できる。具体的には、コークス、ピッチ、フェノール樹脂、ポリイミド、セルロース等の焼成体、人造黒鉛、天然黒鉛等があげられ、なかでも好ましくは、人造黒鉛、天然黒鉛があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
また、上記炭素質材料は、負極材料の主成分として用いられることが好ましい。ここで、主成分とは、全体の過半を示す成分のことをいい、全体が主成分のみからなる場合も含む意味である。
上記ポリマーアニオンのアルカリ金属塩の層(y)は、炭素質材料含有層(x)の上に塗工形成される。上記ポリマーアニオンのアルカリ金属塩としては、例えば、水分と親和性が高いポリカルボン酸のアルカリ金属塩およびポリスルホン酸のアルカリ金属塩が好ましく用いられ、なかでもポリアクリル酸のアルカリ金属塩、ポリメタクリル酸のアルカリ金属塩、ポリスチレンスルホン酸のアルカリ金属塩、ポリビニルスルホン酸のアルカリ金属塩がより好ましく用いられ、ポリアクリル酸リチウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸リチウムおよびポリスチレンスルホン酸ナトリウムがさらに好ましく用いられ、ポリアクリル酸リチウムおよびポリスチレンスルホン酸リチウムが特に好ましく用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なお、ポリアクリル酸リチウムおよびポリスチレンスルホン酸リチウムが特に好ましいのは、アルカリ金属イオンがリチウムであり、電解液中に含まれるカチオンと同じであるからである。
ポリマーアニオンのアルカリ金属塩の塗工厚みは、0.1μm以上100μm以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.5μm以上30μm以下の範囲内である。この塗工厚みが薄いとポリマーアニオンのアルカリ金属塩が充分に水分をトラップすることができないと共に充分なリチウムイオンを放出することができずSEI膜の形成が不充分となり、塗工厚みが厚いと充放電に伴うリチウムイオンの透過性が阻害されるために特に急速充放電特性に悪影響が出てくるからである。
また、ポリマーアニオンのアルカリ金属塩には、本発明の趣旨を損なわない範囲で他のポリマーや添加物を混合してもよい。
<電解液について>
上記電解液は、(a)電解質(支持塩)、(b)SEI膜を形成する添加物、および(c)溶媒を含有する物から構成される。電解質(a)としては、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化法酸リチウム(LiBF4)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(CF3SO3Li)、六フッ化砒酸リチウム(LiAsF6)などが用いられる。
上記電解液は、(a)電解質(支持塩)、(b)SEI膜を形成する添加物、および(c)溶媒を含有する物から構成される。電解質(a)としては、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化法酸リチウム(LiBF4)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(CF3SO3Li)、六フッ化砒酸リチウム(LiAsF6)などが用いられる。
SEI膜を形成する添加物(b)としては、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、1,3−プロパンスルトン、エチレンサルファイト、トリエチルボレート、ブチルメチルスルフォネートなどが用いられる。
電解液を構成する溶媒(c)としては、例えば、カーボネート類、ニトリル類、アミド類、エーテル類等の少なくとも1種の非水溶媒、すなわち、有機溶媒が用いられる。このような有機溶媒の具体例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N'−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン等をあげることができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記電解液中の電解質(a)の含有量としては、非水電解液二次電池の電解質含有量として通常の量が用いられる。電解質(a)の含有量としてより詳しくは、上記電解液中に0.1〜5mol/Lの濃度範囲で用いられ、好ましくは0.1〜2.5mol/L、さらに好ましくは0.5〜1.5mol/Lで用いられる。上記電解質(a)が少なすぎると、エネルギー密度に優れる非水電解液二次電池を得られない傾向にあり、他方、電解質(a)が多すぎると、イオンの挿入・脱離が上手く機能しないことから、やはりエネルギー密度に優れる非水電解液二次電池が得られない傾向にある。
また、本発明の非水電解液二次電池において、上記正極、負極、電解液以外に、集電体やセパレータ等の部材を用いることができる。集電体の材料としては、例えば、ニッケル、アルミ、ステンレス、銅等の金属箔や、メッシュ等があげられる。なお、正極集電体と負極集電体とは、同じ材料で構成されていても、異なる材料で構成されていても差し支えない。
また、セパレータを用いる場合、セパレータは、これを挟んで対向して配設される正極と負極の間の電気的な短絡を防ぐことができ、さらに、電気化学的に安定であり、イオン透過性が大きく、ある程度の機械強度を有する絶縁性の多孔質シートであればよい。したがって、例えば、紙、不織布や、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド等の樹脂からなる多孔性のフィルムが好ましく用いられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
<非水電解液二次電池の製造方法について>
上記材料を用いた本発明の非水電解液二次電池の製造方法としては、下記(I)〜(III)の工程を備える。以下、この製造方法について詳述する。
上記材料を用いた本発明の非水電解液二次電池の製造方法としては、下記(I)〜(III)の工程を備える。以下、この製造方法について詳述する。
(I)正極と負極とを準備し、両者の間に、セパレータを配置して、正極、セパレータおよび負極からなる積層体を作製する工程。
(II)電池容器内に、上記積層体を収容する工程。
(III)上記電池容器内に、電解液を注入する工程。
(II)電池容器内に、上記積層体を収容する工程。
(III)上記電池容器内に、電解液を注入する工程。
具体的には、上述した正極と負極との間にセパレータが配置されるように積層し、積層体を作製する。つぎに、この積層体をアルミニウムラミネートパッケージ等の電池容器内に入れた後、真空乾燥する。ついで、真空乾燥した電池容器内に電解液を注入する。最後に、電池容器であるパッケージを封口して、本発明の非水電解液二次電池が完成する。
なお、パッケージへの電解液注入等の電池の作製は、グローブボックス中、超高純度アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
<非水電解液二次電池について>
本発明の非水電解液二次電池は、上記ラミネートセル以外に、フィルム型、シート型、角型、円筒型、ボタン型等種々の形状に形成される。
本発明の非水電解液二次電池は、上記ラミネートセル以外に、フィルム型、シート型、角型、円筒型、ボタン型等種々の形状に形成される。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例,比較例となる非水電解液二次電池の作製に先立ち、下記に示す各成分を調製・準備した。
〔導電性ポリマー:ポリアニリン〕
導電性ポリマーとして、テトラフルオロホウ酸をドーパントとする導電性ポリアニリン粉末を下記のように調製した。
導電性ポリマーとして、テトラフルオロホウ酸をドーパントとする導電性ポリアニリン粉末を下記のように調製した。
(導電性ポリアニリン粉末の調製)
イオン交換水138gを入れた300mL容量のガラス製ビーカーに、42wt%濃度のテトラフルオロホウ酸水溶液(和光純薬工業社製、試薬特級)84.0g(0.402mol)を加え、磁気スターラーにて撹拌しながら、これにアニリン10.0g(0.107mol)を加えた。テトラフルオロホウ酸水溶液にアニリンを加えた当初は、アニリンは、テトラフルオロホウ酸水溶液に油状の液滴として分散していたが、その後、数分以内に水に溶解し、均一で透明なアニリン水溶液になった。このようにして得られたアニリン水溶液を低温恒温槽を用いて−4℃以下に冷却した。
イオン交換水138gを入れた300mL容量のガラス製ビーカーに、42wt%濃度のテトラフルオロホウ酸水溶液(和光純薬工業社製、試薬特級)84.0g(0.402mol)を加え、磁気スターラーにて撹拌しながら、これにアニリン10.0g(0.107mol)を加えた。テトラフルオロホウ酸水溶液にアニリンを加えた当初は、アニリンは、テトラフルオロホウ酸水溶液に油状の液滴として分散していたが、その後、数分以内に水に溶解し、均一で透明なアニリン水溶液になった。このようにして得られたアニリン水溶液を低温恒温槽を用いて−4℃以下に冷却した。
つぎに、酸化剤として二酸化マンガン粉末(和光純薬工業社製、試薬1級)11.63g(0.134mol)を、上記アニリン水溶液中に少量ずつ加えて、ビーカー内の混合物の温度が−1℃を超えないようにした。このようにして、アニリン水溶液に酸化剤を加えることによって、アニリン水溶液は直ちに黒緑色に変化した。その後、しばらく撹拌を続けたとき、黒緑色の固体が生成し始めた。
このようにして、80分間かけて酸化剤を加えた後、生成した反応生成物を含む反応混合物を冷却しながら、さらに、100分間、撹拌した。その後、ブフナー漏斗と吸引瓶を用いて、得られた固体をNo.2濾紙にて吸引濾過して、粉末を得た。この粉末を約2mol/Lのテトラフルオロホウ酸水溶液中にて磁気スターラーを用いて撹拌洗浄した。ついで、アセトンにて数回、撹拌洗浄し、これを減圧濾過した。得られた粉末を室温(25℃)で10時間真空乾燥することにより、テトラフルオロホウ酸をドーパントとする導電性ポリアニリン(以下、単に、「導電性ポリアニリン」という。)12.5gを得た。この導電性ポリアニリンは鮮やかな緑色粉末であった。
(導電性ポリアニリン粉末の電導度)
上記導電性ポリアニリン粉末130mgを瑪瑙製乳鉢で粉砕した後、赤外スペクトル測定用KBr錠剤成形器を用い、75MPaの圧力下に10分間真空加圧成形して、直径13mm、厚み720μmの導電性ポリアニリンのディスクを得た。ファン・デル・ポー法による4端子法電導度測定にて測定した上記ディスクの電導度は、19.5S/cmであった。
上記導電性ポリアニリン粉末130mgを瑪瑙製乳鉢で粉砕した後、赤外スペクトル測定用KBr錠剤成形器を用い、75MPaの圧力下に10分間真空加圧成形して、直径13mm、厚み720μmの導電性ポリアニリンのディスクを得た。ファン・デル・ポー法による4端子法電導度測定にて測定した上記ディスクの電導度は、19.5S/cmであった。
(脱ドープ状態の導電性ポリアニリン粉末の調製)
上記により得られたドープ状態である導電性ポリアニリン粉末を、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液中に入れ、3Lセパラブルフラスコ中にて30分間撹拌し、中和反応によりドーパントのテトラフルオロホウ酸を脱ドープした。濾液が中性になるまで脱ドープしたポリアニリンを水洗した後、アセトン中で撹拌洗浄し、ブフナー漏斗と吸引瓶を用いて減圧濾過し、No.2濾紙上に、脱ドープしたポリアニリン粉末を得た。これを室温下、10時間真空乾燥して、茶色の脱ドープ状態のポリアニリン粉末を得た。
上記により得られたドープ状態である導電性ポリアニリン粉末を、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液中に入れ、3Lセパラブルフラスコ中にて30分間撹拌し、中和反応によりドーパントのテトラフルオロホウ酸を脱ドープした。濾液が中性になるまで脱ドープしたポリアニリンを水洗した後、アセトン中で撹拌洗浄し、ブフナー漏斗と吸引瓶を用いて減圧濾過し、No.2濾紙上に、脱ドープしたポリアニリン粉末を得た。これを室温下、10時間真空乾燥して、茶色の脱ドープ状態のポリアニリン粉末を得た。
(還元脱ドープ状態のポリアニリン粉末の調製)
つぎに、フェニルヒドラジンのメタノール水溶液中に、この脱ドープ状態のポリアニリン粉末を入れ、撹拌下30分間還元処理を行った。ポリアニリン粉末の色は、還元により、茶色から灰色に変化した。反応後、メタノール洗浄、アセトン洗浄し、濾別後、室温下真空乾燥し、還元脱ドープ状態のポリアニリンを得た。
つぎに、フェニルヒドラジンのメタノール水溶液中に、この脱ドープ状態のポリアニリン粉末を入れ、撹拌下30分間還元処理を行った。ポリアニリン粉末の色は、還元により、茶色から灰色に変化した。反応後、メタノール洗浄、アセトン洗浄し、濾別後、室温下真空乾燥し、還元脱ドープ状態のポリアニリンを得た。
(還元脱ドープ状態のポリアニリン粉末の電導度)
上記還元脱ドープ状態のポリアニリン粉末130mgを瑪瑙製乳鉢で粉砕した後、赤外スペクトル測定用KBr錠剤成形器を用い、75MPaの圧力下に10分間真空加圧成形して、厚み720μmの還元脱ドープ状態のポリアニリンのディスクを得た。ファン・デル・ポー法による4端子法電導度測定にて測定した上記ディスクの電導度は、5.8×10-3S/cmであった。これより、ポリアニリン化合物は、イオンの挿入・脱離により導電性の変化する活物質化合物であるといえる。
上記還元脱ドープ状態のポリアニリン粉末130mgを瑪瑙製乳鉢で粉砕した後、赤外スペクトル測定用KBr錠剤成形器を用い、75MPaの圧力下に10分間真空加圧成形して、厚み720μmの還元脱ドープ状態のポリアニリンのディスクを得た。ファン・デル・ポー法による4端子法電導度測定にて測定した上記ディスクの電導度は、5.8×10-3S/cmであった。これより、ポリアニリン化合物は、イオンの挿入・脱離により導電性の変化する活物質化合物であるといえる。
〔ポリカルボン酸の準備〕
ポリアクリル酸(和光純薬工業社製、重量平均分子量100万)4.4gをイオン交換水95.6gに加え、一夜静置して膨潤させた。この後、超音波式ホモジナイザーを用いて1分間処理して溶解させ、4.4wt%濃度の粘稠なポリアクリル酸水溶液100gを得た。ついで、得られたポリアクリル酸水溶液100gに、ポリアクリル酸の有するカルボキシル基の量の半分をリチウム塩化する量の水酸化リチウム粉末0.73gを加えて、ポリアクリル酸の半リチウム塩水溶液を調製し、準備した。
ポリアクリル酸(和光純薬工業社製、重量平均分子量100万)4.4gをイオン交換水95.6gに加え、一夜静置して膨潤させた。この後、超音波式ホモジナイザーを用いて1分間処理して溶解させ、4.4wt%濃度の粘稠なポリアクリル酸水溶液100gを得た。ついで、得られたポリアクリル酸水溶液100gに、ポリアクリル酸の有するカルボキシル基の量の半分をリチウム塩化する量の水酸化リチウム粉末0.73gを加えて、ポリアクリル酸の半リチウム塩水溶液を調製し、準備した。
〔正極の準備〕
上記調製した還元脱ドープ状態のポリアニリン粉末4gと導電性カーボンブラック(電気化学工業社製、デンカブラック)粉末0.5gとを混合した後、これを上記4.4wt%濃度のポリアクリル酸の半リチウム塩水溶液20.4g中に加え、スパチュラでよく練った。これを、超音波式ホモジナイザーにて1分間超音波処理を施した後、フィルミックス40−40型(プライミックス社製)を用いて高剪断力を加えてマイルド分散させ、流動性を有するペーストを得た。このペーストをさらに真空吸引鐘とロータリーポンプを用いて脱泡した。
上記調製した還元脱ドープ状態のポリアニリン粉末4gと導電性カーボンブラック(電気化学工業社製、デンカブラック)粉末0.5gとを混合した後、これを上記4.4wt%濃度のポリアクリル酸の半リチウム塩水溶液20.4g中に加え、スパチュラでよく練った。これを、超音波式ホモジナイザーにて1分間超音波処理を施した後、フィルミックス40−40型(プライミックス社製)を用いて高剪断力を加えてマイルド分散させ、流動性を有するペーストを得た。このペーストをさらに真空吸引鐘とロータリーポンプを用いて脱泡した。
卓上型自動塗工装置(テスター産業社製)を用い、マイクロメーター付きドクターブレ−ド式アプリケータによって、溶液塗工厚みを360μmに調整し、塗布速度10mm/秒にて、上記脱泡ペーストを電気二重層キャパシタ用エッチングアルミニウム箔(宝泉社製、30CB)上に塗布した。ついで、室温(25℃)で45分間放置した後、温度100℃のホットプレート上で乾燥した。この後、真空プレス機(北川精機社製、KVHC)を用いて、15cm角のステンレス板に挟んで、温度140℃、圧力1.5MPaで5分間プレスして、多孔質のポリアニリンシート電極(正極)を作製した。
〔セパレータの準備〕
セパレータとしては、厚さ25μm、空孔率38%、通気度620秒/100mlのポリプロピレン多孔質膜(セルガード社製、Celgard2400)を用いた。
セパレータとしては、厚さ25μm、空孔率38%、通気度620秒/100mlのポリプロピレン多孔質膜(セルガード社製、Celgard2400)を用いた。
〔実施例1〕
<負極の準備>
炭素質材料含有層(x)としては、活物質として天然球状グラファイトを含む負極シート(パイオトレック社製、0.8mAh/cm2)を用いた。
<負極の準備>
炭素質材料含有層(x)としては、活物質として天然球状グラファイトを含む負極シート(パイオトレック社製、0.8mAh/cm2)を用いた。
ポリマーアニオンのアルカリ金属塩の層(y)として次のものを準備し、作製した。ポリアクリル酸(日本触媒社製、重量平均分子量80万)7.5gをイオン交換水92.5gに加えた後、そのポリアクリル酸含有水を一晩静置してポリアクリル酸を膨潤させた。その後、超音波式ホモジナイザーを用いてこのポリアクリル酸含有水を1分間処理して、ポリアクリル酸を水に溶解させ、7.5wt%の粘稠なポリアクリル酸水溶液100gを得た。ついで、得られたポリアクリル酸水溶液100gに、ポリアクリル酸中の全カルボキシル基をリチウム塩化する量の水酸化リチウム粉末1.3gを加えて、ポリアクリル酸リチウム塩水溶液を調製した。
つぎに、卓上型自動塗工装置(テスター産業社製)を用い、マイクロメーター付きドクターブレード式アプリケータによって、溶液塗工厚みを50μmに調整し、塗布速度10mm/秒にて、上記ポリアクリル酸リチウム塩水溶液を上記負極シート上に塗布した。ついで、温度80℃のホットプレート上で10分乾燥して、炭素質材料含有層上にポリアクリル酸リチウム塩層を設けた負極を得た。なお、ポリアクリル酸リチウム塩層の厚みは2μmであった。また、図1は、この負極の縦断面の写真図を示している。
<電解液の調製>
電解液として、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを1:1の体積比で含む溶媒に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1mol/Lの濃度となるように溶解させると共にビニレンカーボネートを10wt%の濃度となるように溶解させたものを準備した。
電解液として、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを1:1の体積比で含む溶媒に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1mol/Lの濃度となるように溶解させると共にビニレンカーボネートを10wt%の濃度となるように溶解させたものを準備した。
<ラミネートセルの作製>
つぎに、正極、負極およびセパレータを用いて積層体を組み立てた。具体的には、上述した正極と負極の間にセパレータ2枚が配置されるように積層し、積層体を得た。積層体をアルミニウムラミネートパッケージに入れた後、真空乾燥機にて80℃で2時間、真空乾燥した。ついで、真空乾燥したパッケージに、前記調製した電解液(LiPF6およびビニレンカーボネート含有)を注入した。最後に、パッケージを封口して、実施例1の非水電解液二次電池を得た。なおパッケージへの注液はグローブボックス中、超高純度アルゴンガス雰囲気下にて行った。グローブボックス内の露点は−90℃以下であった。
つぎに、正極、負極およびセパレータを用いて積層体を組み立てた。具体的には、上述した正極と負極の間にセパレータ2枚が配置されるように積層し、積層体を得た。積層体をアルミニウムラミネートパッケージに入れた後、真空乾燥機にて80℃で2時間、真空乾燥した。ついで、真空乾燥したパッケージに、前記調製した電解液(LiPF6およびビニレンカーボネート含有)を注入した。最後に、パッケージを封口して、実施例1の非水電解液二次電池を得た。なおパッケージへの注液はグローブボックス中、超高純度アルゴンガス雰囲気下にて行った。グローブボックス内の露点は−90℃以下であった。
〔実施例2〕
実施例1のポリアクリル酸リチウム塩層の厚みが0.5μmとなるように溶液塗工厚みを変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の非水電解液二次電池を得た。
実施例1のポリアクリル酸リチウム塩層の厚みが0.5μmとなるように溶液塗工厚みを変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の非水電解液二次電池を得た。
〔実施例3〕
実施例1のポリアクリル酸リチウム塩層の厚みが1μmとなるように溶液塗工厚みを変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例3の非水電解液二次電池を得た。
実施例1のポリアクリル酸リチウム塩層の厚みが1μmとなるように溶液塗工厚みを変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例3の非水電解液二次電池を得た。
〔実施例4〕
実施例1のポリアクリル酸リチウム塩層の厚みが10μmとなるように溶液塗工厚みを変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例4の非水電解液二次電池を得た。
実施例1のポリアクリル酸リチウム塩層の厚みが10μmとなるように溶液塗工厚みを変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例4の非水電解液二次電池を得た。
〔実施例5〕
実施例1のポリアクリル酸リチウム塩層の厚みが20μmとなるように溶液塗工厚みを変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例5の非水電解液二次電池を得た。
実施例1のポリアクリル酸リチウム塩層の厚みが20μmとなるように溶液塗工厚みを変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例5の非水電解液二次電池を得た。
〔実施例6〕
実施例1のポリアクリル酸リチウム塩水溶液に代えて、ポリアクリル酸ナトリウム塩(和光純薬工業社製、重量平均分子量2万〜7万)の水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例6の非水電解液二次電池を得た。
実施例1のポリアクリル酸リチウム塩水溶液に代えて、ポリアクリル酸ナトリウム塩(和光純薬工業社製、重量平均分子量2万〜7万)の水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例6の非水電解液二次電池を得た。
〔実施例7〕
実施例1のポリアクリル酸リチウム塩水溶液に代えて、ポリスチレンスルホン酸水溶液(アルドリッチ社製、重量平均分子量7万5千、18wt%水溶液)100gに水酸化リチウム13gを添加して調製したポリスチレンスルホン酸リチウム塩水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例7の非水電解液二次電池を得た。
実施例1のポリアクリル酸リチウム塩水溶液に代えて、ポリスチレンスルホン酸水溶液(アルドリッチ社製、重量平均分子量7万5千、18wt%水溶液)100gに水酸化リチウム13gを添加して調製したポリスチレンスルホン酸リチウム塩水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例7の非水電解液二次電池を得た。
〔実施例8〕
実施例1のポリアクリル酸リチウム塩水溶液に代えて、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩(東ソー有機化学社製、PS−50)の水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例8の非水電解液二次電池を得た。
実施例1のポリアクリル酸リチウム塩水溶液に代えて、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩(東ソー有機化学社製、PS−50)の水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例8の非水電解液二次電池を得た。
〔実施例9〕
ポリアクリル酸中のカルボキシル基の50%をリチウム塩化する量の水酸化リチウム粉末を加えてポリアクリル酸リチウム塩水溶液2を調製した。そして、実施例1のポリアクリル酸リチウム塩水溶液に代えて、上記ポリアクリル酸リチウム塩水溶液2を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例9の非水電解液二次電池を得た。
ポリアクリル酸中のカルボキシル基の50%をリチウム塩化する量の水酸化リチウム粉末を加えてポリアクリル酸リチウム塩水溶液2を調製した。そして、実施例1のポリアクリル酸リチウム塩水溶液に代えて、上記ポリアクリル酸リチウム塩水溶液2を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例9の非水電解液二次電池を得た。
〔実施例10〕
ポリアクリル酸中のカルボキシル基の70%をリチウム塩化する量の水酸化リチウム粉末を加えてポリアクリル酸リチウム塩水溶液3を調製した。そして、実施例1のポリアクリル酸リチウム塩水溶液に代えて、上記ポリアクリル酸リチウム塩水溶液3を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例10の非水電解液二次電池を得た。
ポリアクリル酸中のカルボキシル基の70%をリチウム塩化する量の水酸化リチウム粉末を加えてポリアクリル酸リチウム塩水溶液3を調製した。そして、実施例1のポリアクリル酸リチウム塩水溶液に代えて、上記ポリアクリル酸リチウム塩水溶液3を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例10の非水電解液二次電池を得た。
〔実施例11〕
実施例1の電解液のビニレンカーボネート濃度を1wt%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例11の非水電解液二次電池を得た。
実施例1の電解液のビニレンカーボネート濃度を1wt%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例11の非水電解液二次電池を得た。
〔実施例12〕
実施例1の電解液のビニレンカーボネート濃度を3wt%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例12の非水電解液二次電池を得た。
実施例1の電解液のビニレンカーボネート濃度を3wt%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例12の非水電解液二次電池を得た。
〔実施例13〕
実施例1の電解液のビニレンカーボネート濃度を5wt%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例13の非水電解液二次電池を得た。
実施例1の電解液のビニレンカーボネート濃度を5wt%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例13の非水電解液二次電池を得た。
〔実施例14〕
実施例1の電解液のビニレンカーボネート濃度を20wt%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例14の非水電解液二次電池を得た。
実施例1の電解液のビニレンカーボネート濃度を20wt%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例14の非水電解液二次電池を得た。
〔実施例15〕
エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを1:1の体積比で含む溶媒に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1mol/Lの濃度となるように溶解させると共にフルオロエチレンカーボネートを1wt%の濃度となるように溶解させて電解液2を調製した。そして、実施例1の電解液に代えて、上記電解液2を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例15の非水電解液二次電池を得た。
エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを1:1の体積比で含む溶媒に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1mol/Lの濃度となるように溶解させると共にフルオロエチレンカーボネートを1wt%の濃度となるように溶解させて電解液2を調製した。そして、実施例1の電解液に代えて、上記電解液2を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例15の非水電解液二次電池を得た。
〔比較例1〕
実施例1のポリアクリル酸リチウム塩水溶液に代えて、実施例1で得られたポリアクリル酸水溶液を上記負極シート上に塗布した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の非水電解液二次電池を得た。なお、ポリアクリル酸層の厚みは2μmであった。
実施例1のポリアクリル酸リチウム塩水溶液に代えて、実施例1で得られたポリアクリル酸水溶液を上記負極シート上に塗布した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の非水電解液二次電池を得た。なお、ポリアクリル酸層の厚みは2μmであった。
〔比較例2〕
ポリフッ化ビニリデン(クレハ社製、KFW#1100)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させて5.5wt%のポリフッ化ビニリデンNMP溶液を得た。このポリフッ化ビニリデンNMP溶液を上記負極シート上にギャップ100μmでドクターブレードにて塗工し、その溶液膜をホットプレート上で80℃で15分、さらに120℃で15分乾燥させて、炭素質材料含有層上にポリフッ化ビニリデン層を設けた負極を得た。なお、ポリフッ化ビニリデン層の厚みは2μmであった。
ポリフッ化ビニリデン(クレハ社製、KFW#1100)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させて5.5wt%のポリフッ化ビニリデンNMP溶液を得た。このポリフッ化ビニリデンNMP溶液を上記負極シート上にギャップ100μmでドクターブレードにて塗工し、その溶液膜をホットプレート上で80℃で15分、さらに120℃で15分乾燥させて、炭素質材料含有層上にポリフッ化ビニリデン層を設けた負極を得た。なお、ポリフッ化ビニリデン層の厚みは2μmであった。
<ラミネートセルの作製>
実施例1の負極に代えて、上記作製した負極を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例2の非水電解液二次電池を得た。
実施例1の負極に代えて、上記作製した負極を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例2の非水電解液二次電池を得た。
〔比較例3〕
エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを1:1の体積比で含む溶媒に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1mol/Lの濃度となるように溶解させて電解液3を調製した。すなわち、この電解液には、ビニレンカーボネートが含まれていない。そして、実施例1の電解液に代えて、上記電解液3を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例3の非水電解液二次電池を得た。
エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを1:1の体積比で含む溶媒に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1mol/Lの濃度となるように溶解させて電解液3を調製した。すなわち、この電解液には、ビニレンカーボネートが含まれていない。そして、実施例1の電解液に代えて、上記電解液3を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例3の非水電解液二次電池を得た。
〔比較例4〕
比較例2の電解液に代えて比較例3の電解液3を用いた以外は、比較例2と同様にして、比較例4の非水電解液二次電池を得た。
比較例2の電解液に代えて比較例3の電解液3を用いた以外は、比較例2と同様にして、比較例4の非水電解液二次電池を得た。
〔比較例5〕
実施例1の負極に代えて、活物質として天然球状グラファイトを含む負極シート(パイオトレック社製、0.8mAh/cm2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例5の非水電解液二次電池を得た。すなわち、この負極には、ポリアクリル酸リチウム塩層が形成されていない。なお、図2には、この負極の縦断面の写真図を示している。
実施例1の負極に代えて、活物質として天然球状グラファイトを含む負極シート(パイオトレック社製、0.8mAh/cm2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例5の非水電解液二次電池を得た。すなわち、この負極には、ポリアクリル酸リチウム塩層が形成されていない。なお、図2には、この負極の縦断面の写真図を示している。
〔比較例6〕
比較例5の電解液に代えて比較例3の電解液3を用いた以外は、比較例5と同様にして、比較例6の非水電解液二次電池を得た。
比較例5の電解液に代えて比較例3の電解液3を用いた以外は、比較例5と同様にして、比較例6の非水電解液二次電池を得た。
上記の実施例1〜15および比較例1〜6の非水電解液二次電池それぞれの特徴的構成を下記の〔表1〕にまとめた。そして、これらの非水電解液二次電池の電圧維持率を下記の方法に従って測定し、その結果を下記の〔表1〕に併せて示した。なお、〔表1〕において、「PALi」はポリアクリル酸リチウム塩を示し、「PANa」はポリアクリル酸ナトリウム塩を示し、「PSSLi」はポリスチレンスルホン酸リチウムを示し、「PSSNa」はポリスチレンスルホン酸ナトリウムを示し、「PAA」はポリアクリル酸を示し、「PVdF」はポリフッ化ビニリデンを示し、「VC」はビニレンカーボネートを示し、「FEC」はフルオロエチレンカーボネートを示しており、「−」は未添加であることを示している。
<電圧維持率の測定>
上記得られた各非水電解液二次電池を25℃の恒温槽内に静置し、電池充放電装置(北斗電工社製、SD8)を定電流−定電圧充電/定電流放電モードで動作させる。充電は、電圧が3.8Vに到達するまで0.05C相当の定電流で行い、電圧が3.8Vに到達した後は3.8V定電圧で電流値が0.05C相当の20%に減衰するまで行う。ここで、この充電を1充電とした。ついで、0.05C相当の電流値で電圧が2.0Vに到達するまで放電を行った。ここで、この充放電を1充放電サイクルとした。なお、ここで0.05Cとは、20時間率を示している。20時間率とは、電池を充電あるいは放電するのに20時間を要する電流値を意味する。
上記得られた各非水電解液二次電池を25℃の恒温槽内に静置し、電池充放電装置(北斗電工社製、SD8)を定電流−定電圧充電/定電流放電モードで動作させる。充電は、電圧が3.8Vに到達するまで0.05C相当の定電流で行い、電圧が3.8Vに到達した後は3.8V定電圧で電流値が0.05C相当の20%に減衰するまで行う。ここで、この充電を1充電とした。ついで、0.05C相当の電流値で電圧が2.0Vに到達するまで放電を行った。ここで、この充放電を1充放電サイクルとした。なお、ここで0.05Cとは、20時間率を示している。20時間率とは、電池を充電あるいは放電するのに20時間を要する電流値を意味する。
2充放電サイクル後、上記電池充放電装置を用いて開回路電圧測定モードにて、1時間毎の電圧を測定した。そして、放電終了から300時間経過後の電圧を放電終了直後の電圧で除した値に100を乗じた値を電圧維持率とした。なお、この電圧維持率は、100であれば放電なしを意味し、その値が小さいほど電圧の維持性が悪く、電圧が低下していることを示している。
上記〔表1〕より、電解液にSEI膜を形成する添加物を含むと共に、炭素質材料含有層をポリマーアニオンのアルカリ金属塩で被覆して形成した負極を用いた非水電解液二次電池は、そうでない非水電解液二次電池と比べて高い電圧維持率を示すことが分かった。
また、比較例2の非水電解液二次電池は93.8%の電圧維持率を示し、比較例5の非水電解液二次電池は89.8%の電圧維持率を示すが、300時間経過時点での電圧維持率が95%に満たない非水電解液二次電池は、実用性に欠ける。非水電解液二次電池の実用化には放電終了から1000時間経過時点でも充分な電圧を維持していることが必要とされるが、比較例2および5の非水電解液二次電池では、その傾向から1000時間経過時点でかなりの電圧低下が起こっていると予測されるからである。
本発明の非水電解液二次電池は、リチウム二次電池等の非水電解液二次電池として好適に使用できる。また、本発明の非水電解液二次電池は、従来の二次電池と同様の用途に使用でき、例えば、携帯型PC、携帯電話、携帯情報端末(PDA)等の携帯用電子機器や、ハイブリッド電気自動車、電気自動車、燃料電池自動車等の駆動用電源に広く用いられる。
Claims (5)
- 正極と負極と、上記正極と上記負極の間に配置されたセパレータと、(a)イオン伝導性を有する支持塩および(b)SEI膜を形成する添加物を含む電解液とを備えた非水電解液二次電池であって、上記正極が導電性ポリマーを含み、上記負極が(x)イオンを挿入・脱離しうる炭素質材料含有層と(y)ポリマーアニオンのアルカリ金属塩の層とを有し、上記(y)ポリマーアニオンのアルカリ金属塩の層が上記(x)炭素質材料含有層上に形成されたことを特徴とする非水電解液二次電池。
- 上記添加物が、ビニレンカーボネートおよびフルオロエチレンカーボネートの少なくとも一方である請求項1記載の非水電解液二次電池。
- 上記ポリマーアニオンのアルカリ金属塩が、ポリアクリル酸リチウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸リチウム、およびポリスチレンスルホン酸ナトリウムからなる群から選ばれた少なくとも一つである請求項1または2記載の非水電解液二次電池。
- 上記支持塩が、六フッ化リン酸リチウムである請求項1〜3のいずれか一項に記載の非水電解液二次電池。
- 上記導電性ポリマーが、ポリアニリンおよびその誘導体の少なくとも一方である請求項1〜4のいずれか一項に記載の非水電解液二次電池。
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