WO2001040589A1

WO2001040589A1 - Toilette sans reservoir, toilette a chasse d'eau de type occidental, dispositif de lavage de parties privees et raccord pour toilette a chasse d'eau

Info

Publication number: WO2001040589A1
Application number: PCT/JP2000/008309
Authority: WO
Inventors: Katsunori Tomita; Yasuhiro Shirai; Koji Miwa; Kenichi Ito; Takanori Idota; Masataka Mizutani; Toshiaki Matushita
Original assignee: Inax Corporation
Priority date: 1999-11-29
Filing date: 2000-11-24
Publication date: 2001-06-07
Also published as: EP1443152A2; ES2289387T3; ES2269201T3; KR100760108B1; CN1532353A; KR20030023600A; EP1443152B1; CN1402807A; EP1443152B8; EP1234921A1; HK1051713A1; US6675399B1; DE60036035T2; EP1234921B1; CN1198027C; US20040068785A1; DE60029820T2; CN1274920C; CN1532354A; US7036159B2

Description

明細書タンクレス便器、洋風水洗式便器、局部洗浄装置及び水洗式便器用スパッド技分野

第 1、 3〜 6発明は、便器洗浄タンクを有さず、水道管等の給水管から供給される洗浄水を洋風便器本体に直接供給してその洋風便器本体を洗浄可能なタンクレス便器に関する。第 2発明は便座 ·便蓋装置及び便器洗浄装置を備えたタンクレス便器に関する。第 7発明はタンクレス便器を含む洋風水洗式便器に関する。第 8発明は局部洗浄装置に関する。第 9発明は水洗式便器用スパッドに関する。この水洗式便器用スパッドは、水洗式の洋風便器本体のリム通水路に洗浄水を案内するリムノズルに用いて好適である。背景技術

従来、陶磁器製の洋風便器本体と、この洋風便器本体の後部に載置され、水道管等の給水管から供給された洗浄水を一旦貯留する陶磁器製のロータンク等の便器洗浄夕ンクをもつ便器洗浄機構とを備えた洋風水洗式便器が知られている。便器洗浄機構はそのロータンクに貯留した洗浄水により洋風便器本体を洗浄可能である。便器洗浄タンクは、便器本体の外方に位置するようにトイレの側壁に取り付けられており、しかも、排泄物の洋風便器本体からの排出を確実に行うべく多量の水を一度に便器本体に吐出するために大容積とされている。このため、かかる一般的な洋風水洗式便器では、便器洗浄タンクを設置するために大きなスペースが必要とされる。

そこで、近年、トイレのスペースの有効活用等の観点から、給水管から供給される水を洋風便器本体へ直接供給可能なタンクレス便器が開発されつつある（特開平 3 _ 9 0 7 2 3号公報、特開平 3— 2 5 3 6 3 0号公報）。かかるタンクレス便器では、洋風便器本体のリム内に水により便鉢を洗浄可能なリム通水路が形成され、リム用導管は洋風便器本体の壁面に隠蔽されたリム通水路に後方から繋がるリム導水路を介し、このリム通水路に水を供給可能になされている。また、弁手段として、入水ポート及び出水ポートを有する開閉弁と、大気孔を有するバキユームブレーカとが採用されている。開閉弁の入水ポートには導管を介して給水管が接続され、出水ポートにはリム用導管が接続されている。バキュームブレー力の大気孔はリム通水路の最上面より上方で大気と連通される。さらに、この夕ンクレス便器では、リムの後方に支持部を有する洋風便器本体を採用しており、この洋風便器本体の支持部には固定プレー卜が固定され、この固定プレートの後方側に便器洗浄装置が備えられ、便器洗浄装置のカバーの前方側に便座 ·便蓋装置が上下に揺動可能に備えられている。便座 ·便蓋装置は便座及び便蓋を有している。

かかるタンクレス便器では、給水管から導管を経て開閉弁の入水ポートに水が供給され、その水は、開閉弁の閧弁により、出水ポートからリム用導管を経て洋風便器本体のリム通水路に供給される。これにより、水が便鉢に射水され、便鉢の洗浄が行われる。また、ジェットノズルからトラップ部に噴出された洗浄水はそのトラップ部に強制的にサイホン効果を生じさせる。この際、バキュームブレ一力の大気孔は、それより下流側を大気に開放しているため、給水管、導管及びこれらより上流側が負圧になっても、リム通水路内の水を弁手段及びこれより上流側に逆流させない。

ここで、このタンクレス便器では、洗浄水が大きな速度でリム通水路内を流れ、これにより便鉢の洗浄能力を確保すべく、開閉弁と接続されたリム用導管を採用している。そして、美観向上の観点から、そのリム用導管を壁面に隠蔽している。また、かかるタンクレス便器では、洗浄水が大きな速度でジェットノズルから噴出され、これにより効果的なサイホン効果の発生を確保すべく、開閉弁と接続されたジエツト用導管を採用しており、美観向上の観点からそのジエツト用導管を壁面に隠蔽している。また、このタンクレス便器では、精度よい外形寸法を確保する必要性から洋風便器本体と開閉弁との間にベースプレートを介在させているそして、リム用導管及びジェット用導管は、組み付けの容易性を考慮し、そのべ一スプレートを介して開閉弁と挿着可能に設けられている。こうして、このタンクレス便器では、大きな洗浄能力と、外形を含む美観と、組み付けの容易性とを確保している。さらに、従来、洋風便器本体に設けられ、人体の局部を洗浄可能な局部洗浄機構と、外部より洗浄水を供給する水道管に直結され、水道管と局部洗浄機構とをストレーナを介して接続する給水装置とを備えた局部洗浄装置が知られている。ここで、ストレーナは、水道管から供給される洗浄水中の異物による局部洗浄機構の目詰まりを防止すべく、洗浄水中の異物をろ過する。そして、この局部洗浄装置では、給水装置の下端にキャップが設けられ、このキャップを開くことにより内部のストレーナを取り出し得るようになつている。また、この給水装置は美観上の問題から樹脂製のカバーにより隠蔽され、給水装置のキヤップは内部のストレーナを容易に取り出し得るように下方に突出されている。

また、公知の水洗式便器用スパッドは水洗式便器本体の壁部に貫設された通孔に装着されるものである。こうしてその水洗式便器用スパッドを例えばリム通水路に臨む壁部に設ければ、出水ポートがリム通水路に位置することとなるため、リムノズルとしされる。このリムノズルでは、その入水ポートより取り入れた洗浄水がその出水ポートからリム通水路内に吐出されることとなる。発明の開示

{第 1発明 }

しかし、洋風便器本体は、便鉢周りにリムが有り、リム内にリム通水路が形成される。この一方、リム通水路の後部からリム用導管により水を供給することが美観上好ましい。この点、上記従来のタンクレス便器では、洋風便器本体がそのリム通水路に繋がるリム導水路を洋風便器本体の壁面に隠蔽して有し、このリム導水路の上方に通孔を貫設し、その通孔でリム用導管を洋風便器本体に接続している。この場合、リム用導管内の水は、リム導水路内を流れた後でリム通水路に至ることとなり、リム導水路内を流れる間の抵抗により便鉢内への射水力が弱くなり、洗浄能力が劣るおそれがある。

また、弁手段の大気孔からは水が漏れやすく、かかる水は洋風便器本体の便鉢内に戻すことが便宜である。この点、従来のタンクレス便器では、この点についての考慮がなされていない。仮に、従来のタンクレス便器において、大気孔に配管を接続し、その配管を洋風便器本体に接続するとすれば、そのための通孔は、リム用導管を洋風便器本体に接続するための通孔とは別に貫設されなければならない。こうであれば、陶器製の洋風便器本体に二つの通孔を貫設しなければならず、製造が面倒となり、製造コストの高騰化を招来してしまう。

第 1発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、リム通水路内の水の洗浄能力を劣らせることなく、かつ製造コス卜の低廉化を実現可能なタンクレス便器を提供することを解決すべき第 1の課題としている。

第 1発明のタンクレス便器は、第 1の課題を解決するため、リム内に形成され、水により便鉢を洗浄可能なリム通水路を有する洋風便器本体と、

該リム通水路に該水を供給可能なリム用導管と、

該水を供給する給水管に入水ポートが接続され、該水を出水ポートにより該リム用導管に供給 ·停止可能であるとともに、該リム通水路の最上面より上方で大気と連通する大気孔を有する弁手段と、を備えたタンクレス便器において、前記洋風便器本体は、該洋風便器本体の壁面に隠蔽され、前記リム通水路に繋がるリム導水路を有し、該洋風便器本体の該壁面には該リム導水路に連通する通孔が貫設され、該通孔内には、前記リム用導管を該リム導水路内を経ることなく該リム通水路に連通させる給水路と、前記大気孔を配管を介して該リム導水路に連通させる排水路とを有するスパッドが係合されていることを特徴とする。

第 1発明のタンクレス便器では、洋風便器本体がそのリム通水路に繋がるリム導水路を洋風便器本体の壁面に隠蔽して有し、美観を呈している。そして、その壁面にリム導水路に連通する通孔が貫設されており、かかる通孔に給水路と排水路とを有するスパッドが係合されている。

このため、このタンクレス便器では、リム用導管がスパッドの給水路によりリム導水路内を経ることなくリム通水路に連通することから、リム用導管内の水がリム導水路内を流れることなく、スパッドの給水路によりリム通水路に至る。このため、便鉢内への射水力は維持され、洗浄能力が劣るおそれがない。

また、弁手段の大気孔は、配管を介してスパッドの排水路に接続され、その排水路によりリム導水路に連通することから、弁手段の大気孔から漏れる水は、配管を介し、便鉢の洗浄に関係する給水路とは独立した排水路によりリム導水路を流れ、リム通水路から便鉢内に戻される。そして、第 1発明のタンクレス便器では、スパッドを設けるための通孔さえ洋風便器本体に貫設すれば、リム用導管と大気孔に接続された配管とを洋風便器本体に接続することができるので、製造が容易となり、製造コストの低廉化を実現できる。

また、通孔を洋風便器本体の後壁面に貫設する場合には、洋風便器本体の上面を広くすることができ、スペースの有効活用により、一層美観を呈することができる。

スパッドは、通孔に係合される本体部と、この本体部に設けられ、リム用導管を係合させる第 1係合部と、本体部に設けられ、大気孔に接続される配管を係合させる第 2係合部と、本体部に設けられ、リム通水路内まで延在する案内部とを有して構成され得る。この場合、少なくとも第 1係合部及び案内部によりリム用導管と連通する給水路が形成される。また、少なくとも第 2係合部により配管と連通する排水路が形成される。

ここで、案内部が給水路をリム通水路の一方向及び他方向に開口させる射水口を有する場合には、リム通水路に両方向から水を射水することができるため、水の射水圧力が比較的低くても、便鉢の洗浄能力を高めることができる。

{第 2発明 }

また、上記従来のタンクレス便器では、支持部に固定プレートを固定し、この固定プレートに固定した,保器洗浄装置のカバ一に便座 ·便蓋装置を設けているため、洋風便器本体の清掃が困難であるという難点を有する。特に、このタンクレス便器では、便座 ·便蓋装置ががたつかないように固定プレー卜が洋風便器本体の前後でしっかり固定される必要があり、この傾向が大きい。

すなわち、上記タンクレス便器を含む便器は、洋風便器本体周りに尿等が付着し、汚れが発生することがある。殊に子供が便器を使用する場合には、汚れが発生し易い。こうして上記タンクレス便器において、洋風便器本体と便座 ·便蓋装置や便器洗浄装置との間の微小隙間に汚れが発生し、洋風便器本体の清掃を行おうとする場合、清掃者は、まず便器洗浄装置のカバーから便座 ·便蓋装置を取り外した後、便器洗浄装置のカバーを取り外し、さらに便器洗浄装置を固定プレー卜とともに洋風便器本体から取り外すか、又は便器洗浄装置を固定プレー卜から取り外した後に固定プレートを洋風便器本体から取り外すかする必要がある。こうして、このタンクレス便器は、洋風便器本体の清掃のために多くの手順を必要とすることから、洋風便器本体の清掃性が低いといえる。特に、このタンクレス便器は、固定プレートを取り外す際、固定プレートが洋風便器本体の前後でしつかり固定されていることから、この傾向が大きい。

第 2発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、洋風便器本体の清掃性を高めたタンクレス便器を提供することを解決すべき第 2の課題としている。第 2発明のタンクレス便器は、上記第 2の課題を解決するため、リムの後方に支持部を有する洋風便器本体と、該支持部に設けられ、便座及び便蓋をもつ便座 · 便蓋装置と、該支持部に設けられ、給水管から供給される水で該洋風便器本体の洗浄を行う便器洗浄装置とを備えたタンクレス便器において、

前記支持部には、前方側に便座 ·便蓋装置取付部を有し、後方側に便器洗浄装置取付部を有する固定プレートが固定され、前記便座 ·便蓋装置は該便座 ·便蓋装置取付部に固定され、前記便器洗浄装置は該便器洗浄装置取付部に固定されていることを特徴とする。

このタンクレス便器では、洋風便器本体の支持部に固定プレートが固定されている。固定プレートは、便座 ·便蓋装置を取り付ける便座 ·便蓋装置取付部を前方側に有し、便器洗浄装置を取り付ける便器洗浄装置取付部を後方側に有する。このため、洋風便器本体と便座 ·便蓋装置や便器洗浄装置との間の微小隙間に汚れが発生し、洋風便器本体の清掃を行おうとする場合、清掃者は、固定プレートを洋風便器本体の支持部から外せば、便座 ·便蓋装置及び便器洗浄装置を洋風便器本体から取り外すことができる。

また、固定プレートは、便座 ·便蓋装置及び便器洗浄装置の双方を併せて洋風便器本体に取り付ける共通プレートとして利用されるため、取付性も改善され、部品点数の低減も図り得る。

固定プレートは便座 ·便蓋装置取付部が便器洗浄装置取付部に対して上下に揺動可能であり、便座 ·便蓋装置取付部には便座 ·便蓋装置の取付ボル卜を固定する便座 ·便蓋取付孔が形成され、洋風便器本体の支持部には、その取付ボルトを挿通する揷通孔と、固定プレー卜の後方側を支持部に固定する固定プレート取付孔とが形成されていることが好ましい。こうであれば、便座 ·便蓋装置のみを固定プレートに固定したまま洋風便器本体に対して上下に揺動できるため、固定プレートの前方側に隠れた洋風便器本体の支持部の清掃性を高めることができる。また、支持部の固定プレート取付孔により固定プレートの後方側のみが洋風便器本体に固定されているだけであるので、便座 ·便蓋装置とともに固定プレートを容易に取り外すことができ、本発明の効果が大きい。

また、便器洗浄装置が弁手段とバキュームブレーカとを備えている場合、固定プレートはそのバキュームブレーカの吸気口から吐出する逆流水を洋風便器本体に案内する案内路を有することができる。ここで、弁手段は水を洋風便器本体に供給 '停止可能なものである。また、バキュームブレーカは、大気と連通する吸気口を有し、その弁手段における水の逆流を防止するものである。こうであれば、バキュームブレーカの吸気口から吐出する逆流水を固定プレートに設けた案内路で洋風便器本体に案内することができるため、特別な配管を必要とすることなく、逆流水による汚染を防止することができる。

{第 3発明 }

さらに、上記従来のタンクレス便器は、便器洗浄装置が便座 ·便蓋装置と一体に洋風便器本体に取り付けられるタイプの一体型便器洗浄装置だけであり、便器洗浄装置が便座 ·便蓋装置とは別体で洋風便器本体に取り付けられるタイプの別体型便器洗浄装置である場合がない。このため、トイレ室への設置を検討しているタンクレス便器の購入者は、その購入の際、便器洗浄装置が一体型便器洗浄装置であるタンクレス便器しか選択できず、予算の都合等による別体型便器洗浄装置を備えたものへの自由な選択が不可能である。

また、仮に、便器洗浄装置が別体型便器洗浄装置又は一体型便器洗浄装置であるタンクレス便器を製造するとしても、洋風便器本体が共通していないのであれば、二種類の洋風便器本体を製造する必要があり、低い量産化故に、洋風便器本体、ひいてはタンクレス便器の製造コス卜の高騰化を招来してしまう。

第 3発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、タンクレス便器の購入者の自由な選択を可能にするとともに、そのタンクレス便器の製造コス卜の低廉化を実現することを解決すべき第 3課題としている。

第 3発明のタンクレス便器は、上記第 3の課題を解決するため、洋風便器本体と、該洋風便器本体に取り付けられた便座 ·便蓋装置と、該洋風便器本体に取り付けられ、便器洗浄タンクを有さず、該洋風便器本体を洗浄水により洗浄可能な洗浄機構を有する便器洗浄装置と、を備えたタンクレス便器において、

前記便器洗浄装置は、前記洋風便器本体に前記便座 ·便蓋装置とは別体で取り付けられるものである別体型便器洗浄装置、又は該洋風便器本体に該便座 ·便蓋装置と一体に取り付けられるものである一体型便器洗浄装置であり、該別体型便器洗浄装置が取り付けられる該洋風便器本体と該ー体型便器洗浄装置が取り付けられる該洋風便器本体とは共通していることを特徴とする。

第 3発明のタンクレス便器は、便器洗浄装置が別体型便器洗浄装置又は一体型便器洗浄装置である。このため、トイレ室への設置を検討しているタンクレス便器の購入者は、その購入の際、予算の都合等により、便器洗浄装置が別体型便器洗浄装置であるタンクレス便器又は一体型便器洗浄装置であるタンクレス便器を自由に選択できる。

また、第 3発明のタンクレス便器では、洋風便器本体が共通しているため、一種類の洋風便器本体を製造すれば足り、高い量産化故に、洋風便器本体、ひいてはタンクレス便器の製造コス卜の低廉化を実現できる。

別体型便器洗浄装置と一体型便器洗浄装置とは、洗浄機構が共通していることが好ましい。こうであれば、工場において、便器洗浄装置が別体型便器洗浄装置であるタンクレス便器と、便器洗浄装置が一体型便器洗浄装置であるタンクレス便器とを製造する場合において、部品の共通化を図ることができ、タンクレス便器の製造コストの低廉化に一層貢献できる。

また、洗浄機構を洋風便器本体に取り付けるベースプレートは、別体型便器洗浄装置と一体型便器洗浄装置とで共通していることが好ましい。こうであっても、工場において、便器洗浄装置が別体型便器洗浄装置であるタンクレス便器と、便器洗浄装置が一体型便器洗浄装置であるタンクレス便器とを製造する場合において、部品の共通化を図ることができ、タンクレス便器の製造コストの低廉化に一層貢献できる。また、洋風便器本体に別体型便器洗浄装置又は一体型便器洗浄装置を取り付ける際、洋風便器本体にベースプレートを介して洗浄機構を取り付けるまでは製造ラインが共通となり得、タンクレス便器の製造コストの低廉化に一層貢献できる。

さらに、洗浄機構は、一体型便器洗浄装置における洗浄機構を除く他機構と干渉しないで洋風便器本体に取付け可能になされていることが好ましい。洋風便器本体に別体型便器洗浄装置又は一体型便器洗浄装置を取り付ける際、洗浄機構が一体型便器洗浄装置における洗浄機構を除く他機構と干渉しないで洋風便器本体に取付け可能になされておれば、洋風便器本体に洗浄機構のみを取り付けることにより、洗浄機構のみを備えたタンクレス便器を製造することができる。これには、便座と便蓋としか備えていない単なる便座 ·便蓋装置を取り付けることも可能であるとともに、人体の局部を洗浄可能な局部洗浄装置等の他機構をもつ便座 ·便蓋装置を取り付けることも可能である。こうして、別体型便器洗浄装置を備えたタンクレス便器を製造することが可能になる。また、洗浄機構を取り付けた後、さらに洗浄機構を除く他機構をも取り付けることにより、一体型便器洗浄装置を備えたタンクレス便器を製造することが可能となる。このため、洗浄機構を取り付けるまでは製造ラインが共通となり、タンクレス便器の製造コス卜の低廉化に一層貢献できる。他機構としては、局部洗浄装置の温水タンク等があり得る o

一体型便器洗浄装置は、洗浄機構を隠蔽する内力バーと、該内カバ一を他機構とともに隠蔽する外力バーとを有することができる。こうであれば、洋風便器本体に洗浄機構を取り付けた後でその洗浄機構を内力バーで隠蔽することにより、別体型便器洗浄装置を備えたタンクレス便器を製造することが可能になるとともに、さらに洗浄機構を除く他機構も取り付けた後でその他機構を外力バーで隠蔽することにより、一体型便器洗浄装置を備えたタンクレス便器を製造することが可能となる。このため、洗浄機構及び内力バーを取り付けるまで、製造ラインが共通となり、タンクレス便器の製造コストの低廉化に一層貢献できる。

洋風便器本体が便座 ·便蓋装置を取付け可能な便座取付け穴をもつ場合、別体型便器洗浄装置は、便座取付け穴に取り付けられた便座 ·便蓋装置の後方で洋風便器本体に取り付けられ得る。他方、この場合、一体型便器洗浄装置は、少なくとも便座取付け穴により洋風便器本体に取り付けられ得る。

便座取付け穴は汎用の便座 ·便蓋装置を取り付け可能であることが好ましい。このような便座取付け穴は、例えば日本では間隔が 1 4 0 m mと J I S規格により定められており、その他米国等、他国の規格で定められる。

{第 4、 5発明 }

また、上記従来のタンクレス便器では、リム用導管の一端を洋風便器本体のリム通水路に閧口し、その途中を洋風便器本体の壁面から露出させ、その他端をべースプレートに固定している。そして、ペースプレートに固定された開閉弁にこのリム用導管の他端を揷着可能となしている。同様に、このタンクレス便器では、ジエツト用導管の一端を洋風便器本体に固定されたジエツトノズルに固定し、その他端をやはりベースプレートに固定している。そして、ベースプレートに固定された開閉弁にやはりこのジエツ卜用導管の他端を揷着可能となしている。

このため、このタンクレス便器では、リム用導管及びジェット用導管がベースプレートを介して洋風便器本体に固定されることから、組み付けの際、洋風便器本体にベースプレートを固定するまでリム用導管及びジヱット用導管を安定して洋風便器本体に設けることができない。このため、かかるタンクレス便器では、組み付けの容易性を十分に発揮できないという欠点がある。

第 4、 5発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、大きな洗浄能力と、外形を含む美観と、組み付けの確実な容易性の確保とを実現することを解決すべき第 4、 5の課題としている。

第 4発明のタンクレス便器は、上記第 4の課題を解決するため、リム内に形成され、洗浄水により便鉢を洗浄可能なリム通水路を有する洋風便器本体と、該洋風便器本体にベ一スプレートを介して固定され、該洗浄水を供給可能な給水管と接続された開閉弁と、

該洋風便器本体の壁面に隠蔽され、該開閉弁と接続されて該洗浄水を該リム通水路に供給可能なリム用導管と、を備えたタンクレス便器であって、

前記リム用導管は前記壁面に固定されているとともに、該リム用導管と前記開閉弁とは互いに挿着可能に設けられていることを特徴とする。

第 4発明のタンクレス便器では、リム用導管を洋風便器本体の壁面に固定し、ベースプレートに固定される開閉弁にこのリム用導管を揷着可能となしている。このため、組み付けの際、洋風便器本体にベースプレートを固定する前でもリム用導管を安定して洋風便器本体に設けることができることから、組み付けの容易性を十分に発揮できる。

また、第 4発明のタンクレス便器では、開閉弁と接続されたリム用導管を採用しているため、洗浄水が大きな速度でリム通水路内を流れ、これにより便鉢の洗浄能力を確保している。そして、そのリム用導管を壁面に隠蔽しているため、美観が向上している。また、洋風便器本体と開閉弁との間にべ一スプレートを介在させていることから、精度よい外形寸法を確保している。

第 5発明のタンクレス便器は、上記第 5の課題を解決するため、トラップ部に設けられ、該トラップ部に洗浄水を噴出して強制的にサイホン効果を生じさせるジエツトノズルを有する洋風便器本体と、

該洋風便器本体にベースプレートを介して固定され、該洗浄水を供給可能な給水管と接続された開閉弁と、

該洋風便器本体の壁面に隠蔽され、該開閉弁と接続されて該洗浄水を該ジエツトノズルに供給可能なジヱット用導管と、を備えたタンクレス便器であって、前記ジエツト用導管は前記壁面に固定されているとともに、該ジエツト用導管と前記開閉弁とは互いに挿着可能に設けられていることを特徴とする。

第 5発明のタンクレス便器では、ジエツト用導管を洋風便器本体の壁面に固定し、ベースプレートに固定される開閉弁にこのジヱット用導管を揷着可能となしている。このため、組み付けの際、洋風便器本体にベースプレートを固定する前でもジエツト用導管を安定して洋風便器本体に設けることができることから、組み付けの容易性を十分に発揮できる。

また、第 5発明のタンクレス便器では、開閉弁と接続されたジェット用導管を採用しているため、洗浄水が大きな速度でジェットノズルから噴出され、これにより効果的なサイホン効果の発生を確保している。そして、そのジェット用導管を壁面に隠蔽しているため、美観が向上している。また、洋風便器本体と開閉弁との間にベースプレートを介在させていることから、精度よい外形寸法を確保している。

{第 6発明 }

さらに、上記従来のタンクレス便器は、洋風便器本体に便器洗浄装置が取り付けられているだけであり、人体の局部を洗浄可能な局部洗浄機構を有する便座 · 便蓋装置が取り付けられてはいない。このため、このタンクレス便器では、用便等後の局部を洗浄したいという使用者の要望に答えられない。

仮にかかるタンクレス便器に局部洗浄機構を設ける場合、洋風便器本体に便器洗浄機構を固定するベースプレー卜にその局部洗浄機構を併せて固定するのであれば、そのべ一スプレートが大型化し、ひいてはタンクレス便器も大型化して設置スペースに苦慮する自体も招来してしまう。局部洗浄機構を固定した他のベースプレートをその洋風便器本体に固定し、洋風便器本体に別途そのスペースを確保する場合も同様である。

第 6発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、小型化により設置スペースの確保が容易であるとともに、用便等後の局部を洗浄したいという使用者の要望に答え得るタンクレス便器を提供することを解決すべき第 6の課題とする。

第 6発明のタンクレス便器は、上記第 6の課題を解決するため、洋風便器本体と、該洋風便器本体に取り付けられ、便器洗浄タンクを有さず、該洋風便器本体を洗浄水により洗浄可能な便器洗浄機構を有する便器洗浄装置を備えたタンクレス便器において、

人体の局部を洗浄可能な局部洗浄機構を有する便座 ·便蓋装置を前記洋風便器本体に取り付ける場合、該便座 ·便蓋装置として前記局部洗浄機構が固定された便座べ一スプレートを有するものが採用されるとともに、前記便器洗浄装置として前記便器洗浄機構が固定された便器洗浄ベースプレートを有するものが採用され、該便座べ一スプレートが該洋風便器本体に形成された便座取付け穴により該洋風便器本体に取り付けられ、該便器洗浄ベースプレートは、該局部洗浄機構と該便器洗浄機構との干渉を回避しつつ、該便座べ一スプレートと該洋風便器本体との間に挟持されることを特徴とする。

第 6発明のタンクレス便器では、便座 ·便蓋装置の便座ペースプレー卜が洋風便器本体に形成された便座取付け穴により洋風便器本体に取り付けられ、便器洗浄装置の便器洗浄ベースプレートはその便座ベースプレートと洋風便器本体との間に挟持される。この際、便座 ·便蓋装置の局部洗浄機構と便器洗浄装置の便器洗浄機構との干渉は回避されている。こうして、このタンクレス便器では、便座 · 便蓋装置の局部洗浄機構が洋風便器本体に取り付けられ、用便等後の局部を洗浄したいという使用者の要望に答え得る。また、このタンクレス便器では、こうして局部洗浄機構を設ける場合でも、便座べ一スプレートと便器洗浄ベースプレートとが一部で重ね合わされているため、小型化している。

便座取付け穴は汎用の便座 ·便蓋装置を取り付け可能であることが好ましい。こうであれば、トイレ室への設置を検討しているタンクレス便器の購入者は、その購入の際、予算の都合等により当初は汎用の便座 ·便蓋装置を取り付けていた場合でも、洋風便器本体その他の機器を交換する必要なく、局部洗浄機構を有する便座 ·便蓋装置に交換することができる。この逆も可能である。こうして、購入者の自由な選択を確保できる。また、こうであれば、洋風便器本体を共通化することができるため、高い量産化により製造コストの低廉化を実現できる。このような便座取付け穴は、例えば日本では間隔が 1 4 0 m mと J I S規格により定められており、その他米国等、他国の規格で定められる。

便座ベースプレートは、便器洗浄機構から漏れる水を洋風便器本体内に案内する案内路をもつことができる。

また、便座 ·便蓋装置が局部洗浄機構を隠蔽するカバーを有する場合、便器洗浄装置の便器洗浄機構がこのカバーにより隠蔽されるように構成することもできる。

{第 7発明 }

また、上記従来の一般的な洋風水洗式便器では、便器洗浄機構の大部分を占めるロータンクが剥き出しになっている。このため、優れた美観を呈するように陶磁器製のロータンクを製造しなければならず、製造が面倒であることから、製造コストの低廉化に限界があった。

この点、ロータンク等の便器洗浄機構を単に樹脂製のカバーで隠蔽することも考えられる。こうであれば、カバーの分の製造コストは嵩むものの、カバー内の便器洗浄機構の美観を考慮する必要がなくなることから、便器洗浄機構の製造が容易となり、製造コストの低廉化を実現可能である。

しかしながら、単に樹脂製のカバーで便器洗浄機構を隠蔽するとすると、便器洗浄機構の点検等のためにそのカバーを開けたい場合、そのカバーが左右に分割されるものであるならば、その分割線が美観を損ねてしまう。

第 7発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、製造コストの低廉化を実現可能であるとともに、確実に美観を奏し得る洋風水洗式便器を提供することを解決すべき第 7の課題としている。

第 7発明の洋風水洗式便器は、上記第 7の課題を解決するため、洋風便器本体と、該洋風便器本体の後部に設けられ、洗浄水により該洋風便器本体を洗浄可能な便器洗浄機構とを備えた洋風水洗式便器において、

前記便器洗浄機構は上下分割可能な樹脂製のアッパーカバ一及びアンダーカバ —により隠蔽されていることを特徴とする。

第 7発明の洋風水洗式便器では、便器洗浄機構を樹脂製のアッパーカバー及びアンダーカバーで隠蔽するため、アッパーカバー及びアンダーカバーの分の製造コストは嵩むものの、アッパーカバー及びアンダーカバー内の便器洗浄機構の美観を考慮する必要がなくなることから、便器洗浄機構の製造が容易となり、製造コス卜の低廉化を実現可能である。

また、この洋風水洗式便器では、アッパーカバ一及びアンダーカバーを上下に分割することにより、便器洗浄機構の点検等を行うことができる。この場合、ァツバ一力バーとアンダーカバーとの分割線は水平又は略水平に延在することとなり、分割線が美観を損ね難い。

洋風便器本体の後部に人体の局部を洗浄可能な局部洗浄機構が備えられる場合、その局部洗浄機構もアツパーカバー及びアンダーカバーにより隠蔽されていることが好ましい。こうであれば、局部洗浄機構の美観を考慮する必要もなくなることから、局部洗浄機構の製造が容易となり、製造コストの低廉化を実現可能である。また、アッパーカバー及びアンダーカバ一を上下に分割することにより、局部洗浄機構の点検等を行うこともできる。

アッパーカバ一とアンダ一カバーとの分割線は洋風便器本体のリム上面と整合していることが好ましい。こうであれば、水平又は略水平に延在する分割線が美観を呈する。

便器洗浄機構として、外部より洗浄水を供給する水道管に直結され、バルブの開閉により洗浄水を吐出可能なものを採用している場合に本発明の効果が大きい ( かかる便器洗浄機構は、従来の口一タンクを有さないことから、小型化している。このため、便器洗浄機構をアッパーカバ一及びアンダーカバーにより隠蔽し易く、ァッパーカバー及びアンダーカバ一も小型化して製造コス卜のより一層の低廉化を実現可能である。

便器洗浄機構として、一端が水道管と接続されたフレキシブルホースの他端に接続されるものを採用する場合、アンダーカバ一の幅方向の略中央上方にそのフレキシブルホースの他端が位置することが好ましい。こうであれば、洋風水洗式便器の左右どちら側に水道管が設けられている場合であっても、水道管と便器洗浄機構とを容易に直結することができる。そして、かかる効果は左側給水用と右側給水用とで洋風水洗式便器を区別する必要をなくす。このため、製造販売時における品目の削減が可能となり、製造コスト及び管理コス卜の低減を実現する。また、これにより家屋の設計の自由度が増すとともに、施工者の選択が容易になる。また、フレキシブルホースはある程度自在に屈曲可能であるため、施工も容易となる。

そのようなアンダーカバーはフレキシブルホースの屈曲を許容するガイドをもつことが好ましい。フレキシブルホースはある程度の曲率を有して屈曲可能であるため、アンダーカバ一にこのようなガイドがあれば、アンダーカバーとフレキシブルホースとの間にそのような無駄な間隙を生じ難く又は生じず、美観が向上する。

{第 8発明 }

さらに、局部洗浄装置は、洋風便器本体への取り付けの際、給水装置を内蔵するカバーを一旦床面に載置する場合がある。この場合、上記従来の局部洗浄装置では、そのカバーの下面から給水装置のキャップが下方に突出しているため、そのキヤップが床面と干渉し、給水装置を破損するおそれがあった。

第 8発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、洋風便器本体への取り付けの際、給水装置の破損を生じない局部洗浄装置を提供することを解決すべき第 8の課題としている。

第 8発明の局部洗浄装置は、上記第 8の課題を解決するため、洋風便器本体に設けられ、人体の局部を洗浄可能な局部洗浄機構と、外部より洗浄水を供給する水道管に直結され、該水道管と該局部洗浄機構とをストレーナを介して接続する給水装置とを備え、該給水装置の下端には該ストレーナを取り出し得るキャップが設けられ、該給水装置が該キヤップを下方に突出させてカバーにより隠蔽された局部洗浄装置において、

前記カバーの下面には前記キヤップの突出長さを超えて下方に突出するリブが形成されていることを特徴とする。

第 8発明の局部洗浄装置では、給水装置を内蔵するカバーの下面にリブが形成され、このリブがキャップの突出長さを超えて下方に突出しているため、洋風便器本体への取り付けの際、そのカバーを一旦床面に載置したとしても、キャップは床面と干渉しない。

{第 9発明 }

また、従来の水洗式便器用スパッドは、壁部の通孔への装着性に劣るものがほとんどであった。他方、装着性を向上させた水洗式便器用スパッドでは、壁部の通孔との間のシール性に懸念があり、入水ポートより取り入れた洗浄水が通孔近傍で漏れるおそれがあった。

第 9発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、装着性とシール性との両者を満足させることのできる水洗式便器用スパッドを提供することを解決すべき第 9の課題としている。

第 9発明の水洗式便器用スパッドは、上記第 9の課題を解決するため、水洗式便器本体の壁部に貫設された通孔に装着され、入水ポートより取り入れた洗浄水を出水ポートから吐出させる水洗式便器用スパッドにおいて、

弾性を有する樹脂により筒状に形成され、一端が前記出水ポート又は前記入水ポートとされ、前記通孔に嵌合される筒部材と、

外面に少なくとも二方向で径外方向に突出する第 1 フランジが形成され、内面に雌螺子が形成され、小径状態にされて該通孔内の該筒部材内に該一端又は該他端から挿入され、大径状態にされて該第 1 フランジが該筒部材を介して該壁部の一面と当接される雌螺子部材と、

先端側の外面に該雌螺子と螺合し、該雌螺子部材を大径状態とする雄螺子が形成され、後端側の外面に該第 1 フランジと対面して該筒部材を介して該壁部の他面と当接される第 2フランジが形成され、内部に軸方向に延在して後端が該入水ポート又は該出水ポー卜とされる水路が形成された雄螺子部材とを有することを特徴とする。

第 9発明の水洗式便器用スパッドを壁部の通孔に装着する場合、まず通孔内に筒部材を嵌合する。この際、筒部材は弹性を有する樹脂により形成されているため、容易にこの作業を行うことができる。

そして、雌螺子部材の第 1 フランジを押し込んで雌螺子部材を小径状態とし、この状態で雌螺子部材を通孔内の筒部材内に一端又は他端から挿入する。

この後、雌螺子部材内に雄螺子部材の先端を挿入し、雌螺子部材の雌螺子に雄螺子部材の雄螺子を螺合する。雌螺子部材の雌螺子と雄螺子部材の雄螺子との螺合を進めれば、雌螺子部材が大径状態に維持される。また、雌螺子部材の第 1フランジが筒部材を介して壁部の一面と当接され、雄螺子部材の第 2 フランジが第 1 フランジと対面しつつ筒部材を介して壁部の他面と当接される。こうして、この水洗式便器用スパッドは壁部の通孔に容易にかつ強固に装着される。

この水洗式便器用スパッドでは、雄螺子部材の後端の入水ポート又は出水ポートと筒部材の一端の出水ポート又は入水ポートとが雄螺子部材の水路により連通されている。このため、水洗式便器用スパッドでは、その入水ポートより取り入れた洗浄水がその出水ポートから吐出されることとなる。

この際、筒部材は壁部の通孔内において筒状をなしているため、通孔と筒部材とのシール性は確保される。また、第 1フランジ及び第 2フランジが弾性を有する樹脂からなる筒部材を挟持した状態で壁部の一面及び他面と当接するため、通孔と雄螺子部材とのシール性も確保される。このため、入水ポートより取り入れた洗浄水は通孔近傍で漏れることなく、出水ポートから吐出され得る。

雌螺子部材の第 1 フランジは径外方向に突出していることから、筒部材はその第 1 フランジを外部に露出させる場合もある。しかし、本発明の水洗式便器用スパッドでは、筒部材が雌螺子部材の第 1フランジを囲包していることが好ましい。こうであれば、筒部材と雌螺子部材との間が完全にシールされ、シール性がより向上する。

第 9発明の水洗式便器用スパッドでは、筒部材の他端に雄螺子部材の第 2 フランジと整合する第 3 フランジが形成されていることが好ましい。こうであれば、雄螺子部材の第 2 フランジは筒部材の第 3 フランジを介して壁部の他面と当接することとなる。このため、雌螺子部材の雌螺子と雄螺子部材の雄螺子との隙間から漏れる洗浄水が雄螺子部材の第 2 フランジと筒部材の第 3フランジとの間を通り難く、シール性がより向上する。

また、第 9発明の水洗式便器用スパッドでは、第 3フランジの壁部側にパツキンが設けられることが好ましい。こうであれば、雄螺子部材の第 2 フランジは筒部材の第 3 フランジ及びパッキンを介して壁部の他面と当接することとなる。このため、装着性の向上のために筒部材として薄肉のものを採用しても、パッキンの弾性により雌螺子部材の雌螺子と雄螺子部材の雄螺子との隙間から漏れる洗浄水が雄螺子部材の第 2 フランジと筒部材の第 3 フランジとの間をより通り難く、シール性がより向上する。また、こうであれば、パッキンの弾性により水洗式便器用スパッドを強固に壁部の通孔に装着することができることから、水洗式便器用スパッドが水洗式便器本体に対して振動し難く、入水ポートに接続される他部材とのシール性も向上する。

第 9発明の水洗式便器用スパッドでは、筒部材に通孔の内面と当接する第 4フランジが形成されていることが好ましい。こうであれば、筒部材が通孔内に強固に保持され、水洗式便器用スパッドが水洗式便器本体に対して振動し難く、入水ポートに接続される他部材とのシール性も向上する。

筒部材の一端は水洗式便器本体のリム通水路内に突出する出水ポートとされ、雄螺子部材の後端が入水ポートとされ得る。こうすることにより、この水洗式便器用スパッドは、水洗式便器本体のリム通水路に洗浄水を案内するリムノズルとされる。図面の簡単な説明

第 1図は、第 1発明における実施形態 1のタンクレス便器の縦断面図である。第 2図は、第 1発明における実施形態 1のタンクレス便器の背面図である。第 3図は、第 1発明における実施形態 1のタンクレス便器の一部断面平面図である。

第 4図は、第 1発明における実施形態 1のタンクレス便器の要部拡大縦断面図である。

第 5図は、第 1発明における実施形態 1のタンクレス便器に係るスパッド等の断面図である。

第 6図は、第 1発明における実施形態 1のタンクレス便器に係るスパッドの背面図である。 '

第 7図は、第 1発明における実施形態 2のタンクレス便器に係るスパッド等の断面図である。

第 8図は、第 1発明における実施形態 2のタンクレス便器に係るスパッドの背面図である。

第 9図は、第 1発明における実施形態 3のタンクレス便器に係るスパッド等の断面図である。

第 1 0図は、第 1発明における実施形態 3のタンクレス便器に係るスパッドの背面図である。

第 1 1図は、第 1発明における実施形態 4のタンクレス便器に係るスパッド等の断面図である。

第 1 2図は、第 1発明における実施形態 4のタンクレス便器に係るスパッドの背面図である。

第 1 3図は、第 2発明における実施形態に係り、タンクレス便器の分解斜視図である。第 1 4図は、第 2発明における実施形態に係り、タンクレス便器の固定プレート付近の要部平面図である。

第 1 5図は、第 2発明における実施形態に係り、タンクレス便器の固定プレート付近の要部側面図である。

第 1 6図は、第 3発明における実施形態に係り、タンクレス便器の洋風便器本体を示す斜視図である。

第 1 7図は、第 3発明における実施形態に係り、タンクレス便器の洋風便器本体に別体型便器洗浄装置を取り付けた状態を示す斜視図である。

第 1 8図は、第 3発明における実施形態に係り、タンクレス便器の洋風便器本体に取り付けた別体型便器洗浄装置に内力バーを被せる状態を示す斜視図である ( 第 1 9図は、第 3発明における実施形態に係り、別体型便器洗浄装置を取り付けた洋風便器本体に便座 ·便蓋装置を取り付ける状態を示す斜視図である。

第 2 0図は、第 3発明における実施形態に係り、別体型便器洗浄装置及び便座 - 便蓋装置を洋風便器本体に取り付けた状態を示す斜視図である。

第 2 1図は、第 3発明における実施形態に係り、タンクレス便器の洋風便器本体に一体型便器洗浄装置を取り付けた状態を示す斜視図である。

第 2 2図は、第 4、 5発明における実施形態 1に係り、タンクレス便器の洋風便器本体等を示す断面図である。

第 2 3図は、第 4、 5発明における実施形態 1に係り、タンクレス便器の洋風便器本体等を一部断面にして示す平面図である。

第 2 4図は、第 4、 5発明における実施形態 1に係り、タンクレス便器の洋風便器本体、リム用導管等を示す断面図である。

第 2 5図は、第 4、 5発明における実施形態 1に係り、リム用開閉弁とリム用導管とを挿着する前の要部を断面にして示す側面図である。

第 2 6図は、第 4、 5発明における実施形態 1に係り、リム用開閉弁とリム用導管とを揷着した後の要部を断面にして示す側面図である。

第 2 7図は、第 4、 5発明における実施形態 1に係り、ジェット用開閉弁とジット用導管とを揷着した後の要部を断面にして示す側面図である。

第 2 8図は、第 4、 5発明における実施形態 2に係り、リム用導管等を示す分解斜視図である。

第 2 9図は、第 4、 5発明における実施形態 2に係り、リム用開閉弁とリム用導管とを揷着する前の要部を断面にして示す側面図である。

第 3 0図は、第 6発明における実施形態に係り、タンクレス便器の洋風便器本体の平面図である。

第 3 1図は、第 6発明における実施形態に係り、タンクレス便器の洋風便器本体の背面図である。

第 3 2図は、第 6発明における実施形態に係り、タンクレス便器の便器洗浄装置の平面図である。

第 3 3図は、第 6発明における実施形態に係り、タンクレス便器の便器洗浄装置の背面図である。

第 3 4図は、第 6発明における実施形態に係り、タンクレス便器の便座 ·便蓋装置の一部平面図である。

第 3 5図は、第 6発明における実施形態に係り、タンクレス便器の便座 ·便蓋装置の一部背面図である。

第 3 6図は、第 6発明における実施形態に係り、タンクレス便器の洋風便器本体に便器洗浄装置を整合させた状態を示す平面図である。

第 3 7図は、第 6発明における実施形態に係り、タンクレス便器の洋風便器本体に便器洗浄装置を整合させた状態を示す背面図である。

第 3 8図は、第 6発明における実施形態に係り、タンクレス便器の洋風便器本体に便器洗浄装置及び便座'便蓋装置の一部を固定した状態を示す平面図である。第 3 9図は、第 6発明における実施形態に係り、タンクレス便器の洋風便器本体に便器洗浄装置及び便座'便蓋装置の一部を固定した状態を示す背面図である。第 4 0図は、第 6発明における実施形態に係るタンクレス便器の斜視図である。第 4 1図は、第 7、 8発明における実施形態に係り、タンクレス便器の背後からの斜視図である。

第 4 2図は、第 7、 8発明における実施形態に係り、タンクレス便器の背後からの拡大斜視図である。

第 4 3図は、第 7、 8発明における実施形態に係り、タンクレス便器のアンダ一力バーの背面図である。

第 4 4図は、第 7、 8発明における実施形態に係り、タンクレス便器のアンダ一力バーの底面図である。

第 4 5図は、第 7、 8発明における実施形態に係り、タンクレス便器のアンダ一力バーの側面図である。

第 4 6図は、第 9発明における実施形態に係り、タンクレス便器の断面図である。

第 4 7図は、第 9発明における実施形態に係り、水洗式便器用スパッドの筒部材の断面図である。

第 4 8図は、第 9発明における実施形態に係り、水洗式便器用スパッドの筒部材の正面図である。

第 4 9図は、第 9発明における実施形態に係り、水洗式便器用スパッドの雌螺子部材の断面図である。

第 5 0図は、第 9発明における実施形態に係り、水洗式便器用スパッドの雌螺子部材の上面図である。

第 5 1図は、第 9発明における実施形態に係り、水洗式便器用スパッドの雌螺子部材の正面図である。

第 5 2図は、第 9発明における実施形態に係り、水洗式便器用スパッドの雄螺子部材の断面図である。

第 5 3図は、第 9発明における実施形態に係り、水洗式便器用スパッドの雄螺子部材の正面図である。

第 5 4図は、第 9発明における実施形態に係り、水洗式便器用スパッドの装着過程を示す断面図である。

第 5 5図は、第 9発明における実施形態に係り、水洗式便器用スパッドの装着過程を示す断面図である。

第 5 6図は、第 9発明における実施形態に係り、水洗式便器用スパッドの装着過程を示す断面図である。発明を実施するための最良の形態 {第 1発明 }

以下、第 1発明を具体化した実施形態 1〜4を図面を参照しつつ説明する。 (実施形態 1 )

実施形態 1のタンクレス便器は、図 1に示すように、洋風便器本体 1の後方にベースプレート 2を介して弁手段としての給水装置 3が組込まれ、給水装置 3はカバー 4により隠蔽されている。

洋風便器本体 1は、図 3にも示すように、排泄物を受ける便鉢 1 aと、便鉢 1 aの上部周縁に巡らされ、内部にリム通水路 1 bを有するリム 1 cと、図 1に示すように、便鉢 1 aの底に連通し、排泄物を流すトラップ 1 dとを備えている。リム通水路 l bは、図 3及び図 4に示すように、洋風便器本体 1の後壁面 1 eに隠蔽されたリム導水路 1 f に後方から繋がっている。また、図 1に示すように、トラップ 1 dの入口にはジェットノズル 5が取り付けられている。なお、便座及び便蓋の図示は省略している。

給水装置 3は、入水ポート 3 a、第 1出水ポート 3 b及び第 2出水ポート 3 c を有しており、入水ポート 3 aより取り入れた水を第 1出水ポ一ト 3 b及び第 2 出水ポート 3 cに選択的に供給 ·停止可能なものである。入水ポート 3 aには水道管等の給水管に図示しない止水栓を介してフレキシブルホース 6が接続されている。第 1出水ポート 3 bにはリム用導管 7が接続されており、第 2出水ポート 3 cにはジエツト用導管 8が接続されている。また、供給装置 3はバキュームブレ一力 3 dを有しており、バキュームブレーカ 3 dの大気孔 3 eには配管としてのチューブ 9が接続されている。チューブ 9には洋風便器本体 1のリム通水路 1 bの最上面より上方で大気と連通する図示しない吸気口が貫設されている。

給水装置 3のリム用導管 7は、図 2 ~ 4に示すように、スパッド 1 0により洋風便器本体 1に接続されている。すなわち、図 3に示すように、洋風便器本体 1 の後壁面 1 eにはリム導水路 1 f に連通する通孔 1 gが貫設され、この通孔 1 g 内にスパッド 1 0が係合されている。

スパッド 1 0は、図 5及び図 6に示すように、通孔 1 gに係合される本体部 1 1 と、この本体部 1 1 と一体をなし、リム用導管 7を係合させる第 1係合部 1 2 と、本体部 1 1 と一体をなし、チューブ 9を係合させる第 2係合部 1 3と、本体部 1 1 と一体をなし、リム通水路 1 b内まで延在する案内部 1 4とを有している。本体部 1 1、第 1係合部 1 2及び案内部 1 4内にリム用導管 7と連通する給水路

1 0 aが形成されている。また、本体部 1 1及び第 2係合部 1 3内にチューブ 9 と連通する排水路 1 0 bが形成されている。

本体部 1 1の内方側の外周には内端側に向かって外広がりのテ一パ面 1 1 aが形成され、このテーパ面 1 1 aより外端側の外周には雄螺子 1 l bが形成されている。本体部 1 1の外端側には本体部 1 1から突出して第 1係合部 1 2が形成されており、第 1係合部 1 2の外周には雄螺子 1 1 bより小径の雄螺子 1 2 aが形成されている。また、本体部 1 1の内端側に筒状の案内部 1 4が圧入されている。案内部 1 4は、図 3及び図 4に示すように、給水路 1 0 aをリム通水路 1 bの一方向に開口させる射水口 1 4 aと、他方向に開口させる射水口 1 4 bとを有している。本体部 1 1の外端側には第 1係合部 1 2と平行に第 2係合部 1 3が形成されている。

かかるスパッド 1 0は以下のように洋風便器本体 1の通孔 1 gに係合される。まず、本体部 1 1のテ一パ面 1 1 aの外側にスカ一トパッキン 1 5を嵌め込み、洋風便器本体 1の通孔 1 g内に後壁面 1 eの内方からスカートパッキン 1 5とともに挿入する。そして、後壁面 1 eを挟んで平パッキン 1 6及び図示しないスリップヮッシャを嵌め、雄螺子 1 1 bに座付ナツト 1 Ίを螺合する。次いで、第 1 係合部 1 2の給水路 1 0 a内にリム用導管 7を挿入し、アジャストパッキン 1 8 及び図示しないスリップヮッシャを雄螺子 1 2 aに嵌め、雄螺子 1 2 aに袋ナット 1 9を螺合する。この後、第 2係合部 1 3の外周面にチューブ 9を嵌める。

以上のように構成されたタンクレス便器では、図 1及び図 3に示すように、給水管から止水栓及びフレキシブルホース 6を経て給水装置 3の入水ポート 3 aに水が供給される。その水は、給水装置 3における第 1出水ポート 3 bの開弁により、第 1出水ポート 3 bからリム用導管 7を経て洋風便器本体 1のリム通水路 1 bに供給される。これにより、水が便鉢 l aに射水され、便鉢 l aの洗浄が行われる。また、その水は、給水装置 3における第 2出水ポート 3 cの閧弁により、第 2出水ポート 3 cからジェヅト用導管 8を経てジヱットノズル 5に供給される _c これにより、トラップ 1 dに強制的にサイホン作用を生じさせる。これらの際、バキュームブレーカ 3 dの大気孔 3 eは、それより下流側を吸気口により大気に開放しているため、給水管、止水栓、フレキシブルホース 6及びこれらより上流側が負圧になっても、リム通水路 1 b内の水を給水装置 3及びこれより上流側に逆流させない。

また、このタンクレス便器では、洋風便器本体 1がそのリム通水路 1 bに後方から繋がるリム導水路 1 f を後壁面 1 eに隠蔽して有し、美観を呈している。そして、図 5に示すように、その後壁面 1 eにリム導水路 1 f に連通する通孔 1 g が貫設されており、かかる通孔 1 gに給水路 1 0 aと排水路 1 0 bとを有するスパッド 1 0が係合されている。

このため、このタンクレス便器では、図 4に示すように、リム用導管 7がスパッド 1 0の給水路 1 0 aによりリム導水路 I f 内を経ることなくリム通水路 1 b に連通することから、リム用導管 7内の水がリム導水路 1 f 内を流れることなく、スパッド 1 0の給水路 1 0 aによりリム通水路 1 bに至る。このため、図 1に示す便鉢 1 a内への射水力は維持され、洗浄能力が劣るおそれがない。

また、給水装置 3の大気孔 3 eは、チューブ 9を介してスパヅド 1 0の排水路 1 0 bに接続され、その排水路 1 0 bによりリム導水路 1 f に連通することから、給水装置 3の大気孔 3 eから漏れる水は、チューブ 9を介し、便鉢 l aの洗浄に関係する給水路 1 0 aとは独立した排水路 1 0 bによりスパッド 1 0の案内部 1 4周りのリム導水路 1 f を流れ、リム通水路 1 bから便鉢 1 a内に戻される。そして、このタンクレス便器では、スパッド 1 0を設けるための通孔 1 gさえ洋風便器本体 1に貫設すれば、リム用導管 7と大気孔 3 eに接続されたチューブ 9とを洋風便器本体 1に接続することができるので、製造が容易となり、製造コス卜の低廉化を実現できる。

したがって、このタンクレス便器では、リム通水路 1 b内の水の洗浄能力を劣らせることなく、かつ製造コス卜の低廉化を実現することができる。

また、このタンクレス便器では、通孔 1 gを洋風便器本体 1の後壁面 1 eに貫設しているため、洋風便器本体 1の上面を広くすることができ、スペースの有効活用により、一層美観を呈している。

さらに、このタンクレス便器では、スパッド 1 0の案内部 1 4がー対の射水口 1 4 a、 1 4 bを有し、これら射水口 1 4 a、 1 4 bによりリム通水路 1 bに両方向から水を射水することができるため、水の射水圧力が比較的低くても、便鉢 1 aの洗浄能力を高めることができる。

(実施形態 2 )

実施形態 2のタンクレス便器では、図 7及び図 8に示すスパッド 2 0を採用している。他の構成は実施形態 1 と同様である。

スパッド 2 0は、通孔 1 gに係合される本体部 2 1と、この本体部 2 1に設けられたハウジング 2 2と、本体部 2 1及びハウジング 2 2内に設けられ、リム通水路 1 b内まで延在する案内部 2 3とを有している。ハウジング 2 2には、リム用導管 7を係合させる第 1係合部 2 2 aと、チューブ 9を係合させる第 2係合部 2 2 bとが形成されている。本体部 2 1、ハウジング 2 2及び案内部 2 3内にリム用導管 7と連通する給水路 2 0 aが形成されている。また、本体部 2 1の外面及びハウジング 2 2の内面とでチューブ 9と連通する排水路 2 0 bが形成されている。

本体部 2 1の内方側には周方向で 4分割され、先端側が先細りのコレット 2 1 aが形成され、コレット 2 1 aより外端側の外周には雄螺子 2 1 bが形成されている。

ハウジング 2 2は、本体部 2 1の外端側に 0リング 2 4を介し、雄螺子 2 1 b に螺合されている。ハウジング 2 2の外端に同軸に第 1係合部 2 2 aが突設されており、第 1係合部 2 2 aの外周に傾斜して第 2係合部 2 2 bが突設されている。第 1係合部 2 2 aにはフランジ 2 2 cが形成されている。

また、本体部 2 1の内端側には、外端にフランジ 2 3 cをもつ筒状の案内部 2 3が挿入されている。案内部 2 3は、給水路 1 0 aをリム通水路 1 bの一方向に開口させる射水口 2 3 aと、他方向に開口させる射水口 2 3 bとを有している。かかるスパッド 2 0は以下のように洋風便器本体 1の通孔 1 gに係合される。まず、本体部 2 1のコレット 2 1 aを縮径しつつ、洋風便器本体 1の通孔 1 g内に後壁面 1 eの外方からその本体部 2 1を挿入する。この後、後壁面 l eとの間にパッキン 2 6を設けつつ、ハウジング 2 2を本体部 2 1の雄螺子 2 1 bに螺合させる。次いで、第 1係合部 2 2 aの給水路 2 0 a内にフランジ 2 3 cがハウジング 2 2の段部 2 2 dに当接するまで案内部 2 3を挿入する。そして、第 1係合部 2 2 aのフランジ 2 2 cとリム用導管 7のフランジ 7 aとをクリップ 2 5により係止し、第 1係合部 2 2 aにリム用導管 7を係合する。また、第 2係合部 2 2 bの外周面にチューブ 9を嵌める。

以上のように構成されたタンクレス便器においても、実施形態 1 と同様の作用及び効果を奏することができる。

(実施形態 3 )

実施形態 3のタンクレス便器では、図 9及び図 1 0に示すスパッド 3 0を採用している。他の構成は実施形態 1と同様である。

スパッド 3 0は、通孔 1 gに係合される本体部 3 1と、この本体部 3 1 と一体をなし、リム用導管 7を係合させる第 1係合部 3 2と、本体部 3 1に設けられ、チューブ 9を係合させる第 2係合部 3 3と、本体部 3 1 と一体をなし、リム通水路 1 b内まで延在する案内部 3 4とを有している。本体部 3 1、第 1係合部 3 2 及び案内部 3 4内にリム用導管 7と連通する給水路 3 0 aが形成されている。また、第 2係合部 3 3内にチューブ 9と連通する排水路 3 0 bが形成されている。本体部 3 1の内方側には周方向で 4分割され、先端側が先細りのコレット 3 1 aが形成されている。本体部 3 1 と一体の第 2係合部 3 2の外周には雄螺子 3 2 aが形成されている。また、本体部 3 1には筒状の案内部 3 4が圧入されている。案内部 3 4は、給水路 3 0 aをリム通水路 1 bの一方向に開口させる射水口 3 4 aと、他方向に開口させる射水口 3 4 bとを有している。また、本体部 3 1には第 2係合部 3 3のフランジ 3 3 aが嵌め込まれている。

かかるスパッド 3 0は以下のように洋風便器本体 1の通孔 1 gに係合される。まず、本体部 3 1のコレット 3 1 aを縮径しつつ、洋風便器本体 1の通孔 1 g内に後壁面 1 eの外方からその本体部 3 1及び第 1係合部 3 2を挿入する。この後、後壁面 1 eとの間にパッキン 3 5を設けつつ、第 2係合部 3 3のフランジ 3 3 a を本体部 3 1の雄螺子 3 2 aに嵌め、座金 3 6を介してナツト 3 7を雄螺子 3 2 aに螺合させる。次いで、第 1係合部 3 2の給水路 3 0 a内にリム用導管 7を揷入し、アジャストパヅキン 3 8及び図示しないスリヅプヮッシャを嵌め、雄螺子 3 2 aに袋ナツト 3 9を螺合する。この後、第 2係合部 3 3の外周面にチューブ 9を嵌める。

(実施形態 4 )

実施形態 4のタンクレス便器では、図 1 1及び図 1 2に示すスパッド 4 0を採用している。他の構成は実施形態 1と同様である。

スパッド 4 0は、通孔 1 gに係合される本体部 4 1と、この本体部 4 1 と一体をなし、リム用導管 7を係合させる第 1係合部 4 2と、本体部 4 1 と一体をなし、チューブ 9を係合させる第 2係合部 4 3と、本体部 4 1 と一体をなし、リム通水路 1 b内まで延在する案内部 4 4とを有している。第 1係合部 4 2及び案内部 4 4内にリム用導管 7と連通する給水路 4 0 aが形成されている。また、本体部 4 1 と案内部 4 4との間及び第 2係合部 3 3によりチューブ 9と連通する排水路 4 0 bが形成されている。

本体部 4 1の内方側には周方向で 4分割され、先端側が先細りのコレット 4 1 aが形成され、コレット 4 1 aより外端側の外周には雄螺子 4 1 bが形成されている。また、本体部 4 1内には段部 4 1 cが形成され、段部 4 1 cに筒状の案内部 4 4が圧入されている。こうして、段部 4 1 cの部分を除く本体部 4 1の内面と案内部 4 4の外面とで排水路 4 0 bが形成されている。案内部 4 4は、給水路 4 0 aをリム通水路 1 bの一方向に開口させる射水口 4 4 aと、他方向に開口させる射水口 4 4 bとを有している。本体部 4 1 と一体の第 1係合部 4 2にはフランジ 4 2 aが形成されている。また、本体部 4 1 と第 1係合部 4 2との間にはこれらと一体の第 2係合部 4 3が径方向に突設されている。

かかるスパヅド 4 0は以下のように洋風便器本体 1の通孔 1 gに係合される。まず、本体部 4 1のコレット 4 1 aを縮径しつつ、洋風便器本体 1の通孔 1 g内に後壁面 1 eの外方からその本体部 4 1及び第 1係合部 4 2を挿入する。この後、後壁面 1 eとの間にパッキン 4 5及び座金 4 6を介してナツト 4 7を雄螺子 4 1 bに螺合させる。そして、第 1係合部 4 2 aのフランジ 4 2 cとリム用導管 7のフランジ 7 aとをクリップ 4 8により係止し、第 1係合部 4 2にリム用導管 7を係合する。また、第 2係合部 4 3の外周面にチューブ 9を嵌める。以上のように構成されたタンクレス便器においても、実施形態 1 と同様の作用及び効果を奏することができる。

{第 2発明 }

以下、第 2発明を具体化した実施形態を図面を参照しつつ説明する。

図 1 3に示すように、実施形態に係るタンクレス便器 1は、ロータンク等の便器洗浄夕ンクを有さないタンクレス方式のものであり、洋風便器本体 2と、便座 · 便蓋装置 5と、便器洗浄装置 7とを備えている。

洋風便器本体 2は陶器で形成されており、排泄物を受けるボウル部 2 0をもつ便鉢 2 1 と、便鉢 2 1の前側の上部の周縁に巡らされ、内部にリム通水路 2 3を有するリム 2 4と、リム 2 4の後方に便鉢 2 1 と一体的に設けられた支持部 2 5 とを備えている。ボウル部 2 0の底付近には図示しないジエツトノズルが設けられている。支持部 2 5は洋風便器本体 2の後部で盤状に後方に向けて延設されており、リム 2 4の高さとほぼ同一高さをもつ平坦な支持面 2 6を備えている。支持部 2 5には、硬質樹脂製の固定プレート 3が脱着可能に固定されている。

固定プレート 3は四角板形状をなしており、前方側に便座 ·便蓋装置取付部 3 0を有し、後方側に便器洗浄装置取付部 3 1を有しており、便座 ·便蓋装置 5及び便器洗浄装置 7を共通して取り付けるための共通プレートとして機能する。図 1 4に示すように、固定プレート 3の便座 ·便蓋装置取付部 3 0は上面及び下面が平坦なほぼ四角板形状をなしており、互いに平行な前辺部 3 0 a及び後辺部 3 0 bと、互いに平行な横辺部 3 0 cと、幅方向の両側から後方に突出した突出部 3 0 dとを備えている。

また、固定プレート 3の便器清浄装置取付部 3 1は上面及び下面が平坦なほぼ四角板形状をなしており、互いに平行な前辺部 3 1 a及び後辺部 3 1 bと、互いに平行な横辺部 3 1 cと、横辺部 3 1 cに形成され便座 ·便蓋装置取付部 3 0の突出部 3 0 dが嵌まる凹部 3 1 dとを備えている。

固定プレート 3を構成する便座 ·便蓋装置取付部 3 0と便器洗浄装置取付部 3 1 との境界域において、幅方向の両端には、横方向に沿った軸芯をもつ枢軸部 3 5が合計 2個設けられている。枢軸部 3 5はヒンジ手段として機能するものであり、固定プレート 3を構成する便座 ·便蓋装置取付部 3 0と便座 ·便蓋装置取付部 3 0とは上下に揺動可能とされている。つまり、固定プレート 3は上下方向に揺動して折り畳み可能とされている。このため、固定プレート 3の前方側を構成する便座 ·便蓋装置取付部 3 0は、固定プレート 3の後方側を構成する便器洗浄装置取付部 3 1に対して上下に揺動可能とされている。

固定プレート 3の便座 ·便蓋装置取付部 3 0の前部のうち幅方向の両端側には、便座，便蓋取付孔 3 2が上下方向に貫通して合計 2個形成されている。また、固定プレート 3の便器洗浄装置取付部 3 1の後部のうち幅方向の両端側には、取付孔 3 3が上下に貫通して合計 2個形成されている。

図 1 3に示すように、便座 ·便蓋装置 5は、洋風便器本体 2のリム 2 4に沿つた形状をもつ便座 5 0と、便座 5 0の上方に支持軸 5 1により揺動可能に設けられた便蓋 5 2と、便座 5 0よりも下方に突出するように下向きに突設された取付ボルト 5 4とを備えている。取付ボルト 5 4は取付手段として機能するものであり、先端部に雄ねじ部をもち、便座 ·便蓋装置 5の幅方向の両側に合計 2個設けられている。

前記した洋風便器本体 2の支持部 2 5のうちボウル部 2 0側には、その幅方向の両側に、揷通孔 2 7が上下に貫通するように合計 2個形成されている。洋風便器本体 2の揷通孔 2 7の位置、便座 ·便蓋装置 5の取付ボルト 5 4の位置、固定プレート 3の便座 ·便蓋取付孔 3 2の位置は、重なり得るように互いに相応する位置に設けられている。揷通孔 2 7の孔径は固定プレート 3の便座 ·便鉢取付孔 3 2の孔径及び取付ボルト 5 4の雄ねじ部の径ょりも大きくされている。これにより揷通孔 2 7内に挿入した便座 '便蓋装置 5の取付ボルト 5 4を支持面 2 6の面方向において位置調整できるようにされている。

図 1 3及び図 1 4に示すように、便器洗浄装置 7は固定プレート 3の便器洗浄装置取付部 3 1の片側に固定されている。便器洗浄装置 7は便鉢 2 1のボウル部 2 0を洗浄するために水を供給するものであり、開閉機能をもつ弁手段 7 0と、弁手段 7 0の開閉操作に起因する減圧による逆流水を抑えるためのバキュームブレ一力 7 5とを備えている。

弁手段 7 0は、便鉢 2 1の洗浄のために水を洋風便器本体 2の便鉢 2 1内に供給 ·停止するものであり、リム用の開閉弁 7 1 と、ジェット用の開閉弁 7 3とを互いに隣設させて構成されている。リム用の開閉弁 7 1の出水ポートは、図 1 5 に示すように、リム用導管 7 1 eを介してリム通水路 2 3に接続されており、リム通水路 2 3に水を供給する。ジェット用の開閉弁 7 3の出水ポートは、ジエツト用導管 7 3 eを介してジ Xットノズルに接続されており、ジエツトノズルに水を供給する。

バキュームブレーカ 7 5は、前述したように弁手段 7 0における水の逆流を防止するために弁手段 7 0に設けられたものであり、リム用の開閉弁 Ί 1に設けられた第 1バキュームブレーカ 7 6と、ジエツト用の開閉弁 7 3に設けられた第 2 バキュームブレーカ 7 8とで構成されている。第 1バキュームブレーカ 7 6は、大気に連通する第 1吸気口 7 6 aと、逆流水を流す第 1吐出管 7 6 cとをもつ。第 2バキュームブレーカ 7 8は、大気に連通する第 2吸気口 7 8 aと、逆流水を流す第 2吐出管 7 8 cとをもつ。

図 1 4に示すように、固定プレート 3の内部には、バキュームブレーカ 7 5からの逆流水を洋風便器本体 2のボウル部 2 0内に案内する案内手段として機能する案内路 8が形成されている。案内路 8は、固定プレート 3の便器洗浄装置取付部 3 1の内部に形成された第 1案内路 8 1 と、第 1案内路 8 1に連通するように固定プレート 3の便座 ·便蓋装置取付部 3 0の内部に形成され、ボウル部 2 0に臨む先端開口 8 2 mをもつ第 2案内路 8 2とを有する。第 1案内路 8 1の第 1底面 8 1 k及び第 2案内路 8 2の第 2底面 8 2 kは共に、ボウル部 2 0に向かうにつれて下降傾斜するようにされており、逆流水をボウル部 2 0に向けて流下させ得るようにされている。

第 1案内路 8 1は第 1吐出管 7 6 cの先端及び第 2吐出管 7 8 cの先端と連通しており、逆流水が発生したとしても、逆流水は第 1吐出管 7 6 c及び第 2吐出管 7 8 cを介して第 1案内路 8 1を流下し、さらに第 2案内路 8 2を流下し、先端開口 8 2 mから洋風便器本体 2のボウル部 2 0内に排出される。

なお、図 1 4に示すように、第 1案内路 8 1は平面形状が Lの字形状をなしており、第 2案内路 8 2は平面形状が直路形状をなしている。第 1案内路 8 1と第 2案内路 8 2との境界域には、水洩れを抑えるゴムや軟質樹脂等の弾性材料で形成されたシール部材 8 3が設けられている。

図 1 3〜 1 5に示すように、固定プレート 3の便器洗浄装置取付部 3 1に固定された便器洗浄装置 7には、弁手段 7 0の開閉を行う駆動装置 9が設けられている。駆動装置 9は、リム用の開閉弁 7 1の開弁及び閉弁と、ジェット用の開閉弁 7 3の閧弁及び閉弁とを行うためのものであり、カム装置 9 0と、カム装置 9 0 を駆動させるモー夕装置 9 5とを備えている。カム装置 9 0は弁手段 7 0の上方に設けられており、固定プレート 3の便器洗浄装置取付部 3 1に保持されている取付片 9 1に水平状態で回転可能に保持された回転軸 9 2と、回転軸 9 2にこれの軸直角方向に突出するように並設された第 1カム 9 3及び第 2カム 9 4とを備えている。回転軸 9 2は洋風便器本体 2の幅方向に沿って延設されている。

モー夕装置 9 5は取付片 9 1に固定されており、モー夕 9 6と、モー夕 9 6の回転力を回転軸 9 2に伝達する減速ギヤとを内蔵しており、図示しないコント口ーラの制御により回転軸 9 2を回転駆動できるようになつている。モー夕装置 9 5により回転軸 9 2が回転すると、第 1カム 9 3及び第 2カム 9 4は回転する。次に、固定プレート 3を洋風便器本体 2に組み付ける場合について説明を加える。このタンクレス便器 1では、図 1 3から理解できるように、固定プレート 3 の便器洗浄装置取付部 3 1には便器洗浄装置 7が予め装備されている。この状態において、固定プレート 3の取付孔 3 3を洋風便器本体 2の固定プレート取付孔 2 8を対面させた状態で固定プレート 3を洋風便器本体 2の支持部 2 5に載せると共に、取付孔 3 3及び固定プレート取付孔 2 8に取付手段としてのボルト部材 1 0 0を揷通し、ボルト部材 1 0 0の雄ねじ部に第 1ナット部材 1 0 2を締結することにより、固定プレート 3の便器洗浄装置取付部 3 1を洋風便器本体 2の支持部 2 5の支持面 2 6に脱着可能に固定する。

また、便座 ·便蓋装置 5の取付ボルト 5 4を固定プレート 3の便座 ·便蓋装置取付部 3 0の便座 ·便蓋取付孔 3 2及び洋風便器本体 2の揷通孔 2 7に順に挿通した状態とし、取付ボルト 5 4の先端の雄ねじ部に第 2ナツト部材 1 0 4を締結する。これにより便座 ·便蓋装置 5を固定プレート 3の便座 ·便蓋装置取付部 3 0に脱着可能に固定すると共に、固定プレート 3の便座 ·便蓋装置取付部 3 0を洋風便器本体 2の支持部 2 5に脱着可能に固定する。そして、外側からカバー 1 5 0を脱着可能に被せ、便器洗浄装置 7等を覆う。

図 1 5に示すように、タンクレス便器 1を設置する室の壁には給水源である水道管等の給水管 1 1 0が設けられている。給水管 1 1 0に取り付けられた止水栓 1 1 1から導出されたフレキシブルホース 1 1 2の先端部 1 1 2 aは便器洗浄装置 7の弁手段 7 0の入水ポートに接続される。これにより給水管 1 1 0からの水はリム用の開閉弁 7 1及びジエツト用の開閉弁 7 3に給水される。

次に、洋風便器本体 2のボウル部 2 0の洗浄を行う場合について説明を加える。このタンクレス便器 1では、使用者のスィッチ操作に基づいて、コントローラの信号により駆動装置 9のモー夕 9 6が駆動し、回転軸 9 2が回転駆動される。これにより第 1回目のリム通水操作が行われる。すなわち、第 1カム 9 3のカム面がリム用の開閉弁 7 1の図示しないシャフトを下方向に押圧し、リム用の開閉弁 7 1を開弁させる。これにより洗浄水はリム用の開閉弁 7 1の出水ポートを経てリム用導管 7 1 eに供給され、リム通水路 2 3に供給されてボウル部 2 0の内壁面が洗浄される。

カム装置 9 0の駆動に伴い、第 1カム 9 3がリム用の開閉弁 7 1のシャフトを下方向に押圧しなくなり、図略のリターンパネによりリム用の開閉弁 7 1が閉弁する。その後、第 2カム 9 4がジェット用の開閉弁 7 3の図示しないシャフトを下方向に押圧し、ジェット用の開閉弁 7 3を開弁させる。これによりジェット通水操作が行われる。すなわち、第 2カム 9 4のカム面がジェット用の開閉弁 7 3 のシャフトを下方向に押圧し、ジェット用の開閉弁 7 3を開弁させる。これにより洗浄水はジエツト用の開閉弁 7 3の出水ポートを経てジヱット用導管 7 3 eに供給され、ジヱットノズルに供給されて強制的にサイホン作用を生じさせる。次いで、カム装置 9 0の駆動に伴い、第 2カム 9 4のカム面がジェット用の開閉弁 7 3のシャフトを下方向に押圧しなくなり、図略のリターンパネによりジェット用の開閉弁 7 3が閉弁する。その後、第 1カム 9 3のカム面がリム用の開閉弁 7 1のシャフトを再度下方向に押圧し、リム用の開閉弁 7 1を再度開弁させる。これにより第 2回目のリム通水操作が行われる。すなわち、洗浄水はリム用の開閉弁 7 1を経てリム通水路 2 3に供給され、洗浄水はボウル部 2 0の内壁面に沿つて流下する。これによりボウル部 2 0は封水され、ボウル部 2 0の洗浄を終了する。

次に清掃する場合について説明を加える。このタンクレス便器 1では、洋風便器本体 2と便座'便蓋装置 5や便器洗浄装置 7との間の微小隙間に汚れが発生し、洋風便器本体 2の清掃を行おうとする場合、清掃者は、固定プレート 3を洋風便器本体 2の支持部 2 5から外せば、便座 ·便蓋装置 5及び便器洗浄装置 7を洋風便器本体 2から取り外すことができる。こうして、このタンクレス便器 1は、洋風便器本体 2の清掃のために多くの手順を必要としないことから、洋風便器本体 2の清掃性が高い。特に、このタンクレス便器 1では、便座 ·便蓋装置 5のみを固定プレート 3に固定したまま洋風便器本体 2に対して上下に揺動できるため、固定プレート 3の前方側に隠れた洋風便器本体 2の支持部 2 5の清掃性を高めている。また、このタンクレス便器 1では、支持部 2 5の固定プレート取付孔 2 8 により固定プレート 3の後方側のみが洋風便器本体 2に固定されているだけであるので、便座'便蓋装置 5とともに固定プレート 3を容易に取り外すことができ、洋風便器本体 2の清掃性が高い。

また、このタンクレス便器 1では、固定プレート 3は、便座 ·便蓋装置 5及び便器洗浄装置 7の双方を併せて洋風便器本体 2に取り付ける共通プレートとして利用されるため、取付性も改善され、部品点数の低減も図っている。

さらに、このタンクレス便器 1では、固定プレート 3内の第 1、 2案内路 8 1、 8 2により第 1、 2バキュームブレーカ 7 6、 7 8の第 1、 2吸気口 7 6 a、 7 8 aから吐出する逆流水を洋風便器本体 2に案内することができるため、特別な配管を必要とすることなく、逆流水による汚染を防止することができる。

{第 3発明 }

以下、第 3発明を具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係るタンクレス便器は便器洗浄タンクを有さない洋風水洗式便器であり、図 1 6に示すように、本実施形態を特徴づける洋風便器本体 1を備えている。

この洋風便器本体 1は陶器製である。この洋風便器本体 1は、排泄物を受けるボウル部 1 0をもつ便鉢部 1 1 と、便鉢部 1 1の前部側の上縁部にほぼ Uの字形状に形成された平坦なリム 1 2と、便鉢部 1 1の後部側に広面積の平坦な水平面で形成された取付面 1 3とを備えている。ボウル部 1 0の底にはジエツトノズル取付孔 1 5が形成されている。リム 1 2の内部には、ボウル部 1 0の内部に給水するリム通水路 1 4が形成されている。取付面 1 3には、後述により理解されるように、別体型便器洗浄装置 2 (図 1 7等参照）を取り付けることもできるし、別タイプの一体型便器洗浄装置 8 (図 2 1参照）を取り付けることもできる。このため、取付面 1 3は共通取付面として機能している。

洋風便器本体 1の取付面 1 3には、複数個つまり 2個 1組の便座取付け穴 1 7 が上下方向に貫通するように形成されている。これら便座取付け穴 1 7の間隔は 1 4 0 m mである。洋風便器本体 1の取付面 1 3の後部には、複数個つまり 2個 1組の便器洗浄装置取付け穴 1 8が上下方向に貫通するように形成されている。便器洗浄装置取付け穴 1 8は、洋風便器本体 1において、便座取付け穴 1 7よりも後方に形成されている。便器洗浄装置取付け穴 1 8は、後述により理解されるように、共通ベースプレート 3を介して別体型便器洗浄装置 2 (図 1 7等参照）を取り付けることができるし、共通べ一スプレート 3を介して別タイプの一体型便器洗浄装置 8 (図 2 1参照）を取り付けることもできるため、共通取付け穴として機能している。

図 1 7及び図 1 8は別体型便器洗浄装置 2を共通ベースプレート 3を介して洋風便器本体 1に取り付けた状態を示す。別体型便器洗浄装置 2は、便座 ·便蓋装置 4 (図 1 9参照）とは別体で洋風便器本体 1に取り付けられるタイプの便器洗浄装置である。また、共通ペースプレート 3は、洋風便器本体 1の後部の上面において水平方向に延設され、端部にボルト挿通孔 3 3をもつ上水平プレート部 3 0と、上水平プレート部 3 0から垂直方向に延設され、洋風便器本体 1の後部の側面に沿った縦プレート部 3 1 と、縦プレート部 3 1の下部に水平方向に延設された下水平プレート部 3 2とを備えている。第 1取付ボルト 3 4をボルト揷通孔 3 3を介して洋風便器本体 1の便器洗浄装置取付け穴 1 8に挿通し、第 1取付ボルト 3 4に図示しないナツトを螺合させることにより、共通ベースプレート 3を洋風便器本体 1に固定している。こうして、共通べ一スプレート 3、ひいては別体型便器洗浄装置 2は、洋風便器本体 1に着脱可能に取り付けられている。共通ベースプレート 3の上水平プレート部 3 0の上方には、他機構としての温水夕ンク 4 4 (図 2 0参照）を収容できるタンク収容空間 3 7が設けられている。

別体型便器洗浄装置 2は共通ベースプレート 3に搭載されている。この別体型便器洗浄装置 2は、水道管等の図示しない給水管に接続された図示しない止水栓にフレキシブルホース 2 0 aにより接続される分岐給水装置 2 0と、この分岐給水装置 2 0から洗浄水が供給されてボウル部 1 0を洗浄可能な洗浄機構 2 1とを備えている。

分岐給水装置 2 0は、可撓性をもつフレキシブルホース 2 0 aに接続される給水口 2 0 0をもつ主管 2 1 0と、主管 2 1 0と洗浄機構 2 1 とを接続し、洗浄機構 2 1に洗浄水を供給するように架設された主導管 2 2 0と、通常は閉塞され、使用時に開放されて分水する分岐管 2 3 0とを備えている。

洗浄機構 2 1は、共通ベースプレート 3の一端側に配置された弁手段 2 2と、弁手段 2 2を駆動させる駆動装置 2 6とを備えている。洗浄機構 2 1の主要素である弁手段 2 2は、ジヱットノズル 5 1への給水 ·給水停止を行うジエツト用の第 1開閉弁 2 3と、リム通水路 1 4への給水 ·給水停止を行うリム用の第 2開閉弁 2 4とを一体的に並設して組み付けることにより形成されている。

ジエツト用の第 1開閉弁 2 3は、内部に図示しないビストン室をもつハウジング 2 3 0と、ビストン室に摺動可能に保持された図示しないビストンの上部に連設された縦型の口ッド 2 3 1 と、ハウジング 2 3 0の前方側に連設された連結部材 2 3 2と、連結部材 2 3 2の上端に設けられたバキュームブレーカ 2 3 3とを備えている。バキュームブレーカ 2 3 3は大気に連通しており、第 1開閉弁 2 3 の開閉に伴う負圧化を抑え、負圧化に起因する水の逆流を防止するためのものである。

リム用の第 2開閉弁 2 4は、ジエツト用の第 1開閉弁 2 3と基本的に同様の構成であり、ハウジング 2 3 0と縦型のロッド 2 3 1 と連結部材 2 3 2とバキュームブレーカ 2 3 3とを備えている。第 2開閉弁 2 4のピストン室は図示しない連通ポートを介して第 1開閉弁 2 3のビストン室に連通しており、第 1開閉弁 2 3 を介して分岐給水装置 2 0の主導管 2 2 0から給水されるようになっている。駆動装置 2 6は両開閉弁 2 3、 2 4を開閉させるものである。この駆動装置 2 6は、両開閉弁 2 3、 2 4の上方に配置されたカム装置 2 7と、カム装置 2 7を作動させるモ一夕装置 2 8とで形成されている。カム装置 2 7は、前方に向かつて両端が突出しているブラケット 2 7 aと、ブラケット 2 7 aに水平状態で回転可能に保持された回転軸 2 7 bと、回転軸 2 7 bに固定された第 1カム 2 7 c及び第 2カム 2 7 eとを備えている。モー夕装置 2 8は、モー夕と、モータの回転速度を減速する変速ギアとを内蔵している。第 1カム 2 7 cが第 1開閉弁 2 3のロッド 2 3 1を下方に押圧すると、第 1開閉弁 2 3が閧弁する。第 2カム 2 7 e が第 2開閉弁 2 4のロッド 2 3 1を下方に押圧すると、第 2開閉弁 2 4が開弁する。押圧力が解除されると、第 1開閉弁 2 3及び第 2開閉弁 2 4は内蔵されているリターンパネにより自動的に閉弁する。駆動装置 2 6には手動操作用のハンドル 2 9が取り付けられており、停電時又は所望等にカム装置 2 7の回転軸 2 7 b を手動回転でき、第 1開閉弁 2 3及び第 2開閉弁 2 4を手動で開閉できるようになっている。

洗浄機構 2 1の第 1開閉弁 2 3の出水ポートとジエツトノズル取付孔 1 5との間にはジエツト用導管 5 0が洋風便器本体 1の内部を通して配設されており、ジエツト用導管 5 0の先端部にジエツトノズル 5 1が設けられている。こうして、第 1開閉弁 2 3の水はジエツト用導管 5 0を経てジエツトノズル 5 1に供給されるようになっている。

洗浄機構 2 1の第 2開閉弁 2 4の出水ポートとリム通水路 1 4との間にはリム用導管 5 2が配設されている。こうして、第 2開閉弁 2 4の洗浄水はリム用導管 5 2を経てリム通水路 1 4に供給されるようになっている。

こうして、洋風便器本体 1に取り付けた別体型便器洗浄装置 2は、図 1 8及び図 1 9に示すように、内力バー 7により隠蔽される。内力バー 7は箱状をなす樹脂製のものである。この内力バー 7は、別体型便器洗浄装置 2を下側から覆う着脱可能な下カバー部 7 1と、下カバー部 7 1に係脱可能であると共に別体型便器洗浄装置 2を上側から覆う着脱可能な上カバー部 7 2とで構成されている。上力バ一部 Ί 2の前方には温水タンク 4 4との干渉を回避する切り欠き 7 2 aが形成されている。内力バー 7の装着時には、ハンドル 2 9は手動操作のため内力バー 7の側面から露出している。図 1 9に示すように、便座 ·便蓋装置 4は、別体型便器洗浄装置 2とは別体のものである。この便座 ·便蓋装置 4は、箱状の基部 4 0と、基部 4 0に揺動可能に保持され、使用者が着座する便座 4 1 と、便座 4 1上に位置し、基部 4 0に摇動可能に保持されつつボウル部 1 0の上面開口を開閉可能な便蓋 4 2とを備えている。また、この便座 ·便蓋装置 4は、基部 4 0の後部に一体的に保持された局部洗浄装置 4 3を備えている。局部洗浄装置 4 3は人体の局部を洗浄するためのものであり、基部 4 0に設けられ、温水生成用の内蔵ヒー夕を備えた他機構としての温水タンク 4 4と、伸縮可能に設けられ、伸長に伴って人体の局部に温水夕ンク 4 4の温水を噴出可能な複数本の噴出ノズル 4 5、 4 6とを備えている。便座便蓋取付用のベースプレート 6から下方に延設された複数個の第 2取付ボルト 6 0を洋風便器本体 1の便座取付け穴 1 Ίにそれそれ挿通し、これら第 2取付ボルト 6 0を図示しないナットにより締結することにより、便座 ·便蓋装置 4 は洋風便器本体 1の取付面 1 3に着脱可能に取り付けられる。

こうして、図 2 0に示すように、別体型便器洗浄装置 2は、洋風便器本体 1の便座取付け穴 1 7に取り付けられ、便座 '便蓋装置 4の後方に位置する。この状態では、便座 ·便蓋装置 4の後部に保持されている温水タンク 4 4が共通ベースプレート 3上のタンク収容空間 3 7に配置されており、この結果、別体型便器洗浄装置 2の取付の際には、便座 ·便蓋装置 4の温水タンク 4 4が共通ベースプレ一ト 3上の別体型便器洗浄装置 2の主要素である洗浄機構 2 1及び分岐給水装置

2 0とは干渉しないようにされている。こうして、便器洗浄装置が別体型便器洗浄装置 2であるタンクレス便器が製造される。

なお、内カバ一 7の上カバ一部 Ί 2と下カバー部 Ί 1 とは互いに係脱可能にされているため、係合を解除すれば上カバー部 7 2を下カバー部 7 1から離脱させることが可能であり、これにより別体型便器洗浄装置 2の保守点検が可能になつている。また、取付の際には、便座 ·便蓋装置 4の温水タンク 4 4と分岐給水装置 2 0の分岐管 2 3 0とは図示しないホース等の管路により連結され、分岐管 2

3 0から温水タンク 4 4に給水されるようになっている。

上記のように、便器洗浄装置が別体型便器洗浄装置 2であるタンクレス便器を製造するラインにおいて、図 1 8の状態まで組み付けが進行した後、図 2 1に示すように、便器洗浄装置が一体型便器洗浄装置 8であるタンクレス便器も製造され得る。

ここで、一体型便器洗浄装置 8は、便座 ·便蓋装置 8 1を一体に有しているとともに、便座 ·便蓋装置 8 1の後方には内力バー 7を温水タンク 4 4とともに隠蔽する外カバ一 8 2を有している。かかる便器洗浄装置が一体型便器洗浄装置 8 であるタンクレス便器は、便器洗浄装置が別体型便器洗浄装置 2であるタンクレス便器と比較し、洋風便器本体 1並びに一体型便器洗浄装置 8の分岐給水装置 2 0、洗浄機構 2 1、共通べ一スプレート 3及び内力バー 7が共通している。こうして、便器洗浄装置が一体型便器洗浄装置 8であるタンクレス便器が製造される。こうして製造されるタンクレス便器は、便器洗浄装置が別体型便器洗浄装置 2 又は一体型便器洗浄装置 8であるため、トィレ室への設置を検討しているタンクレス便器の購入者は、その購入の際、予算の都合等により、便器洗浄装置が別体型便器洗浄装置 2であるタンクレス便器又は一体型便器洗浄装置 8であるタンクレス便器を自由に選択できる。

また、これらのタンクレス便器では、洋風便器本体 1が共通しているため、一種類の洋風便器本体 1を製造すれば足り、高い量産化故に、洋風便器本体 1、ひいてはタンクレス便器の製造コストの低廉化を実現できる。

さらに、実施形態のタンクレス便器によれば、別体型便器洗浄装置 2と一体型便器洗浄装置 8とにおいて、分岐給水装置 2 0、洗浄機構 2 1、共通ベースプレ ―ト 3及び内カバ一 7が共通しているため、製造時の部品の共通化を図ることができ、タンクレス便器の製造コス卜の低廉化に一層貢献できる。

また、実施形態のタンクレス便器によれば、これらが共通しているため、洋風便器本体 1に内力バー 7を取り付けるまでは製造ラインが共通となる。すなわち、実施形態のタンクレス便器によれば、洗浄機構 2 1がー体型便器洗浄装置 8における温水タンク 4 4と干渉しないで洋風便器本体 1に取付け可能になされているため、洋風便器本体 1に共通ベースプレート 3を介して洗浄機構 2 1のみを取り付け、この後で内力バー 7を取り付けることにより洗浄機構 2 1のみを備えた夕ンクレス便器を製造することができる。これには、例示はしないが、便座と便蓋としか備えていない単なる便座 ·便蓋装置を取り付けることも可能であるとともに、局部洗浄装置をもつ便座 ·便蓋装置 4を取り付けることも可能である。こうして、別体型便器洗浄装置 2を備えたタンクレス便器を製造することが可能になる。かかる別体型便器洗浄装置 2を備えたタンクレス便器では、当初、予算等の都合により、洗浄機構 2 1のみを備えたタンクレス便器を購入し、そのタンクレス便器には例えば暖房機能付き便座 ·便蓋装置を取り付けていた場合、その後に局部洗浄装置の他機構のある便座 ·便蓋装置 4を取り付けたいのであれば、これらの交換が容易である。

さらに、洗浄機構 2 1を取り付けた後、さらに便座 ·便蓋装置 8 1及び外カバ一 8 2をも取り付けることにより、一体型便器洗浄装置 8を備えたタンクレス便器を製造することが可能となる。

こうして、内力バー 7を取り付けるまでは製造ラインが共通となり、タンクレス便器の製造コス卜の低廉化に一層貢献できる。

したがって、実施形態のタンクレス便器によれば、購入者の自由な選択を可能にするとともに、製造コストの低廉化を実現することができる。

{第 4、 5発明 }

以下、第 4、 5発明を具体化した実施形態 1、 2を図面を参照しつつ説明する。 (実施形態 1 )

実施形態 1のタンクレス便器は、便器洗浄タンクを有さないタンクレス方式のものである。図 2 2に示すように、タンクレス便器の洋風便器本体 1は陶器製であり、排泄物を受けるボウル部 1 0をもつ便鉢 1 1 と、ボウル部 1 0の上部周縁に巡らされたリム通水路 1 2を有するリム 1 3と、ボウル部 1 0の底に連通し、排泄物を流すトラップ部 1 4とを有している。トラップ部 1 4の入口には、サイフォン作用を生じさせるジエツトノズル 1 5が備えられている。なお、便蓋及び便座の図示は省略している。

洋風便器本体 1には、リム通水路 1 2に給水するリム用導管 2と、ジヱットノズル 1 5に給水するジエツト用導管 3とが設けられている。

洋風便器本体 1の後部の上部側にはリム導水路 1 6が空洞状に内設されている _c リム導水路 1 6は、図 2 3に示すように、通孔 1 7を介してリム通水路 1 2に連通している。リム導水路 1 6は、洋風便器本体 1の壁面を構成する上壁面 1 8及び側壁面 1 9により隠蔽されており、通常の形態では外部から視認できないようにされている。

洋風便器本体 1の後部には、リム用導管 2を取り付けるための第 1取付部 4 1 が設けられているとともに、ジェット用導管 3を取り付けるための第 2取付部 4 2が設けられている。第 1取付部 4 1には、図 2 4〜 2 6に示すように、第 1取付孔 4 1 aが前後方向に向けて貫通して形成されており、第 2取付部 4 2には、図 2 7に示すように、第 2取付孔 4 2 aが上下方向に貫通して形成されている。図 2 4及び図 2 5に示すように、開閉弁 5を洋風便器本体 1に取り付ける前の状態では、洋風便器本体 1の第 1取付部 4 1の壁面である第 1取付壁面 4 1 bは後方で露出している。また、図 2 7に示すように、洋風便器本体 1の第 2取付部 4 2の壁面である第 2取付壁面 4 2 bは後部上方で露出している。

洋風便器本体 1の後部には、図 2 2に示すように、横プレート部 4 3 r及び縦プレート部 4 3 tをもつベースプレート 4 3が取付ボルト 4 4により洋風便器本体 1に脱着可能に固定されている。給水装置として機能する開閉弁 5は、ベースプレート 4 3の縦プレート部 4 3 tに脱着可能に固定されている。なお、開閉弁 5等はカバー 4 5により隠蔽される。

トイレの室壁には水道管等の給水管 4 7が設けられており、給水管 4 7の端部には、開閉操作部 4 8 xをもつ止水栓 4 8が取り付けられている。止水栓 4 8と開閉弁 5の入水ポート 5 0とは、接続管として機能する可撓性をもつフレキシブルホース 4 9により接続されている。このため、給水管 4 7の洗浄水は止水栓 4 8を介して開閉弁 5の入水ポート 5 0に供給される。

開閉弁 5は、図 2 3に示すように、リム用開閉弁 5 1 とこれと隣接するジエツト用開閉弁 5 2 とで構成されている。リム用開閉弁 5 1及びジエツト用開閉弁 5 2は、図示はしないものの、それそれ互いに連通する弁室と、弁室に開閉可能に設けられた弁機構と、弁機構を開閉させる駆動機構とをもつ。このため、開閉弁 5の入水ポート 5 0に供給された洗浄水は、リム用開閉弁 5 1 とジヱット用開閉弁 5 2との双方に供給される。開閉弁 5の上部には、図 2 2に示すように、逆流防止用のバキュームブレーカ 5 3が設けられている。バキュームブレーカ 5 3には、リム通水路 1 2の最上面よりも上方で大気と連通する大気孔 5 4が形成されている。これによりバキュームブレーカ 5 3の上流側における流路の負圧化による洗浄水の逆流が抑えられる。

図 2 5及び図 2 6に示すように、リム用導管 2は、主体をなすとともに内部に通路 2 dをもつ導管本体 2 aと、この導管本体 2 aの軸端に同軸的かつ一体的に接続されたスパッド 6とから構成されている。

スパッド 6は、比較的厚肉の短軸略円柱状をなす径大部 6 0と、この径大部 6 0の一端側で導管本体 2 aと同軸的に延設された円筒パイプ形状をなす挿入端部 6 1とで構成されている。

径大部 6 0は、その外周部に挿入端部 6 1から離れるにつれて外径が拡径する円錐面状をなす傾斜面 6 0 aと、挿入端部 6 1 と傾斜面 6 0 aとの間に形成された雄ねじ 6 0 cとをもつ。径大部 6 0の中央域には断面円形状の嵌合孔 6 5が同軸的に形成されている。嵌合孔 6 5は、平坦な内周面 6 5 aと段状の位置決め部 6 5 cとをもつ。径大部 6 0の嵌合孔 6 5に導管本体 2 aの軸端が圧入されて一体的に固定されている。ここで、導管本体 2 aの軸端は位置決め部 6 5 cに当接して位置決めされている。

挿入端部 6 1は、導管本体 2 aの通路 2 dと連通するとともに、通路 2 dの内径と同一の内径を備えた中央孔 6 1 aをもつ筒形状をなし、怪大部 6 0よりも外径が小さくされている。また、挿入端部 6 1の外周先端側にはリング溝 6 1 cが形成されており、リング溝 6 1 cには弾性材料で形成されたシール部材として機能するリング形状をなす 0リング 6 6が設けられている。挿入端部 6 1の外径は、リム用開閉弁 5 1の第 1出水ポート 5 1 cの内径と対応するように設定されている。

また、締結部材として機能する座付きナット 6 2と、弾性材料で形成されたシ一ル部材として機能するスカート状をなす第 1パッキン 6 3と、弾性材料で形成されたシール部材として機能する平板リング状をなす第 2パッキン 6 4とが用意されている。座付きナツト 6 2は、径外方向にリング形状に延設された座部 6 2 kと、内周に形成され、径大部 6 0の雄ねじ 6 0 cに螺合する雌ねじ 6 2 hとをもつ。リム用導管 2は洋風便器本体 1の後部における第 1取付部 4 1の第 1取付壁面 4 1 bに脱着可能に固定されている。こうしてリム用導管 2を第 1取付壁面 4 1 bに固定する形態について説明する。まず、スパッド 6の径大部 6 0の傾斜面 6 0 aに第 1パッキン 6 3をあてがった状態とし、径大部 6 0を矢印 S 1方向から第 1取付孔 4 1 aに嵌める。この状態で、第 2パッキン 6 4を矢印 S 2方向から径大部 6 0の外周に嵌め、座付きナツト 6 2の雌ねじ 6 2 hを径大部 6 0の雄ねじ 6 0 cに螺合させ、座付きナット 6 2を締結する。これによりリム用導管 2は洋風便器本体 1に脱着可能に固定される。

このようにリム用導管 2が洋風便器本体 1に固定された状態において、第 1、 2パッキン 6 3、 6 4の圧縮変形によりスパッド 6の径大部 6 0と第 1取付孔 4 1 aとの封止性、ひいてはリム用導管 2の封止性が確保される。

また、図 2 7に示すように、他の導管であるジェット用導管 3は、主体を占めるとともに内部に通路 3 dをもつ導管本体 3 aと、この導管本体 3 aの軸端に同軸的かつ一体的に接続されたスパッド 6とから構成されている。スパッド 6は、図 2 5に示すスパッド 6と同種のものであり、同一の部位には同一の符号を付する。

スパッド 6の径大部 6 0の嵌合孔 6 5には導管本体 3 aの軸端が圧入されて固定されている。ジェット用導管 3は、洋風便器本体 1の後部における第 2取付部 4 2の第 2取付壁面 4 2 bに脱着可能に固定されている。

ジエツト用導管 3を第 2取付壁面 4 2 bに固定する形態はリム用導管 2を第 1 取付部 4 1 bに固定する場合と同様である。このようにジヱット用導管 3が洋風便器本体 1に固定された状態では、第 1、 2パッキン 6 3、 6 4の圧縮変形により、スパッド 6の径大部 6 0と第 2取付孔 4 2 aとの封止性、ひいてはジェット用導管 3の封止性が確保される。

そして、この状態では、図 2 5に示すように、スパッド 6の挿入端部 6 1は、第 1取付壁面 4 1 bよりも外方、つまり洋風便器本体 1の後方に向けて突出している。また、図 2 7に示すように、スパッド 6の挿入端部 6 1は、洋風便器本体 1の第 2取付部 4 2の第 2取付壁面 4 2 bよりも上方に向けて突出している。一方、リム用開閉弁 5 1はベースプレート 4 3の縦プレート部 4 3 tに固定されている。

このため、スパヅド 6の挿入端部 6 1に向かって、ベースプレート 4 3とともにリム用開閉弁 5 1及びジエツト用開閉弁 5 2を洋風便器本体 1の後方側から移動させる。つまり、図 2 5に示すように、矢印 S 3方向から挿入端部 6 1の軸長方向に沿ってリム用開閉弁 5 1を挿入するとともに、図 2 7に示すように、同様に挿入端部 6 1の軸長方向に沿ってジヱット用開閉弁 5 2を挿入する。これにより、図 2 6に示すように、リム用開閉弁 5 1の第 1出水ポート 5 1 cを挿入端部 6 1に嵌合して挿着する。また、図 2 7に示すように、ジエツト用開閉'弁 5 2の第 1出水ポート 5 2 cを挿入端部 6 1に嵌合して挿着する。

図 2 6及び図 2 7に示すように、第 1出水ポート 5 1 c、 5 2 cの入口には、外側に向かうにつれて内径が拡径する円錐面状のガイド面 5 6が形成されている < このため、上記挿入の際、ガイド面 5 6により 0リング 6 6が良好に弾性変形され、 0リング 6 6の損傷が抑えられる。

この状態において、第 1出水ポート 5 1 c、 5 2 cの内壁面が挿入端部 6 1の外周面に嵌合されて対面しているとともに、 0リング 6 6はリム用開閉弁 6 1又はジエツト用開閉弁 5 2の第 1出水ポート 5 1 c、 5 2 cの内壁面により弾性変形され、スパッド 6の挿入端部 6 1 とリム用開閉弁 5 1又はジエツト用開閉弁 5 2の第 1出水ポート 5 1 c、 5 2 cとの間のシール性が確保される。

この後、図 2 2に示すように、取付ボルト 4 4により洋風便器本体 1にべ一スプレート 4 3を脱着可能に固定する。これによりリム用導管 2とリム用開閉弁 5 1 との連結が完了し、ジヱット用導管 3とジヱット用開閉弁 5 2との連結が完了する。

こうして、このタンクレス便器では、リム用導管 2を洋風便器本体 1の第 1取付壁面 4 1 bに固定し、ベ一スプレート 4 3に固定される開閉弁 5のリム用開閉弁 5 1にこのリム用導管 2を揷着可能となしている。また、ジエツト用導管 3を洋風便器本体 1の第 2取付壁面 4 2 bに固定し、ベースプレート 4 3に固定される開閉弁 5のジヱッ卜用開閉弁 5 2にこのジエツト用導管 3を挿着可能となしている。このため、組み付けの際、洋風便器本体 1にベースプレート 4 3を固定する前でもリム用導管 2及びジエツト用導管 3を安定して洋風便器本体 1に設けることができることから、組み付けの容易性を十分に発揮できる。

こうして得られたタンクレス便器では、給水管 4 7の洗浄水は、止水栓 4 8、フレキシブルホース 4 9を経て、開閉弁 5の入水ポート 5 0に供給される。開閉弁 5のリム用開閉弁 5 1及びジエツト用開閉弁 5 2は、便鉢 1 1の洗浄を行おうとする使用者のスィッチ操作がない限り、共に閉弁しており、給水管 4 7からの洗浄水はタンクレス便器へは供給されない。

洋風便器本体 1の洗浄を行うときには、使用者のスィッチ操作に基づいて、リム用開閉弁 5 1が閧弁する。これにより入水ポート 5 0とリム用開閉弁 5 1の第 1出水ポート 5 1 cとが連通するため、給水管 4 7の洗浄水は第 1出水ポート 5 1 cから吐出され、リム用導管 2を介して洋風便器本体 1のリム通水路 1 2に供給される。ここで、図 2 3に示すように、リム用導管 2は幅広なリム導水路 1 6 内に収容されており、リム用導管 2のスパッド 6と反対側の部位である他端部 2 cは、通孔 1 7を貫通してリム通水路 1 2に開口している。そして、リム用導管 2の他端部 2 cには、先端側に開いて洗浄水を右回りに吐出可能な第 1開口 2 e と、側面側に開いて洗浄水を左回りに吐出可能な第 2開口 2 f とが形成されている。このため、リム用開閉弁 5 1の第 1出水ポート 5 1 cからリム用導管 2に洗浄水が供給されると、その洗浄水は、第 1開口 2 eから図 2 3において右回りに吐出されるとともに、第 2開口 2 f から図 2 3において左回りに吐出される。こうして、ボウル部 1 0の内壁面が洗浄される。つまり、このタンクレス便器では、リム用開閉弁 5 1 と接続されたリム用導管 2を採用しているため、洗浄水が大きな速度でリム通水路 1 2内を流れ、これにより便鉢 1 1の洗浄能力を確保している。

また、ジエツト用開閉弁 5 2が開弁すると、入水ポート 5 0とジエツト用開閉弁 5 2の第 2出水ポート 5 2 cとが連通するため、ジエツト用開閉弁 5 2の第 2 出水ポート 5 2 cから吐出された洗浄水は、ジェット用導管 3を介してジェットノズル 1 5に供給される。このため、このタンクレス便器では、洗浄水が大きな速度でジエツトノズル 1 5から噴出され、これにより効果的なサイホン効果の発生を確保している。こうして、排泄物を洋風便器本体 1から排出する。

そして、このタンクレス便器では、リム用導管 2を第 1取付壁面 4 1 bに隠蔽し、ジェット用導管 3を第 2取付壁面 4 2 bに隠蔽しているため、美観が向上している。

また、このタンクレス便器では、洋風便器本体 1 と開閉弁 5との間にべ一スプレート 4 3を介在させていることから、精度よい外形寸法を確保している。

したがって、このタンクレス便器では、大きな洗浄能力と、外形を含む美観と、組み付けの確実な容易性の確保とを実現することができる。

(実施形態 2 )

実施形態 2のタンクレス便器は実施形態 1のタンクレス便器と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を奏する。以下、異なる部分を中心として説明する。

図 2 8及び図 2 9に示すように、リム用導管 2 Bは、主体をなす円筒形状のパイブで形成された導管本体 2 aと、この導管本体 2 aと一体的に成形された比較的厚肉の四角柱状をなすスパッド 6 Bとで構成されている。

スパッド 6 Bは、 4個の平坦な嵌合面 6 kと、この嵌合面 6 kから外方向に突出した 4個の係合突起 6 sとをもつ。各係合突起 6 sは、挿入端部 6 1のほぼ軸直角方向に立設された位置決め用の当接面 6 tをもつ。スパッド 6 Bの先端側には、スパッド 6 Bの一端側に同軸的かつ一体的に延設された挿入端部 6 1が形成されている。挿入端部 6 1には雄ねじ 6 cが形成されている。

また、挿入端部 6 1の外周先端側にはリング溝 6 1 cが形成されており、リング溝 6 1 cには、弾性材料で形成されたシール部材として機能するリング形状をなす◦リング 6 6が設けられている。締結部材として機能する袋状のナツト 2 8 は、リング形状に延設された袋部 2 8 kと、内周部に形成され挿入端部 6 1の雄ねじ 6 cに螺合する雌ねじ 2 8 hとをもつ。

リム用導管 2 Bを洋風便器本体 1の後部における第 1取付部 4 1の第 1取付壁面 4 1 bに固定する形態について説明する。実施形態 2では、第 1取付孔 4 l a はスパッド 6 Bと整合するように四角穴形状とされている。これによりリム用導管 2 Bの回り止めを図り得る。まず、図 2 9に示すように、リム用導管 2 Bを構成するスパッド 6 Bを矢印 S 1 方向から洋風便器本体 1の第 1取付孔 4 1 aに嵌める。この状態では、第 1取付孔 4 1 aの内壁面とスパッド 6 Bの嵌合面 6 k とが直接対面するとともに、スパッド 6 Bの当接面 6 tが第 1取付部 4 1の壁面 4 1 pに当接する。これによりリム用導管 2 Bの導管本体 2 aはその軸長方向において位置決めされる。次いで、弾性材料で形成されたシール部材として機能する第 3パッキン 2 9を嵌めたナット 2 8を用い、ナット 2 8の雌ねじ 2 8 hをスパッド 6の雄ねじ 6 cに螺合させて締結する。これによりリム用導管 2 Bの導管本体 2 aは、洋風便器本体 1の第 1取付孔 4 1 aに脱着可能に固定される。

この状態において、圧縮変形された第 3パッキン 2 9により第 1取付孔 4 1 a のシール性が確保される。また、リム用導管 2 Bの挿入端部 6 1は、前述と同様、洋風便器本体 1の第 1取付壁面 4 l bよりも外方、つまり後方に向けて突出している。このため、この揷入端部 6 1に向かって、ベ一スプレート 4 3とともにリム用開閉弁 5 1を後方側からつまり矢印 S 3 ' '方向から移動させる。これにより、リム用開閉弁 5 1の第 1出水ポート 5 1 cをリム用導管 2 Bの挿入端部 6 1に揷入する。ジェット用導管及びジェット用開閉弁も同様である。この後、洋風便器本体 1にべ一スプレート 4 3を取付ボルト 4 4により固定する。

したがって、実施形態 2においても実施形態 1と同様の作用効果を奏することができる。

{第 6発明 }

以下、第 6発明を具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係るタンクレス便器は便器洗浄タンクを有さない洋風水洗式便器であり、図 3 0及び図 3 1に示す陶器製の洋風便器本体 1を備えている。この洋風便器本体 1は、排泄物を受けるボウル部 1 0をもつ便鉢 1 1 と、便鉢部 1 1の前部側の上縁回りに形成され、内部に図示しないリム通水路をもつリム 1 2と、便鉢 1 1の後部側に広面積の平坦な水平面で形成された取付面 1 3とを備えている。ボウル部 1 0の底には図示しないジエツトノズル取付孔が形成されている。取付面 1 3には、図 3 0に示すように、 2個 1組の便座取付け穴 1 3 a、 1 3 b が上下方向に貫設されている。これら便座取付け穴 1 3 a、 1 3 bの間隔は 1 4 0 m mである。また、図 3 1に示すように、取付面 1 3の後壁にはリム通水路に連通するリム開口 1 3 cが形成されている。ジヱットノズル取付孔には図示しないジェットノズルが取り付けられている。また、便鉢 1 1の後部には上端にジェット開口 1 4 aをもつ後部台座 1 4がー体に設けられている。

また、図 3 2及び図 3 3に示すように、便器洗浄装置 2では便器洗浄べ一スプレート 2 1に便器洗浄機構 2 2が固定されている。便器洗浄べ一スプレート 2 1 には便座取付け穴 1 3 a、 1 3 bと整合する取付け穴 2 1 a、 2 l bが上下方向に貫設されている。また、便器洗浄機構 2 2は、給水口 2 2 aを有しつつストレーナを内蔵する逆止弁 2 2 bと、この逆止弁 2 2 bと連通するリム用及びジエツト用の開閉弁 2 2 cと、この開閉弁 2 2 cの上方に設けられて開閉弁 2 2 cを開閉するカム装置 2 2 dと、このカム装置 2 2 dの側方に設けられてカム装置 2 2 dを駆動するモー夕装置 2 2 eと、このモータ装置 2 2 eよりさらに側方に突出し、手動によりカム装置 2 2 dを駆動可能な手動ハンドル 2 2 f とを有している。便器洗浄ペースプレート 2 1は開閉弁 2 2 cの下端を剥き出しにする切欠 2 1 c を有しており、開閉弁 2 2 cの後方下端には、洋風便器本体 1のリム開口 1 3 c に接続されるリム給水口 2 2 gが切欠 2 1 cより大きく下方に延在しているとともに、ジェットノズルに接続されるジエツト給水口 2 2 hが切欠 2 1 cより小さく下方に延在している。一方、開閉弁 2 2 cの前方上端にはリム給水口 2 2 g及びジエツト給水口 2 2 hと連通するバキュームブレーカ 2 3が固定されている。さらに、図 3 4及び図 3 5に示すように、便座 ·便蓋装置であるシャワートイレ 3では便座ベースプレート 3 1に人体の局部を洗浄可能な局部洗浄機構 3 2が固定されている。便座べ一スプレート 3 1には便座取付け穴 1 3 a、 1 3 b及び取付け穴 2 1 a、 2 1 bと整合する取付け穴 3 1 a、 3 l bが上下方向に貫設されている。また、便座ベースプレート 3 1には、バキュームブレーカ 2 3を剥き出しにする切欠 3 1 cを有しており、切欠 3 1 cから前方に向けてバキュームブレー力 2 3から漏れる水を洋風便器本体 1の便鉢 1 1内に案内する案内路 3 1 d が凹設されている。一方、局部洗浄機構 3 2は、給水口 3 2 aを有する本体 3 2 bと、本体 3 2 bに接続された温水タンク 3 2 cと、本体 3 2 bから前方に延出可能なお尻用ノズル 3 2 d及びビデ用ノズル 3 2 eとを有している。

このタンクレス便器は以下のように組み付けられる。まず、図 3 6及び図 3 7 に示すように、便器洗浄装置 2の便器洗浄べ一スプレート 2 1の取付け穴 2 1 a、 2 1 bを洋風便器本体 1の便座取付け穴 1 3 a、 1 3 bと整合させた状態とする。この状態において、図 3 8及び図 3 9に示すように、シャワートイレ 3の便座べ —スプレート 3 1の取付け穴 3 1 a、 3 1 bに図示しないボルトを揷入し、便器洗浄ベースプレート 2 1の取付け穴 2 1 a、 2 1 bを介して洋風便器本体 1の便座取付け穴 1 3 a、 1 3 bを通過させ、裏面よりそれらボルトを図示しないナツトで螺合する。こうして、便器洗浄装置 2の便器洗浄ベースプレート 2 1はその便座ベースプレート 3 1 と洋風便器本体 1 との間に挟持される。また、局部洗浄機構 3 2における本体 3 2 bは給水口 3 2 aにより開閉弁 2 2 cに接続される。この際、シャワートイレ 3の局部洗浄機構 3 2と便器洗浄装置 2の便器洗浄機構 2 2との干渉は回避されている。

そして、バキュームブレーカ 2 3には案内路 3 1 dに向かってゴムホース 2 4 が嵌められる。また、洋風便器本体 1のリム開口 1 3 cにリム給水口 2 2 gを接続するとともに、ジェット給水口 2 2 hとジェットノズルとをジエツト用導水管により接続する。この後、図 4 0に示すように、シャワートイレ 3の残部である便座 3 3及び便蓋 3 4が便座ベースプレート 3 1に揺動可能に支承されるとともに、同様にシャワートイレ 3の残部であるカバ一 3 5が便座ベースプレ一ト 3 1 に取り付けられる。こうして、カバ一 3 5内に局部洗浄機構 3 2が隠蔽される。便器洗浄機構 2 2の給水口 2 2 aには可撓性をもつフレキシブルホース 4 0が接続され、フレキシブルホース 4 0は図示しない止水栓を介して水道管等の給水管に接続される。

こうして、このタンクレス便器では、シャワートイレ 3の局部洗浄機構 3 2が洋風便器本体 1に取り付けられ、用便等後の局部を洗浄したいという使用者の要望に答え得る。また、このタンクレス便器では、こうして局部洗浄機構 3 2を設ける場合でも、便座べ一スプレート 3 1 と便器洗浄べ一スプレート 2 1 とが一部で重ね合わされているため、小型化している。

したがって、このタンクレス便器では、小型化により設置スペースの確保が容易であるとともに、用便等後の局部を洗浄したいという使用者の要望に答えることができる。 {第 7、 8発明 }

以下、第 7、 8発明を具体化した実施形態を図面を参照しつつ説明する。

実施形態のタンクレス便器は、図 4 1に示すように、陶磁器製の洋風便器本体 1 と、この洋風便器本体 1の後部に設けられた便器洗浄装置及び局部洗浄装置としてのシャワートイレ 2とを備えている。

シャワートイレ 2は、図 4 2にも示すように、フロントベースプレート 2 aと、このフロン卜べ一スプレート 2 a上に固定されたノズル等の局部洗浄機構 2 bと、リアベ一スプレート 2 cと、このリアベ一スプレート 2 c上に固定された局部洗浄機構 2 bの残部を構成する温水タンク 2 dと、リアベ一スプレート 2 c上に固定されたバルブ等の便器洗浄機構 2 eと、リアベースプレート 2 cに固定され、温水タンク 2 d及び便器洗浄機構 2 eに洗浄水を供給可能な給水機構 2 f と、リァペースプレート 2 c上に固定され、フロントベースプレート 2 aをリアベ一スプレート 2 cに対して昇降可能に設ける図示しない昇降機構と、リアベースプレート 2 cの水平方向の全周囲に立設され、温水タンク 2 d、便器洗浄機構 2 e及び昇降機構を囲包する隠蔽部材 2 gと、これら局部洗浄機構 2 b等を内装するァッパーカバー 2 h及びアンダーカバ一 2 iと、アッパーカバー 2 hに揺動可能に設けられた暖房便座 2 j と、アッパーカバー 2 hに揺動可能に設けられた便蓋 2 kとを有している。

ここで、アッパーカバー 2 h及びアンダーカバ一 2 iは樹脂製であり、アツパ一カバ一 2 hとアンダーカバー 2 iとは、図 4 1にも示すように、洋風便器本体 1のリム上面と等しい水平面内の分割線 P Lにより上下分割可能になっている。アッパーカバー 2 hは昇降機構により暖房便座 2 及び便蓋 2 kとともに洋風便器本体 1の鉢面後部を露出するように上昇可能になっている。アッパーカバ一 2 hは、下降時にはフロントベースプレート 2 a、ノズル等の局部洗浄機構 2 b、リアベ一スプレート 2 c、温水タンク 2 dの上部、便器洗浄機構 2 eの上部、昇降機構及び隠蔽部材 2 gを内装しており、上昇時にはこれらのうちリァベースプレート 2 c、温水タンク 2 dの上部、便器洗浄機構 2 e、昇降機構及び隠蔽部材 2 gを剥き出しにする。

他方、アンダーカバー 2 iはリアべ一スプレート 2 cに固定されており、内部には温水タンク 2 dの下部、便器洗浄機構 2 eの下部及び給水機構 2 f を収納している。

給水機構 2 f は、図 4 2に示すように、外部より洗浄水を供給する図示しない水道管にフレキシブルホース 3により一端が接続され、他端が便器洗浄機構 2 e に接続された主管 2 1 と、主管 2 1から分岐された枝管 2 2と、枝管 2 2が下方に接続され、同じく下方が温水タンク 2 dの底部に接続された給水装置 2 3とからなる。給水装置 2 3は温水タンク 2 dとの連通路に電磁弁と流量調整弁とを有するものである。この給水装置 2 3の下端にはキヤヅプ 2 3 aが螺合されており、キャップ 2 3 aを外すことにより内部の図示しないストレーナを取り出すことが可能になっている。

アンダーカバ一 2 iの幅方向の略中央上方には、図 4 3〜4 5にも示すように、底面から上方に凹んだ凹部 4が形成されている。凹部 4の上端から給水機構 2 f の主管 2 1の一端が下方に向かって突出され、この一端にクリップ 6によってフレキシブルホース 3が接続されている。また、凹部 4の両側面はこうして接続されたフレキシブルホース 3の屈曲を許容すべく円弧状に形成されたガイド面 4 a とされている。

また、アンダーカバ一 2 iの一方側の底面からは給水装置 2 3のキャップ 2 3 aが下方に向かって突出されており、その底面にはキャップ 2 3 aに隣接し、キヤップ 2 3 aの突出長さを超えて下方に突出するリブ 5が形成されている。

このタンクレス便器では、シャワートイレ 2の局部洗浄機構 2わにより、暖房便座 2 jを介して着座した人の局部を洗浄可能である。また、このタンクレス便器では、シャワートイレ 2の便器洗浄機構 2 eにより、洋風便器本体 1を洗浄可能である。

そして、このタンクレス便器では、局部洗浄機構 2 b及び便器洗浄機構 2 eを樹脂製のアツパ一カバー 2 h及びアンダーカバ一 2 iで隠蔽しているため、アツパーカバー 2 h及びアンダーカバー 2 iの分の製造コストは嵩むものの、アツパ一力バー 2 h及びアンダーカバー 2 i内の局部洗浄機構 2 b及び便器洗浄機構 2 eの美観を考慮する必要がなくなることから、局部洗浄機構 2 b及び便器洗浄機構 2 eの製造が容易となり、製造コストの低廉化を実現可能である。特に、このタンクレス便器では、便器洗浄機構 2 eがフレキシブルホース 3を介して水道管に直結され、バルブの開閉により洗浄水を吐出可能な小型化したものであるため、便器洗浄機構 2 eをアッパーカバー 2 h及びアンダーカバー 2 iにより隠蔽し易く、小型のアッパーカバー 2 h及びアンダーカバー 2 iにより製造コス卜のより一層の低廉化を実現している。

また、このタンクレス便器では、アッパーカバ一 2 h及びアンダーカバー 2 i を上下に分割することにより、局部洗浄機構 2 b及び便器洗浄機構 2 eの点検等を行うことができる。この場合、アッパーカバ一 2 hとアンダーカバ一 2 iとの分割線 P Lは水平に延在しており、優れた美観を呈している。

したがって、このタンクレス便器では、製造コストの低廉化を実現可能であるとともに、確実に美観を奏することができる。

また、このタンクレス便器では、アンダーカバー 2 iの幅方向の略中央上方にフレキシブルホース 3の他端が位置しているため、タンクレス便器の左右どちら側に水道管が設けられている場合であっても、水道管と便器洗浄機構 2 eとを容易に直結することができる。このため、左側給水用と右側給水用とでタンクレス便器を区別する必要がない。このため、製造販売時における品目の削減が可能となり、製造コスト及び管理コストの低減を実現する。また、これにより家屋の設計の自由度が増すとともに、施工者の選択が容易になる。また、フレキシブルホース 3がある程度自在に屈曲可能であるため、施工も容易となる。

さらに、このタンクレス便器では、アンダーカバ一 2 iがフレキシブルホース 3の屈曲を許容するガイド 4 aをもっため、アンダーカバ一 2 iとフレキシブルホース 3との間に無駄な間隙を生じず、美観が向上している。

{第 9発明 }

以下、第 9発明を具体化した実施形態を図面を参照しつつ説明する。実施形態では、図 4 6に示すように、タンクレス便器のリムノズル 6に本発明の水洗式便器用スパッドを具体化している。

タンクレス便器は、陶器製の水洗式である洋風便器本体 1 と、この洋風便器本体 1の後方に装着された便器洗浄装置 2 とを有している。なお、図 4 6では、局部洗浄装置、便座及び便蓋の図示を省略している。

洋風便器本体 1ではボウル部 1 aの上縁にリム 1 bが形成されており、リム 1 b内にリム通水路 1 cが形成されている。また、ボウル部 1 aの底部にはトラップ 1 dが連通され、トラップ 1 dのボウル部 1 a側にはジエツトノズル 3が設けられている。

便器洗浄装置 2は、図示しない水道管と止水栓を介してフレキシブルホース 4 により接続され、洋風便器本体 1の後方にベ一スプレート 5により固定されている。便器洗浄装置 2はフレキシブルホース 4と連通する開閉弁 2 aを有し、この開閉弁 2 aはリムノズル 6及びジエツトノズル 3に接続されている。

リムノズル 6は、図 4 7及び図 4 8に示す筒部材 1 1 と、図 4 9〜 5 1に示す雌螺子部材 1 2と、図 5 2及び図 5 3に示す雄螺子部材 1 3と、図 5 4〜 5 6に示すパッキン 1 4とからなる。

筒部材 1 1は、図 4 7及び図 4 8に示すように、ポリエチレン等の弾性を有する軟質樹脂により薄肉の筒状に形成されている。筒部材 1 1は一端側に細く突出するノズル部 1 1 aを有し、ノズル部 1 1 aの先端が出水ポート 1 1 bとされている。また、筒部材 1 1は、ノズル部 1 l aの他端側にノズル部 1 l aに対して直角方向で径外方向に膨らんだ膨出部 1 1 cを有している。さらに、筒部材 1 1 は、膨出部 1 1 cの他端側に第 4フランジ l i dを有し、第 4フランジ l i dの他端側にノズル部 1 1 aに対して直角に延びる第 3フランジ 1 1 eを有している, 第 4フランジ 1 1 dの外径は洋風便器本体 1の壁部に貫設された後述する通孔 1 の内径よりやや大きく設定されている。

雌螺子部材 1 2は、図 4 9〜 5 1に示すように、外面に直径方向で径外方向に突出する一対の第 1フランジ 1 2 aを有している。これら第 1フランジ 1 2 aは一端側が小径となる楔状をなしている。各第 1フランジ 1 2 aの両側には軸方向に延在するスリット 1 2 bが形成され、各スリット 1 2 bの一端側は開放されている。また、雌螺子部材 1 2の内面には雌螺子 1 2 cが形成されている。

雄螺子部材 1 3では、図 5 2及び図 5 3に示すように、先端側の外面に雌螺子部材 1 2の雌螺子 1 2 cと螺合する雄螺子 1 3 aが形成され、後端側の外面には第 2 フランジ 1 3 bが形成されている。また、雄螺子部材 1 3の後端には細く突出するノズル部 1 3 cが形成され、ノズル部 1 3 cの先端が入水ポート 1 3 dとされている。雄螺子部材 1 3の内部には軸方向に延在して入水ポート 1 3 dと連通する水路 1 3 eが形成されている。

リムノズル 6を洋風便器本体 1の壁部の通孔 1 eに装着する。この通孔 1 eはリム通水路 1 cに臨む壁部に貫設されている。この場合、図 5 4に示すように、まず通孔 1 e内に筒部材 1 1を嵌合する。この状態において、筒部材 1 1の第 4 フランジ 1 1 dは通孔 l eの内面と当接する。この際、筒部材 1 1はポリエチレン等の弾性を有する軟質樹脂により形成されているため、容易にこの作業を行うことができる。同時に、筒部材 1 1の第 3フランジ 1 1 eと壁部との間にパツキン 1 4を設ける。

そして、図 5 5に示すように、雌螺子部材 1 2の第 1フランジ 1 2 aを手で把持して押し込むことにより雌螺子部材 1 2を小径状態とし、この状態で雌螺子部材 1 2を通孔 1 e内の筒部材 1 1内に他端から挿入する。挿入後、手を離せば、雌螺子部材 1 2の第 1フランジ 1 2 aは弾性力によりやや復元し、雌螺子部材 1 2の第 1フランジ 1 2 aは筒部材 1 1の膨出部 1 1 c内に収容される。

この後、図 5 6に示すように、雌螺子部材 1 2内に雄螺子部材 1 3の先端を揷入し、雌螺子部材 1 2の雌螺子 1 2 cに雄螺子部材 1 3の雄螺子 1 3 aを螺合する。雌螺子部材 1 2の雌螺子 1 2 cと雄螺子部材 1 3の雄螺子 1 3 aとの螺合を進めれば、雌螺子部材 1 2が大径状態に維持される。また、雌螺子部材 1 2の第 1フランジ 1 2 aが筒部材 1 1を介して壁部の一面と当接され、雄螺子部材 1 3 の第 2フランジ 1 3 bが第 1フランジ 1 2 aと対面しつつ筒部材 1 1の第 3フランジ 1 1 e及びパッキン 1 4を介して壁部の他面と当接される。こうして、このリムノズル 6は壁部の通孔 1 eに容易にかつ強固に装着される。

このリムノズル 6では、雄螺子部材 1 3の後端の入水ポート 1 3 dと筒部材 1 1の一端の出水ポート 1 1 bとが雄螺子部材 1 3の水路 1 3 eにより連通され、出水ポート 1 1 bが洋風便器本体 1のリム通水路 1 cに位置する。このため、リムノズル 6では、開閉弁 2 aから供給され、入水ポート 1 3 dより取り入れた洗浄水がその出水ポート 1 1 bから吐出されることとなる。

この際、筒部材 1 1は壁部の通孔 1 e内において筒状をなしているため、通孔 1 eと筒部材 1 1 とのシール性は確保される。また、第 1フランジ 1 2 a及び第 2フランジ 1 3 bが筒部材 1 1の第 3フランジ 1 1 e及びパヅキン 1 4を挟持した状態で壁部の一面及び他面と当接するため、通孔 1 eと雄螺子部材 1 3とのシ一ル性も確保される。

特に、このリムノズル 6では、筒部材 1 1が雌螺子部材 1 2の第 1フランジ 1 2 aを囲包しているため、筒部材 1 1 と雌螺子部材 1 2との間が完全にシールされ、シール性がより向上している。

また、このリムノズル 6では、第 3フランジ 1 1 eの壁部側にパッキン 1 4が設けられているため、装着性の向上のために薄肉の筒部材 1 1を採用していても、パッキン 1 4の弾性により雌螺子部材 1 2の雌螺子 1 2 cと雄螺子部材 1 3の雄螺子 1 3 aとの隙間から漏れる洗浄水が雄螺子部材 1 3の第 2フランジ 1 3 bと筒部材 1 1の第 3フランジ 1 l eとの間をより通り難く、シール性がより向上している。

さらに、このリムノズル 6では、ノ、'ッキン 1 4の弾性によりリムノズル 6を強固に壁部の通孔 1 eに装着できる。また、このリムノズル 6では、筒部材 1 1に通孔 1 eの内面と当接する第 4フランジ 1 1 dが形成されているため、筒部材 1 1が通孔 1 e内に強固に保持される。このため、リムノズル 6が洋風便器本体 1 に対して振動し難く、入水ポート 1 3 dに接続される開閉弁 2 a等の他部材とのシール性も向上している。

このため、入水ポート 1 3 dより取り入れた洗浄水は通孔 1 e近傍で漏れることなく、出水ポート 1 1 bから吐出され得る。したがって、このリムノズル 6では、装着性とシール性との両者を満足させることができる。以上の実施例は例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。産業上の利用可能性

したがって、第 1発明のタンクレス便器では、リム通水路内の水の洗浄能力を劣らせることなく、かつ製造コストの低廉化を実現することができる。第 2発明のタンクレス便器は、洋風便器本体の清掃のために多くの手順を必要としないことから、洋風便器本体の清掃性が高い。

第 3発明のタンクレス便器によれば、購入者の自由な選択を可能にするとともに、製造コストの低廉化を実現することができる。

第 4、 5発明のタンクレス便器では、大きな洗浄能力と、外形を含む美観と、組み付けの確実な容易性の確保とを実現することができる。

第 6発明のタンクレス便器では、小型化により設置スペースの確保が容易であるとともに、用便等後の局部を洗浄したいという使用者の要望に答えることができる。

第 7発明の洋風水洗式便器では、製造コス卜の低廉化を実現可能であるとともに、確実に美観を奏することができる。

第 8発明の局部洗浄装置は、洋風便器本体への取り付けの際、給水装置の破損を生じない。

第 9発明の水洗式便器用スパッドでは、装着性とシール性との両者を満足させることができる。

Claims

請求の範囲

1 . リム内に形成され、水により便鉢を洗浄可能なリム通水路を有する洋風便器本体と、

該リム通水路に該水を供給可能なリム用導管と、

該水を供給する給水管に入水ポートが接続され、該水を出水ポートにより該リム用導管に供給 ·停止可能であるとともに、該リム通水路の最上面より上方で大気と連通する大気孔を有する弁手段と、を備えたタンクレス便器において、前記洋風便器本体は、該洋風便器本体の壁面に隠蔽され、前記リム通水路に繋がるリム導水路を有し、該洋風便器本体の該壁面には該リム導水路に連通する通孔が貫設され、該通孔内には、前記リム用導管を該リム導水路内を経ることなく該リム通水路に連通させる給水路と、前記大気孔を配管を介して該リム導水路に連通させる排水路とを有するスパッドが係合されていることを特徴とするタンクレス便器。

2 . 通孔は、洋風便器本体の後壁面に貫設されていることを特徴とする請求項 1 記載のタンクレス便器。

3 . スパッドは、通孔に係合される本体部と、該本体部に設けられ、リム用導管を係合させる第 1係合部と、該本体部に設けられ、大気孔に接続される配管を係合させる第 2係合部と、該本体部に設けられ、リム通水路内まで延在する案内部とを有し、少なくとも該第 1係合部及び該案内部により該リム用導管と連通する給水路が形成され、少なくとも該第 2係合部により該配管と連通する排水路が形成されていることを特徴とする請求項 1又は 2記載のタンクレス便器。

4 . 案内部は、給水路をリム通水路の一方向及び他方向に開口させる射水口を有することを特徴とする請求項 3記載のタンクレス便器。

5 . リムの後方に支持部を有する洋風便器本体と、該支持部に設けられ、便座及び便蓋をもつ便座 ·便蓋装置と、該支持部に設けられ、給水管から供給される水で該洋風便器本体の洗浄を行う便器洗浄装置とを備えたタンクレス便器において、前記支持部には、前方側に便座 ·便蓋装置取付部を有し、後方側に便器洗浄装置取付部を有する固定プレー卜が固定され、前記便座 ·便蓋装置は該便座 ·便蓋装置取付部に固定され、前記便器洗浄装置は該便器洗浄装置取付部に固定されていることを特徴とするタンクレス便器。

6 . 固定プレートは便座 ·便蓋装置取付部が便器洗浄装置取付部に対して上下に揺動可能であり、該便座 ·便蓋装置取付部には便座 ·便蓋装置の取付ボルトを固定する便座，便蓋取付孔が形成され、洋風便器本体の支持部には、該取付ボルトを揷通する揷通孔と、該固定プレートの後方側を該支持部に固定する固定プレート取付孔とが形成されていることを特徴とする請求項 5記載のタンクレス便器。

7 . 便器洗浄装置は、水を洋風便器本体に供給 ·停止可能な弁手段と、大気と連通する吸気口を有し、該弁手段における該水の逆流を防止するバキュームブレー力とを備え、固定プレートは該バキュームブレーカの該吸気口から吐出する逆流水を該洋風便器本体に案内する案内路を有することを特徴とする請求項 5又は 6 記載のタンクレス便器。

8 . 洋風便器本体と、該洋風便器本体に取り付けられた便座 ·便蓋装置と、該洋風便器本体に取り付けられ、便器洗浄タンクを有さず、該洋風便器本体を洗浄水により洗浄可能な洗浄機構を有する便器洗浄装置と、を備えたタンクレス便器において、

前記便器洗浄装置は、前記洋風便器本体に前記便座 ·便蓋装置とは別体で取り付けられるものである別体型便器洗浄装置、又は該洋風便器本体に該便座 ·便蓋装置と一体に取り付けられるものである一体型便器洗浄装置であり、該別体型便器洗浄装置が取り付けられる該洋風便器本体と該ー体型便器洗浄装置が取り付けられる該洋風便器本体とは共通していることを特徴とするタンクレス便器。

9 . 別体型便器洗浄装置と一体型便器洗浄装置とは、洗浄機構が共通していることを特徴とする請求項 8記載のタンクレス便器。

1 0 . 洗浄機構を洋風便器本体に取り付けるベースプレートは、別体型便器洗浄装置と一体型便器洗浄装置とで共通していることを特徴とする請求項 9記載の夕ンクレス便器。

1 1 . 洗浄機構は、一体型便器洗浄装置における該洗浄機構を除く他機構と干渉しないで洋風便器本体に取付け可能になされていることを特徴とする請求項 9又は 1 0記載のタンクレス便器。

1 2 . —体型便器洗浄装置は、洗浄機構を隠蔽する内力バーと、該内カバーを他機構とともに隠蔽する外力バーとを有することを特徴とする請求項 1 1記載の夕ンクレス便器。

1 3 . 洋風便器本体は便座 ·便蓋装置を取付け可能な便座取付け穴をもち、別体型便器洗浄装置は該便座取付け穴に取り付けられた該便座 ·便蓋装置の後方で該洋風便器本体に取り付けられていることを特徴とする請求項 8、 9、 1 0又は 1

2記載のタンクレス便器。

1 4 . 洋風便器本体は便座 ·便蓋装置を取付け可能な便座取付け穴をもち、別体型便器洗浄装置は該便座取付け穴に取り付けられた該便座 ·便蓋装置の後方で該洋風便器本体に取り付けられていることを特徴とする請求項 1 1記載のタンクレス便器。

1 5 . 洋風便器本体は便座 ·便蓋装置を取付け可能な便座取付け穴をもち、一体型便器洗浄装置は少なくとも該便座取付け穴により該洋風便器本体に取り付けられていることを特徴とする請求項 8、 9、 1 0又は 1 2記載のタンクレス便器。

1 6 . 洋風便器本体は便座 ·便蓋装置を取付け可能な便座取付け穴をもち、一体型便器洗浄装置は少なくとも該便座取付け穴により該洋風便器本体に取り付けられていることを特徴とする請求項 1 1記載のタンクレス便器。

1 7 . 便座取付け穴は汎用の便座 ·便蓋装置を取り付け可能であることを特徴とする請求項 1 3又は 1 5記載のタンクレス便器。

1 8 . リム内に形成され、洗浄水により便鉢を洗浄可能なリム通水路を有する洋風便器本体と、

該洋風便器本体にベースプレートを介して固定され、該洗浄水を供給可能な給水管と接続された閧閉弁と、

前記リム用導管は前記壁面に固定されているとともに、該リム用導管と前記開閉弁とは互いに揷着可能に設けられていることを特徴とするタンクレス便器。

1 9 . トラップ部に設けられ、該トラップ部に洗浄水を噴出して強制的にサイホン効果を生じさせるジェットノズルを有する洋風便器本体と、

該洋風便器本体の壁面に隠蔽され、該開閉弁と接続されて該洗浄水を該ジエツトノズルに供給可能なジエツト用導管と、を備えたタンクレス便器であって、前記ジエツト用導管は前記壁面に固定されているとともに、該ジエツト用導管と前記開閉弁とは互いに挿着可能に設けられていることを特徴とするタンクレス便器。

2 0 . 洋風便器本体と、該洋風便器本体に取り付けられ、便器洗浄タンクを有さず、該洋風便器本体を洗浄水により洗浄可能な便器洗浄機構を有する便器洗浄装置を備えたタンクレス便器において、人体の局部を洗浄可能な局部洗浄機構を有する便座 ·便蓋装置を前記洋風便器本体に取り付ける場合、該便座 ·便蓋装置として前記局部洗浄機構が固定された便座ベースプレートを有するものが採用されるとともに、前記便器洗浄装置として前記便器洗浄機構が固定された便器洗浄ベースプレートを有するものが採用され、該便座べ一スプレートは該洋風便器本体に形成された便座取付け穴により該洋風便器本体に取り付けられ、該便器洗浄ベースプレートは、該局部洗浄機構と該便器洗浄機構との干渉を回避しつつ、該便座べースプレートと該洋風便器本体との間に挟持されることを特徴とするタンクレス便器。

2 1 . 便座取付け穴は汎用の便座 ·便蓋装置を取り付け可能であることを特徴とする請求項 2 0記載のタンクレス便器。

2 2 . 便座ベースプレートは、便器洗浄機構から漏れる水を洋風便器本体内に案内する案内路をもつことを特徴とする請求項 2 0又は 2 1記載のタンクレス便器 c

2 3 . 便座 ·便蓋装置は局部洗浄機構を隠蔽するカバーを有し、便器洗浄装置の便器洗浄機構は該カバーにより隠蔽されていることを特徴とする請求項 2 0又は 2 1記載のタンクレス便器。

2 4 . 便座 ·便蓋装置は局部洗浄機構を隠蔽するカバーを有し、便器洗浄装置の便器洗浄機構は該カバーにより隠蔽されていることを特徴とする請求項 2 2記載のタンクレス便器。

2 5 . 洋風便器本体と、該洋風便器本体の後部に設けられ、洗浄水により該洋風便器本体を洗浄可能な便器洗浄機構とを備えた洋風水洗式便器において、

前記便器洗浄機構は上下分割可能な樹脂製のアッパーカバー及びアンダーカバ一により隠蔽されていることを特徴とする洋風水洗式便器。

2 6 .洋風便器本体の後部には人体の局部を洗浄可能な局部洗浄機構が備えられ、該局部洗浄機構もアッパーカバー及びアンダーカバーにより隠蔽されていることを特徴とする請求項 2 5記載の洋風水洗式便器。

2 7 . ァッパーカバーとアンダーカバ一との分割線は洋風便器本体のリム上面と整合していることを特徴とする請求項 2 5又は 2 6記載の洋風水洗式便器。

2 8 . 便器洗浄機構は、外部より洗浄水を供給する水道管に直結され、バルブの開閉により洗浄水を吐出可能なものであることを特徴とする請求項 2 5又は 2 6 記載の洋風水洗式便器。

2 9 . 便器洗浄機構は、外部より洗浄水を供給する水道管に直結され、バルブの閧閉により洗浄水を吐出可能なものであることを特徴とする請求項 2 7記載の洋風水洗式便器。

3 0 . 便器洗浄機構は一端が水道管と接続されたフレキシブルホースの他端に接続され、アンダーカバーの幅方向の略中央上方に該フレキシブルホースの他端が位置することを特徴とする請求項 2 8記載の洋風水洗式便器。

3 1 . アンダーカバ一はフレキシブルホースの屈曲を許容するガイドをもつことを特徴とする請求項 3 0記載の洋風水洗式便器。

3 2 . 洋風便器本体に設けられ、人体の局部を洗浄可能な局部洗浄機構と、外部より洗浄水を供給する水道管に直結され、該水道管と該局部洗浄機構とをストレーナを介して接続する給水装置とを備え、該給水装置の下端には該ストレーナを取り出し得るキヤップが設けられ、該給水装置が該キヤップを下方に突出させてカバーにより隠蔽された局部洗浄装置において、

前記カバーの下面には前記キヤップの突出長さを超えて下方に突出するリブが形成されていることを特徴とする局部洗浄装置。

3 3 . 水洗式便器本体の壁部に貫設された通孔に装着され、入水ポートより取り入れた洗浄水を出水ポートから吐出させる水洗式便器用スパッドにおいて、弾性を有する樹脂により筒状に形成され、一端が前記出水ポート又は前記入水ポートとされ、前記通孔に嵌合される筒部材と、

先端側の外面に該雌螺子と螺合し、該雌螺子部材を大径状態とする雄螺子が形成され、後端側の外面に該第 1 フランジと対面して該筒部材を介して該壁部の他面と当接される第 2 フランジが形成され、内部に軸方向に延在して後端が該入水ポート又は該出水ポートとされる水路が形成された雄螺子部材とを有することを特徴とする水洗式便器用スパッド。