JPH1136404A - 便器設備の給水装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トイレルームに設けられた給水配管と便器側
とを１本のチューブで配管すれば足りるようにする。 【解決手段】 給水配管２２の先端の止水栓２４と洋風
便器３０後部の給水装置４４とが１本のチューブ４２で
接続されている。給水装置４４は、チューブ４２が接続
された流入ポート７２と、ボールタップ５０への接続用
の第１流出ポート８６と、温水タンク３２への接続用の
第２流出ポート１４６を備えている。流入ポート７２と
第２流出ポート１４６との間に逆止弁９０、電磁弁１１
０、減圧弁１４０が設けられている。給水装置４４の下
部に水抜き用のキャップ７６，１０２が設けられてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はロータンクと臀部洗
浄装置（以下、温水洗浄装置ということがある。）とに
水を供給するための便器設備の給水装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ロータンクと温水洗浄装置とを備えた洋
風便器に対する従来の給水方式について第６図を参照し
て説明する。

【０００３】洋風便器１０の鉢部の上側に便座１２及び
便蓋１４が設置され、便座ボックス１６に対し上下方向
回動可能に取り付けられている。この便座ボックス１６
内に温水タンク、臀部洗浄ノズル等よりなる温水洗浄装
置が設置されている。

【０００４】洋風便器１０の後部上面に設置されたロー
タンク１８内にボールタップが設けられており、該ロー
タンク１８内の水位が低下すると該ボールタップ２０が
開弁してロータンク１８内に水が供給される。

【０００５】トイレルームの壁面から給水配管２２が突
出しており、この給水配管２２の先端に止水栓２４が設
けられている。この止水栓２４に２本のチューブ２６，
２８の一端が接続され、これらのチューブ２６，２８の
他端がそれぞれボールタップ２０と温水洗浄装置に接続
されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の給水方式で
は、２本のチューブ２４，２６がトイレルーム内を引き
回されており、トイレルーム内の清掃時の邪魔になりが
ちであると共に、見栄えも良くない。

【０００７】また、寒冷地のトイレ設備の場合、凍結を
防止するためにチューブ２４，２６や温水洗浄装置から
水を抜くことがあるが、第６図の従来方式ではチューブ
２６側と、チューブ２４及び温水洗浄装置側との２箇所
から水抜きする必要があり、手間がかかっていた。

【０００８】本発明は、止水栓からのチューブが１本で
足りる便器設備の給水装置を提供することを目的とす
る。

【０００９】また、本発明は、水抜きが容易な便器設備
の給水装置を提供することを目的とする。

【００１０】さらに、本発明は中水をロータンクに供給
することができる便器設備の給水装置を提供することを
目的とする。

【００１１】本発明は、水道水圧によって温水を噴出さ
せる温水洗浄装置を備えた便器設備を水道水圧が低いト
イレルームにも設置しうるようにすることをも目的とす
る。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明の便器設備の給水
装置は、便器洗浄水を貯水するロータンクと、人体臀部
の洗浄装置とに水を供給するための給水装置において、
給水を受け入れる１個の流入ポートと、該流入ポートに
それぞれ連通した第１の流出ポート及び第２の流出ポー
トと、該流入ポートから第２の流出ポートへ向う流路の
途中に設けられた逆止弁、電磁弁及び減圧弁のうちの少
なくとも１個の弁機構と、を備えたことを特徴とするも
のである。

【００１３】かかる便器設備の給水装置においては、流
入ポートを１本のチューブでトイレルームの吐水栓に接
続し、第１、及び第２の流入ポートをそれぞれ温水洗浄
装置とボールタップとに接続することにより、便器側と
止水栓とをつなぐチューブが１本で足りるようになる。

【００１４】本発明に便器設備の給水装置において、第
１及び第２の流出ポートを前記流入ポートよりも上方に
設け、該第１及び第２の流出ポートよりも下方に水抜き
口を設けることにより、１個の該水抜き口からボールタ
ップ側及び温水洗浄装置側の双方の水抜きを行うことが
できる。

【００１５】本発明の便器設備の給水装置は、例えば第
１の流出ポートが前記ロータンクのボールタップに接続
されており、前記第２の流出ポートが前記洗浄装置に接
続される。

【００１６】また、本発明の便器設備の給水装置は、例
えば第１の流出ポートがブラインド部材によって閉鎖さ
れ、前記第２の流出ポートが前記洗浄装置に接続されて
おり、該ブラインド部材は中水又は低圧水の流入口と、
前記ロータンクのボールタップに接続される。これによ
り、中水や低圧上水をボールタップからロータンクに流
入させることができる。温水洗浄装置へは、別途上水が
供給される。この上水の水圧が低いときには加圧ポンプ
を設ければ良い。この加圧ポンプは、温水洗浄装置へ供
給される上水のみを加圧するものであれば良く、ごく小
型のもので足りる。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して実施の形態
について説明する。

【００１８】第４図はこの便器設備の給水装置を組み込
んだ洋風便器３０の透視斜視図であり、該洋風便器３０
の後部上面のベースプレート上に温水タンク３２、ロー
タンク３４、温風乾燥装置３６、便器脱臭装置３８等の
機器が設置され、これらの機器を覆うようにタンクカバ
ー４０が装着されている。

【００１９】トイレルームの壁面から給水管２２が突設
され、その先端に止水栓２４が設けられている。この止
水栓２４とタンクカバー４０内の給水装置４４とがチュ
ーブ４２で接続されている。

【００２０】この給水装置４４に２本のチューブ４６，
４８が接続されており、チューブ４６はロータンク３４
のボールタップ５０に接続され、チューブ４８は温水タ
ンク３２に接続されている。

【００２１】ロータンク３４内の水は、ハンドル５２で
開弁操作されるフロート弁装置５４を介して洋風便器３
０の便鉢へ流出する。

【００２２】温水タンク３２内の温水は、該温水タンク
３２への給水圧によってフィードホース５６及び切替弁
５８を介して第１洗浄ノズル６０又は第２洗浄ノズル６
２へ供給される。

【００２３】以下この給水装置４４の構成について第１
図乃至第３図を参照して詳細に説明する。なお、第１図
はこの給水装置４４の縦断面図、第２図は右側面図、第
３図（ａ），（ｂ）は使用状態における正面図である。

【００２４】この給水装置４４は、流入ポート７２を有
したストレーナ７０と、第１流出ポート８６を有したＴ
型継手８０と、該Ｔ型継手８０に連なる逆止弁９０と、
該逆止弁９０に連なる電磁弁１１０と、該電磁弁１１０
に連なっており、第２流出ポート１４６を備えた減圧弁
１４０により主として構成されている。

【００２５】ストレーナ７０は、上下方向に延在する筒
状のボディ７４を備えており、このボディ７４の側面に
流入ポート７２が設けられている。ボディ７４内にはメ
ッシュ７８が設けられている。ボディ７４の下部にはキ
ャップ７６が螺着されている。

【００２６】Ｔ型継手８０は、ストレーナ７０が接続さ
れた流入口８２と、前記逆止弁９０が接続された流出口
８４と、前記第１流出ポート８６を備えている。

【００２７】逆止弁９０は、その側面部分に設けられた
流入口９２に前記Ｔ型継手８０の流出口８４が差し込ま
れており、その内部には逆止弁シート部９４と、該逆止
弁シート部９４に対しバネ９８によって押し付けられて
いる弁体９６と、該弁体９６及びバネ９８を保持したサ
ポート１００とが設けられている。逆止弁９０の下端に
はキャップ１０２が螺着されている。

【００２８】電磁弁１１０は、その流入口１１２と流出
口１１８とを隔てるようにシート部１１４が設けられて
おり、このシート部１１４に対しダイヤフラム１１６が
着座可能とされている。ダイヤフラム１１６の背後側に
は背圧室１２０が設けられており、この背圧室１２０は
流入口１１２に対し小孔１２２によって連通していると
共に、流出口１１８に対して流出孔１２４を介して連通
可能とされている。この流出孔１２４を閉鎖するように
コア１２６がバネ１２８で付勢されて配置されている。

【００２９】このコア１２６はソレノイド１３０によっ
て第１図の右方向に後退作動される。即ち、ソレノイド
１３０に電流を通じていないときには、コア１２６がバ
ネ１２８によってダイヤフラム１１６に押し付けられ、
流出孔１２４を閉鎖している。ソレノイド１３０に通電
すると、コア１２６が第１図の右方向に後退し、背圧室
１２０と流出口１１８とが連通する。これにより、ダイ
ヤフラム１１６が流入口１１２側からの水圧によって第
１図の右方向に移動し、シート部１１４から離れる。こ
の結果、流入口１１２と流出口１１８とが直結状態とな
り、電磁弁１１０が開弁状態となる。

【００３０】ソレノイド１３０に対する通電を停止する
と、コア１２６が流出孔１２４を閉鎖する。そうする
と、小孔１２２を介して背圧室１２０内に水が徐々に流
入し、やがてダイヤフラム１１６がシート部１１４に着
座し、閉弁状態となる。

【００３１】減圧弁１４０は、電磁弁１１０の流出口１
１８に接続された流入口１４２と、該流入口１４２と前
記第２流出ポート１４６との間に配置された絞り口１４
４と、この絞り口１４４内に配置された弁体１４８と、
該弁体１４８が連結されたダイヤフラム１５０と、該ダ
イヤフラム１５０を図の左方向に付勢するバネ１５２等
を備えている。

【００３２】この減圧弁１４０に流入する水圧が高くな
るほどダイヤフラム１５０がバネ１５２の付勢力に打ち
勝って第１図の右方向に移動し、絞り口１４４の開口面
積が小さくなり、第２流出ポート１４６からの流出圧力
が低下する。

【００３３】第３図（ａ）は、給水配管２２から供給さ
れる水道水圧が十分に高い場合に採用される配管接続形
態を示している。この第３図（ａ）にあっては、前記ボ
ールタップ５０への接続用のチューブ４６が第１流出ポ
ート８６に接続されている。なお、この実施の形態にあ
っては、チューブ４６の先端は第１流出ポート８６内に
差し込まれ、クリップ１６０によって留め付けられてい
る。前記第２流出ポート１４６には温水タンク３２への
接続用のチューブ４８が接続されている。

【００３４】従って、給水配管２２からの水は、チュー
ブ４２を介して該給水装置４４内に流入し、ボールタッ
プ５０及び温水タンク３２の双方へ供給可能とされてい
る。そして、ハンドル５２を操作してロータンク３４内
の水を便器３０に放出させたときには、ボールタップ５
０が開弁し、チューブ４６を介して水道水がロータンク
３４に供給される。また、温水洗浄装置のスイッチを操
作して温水洗浄作動させる場合には、切替弁５８がフィ
ードホース５６と洗浄ノズル６０又は６２とを連通す
る。これにより、給水圧によって温水タンク３２内の温
水がノズル６０又は６２に供給され、該ノズルの先端側
から温水が噴出し、温水洗浄作動が行われる。

【００３５】第３図（ｂ）はロータンク３４に中水（例
えば雨水や浴槽排水、浄化処理水など）を供給するか、
または給水配管２２からの給水圧が低いために加圧ポン
プを設置する場合の使用例を示している。この場合、第
１流出ポート８６に対しＬ型ブラインド継手１７０を取
り付けている。このＬ型ブラインド継手１７０は、第１
流出ポート８６に挿入されるブラインド部１７２と、中
水配管等の配管１７４の接続口１７６と、前記チューブ
４６の接続口１７８とを備えている。ブラインド部１７
２によって第１流出ポート８６を閉鎖しているため、チ
ューブ４２からの水道水は第２流出ポート１４６から温
水タンク３２のみへ供給可能とされている。中水は、こ
のＬ型ブラインド継手１７０からチューブ４６を介して
ボールタップ５０へ供給可能とされている。なお、この
中水がＴ型継手８０内へ流入することは全くない。

【００３６】給水配管２２からの給水圧が低いときに
は、止水栓２４から２本のチューブを引き出し、一方を
符号１７４で示す如くＬ型ブラインド継手１７０の接続
口１７６に直結する。ボールタップ５０は給水圧が低く
てもその作動に影響が全くないので、水道水の給水圧が
低くてもロータンク３４に水を供給することが可能であ
る。

【００３７】止水栓２４からの他方のチューブは加圧ポ
ンプ（図示略）に接続され、加圧水が流入ポート７２に
導入される。このように温水タンク３２へ供給する水を
加圧することにより洗浄ノズル６０又は６２へ十分に高
い水圧の温水を供給することができ、人体臀部の温水洗
浄作動を支障なく行うことが可能となる。

【００３８】この洋風便器３０を寒冷地に設置した場
合、キャップ７６又は１０２を開けることにより温水タ
ンク及び各チューブからの水抜きを行うことができる。
この場合、キャップ７６，１０２の一方を開けるだけで
良く、水抜き操作は１回で済む。この水抜き操作時に、
必要に応じチューブ４２を持ち上げて該チューブ４２内
の水を抜く。

【００３９】なお、本発明においては、第５図に示すよ
うに、給水装置４４の下部を囲むカバー１９０をベース
プレートから下方に突設し、給水装置４４の保護を行う
のが好ましい。即ち、この洋風便器３０上にベースプレ
ートを設置する作業を行う場合、このベースプレートを
便器３０周囲の床面に直置きすることがある。このよう
な場合、給水装置４４に大きな荷重が加えられ、給水装
置が損壊する恐れがあるが、第５図のようなカバー１９
０を設けておくことにより、この給水装置４４の損壊を
防止することが可能である。

【００４０】

【発明の効果】以上の通り、本発明によると止水栓と便
器とを１本の給水用のチューブで接続することにより、
温水タンクとボールタップの双方に給水することが可能
である。

【００４１】なお、本発明によると水抜き操作を１回で
行うことも可能とされる。さらに、本発明によると、中
水をロータンクに供給したり、水道水圧が低い場合であ
っても給水圧駆動型の温水洗浄装置を設置することが可
能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施の形態に係る給水装置の縦断面図である。

【図２】図１の給水装置の右側面図である。

【図３】図１の給水装置の使用状態を示す正面図であ
る。

【図４】図１の給水装置を備えた洋風便器の全体透視斜
視図である。

【図５】別の実施の形態を示す要部斜視図である。

【図６】従来例を示す側面図である。

【符号の説明】

２２ 給水配管 ２４ 止水栓 ３０ 洋風便器 ３４ ロータンク ４４ 給水装置 ４６，４８ チューブ ５０ ボールタップ ６０，６２ 洗浄ノズル ７０ ストレーナ ７２ 流入ポート ８０ Ｔ型継手 ８６ 第１流出ポート ９０ 逆止弁 １１０ 電磁弁 １４０ 減圧弁 １４６ 第２流出ポート １７０ Ｌ型ブラインド継手

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨田 勝紀 愛知県常滑市鯉江本町５丁目１番地 株式 会社イナックス内 (72)発明者 井戸田 育哉 愛知県常滑市鯉江本町５丁目１番地 株式 会社イナックス内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 便器洗浄水を貯水するロータンクと、人
   体臀部の洗浄装置とに水を供給するための給水装置にお
   いて、 給水を受け入れる１個の流入ポートと、該流入ポートに
   それぞれ連通した第１の流出ポート及び第２の流出ポー
   トと、 該流入ポートから第２の流出ポートへ向う流路の途中に
   設けられた逆止弁、電磁弁及び減圧弁のうちの少なくと
   も１個の弁機構と、を備えたことを特徴とする便器設備
   の給水装置。
2. 【請求項２】 請求項１において、前記第１及び第２の
   流出ポートを前記流入ポートよりも上方に設け、該第１
   及び第２の流出ポートよりも下方に水抜き口を設けたこ
   とを特徴とする便器設備の給水装置。
3. 【請求項３】 請求項１又は２において、前記第１の流
   出ポートが前記ロータンクのボールタップに接続されて
   おり、前記第２の流出ポートが前記洗浄装置に接続され
   ていることを特徴とする便器設備の給水装置。
4. 【請求項４】 請求項１又は２において、前記第１の流
   出ポートがブラインド部材によって閉鎖され、前記第２
   の流出ポートが前記洗浄装置に接続されており、 該ブラインド部材は中水又は低圧水の流入口と、前記ロ
   ータンクのボールタップに接続された流出口とを有した
   継手部材であることを特徴とする便器設備の給水装置。