JPH08144347A - 便器洗浄用の切換弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】構造が簡単な切換弁の提供を目的とする。 【構成】二つの流出水路を有する切換弁本体内に、流路
切換用のフラップ弁を配設し、該フラップ弁を支持アー
ム及び玉鎖等を介してフロートへ連結する。また前記フ
ラップ弁の支持アームは、水栓本体内で回動自在なアー
ム部と、水栓本体外で回動自在なアーム部とを有し、水
栓本体内で回動自在なアーム部の一端側にはフラップ弁
本体が取り付けられ、水栓本体外で回動自在なアーム部
の他端側には玉鎖等が連結されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、給水源の水圧による強
い水勢でリム孔又はゼット孔から洗浄水を噴出すること
ができるようにした便器の洗浄装置等に利用される切換
弁に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば、便器の洗浄装置における切換弁
としては、図４に示す特開平４−３２７０７９号に開示
された技術がある。この先願の切換弁１は、ケーシング
本体２内に一つの流入口３と、二つの流出口４及び５と
を有している。例えば、流出口４は、便器のゼット孔へ
連通接続され、流出口５は便器洗浄タンクへ連通接続さ
れるものである。

【０００３】流入口３と流出口４とを連通接続する流路
の途中には、該流路を開閉制御するソレノイド式のダイ
ヤフラム弁６が配設されており、また流入口３と流出口
５とを連通接続する流路の途中には、該流路を開閉制御
する感圧式のダイヤフラム弁７が配設されている。この
ダイヤフラム弁７の背面側に設けられた圧力室８は、小
孔９を通じて流出口４側へ連通している。

【０００４】このような構成の先願の切換弁１にあっ
て、先ず、ソレノイド１０に通電を行うと、ダイヤフラ
ム弁６の弁体６ａが上昇して流入口３と流出口４とを連
通させるようになり、流出口４側へ給水を行う。このと
き、小孔９を通じてダイヤフラム弁７の背面側の圧力室
８には給水圧が作用しており、ダイヤフラム弁７は同図
の右側へ付勢されて流出口５を遮断している。これによ
り、便器のゼット孔から洗浄水が噴出され、サイホン作
用を早期に発生させて便器洗浄が行われる。

【０００５】次に、ソレノイド１０への通電を停止させ
ると、弁体６ａが下降復帰し、流入口３と流出口４との
連通を遮断するようになる。そのため、流入口３の給水
圧は、ダイヤフラム弁７の弁体７ａを同図の左方向へ付
勢するようになり、流入口３と流出口５とを連通させて
流出口５側へ給水を行う。つまり、洗浄タンクへの洗浄
水の供給が開始される。

【０００６】このように、先願の切換弁１は、ソレノイ
ド１０への通電をＯＮ，ＯＦＦ制御することにより、流
出口４への給水又は流出口５への給水を切り換えて行う
ようにしている。而して、給水の遮断は、流入口３の下
流側に設けられたボールタップ等により、自動的に行わ
れる。ボールタップの場合、例えば流出口５から洗浄タ
ンク内へ給水が行われると、所定水位まで貯溜が行われ
た時点で浮玉により自動的にボールタップの止水が行わ
れるようになる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記先願の
切換弁１にあっては、ケーシング本体２内に二つの流路
の間にダイヤフラム弁６及び７を配設する必要があり、
全体の構造が複雑で製造コストが高くなるという欠点が
あった。特に、ダイヤフラム弁７の組み付け及び分解作
業並びにメンテナンスは、ケーシング本体２を二分割方
式にする等のことで行わなければならず、極めて複雑に
なるものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は従来の前記課題
に鑑みてこれを改良除去したものであって、構造が簡単
な切換弁を提供せんとするものである。

【０００９】而して、前記課題を解決するために本発明
が採用した請求項１の手段は、二つの流出水路を有する
切換弁本体内に、流路切換用のフラップ弁を配設し、該
フラップ弁を支持アーム及び玉鎖等を介してフロートへ
連結したことを特徴とする便器洗浄用の切換弁である。

【００１０】また請求項２の手段は、フラップ弁の支持
アームは、水栓本体内で回動自在なアーム部と、水栓本
体外で回動自在なアーム部とを有し、水栓本体内で回動
自在なアーム部の一端側にはフラップ弁本体が取り付け
られ、水栓本体外で回動自在なアーム部の他端側には玉
鎖等が連結されていることを特徴とする前記請求項１に
記載の便器洗浄用の切換弁である。

【００１１】

【作用】本発明の切換弁にあっては、例えば給水口側が
ボールタップの流出口側に接続され、第一の流出口が便
器本体のゼット孔へ連通接続され、第二の流出口が洗浄
タンク内へ連通接続されている。また洗浄タンク内の貯
溜水位によって上下動するフロートは、洗浄タンク内の
貯溜水位が設定水位である場合には、上方位置にあり、
フラップ弁を倒伏状態にし、第一の流出口を開状態にす
ると共に、第二の流出口を閉塞している。

【００１２】このような状態から洗浄タンクの操作ハン
ドルを回動操作すると、タンク内の貯溜水が便器本体の
リム通水路へ供給され、便鉢洗浄が開始される。そのた
め、タンク内水位が低下し、ボールタップから給水が行
われるようになる。ボールタップからの給水は、切換弁
の給水口へ流入し、フラップ弁を通って第一の流出口か
ら例えば便器本体のゼット孔へ供給され、汚物の搬出に
効果的なサイホン作用を発生させる。

【００１３】次に、更にタンク内水位が低下すると、切
換弁のフロートが水位に伴って下降動作し、フラップ弁
を起立させ、後は水流によって切り換えられ、第一の流
出口への連通を遮断し、第二の流出口を開伏態にする。
これにより、ボールタップから供給される水は、タンク
内へ供給され、洗浄水の補給が行われる。

【００１４】このように本発明の切換弁は、切換弁本体
内にフラップ弁を配設し、該フラップ弁をフロートによ
って開閉操作するようにしたものであり、極めて構造が
簡単で、組立及び保守点検等が容易である。

【００１５】

【実施例】以下に、本発明の構成を図面に示す実施例に
基づいて説明すると次の通りである。図１及び図２は本
発明の第１の実施例に係る切換弁１１を示すものであ
り、図１は第一の流出口１２へ給水している状態を示す
縦断面図、図２は第二の流出口１３へ給水している状態
を示す縦断面図である。

【００１６】同図に示す如く、この実施例の切換弁１１
は、筒状の弁本体１４の一端側を給水口１５とし、他端
側に第一の流出口１２が形成され、給水口１５と第一の
流出口１２との間に第二の流出口１３が形成されてい
る。

【００１７】而して、この第二の流出口１３の位置に
は、フラップ弁１６とこれにより開閉される連通孔１７
とが設けられている。フラップ弁１６は、弁本体１８
と、支持アーム１９とから成り、支持アーム１９は弁本
体１４内で回動自在な内アーム部２０と弁本体外で回動
自在な外アーム部２１とを有している。内アーム部２０
と外アーム部２１との中間は、弁本体１４の外周面側で
これに回動自在に枢支されている。２２は、弁本体１４
の周側面部に形成された支持アーム１９の導出孔であ
る。内アーム２０の先端側には、弁本体１８が回動自在
に取り付けられており、外アーム２１の他端側には玉鎖
２３を介してフロート２４が取り付けられている。

【００１８】フロート２４は、弁本体１４に固定された
ガイド軸２５に貫通して外嵌装着されており、ガイド軸
２５の下端側には脱落防止用のストッパー２６が取り付
けられている。

【００１９】このように本実施例の切換弁１１は、弁本
体１４内にフラップ弁１６が装着されているのみであ
り、極めて簡単な構成であり、組立及び保守点検が容易
である。而して、切換弁１１は、給水口１５がボールタ
ップの流出側へ連通接続され、第一の流出口１２は便器
本体のゼット孔へ連通接続され、第二の流出口１３は洗
浄タンク内へ開口している。

【００２０】今、洗浄タンクの側面に取り付けられた洗
浄操作ハンドルを回動操作したと仮定すると、洗浄タン
ク内の排水弁（フロート弁）が引き上げられ、便器本体
のリム通水路へタンク内の貯溜水が供給される。これに
より、便鉢の洗浄が開始される。これと同時に、タンク
内の水位が低下するので、ボールタップの浮玉によりボ
ールタップから切換弁１１へ水道水圧による給水が行わ
れる。

【００２１】切換弁１１にあっては、タンク内水位が設
定水位以上である場合には、図１に示すように、フラッ
プ弁１６はその弁体１８が第二の流出口１３を閉塞して
いる状態であるので、ボールタップから供給される水
は、連通孔１７を通って第一の流出口１２へ流れ、便器
本体のゼット孔へ供給される。そのため、ゼット孔から
水道水圧による強い水勢で洗浄水が噴出され、早期にサ
イホン作用が発生して汚物を搬出する。

【００２２】次に、タンク内水位が設定水位から低下す
るに伴い、図２に示すように、フロート２４が下降動作
し、玉鎖２３及び支持アーム１９を介してフラップ弁１
６の弁体１８を起立させるようになる。そして、所定角
度まで起立すると、水流によってフラップ弁体１８は、
連通孔１７へ押し付けられるようになり、これを閉塞す
る。つまり、第一の流出口１２への連通を遮断し、第二
の流出口１３を開状態にする。

【００２３】そのため、第二の流出口１３からタンク内
へ洗浄水が供給されるようになる。タンク内の洗浄水
は、排水弁（フロート弁）がリム通水路への連通を遮断
した後、前記第二の流出口１３からの供給水によって徐
々に水位を回復する。設定水位まで回復すると、浮玉に
よりボールタップが止水状態となり、切換弁１１への給
水が停止されるので、フラップ弁１６の弁体１８は自重
により図１の状態へ回動復帰し、次の便器洗浄が行われ
るのを待機する。このように本実施例の切換弁１１は、
タンク内洗浄水位によって上下するフロート２４によっ
て自動的に切り換えられることが可能である。

【００２４】図３は、本発明の第２の実施例を示す切換
弁２７の縦断面図である。この実施例は、前記図１及び
図２に示す切換弁１１を二つ連設したものである。この
場合、上流側の切換弁１１の給水口１５はボールタップ
の流出口へ連通接続され、上流側の切換弁１１の第一の
流出口１２は、下流側の切換弁１１の給水口１５へ連通
接続されている。また下流側の第二の流出口１３は、便
器本体のリム通水路へ連通接続されており、上流側の第
二の流出口１３は洗浄タンク内へ開口している。

【００２５】洗浄ハンドルを回動操作して便器洗浄を開
始すると、ボールタップからの給水は、先ず、図３に示
すように、下流側の第一の流出口１２から便器本体のゼ
ット孔へ供給され、サイホン作用を早期に発生させる。
そして、タンク内水位が若干低下すると、下流側の切換
弁１１のフラップ弁体１８が起立回動してゼット孔側へ
の給水を遮断し、第二の流出口１３を通じて便器本体の
リム通水路へ水道水圧による強い水勢で洗浄水を供給す
るようになる。

【００２６】更に、水位が低下すると、今度は上流側の
切換弁１１のフラップ弁体１８が起立回動して下流側の
切換弁１１への給水を遮断するようになり、上流側の切
換弁１１の第二の流出口１３を通じて洗浄タンク内へ洗
浄水を供給するようになる。以降は、前述した第１の実
施例の場合と同じように、水位の回復によってボールタ
ップが止水状態となり、各切換弁１１のフラップ弁１６
も図３の状態へ復帰する。なお、その他の構成並びに作
用効果は、前述した第１の実施例の場合と同じである。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように本発明にあっては、
切換弁の構成が極めて簡単であり、安価に提供すること
ができる。また従来のようにダイヤフラム弁をケーシン
グ本体の流路と流路の間へ連通させて設置する等の必要
がなく、組み込み作業並びに保守点検が容易であり、故
障も発生し難いという利点を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例に係る切換弁にあって、
第一の流出口への給水状態を示す縦断面図である。

【図２】本発明の第１の実施例に係る切換弁にあって、
第二の流出口への給水状態を示す縦断面図である。

【図３】本発明の第２の実施例に係る切換弁を示す縦断
面図である。

【図４】従来の切換弁を示す縦断面図である。

【符号の説明】

１１…切換弁 １２…第一の流出
口 １３…第二の流出口 １４…弁本体 １５…給水口 １６…フラップ弁 １７…連通孔 １８…フラップ弁
の弁体 １９…支持アーム ２０…内アーム部 ２１…外アーム部 ２３…玉鎖 ２４…フロート ２７…切換弁

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樫野 吉直 愛知県常滑市鯉江本町５丁目１番地 株式 会社イナックス内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】二つの流出水路を有する切換弁本体内に、
   流路切換用のフラップ弁を配設し、該フラップ弁を支持
   アーム及び玉鎖等を介してフロートへ連結したことを特
   徴とする便器洗浄用の切換弁。
2. 【請求項２】フラップ弁の支持アームは、水栓本体内で
   回動自在なアーム部と、水栓本体外で回動自在なアーム
   部とを有し、水栓本体内で回動自在なアーム部の一端側
   にはフラップ弁本体が取り付けられ、水栓本体外で回動
   自在なアーム部の他端側には玉鎖等が連結されているこ
   とを特徴とする前記請求項１に記載の便器洗浄用の切換
   弁。