JP3791587B2 - 洋風水洗式便器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は洋風水洗式便器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、陶磁器製の洋風便器本体と、この洋風便器本体の後部に載置され、水道管から供給された洗浄水を一旦貯留する陶磁器製のロータンク等の便器洗浄機構とを備えた洋風水洗式便器が知られている。便器洗浄機構はそのロータンクに貯留した洗浄水により洋風便器本体を洗浄可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の洋風水洗式便器では、便器洗浄機構の大部分を占めるロータンクが剥き出しになっている。このため、優れた美観を呈するように陶磁器製のロータンクを製造しなければならず、製造が面倒であることから、製造コストの低廉化に限界があった。
【0004】
この点、ロータンク等の便器洗浄機構を単に樹脂製のカバーで隠蔽することも考えられる。こうであれば、カバーの分の製造コストは嵩むものの、カバー内の便器洗浄機構の美観を考慮する必要がなくなることから、便器洗浄機構の製造が容易となり、製造コストの低廉化を実現可能である。
【0005】
しかしながら、単に樹脂製のカバーで便器洗浄機構を隠蔽するとすると、便器洗浄機構の点検等のためにそのカバーを開けたい場合、そのカバーが左右に分割されるものであるならば、その分割線が美観を損ねてしまう。
【0006】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、製造コストの低廉化を実現可能であるとともに、確実に美観を奏し得る洋風水洗式便器を提供することを解決すべき課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の洋風水洗式便器は、洋風便器本体と、該洋風便器本体の後部に設けられ、洗浄水により該洋風便器本体を洗浄可能な便器洗浄機構と、該洋風便器本体の後部に設けられ、人体の局部を洗浄可能な局部洗浄機構とを備えた洋風水洗式便器において、
【0008】
前記便器洗浄機構及び前記局部洗浄機構は、前記洋風便器本体のリム上面と整合する分割面で上下分割可能な樹脂製のアッパーカバー及びアンダーカバーにより隠蔽され
該便器洗浄機構及び該局部洗浄機構は、リアベースプレートと、該リアベースプレートに対して上昇可能なフロントベースプレートとを有し、該アンダーカバーは該リアベースプレートに固定され、該アッパーカバーは暖房便座及び便蓋とともに該洋風便器本体の鉢面後部を露出するように上昇可能であることを特徴とする。
【0009】
本発明の洋風水洗式便器では、便器洗浄機構を樹脂製のアッパーカバー及びアンダーカバーで隠蔽するため、アッパーカバー及びアンダーカバーの分の製造コストは嵩むものの、アッパーカバー及びアンダーカバー内の便器洗浄機構の美観を考慮する必要がなくなることから、便器洗浄機構の製造が容易となり、製造コストの低廉化を実現可能である。
【0010】
また、この洋風水洗式便器では、アッパーカバー及びアンダーカバーを上下に分割することにより、便器洗浄機構の点検等を行うことができる。この場合、アッパーカバーとアンダーカバーとの分割線は水平又は略水平に延在することとなり、分割線が美観を損ね難い。
【0011】
したがって、本発明の洋風水洗式便器では、製造コストの低廉化を実現可能であるとともに、確実に美観を奏することができる。
【0012】
洋風便器本体の後部に人体の局部を洗浄可能な局部洗浄機構が備えられ、その局部洗浄機構もアッパーカバー及びアンダーカバーにより隠蔽されている。こうであれば、局部洗浄機構の美観を考慮する必要もなくなることから、局部洗浄機構の製造が容易となり、製造コストの低廉化を実現可能である。また、アッパーカバー及びアンダーカバーを上下に分割することにより、局部洗浄機構の点検等を行うこともできる。
【0013】
アッパーカバーとアンダーカバーとの分割線は洋風便器本体のリム上面と整合している。こうであれば、水平又は略水平に延在する分割線が美観を呈する。
【0014】
便器洗浄機構として、外部より洗浄水を供給する水道管に直結され、バルブの開閉により洗浄水を吐出可能なものを採用している場合に本発明の効果が大きい。かかる便器洗浄機構は、従来のロータンクを有さないことから、小型化している。このため、便器洗浄機構をアッパーカバー及びアンダーカバーにより隠蔽し易く、アッパーカバー及びアンダーカバーも小型化して製造コストのより一層の低廉化を実現可能である。
【0015】
便器洗浄機構として、一端が水道管と接続されたフレキシブルホースの他端に接続されるものを採用する場合、アンダーカバーの幅方向の略中央上方にそのフレキシブルホースの他端が位置することが好ましい。こうであれば、洋風水洗式便器の左右どちら側に水道管が設けられている場合であっても、水道管と便器洗浄機構とを容易に直結することができる。そして、かかる効果は左側給水用と右側給水用とで洋風水洗式便器を区別する必要をなくす。このため、製造販売時における品目の削減が可能となり、製造コスト及び管理コストの低減を実現する。また、これにより家屋の設計の自由度が増すとともに、施工者の選択が容易になる。また、フレキシブルホースはある程度自在に屈曲可能であるため、施工も容易となる。
【0016】
そのようなアンダーカバーはフレキシブルホースの屈曲を許容するガイドをもつことが好ましい。フレキシブルホースはある程度の曲率を有して屈曲可能であるため、アンダーカバーにこのようなガイドがあれば、アンダーカバーとフレキシブルホースとの間にそのような無駄な間隙を生じ難く又は生じず、美観が向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0018】
実施形態の洋風水洗式便器は、図1に示すように、陶磁器製の洋風便器本体1と、この洋風便器本体1の後部に設けられた便器洗浄装置及び局部洗浄装置としてのシャワートイレ2とを備えている。
【0019】
シャワートイレ2は、図2にも示すように、フロントベースプレート2aと、このフロントベースプレート2a上に固定されたノズル等の局部洗浄機構2bと、リアベースプレート2cと、このリアベースプレート2c上に固定された局部洗浄機構2bの残部を構成する温水タンク2dと、リアベースプレート2c上に固定されたバルブ等の便器洗浄機構2eと、リアベースプレート2cに固定され、温水タンク2d及び便器洗浄機構2eに洗浄水を供給可能な給水機構2fと、リアベースプレート2c上に固定され、フロントベースプレート2aをリアベースプレート2cに対して昇降可能に設ける図示しない昇降機構と、リアベースプレート2cの水平方向の全周囲に立設され、温水タンク2d、便器洗浄機構2e及び昇降機構を囲包する隠蔽部材2gと、これら局部洗浄機構2b等を内装するアッパーカバー2h及びアンダーカバー2iと、アッパーカバー2hに揺動可能に設けられた暖房便座2jと、アッパーカバー2hに揺動可能に設けられた便蓋2kとを有している。
【0020】
ここで、アッパーカバー2h及びアンダーカバー2iは樹脂製であり、アッパーカバー2hとアンダーカバー2iとは、図1にも示すように、洋風便器本体1のリム上面と等しい水平面内の分割線PLにより上下分割可能になっている。
【0021】
アッパーカバー2hは昇降機構により暖房便座2j及び便蓋2kとともに洋風便器本体1の鉢面後部を露出するように上昇可能になっている。アッパーカバー2hは、下降時にはフロントベースプレート2a、ノズル等の局部洗浄機構2b、リアベースプレート2c、温水タンク2dの上部、便器洗浄機構2eの上部、昇降機構及び隠蔽部材2gを内装しており、上昇時にはこれらのうちリアベースプレート2c、温水タンク2dの上部、便器洗浄機構2e、昇降機構及び隠蔽部材2gを剥き出しにする。
【0022】
他方、アンダーカバー2iはリアベースプレート2cに固定されており、内部には温水タンク2dの下部、便器洗浄機構2eの下部及び給水機構2fを収納している。
【0023】
給水機構2fは、図2に示すように、外部より洗浄水を供給する図示しない水道管にフレキシブルホース3により一端が接続され、他端が便器洗浄機構2eに接続された主管21と、主管21から分岐された枝管22と、枝管22が下方に接続され、同じく下方が温水タンク2dの底部に接続された給水装置23とからなる。給水装置23は温水タンク2dとの連通路に電磁弁と流量調整弁とを有するものである。この給水装置23の下端にはキャップ23aが螺合されており、キャップ23aを外すことにより内部の図示しないストレーナを取り出すことが可能になっている。
【0024】
アンダーカバー2iの幅方向の略中央上方には、図3〜5にも示すように、底面から上方に凹んだ凹部4が形成されている。凹部4の上端から給水機構2fの主管21の一端が下方に向かって突出され、この一端にクリップ6によってフレキシブルホース3が接続されている。また、凹部4の両側面はこうして接続されたフレキシブルホース3の屈曲を許容すべく円弧状に形成されたガイド面4aとされている。
【0025】
また、アンダーカバー2iの一方側の底面からは給水装置23のキャップ23aが下方に向かって突出されており、その底面にはキャップ23aに隣接し、キャップ23aの突出長さを超えて下方に突出するリブ5が形成されている。
【0026】
この洋風水洗式便器では、シャワートイレ2の局部洗浄機構2bにより、暖房便座2jを介して着座した人の局部を洗浄可能である。また、この洋風水洗式便器では、シャワートイレ2の便器洗浄機構2eにより、洋風便器本体1を洗浄可能である。
【0027】
そして、この洋風水洗式便器では、局部洗浄機構2b及び便器洗浄機構2eを樹脂製のアッパーカバー2h及びアンダーカバー2iで隠蔽しているため、アッパーカバー2h及びアンダーカバー2iの分の製造コストは嵩むものの、アッパーカバー2h及びアンダーカバー2i内の局部洗浄機構2b及び便器洗浄機構2eの美観を考慮する必要がなくなることから、局部洗浄機構2b及び便器洗浄機構2eの製造が容易となり、製造コストの低廉化を実現可能である。特に、この洋風水洗式便器では、便器洗浄機構2eがフレキシブルホース3を介して水道管に直結され、バルブの開閉により洗浄水を吐出可能な小型化したものであるため、便器洗浄機構2eをアッパーカバー2h及びアンダーカバー2iにより隠蔽し易く、小型のアッパーカバー2h及びアンダーカバー2iにより製造コストのより一層の低廉化を実現している。
【0028】
また、この洋風水洗式便器では、アッパーカバー2h及びアンダーカバー2iを上下に分割することにより、局部洗浄機構2b及び便器洗浄機構2eの点検等を行うことができる。この場合、アッパーカバー2hとアンダーカバー2iとの分割線PLは水平に延在しており、優れた美観を呈している。
【0029】
したがって、この洋風水洗式便器では、製造コストの低廉化を実現可能であるとともに、確実に美観を奏することができる。
【0030】
また、この洋風水洗式便器では、アンダーカバー2iの幅方向の略中央上方にフレキシブルホース3の他端が位置しているため、洋風水洗式便器の左右どちら側に水道管が設けられている場合であっても、水道管と便器洗浄機構2eとを容易に直結することができる。このため、左側給水用と右側給水用とで洋風水洗式便器を区別する必要がない。このため、製造販売時における品目の削減が可能となり、製造コスト及び管理コストの低減を実現する。また、これにより家屋の設計の自由度が増すとともに、施工者の選択が容易になる。また、フレキシブルホース3がある程度自在に屈曲可能であるため、施工も容易となる。
【0031】
さらに、この洋風水洗式便器では、アンダーカバー2iがフレキシブルホース3の屈曲を許容するガイド4aをもつため、アンダーカバー2iとフレキシブルホース3との間に無駄な間隙を生じず、美観が向上している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の洋風水洗式便器の背後からの斜視図である。
【図2】実施形態の洋風水洗式便器の背後からの拡大斜視図である。
【図3】実施形態の洋風水洗式便器に係り、アンダーカバーの背面図である。
【図4】実施形態の洋風水洗式便器に係り、アンダーカバーの底面図である。
【図5】実施形態の洋風水洗式便器に係り、アンダーカバーの側面図である。
【符号の説明】
1…洋風便器本体
2…シャワートイレ
2e…便器洗浄機構
2h…アッパーカバー
2i…アンダーカバー
2b…局部洗浄機構
PL…分割線
3…フレキシブルホース
4a…ガイド

Claims (4)

  1. 洋風便器本体と、該洋風便器本体の後部に設けられ、洗浄水により該洋風便器本体を洗浄可能な便器洗浄機構と、該洋風便器本体の後部に設けられ、人体の局部を洗浄可能な局部洗浄機構とを備えた洋風水洗式便器において、
    前記便器洗浄機構及び前記局部洗浄機構は、前記洋風便器本体のリム上面と整合する分割面で上下分割可能な樹脂製のアッパーカバー及びアンダーカバーにより隠蔽され
    該便器洗浄機構及び該局部洗浄機構は、リアベースプレートと、該リアベースプレートに対して上昇可能なフロントベースプレートとを有し、該アンダーカバーは該リアベースプレートに固定され、該アッパーカバーは暖房便座及び便蓋とともに該洋風便器本体の鉢面後部を露出するように上昇可能であることを特徴とする洋風水洗式便器。
  2. 便器洗浄機構は、外部より洗浄水を供給する水道管に直結され、バルブの開閉により洗浄水を吐出可能なものであることを特徴とする請求項記載の洋風水洗式便器。
  3. 便器洗浄機構は一端が水道管と接続されたフレキシブルホースの他端に接続され、アンダーカバーの幅方向の略中央上方に該フレキシブルホースの他端が位置することを特徴とする請求項記載の洋風水洗式便器。
  4. アンダーカバーはフレキシブルホースの屈曲を許容するガイドをもつことを特徴とする請求項記載の洋風水洗式便器。
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