JPWO2014157667A1 - 伸縮性編地及び衣服 - Google Patents

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Abstract

弾性糸と非弾性糸とからなる伸縮性編地であって、該弾性糸の含有量が20〜60g/m2であり、該編地を80%まで伸長後元の長さに戻し、伸縮途中の50%時点での往路応力と復路応力を測定したとき、下記式:
応力比=(50%時点の復路応力(N))/(50%時点の往路応力(N))
により求められる応力比が0.40〜0.80であり、かつ、経緯少なくとも一方向の伸長時瞬間発熱温度が1.0℃以上であることを特徴とする前記編地。

Description

本発明は、伸長時瞬間的に温度が上昇する、弾性糸を含有する伸縮性編地、及び該編地からなる衣服に関する。
従来、保温衣料等、着用時に温度が上昇する衣服として、セルロース等の吸湿発熱繊維を混合した布帛により衣服を製造し、着用時の人体からの不感蒸泄や発汗により発熱させる衣服が知られている(例えば、以下の特許文献1参照)。しかしながら、吸湿発熱繊維は、繊維の吸湿量が飽和に達すればそれ以上発熱することは無く、発熱時間が短いばかりでなく、吸湿量が飽和に達した後は、繊維中の水分により冷感を感じることさえあった。さらに、吸湿発熱以外の発熱布帛や発熱衣服として、面状発熱体や線状発熱体などのヒーターを衣服に組み込むことなどが知られているが、いずれも、電気により発熱するもので、衣服とした際は重くなり、電極も必要で動きにくい衣服となる。
また、最近では着用動作時の編地伸長時に発熱するという、これまでと全く違った発熱機能を持つ編地が提案されている(例えば、以下の特許文献2と3参照)。
特開2003−227043号公報 特開2011−195970号公報 特開2012−112078号公報
しかしながら、これらの編地は、確かに伸長時発熱して暖かいが、編地風合いが硬かったり、編地伸長に強い応力が必要となるなど、動き易い衣服へと改善する必要があった。
かかる状況下、伸長発熱という新しい機能を有する編地を使用して、より快適な衣服製造が可能となる編地を提供する必要性がある。
本発明が解決しようとする課題は、弾性糸を含有する編地において、伸長時瞬間的に温度が上昇し、編地の伸縮を繰り返せば持続的に伸長時発熱し、かつ、伸長発熱が効率よく達成され、しかも、動き易い衣服となる編地の提供、並びに、該編地を使用したインナー、スポーツウェアなどの衣服に縫製することにより、保温性、伸長部位の筋肉や関節を暖めることによる怪我の防止、及び脂肪燃焼効果を期待できる衣服を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、非弾性糸と弾性糸とからなる編地において、以下の構成を有することにより、伸長時の瞬間発熱温度が1.0℃以上とすることができることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[1]弾性糸と非弾性糸とからなる伸縮性編地であって、該弾性糸の含有量が20〜60g/m2であり、該編地を80%まで伸長後元の長さに戻し、伸縮途中の50%時点での往路応力と復路応力を測定したとき、下記式:
応力比=(50%時点の復路応力(N))/(50%時点の往路応力(N))
により求められる応力比が0.40〜0.80であり、かつ、経緯少なくとも一方向の伸長時瞬間発熱温度が1.0℃以上であることを特徴とする前記編地。
[2]前記編地を構成する組織中の該弾性糸と該非弾性糸との繊度比=(非弾性糸の繊度/弾性糸の繊度)が1.0〜2.5である、前記[1]に記載の編地。
[3]前記編地を経緯両方向に30%伸長させた時の編組織一単位中の弾性糸のシンカーループの長さと非弾性糸のニードルループの長さとを加えた長さLaと、該編地を経緯いずれか1方向にさらに50%伸長させた場合の編組織一単位中の弾性糸のシンカーループの長さと非弾性糸のニードルループの長さとを加えた長さLbとのループ比=(Lb/La)が下記式:
1.15≦Lb/La≦1.75
を満たす、前記[1]又は[2]に記載の編地。
[4]前記編地を伸長したときの9.8N荷重下での伸度と、請求項1により求められる応力比を用いて下記式:
発熱指数=(9.8N荷重下の伸度(%))×(応力比)
により求められる発熱指数が40〜120である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の編地。
[5]緯編地である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の編地。
[6]弾性糸の含有量が20〜50g/m2である、前記[5]に記載の緯編地。
[7]タックループ又はウェルトループが弾性糸で構成され、及び/又は、タックループ又はウェルトループで編成されるコース前後の少なくともいずれかのニットループが弾性糸により構成され、かつ、タックループ又はウェルトループが緯編地中の全ループの20〜60%で含有されている、前記[5]又は[6]に記載の緯編地。
[8]経編地である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の編地。
[9]弾性糸の含有量が30〜60g/m2である、前記[8]に記載の経編地。
[10]前記経編地を経緯両方向に30%伸長させた時の編組織一単位中の弾性糸のシンカーループの長さと非弾性糸のニードルループの長さとを加えた長さLaと、該経編地を経緯いずれか1方向にさらに50%伸張させた場合の編組織一単位中の弾性糸のシンカーループの長さと非弾性糸のニードルループの長さとを加えた長さLbとのループ比=(Lb/La)が下式:
1.15≦Lb/La≦1.65
を満たす、前記[8]又は[9]に記載の経編地。
[11]少なくとも弾性糸が開き目により編成されている、前記[8]〜[10]のいずれかに記載の経編地。
[12]前記[1]〜[11]のいずれかに記載の編地を含み、身体に密着し、かつ、少なくとも関節部を覆う衣服。
[13]衣服がボトム類、トップス類、レッグ類、サポーター類及び手袋からなる群から選ばれる、前記[12]に記載の衣服。
本発明の伸縮性編地が配された衣服は、膝や腕の曲げ伸ばしにより該編地が1.0℃以上発熱して暖かく、保温性に優れると共に、伸長部位の筋肉を暖めることにより怪我の防止効果や脂肪燃焼効果を有する。特に、冬季運動時に着用すると、発熱により筋肉温度低下を防止でき、筋肉温度低下による運動機能低下の防止を期待でき、さらに膝痛等の故障痛の防止及び緩和も期待できる。
本発明に係る伸縮性緯編地の編成組織の一例を示す。 本発明に係る伸縮性緯編地の編成組織の一例を示す。 本発明に係る伸縮性緯編地の編成組織の一例を示す。 本発明に係る伸縮性緯編地の、非弾性糸のニードルループの長さと弾性糸のシンカーループの長さを測定する方法を説明する図である。 本発明に係る伸縮性経編地の、非弾性糸のニードルループの長さと弾性糸のシンカーループの長さを測定する方法を説明する図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の伸縮性編地は、丸編機、横編機により製造される緯編地、並びに、経編機により製造される経編地であって、該弾性糸の含有量が20〜60g/m2であり、該編地を80%まで伸長後元の長さに戻し、伸縮途中の50%時点での往路応力と復路応力を測定したとき、下記式:
応力比=(50%時点の復路応力(N))/(50%時点の往路応力(N))
により求める応力比が0.40〜0.80であり、かつ、経緯少なくとも一方向の伸長時瞬間発熱温度が1.0℃以上であることを特徴とする。
本発明における瞬間発熱温度とは、伸縮以外に外部からのエネルギー供給がなく、風による伸長発熱温度が変化しない条件下で、編地を60〜100%伸長し、次いで緩和してもとの長さに戻す工程を1回とする繰り返し伸縮を100回行う間に編地が示す最高温度をサーモグラフィで測定し、試験開始前の編地温度との差から算出された値である。
100回の60〜100%伸縮中又は伸縮完了直後に、編地温度が試験開始前編地温度より高くなれば、瞬間発熱していることを示す。本発明の伸縮性編地は、この方法により測定した瞬間発熱温度が1.0℃以上あることが必要である。1.0℃未満の瞬間発熱温度では、ほとんど発熱を感じられない。瞬間発熱温度は好ましくは1.5℃以上、より好ましくは2.0℃以上である。瞬間発熱温度が高いほど好適であり、人体に悪影響を与えない範囲であれば上限は特に限定されないが、瞬間発熱温度を高くするために弾性繊維の含有量が多くなりすぎると編地がハイパワーとなって衣服として動き難くなるため、瞬間発熱温度は10℃以下であることが好ましい。また、編地経緯方向のうち、少なくとも一方向の60〜100%伸長時の瞬間発熱温度が1.0℃以上であればよく、編地の経方向と緯方向の両者とも瞬間発熱温度が1.0℃以上の編地の場合は、製品縫製時の型入れ方向を特に考慮しなくてもよいが、一方向のみ瞬間発熱する編地の場合は、人体の関節で特に皮膚伸びが大きい方向を、瞬間発熱が大きい編地の方向と一致させれば、運動動作時暖かい衣服を製造することができる。
なお、伸長発熱温度測定時の伸長量設定は、初期長10.0cm、幅2.5cmの編地の9.8N荷重下での編地伸度により設定し、編地伸度が100%以上の場合の伸長量は100%、編地伸度が60%以上100%未満の場合の伸長量は、9.8N荷重下の伸度に0.9倍した値の伸長量とし、例えば、9.8N荷重下の編地伸度が80%の場合の伸長量は80×0.9=72%として設定する。9.8N荷重下の編地伸度が経方向又は緯方向のいずれか一方の編地伸度が60%以上となるよう設計することが必要であり、経方向と緯方向の両方とも伸度が60%未満の場合は、衣服着用時の突っ張り感が強過ぎて動き難く、肌に密着する衣服に適さないといえる。9.8N荷重下の編地伸度の測定法、発熱温度の測定法は、以下の実施例において具体的に説明する。
弾性糸を含有する従来の編地は、編地に伸縮性を持たせ衣服着用時に心地よいフィット感を付与するもので、これにより、スリムな審美性の衣服を得たり、運動機能を向上させたりするものであった。これに対し本発明は、伸縮により発熱をする編地を得るものであり、従来品とは全く異なる発想の編地である。60〜100%伸長時の瞬間発熱温度を1.0℃以上とするには、弾性糸の含有量、弾性糸と非弾性糸との繊度比、ループ数、編地の応力比等を適正な範囲とすること、すなわち、糸使い、ループ構造等の編地設計と、伸長発熱を効率的に発揮するための加工法を含めた編地製造方法とが重要である。本発明により初めて60〜100%伸長時の瞬間発熱温度が1.0℃以上である伸縮性編地が得られ、衣服として着用した時に、着用時の人体関節の伸長量である僅か30〜50%の伸長でも高く発熱し、着用時に発熱が実感できるようになったものである。
本発明における伸縮性編地において、60〜100%伸長時の瞬間発熱温度を1.0℃以上とするには、弾性糸が伸長発熱に大きく寄与している為、弾性糸の含有量が重要であり、そのため、編地中に弾性糸を20〜60g/m2含有させることが必要である。弾性糸を多く含有するほど発熱温度が高くなるため、編地中の弾性糸の含有量は、好ましくは25〜55g/m2である。弾性糸の含有量が少ないと伸長発熱温度が低く、また、弾性糸の含有量が多くなり過ぎると編地重量が増し、編地がハイパワーとなって衣服として動き難くなるため、弾性糸の含有量は20〜60g/m2とするのがよい。
本発明の伸縮性編地について、衣服着用時に動き易くなるよう、なるべく少ない弾性糸の含有量でより伸長発熱する編地設計について検討した結果、本願発明者らは、編地の応力比、及び規定した応力比を達成する手段を見出した。
例えば、弾性糸は伸長される際発熱し、伸長緩和時吸熱され、完全な弾性体、すなわち、伸長時の伸度―応力曲線(S−Sカーブ)が全く重なっているような弾性体は伸長時の発熱と伸長緩和時の吸熱温度はほぼ同じとなり、つまり、伸長時と伸長緩和時のサイクル全体で発熱量はほぼ0となる。本発明では、編地の伸長時の発熱温度に対して、伸長緩和時の吸熱を最小限に抑えるための編地応力比の規定、及び規定した応力比の範囲を達成するための手段を見出したものである。
応力比については、最適な条件があり、すなわち、伸縮時の応力比は0.40〜0.80であることが極めて重要である。一般の編地の応力比は0.80超であるが、応力比が0.80より大きいと伸長時発熱しても伸長緩和時に吸熱現象が生じ、結果として発熱が小さくなりやすい。また、応力比が0.40未満の場合は、伸長時発熱は高くなるが、衣服とした際、肘や膝の関節部を曲げ伸ばしした後に編地が変形して衣服が型崩れして好ましくなく、さらに、応力比が高すぎる場合には、伸長発熱温度そのものが低くなる。従って、応力比は、0.45〜0.75が好ましく、0.45〜0.70がさらに好ましい。応力比のコントロールは弾性糸の含有量、弾性糸そのものの応力比(弾性糸の伸長時、伸長50%での往復の応力性能)弾性糸と非弾性糸との繊度比、編地の滑り性により、応力比のコントロールが可能である。弾性糸と非弾性糸との繊度比については、繊度比が大きくなるほど応力比は小さくなり、さらに、一般的な弾性糸より小さい応力比の弾性糸を使用して編地作製する方法、あるいは、編地の染色仕上げ時でも応力比のコントロールが可能で、特に、ヒートセット時の加熱条件を強くするのが効果的で、通常のセット温度よりも若干高くして、190〜195℃でのヒートセットが好ましく、セット温度を高くできない場合は、セット時間を通常のセット時間より長くすればよく、例えば、70〜90秒程度とするのが好ましい。さらに、編地が滑り難くなるように仕上げれば応力比が小さくなり易い。仕上げ剤で具体的に示すと、シリコン系の平滑剤は使用しないことが好ましく、例えば、ポリエステル系の仕上げ剤や、仕上げ剤を使用しないで仕上げることにより応力比を規定の範囲に収めやすい。なお、応力比は、編地を80%まで伸長後元の長さに戻し、伸縮途中の50%時点での往路応力と復路応力を求め、下記式:
応力比=(50%時点の復路応力(N))/(50%時点の往路応力(N))
により、少数点以下3桁目を四捨五入して求める。
尚、編地を80%まで伸長して伸縮途中の応力で応力比を求めるが、編地伸度が低くて80%まで伸長困難な場合は、60%まで伸長して伸長後元の長さに戻し、伸縮途中の50%時点での往路応力と復路応力から応力比を求める。
なお、応力比を伸長、及び、回復50%時点での応力により求めるのは、編地伸長時に発熱した温度を伸長回復時に吸熱する程度を捉えやすいことを見出し、応力比が小さいほど吸熱温度が低く、高い伸長発熱温度が得られる。
本発明の伸縮性編地は、衣服として着用時の動作により弾性糸が効率よく伸長されることも重要である。すなわち、弾性糸を含有する従来の編地では、弾性糸が編地中に蛇行や湾曲しており、編地伸長時に、まず弾性糸の蛇行又は湾曲が伸ばされ、弾性糸が真っ直ぐになる。さらに、ニードルループとシンカーループの交差部でループのズレも生じ、伸長方向によりニードルループ又はシンカーループが小さくなる、すなわち、ニードルループとシンカーループの長さの合計の変化に優先して、弾性糸の蛇行や湾曲が真っ直ぐになったり、ループ変形が生じる。それらの変化の後、弾性糸が伸長されるため、本発明の求める伸長時の発熱を得るには非常に効率の悪い構造である。
これに対し本発明の伸縮性編地では、編地中の弾性糸の蛇行や湾曲が極めて小さく、編地の伸長が効率よく弾性糸を伸長することになり、その結果、伸長時高い発熱の編地となる。従来編地と本発明の伸縮性編地とのこれらの構造的な差異は、次の方法により明確にできる。
編地を経又は緯方向のいずれか一方向に30%伸長し、他の方向の伸長率は0%として伸長させた時の、編組織一単位中の弾性糸のシンカーループの長さと非弾性糸のニードルループの長さとを加えた長さをLaとする。さらに、Laを測定した方向と同じ方向に編地を50%伸長させた場合の編組織一単位中の弾性糸のシンカーループの長さと非弾性糸のニードルループの長さとを加えた長さをLbとする。伸長時高い発熱の編地とするためには、1.15≦Lb/La≦1.75を満足することが好ましい。編組織や染色加工工程条件を調整することより、Lb/Laをこの範囲にすることができる。Lb/Laがこの範囲内であれば着用感を損なうことなく編地は伸長時に発熱する。なお、Lb/Laが1.15未満であれば、編地中の弾性糸の伸長率が低く、その結果、伸長時の発熱温度も実感できないほど低い。さらに、弾性糸の伸長及び伸長回復が悪く、伸長した編地が元に戻らず編地が波打って型崩れが生じ易い。また、1.75より大きいと、弾性糸のパワーが高くなりすぎるため着用し難かったり、動き難い衣服となるばかりでなく、編地の変形が大きく、弾性糸と共に非弾性糸の変形も大きくなりすぎる結果、伸長回復性が不足し、伸長緩和時に編地が波打ったり、洗濯による寸法変化が生じたりして、型崩れの原因となる。従って、LaとLbは、1.15≦Lb/La≦1.75を満足することが好ましく、より好ましくは1.20≦Lb/La≦1.70である。その結果、伸長により発熱するとともに、着用時及び洗濯時に型崩れのない衣服とすることが可能となる。
なお、編地を30%伸長してLaを測定した後、さらにLbを測定するために50%伸長するが、編地伸度が低くて伸長困難な場合は、初期長10.0cm、幅2.5cmの編地の22.05Nの荷重下の伸度まで編地を伸長してLbを測定すればよい。
本発明において、La及びLbは、編地のニードルループ側(テクニカルフェース)から撮影した拡大画像を用いて以下に記載する方法で測定した、編組織一単位中の弾性糸のシンカーループの長さと非弾性糸のニードルループの長さから求める。ここで、本来ならニードルループも弾性糸の長さを測定するのが好ましいが、弾性糸のニードルループは非弾性糸により覆われていることが多く、はっきりループ長を測定することが困難である。従って、非弾性糸のニードルループの下に隠れて弾性糸のニードルループが存在していると確認できる箇所を選択し、伸長時に弾性糸とほぼ同じ動きをする非弾性糸のニードルループの長さを測定して、編地伸長による弾性糸のニードルループ長変化の代用とする。無論、拡大画像を撮影する箇所として、非弾性糸の下に弾性糸のニードルループが存在しない箇所は選択しない。
本発明の伸縮性編地について、さらに、衣服着用時に動き易き易いよう、なるべく少ない弾性糸の含有量でより伸長発熱する編地設計について検討した結果、本発明者らは、弾性糸と非弾性糸との繊度比が重要であることを見出した。すなわち、弾性糸の含有量が少なくても、非弾性糸との組み合わせ方によっては伸長発熱温度が高く、また逆に弾性糸の含有量が多くても非弾性糸との組み合わせ方によっては伸長発熱温度が高く、かつ、編地応力も高くなり過ぎない組み合わせがあり、これら弾性糸と非弾性糸の糸使いが重要である。染色仕上げ加工後、製品の編地を構成する弾性糸の組織と編地を構成する非弾性糸の組織との繊度比を1.0〜2.5とすることにより、好適に伸長発熱することが可能で、繊度比が1.0未満では、編地がハイパワーとなって衣服とした際は動き難くなり、また、繊度比が2.5より大きい場合も、風合いが硬くなり、動き難い衣服となるとともに、伸長発熱温度が十分に上昇しない。
本発明の伸縮性編地の伸長発熱特性は、編地の一定荷重下の伸度と本発明による応力比とにより求められる発熱指数との関係があることを新たに見出した。
すなわち、本発明による編地において、伸度が低い編地は、編地の密度が高く編地を構成するループが小さい、又は、編地の染色加工により粗密度に仕上げられた場合で、いずれも編地伸長時には弾性糸が効果的に伸長され易いため、応力比が高くても伸長発熱温度が高い。逆に編地伸度が高い場合、編地を構成するループが大きい、又は、編地の染色加工時、高密度に仕上げられた場合で、編地伸長時、弾性糸の伸長量が小さくなるため、応力比はなるべく低い場合に伸長発熱温度が高くなる傾向である。これらより、伸長時効率的に発熱させるためには、下記式:
発熱指数=(9.8N荷重下の伸度(%))×(応力比)
に示すように、9.8N荷重下の伸度と応力比との積による発熱指数が一定の範囲内にあることが好ましく、すなわち、発熱指数は40〜120であり、より好ましくは50〜110であれば、効率的に伸長時発熱する。なお、編地の伸度の求め方は、実施例により詳細に説明する。
本発明による伸縮性編地では、弾性糸と非弾性糸との繊度比を1.0〜2.5とするが、通常の編地の繊度比は2.8〜5.0程度であるため、本発明の伸縮性編地は弾性糸の繊度が非弾性糸の繊度に比較して大きいのが特徴であり、この編地を通常に編成して仕上げた場合、風合いが硬く、編地応力が高くなりすぎることがある。そこで、本発明の伸縮性編地を製造する場合、編成時に弾性糸を通常より多く伸長して、編地中の弾性糸を見掛け上細くなる様に編成することが重要である。
さらに、染色加工時、通常よりも編地を伸長気味に仕上げることが好ましく、目安としては生機とほぼ同密度で仕上げるようにする。これにより、弾性糸の含有量は少し低下するが編地中の弾性糸は伸長されたままとなる結果、通常の編地では、弾性糸原糸の繊度と、染色加工後の弾性糸の繊度とを比較すると、染色加工後の弾性糸の繊度は、原糸の繊度と同じかそれより数%細くなっているのに対し、本発明の伸縮性編地では、弾性糸原糸の繊度と染色加工後の繊度を比較した場合、染色加工後、10〜20%程度弾性糸が細くなり、伸長発熱温度の低下は少ないのに編地応力は低くすることが可能となっている。さらに、染色加工時に重要なことは、ヒートセット時、セット温度を高くする、セット時間を長くするなど、熱処理条件を強くして、編地を伸長したままセットして、編地中の弾性糸をなるべく細くすることである。また、これらの編地を伸長してセットする目安としては、初期長10.0cm、幅2.5cmにサンプリングした編地の9.8N荷重下での編地伸度を、最大でも180%以内となるよう設定することが好ましい。
本発明による糸の繊度比の求め方は、弾性糸と非弾性糸との断面積の比で求める。断面積は、測定する編地を構成する組織中の非弾性糸と弾性糸の断面を観察して断面積を求め、それぞれの断面積についてマルチフィラメントの場合はフィラメント数分の和を、非弾性糸と弾性糸別々に求めた数値を繊度とする。この際、糸の断面は円形、楕円形、W型、三角形、L型等種々の形があり、電子顕微鏡等での観察のみでは断面積を測定できない場合が多く、そのため、断面積を容易に求めるには、糸の断面観察時、面積と重量の判っているほぼ均一な用紙に断面を拡大して印刷し、印刷後に断面通りに裁断して裁断後の用紙の重量を測定し裁断前の用紙の重さと拡大率の比で断面積を求めることが可能である。この場合、弾性糸と非弾性糸とを同じ倍率で観察して用紙に印刷して断面を裁断し、弾性糸と非弾性糸の断面積を比較すれば繊度比が容易に求めやすくなる。また、紡績糸の場合も同様に、断面を印刷後に、1本1本の繊維の断面を裁断し、裁断面での繊維数(単糸数)の和を断面積とする。断面積を測定する部位は、ニードルループ部分とシンカーループ部分とで行い、測定はループを変えて、ニードルループ、シンカーループそれぞれ10ヶ所の断面で求めた平均を断面積、及び繊度比とする。なお、ニードルループ部分、シンカーループ部分とも、同じループでありながら伸ばされていたり、変形等により形状が異なるループが存在している場合、この場合は、編地中最も多い形状の部位で測定し、下記式:
繊度比=(非弾性糸の断面積)/(弾性糸の断面積)
により求める。
また、用紙に断面を印刷し、断面を切り取って繊度比を求める場合は下記式:
繊度比=(非弾性糸の断面を切り取った用紙の重量)/(弾性糸の断面を切り取った用紙の重量)
により求める。
本発明の伸縮性編地は、編組織や、糸使いを変更したり、樹脂プリント等を施したりすることにより、点状、直線状、曲線状等の部分的にパワーが異なる高パワー部と低パワー部とを混在させてもよい。この場合、編地中の一部分でも本性能を満足すればよい。例えば、膝など伸長発熱効果が欲しい部分のみ高伸長発熱編地を配し、膝回り等は高パワーの定伸長編地を配置することも可能で、この場合、膝の動きで暖かくなり、また、低伸長部で膝関節の保護等を狙った製品とすることが可能となる。
本発明の伸縮性編地に使用する弾性糸は、ポリウレタン系又はポリエーテルエステル系の弾性糸であることができ、例えば、ポリウレタン系弾性糸としては、乾式紡糸又は溶融紡糸したものが使用でき、ポリマーや紡糸方法は特に限定されない。弾性糸の破断伸度は400%〜1000%程度であり、かつ、伸縮性に優れ、染色加工時のプレセット工程の通常処理温度180℃近辺で伸縮性を損なわないことが好ましい。また、弾性糸としては、特殊ポリマーや粉体添加により、高セット性、抗菌性、吸湿、吸水性等の機能性を付与した弾性糸も使用可能である。弾性糸の繊度に関しては、20〜110dtex程度の繊維の使用が可能で、編地製造が容易で伸長発熱温度も高い、30〜80dtex程度の弾性繊維の使用が好ましい。また、弾性糸に非弾性糸を巻きつけたカバーリング糸、撚糸した糸、及び非弾性糸と弾性糸とを空気噴射等により混繊した混繊糸等、これら被覆弾性糸の使用も可能である。
さらに本発明の伸縮性編地は、弾性糸に無機物質を含有することが可能で、含有する無機物質の性能を加味した編地とすることができ、例えば、酸化チタンを含有させると、編地の発熱を酸化チタンに蓄え、遠赤外線効果による保温性を付与することができる。無機物質の含有法としては、弾性糸の紡糸原液に無機物質を含有させて紡糸する方法が最も簡単である。本発明でいう無機物質とは、酸化チタン等のセラミックス、カーボン、カーボンブラック等の無機物単体及び/又は無機化合物をいい、弾性糸の紡糸の障害とならない様、微粉末状が好ましい。これら無機物質は弾性糸に1〜10重量%含有されていることが好ましく、無機物質を含有することにより、編地の発熱時保温効果をより効果的に発揮することが可能となる。なお、無機物質は少ないと保温効果が小さく、多すぎると紡糸時や伸長時に糸切れすることがあるため、1〜10重量%の含有が好ましく、より好ましくは2〜5重量%の含有である。
本発明の伸縮性編地に用いられる弾性糸は、ポリウレタン系弾性糸やポリエーテルエステル系弾性糸が挙げられるが、伸長発熱温度を上げるには、弾性糸の分子量を上げる方法がある。他の方法としては、応力比を小さくした弾性糸の使用が好ましく、例えば、特開2001−140127号公報に示される、第1級アミン又は第2級アミンのいずれかの1官能性アミン、水酸基、及び第3級窒素又は複素環状窒素から選ばれる少なくとも1種を含む窒素含有化合物と有機ジイソシアナートとが反応して得られる、1分子あたりの平均ウレア結合単位数が4〜40個であるウレタンウレア化合物;特許第4343446号公報に示される、第1級アミン及び第2級アミンのうちの少なくとも1種から選ばれる2官能性アミノ基、第3級窒素及び複素環状窒素のうちの少なくとも1種から選ばれる窒素含有基を含む窒素含有化合物と、有機ジイソシアナート、モノ又はジアルキルモノアミン、アルキルモノアルコール、及び有機モノイソシアナートからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とを反応させて得られるウレア化合物;特開平7−316922号公報に示される、ポリアクロニトリル系ポリマー、低分子ジオール、及びポリマージオールの混合物と、有機ジイソシアナートとの反応で得られる末端水酸基構造であるポリウレタン;あるいはスチレン−無水マレイン酸共重合体等を添加して紡糸する方法がある。上記末端水酸基構造であるポリウレタンとしては、炭素原子数2〜10の直鎖状又は分岐状アルキレン基若しくは二価の脂環式炭化水素の両末端に水酸基を有する低分子ジオール及び数平均分子量400〜3000の高分子ジオールの混合物(モル比1〜99)と有機ジイソシアナートとの反応物であって、末端が水酸基でありウレタン基濃度が3ミリ当量/g以上である数平均分子量10000〜40000のポリウレタン重合体であることが好ましい。これらを単独で又は2種以上混合して弾性糸中に添加すればよいが、添加量が少ないと伸長発熱効果が低く、逆に添加量が多いと、編地伸長回復性が低下し、着用、洗濯により型崩れが生じやすくなるため、添加量は、弾性糸重量に対して2.0〜15.0%、好ましくは2.5〜8.0%とする。
本発明に用いる非弾性糸としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、並びにポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、さらに、キュプラ、レーヨン、綿、竹繊維等のセルロース系繊維、羊毛等の獣毛繊維等、あらゆる繊維の使用が可能である。また、これらのブライト糸、セミダル糸、フルダル糸等を任意に使用でき、繊維の断面形状についても、丸型、楕円型、W型、繭型、中空糸等任意の断面形状の繊維が使用可能であり、繊維の形態についても特に限定されず、原糸、仮撚等の捲縮加工糸が使用でき、非弾性糸の太さは20〜110dt、好ましくは、30〜90dtの非弾性糸の使用が好適である。さらに、長繊維でも紡績糸でもよく、また、2種以上の繊維を撚糸、カバーリング、エアー混繊等により混合した複合糸の使用も可能である。さらには、繊維自体での混合ではなく、編機上での2種以上の繊維の混合も無論可能である。
本発明に用いる非弾性糸、特に、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、セルロース系繊維の場合には、無機物質を0.3〜5重量%含有していることが好ましい。無機物質を含有することにより、弾性編地の発熱時、保温効果をより効果的に発揮することが可能となる。なお、無機物質は、少ないと保温効果が小さく、多すぎると紡糸時や伸長時に糸切れすることがあるため、0.5〜5重量%の含有がより好ましく、さらに好ましくは0.4〜3重量%の含有である。
本発明の伸縮性編地では、非弾性糸にセルロース等の吸湿発熱する素材を使用すれば、着用時吸湿により発熱し、運動することによっても発熱することになり、本発明の効果をより高めることが可能である。さらに、紡績糸の使用や起毛により発熱した熱を逃がし難くでき、保温効果を高めることも可能である。
本発明における編地には、緯編地と経編地があり、以下の発明の詳細な説明においては、それぞれの編地の特徴について、これまでの詳細な説明と重複する部分は除いて、緯編地と経編地とに分けて特徴を説明する。
[緯編地]
本発明の伸縮性編地による緯編地、つまり、伸縮性緯編地(以降、同じ表現で説明する)は、釜径30〜40インチ程度の大口径のシングル丸編機、ダブル丸編機、釜径4インチ程度ストッキング編機、釜径13〜17インチの小寸編機等、26〜40ゲージ程度の丸編機、及び、ハイゲージの横編機により製造される非弾性糸と弾性糸とからなる緯編地であって、該弾性糸の含有量が20〜50g/m2であり、該緯編地を80%まで伸長後元の長さに戻し、伸縮途中の50%時点での往路応力と復路応力より求められる応力比が0.40〜0.80であり、かつ、経緯少なくとも一方向の伸長時瞬間発熱温度が1.0℃以上であることを特徴とする。
本発明における伸縮性緯編地において、60〜100%伸長時の瞬間発熱温度を1.0℃以上とするには、弾性糸が伸長発熱に大きく寄与している為、弾性糸の含有量が重要であり、そのため、編地中に弾性糸を20〜50g/m2含有させることが必要である。弾性糸を多く含有するほど発熱温度が高くなるため、編地中の弾性糸の含有量は、好ましくは25〜45g/m2である。弾性糸の含有量が少ないと伸長発熱温度が低く、また、弾性糸の含有量が多くなり過ぎると編地重量が増し、編地がハイパワーとなって衣服として動き難くなるため、弾性糸の含有量は20〜50g/m2とするのがよい。
本発明の伸縮性緯編地は、衣服として着用時の動作により弾性糸が効率よく伸長されることも重要である。すなわち、本発明によるループ比(Lb/La)が、1.15≦Lb/La≦1.75を満足することにより効率的に弾性糸が伸長され、より好ましくは1.20≦Lb/La≦1.70である。
本発明の伸縮性緯編地におけるLa及びLbの各ループ長の測定方法について図4を参照して説明する。編地の経緯両方向へ30%伸長し、この状態で編地のニードルループ側を拡大観察する。図4に示すように、非弾性糸のニードルループの下部両側で観察可能なニードルループの最下部2カ所をそれぞれ、始点bと終点cとし、始点bから終点cに至るループ長を測定して、非弾性糸のニードルループ(a)の長さとする。シンカーループについては、図4に示すように、2ウェール間で観察されるニードルループとニードルループ間の弾性糸について、弾性糸の両端をシンカーループの始点eと終点fとし、その間の長さを測定し、弾性糸のシンカーループ(d)の長さとする。
カバーリング糸を使用している場合等、弾性糸が非弾性糸に覆われている場合は、弾性糸の所在する部位を推定して弾性糸の長さを測定する。この場合、非弾性糸で覆われている部分の弾性糸は直線状に存在するものとして測定する。また、弾性糸がウェルト組織によりシンカーループが2ウェール以上に跨っている場合は、シンカーループの途中に存在するニードルループに隠されている部分のシンカーループは測定せずに表面から観察されるシンカーループのみの長さを測定し、各ウェールのシンカーループ長の和をシンカーループ(d)長とする。
弾性糸及び非弾性糸のどちらも、繊維束の幅方向中央部の長さを測定する。それぞれ測定後に非弾性糸のニードルループ(a)の長さに弾性糸のシンカーループ(d)の長さを加え、編組織一単位中のループの長さの合計を求めてLaとする。次いで、編地をさらに経方向又は緯方向へ50%伸長し、同様にして編組織一単位中のループの長さの合計を求めてLbとする。このような測定を経方向及び緯方向の両方で行ない、経方向伸長又は緯方向伸長いずれかの方向において、1.15≦Lb/La≦1.75となればよい。なお、一方向しか伸長できない編地の場合は、伸長可能な方向のみを測定してループの長さとする。
なお、Lb測定時に経緯いずれか1方向にさらに伸長するが、この際の伸長量は基本的に50%とするが、編地伸度が低くて伸長困難な場合は、編地を初期長10.0cm、幅2.5cmにサンプリングし、22.05Nの荷重下まで編地を伸長してLbを測定する。
La及びLbの測定において、各ループの長さをミクロン(μm)単位で測定し、少なくとも小数点3桁目までの長さを求め、任意に10カ所測定した平均長さを求める。この平均長さに基づいてLb/Laを計算し、小数点3桁目を四捨五入する。
また、編組織一単位とは、ニードルループとシンカーループとの組織で、繰り返される一単位をいい、例えば、ウェール方向にニットとタックを1ウェール毎に繰り返す場合は、タックループもニードルループとして、ニットループ1ループとタックループ1ループとの和が一単位のニードルループであり、これに、シンカーループ2ループを加えた長さがLa又はLbとなる。なお、編組織がウェルトの場合は、非弾性糸によるニードルループの幅を、ウェルト組織時のニードルループ長とする。
また、経方向に50%伸長した場合、主にニードルループが伸長され、シンカーループの伸長は少ない。一方、緯方向に50%伸長した場合は、主にシンカーループが伸長されニードルループの伸長は少ないのが一般的である。従って、伸長時の発熱は、経方向の伸長時にはニードルループが大きく寄与し、逆に、緯方向の伸長時にはシンカーループが大きく寄与している。これらの各ループのみに注目し、La及びLb測定時のニードルループの変化量のみを取り出した場合、経方向50%伸長時のニードルループの変化量は、伸長前に比べて1.1〜1.7倍が好ましく、緯方向50%伸長時のシンカーループ変化量は伸長前に比べて、1.8〜4.0倍が好ましい。なお、この場合、編地伸長量よりも変化量が大きくなるのは、シンカーループが伸長により長くなるのは当然であるが、本発明の伸縮性緯編地ではニードルループ部分は伸長してもしっかり固定されていることが多く、ニードルループ部分が緯方向に伸長され難く、その分シンカーループが編地伸長量以上に伸ばされることになり、その結果、編地伸長量よりもシンカーループの変化量が多くなるのである。
本発明による伸縮性緯編地で、ループ長の変化比Lb/Laを1.15≦Lb/La≦1.75とするには、下げカムの深さ(度目)、シンカー形状の変更及び糸供給量の調整により弾性糸の湾曲や蛇行を減らすこと、さらに、特に染色加工時の密度コントロールにより可能である。すなわち、編地の生機は染色加工により密度が大きく増加し、生機の状態より1.3〜1.8倍程度密度アップすることが一般的である。これは、弾性糸を含有する従来の一般の編地は伸縮性付与が大きな目的で、密度アップをこの程度にすることにより、良好な伸縮性を有する編地が得られるからである。これに対し本発明の伸縮性緯編地は、伸長時に発熱させることが目的で、編地の伸長時、編地中の弾性糸が効率よく伸長される必要がある。従って、染色加工上がりの編地の弾性糸はほぼ真っ直ぐな状態となるよう、染色加工後の編地の密度は生機とほぼ同じ状態に仕上げるのが望ましく、特にプレセット時に生機と同じ状態となるよう密度コントロールすればよい。
本発明の伸縮性緯編地について、さらに、衣服着用時に動き易き易いよう、なるべく少ない弾性糸の含有量でより伸長発熱する編地設計について検討した結果、本発明者らは、弾性糸と非弾性糸との繊度比が重要であることを見出した。すなわち、弾性糸の含有量が少なくても、非弾性糸との組み合わせ方によっては伸長発熱温度が高く、また逆に弾性糸の含有量が多くても非弾性糸との組み合わせ方によっては伸長発熱温度が高く、かつ、編地応力も高くなり過ぎない組み合わせがあり、これら弾性糸と非弾性糸の糸使いが重要である。染色仕上げ加工後、製品での緯編地を構成する弾性糸の組織と緯編地を構成する非弾性糸の組織との繊度比を1.0〜2.5とすることにより、好適に伸長発熱することが可能で、繊度比が1.0未満では、編地がハイパワーとなって衣服とした際は動き難くなり、また、繊度比が2.5より大きい場合も、風合いが硬くなり、動き難い衣服となるとともに、伸長発熱温度が十分に上昇しない。
なお、本願明細書中、緯編地を構成する弾性糸の組織、緯編地を構成する非弾性糸の組織とは以下のように定義する。
緯編地を構成する組織(編順で示す各コースの組織)で、弾性糸で構成する最もニットループが多い組織、及び非弾性糸で構成する最もニットループが多い組織について、それぞれ別々に繊度を測定する。例えば、図1での弾性糸の緯編地を構成する組織とは、編順2又は4の組織であり、非弾性糸の緯編地を構成する組織とは、編順1又は3の組織であり、図2での弾性糸の緯編地を構成する組織は、編順1、3又は5のいずれかであり、非弾性糸の緯編地を構成する組織は1、3又は5のいずれかであり、図3での弾性糸の緯編地を構成する組織は、編順1、2、4又は5のいずれかであり、非弾性糸の緯編地を構成する組織は、1〜6のいずれかである。非弾性糸が紡績糸である場合も同様である。弾性糸又は非弾性糸で構成する組織が2種以上の糸で構成され、同じニットループ数である場合には、最も繊度の小さい糸で構成される組織を緯編地を構成する組織とする。さらに、弾性糸がカバーリング糸、撚糸、噴射加工糸等の被覆弾性糸である場合は、被覆弾性糸の弾性糸と非弾性糸との繊度比を求める。被覆弾性糸で使用されている非弾性糸が2種以上の場合は、最も細い非弾性糸と弾性糸との繊度比を求めればよい。さらに、弾性糸が2種以上の場合は、ニットループが最も多い弾性糸と非弾性糸との繊度比を求め、弾性糸が2種以上で、ニットループ数が同じ場合には、最も太い弾性糸と非弾性糸との繊度比を求める。
本発明による伸縮性緯編地では、弾性糸と非弾性糸との繊度比を1.0〜2.5とするが、通常の緯編地の繊度比は2.8〜5.0程度であるため、本発明の伸縮性緯編地は弾性糸の繊度が非弾性糸の繊度に比較して大きいのが特徴であり、この編地を通常に編成して仕上げた場合、風合いが硬く、編地応力が高くなりすぎることがある。そこで、本発明の伸縮性緯編地を製造する場合、編成時に弾性糸を通常より多く伸長して、編地中の弾性糸を見掛け上細くなる様に編成することが重要であり、具体的には、非弾性糸と弾性糸とがプレーティング等同組織である場合、非弾性糸と弾性糸との伸長比(弾性糸の伸長比=非弾性糸の編込み長/弾性糸の編込み長)を3.0〜3.8に設定すればよい。
さらに、染色加工時、通常よりも編地を伸長気味に仕上げることが好ましく、目安としては生機とほぼ同密度で仕上げるようにする。これにより、弾性糸の含有量は少し低下するが編地中の弾性糸は伸長されたままとなる結果、通常の緯編地では、弾性糸原糸の繊度と、染色加工後の弾性糸の繊度とを比較すると、染色加工後の弾性糸の繊度は、原糸の繊度と同じかそれより数%細くなっているのに対し、本発明の伸縮性緯編地では、弾性糸原糸の繊度と染色加工後の繊度を比較した場合、染色加工後、10〜20%程度弾性糸が細くなり、伸長発熱温度の低下は少ないのに編地応力は低くすることが可能となっている。さらに、染色加工時に重要なことは、ヒートセット時、セット温度を高くする、セット時間を長くするなど、熱処理条件を強くして、編地を伸長したままセットして、編地中の弾性糸をなるべく細くすることである。また、これらの編地を伸長してセットする目安としては、初期長10.0cm、幅2.5cmにサンプリングした編地の9.8N荷重下での編地伸度を、最大でも180%以内となるよう設定することが好ましい。
本発明の伸縮性緯編地の繊度比は、非弾性糸に比較して一般の緯編地に対して弾性糸の繊度が大きいのが特徴であり、このままで編地を仕上げた場合は高応力となって着用時動き難い製品となりがちである。そこで、本発明伸縮性緯編地では、弾性糸の含有量、弾性糸と非弾性糸との繊度比に加え、編地の経方向密度(コース/インチ)と編地の緯方向密度(ウェール/インチ)との積である編地のループ数も重要であり、ループ数を特定の範囲内に入れることにより、伸長発熱と編地の応力とのバランスを最適化できるのであり、すなわち、ループ数が3000〜8000の範囲内が好ましく、弾性糸の含有量、弾性糸と非弾性糸との繊度比が規定の範囲内であっても伸張発熱温度が低かったり、編地が高応力となったりすることがある。つまり、ループ数が3000未満では編地の伸度が小さく、また、伸長発熱温度も低く、ループ数が8000より多い場合は編地が高応力となり、動き難い衣服となる、特に、ループ数が3000未満の場合は、衣服とした際に突っ張り感が高いとともに、編地の通気性も高くなることがあり、編地の伸長発熱温度そのものが低いことに加え、伸長発熱しても通気性が高い事より外気の流入が多く暖かく感じない。これらより、ループ数は好ましくは3000〜8000とし、より好ましくは3500〜7500とすればよい。これらループ数のコントロールは、繊度比、編機のゲージとともに、染色加工時の性量コントロールにより可能で、ループ数を大きくするには、繊度比を小さくする、編機ゲージを密にする、染色加工で編地を幅入れ、追い込み加工により達成し易い。特に、編地のウェールを40〜70ウェール/インチとなるよう設計するのが好ましい。また、さらに重要なことは、弾性糸の編成時、通常の編込み長よりも短くして編成することであり、弾性糸と非弾性糸がプレーティング(添え糸編)で同組織の場合、弾性糸と非弾性糸との編込み長さ比を3.0以上、つまり非弾性糸のループ長(編込み長)よりも弾性糸のループ長を短くし、3.0倍以上に伸長して高張力で編込むのがよく、弾性糸と非弾性糸との組織が異なる場合も、弾性糸を高張力で編込むのがよい。さらに、弾性糸を被覆弾性糸として編成する場合は、被覆弾性糸を製造する差、弾性糸を通常より多く3.0倍以上に伸長しながら被覆弾性糸を製造し、編機上でも高張力で編成すればループ数コントロールが容易に可能となり、伸長発熱温度が高い編地が得られる。
本発明による伸縮性緯編地は、パンスト編機等の筒編編機、小寸の釜径編機を含むシングル丸編機、ダブル丸編機により製造可能であり、編組織については、天竺組織、スムース組織等のニットループ主体の編組織による編成が可能である。特に、天竺組織の場合は、32ゲージ以上の編機の使用が好ましく、また、スムース組織の場合は、弾性糸と非弾性糸とをプレーティング(添え糸編)して編成するのが好ましく、スムース組織では着用動作時に動き易いようにするために、弾性糸のプレーティングをすべてのコースに行うのではなく、1コース毎にプレーティングする等の方法により目的が達成可能である。より伸張発熱効果が高める為に、タックループ、ウェルトループ(ミスループとも称されるが、本願ではウェルトループと称す)を編地中にさらに配することは、これらのループが多くなるほど伸長発熱温度が高くなるため、好ましい。タックループ、ウェルトループの使用法については、弾性糸でタックループ又はウェルトループを形成するのが最も伸長発熱に効果的であるが、タックループ又はウェルトループは非弾性糸とし、該タックループ又はウェルトループの前後の少なくともいずれかのニットループを弾性糸で形成することも可能で、さらに、弾性糸でタックループ又はウェルトループを形成し、該タックループ又はウェルトループの前後の少なくともいずれかのニットループも弾性糸で形成すれば、高い伸長発熱温度が得られる、いずれも、弾性糸が伸ばされたループが形成され、伸長発熱温度を高くできて好ましいループ構造となる。また、これらタックループやウェルトループが多くなると伸度が低下し、伸びにくい編地となる傾向であるため、タックループ又はウェルトループをコース方向(編地経方向)に連続して組織するのは2コース以内とするのが好ましく、3コース以上連続すると編地伸度が極端に低下するため、低伸度を目的とする以外は避けるべきである。したがって、タックループ又はウェルトループの連続は2コース以内とするのが好ましいが、この場合、タックループとウェルトループの組み合わせでも2コース以内の連続とするのが好ましい。なお、タックループ又はウェルトループの連続は2コース以内とするが、斜め方向への連続は制限なく、また、ウェール方向(緯方向)への制限もなく編成可能な範囲での連続が可能である。さらに、タックループ又はウェルトループは、弾性糸の裸糸でも、非弾性糸とカバーリング、撚糸、噴射加工糸等による被覆弾性糸でも構わない。
本発明の伸縮性緯編地では、タックループ又はウェルトループを編地中に組織することが好ましいが、これらタックループ又はウェルトループは、単独又は組み合わさって組織されていてもよく、組み合わせの例としてウェール方向にニットループとタックループ又はウェルトループとを交互に又は任意な繰返し単位で配置した組織、あるいは、コース方向に、ニットループとタックループ又はウェルトループとを交互に又は任意な繰返し単位で配置した組織が使用できる。
ニットループと、タックループ及び/又はウェルトループとの編地中の比率については、少なくとも編地片面のタックループ及び/又はウェルトループ数が編地表面の全ループ数の20〜60%となるよう調整する。タックループ及び/又はウェルトループが20%未満では伸長発熱効果が小さく発熱し難い編地となり、60%より多いと伸長発熱温度は高いが伸びにくい編地となり、衣服として着用時に動き難い製品となり好ましくない。従い、タックループ及び/又はウェルトループの比率は20〜60%とし、好ましくは25〜50%とすればよい。なお、編地中のタックループ及び/又はウェルトループの割合は、編組織の一完全組織内のニットループ、タックループ、及びウェルトループのそれぞれのループ数より計算する。無論、編地中にニットループのみの部分が大きな面積を占めていて、タックループやウェルトループが組み込まれている部分が縞状、あるいは島状に存在している設計も可能であるが、この場合、ニットループの部分の伸張発熱温度は低いので、膝や肘部など伸縮する部位にタックループやウェルトループが組織されている部分となるよう製品で配置すればよい。
なお、これらタックループ及び/又はウェルトループの配置は、ダブル丸編機の場合、シリンダー又はダイアルの少なくとも一方の組織内で配置されていることが重要で、シリンダーとダイアルは、それぞれ独立しているとみなし、それぞれの側に組織されているループ形状で判断する。また、タックループ及び/又はウェルトループは、弾性糸と非弾性糸両方で形成されているのが好ましいが、弾性糸のみ又は非弾性糸のみで形成されていてもよい。
本発明の伸縮性緯編地の染色仕上げ方法としては、通常の染色仕上げ工程を使用でき、使用する繊維素材に応じた染色条件とし、使用する染色機も液流染色機、ウインス染色機およびパドル染色機など任意であり、吸水性や柔軟性を向上させる加工剤や、保温性を高める加工剤の使用も可能である。
本発明の伸縮性緯編地は、スパッツ、スポーツタイツ、コンプレッションタイツ、ガードル等のスポーツ、インナー用等ボトム類、肌着、スポーツシャツ、コンプレッションシャツ等のトップス類、パンティーストッキング、ソックス、タイツ、レギンス等のレッグ類、肘サポーター、膝サポーター、腰サポーター、足首カバー、アームカバー、レッグカバー、ニーカバー、エルボーカバー、等のサポーター類、手袋等の、着用動作時に編地が伸長される関節部を覆う衣服に縫製すれば、日常の動作、運動により暖かい衣服となる。
特に、コンプレッションウェアやコンプレッションシャツ、すなわち、ジョギング、各種ゲーム、ウォ−キング等、主に運動時に肌に密着させて着用し、運動機能の向上、怪我の防止や保温を狙った長袖又は半袖等の袖付きシャツ、膝上、膝下又は足首までのスパッツ等では、目付けが150〜300g/m2程度の編地からなり、弾性糸を40〜50g/m2含有し、弾性糸と非弾性糸との繊度比を1.0〜2.2、応力比を0.60〜0.80程度の編地とし、この編地を肘、膝、股下、足首等の関節部へ使用すれば、特に高い発熱効果が得られるため、これら関節部に少なくとも本発明の編地が使用される様に縫製することが好ましい。より関節保護効果等を高める為に、関節部近傍に低伸度の部位を設けることも可能であり、低伸度部位の製造方法としては、編地編成時に組織で伸びなくする方法、製品縫製前に伸びにくいテープ状物を縫合又は接着により組み合わせる方法、縫い目で止める方法等があり、これらの方法により、関節保護等の機能が付加される。
また、タイツ、レギンス、ソックス等の薄手のレッグ衣料、釜径が24〜38インチ程度の丸編機、8〜20インチ程度の小寸丸編機、4インチ程度のパンスト編機、ソックス編機等の丸編機により製造されるボトム衣料等においても、本発明の伸縮性緯編地を使用すれば、日常の動作及び運動により暖かい衣服となる。さらに、弾性糸を20〜40g/m2含有し弾性糸と非弾性糸との繊度比を1.5〜2.5、応力比を0.40〜0.60程度の編地とすれば、ボトム衣料として、保温性に優れ、伸長部位の筋肉や関節を暖めることによる怪我の防止に効果を発揮する。これらの製品の場合も、より関節保護、ヒップアップ等の目的に、関節部近傍等に低伸度の部位を設けることも可能で、低伸度部位の製造方法としては、編地編成時に組織で伸びなくする方法、伸びにくいテープ状物を縫合又は接着により組み合わせる方法、縫い目で止める方法等があり、これらの方法により、関節保護、ヒップアップ等の機能が付加される。
さらに、肌着等の薄手のインナーは、釜径が24〜38インチ程度の丸編機、8〜20インチ程度の小寸丸編機により製造可能で、本発明の伸縮性緯編地を適用し衣服として着用すれば日常の動作により暖かい衣服となる。さらに、弾性糸を20〜40g/m2含有し弾性糸と非弾性糸との繊度比を1.5〜2.5、応力比を0.40〜0.50程度の編地とすれば、肌着として動き易く、保温性にも優れ、特に、吸湿発熱素材等の発熱素材と組み合わせることにより、動作しない時でも暖かく、動作でより暖かくなる肌着が得られる。
[経編地]
本発明による経編地、つまり、本発明の伸縮性経編地(以降、同じ表現で説明する)は、26〜40ゲージの複数筬の経編機により製造される非弾性糸と弾性糸とからなる経編地であって、該弾性糸の含有量が30〜60g/m2であり、該経編地を80%まで伸長後元の長さに戻し、伸縮途中の50%時点での往路応力と復路応力により求められる応力比が、0.40〜0.80であり、かつ、経緯少なくとも一方向の伸長時瞬間発熱温度が1.0℃以上であることを特徴とする。
本発明における伸縮性経編地において、60〜100%伸長時の瞬間発熱温度を1.0℃以上とするには、弾性糸が伸長発熱に大きく寄与している為、弾性糸の含有率が重要であり、そのため、編地中に弾性糸を30〜60g/m2含有させることが必要である。弾性糸を多く含有するほど発熱温度が高くなるため、編地中の弾性糸の含有率は、好ましくは25〜45g/m2である。弾性糸の含有量が少ないと伸長発熱温度が低く、また、弾性糸の含有量が多くなり過ぎると編地重量が増し、編地がハイパワーとなって衣服として動き難くなるため、弾性糸の含有量は40〜60g/m2とするのがよい。
伸縮性経編地では、編地中の弾性糸の蛇行や湾曲が極めて小さく、編地の伸長が効率よく弾性糸を伸長することになり、その結果、伸長時高い発熱の編地となる。従来編地と本発明の伸縮性経編地とのこれらの構造的な差異は、Lb/Laにより求められるループ比であり、伸長時高い発熱の編地とするためには、1.15≦Lb/La≦1.65を満足することが好ましく、編組織や染色加工工程条件を調整することより、Lb/Laをこの範囲にすることができる。Lb/Laがこの範囲内であれば着用感を損なうことなく編地は伸長時に発熱する。なお、Lb/Laが1.15未満であれば、編地中の弾性糸の伸長率が低く、その結果、伸長時の発熱温度も実感できないほど低い。さらに、弾性糸の伸長及び伸長回復が悪く、伸長した編地が元に戻らず編地が波打って型崩れが生じ易い。また、1.65より大きいと、弾性糸のパワーが高くなりすぎるため着用し難かったり、動き難い衣服となるばかりでなく、編地の変形が大きく、弾性糸と共に非弾性糸の変形も大きくなりすぎる結果、伸長回復性が不足し、伸長緩和時に編地が波打ったり、洗濯による寸法変化が生じたりして、型崩れの原因となる。従って、LaとLbは、1.15≦Lb/La≦1.65を満足することが好ましく、より好ましくは1.20≦Lb/La≦1.60である。その結果、伸長により発熱するとともに、着用時及び洗濯時に型崩れのない衣服とすることが可能となる。
以下、各ループ長の測定方法について図5を参照して説明する。編地の経緯両方向へ30%伸長し、この状態で編地のニードルループ側を拡大観察する。図5に示すように、非弾性糸のニードルループの下部両側で観察可能なニードルループの最下部2カ所をそれぞれ、始点2と終点3とし、始点2から終点3に至るループ長を測定して、非弾性糸のニードルループ(1)の長さとする。シンカーループについては、図5に示すように、2ウェール間で観察されるニードルループとニードルループ間の弾性糸について、弾性糸の両端をシンカーループの始点5と終点6とし、その間の長さを測定し、弾性糸のシンカーループ(4)の長さとする。
カバーリング糸を使用している場合等、弾性糸が非弾性糸に覆われている場合は、弾性糸の所在する部位を推定して弾性糸の長さを測定する。この場合、非弾性糸で覆われている部分の弾性糸は直線状に存在するものとして測定する。また、弾性糸が2針振り等によりシンカーループが2ウェール以上に跨っている場合は、シンカーループの途中に存在するニードルループに隠されている部分のシンカーループは測定せずに表面から観察されるシンカーループのみの長さを測定し、各ウェールのシンカーループ長の和をシンカーループ(4)長とする。
弾性糸及び非弾性糸のどちらも、繊維束の幅方向中央部の長さを測定する。それぞれ測定後に非弾性糸のニードルループ(1)の長さに弾性糸のシンカーループ(4)の長さを加え、編組織一単位中のループの長さの合計を求めてLaとする。次いで、編地をさらに経方向又は緯方向へ50%伸長し、同様にして編組織一単位中のループの長さの合計を求めてLbとする。このような測定を経方向及び緯方向の両方で行ない、経方向伸長又は緯方向伸長いずれかの方向において、1.15≦Lb/La≦1.65となればよい。なお、一方向しか伸長できない編地の場合は、伸長可能な方向のみを測定してループの長さとする。
なお、Lb測定時に経緯いずれか1方向にさらに伸長するが、この際の伸長量は基本的に50%とするが、編地伸度が低くて伸長困難な場合は、編地を初期長10.0cm、幅2.5cmにサンプリングし、22.05Nの荷重下まで編地を伸長してLbを測定する。
La及びLbの測定において、各ループの長さをミクロン(μm)単位で測定し、少なくとも小数点3桁目までの長さを求め、任意に10カ所測定した平均長さを求める。この平均長さに基づいてLb/Laを計算し、小数点3桁目を四捨五入する。
また、編組織一単位とは、ニードルループとシンカーループとの組織で繰り返される一単位をいい、例えば、デンビー組織の様にニットループとシンカーループが一定の規則で繰り返される場合は、ニットループ1ループと、シンカーループ1ループとを加えた長さがLa又はLbとなり、また、コース方向にニットと挿入を1コース毎に繰り返す場合は、挿入部分のループもニットループとして扱い、ニットループ1ループと、挿入部分のループと、シンカーループ2ループとを加えた長さがLa、又はLbとなる。
また、経方向に50%伸長した場合、主にニードルループが伸長され、シンカーループの伸長は少ない。一方、緯方向に50%伸長した場合は、主にシンカーループが伸長されニードルループの伸長は少ないのが一般的である。従って、伸長時の発熱は、経方向の伸長時にはニードルループが大きく寄与し、逆に、緯方向の伸長時にはシンカーループが大きく寄与している。これらの各ループのみに注目し、La及びLb測定時のニードルループの変化量のみを取り出した場合、経方向50%伸長時のニードルループの変化量は、伸長前に比べて1.1〜1.6倍が好ましく、緯方向50%伸長時のシンカーループ変化量は伸長前に比べて、1.8〜4.0倍が好ましい。なお、この場合、編地伸長量よりも変化量が大きくなるのは、シンカーループが伸長により長くなるのは当然であるが、本発明の伸縮性緯編地ではニードルループ部分は伸長してもしっかり固定されていることが多く、ニードルループ部分が緯方向に伸長され難く、その分シンカーループが編地伸長量以上に伸ばされることになり、その結果、編地伸長量よりもシンカーループの変化量が多くなるのである。
本発明による伸縮性経編地で、ループ長の変化比Lb/Laを1.15≦Lb/La≦1.65とするには、ランナー長、シンカー形状の変更及びノックオーバー深さの調整により弾性糸の湾曲や蛇行を減らすこと、さらに、特に染色加工時の密度コントロールにより可能である。すなわち、編地の生機は染色加工により密度が大きく増加し、生機の状態より1.3〜1.8倍程度密度アップすることが一般的である。これは、弾性糸を含有する従来の一般の編地は伸縮性付与が大きな目的で、密度アップをこの程度にすることにより、良好な伸縮性を有する編地が得られるからである。これに対し本発明の伸縮性経編地は、伸長時に発熱させることが目的で、編地の伸長時、編地中の弾性糸が効率よく伸長される必要がある。従って、染色加工上がりの編地の弾性糸はほぼ真っ直ぐな状態となるよう、染色加工後の編地の密度は生機とほぼ同じ状態に仕上げるのが望ましく、特にプレセット時に生機と同じ状態となるよう密度コントロールすればよい。
本発明の伸縮性経編地について、さらに、衣服着用時に動き易き易いよう、なるべく少ない弾性糸の含有量でより伸長発熱する編地設計について検討した結果、本発明者らは、弾性糸と非弾性糸との繊度比が重要であることを見出した。すなわち、弾性糸の含有量が少なくても、非弾性糸との組み合わせ方によっては伸長発熱温度が高く、また逆に弾性糸の含有量が多くても非弾性糸との組み合わせ方によっては伸長発熱温度が高く、かつ、編地応力も高くなり過ぎない組み合わせがあり、これら弾性糸と非弾性糸の糸使いが重要である。染色仕上げ加工後、製品での経編地を構成する弾性糸の組織と経編地を構成する非弾性糸の組織との繊度比を1.0〜2.5とすることにより、好適に伸長発熱することが可能で、繊度比が1.0未満では、編地がハイパワーとなって衣服とした際は動き難くなり、また、繊度比が2.5より大きい場合も、風合いが硬くなり、動き難い衣服となるとともに、伸長発熱温度が十分に上昇しない。
なお、本願明細書中、経編地を構成する弾性糸の組織、経編地を構成する非弾性糸の組織とは以下のように定義する。
複数の筬により経編地を構成する組織で、弾性糸、非弾性糸ともに最もニートループが多い組織、また、弾性糸、非弾性糸が複数の筬を使用している場合も、最もニットループが多い筬による組織であり、さらに、それぞれ複数の筬を使用している際は、弾性糸の場合は最も太い弾性糸の筬による最もニットループが多い組織、非弾性糸の場合は最も細い非弾性糸の筬による最もニットループが多い組織について、それぞれ別々に繊度を測定する。
例えば、3枚筬組織で、フロント非弾性糸54dtのコード組織、ミドル非弾性糸33dtのデンビー組織、バック弾性糸33dtのデンビー組織の場合、経編地を構成する弾性糸の組織で使用している繊維は33dt、経編地を構成する非弾性糸の組織で使用している繊維は33dtで、これらの繊度比を求める。
本発明による伸縮性経編地では、弾性糸と非弾性糸との繊度比を1.0〜2.5とするが、通常の経編地の繊度比は2.8〜5.0程度であるため、本発明の伸縮性経編地は弾性糸の繊度が非弾性糸の繊度に比較して大きいのが特徴であり、この編地を通常に編成して仕上げた場合、風合いが硬く、編地応力が高くなりすぎることがある。そこで、本発明の伸縮性経編地を製造する場合、編成時に弾性糸を通常より多く伸長して、編地中の弾性糸を見掛け上細くなる様に編成することが重要であり、具体的には、弾性糸のランナーをなるべく短くするのがよい。
さらに、染色加工時、通常よりも編地を伸長気味に仕上げることが好ましく、目安としては生機とほぼ同密度で仕上げるようにする。これにより、弾性糸の含有量は少し低下するが編地中の弾性糸は伸長されたままとなる結果、通常の経編地では、弾性糸原糸の繊度と、染色加工後の弾性糸の繊度とを比較すると、染色加工後の弾性糸の繊度は、原糸の繊度と同じかそれより数%細くなっているのに対し、本発明の伸縮性経編地では、弾性糸原糸の繊度と染色加工後の繊度を比較した場合、染色加工後、10〜20%程度弾性糸が細くなり、伸長発熱温度の低下は少ないのに編地応力は低くすることが可能となっている。さらに、染色加工時に重要なことは、ヒートセット時、セット温度を高くする、セット時間を長くするなど、熱処理条件を強くして、編地を伸長したままセットして、編地中の弾性糸をなるべく細くすることである。また、これらの編地を伸長してセットする目安としては、初期長10.0cm、幅2.5cmにサンプリングした編地の9.8N荷重下での編地伸度を、最大でも180%以内となるよう設定することが好ましい。
本発明の伸縮性経編地の繊度比は、非弾性糸に比較して一般の経編地に対して弾性糸の繊度が大きいのが特徴であり、このままで編地を仕上げた場合は高応力となって着用時動き難い製品となりがちである。そこで、本発明伸縮性経編地では、弾性糸の含有量、弾性糸と非弾性糸との繊度比に加え、編地の経方向密度(コース/インチ)と編地の緯方向密度(ウェール/インチ)との積である編地のループ数も重要であり、ループ数を特定の範囲内に入れることにより、伸長発熱と編地の応力とのバランスを最適化できるのであり、すなわち、ループ数が5000〜12000の範囲内が好ましく、弾性糸の含有量、弾性糸と非弾性糸との繊度比が規定の範囲内であっても伸張発熱温度が低かったり、編地が高応力となったりすることがある。つまり、ループ数が5000未満では編地の伸度が小さく、また、伸長発熱温度も低く、ループ数が12000より多い場合は編地が高応力となり、動き難い衣服となる、特に、ループ数が5000未満の場合は、衣服とした際に突っ張り感が高いとともに、編地の通気性も高くなることがあり、編地の伸長発熱温度そのものが低いことに加え、伸長発熱しても通気性が高い事より外気の流入が多く暖かく感じない。これらより、ループ数は好ましくは5000〜12000とし、より好ましくは5500〜11500とすればよい。これらループ数のコントロールは、繊度比、編機のゲージとともに、染色加工時の性量コントロールにより可能で、ループ数を大きくするには、繊度比を小さくする、編機ゲージを密にする、染色加工で編地を幅入れ、追い込み加工により達成し易い。特に、編地のウェールを50〜80ウェール/インチとなるよう設計するのが好ましい。また、さらに重要なことは、弾性糸の編成時、通常よりもランナーを短くして編成することである。但し、ランナーを短くし過ぎると糸切れ等のトラブルも発生するので、可能な範囲でランナーを短くすればよい。
本発明による伸縮性経編地は、通常のシングルトリコット編機、ダブルトリコット編機、シングルラッセル編機、ダブルラッセル編機により編成可能であり、編組織については、通常の組織により編成が可能であるが、挿入組織の連続は2コース以下が好ましい。特に、シングルトリコット編機、シングルラッセル編機による弾性糸の組織において、開き目によるニットループを形成するのが好ましく、これにより、衣服として着用動作時に動き易くすることが可能となる。開き目組織の例として、01/21、01/32、01/12/32等、ニットループ全てが開き目であることが好ましい。なお、これらの開き目は、弾性糸の裸糸でも、非弾性糸とカバーリング、撚糸、噴射加工糸等による被覆弾性糸でも構わない。なお、弾性糸は開き目であることが好ましいが、非弾性糸については、開き目、閉じ目、開き目と閉じ目の組み合わせ等を、任意に選択できる。
本発明の伸縮性経編地は、スパッツ、スポーツタイツ、コンプレッションタイツ、ガードル等のスポーツ、インナー用等ボトム類、肌着、スポーツシャツ、コンプレッションシャツ等のトップス類、パンティーストッキング、ソックス、タイツ、レギンス等のレッグ類、肘サポーター、膝サポーター、腰サポーター、足首カバー、アームカバー、レッグカバー、ニーカバー、エルボーカバー、等のサポーター類、手袋等の、着用動作時に編地が伸長される関節部を覆う衣服に縫製すれば、日常の動作、運動により暖かい衣服となる。
特に、コンプレッションウェアやスポーツシャツ、すなわち、ジョギング、各種ゲーム、ウォ−キング等、主に運動時に肌に密着させて着用し、運動機能の向上、怪我の防止や保温を狙った長袖又は半袖等の袖付きシャツ、膝上、膝下又は足首までのスパッツ等では、目付けが150〜300g/m2程度の編地からなり、弾性糸を40〜50g/m2含有し、弾性糸と非弾性糸との繊度比を1.2〜2.2、応力比を0.50〜0.70程度の編地とし、この編地を肘、膝、股下、足首等の関節部へ使用すれば、特に高い発熱効果が得られるため、これら関節部に少なくとも本発明の編地が使用される様に縫製することが好ましい。より関節保護効果等を高める為に、関節部近傍に低伸度の部位を設けることも可能であり、低伸度部位の製造方法としては、編地編成時に鎖編や挿入組織により伸びなくする方法、製品縫製前に伸びにくいテープ状物を縫合又は接着により組み合わせる方法、縫い目で止める方法等があり、これらの方法により、関節保護等の機能が付加される。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例における評価は以下の方法により行なった。
(1)サンプリング
以下の測定を行う場所は基本的にランダムで数箇所行なうが、編組織、糸使い、樹脂プリントの有無等によって布帛性能が部分的に異なる編地においては、本発明の性能を満たす部分が確認できない場合、本発明の性能が発現する可能性が高い箇所を優先して測定することができ、経方向と緯方向それぞれの測定を行えるようサンプリングすればよい。
編組織、糸使い、樹脂プリントの有無等が均一である編地においては、サンプリング箇所はランダムでよく、経方向と緯方向それぞれの測定を行えるようサンプリングすればよい。
(2)瞬間発熱温度
瞬間発熱温度の測定は、下記の繰り返し伸縮試験機を使用し、伸長及び緩和(戻し)を規定速度で規定回数繰り返す間の最も高い試料表面温度を測定して求め、編地経方向、及び、緯方向の瞬間発熱温度を測定し、高い方向を瞬間発熱温度とする。なお、以下の応力比、伸張発熱効率も、瞬間発熱温度が高い方向についての応力比、伸長発熱効率を表示する。
繰り返し伸縮機:デマッチャー試験機((株)大栄科学精器製作所製)
試料の大きさ:長さ100mm(把持部除く)、幅60mm
測定環境:温度20℃、湿度65%RHの恒温恒湿条件。伸縮以外に外部からのエネルギー供給を受けない状態で測定する。
伸長量:2.5cm幅の編地の9.8N荷重下での編地伸度により設定し、編地伸度が100%以上の場合の伸長量は、100%、編地伸度が60%以上100%未満の場合の伸長量は、9.8N荷重下の伸度と同じとする。
繰り返し伸縮サイクル:2回/秒
発熱温度測定:繰り返し伸長100回中、及び伸長終了後の試料表面温度を連続的にサーモグラフィで測定する。サーモグラフィの放射率は1.0に設定する。
発熱温度評価:測定する試料表面が最高温となったときの温度を読み取り、伸縮前の温度と比べ上昇した温度を瞬間発熱温度とする。
編地伸度:長さ100mm(把持部除く)、幅25mmでテンシロン引張り試験機((株)オリエンテック製 RTC−1210A)を使用し、下記条件で伸長し、9.8N荷重下での伸度を測定し、小数点以下1桁目を四捨五入して百分率(%)で求める。
初荷重0.1N
引張り速度及び回復速度:300mm/分
引張り長:9.8N荷重まで伸長
測定:上記条件で伸長し、9.8N荷重での経方向および緯方向それぞれの伸度を求める。
(3)弾性糸含有量
編地中の弾性糸含有量(g/m2)を、次の方法により求め、小数点以下一桁を四捨五入する。
編地中の非弾性糸を溶解等により除去し、弾性糸のみの重量を測定して単位面積当りの重量に換算する。非弾性糸を除去することが困難であれば、重量測定後の編地から、弾性糸を溶解等により除去し、非弾性糸のみの重量を測定して、重量減少した分を弾性糸重量とする。
(4)応力比
応力比を次の方法により測定する。
試料の大きさ:長さ100mm(把持部除く)、幅25mm
引張り試験機:テンシロン引張り試験機((株)オリエンテック製 RTC−1210A)
初荷重:0.1N
引張り速度、及び回復速度:300mm/分
引張り長、及び測定:80%伸長まで伸長し、同じ速度で伸長後元の長さに戻し(回復させ)、この条件で伸長、回復を3回繰り返し、3回目の伸縮途中の50%時点での往路応力と復路応力を求め、下記式により求める。なお、(1)の瞬間発熱温度測定時に測定した伸度が60〜80%の編地の場合は、60%まで伸長して、伸縮途中の50%時点での往路応力と復路応力を求め、下記式より小数点以下3桁目を四捨五入して求める。
応力比=(50%時点の復路応力(N))/(50%時点の往路応力(N))
(5)発熱指数
発熱指数は、伸度と応力比を求め、下記式:
発熱指数=(9.8N荷重下の伸度(%))×(応力比)
により小数点以下一桁目を四捨五入して求める。
なお、伸度は、前記(2)で求められる伸度と同じであり、応力比は、前記(4)で求められる応力比と同じである。
[実施例1]
32ゲージのシングル丸編機を使用し、図1に示すタック組織が部分的に入った並カノコ組織を編成するに際し、弾性糸44dtex(商品名ロイカSF:旭化成せんい(株)製)と、非弾性糸としてポリエステル1ヒーター加工糸56dtex/36fとを使用し、タックのある組織のみに弾性糸をプレーティングして編成し、天竺のみの部分は非弾性糸のみで編成した。なお、タックのある組織での非弾性糸と弾性糸との伸長比を3.2として編成した。
編成できた編地を連続精練機でリラックス及び精練を行い、次いで190℃で90秒間ほぼ生機の巾でプレセットを行い、その後、液流染色機でポリエステルの染色を行った。染色後にポリエステル系の吸水柔軟仕上げ剤を付与して、染色後とほぼ同密度で170℃60秒間仕上げセットを行い編地とした。
得られた編地の性能を評価した結果を以下の表1に示す。実施例1の本発明の編地では、伸長時瞬間発熱温度が1.0℃以上であり、衣服とした場合、動き易い衣服とすることができた。
[実施例2〜5、比較例1]
実施例1より密度を粗く幅出しセットして弾性糸含有量を下げた編地(実施例2)、弾性糸、非弾性糸の繊度を変更した編地(実施例3、実施例4、比較例1)、実施例4で編成時のループ長を短く、弾性糸の伸長率変更(実施例5)した以外は、実施例1と同様に編地を作製し、評価を行なった。なお、比較例1では前記の変更に加え、プレセット条件を185℃60秒間とした。結果を以下の表1に示す。
[実施例6と7]
また、特開平7−316922号公報の実施例4で用いられたポリウレタン重合体(A剤)、及び、特開2001−140127号公報の実施例1で用いられたウレタンウレア化合物(B剤)を準備し、弾性糸44dtex(商品名ロイカCR:旭化成せんい(株)製)製造時の紡糸浴に、A剤を7wt%及びB剤を3wt%添加(実施例6)、A剤を3wt%及びB剤を3wt%添加(実施例7)してパワーが異なる弾性糸を製造し、これを使用したことを除いて、実施例1と同様に編地を作製し、評価を行なった。結果を以下の表1に示す。
[実施例8]
28ゲージのシングル丸編機を使用し、図2に示す天竺組織にインレイ組織が部分的に入った組織を編成するに際し、弾性糸33dtex(商品名ロイカSF:旭化成せんい(株)製)と、非弾性糸としてポリエステル1ヒーター加工糸56dtex/36fとを使用し、非弾性糸と弾性糸との伸長比を3.3として、弾性糸を天竺組織部のみにプレーティングして編成した。
編成できた編地を連続精練機でリラックスおよび精練を行い、次いで195℃で70秒間ほぼ生機の巾でプレセットを行い、その後、液流染色機でポリエステルの染色を行った。染色後にポリエステル系の吸水柔軟仕上げ剤を付与して、染色後とほぼ同密度で170℃60秒間仕上げセットを行い編地とした。
得られた編地の性能を評価し結果を以下の表1に示すが、実施例8の本発明の編地では、伸長時瞬間発熱温度が1.0℃以上であり、衣服とした場合、動き易い衣服とすることができた。
[比較例2]
実施例8において、弾性糸と非弾性糸の繊度を変更し、プレセット条件を185℃60秒とした以外は、実施例8と同条件で編地を仕上げ、評価を行った。結果を以下の表1に示す。
[実施例9]
28ゲージのダブル丸編機を使用して図3の組織を編成するに当たり、弾性糸44dtex(商品名ロイカSF:旭化成せんい(株)製)、とナイロン1ヒーター加工糸44dtex/34fを準備して編成した。
編成できた編地を連続精練機でリラックス及び精練を行い、次いで190℃で90秒間生機密度とほぼ同じ密度となるよう巾、長さを調整してプレセットを行い、その後、液流染色機でナイロンの染色を行った。染色後に柔軟仕上げ剤をパディングして、170℃で1分の条件で仕上げセットを行い編地とした。
得られた編地の性能を評価し結果を以下の表1に示すが、実施例9の本発明の編地は、伸長時瞬間発熱温度が1.0℃以上であり、衣服とした場合、動き易い衣服とすることができた。
[実施例10]
40ゲージのダブル丸編機を使用し、スムース組織を編成するに当たり、非弾性糸にポリエステル1ヒーター加工糸33dtex/36f、弾性糸を弾性糸22dtex(商品名ロイカBX:旭化成せんい(株)製)を使用して全ての組織中にプレーティングして編成した。
編成できた編地を連続精練機でリラックス及び精練を行い、次いで195℃で70秒間ほぼ生機の巾でプレセットを行い、その後、液流染色機でポリエステルの染色を行った。染色後にポリエステル系の吸水柔軟仕上げ剤を付与して、染色後とほぼ同密度で170℃1分仕上げセットを行い編地とした。
得られた編地の性能を評価し結果を以下の表1に示すが、実施例10の本発明の編地は、伸長時瞬間発熱温度が1.0℃以上であり、衣服とした場合、動き易い衣服とすることができた。
[実施例11]
32ゲージのシングル丸編機を使用し、非弾性糸と弾性糸とのプレーティングにより天竺組織を編成するに際し、弾性糸33dtex(商品名ロイカSF:旭化成せんい(株)製)と、非弾性糸としてナイロン1ヒーター加工糸33dtex/24fとを使用し、非弾性糸と弾性糸との伸長比を3.0として編成した。
編成できた編地を連続精練機でリラックス及び精練を行い、次いで190℃で90秒間ほぼ生機の巾でプレセットを行い、その後、液流染色機でポリエステルの染色を行った。染色後にポリエステル系の吸水柔軟仕上げ剤を付与して、染色後とほぼ同密度で170℃60秒仕上げセットを行い編地とした。
得られた編地の性能を評価し結果を以下の表1に示すが、実施例11の本発明の編地は、伸長時瞬間発熱温度が1.0℃以上であり、衣服とした場合、動き易い衣服とすることができた。
[比較例3]
実施例11において、弾性糸のタイプを22dtex(商品名ロイカSF:旭化成せんい(株)製)とし、弾性糸と非弾性糸との伸長比を2.5、プレセット条件を190℃60秒とした以外は、実施例11と同様に編地を製造し、得られた編地の性能を評価した。結果を以下の表1に示す。
[実施例12]
32ゲージのシングルトリコット編機を使用し、フロント筬に非弾性糸のポリエステル56dtex/36f、バックに弾性糸33dtex(商品名ロイカSF:旭化成せんい(株)製)を使用し、次に示す開き目のハーフ組織にて編成した:
フトント 01/32
バック 21/01
編成できた編地を連続精練機でリラックス及び精練を行い、次いで190℃で90秒間ほぼ生機の巾でプレセットを行い、その後、液流染色機でポリエステルの染色を行った。染色後にポリエステル系の吸水柔軟仕上げ剤を付与して、染色後とほぼ同密度で170℃60秒間仕上げセットを行い編地とした。
得られた編地の性能を評価した結果を以下の表2に示す。実施例1の本発明の編地では、伸長時瞬間発熱温度が1.0℃以上であり、衣服とした場合、動き易い衣服とすることができた。
[実施例13〜17、比較例4〜5]
実施例12より密度を粗く幅出しセットして弾性糸含有量を下げた編地(実施例13)、弾性糸、非弾性糸の繊度を変更した編地(実施例14〜17、比較例4〜5)である以外は、実施例13と同様に編地を作製し、評価を行なった。なお、比較例4では前記の変更に加え、プレセット条件を185℃60秒間とした。結果を以下の表2に示す。
[実施例18]
また、特開平7−316922公報の実施例4で用いられたポリウレタン重合体を準備し、弾性糸44dtex(商品名ロイカCR:旭化成せんい(株)製)製造時の紡糸浴に、4.0wt%添加してパワーが異なる弾性糸を製造し、これを使用したことを除いて、実施例3と同様に編地を作製し、評価を行なった。結果を以下の表2に示す。
得られた編地の性能を評価した結果を以下の表2に示す。実施例18の本発明の編地では、伸長時瞬間発熱温度が1.0℃以上であり、衣服とした場合、動き易い衣服とすることができた。
[実施例19]
28ゲージのシングルトリコット編機を使用し、フロント筬に非弾性糸のナイロン78dtex/48f、バックに弾性糸44dtex(商品名ロイカCR:旭化成せんい(株)製)を使用し、次に示す弾性糸が開き目のハーフ組織にて編成した:
フトント 10/23
バック 21/01
編成できた編地を連続精練機でリラックス及び精練を行い、次いで190℃で90秒間ほぼ生機の巾でプレセットを行い、その後、液流染色機でポリエステルの染色を行った。染色後にポリエステル系の吸水柔軟仕上げ剤を付与して、染色後とほぼ同密度で170℃60秒間仕上げセットを行い編地とした。
得られた編地の性能を評価した結果を以下の表2に示す。実施例19の本発明の編地では、伸長時瞬間発熱温度が1.0℃以上であり、衣服とした場合、動き易い衣服とすることができた。
[実施例20]
32ゲージの3枚筬のシングルトリコット編機を使用し、フロント筬とミドル筬に非弾性糸のナイロン33dtex/24f、バックに弾性糸33dtex(商品名ロイカCR:旭化成せんい(株)製)とを使用し、次に示す組織にて編成した:
フトント 10/23
ミドル 12/10
バック 21/01
編成できた編地を連続精練機でリラックス及び精練を行い、次いで195℃で60秒間ほぼ生機の巾でプレセットを行い、その後、液流染色機でナイロンの染色を行った。染色後にポリエステル系の吸水柔軟仕上げ剤を付与して、染色後とほぼ同密度で170℃60秒間仕上げセットを行い編地とした。
得られた編地の性能を評価した結果を以下の表2に示す。実施例20の本発明の編地では、伸長時瞬間発熱温度が1.0℃以上であり、衣服とした場合、動き易い衣服とすることができた。
[実施例21]
36ゲージのシングルトリコット編機を使用し、フロント筬に非弾性糸のナイロン33dtex/24f、バックに弾性糸33dtex(商品名ロイカSF:旭化成せんい(株)製)を使用し、次に示すハーフ組織にて編成した:
フトント 10/23
バック 12/10
編成できた編地を連続精練機でリラックス及び精練を行い、次いで190℃で90秒間ほぼ生機の巾でプレセットを行い、その後、液流染色機でナイロンの染色を行った。染色後にポリエステル系の吸水柔軟仕上げ剤を付与して、染色後とほぼ同密度で170℃60秒間仕上げセットを行い編地とした。
得られた編地の性能を評価した結果を以下の表2に示す。実施例21の本発明の編地では、伸長時瞬間発熱温度が1.0℃以上であり、衣服とした場合、動き易い衣服とすることができた。
本発明の伸縮性編地は、着用動作時に伸長時瞬間的に温度上昇する編地であり、この編地をスポーツタイツ、スパッツ、コンプレッションタイツ、ガードル等の等ボトム類、肌着、シャツ、コンプレッションシャツ等トップス類、パンティーストッキング、ソックス、タイツ、レギンス等レッグ類、また、膝サポーター、肘サポーター、アームカバー、レッグカバー、ニーカバー、エルボーカバー等のサポーター類、手袋など、関節部を覆う衣服に縫製することにより、着用運動時に編地が発熱し、動き易くて暖かい衣服となる。
図1〜3中、
1〜6 編順
図4中、
a 非弾性糸のニードルループ(の長さ)
b 非弾性糸のニードルループの始点
c 非弾性糸のニードルループの終点
d 弾性糸のシンカーループ(の長さ)
e 弾性糸のシンカーループの始点
f 弾性糸のシンカーループの終点
図5中、
1 非弾性糸のニードルループ(の長さ)
2 非弾性糸のニードルループの始点
3 非弾性糸のニードルループの終点
4 弾性糸のシンカーループ(の長さ)
5 弾性糸のシンカーループの始点
6 弾性糸のシンカーループの終点
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[1]弾性糸と非弾性糸とからなる伸縮性編地であって、該弾性糸の含有量が20〜40g/m 2 未満であり、該編地を80%まで伸長後元の長さに戻し、伸縮途中の50%時点での往路応力と復路応力を測定したとき、下記式:
応力比=(50%時点の復路応力(N))/(50%時点の往路応力(N))
により求められる応力比が0.40〜0.80であり、かつ、前記編地を経緯両方向に30%伸長させた時の編組織一単位中の弾性糸のシンカーループの長さと非弾性糸のニードルループの長さとを加えた長さLaと、該編地を経緯いずれか1方向にさらに50%伸長させた場合の編組織一単位中の弾性糸のシンカーループの長さと非弾性糸のニードルループの長さとを加えた長さLbとのループ比=(Lb/La)が下記式:
1.15≦Lb/La≦1.75
を満たし、さらに、
前記編地を伸長したときの9.8N荷重下での伸度と、前記応力比を用いて下記式:
発熱指数=(9.8N荷重下の伸度(%))×(応力比)
により求められる発熱指数が40〜120であり、かつ、
経緯少なくとも一方向の伸長時瞬間発熱温度が1.0℃以上であることを特徴とする前記編地。
]緯編地である、前記[1]又は]に記載の編地。
]タックループ又はウェルトループが弾性糸で構成され、及び/又は、タックループ又はウェルトループで編成されるコース前後の少なくともいずれかのニットループが弾性糸により構成され、かつ、タックループ又はウェルトループが緯編地中の全ループの20〜60%で含有されている、前記[]に記載の緯編地。
]経編地である、前記[1]又は]に記載の編地。
]弾性糸の含有量が30〜40g/m2である、前記[]に記載の経編地。
]前記経編地を経緯両方向に30%伸長させた時の編組織一単位中の弾性糸のシンカーループの長さと非弾性糸のニードルループの長さとを加えた長さLaと、該経編地を経緯いずれか1方向にさらに50%伸張させた場合の編組織一単位中の弾性糸のシンカーループの長さと非弾性糸のニードルループの長さとを加えた長さLbとのループ比=(Lb/La)が下式:
1.15≦Lb/La≦1.65
を満たす、前記[]又は[]に記載の経編地。
]少なくとも弾性糸が開き目により編成されている、前記[]〜[]のいずれか1項に記載の経編地。
]前記[1]〜[]のいずれか1項に記載の編地を含み、身体に密着し、かつ、少なくとも関節部を覆う衣服。
10]衣服がボトム類、トップス類、レッグ類、サポーター類及び手袋からなる群から選ばれる、前記[]に記載の衣服。
(2)瞬間発熱温度
瞬間発熱温度の測定は、下記の繰り返し伸縮試験機を使用し、伸長及び緩和(戻し)を規定速度で規定回数繰り返す間の最も高い試料表面温度を測定して求め、編地経方向、及び、緯方向の瞬間発熱温度を測定し、高い方向を瞬間発熱温度とする。なお、以下の応力比、伸長発熱指数も、瞬間発熱温度が高い方向についての応力比、伸長発熱指数を表示する。
繰り返し伸縮機:デマッチャー試験機((株)大栄科学精器製作所製)
試料の大きさ:長さ100mm(把持部除く)、幅60mm
測定環境:温度20℃、湿度65%RHの恒温恒湿条件。伸縮以外に外部からのエネルギー供給を受けない状態で測定する。
伸長量:2.5cm幅の編地の9.8N荷重下での編地伸度により設定し、編地伸度が100%以上の場合の伸長量は、100%、編地伸度が60%以上100%未満の場合の伸長量は、9.8N荷重下の伸度と同じとする。
繰り返し伸縮サイクル:2回/秒
発熱温度測定:繰り返し伸長100回中、及び伸長終了後の試料表面温度を連続的にサーモグラフィで測定する。サーモグラフィの放射率は1.0に設定する。
発熱温度評価:測定する試料表面が最高温となったときの温度を読み取り、伸縮前の温度と比べ上昇した温度を瞬間発熱温度とする。
編地伸度:長さ100mm(把持部除く)、幅25mmでテンシロン引張り試験機((株)オリエンテック製 RTC−1210A)を使用し、下記条件で伸長し、9.8N荷重下での伸度を測定し、小数点以下1桁目を四捨五入して百分率(%)で求める。
初荷重0.1N
引張り速度及び回復速度:300mm/分
引張り長:9.8N荷重まで伸長
測定:上記条件で伸長し、9.8N荷重での経方向および緯方向それぞれの伸度を求める。
参考例1
28ゲージのシングル丸編機を使用し、図2に示す天竺組織にインレイ組織が部分的に入った組織を編成するに際し、弾性糸33dtex(商品名ロイカSF:旭化成せんい(株)製)と、非弾性糸としてポリエステル1ヒーター加工糸56dtex/36fとを使用し、非弾性糸と弾性糸との伸長比を3.3として、弾性糸を天竺組織部のみにプレーティングして編成した。
編成できた編地を連続精練機でリラックスおよび精練を行い、次いで195℃で70秒間ほぼ生機の巾でプレセットを行い、その後、液流染色機でポリエステルの染色を行った。染色後にポリエステル系の吸水柔軟仕上げ剤を付与して、染色後とほぼ同密度で170℃60秒間仕上げセットを行い編地とした。
得られた編地の性能を評価し結果を以下の表1に示すが、参考例1の本発明の編地では、伸長時瞬間発熱温度が1.0℃以上であり、衣服とした場合、動き易い衣服とすることができた。
参考例2
28ゲージのダブル丸編機を使用して図3の組織を編成するに当たり、弾性糸44dtex(商品名ロイカSF:旭化成せんい(株)製)、とナイロン1ヒーター加工糸44dtex/34fを準備して編成した。
編成できた編地を連続精練機でリラックス及び精練を行い、次いで190℃で90秒間生機密度とほぼ同じ密度となるよう巾、長さを調整してプレセットを行い、その後、液流染色機でナイロンの染色を行った。染色後に柔軟仕上げ剤をパディングして、170℃で1分の条件で仕上げセットを行い編地とした。
得られた編地の性能を評価し結果を以下の表1に示すが、参考例2の本発明の編地は、伸長時瞬間発熱温度が1.0℃以上であり、衣服とした場合、動き易い衣服とすることができた。
参考例3
32ゲージのシングルトリコット編機を使用し、フロント筬に非弾性糸のポリエステル56dtex/36f、バックに弾性糸33dtex(商品名ロイカSF:旭化成せんい(株)製)を使用し、次に示す開き目のハーフ組織にて編成した:
フトント 01/32
バック 21/01
編成できた編地を連続精練機でリラックス及び精練を行い、次いで190℃で90秒間ほぼ生機の巾でプレセットを行い、その後、液流染色機でポリエステルの染色を行った。染色後にポリエステル系の吸水柔軟仕上げ剤を付与して、染色後とほぼ同密度で170℃60秒間仕上げセットを行い編地とした。
得られた編地の性能を評価した結果を以下の表2に示す。実施例1の本発明の編地では、伸長時瞬間発熱温度が1.0℃以上であり、衣服とした場合、動き易い衣服とすることができた。
[実施例13、参考例4〜7、比較例45]
参考例3より密度を粗く幅出しセットして弾性糸含有量を下げた編地(実施例13)、弾性糸、非弾性糸の繊度を変更した編地(参考例4〜7、比較例45)である以外は、実施例13と同様に編地を作製し、評価を行なった。なお、比較例4では前記の変更に加え、プレセット条件を185℃60秒間とした。結果を以下の表2に示す。
参考例8
また、特開平7−316922公報の実施例4で用いられたポリウレタン重合体を準備し、弾性糸44dtex(商品名ロイカCR:旭化成せんい(株)製)製造時の紡糸浴に、4.0wt%添加してパワーが異なる弾性糸を製造し、これを使用したことを除いて、実施例3と同様に編地を作製し、評価を行なった。結果を以下の表2に示す。
得られた編地の性能を評価した結果を以下の表2に示す。参考例8の本発明の編地では、伸長時瞬間発熱温度が1.0℃以上であり、衣服とした場合、動き易い衣服とすることができた。
参考例9
28ゲージのシングルトリコット編機を使用し、フロント筬に非弾性糸のナイロン78dtex/48f、バックに弾性糸44dtex(商品名ロイカCR:旭化成せんい(株)製)を使用し、次に示す弾性糸が開き目のハーフ組織にて編成した:
フトント 10/23
バック 21/01
編成できた編地を連続精練機でリラックス及び精練を行い、次いで190℃で90秒間ほぼ生機の巾でプレセットを行い、その後、液流染色機でポリエステルの染色を行った。染色後にポリエステル系の吸水柔軟仕上げ剤を付与して、染色後とほぼ同密度で170℃60秒間仕上げセットを行い編地とした。
得られた編地の性能を評価した結果を以下の表2に示す。参考例9の本発明の編地では、伸長時瞬間発熱温度が1.0℃以上であり、衣服とした場合、動き易い衣服とすることができた。

Claims (13)

  1. 弾性糸と非弾性糸とからなる伸縮性編地であって、該弾性糸の含有量が20〜60g/m2であり、該編地を80%まで伸長後元の長さに戻し、伸縮途中の50%時点での往路応力と復路応力を測定したとき、下記式:
    応力比=(50%時点の復路応力(N))/(50%時点の往路応力(N))
    により求められる応力比が0.40〜0.80であり、かつ、経緯少なくとも一方向の伸長時瞬間発熱温度が1.0℃以上であることを特徴とする前記編地。
  2. 前記編地を構成する組織中の該弾性糸と該非弾性糸との繊度比=(非弾性糸の繊度/弾性糸の繊度)が1.0〜2.5である、請求項1に記載の編地。
  3. 前記編地を経緯両方向に30%伸長させた時の編組織一単位中の弾性糸のシンカーループの長さと非弾性糸のニードルループの長さとを加えた長さLaと、該編地を経緯いずれか1方向にさらに50%伸長させた場合の編組織一単位中の弾性糸のシンカーループの長さと非弾性糸のニードルループの長さとを加えた長さLbとのループ比=(Lb/La)が下記式:
    1.15≦Lb/La≦1.75
    を満たす、請求項1又は2に記載の編地。
  4. 前記編地を伸長したときの9.8N荷重下での伸度と、請求項1により求められる応力比を用いて下記式:
    発熱指数=(9.8N荷重下の伸度(%))×(応力比)
    により求められる発熱指数が40〜120である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の編地。
  5. 緯編地である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の編地。
  6. 弾性糸の含有量が20〜50g/m2である、請求項5に記載の緯編地。
  7. タックループ又はウェルトループが弾性糸で構成され、及び/又は、タックループ又はウェルトループで編成されるコース前後の少なくともいずれかのニットループが弾性糸により構成され、かつ、タックループ又はウェルトループが緯編地中の全ループの20〜60%で含有されている、請求項5又は6に記載の緯編地。
  8. 経編地である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の編地。
  9. 弾性糸の含有量が30〜60g/m2である、請求項8に記載の経編地。
  10. 前記経編地を経緯両方向に30%伸長させた時の編組織一単位中の弾性糸のシンカーループの長さと非弾性糸のニードルループの長さとを加えた長さLaと、該経編地を経緯いずれか1方向にさらに50%伸張させた場合の編組織一単位中の弾性糸のシンカーループの長さと非弾性糸のニードルループの長さとを加えた長さLbとのループ比=(Lb/La)が下式:
    1.15≦Lb/La≦1.65
    を満たす、請求項8又は9に記載の経編地。
  11. 少なくとも弾性糸が開き目により編成されている、請求項8〜10のいずれか1項に記載の経編地。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の編地を含み、身体に密着し、かつ、少なくとも関節部を覆う衣服。
  13. 衣服がボトム類、トップス類、レッグ類、サポーター類及び手袋からなる群から選ばれる、請求項12に記載の衣服。
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