JP3055821U - 保温性編地 - Google Patents

保温性編地

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宏之 宮田
剛 藤原
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有限会社藤原興産
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    • A41WEARING APPAREL
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D10INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBLASSES OF SECTION D, RELATING TO TEXTILES
    • D10BINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBLASSES OF SECTION D, RELATING TO TEXTILES
    • D10B2401/00Physical properties
    • D10B2401/02Moisture-responsive characteristics

Abstract

(57)【要約】 【課題】 外気に直接さらされる衣料である外衣製品用
の緯編地において,着用時の発汗などの水分を吸着して
発熱する湿潤発熱性の糸を用いるときに,編み組織内部
に熱を保留し,熱の散逸を少なくする編み組織を案出す
る. 【解決手段】 湿潤発熱性糸による両面編み組織もしく
はそえ糸編み組織とし,ニットループ部において,編み
目毎に表裏2系統の糸に囲まれた微細空間を設ける編み
組織とした.

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は,糸が持つ特定の機能を効率よく引き出すための編地組織に関する考 案ある.
【0002】
【従来の技術】
水分または水蒸気を吸着したときに吸着熱を発生することがあることは,天然 繊維などで古くから知られている.また羊毛,獣毛などは湿潤発熱量が比較的高 い繊維であることも知られている.例えば,公開講座配布資料;産業資材と機能 性繊維,p.5,日本繊維機械学会(1984.7.6),「羊毛・水に濡れる と発熱する秘密」として羊毛の湿潤発熱についての報告がある. 従って,その機能を湿潤発熱性合成繊維と標榜する以上は,従前から羊毛を湿 潤発熱性繊維とはいわないので,羊毛並の発熱では湿潤発熱機能を持った繊維と はいえず,少なくとも羊毛の湿潤発熱量の数倍以上はなければ,すでに知られて いる機能を,あたかも新しい機能の如く表現しているのに過ぎないといえる.
【0003】 水吸着または水蒸気吸着によって発熱する合成繊維の一つに,ポリアクリレー ト系合成繊維があることは衆知である.然るにポリアクリレートという呼称はア クリル酸あるいはそのエステルの重合物を指す. したがって,かかる観点からいえば,ポリアクリレートの全てに湿潤発熱性機 能があるとはいえず,ポリアクリレートに分類されているポリマーのうちのポリ アクリル酸ソーダ系繊維については,羊毛の2〜3倍の湿潤発熱機能をもつので ,これによる繊維は湿潤発熱機能を持つといえる. この程度の湿潤発熱性があれば,着用時の発汗や周囲雰囲気中の水蒸気の水分 で発熱し,身体で発熱を感じることができるといえる. しかしながら,ポリアクリル酸ソーダ系ポリマーをベースとして繊維化するの に当たり,繊維とするための制約や,吸水機能を持たせたままで膨潤しやすいポ リマーとしたり,水の吸着機能を残し膨潤機能は抑制するなどいろいろなポリマ ー設計があり得,単純なポリアクリル酸ソーダ系繊維のみに限定することができ ないので,ここでは湿潤発熱性のポリアクリレート系繊維と表現するものである .
【0004】 これら湿潤発熱繊維を保温材として,中綿や裏地などに用いることは,特開平 6−294006などにより公知であり,もともと中綿関連に用いる場合は保温 が目的であるので,元来湿潤熱が散逸し難い構造となっているので,着用時の発 汗などによる水分で湿潤発熱の付加効果が現れる. また,肌着,襟巻などは保温を目的とした製品であるので,同じく熱の散逸を 防ぐように着用するので,湿潤熱繊維を用いれば湿潤発熱の付加効果が現れる. 同様に裏地への湿潤熱繊維の使用なども外布の内側に使用するので,同様の効 果が期待できる. 何れにしても,元来,主として保温を目的とする構造または着用の仕方をする 繊維製品に,部分的に湿潤発熱繊維を用いて湿潤発熱の付加効果を狙った製品が ほとんどであるのが現状である.
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
湿潤発熱性繊維の湿潤による発熱は,繊維の中に水が侵入すると普通の自由水 とは異なる状態となって湿潤発熱繊維の内部に吸着固定され,このときの吸着発 熱であるとされている.水蒸気の場合には水蒸気の凝縮熱がこれに加算される. 湿潤発熱性のあるポリアクリレート系繊維の湿潤発熱量は,25℃,80%R Hの雰囲気で,繊維質量1gあたり約1400J(335cal)程度とされて いて,それが燃焼した場合の発熱量の約25000J(6000cal)に比較 して5%程度であり極めて小さい. この値は理想的な状況下でのことで,湿潤不足,湿潤過多による水の冷却効果 或いは水の蒸発潜熱の吸熱分などによってさらに小さな値となる. 従って,極めて小さな発熱であることを考慮した繊維製品設計でなければ,湿 潤発熱性繊維を起用した意味がなくなる.
【0006】 保温を目的とする構造の繊維製品に,湿潤発熱性繊維を用いて湿潤発熱の付加 効果を狙った製品は,元来熱の散逸を防ぐ構造,あるいは着用の仕方をする防寒 衣料系の製品で,発汗などの水分による極めて小さな湿潤発熱をかなり有効に利 用できる. 然るに,湿潤発熱性繊維をセーター,ベストなどの,外衣用として用いる場合 ,布が外気に直接さらされることになるので,熱の散逸が避けられない. 特に編地の場合,織物と違って組織が粗構造であるので,糸使いを単に湿潤発 熱性繊維の糸に置き換えるだけでは,着用時おける熱の散逸によって湿潤発熱の 付加効果が殆ど現れない. 外気に直接さらされる外衣用編地において,使用糸に湿潤発熱性繊維糸を用い るときに,湿潤発熱を効果的に付加できる編み構造の考案が望まれているところ である.
【0007】
【課題を解決するための手段】
湿潤発熱性繊維をセーター,ベストなどの,外衣用として用いる場合,布が外 気に直接さらされても,編地の内部構造によって微細空気を内包し,熱の散逸を 防ぐ編み組織について鋭意検討の結果,本考案に至ったものである. すなわち,水吸着または水蒸気吸着によって発熱するポリアクリレート系繊維 を混紡した糸による編地において,該糸を用いる部分が両面編み,そえ糸編みも しくはこれらの共用編み組織であることを特徴とする編地の考案に到達した. かような編地にすることにより,編地内部のニットループ部において,概ね平 行な表裏2本の糸による微細な空間を形成し,この微細空間が編地全体で編目数 の2倍の多数分布することにより,湿潤発熱性繊維の湿潤発熱の編地からの散逸 を防ぐ編構造となる.
【0008】
【考案の実施の形態】
2針床の緯編機で,外衣用の生地として用いられるゴム編とその変化編み組織 ,および両面編とその変化編み組織の編地をダブルニットというが,このうち本 考案の基本編み組織は,ハーフゲージのゴム編を2個結合した組織で,丸編機や 横編機で両面出合いによって編成される両面編みであり,インターロック,ダブ ルリブとも呼ばれ,基本編み組織においては表裏とも平編の表目のような外観を 示す.
【0009】 図1は,本考案の基本編み組織の一方の略図を示す.使用糸1(白抜き線)と ,使用糸2(塗りつぶし線)は双方または片方が湿潤発熱性繊維を混紡した湿潤 発熱性の糸である. ニットループとは,先にできたループをくぐり抜けてできたループのことをい うが,図1のニットループ部において表裏相い対する一方の使用糸1と,表裏相 い対する他方の使用糸2とで囲まれた概ね平行な微細な空間3を形成している. この微細空間は編み目の数の2倍だけ存在し,編地全体としてはかなりの数と なる.
【0010】 図1は編み組織の形態を分かりやすくするために,細い線で描いているが,こ の両面編み組織の特徴は弾力性があり,編目が緻密で,実際の紡績糸使いの編地 では,繊維の巻縮,糸の膨みならびに毛羽などで,2系統の使用糸1,2による ニットループ中の微細な空間3は閉空間のような構造になる. この編目構造が,湿潤発熱した使用糸の熱,つまり加熱空気を微細空間に捕捉 し,熱の散逸を防ぎ保温性を高める. 特に,アクリル繊維の加熱収縮繊維を混紡してできたバルキー糸を使用した場 合には,糸自体の高い空気含有のためにさらに保温性を高めることになる.
【0011】 この基本編み組織の応用編み組織として,針抜きを応用した両面編.エイトロ ックなど,三段,四段などの多段両面編み.両面編みにタックを応用した編み組 織として,シングルピケ,モックシングルピケ,ロイヤルインターロック,テク シーピケ,タックリップル,両面編みにタックを応用した透し目,三段両面編み にタックを応用した編み組織など.両面編みにウエルトを応用した編み組織とし て,モックミラノリブ(4口式ポンチローマ),モックロイヤルインターロック ,モックエイトロック,クロスミスインターロック,ピケット(モックロデー) ,ウエルトリップル,両面編みのチェック柄など.両面編みにタックとウエルト を応用した編み組織,両面編みにインレイを応用した編み組織などである. これらの両面編みの応用編み組織は,全てニットループ部で2本の糸に囲まれ た概ね平行な微細な空間が存在するので,本考案の実施に任意に使用できる.
【0012】 図2は,本考案の他方の基本編み組織である緯編の編み組織の略図を示す. すなわち,単針床の編機に2孔式給糸口にそれぞれに異なった糸を供給して編 成し,表裏の糸が全く異なる編み組織をつくる,そえ糸編み組織である. 針頭に近い方の糸は編み目脱出のときにフックの前面に位置するので,編地で は裏面のみに現れる. 使用糸4(白抜き線)と,使用糸5(塗りつぶし線)は双方または片方が湿潤 発熱性繊維の混紡による湿潤発熱糸で,前者糸が表とすれば後者糸は裏に現れる . 図のニットループ部において,使用糸4と5とで囲まれた概ね平行な微細な空 間6を形成している. この微細空間は編み目の2倍数だけ存在し,編み地全体としてはかなりの数と なる.
【0013】 実際の紡績糸使いの編地では,繊維の巻縮,糸の膨みならびに毛羽などで緻密 な空間6は閉空間のような構造になり,この編目構造が,湿潤発熱した使用糸の 熱を微細空間に捕捉し,熱の散逸を防ぎ保温性を高める点については,図1に示 す両面編み組織の場合と同様である. この基本編み組織の応用編み組織としては,逆そえ糸編み組織,スパイラルメ ッシュ,ボスネック柄編み組織などのそえ糸編みの応用編み組織は,全てニット ループ部で2本の糸に囲まれた概ね平行な微細な空間が存在するので,本考案の 実施に任意に使用できる. また,両面編み組織とそえ糸編み組織の共用編み組織でもよいことはいうまで もない.
【0014】 本考案に使用する湿潤発熱機能を持つポリアクリレート系繊維は,強度などの 物性面で十分とはいえない. 100%の糸とその布ができないことはなく,湿潤発熱機能ももちろんあるが ,強度などの不足に加えて,風合い,肌触りなどがその良好な水の吸着性からく る湿り感,べたつきなどがあり衣料としては好ましくない. したがって,湿潤発熱性ポリアクリレート系繊維に,補完繊維として天然繊維 ,繊維素再生繊維,合成繊維などとの二者混,三者混などの混紡糸として用いる . 湿潤発熱性ポリアクリレート系繊維の混紡率の下限は,その境界は定め難いが 補完繊維が羊毛の場合大凡10%程度であり,他の繊維の場合は大凡20%程度 である.補完繊維の混紡率の下限は用途などによって任意に定めるべきであるが ,実質的に大凡40〜50%程度であると考えられる.
【0015】 混紡の場合の湿潤発熱性繊維に対する相方は,用途,季節狙いなどによって多 岐な選択肢があるが,湿潤発熱性繊維の物性の補完という目的であれば羊毛が特 に適することが分かった. 羊毛は天然の湿潤発熱性繊維であり,その発熱量は先に述べたような特定条件 下でポリアクレート系繊維において質量1g当たり約1400J(350cal )に対し,羊毛は約500J(120cal)であり,強度などの物性の補完に 加えて,発熱面にも寄与するからである.本考案の両面編みあるいはそえ糸編み 組織では,補完繊維として羊毛の使用がニットループ部に形成された表裏2系統 の糸で囲まれた微細空間の全周囲の繊維が発熱するということになり,発生した 熱の捕捉上極めて効率がよいといえる.
【0016】 次に,実施例としてポリアクレート系繊維を用いた場合の例について記す. 湿潤発熱性繊維としては,25℃,80%RHの高湿度雰囲気中で繊維質量1 g当り,熱量で約1400J発生するポリアクリレート系繊維を用いて検討した . 以下,本実施例でのポリアクリレート系繊維の呼称は,湿潤発熱性ポリアク リレート系繊維を指す. 本考案の実施において,ポリアクレート系繊維100%の紡績糸使いの編地で も,湿潤加熱の散逸を防ぐ機能はもちろんある. しかしながら,ポリアクリレート系繊維は強力が低くて,100%の紡績糸は 衣料用としても使用に耐えない.さらに風合い,肌触りもその良好な水の吸着性 からくる湿り感,べたつき感などから衣料としては好ましくない. これらの欠点を補完するために,別な繊維の混紡によってカバーすべきであり ,ポリアクリレート系繊維と,代表的な繊維との混紡による糸の試作と編地の試 作ならびに湿潤発熱との関係を検討した.
【0017】 先ず,混紡相手として羊毛,綿およびポリエステルを選び,ポリアクリレート 系繊維との混紡率と湿潤発熱との関係を検討した. 混紡率は,ポリアクリレート系繊維を0(相方繊維100%),10,20, 30,40,50%の各混紡率について,羊毛糸およびその混紡糸は梳毛紡績法 でメートル番手で,48番双糸(2/48Nm)とし,また綿,ポリエステル糸 およびその混紡糸は綿糸紡績法で綿糸番手で,30番双糸(30/2CC)を試 作した. これらの糸で,単針床のインチ間12針(12ゲージ)の横編機で図2に示す 如き,そえ糸編み組織で質量290g/mになるように編地を試作した.
【0018】 発熱,保温性の評価は,各試料を60℃で20時間乾燥させ冷却後,20℃, 90%RHの高湿度の環境下に移動して,試料が吸湿して発熱する状態を移動直 後から5分後まで経時的にサーモグラフィーにて撮影し,ほぼ最高温度になる移 動1分後の表面温度を比較した.なおサーモグラフィーは検出波長8〜13μm ,放射率は1として行った. ポリアクリレート系繊維の混紡率で0,10,20,30,40,50%の各 試料について,高湿度の環境下に移動の1分後で,0%から50%までの混紡率 順の編地表面温度の結果は, であった.
【0019】 この検討結果からいえることは,ポリアクリレート系繊維0%(補完繊維10 0%)の場合に,ポリエステル,綿に比較して羊毛は比較的高い発熱がみられ, さらに羊毛はポリアクリレート系繊維の混紡率10%程度から高い発熱が認めら れ,このことから羊毛は物性,風合いの補完に加えて,発熱の補完もあることが 分かった. これに対し,ポリエステル,綿は,羊毛でのポリアクリレート系繊維の混紡率 10%の場合とほぼ同等な温度を得るためには,ポリアクリレート系繊維の混紡 率を30〜40%程度とする必要があることが分かった.
【0020】 次に,湿潤発熱性繊維として,25℃,80%RHの雰囲気で繊維質量1g当 り,熱量を約1400J発生するポリアクリレート系繊維を用いて,編み組織の 検討を行った. 梳毛紡績法でメートル番手48番双糸(2/48Nm)を,混紡率でポリアク リレート系繊維(記号A)30%と羊毛(記号W)70%の糸,およびW100 %の糸を試作した. 綿紡績法で綿番手30番双糸(30/2CC)を,混紡率でA30%と綿(記 号C)70%の糸,およびC100%の糸を試作した. これらの糸を用いて本考案の編地を試作した.試作編地の一方は,2針床のイ ンチ当り12針(片針床当り12ゲージ)の横編機で,図1に示す如き両面編み 組織で編地を試作した. また,単針床のインチ当り12針(12ゲージ)の横編機で図2に示す如き, そえ糸編み組織で編地を試作した. 比較試料として,2針床の12ゲージの横編機で,天竺編み組織で円筒状編地 を試作した. これらの編地を精練,オイリングを行い乾燥して仕上げとして,評価試料とし た.仕上げ段階の調整で,縞地の質量は各試料とも280〜300g/mの範 囲に入るようにした.
【0021】 発熱,保温性の評価は,各試料を60℃で20時間乾燥させ冷却後,20℃, 90%RHの高湿度の環境下に移動して,試料が吸湿して発熱する状態を移動直 後からほぼ安定状態に達するまで経時的にサーモグラフィーにて撮影し,表面温 度を測定した.編地の撮影面は,湿潤発熱性繊維含有側とした.また,サーモグ ラフィーは検出波長8〜13μm,放射率は1として行った. これらの評価した編地の明細と,試料の表面温度との関係を表1に示す.
【0022】
【表1】
【0023】 表1で,第1,2行の記号,の天竺×2の表記は,円筒状編地(天竺編地 を裏合わせで2枚重ねた編地)の試料で,記号〜の本考案の編地に対する比 較試料であり,ニットループ部で表裏2系統の平行な糸で囲まれた微細空隙のな い普通の編み組織の編地で,本考案の編地記号〜の編地に厚さと単位当りの 質量を合わせた試料である. 第4行〜第7行の数値%表記は混紡率を示す.また,第8行〜第12行の数値 ℃表記は高湿下への移動後の各時間経過の編地試料の表面温度である. 最終行は表面温度の最高値から20分後迄の温度低下率で, ・温度低下率={(1分後温度−20分後温度)/1分後温度}×10 0(%),で示され,熱の散逸の少ない,つまり保温性が良いほど低い値となる .
【0024】 表1によれば,本考案の編地,すなわち〜の両面編み組織の編地と,, のそえ糸編み組織の編地は,同一補完繊維,同一糸使いの比較において,, の天竺2枚重ね編地に比較して,明らかに編み地の表面温度が高く,温度低下 率が低い,つまり熱の捕捉性が高いことを示している. つまり,羊毛混紡では本考案の編地と比較編地,綿混紡では本考案の編地 と比較編地の各表面温度差である. これは,両面編み組織およびそえ糸編み組織による編地における,ニットルー プ部の編地表裏の2系統の糸で囲まれた微細空間により,湿潤発熱を効率よく捕 捉し,熱の散逸を防いでいることを示している.
【0025】 また,本考案の編地試料〜において,両面編み組織およびそえ糸編み組織 による編地とも,羊毛混紡が綿混紡より編地の表面温度が高く,温度低下率が低 いことを示している. つまり羊毛混紡対綿混紡で示すと,対,と対であり,何れも羊毛混 紡の方が編地の表面温度が高く,温度低下率が低い. さらに,,の如く表裏編地の一対の編目の双方が湿潤発熱糸である場合に 対し,,〜の如きどちらか一方が湿潤発熱糸であれば,前者に対して編地 の表面温度が多少低いものの,さほど大きな差はなく,これも本考案の編地の一 方の特徴である.つまり,個々の編目において表裏2系統の糸の内一方を湿潤発 熱糸,他方を普通の糸にしても本考案の効果があるものといえる.
【0026】
【考案の効果】
本考案によれば,次に掲げる効果がある. (1)本考案は,湿潤発熱機能を持つポリアクリレート系繊維糸をセーター,ベ ストなどの外衣用として用いる場合に,編地が外気にさらされても,編み組織中 に個々の編目において表裏2系統の糸によるニットループ中に微細な空間を多数 保持するので,着用者の発汗や雰囲気の水蒸気などの水分によって発生した湿潤 発熱を微細空間に捕捉し,湿潤発熱を高める. (2)湿潤発熱によって上昇した編地の温度低下率がきわめて小さいので,保温 効率がよい. (3)湿潤発熱機能を持つポリアクリレート系繊維と羊毛との混紡は,羊毛の湿 潤発熱機能と相まって,前者繊維の低率混紡の場合でも効果的な発熱と保温作用 を発揮する. 以上,湿潤発熱繊維糸と編組織との組み合わせによって,発生した熱を効率よ く捕捉する構造を内蔵し,熱の散逸を防ぐ編地の案出は,従来の使い方である防 寒衣料,下着,靴下など保温を目的とした用途以外の,外衣用途に道を開いた点 で,湿潤発熱繊維の新しい展開が可能になり,産業の発展に資するところが大き い.
【図面の簡単な説明】
【図1】湿潤発熱性糸による基本的な両面編み組織の略
【図2】湿潤発熱性糸による基本的なそえ糸編み組織の
略図
【符号の説明】
1 表裏が相い対する一方の使用糸1 2 表裏が相い対する他方の使用糸2 3 ニットループ中の使用糸1,2に囲まれた微細空
間 4 編地の表側になる使用糸4 5 編地の裏側になる使用糸5 6 ニットループ中の使用糸4,5に囲まれた微細空

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水吸着または水蒸気吸着によって発熱す
    るポリアクリレート系繊維を混紡した糸による編地にお
    いて,該糸を用いる部分が両面編み,そえ糸編みもしく
    はこれらの共用編み組織であることを特徴とする編地.
  2. 【請求項2】 2系統の糸で表裏を構成する相対する一
    対の編目のどちらか一方が,水吸着または水蒸気吸着に
    よって発熱するポリアクリレート系繊維を混紡した糸で
    ある請求項1記載の編地.
  3. 【請求項3】 水吸着または水蒸気吸着によって発熱す
    るポリアクリレート系繊維の混紡糸において,混紡相手
    が羊毛であることを特徴とする請求項1および請求項2
    記載の編地.
  4. 【請求項4】 水吸着または水蒸気吸着によって発熱す
    るポリアクリレート系繊維の混紡率が大凡10%以上で
    ある請求項3記載の編地.
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