JP6447128B2 - 繊維構造物 - Google Patents

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Description

本発明は、吸湿発熱性、保温性および着用快適性を兼ね備えた繊維構造物、およびそれを用いた衣料に関するものである。特に本発明は、人間が直接肌に触れる肌着やTシャツ等に好ましく用いられ、かつ着用時にパチパチする静電気が発生しにくく、洗濯後にシワになりにくい繊維構造物と衣料に関するものである。
従来、保湿性を有する繊維製品としては、織編物等の布帛に、例えば、スクワラン等の保湿成分を後加工によって付与した製品が用いられている。しかしながら、このような後加工による繊維製品は、保湿性等の特性においては洗濯耐久性に劣るという課題があり、その解決策として多量のバインダーを使用することが一般的であった(特許文献1参照。)。
これに対し、バインダーを用いることなく洗濯耐久性を向上させる方法として、次の方法が挙げられる。具体的には、合成繊維からなる繊維構造物に機能性蛋白質素材を固着せしめた後、アルカリ水溶液および/またはアニオン界面活性剤水溶液によって後処理を施す方法が提案されている(特許文献2参照。)。また別に、セルロース系繊維を含む繊維構造物に対し、金属化合物および天然性機能剤が付与され、かつ架橋改質加工されたセルロース系繊維含有繊維製品が提案されている(特許文献3参照。)。
しかしながら、これらの従来の提案では、洗濯耐久性は向上しても、直接肌に触れる衣料用途で最も重要な安全性とソフトさを損なうことから、洗濯耐久性と着用快適性の両面を満足するものとは言えず、近年の環境負荷軽減の観点からも課題があった。
また、保温性を向上させる手段としては、裏地や中綿等の保温材、および表地の3層構造からなる繊維構造物が多く提案されている(特許文献4参照。)。しかしながら、この提案では、表地は防風性や保温性を高める目的で使用されているため着用時に蒸れが発生したり、また3層構造であるため地厚でありインナー等の用途には不向きであるという課題があった。
また、特に人間が直接肌に触れる肌着やTシャツ等に好ましく用いられる繊維構造物として、例えば、ポリアクリル系合成繊維を30重量%以上47重量%以下、ビスコースレーヨン系繊維を20重量%以上30重量%以下、カチオン可染ポリエステル繊維を30重量%以上45重量%以下、およびポリウレタン系弾性繊維を3重量%以上10重量%以下の割合で含んでなる繊維構造物が提案されている(特許文献5参照。)。しかしながら、この提案では疎水性ポリマーであるポリアクリル系合成繊維とポリエステル繊維の含有率が高いため、着用時に静電気を生じやすいという課題があった。また、ポリアクリル系合成繊維の混率が高く、繊維構造物にピリングが発生しやすいという課題があった。
特開平2−300301号公報 特開平10−131047号公報 特開2002−88649号公報 特公平7−59762号公報 特開2010−216053号公報
本発明者等は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ビスコースレーヨン系繊維を混紡した糸、すなわち、ビスコースレーヨン系繊維と、カチオン可染ポリエステル繊維と、ポリアクリル系合成繊維と、ポリウレタン系弾性繊維とを使用し、その構成比率を最適化することにより、着用時にパチパチする静電気が発生しにくく、洗濯後にシワになりにくく、洗濯耐久性に優れた保温性と着用快適性に優れた繊維構造物を得ることが可能であることを見いだした。
すなわち、本発明の目的は、上記の課題を達成せんとするものであり、着用時にパチパチする静電気が発生しにくく、洗濯後にシワになりにくく、耐久性に優れた保温性と着用快適性とを有する繊維構造物、およびそれを用いた衣料を提供することにある。
本発明は上記の課題を達成するために、次の構成を有するものである。
本発明の繊維構造物は、ビスコースレーヨン系繊維を30重量%超えて40重量%未満、カチオン可染性ポリエステル繊維を30重量%超えて40重量%未満、ポリアクリル系合成繊維を25重量%超えて30重量%未満、およびポリウレタン系弾性繊維を5重量%超えて10重量%未満の割合で含んでなる繊維構造物であり、前記カチオン可染性ポリエステル繊維の単繊維繊度が1.0デシテックス以下であり、前記繊維構造物の摩擦帯電圧が1500V以下であり、かつJIS L0217 103法(2011年版)に基づく洗濯5回後のAATCC124法のウオッシュ&ウエア性が3級以上の繊維構造物である。
本発明の繊維構造物の好ましい態様によれば、前記の繊維構造物の吸湿発熱性能は2.6℃以上である。
本発明の繊維構造物の好ましい態様によれば、前記の繊維構造物の残留水分率は30%以下になる時間が40分以下である。
本発明の繊維構造物の好ましい態様によれば、前記の繊維構造物の保温率は14%以上である。
本発明の繊維構造物の好ましい態様によれば、前記の繊維構造物のピリングは2.5級以上である。
本発明の繊維構造物の好ましい態様によれば、前記のカチオン可染ポリエステル長繊維は、異形断面を有する繊維を含むことである。
本発明の繊維構造物の好ましい態様によれば、前記の繊維構造物は単層構造の編地である。
本発明の繊維構造物を用いて、本発明で意図する衣料が得られる。
本発明によれば、着用時にパチパチする静電気が発生しにくく、洗濯後にシワになりにくく、耐久性のある保湿性を有し、かつ、生地厚が薄くても保温性と吸放湿性を具備するため、着用快適性を目的とした肌着やTシャツ等として好適に用いられる繊維構造物、およびそれを用いた衣料が得られる。
次に、本発明の繊維構造物の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明の繊維構造物は、ビスコースレーヨン系繊維を30重量%超えて40重量%未満、カチオン可染性ポリエステル繊維を30重量%超えて40重量%未満、ポリアクリル系合成繊維を25重量%超えて30重量%未満、およびポリウレタン系弾性繊維を5重量%超えて10重量%未満の割合で含んでなる繊維構造物である。
本発明の繊維構造物は、上記のように、ビスコースレーヨン系繊維を30重量%超えて40重量%未満の割合で含有することが重要である。ビスコースレーヨン系繊維の割合は、好ましくは32〜38重量%であり、より好ましくは33〜36重量%である。ビスコースレーヨン系繊維を30重量%超えて含有させることにより、耐久性に優れた保湿性を有する繊維構造物を得ることができる。この保湿性を持つことにより、繊維構造体は着用時にパチパチする静電気が発生しにくくなり、かつ吸湿発熱性をもつことができる。
繊維構造物において、静電気の発生の多少はJIS−L1094−2008「織物及び編物の帯電性試験方法」に準じて測定される摩擦帯電圧で判断される。摩擦帯電圧が低いほど静電気が発生しにくく、高いほど発生し易い。本発明の繊維構造体は、この点からも摩擦帯電圧が1500V以下になることが重要である。摩擦帯電圧が1500V以下となることにより、着用時にパチパチする静電気が発生しにくくなる。摩擦帯電圧は、好ましくは1000V以下であり、さらに好ましくは500V以下である。
本発明の繊維構造物において、ビスコースレーヨン系繊維の割合が40重量%以上になると、ビスコースレーヨン系繊維の特性上、洗濯後にシワになりやすく、また保温性が低くなる。
本発明で用いられるビスコースレーヨン系繊維としては、保温性を向上させる観点から、紡績糸として用いることが好ましい態様である。また、紡績糸番手は、人間が直接肌に触れる肌着やTシャツ等に用いられることから、綿番手で30S〜100Sが好ましく用いられる。また、紡績糸を構成する単繊維繊度はその使用用途から、0.5デシテックス〜2.5デシテックスが好ましい。
本発明の繊維構造物は、カチオン可染性ポリエステル繊維を30重量%超えて40重量%未満の割合で含有することが重要である。カチオン可染ポリエステル繊維を用いることにより、通常のポリエステル繊維に比べて低温で染色することが可能であることから、併用するポリアクリル系合成繊維と同一の染料で染めることが可能となる。また、カチオン可染性ポリエステル繊維は、105℃〜115℃の染色温度で優れた発色性と堅牢度が得られるため、併用するポリウレタン系弾性繊維の熱による劣化を防止することができる。
また、カチオン可染性ポリエステル繊維を30重量%超えて含有させることにより、繊維構造体の洗濯後のシワの発生が抑制される。この洗濯後のシワについては、JIS L0217 103法(2011年版)に準ずる洗濯方法によって、洗濯5回実施後の、試料の表面に発生したシワ感をAATCC124に記載のレプリカにより級数評価する。この洗濯5回後のAATCC124法のウオッシュ&ウエア性が3級以上であれば、シワ感が少ないと判断することができる。
また、カチオン可染性ポリエステル繊維の割合が40重量%以上となると、カチオン可染性ポリエステル繊維の特性上、繊維構造物の保湿性が下がることから、摩擦帯電圧が高くなり吸湿発熱性についても低下する。カチオン可染性ポリエステル繊維の割合は、好ましくは32〜36重量%であり、より好ましくは33〜35%重量%である。
また、カチオン可染性ポリエステル繊維としては、異形断面を有する繊維を含むことが好ましい態様である。異形断面を有する繊維を含むことにより、発汗時に編地(繊維構造物)が汗を吸い込んでも速やかに乾燥し、身体の冷えを防止するという効果を奏する。本発明において、異型断面を有する繊維を含むとは、断面形状の異なる2種以上の繊維を用いることを意味する。例えば、丸断面の繊維とともに丸断面以外の断面を有する繊維を用いる場合や、丸断面以外の異形断面を有する繊維のみからなる場合であって、異なる異形断面を有するものを2種以上用いる場合等を含む。これにより、多くの微細な空間が形成され、表面張力により吸い上げられた水分の拡散速度を向上させることができる。
また、カチオン可染性ポリエステル繊維の単繊維繊度は、吸汗性に優れるという観点から、0.8〜1.8デシテックスであることが好ましい態様である。中でも、単繊維繊度が好ましくは1.0デシテックス以下であれば、異形断面を有する繊維を含まず、繊維断面が均一の繊維のみを用いた場合であっても、吸汗性に優れた繊維構造物が得られる。
本発明で用いられるカチオン可染性ポリエステル繊維としては、例えば、紡績糸や長繊維など、いずれも用いることができる。ウオッシュ&ウエア性を向上させる観点から、長繊維として用いることが好ましい態様である。この場合、総繊度は、人間が直接肌に触れる肌着やTシャツ等に用いられることから、50デシテックス〜200デシテックスが好ましく用いられる。
また、通常のポリエステルをカチオン可繊性とするには、例えば、一般的に知られるように通常ポリエステルに5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分を1.0〜3.0モル%を共重合することにより達成される。
本発明の繊維構造物は、ポリアクリル系合成繊維を25重量%超えて30重量%未満の割合で含有することが重要である。ポリアクリル系合成繊維を25重量%超えて含有させることにより、繊維構造物に保温性を付与することができる。ポリアクリル系合成繊維の割合が30重量%以上になると、ポリアクリル系合成繊維の特性上、繊維構造物の保湿性が下がることから、摩擦帯電圧が高くなり吸湿発熱性についても低下する。ポリアクリル系合成繊維の割合は、好ましくは26〜28重量%である。
ポリアクリル系合成繊維を構成する単繊維の繊度は、0.6〜2.2デシテックスであることが好ましい態様である。よりソフトな風合いと保温性向上のためには、ポリアクリル系合成繊維は細繊度の方が好ましいが、単繊維繊度が0.6デシテックス未満では、紡績性が困難となる場合があり、また紡績糸の強力低下をまねく可能性がある。また、単繊維繊度が2.2デシテックスを超えると、特に肌に直接着用するインナーウエア等としては風合いが堅くなる傾向がある。これらのことから、ポリアクリル系合成繊維の単繊維の繊度は、さらに好ましくは0.6デシテックス以上1.5デシテックス以下である。本発明で用いられるポリアクリル系合成繊維としては、保温性を向上させる観点から、紡績糸として用いることが好ましい。紡績糸番手は、人間が直接肌に触れる肌着やTシャツ等に用いられることから、綿番手で30S〜100Sが好ましく用いられる。
また、本発明においては、前記のビスコースレーヨン系繊維とポリアクリル系合成繊維を混紡した紡績糸も好ましくも用いられる。
さらに、本発明の繊維構造物においては、ポリウレタン系弾性繊維を5重量%超えて10重量%未満の割合で用いることが重要である。これにより、適度な伸度と編み地ループ間の空隙を増すことができ、これにより身体の動きにスムースに追従し、より着用快適性を向上させるという効果を奏する。
本発明で用いられるポリウレタン系合成繊維としては、人間が直接肌に触れる肌着やTシャツ等に用いられることから、総繊度は15T〜45Tで、1〜3フィラメントのものが好ましく用いられる。
本発明の繊維構造物としては、織物、編物および不織布等が好適に挙げられる。また、織物や編物の場合、ビスコースレーヨン系繊維、カチオン可染性ポリエステル繊維およびポリアクリル系合成繊維は、長繊維と紡績糸のいずれも使用できるが、好ましい繊維構造物の形態としては、直接肌に触れる肌着やTシャツ等に用いられ、各種性能を達成するために、ビスコースレーヨン系繊維とポリアクリル系合成繊維を混紡した紡績糸とカチオン可染性ポリエステル繊維を長繊維として、ポリウレタン系合成繊維を含め編成した編物である。
本発明の繊維構造物においては、前述のとおり、摩擦耐電圧が1500V以下であり、ウオッシュ&ウエア性が3級以上であることが重要である。
本発明においては、さらに、本発明の繊維構造物の吸湿発熱性能は2.6℃以上であることが好ましい態様である。吸湿発熱性能は、高ければ高いほど好ましく、2.6℃以上あれば、着用時に暖かさを感じることができる。吸湿発熱性能とは、シリカゲル容器を通過させた乾燥空気(湿度10%RH以下)を送入して試料を30分間以上乾燥させ、試料温度が安定したときの表面温度Aに対して、その後イオン交換水を通した湿度約90%RHの空気を約30分間送入している間の試料表面温度最高到達温度Bを読み取り、その差B−Aの温度(℃)である。従って、吸湿性能の高いビスコースレーヨン系繊維の割合が増えると吸湿発熱性能は高くなるが、ビスコースレーヨン系繊維の割合が増えると、ビスコースレーヨン系繊維の特性上、洗濯後にシワになりやすく、また保温性が低くなる。
また、本発明においては、本発明の繊維構造物の、残留水分率が30%以下になる時間は40分以下であることが好ましい態様である。残留水分率とは、繊維構造物が水に濡れた際の乾き易さの指標であり、具体的には約0.3gの水を滴下させ、滴下直後の質量(g)を読み取り、滴下後の経過時間毎の質量(g)を読み取り、求める。疎水性であるカチオン可染性ポリエステル繊維やポリアクリル系合成繊維の割合が増えると残留水分率は向上するが、摩擦帯電圧が高くなり吸湿発熱性も低下する。
さらに、本発明においては、本発明の繊維構造物の保温率は14.0%以上であることが好ましい態様である。保温率は、高ければ高いほど好ましく、14.0%以上あれば、着用時に暖かさを感じることができる。保温性とは、生地が熱を拡散させやすいか、させにくいかの指標である。繊維特性上、熱伝導率の低いカチオン可染性ポリエステル繊維やポリアクリル系合成繊維の割合が増えると保温性は向上するが、摩擦帯電圧が高くなり吸湿発熱性についても低下する。
さらに、本発明においては、本発明の繊維構造物のピリング(JISL1076A法(2011年版)に準じて測定)は2−3級以上(2.5級以上)であることが好ましい。ピリング試験においては、着用時に生地表面にできる毛玉の発生具合を確認することができる。ピリングが2級以下になると、着用中に毛玉が大量に発生し目立ちやすいと判断される。2−3級以上(2.5級以上)を達成するために、繊維構造物の構成を、ビスコースレーヨン系繊維を30重量%超えて40重量%未満、カチオン可染性ポリエステル繊維を30重量%超えて40重量%未満、およびポリアクリル系合成繊維を25重量%超えて30重量%未満の割合とすることが重要である。特に、ポリアクリル系合成繊維が30重量%超えると、ピリングが悪化する。
また、本発明の繊維構造物の構成を、ビスコースレーヨン系繊維を30重量%超えて40重量%未満、カチオン可染性ポリエステル繊維を30重量%超えて40重量%未満、およびポリアクリル系合成繊維を25重量%超えて30重量%未満の割合とすることにより、繊維構造物を染色する際、ビスコースレーヨン系繊維を反応染料で染色し、カチオン可染性ポリエステル繊維とポリアクリル系合成繊維をカチオン染料で染色することにより、反応染料のみで黒染色することで薄すぎないグレーの表現、およびカチオン染料のみで黒染色して濃すぎないグレーの表現も可能となる。
本発明における繊維構造物の形態としては、人間が直接肌に触れる肌着やTシャツ等に用いられることから、好ましいのは単層構造の編物である。これは、単層構造の編物とすることにより、この繊維構造物からの衣料を着用した際、ビスコースレーヨン系繊維を30重量%超えて40重量%未満、カチオン可染性ポリエステル繊維を30重量%超えて40重量%未満、ポリアクリル系合成繊維を25重量%超えて30重量%未満、およびポリウレタン系弾性繊維を5重量%超えて10重量%未満が、バランスよく肌に当たることになる。例えば、これらの素材が単一で肌に当たると、例えば、ビスコースレーヨン系繊維のみでは、その特性上、生地が非常に冷たく感じられることになる。また、カチオン可染性ポリエステル繊維もしくはポリアクリル系合成繊維のみでは、それらの特性上、非常にムレ感を感じられることになる。また、ポリウレタン系弾性繊維のみでは、非常にべたつき感を感じられることになる。
さらに、本発明の繊維構造物においては、上記のビスコースレーヨン系繊維、カチオン可染性ポリエステル繊維、ポリアクリル系合成繊維およびポリウレタン系弾性繊維の他に、カチオン可染ではない通常のポリエステル系繊維や、ポリエステルに第3成分を共重合したポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、アセテート繊維、綿、麻およびパルプなどの天然セルロース繊維、ビスコースレーヨン以外の再生セルロース繊維、およびウールなどのタンパク質繊維等も含有させることができる。繊維構造物を構成する繊維同士は、混繊、混紡、混織および交編等したものが用いられる。
本発明の繊維構造物は、Tシャツ、ブルゾン、スラックス、スカート等の上着、タイツ、スパッツ、キャミソール、およびパンツ等の下着等の衣料の他、身体に装着する衣料用途に好適であり、種々の衣料に好ましく用いられる。
ここで、実施例等における各性能の評価方法は、次のとおりである。
(1)摩擦帯電圧:
摩擦帯電圧は、JIS−L1094(2011年版)に準ずる織物および編物の帯電性試験方法によって測定した。
(2)ウオッシュ&ウエア性:
ウオッシュ&ウエア性は、JIS L0217 103法(2011年版)に準ずる洗濯方法によって洗濯5回後実施後の、試料の表面に発生したシワ感をAATCC124に記載のレプリカにより級数評価する。
(3)吸湿発熱性:
吸湿発熱性は、密閉した容器の中に約10cm×10cm大きさの試料を取り付け、試料の温度が測定できるように表面温度計センサーを取り付け記録計で読み取る。試料温度測定開始後に、測定室内温度20℃下の室内雰囲気中から、シリカゲル容器を通過させた乾燥空気(湿度10%RH以下)を送入して試料を乾燥させる。試料を30分間以上乾燥させ、試料温度が安定したときの表面温度Aに対して、その後イオン交換水を通した湿度約90%RHの空気を約30分間送入している間の試料表面温度最高到達温度Bを読み取り、その差B−Aを吸湿発熱性能(℃)とした。
(4)残留水分率が30%以下になる時間(速乾性):
約10cm×10cmの大きさの試料を、20℃×65%RH下の雰囲気中で試料を24時間放置後に質量G(g)を読み取り、同雰囲気中でこの試料に約0.3gの水を滴下させ、滴下直後の質量Go(g)を読み取り、滴下後の経過時間毎の質量Gx(g)を読み取る。滴下直後の質量に対して、次式で求めた残留水分率(%)が30%になった時間(分)を求めた。
・残留水分率(%)={(Gx−G)/(Go−G)}×100。
(5)保温率:
保温率は、JIS L1096 8.28 保温性 8.28.1A法(恒温法)(2011年版)に準じて測定する。
(6)ピリング
ピリングは、JISL1076A法(2011年版)に準じて測定する。
以下の通り級数を判定した。
5級・・・標準写真の5号程度のもの。
4−5級(4.5級)・・・標準写真の4号と5号の中間程度のもの
4級・・・標準写真の4号程度のもの。
3−4級(3.5級)・・・標準写真の3号と4号の中間程度のもの
3級・・・標準写真の3号程度のもの。
2−3級(2.5級)・・・標準写真の2号と3号の中間程度のもの
2級・・・標準写真の2号程度のもの
1−2級(1.5級)・・・標準写真の1号と2号の中間程度のもの
1級・・・標準写真の1号又はその程度を越えるもの。
(7)グレーの色目評価
染色時に反応染料染色のみで黒染色のものと、カチオン染料染色のみの黒染色ものも作成し、反応染料、カチオン染料とも黒染色したものと、白染色したものと比較してグレーの色目を評価した。
参考例1
ビスコースレーヨンステープル(単繊維繊度1.4デシテックス、長さ38mm、ダイワボウレーヨン(株)製)55重量%と、テトラアルキルアジピン酸塩を0.4owf%付与したポリアクリル繊維ステープル(単繊維繊度1.0デシテックス、長さ45mm、東レ(株)“トレロン”(登録商標))45重量%とを、カードミックスで混綿して1/64s(番手)の紡績糸を得た。
このようにして得られた紡績糸と、断面が、丸断面繊維と星形断面繊維の断面ミックスのカチオン可染性ポリエステル繊維フィラメント(総繊度84デシテックス、48フィラメント、東レ(株)“テトロン”(登録商標))と、ポリウレタン繊維(総繊度22デシテックス、2フィラメント、オペロンテックス製“ライクラ” (登録商標))とを、釜径76.2cm、ゲージ数28本/2.54cm、ウエル数40、およびコース数62の設定で、天竺編組織で交編して生機を得た。
得られた生機を、連続リラックス/精練―乾燥(温度175℃、時間25秒)−セット−タッキング−染色(液流染色温度115℃)−乾燥(温度112℃)−セットの工程により染色加工し、生地重量比でポリアクリル繊維が27重量%、ビスコースレーヨン繊維が33重量%、断面ミックスカチオン可染性ポリエステル繊維が34重量%、およびポリウレタン弾性繊維が6重量%からなる、目付が150g/mの生地を得た。
上記で得られた生地の摩擦帯電圧、ウオッシュ&ウエア性、吸湿発熱性、速乾性、保温性、およびピリングを評価した。また、染色時に反応染料染色で黒染色のみのものと、カチオン染料染色のみで黒染色のものも作成し、それぞれについてグレーの色目を評価した。その結果を、表1に示す。摩擦帯電圧は2000V以下で、ウオッシュ&ウエア性3級であり、吸湿発熱性、速乾性および保温性はとも良好であり、またピリングも2−3級(2.5級)であり、グレーの色目も反応染料染色のみであれば白過ぎないグレーであり、カチオン染料染色のみであれば黒過ぎないグレーであった。衣料用途、特にインナーウエアとして具備すべき高い機能性を有する編物が得られた。
(実施例2)
ビスコースレーヨンステープル(単繊維繊度1.4デシテックス、長さ38mm、ダイワボウレーヨン(株)製)55重量%と、テトラアルキルアジピン酸塩を0.4owf付与したポリアクリル繊維テープル(単繊維繊度1.0デシテックス、長さ38mm、東レ(株)“トレロン” (登録商標))45重量%とを、カードミックスで混綿して1/64s(番手)の紡績糸を得た。
このようにして得られた紡績糸と、断面が丸形断面のカチオン可染性ポリエステル繊維フィラメント(総繊度84デシテックス、96フィラメント、東レ(株)“テトロン”(登録商標))と、ポリウレタン系弾性繊維(総繊度22デシテックス、2フィラメント、オペロンテックス製 “ライクラ”(登録商標))とを、釜径76.2cm、ゲージ数28本/2.54cm、ウエル数42本/2.54cm、およびコース数58本/2.54cmの設定で、天竺編組織で交編して生機を得た。
得られた生機を、連続リラックス/精練―乾燥(温度175℃、時間25秒)−セット−タッキング−染色(液流染色温度115℃)−乾燥(温度112℃)−セットの工程により染色加工し、生地の重量比でポリアクリル繊維が27重量%、ビスコースレーヨン繊維が33重量%、丸形断面カチオン可染性ポリエステル繊維が34重量%、およびポリウレタン弾性繊維が6重量%からなる、目付が145g/mの生地を得た。
得られた生地の摩擦帯電圧、ウオッシュ&ウエア性、吸湿発熱性、速乾性、保温性、およびピリングを評価した。また、染色時に反応染料染色のみで黒染色のものと、カチオン染料染色のみの黒染色ものも作成し、グレーの色目を評価した。その結果を、表1に示す。その結果、参考例1と同様に高い機能性の編物が得られた。速乾性については、丸形断面カチオン可染性ポリエステル繊維として単繊維繊度が1.0デシテックス以下のハイマルチ加工糸を使用することにより、断面ミックス加工糸と同様の性能が得られることが確認された。また、ピリングも2−3級(2.5級)であり、グレーの色目も反応染料染色のみであれば白過ぎないグレーであり、カチオン染料染色のみであれば黒過ぎないグレーであった。
(比較例1)
ビスコースレーヨン繊維ステープル(単繊維繊度1.4デシテックス、長さ38mm、ダイワボウレーヨン(株)製)35重量%と、テトラアルキルアジピン酸塩を0.4owf%付与したポリアクリル繊維ステープル(単繊維繊度1.0デシテックス、長さ45mm、東レ(株)“トレロン”(登録商標))65重量%とを、カードミックスで混綿して1/64s(番手)の紡績糸を得た。
このようにして得られた紡績糸と、断面が、丸断面繊維と星形断面繊維の断面ミックスのカチオン可染性ポリエステル繊維フィラメント(総繊度84デシテックス、48フィラメント、東レ(株)“テトロン”(登録商標))と、ポリウレタン弾性繊維(総繊度22デシテックス、2フィラメント、オペロンテックス製“ライクラ”(登録商標))とを、釜径76.2cm、ゲージ数28本/2.54cm、ウエル数40、およびコース数62の設定で、天竺編組織で交編して生機を得た。
得られた生機を、参考例1と同様に連続リラックス/精練―乾燥(温度175℃、時間25秒)−セット−タッキング−染色(液流染色温度115℃)−乾燥(温度112℃)−セットの工程により染色加工し、生地重量比でポリアクリル繊維が39重量%、ビスコースレーヨン繊維が21重量%、断面ミックスカチオン可染ポリエステル繊維が34重量%、およびポリウレタン繊維が6重量%からなる、目付が150g/mの生地を得た。
上記で得られた生地の摩擦帯電圧、ウオッシュ&ウエア性、吸湿発熱性、速乾性、保温性、およびピリングを評価した。また、染色時に反応染料の黒染色のみのものと、カチオン染料の黒染色のみのものも作成し、グレーの色目を評価した。その結果を、表1に示す。その結果、ウオッシュ&ウエア性、速乾性および保温性は高いが、摩擦帯電圧は2500Vであり、かつ吸湿発熱性も2.3℃であり、静電気が発生しやすく吸湿発熱性も低い結果となった。また、ピリングは2級であり、グレーの色目も反応染料の黒染色のみであれば白に近いグレーであり、カチオン染料の黒染色のみであれば黒に近いグレーであった。
(比較例2)
ビスコースレーヨン繊維ステープル(単繊維繊度1.4デシテックス、長さ38mm、ダイワボウレーヨン(株)製)50重量%と、テトラアルキルアジピン酸塩を0.4owf%付与したポリアクリル繊維ステープル(単繊維繊度1.0デシテックス、長さ45mm、東レ(株)“トレロン”(登録商標))50重量%とを、カードミックスで混綿して1/64s(番手)の紡績糸を得た。
このようにして得られた紡績糸と、断面が丸断面繊維と星形断面繊維の断面ミックスのカチオン可染ポリエステル繊維フィラメント(総繊度84デシテックス−48フィラメント、東レ(株)“テトロン”(登録商標))と、ポリウレタン弾性繊維(総繊度22デシテックス、2フィラメント、オペロンテックス製“ライクラ”(登録商標))とを、釜径76.2cm、ゲージ数28本/2.54cm、ウエル数40の設定でコース数62の設定で、天竺編組織で交編して生機を得た。
得られた生機を、参考例1と同様に連続リラックス/精練―乾燥(温度175℃、時間25秒)−セット−タッキング−染色(液流染色温度115℃)−乾燥(温度112℃)−セットの工程により染色加工し、生地重量比でポリアクリル繊維が30重量%、ビスコースレーヨン繊維が30重量%、断面ミックスカチオン可染ポリエステル繊維が34重量%、およびポリウレタン系繊維が6重量%からなる、目付が150g/mの生地を得た。
上記で得られた生地の摩擦帯電圧、ウオッシュ&ウエア性、吸湿発熱性、速乾性、保温性、およびピリングを評価した。また、染色時に反応染料の黒染色のみのものと、カチオン染料の黒染色のみのものも作成し、グレーの色目を評価した。その結果を、表1に示す。その結果、ウオッシュ&ウエア性、速乾性および保温性は高いが、摩擦帯電圧は1700Vであり、かつ吸湿発熱性も2.5℃であり、静電気が発生しやすく吸湿発熱性も低い結果となった。また、ピリングは2級であった。グレーの色目は、反応染料染色のみであれば白過ぎないグレーであり、カチオン染料染色のみであれば黒過ぎないグレーであった。
(比較例3)
テトラアルキルアジピン酸塩を0.4owf%付与したポリアクリル繊維ステープル(単繊維繊度1.0デシテックス、長さ45mm、東レ(株)“トレロン” (登録商標))のみからなる、1/64s(番手)の紡績糸を得た。
このようにして得られた紡績糸と、断面が、丸断面繊維と星形断面繊維の断面ミックスのカチオン可染ポリエステル繊維フィラメント(総繊度84デシテックス、48フィラメント、東レ(株)“テトロン”(登録商標))と、ポリウレタン系弾性繊維(総繊度22デシテックス、2フィラメント、オペロンテックス製“ライクラ”(登録商標))とを、釜径76.2cm、ゲージ数28本/2.54cm、ウエル数40、およびコース数62の設定で、天竺編組織で交編して生機を得た。
得られた生機を、参考例1と同様に連続リラックス/精練―乾燥(温度175℃、時間25秒)−セット−タッキング−染色(液流染色温度115℃)−乾燥(温度112℃)−セットの工程により染色加工し、生地重量比でポリアクリル繊維が0重量%、ビスコースレーヨン繊維が60重量%、断面ミックスカチオン可染ポリエステル繊維が34重量%、ポリウレタン繊維が6重量%からなる、目付が150g/mの生地を得た。
上記で得られた生地の摩擦帯電圧、ウオッシュ&ウエア性、吸湿発熱性、速乾性、保温性、およびピリングを評価した。また、染色時に反応染料の黒染色のみのものと、カチオン染料の黒染色のみのものも作成し、グレーの色目を評価した。その結果を、表1に示す。その結果、ウオッシュ&ウエア性、速乾性および保温性は非常に高いが、摩擦帯電圧は5000Vであり、かつ吸湿発熱性も0.4℃であり、非常に静電気が発生しやすく、吸湿発熱性も非常に低い結果となった。また、ピリングは1−2級(1.5級)であり、グレーの色目も反応染料の黒染色のみであれば白であり、すなわち染色されず、またカチオン染料の黒染色のみであれば黒であった。
(比較例4)
ビスコースレーヨン繊維ステープル(単繊維繊度1.4デシテックス、長さ38mm、ダイワボウレーヨン(株)製)のみからなる、1/64s(番手)の紡績糸を得た。
このようにして得られた紡績糸と、断面が、丸断面繊維と星形断面繊維の断面ミックスカチオン可染ポリエステル繊維フィラメント(総繊度84デシテックス、48フィラメント、東レ(株)“テトロン”(登録商標))と、ポリウレタン系弾性繊維(総繊度22デシテックス、2フィラメント、オペロンテックス製“ライクラ”(登録商標))とを、釜径76.2cm、ゲージ数28本/2.54cm、ウエル数40、およびコース数62の設定で、天竺編組織で交編して生機を得た。
得られた生機を、参考例1と同様に連続リラックス/精練―乾燥(温度175℃、時間25秒)−セット−タッキング−染色(液流染色温度115℃)−乾燥(温度112℃)−セットの工程により染色加工し、生地重量比でポリアクリル繊維が0重量%、ビスコースレーヨン繊維が60重量%、断面ミックスカチオン可染ポリエステル繊維が34重量%、ポリウレタン繊維が6重量%からなる、目付が150g/mの生地を得た。
上記で得られた生地の、摩擦帯電圧、ウオッシュ&ウエア性、吸湿発熱性、速乾性、保温性、およびピリングを評価した。また、染色時に反応染料の黒染色のみのものと、カチオン染料の黒染色のみのものも作成し、グレーの色目を評価した。その結果を、表1に示す。その結果、摩擦帯電圧と吸湿発熱性とピリングは3級と高いが、ウオッシュ&ウエア性、速乾性および保温性は非常に低い結果となった。また、グレーの色目も、反応染料染色のみであれば黒過ぎないグレーであり、カチオン染料染色のみであれば白過ぎないグレーであった。
(比較例5)
ビスコースレーヨン繊維ステープル(単繊維繊度1.4デシテックス、長さ38mm、ダイワボウレーヨン(株)製)55重量%と、テトラアルキルアジピン酸塩を0.4owf%付与したアクリルステープル(単繊維繊度1.0デシテックス、長さ45mm、東レ(株)“トレロン” (登録商標))45重量%とを、カードミックスで混綿して、1/64s(番手)の紡績糸を得た。
このようにして得られた紡績糸と、ポリウレタン弾性繊維(総繊度22デシテックス、2フィラメント、オペロンテックス製“ライクラ”(登録商標))とを、釜径76.2cm、ゲージ数28本/2.54cm、ウエル数40、およびコース数62の設定で、天竺編組織で交編して生機を得た。
得られた生機を、参考例1と同様に、連続リラックス/精練―乾燥(温度175℃、25秒)−セット−タッキング−染色(液流染色温度115℃)−乾燥(温度112℃)−セットの工程により染色加工し、生地重量比でポリアクリル繊維が42重量%、ビスコースレーヨン繊維が52重量%、断面ミックスカチオン可染ポリエステル繊維0重量%、およびポリウレタン繊維が6重量%からなる、目付が150g/mの生地を得た。
上記で得られた生地の摩擦帯電圧、ウオッシュ&ウエア性、吸湿発熱性、速乾性、保温性、およびピリングを評価した。また、染色時に反応染料の黒染色のみのものと、カチオン染料の黒染色のみのものも作成し、グレーの色目を評価した。その結果を、表1に示す。比較例5においては、摩擦帯電圧、吸湿発熱性および保温性は高いが、ウオッシュ&ウエア性と速乾性が非常に低い結果となった。また、ピリングは2級であった。グレーの色目は、反応染料染色のみ、およびカチオン染料染色のみとも同じグレーであった。
Figure 0006447128

Claims (8)

  1. ビスコースレーヨン系繊維を30重量%超えて40重量%未満、カチオン可染性ポリエステル繊維を30重量%超えて40重量%未満、ポリアクリル系合成繊維を25重量%超えて30重量%未満、およびポリウレタン系弾性繊維を5重量%超えて10重量%未満の割合で含んでなる繊維構造物であり、前記カチオン可染性ポリエステル繊維の単繊維繊度が1.0デシテックス以下であり、前記繊維構造物の摩擦帯電圧が1500V以下であり、かつJIS L0217 103法に基づく洗濯5回後のAATCC124法のウオッシュ&ウエア性が3級以上であることを特徴とする繊維構造物。
  2. 繊維構造物の吸湿発熱性能が2.6℃以上である請求項1記載の繊維構造物。
  3. 繊維構造物の残留水分率が30%以下になる時間が40分以下である請求項1または2記載の繊維構造体。
  4. 繊維構造物の保温率が14%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の繊維構造物。
  5. 繊維構造物のピリングが2.5級以上である請求項1〜4のいずれかに記載の繊維構造物。
  6. カチオン可染性ポリエステル繊維が、異形断面を有する繊維を含む請求項1〜5のいずれかに記載の繊維構造物。
  7. 繊維構造物が単層構造の編地からなる請求項1〜6のいずれかに記載の繊維構造物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の繊維構造物を用いてなる衣料。
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