JP2014114527A - 混合紡績糸からなる編物 - Google Patents

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潔 小林
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学 吉田
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Abstract

【課題】ウール(羊毛)を用いた素材でありながら、チクチクする肌差し感を抑制し、ピリング性と耐洗濯性に優れ、肌着として着用できるヌメリ感のあるソフトな風合いを達成し、更には高ストレッチ性および保温性と吸・放湿性を有する、肌着に好適な編地を提供する。
【解決手段】混合紡績糸からなる編地は、シリコーンで表面処理された細繊度ポリアミド繊維と、ウールからなる混合紡績糸で編成された編地であって、ポリアミド繊維が30質量%〜70重量%、紡績糸の番手がメートル番手1/72以下、紡績糸のヨリ係数がインチ方式でK=3.7〜4.7の強燃の範囲に設定することにより得られる編地である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ウール(羊毛)を用いた素材でありながら、チクチクする肌差し感を抑制し、ピリング性と耐洗濯性に優れ、肌着として好適なヌメリ感のあるソフトな風合いを達成し、更には高ストレッチ性および保温性と吸・放湿性を有する、肌着に好適な混合紡績糸からなる編地に関するものである。
従来から、ウールを使ったニット製品は冬物衣料として消費者に受け入れられているが、肌着のように直接着用すると、チクチクした肌刺し感により、一般的な肌着素材として、消費者に受け入れられるものが少ない。セーターなどのニット製品に関しては、外観的な天然獣毛の特性を合成繊維ステープルによって得る試みとして、特に獣毛に似た外観的風合いとヌメリ性を付与しようとしたニット製品が提案されている(特許文献1および特許文献2参照。)。
しかしながら、これらの提案は、いずれもシリコーン処理剤を付与しない、またはシリコーン処理剤を付与した、例えば、獣毛の刺毛調の太繊度のポリアミド繊維、または、例えば、獣毛の産毛調の細繊度のポリアミド繊維から構成されたものであり、太繊度のポリアミド繊維を用いたニット製品には、ヌメリ感はあるものの外観的風合い重視により、太繊度繊維特有の粗硬感が強く、毛抜けの発生やピリング性に劣り、肌着には適用できないという課題がある。また、シリコーン処理剤を付与した細繊度繊維は、太繊度繊維の外観的風合いを補助する目的で用いられるため、極めて低混率の混合であり、ストレッチ性とピリング性を必要とする肌着には適用できないという課題がある。
また、天然獣毛の持つソフトな膨らみと、さらに高級感のあるヌメリ感の風合いを付与するために、沸水収縮率が10%以上の高収縮性ポリアクリル系短繊維30〜50質量%とポリアミド繊維等の混紡による素材が提案されている(特許文献3および特許文献4参照。)。これらの提案は、いずれも外観的風合いを特徴とする保温性に優れた素材であるが、ポリアクリル系短繊維の高収縮性付与により、肌着に必要とされる曲げ剛性に劣り、またストレッチ性に欠けるため、着用に際し体に沿ったフィット感が得られないという課題がある。
一方、粗紡糸や紡績糸とフィラメント、および例えばポリウレタン繊維等の弾性繊維を糸の流れに直行する方向に往復運動する加撚ローラによる合撚方式において、直接着用しても肌刺し感のない肌着を達成した提案がされている(特許文献5参照。)。しかしながら、この提案では、弾性繊維を合撚することにより、ストレッチ性は得られるが、伸長率の幅は小さく、一般的な範囲の編織物となる。
特開昭55−122027号公報 特開昭55−122028号公報 特開平6−158464号公報 特開平11−279874号公報 特開2008−308793公報
そこで本発明の目的は、ウールを用いた素材でありながら、チクチクする肌差し感を抑制し、ピリング性と耐洗濯性に優れ、肌着として着用できるヌメリ感のあるソフトな風合いを達成し、更には、高ストレッチ性と保温性と吸・放湿性を有する、肌着に好適な編地を提供することにある。
本発明は、前記の課題を解決せんとするものであって、本発明の混合紡績糸からなる編地は、単繊維繊度が1.0〜2.7デシテックスで、シリコーンで表面処理されたポリアミド繊維30〜70質量%と、ウール70〜30質量%とを混合してなる紡績糸を用いて編成された編地であって、その編地が次の(1)〜(5)の要件を同時に満たす編地である。
(1)前記紡績糸の番手がメートル番手で1/40〜1/72の範囲である。
(2)前記紡績糸のヨリ係数が、インチ方式でK=3.7〜4.7の強燃の範囲である。
(3)目付けが150〜300g/mの範囲である。
(4)タテ方向とヨコ方向の曲げ剛性の平均値(B値)が0.01〜0.05g・cm/cmの範囲である。
(5)タテ方向とヨコ方向の伸長率の平均値が70%以上で、かつ伸長回復率のタテ方向とヨコ方向の平均値が80%以上である。
本発明の混合紡績糸からなる編地の好ましい態様によれば、前記の紡績糸は、シリコーンで表面処理されたポリアミド繊維とウールとが混合されてなる粗紡糸と、ポリアミドマルチフィラメントとを、精紡機で交撚してなる長短複合糸である。
本発明の混合紡績糸からなる編地の好ましい態様によれば、編地は、前記の紡績糸90〜98質量%と、ポリウレタン繊維糸10〜2質量%とを合撚し合撚糸として用いた編地、または紡績糸とポリウレタン繊維糸を交編してなる編地である。
本発明の混合紡績糸からなる編地の好ましい態様によれば、前記の編地のタテ方向とヨコ方向の曲げヒステリシス幅の2HB平均値は0.02〜0.04g・cm/cm、タテ方向とヨコ方向の表面粗さのSMD平均値は2.5〜4.5μm、保温率 clo値は0.5以上、かつ吸・放湿率はΔMR値:2.0以上の編地である。
本発明によれば、ウールを用いた素材でありながら、チクチクする肌差し感を抑制し、ピリング性と耐洗濯性に優れ、肌着として着用できるヌメリ感のあるソフトな風合いを達成するために、シリコーンで表面処理した細繊度のポリアミド繊維を混紡した紡績糸により肌着を構成することにより、ヌメリ感のあるソフトな風合いと、高ストレッチ性および保温性と快適性を有する肌着に好適な編地が得られる。
また、本発明によれば、特に単繊維繊度が1.0〜2.7デシテックスで、シリコーンで表面処理されたポリアミド繊維を30重量%以上混合することにより、ストレッチ性に優れた、ウールを用いても肌刺し感のない体にフィットした高保温性肌着を得ることができる。
本発明の混合紡績糸からなる編地は、単繊維繊度が1.0〜2.7デシテックスで、シリコーンで表面処理されたポリアミド繊維30〜70質量%と、ウール70〜30質量%とを混合してなる紡績糸を用いて編成された編地である。
本発明で用いられるポリアミド繊維を構成するポリアミドとしては、ポリヘキサメチレナジパミド(ナイロン66)やポリε−カプラミド(ナイロン6)からなるポリアミドが好適であるが、セパシン酸、イソフタル酸およびパラキシレンギアミドなどを構成成分とするポリアミドあるいはこれらの共重合ポリアミドを用いることができる。本発明に最も好適なポリアミドは、ポリε−カプラミド(ナイロン6)であり、このポリε−カプラミド(ナイロン6)はソフトな風合いを得やすく、染色性や発色性にも優れている。
本発明で用いられるポリアミド繊維は、単繊維繊度が1.0〜2.7デシテックスあり、単繊維繊度は好ましくは1.0〜2.2デシテックスである。
本発明で用いられるポリアミド繊維は、ウールと高混率で混合されるため、単繊維繊度が、1.0デシテックスより細くなると紡績通過性が著しく悪化し、肌着に好適な品質の紡績糸が得られない。また、単繊維繊度が、2.7デシテックスより太くなると、紡績通過性は向上するものの、肌着に好適な細い番手の紡績糸が得られず、編地に粗硬感が現われる。
本発明で用いられるポリアミド繊維は、次のようにして製造することができる。すなわち、ポリヘキサメチレナジパミド(ナイロン66)やポリε−カプラミド(ナイロン6)等のポリアミドを溶融紡糸後、浸積により界面活性剤を付与し、フィラメント状の集合体(トウ)を得る。次に、得られたトウを延伸した後、捲縮を付与し、熱処理乾燥し、切断して短繊維を得る。トウは、1.0〜2.7デシテックスの平均単繊維繊度を得るまで延伸し、捲縮数が好ましくは8〜20山/インチ、捲縮度が好ましくは8〜20%の範囲にある捲縮を付与したものが、紡績性に支障を来さないため好ましい特に態様である。
本発明で用いられるポリアミド繊維の繊維断面形状は、特に限定されるものではなく、丸断面のほか、扁平断面やY型断面など、いわゆる異型断面形状であってもよい。丸断面形状を用いることは、繊維長が38〜102mmまで通常の平滑性のある紡績性が得られるため最も好ましく使用される。
本発明においてポリアミド繊維は、前述のとおり、単繊維繊度が1.0〜2.7デシテックスの範囲のものが使用される。1.0デシテックス未満または2.7デシテックスを超える単繊維繊度のいずれにおいても、紡績性や紡績糸の品質に支障をきたすためである。
また、本発明に用いられるポリアミド繊維としては、捲縮数が8〜20山/インチ、捲縮度は8〜20%の範囲にあるものが、紡績性に支障をきたさないため、好ましく使用される。
本発明で用いられるポリアミド繊維には、シリコーンが付与される。ポリアミド繊維に付与されるシリコーンとしては、ポロシロキサン系繊維処理剤が使用される。ポロシロキサン系繊維処理剤には、ジメチル系メチルフェニル系のアニオン性非反応型ポロシロキサン、変性ポリエーテル系の非イオン性非反応型ポロシロキサン、高重合物系アニオン性反応型ポロシロキサン、および高重合物系カチオン性反応型ポロシロキサン等が好ましく用いられ、更に好ましくは、高重合物系のカチオン性反応型であるアミノアルキルポリシロキサンが用いられる。
本発明で用いられるポリアミド繊維に付与されるポロシロキサン系繊維処理剤の割合は、繊維質量に対して、0.01〜0.15質量%の範囲が好ましく、更に好ましくは0.05〜0.1質量%の範囲である。ポロシロキサン系繊維処理剤は、繊維にぬめり感とストレッチ性を付与する目的で使用されるが、付与する割合が0.01質量%を下回ると、好適なぬめり感やストレッチ性が得られ難く、通常のポリアミドと同様の編地となる。また、付与する割合が0.15質量%を上回ると、紡績工程で油剤が脱落することもあり、油剤が脱落すると紡績性や紡績糸の品質に支障をきたすことがある。
本発明でポリアミド繊維に用いられるポロシロキサン系繊維処理剤は、好適には繊維の紡糸工程中において付与される。ポロシロキサン系繊維処理剤は、繊維の紡糸工程中、界面活性剤に混合して、浸漬法により付与することができる。または、トウを延伸した後の、捲縮を付与する前後にポロシロキサン系繊維処理剤を単独で付与させてもよい。好ましくは、ポロシロキサン系繊維処理剤は、捲縮をかける前または後に単独でスプレー付与し、好ましくは145℃以上で熱処理乾燥をすることにより、耐久性が得られる。ポロシロキサン系繊維処理剤の付与は、捲縮をかける前または後のいずれでも良い。
ポリアミド繊維に、上記のようにシリコーンを適用することにより、ヌメリ感のあるソフトな風合いと、高いストレッチ性など、肌着に好適な機能が達成できる。
また、本発明で用いられるウールの平均直径は、18.0〜24.0ミクロンが好ましく、より好ましくは18.0〜21.5ミクロンである。また、ウールは、ピリング性や寸法安定性が更に安定するため、防縮加工を施したものが好ましく用いられる。
ウールの防縮加工には、ウール繊維表層のウロコ状部(スケール)を薬品処理により除去する加工(クロイ加工)や、スケール最表面をポリマー樹脂で被膜するコーティング加工が一般的である。このような処理によりスケールの立ち上がりが押さえられ、編地の寸法安定性が向上する。
ウールを防縮加工する手段としては、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、ジクロロイソシアヌル酸塩、過マンガン酸カリまたはモノ過硫酸の酸化剤を含む水浴に羊毛繊維を浸した後、ポリアミド樹脂を被覆する手段などが用いられる。通常、防縮加工(クロイ加工)には、次亜塩素酸塩が用いられる。
本発明で用いられるウールの繊維長は、HAUTER法で測定すると平均値で通常60〜90mm程度であり、最長繊維は150mm程度のものもある。したがって、紡績に使用するウールの繊維長は、ポリアミド繊維の繊維長にあわせて均等にカットしたものを用いることが好ましい。
本発明で用いられる紡績糸は、シリコーンで表面処理されたポリアミド繊維30〜70質量%と、ウール70〜30質量%とを混合してなる紡績糸である。本発明で用いられる紡績糸を構成するポリアミド繊維の割合は、30〜70質量%あり、好ましくは50〜70質量%である。
ポリアミド繊維の割合が、30質量%を下回るとヌメリ感のあるソフトな風合いや高ストレッチ性が得られない。また、ポリアミド繊維の割合が、70質量%を上回るとウールの持つ機能が発揮できず、嵩高性や吸・放湿性に劣り、肌着に必要な保温性や快適性が得られない。
また、本発明で用いられる紡績糸において、ウールの割合は30〜70質量%であり、好ましくは30〜50質量%である。ウールの割合が、30質量%を下回ると嵩高性や吸・放湿性に劣り、肌着に必要な保温性や快適性が得られない。また、ウールの割合が70質量%を上回るとヌメリ感のあるソフトな風合いや高ストレッチ性が得られない。
本発明で用いられる紡績方法としては、シリコーンで表面処理されたポリアミド繊維の繊維長さが、例えば76mm以下であれば、同様の繊維長に切断加工した防縮加工ウールを計量により、所定の混率にあわせた原料を、混打綿工程で均一に混合し、カード工程、練条工程、粗紡工程、精紡工程、および巻糸工程と公知の紡績工程を通過させ、均一に混合された紡績糸が得られる。
シリコーンで表面処理されたポリアミド繊維は絡合性が低いため、単独でカード工程を通過させることが難しく、ウールを混合させることにより、このカード工程を通過の課題を解決することができる。
また、ポリアミド繊維の繊維長が76mmより長い場合は、梳毛紡績となるが、カード工程においては同様に、絡合性の低いポリアミド繊維の紡績性を向上させるため、ポリアミド繊維と同量以下のウールを切断して混紡することができる。残りのウールは、ギル工程でトップスライバーのまま供給し、混合することができる。
精紡工程は、リング方式により、一定方向に強燃をかけることにより、繊維が均一に拘束され、毛羽も短く抑えることができる。これによって、引張強伸度も安定するため、肌着に適応する均一な品質の紡績糸が得ることができる。
本発明において、紡績糸として、シリコーンで表面処理されたポリアミド繊維とウールとが混合されてなる粗紡糸と、ポリアミドマルチフィラメントとを、精紡機で交撚してなる長短複合糸を用いることができる。
ポリアミドマルチフィラメントを用いた長短複合糸を紡績する場合は、リング精紡機のフロントローラーの間にガイドを介し、ポリアミドマルチフィラメントを挿入することにより長短複合糸を得ることができる。
ポリアミドマルチフィラメントの総繊度は、紡績糸の番手が細いため、好ましくは22〜84デシテックスの範囲であり、より好ましくは44〜56デシテックスの範囲である。延伸する必要はなく、一定のテンションにより、張力は安定するため、均一な長短複合糸が得られる。
また、本発明においては、ポリウレタン繊維糸を混用して用いることができる。ポリウレタン繊維糸は、紡績工程または編成工程のどちらで用いてもよい。ポリウレタン繊維糸を紡績工程で用いる場合は、撚糸工程で紡績糸と合撚し合撚糸とすればよい。また、ポリウレタン繊維糸を編成工程で用いる場合は、紡績糸と交編すればよい。
紡績糸とポリウレタン繊維糸の混用割合は、紡績糸が好ましくは90〜98質量%であり、ポリウレタン繊維糸が好ましくは10〜2質量%である。
ポリウレタン繊維糸の総繊度は、20〜44デシテックスが好ましく、紡績工程で2.5〜3.5倍に延伸させて用いると、ポリウレタン繊維糸が合撚糸の内側に配置され、またストレッチ・パワーも安定する。また、編成工程で交編する場合も、ポリウレタン繊維糸の総繊度は、20〜44デシテックスが好ましく、2.5〜3.5倍に延伸させて用いると、ポリウレタン繊維糸が編地の中側に配置され、ストレッチ・パワーも安定する。
本発明で用いられる紡績糸の番手は、メートル番手で1/40〜1/72の範囲であり、好ましくは1/48〜1/64の範囲である。紡績糸の番手が、メートル番手で1/40より太くなると、紡績通過性は良くなるが、生地に厚みが生じる。また、番手が、メートル番手で1/72より細くなると紡績通過性が悪化し、本発明の肌着においてより好適な編地が得られない。
また、本発明で用いられる紡績糸のヨリ係数は、インチ方式でK=3.7〜4.7の範囲であり、好ましくはK=3.9〜4.5の範囲である。
ヨリ係数が、インチ方式でK=3.7を下回ると、紡績糸を構成する際にポリアミド繊維を拘束することが難しく、紡績糸の引張り強度や引張り伸度が安定しない。また、ヨリ係数がK=4.7を上回ると、編地に粗硬感が生じるとともに斜行が発生する。
また、本発明で用いられる紡績糸を用いた肌着に好適な編地の目付けは、150〜300g/mの範囲であり、好ましくは180〜280g/mの範囲である。特にウールを用いる肌着は、厳冬地域や冬場の登山やハイキングに用いるため、編地の目付けは150〜300g/mが必要となる。
本発明における編地の目付けが150g/mより軽くなると、編地が薄すぎて必要な保温性を得ることができない。また、目付けが300g/mより重くなると、生地がかさばるため、動きにくく機能性にも劣るという課題がある。
本発明における編地のタテ方向とヨコ方向の曲げ剛性の平均値(B値)は、風合い上、0.01〜0.05g・cm/cmの範囲である。B値がこの範囲より小さい場合は、編地が柔らかすぎて、タラタラになり、またこの範囲より大きい場合は、硬すぎてゴワゴワして体にフィットしない。
本発明において、上記のB値は、0.01〜0.03g・cm/cmが好ましく、単繊維繊度が1.0〜2.7デシテックスで、シリコーンで表面処理されたポリアミド繊維30〜70質量%を用い、編地の目付けを300g/m以下にすることで好適に達成される。
本発明における編地は、タテ方向とヨコ方向の伸長率の平均値が70%〜95%が好ましい。編地の強度を保つためには95%以下であることが好ましい。また、伸長回復率のタテ方向とヨコ方向の平均値が、80%以上であれば、肘抜けなどの生地の型くずれを防止できる。
本発明においては、紡績糸のヨリ係数をインチ方式でK=3.7〜4.7の範囲とすることにより、繊維の拘束を強めることができ、また単繊維繊度が1.0〜2.7デシテックスで、シリコーンで表面処理されたポリアミド繊維30〜70質量%を用いることにより繊維間の摩擦をやわらげるため、高い伸長率と回復率が達成できる。このようにして、ウールを用いた肌着でありながら、厳冬地域や冬場の登山やハイキングのさまざまな運動姿勢に対応できる高ストレッチ性が達成できる。
本発明で用いられる紡績糸には、前述のように、シリコーンで表面処理されたポリアミド繊維とウールとが混合されてなる粗紡糸と、ポリアミドマルチフィラメントとを、精紡機で交撚してなる長短複合糸が含まれる。
混紡糸の場合は、練条工程またはギル工程で得られた、混合スライバーを粗紡工程でドラフトして粗紡糸が得られる。粗紡糸を精紡工程でドラフトし、撚りをかけることにより紡績糸が得られる。精紡工程のドラフト倍率は、番手から逆算して、15〜40倍の範囲にするとよい。
長短複合糸の場合は、ポリアミドマルチフィラメントの総繊度が紡績糸に加わるため、紡績糸の番手から逆算した総繊度のものを使用すればよい。本発明で用いられる紡績糸には、シリコーンを表面処理したポリアミド繊維30質量%以上とウール30質量%以上が含まれるため、ポリアミドマルチフィラメントの割合は40質量%以下となる。
精紡工程はリング方式により、一定方向に強燃をかけることにより、繊維が均一に拘束され、毛羽も短く抑えることができる。したがって、引張強伸度も安定するため、肌着に適応する均一な品質の紡績糸が得ることができる。
ポリアミドマルチフィラメントを用いた長短複合糸を紡績する場合は、リング精紡機の上下のフロントローラー間にポリアミドマルチフィラメントを挿入すればよい。
ポリアミドマルチフィラメントは、均一な撚り形状の紡績糸が得られるという観点から、フロントローラー上部にガイドを介して挿入することが好ましい。
ポリアミドマルチフィラメントの総繊度は、紡績糸の番手が細いため、好ましくは22〜84デシテックスの範囲であり、より好ましくは44〜56デシテックスの範囲である。また、単繊維繊度は1.1〜3.3デシテックスの範囲であることが好ましい。本発明で用いられるポリアミドマルチフィラメントは紡績に際し、延伸する必要はなく、一定のテンションで、張力を安定させることにより、均一な長短複合糸が得られる。
長短複合糸の紡績において、均一な撚り形状の長短複合糸を得るために、ポリアミドマルチフィラメントにはシリコーンを付与しないことが好ましい。ポリアミドマルチフィラメントにシリコーンを付与することにより、短繊維側との摩擦が低下し、均一な撚り形状の紡績糸が得られ難い。
長短複合糸における粗紡糸の割合は、好ましくは60〜90質量%であり、より好ましくは70〜80質量%である。また、長短複合糸におけるポリアミドマルチフィラメントの割合は、好ましくは10〜40質量%であり、より好ましくは20〜30質量%である。
本発明の混合紡績糸からなる編地は、上記の紡績糸用いて編成される。
本発明の混合紡績糸からなる編地としては、丸編地であるシングル丸編地やダブル丸編地、経編地であるシングルトリコット編地やダブルトリコット編地およびシングルラッシェル編地やダブルラッシェル編地があり、狙い肌着種などに応じ各々の専用編機を用いて製編(編成)することができる。編組織は、丸編地の天竺組織、鹿の子組織、インターロック組織、メッシュ組織、片面凹凸変化組織など、経編地のハーフ組織、サテン組織、メッシュ組織、および片面凹凸変化組織などの肌着として使用されている編組織が適用できる。
本発明の肌用の編地の目付は、150〜300g/mである。編地の目付けが150g/m以上であれば編地に必要な保温性を得ることができる。また、300g/m以下であれば、編地の風合いもソフトで、重く感じたり、動き易さが妨げられず、体にフィットした肌着を得ることができる。
製編された生機編地の熱処理、精練や染色等の加工は、通常の編地の加工法に準じて行うことができる。
本発明の混合紡績糸からなる編地は、タテ方向とヨコ方向の曲げヒステリシス幅の2HB平均値が好ましくは0.02〜0.04g・cm/cmである。また、本発明の混合紡績糸からなる編地は、タテ方向とヨコ方向の表面粗さのSMD平均値が好ましくは2.5〜4.5μmである。本発明の混合紡績糸からなる編地は、保温率clo値が好ましくは0.5〜0.9で、かつ吸・放湿率ΔMR値が好ましくは2.0〜4.0である。
本発明において、タテ方向とヨコ方向の曲げヒステリシス幅の2HB平均値は、編地の反発性を表すものであり、曲げ剛性(B値)と同一の評価機器を用いて測定することができる。編地のタテ方向とヨコ方向に曲げたときの各々についての曲げヒステリシス幅の2HB値を加算し、さらにその加算値を1/2にして2HB平均値とした。この2HB平均値が小さいほど、編地に歪みがなく、腰のある反発性の高い風合いである。
本発明の編地の2HB平均値は、好ましくは0.02〜0.04g・cm/cmの範囲であり、2HB平均値がこの範囲であれば、風合い上好ましい態様である。2HB平均値がこの範囲より大きい場合は、風合いに腰がなくなる傾向を示す。一方、2HB値がこの範囲より小さい場合は、ハリが強すぎて硬すぎる方向になる。
また、タテ方向とヨコ方向の表面粗さのSMD平均値は、編地の滑らかさを表すものであり、評価機器としてKES−FB4表面試験機(カトーテック(株)製)を用い、編地のタテ方向とヨコ方向の各々についてのSMD値を加算し、さらにその加算値を1/2にしてSMD平均値とした。このSMD平均値が小さいほど、編物に凹凸が少ない。本発明の編地のSMD平均値は、好ましく2.5〜4.5μmの範囲であり、SMD平均値がこの範囲であれば、凹凸が少なく、しっとり感、ヌメリ感、滑り感が適度に保たれている好ましい態様である。また、SMD平均値が2.5に満たない場合は、凹凸が殆どなくなり表面が滑りすぎる傾向がある。一方、SMD値が4.5を超えるものは、凹凸がありすぎてゴワゴワしたタッチとなる傾向がある。
本発明における編地の保温性は、指標の一つとして知られている保温率clo値(1clo=0.18℃・hr・m/cal)で表され、その数値が大きいほど生地としての保温性が高いことを示す。clo値の測定方法は、KES−F7(カトーテック(株)製)を使って行ない、0.5以上0.9以下の保温率clo値の編地においては、着用状態で環境が変化しても暖かいと感じられる範囲である。この保温性clo値は、厚さと関係があり、生地厚さが厚くなるとclo値は高くなる。したがって、保温率clo値は、編地の目付けが150g〜300g/mであれば必要な保温性を得ることができる。
また、本発明における編地の吸・放湿性は、衣服内を想定した30℃×90%RHの平衡吸湿率と外気を想定した20℃×65%RHの平衡吸湿率の差から△MRを算出し、吸・放湿率とした。吸・放湿率△MR値が大きいほど、編物の湿度の吸収と放湿との差が大きく蒸れにくいことから、吸・放湿率△MR値が1.5%以上あれば着用快適性に優れるといえる。本発明の編地の吸・放湿率ΔMR値は、ポリアミド繊維とウールを組み合わせることにより、好ましくは2.0〜4.0%の範囲となり、快適な着用感を得ることができる。
また、本発明の混合紡績糸からなる編地の一態様として、前述のように、本発明で用いられる前記のシリコーンで表面処理されたポリアミド繊維とウールとが混合されてなる紡績糸と、ポリウレタン繊維糸とを合撚し合撚糸として用いた編地、または、紡績糸とポリウレタン繊維糸を交編してなる編地が挙げられる。紡績糸には、前述の長短複合糸が含まれる。
ポリウレタン繊維糸は、前述のように、紡績工程または編成工程のどちらで用いてもよい。
本発明では、ポリウレタン繊維糸を混用せずとも優れた伸長率および伸長回復率を得ることができるが、もちろんさらに優れた編地の特性を得るために風合いや染色性等を損なわない範囲でポリウレタン繊維糸を混用することが好ましい。
編地を構成するポリウレタン繊維糸の割合は、10〜2質量%の範囲が好ましい。ポリウレタン繊維糸は、紡績工程において合撚または編成工程で交編のいずれの方法でも同様の効果が得られる。
本発明の混合紡績糸からなる編地は、肌着やカットソー等の丸編みニット素材として、タイツや靴下等のレッグニット素材として、またマフラーやショール、帽子および手袋などの編物等に好適な編地である。また、デニムやズボンの裏地としても好適である。
また、本発明の混合紡績糸からなる編地には、付帯加工として、防汚加工、抗菌加工、消臭加工および防臭加工、さらには形状加工として、カレンダー加工、エンボス加工および起毛加工等があり、最終狙い用途の要求特性によって適宜使い分けて使用することができる。
次に、本発明の混合紡績糸からなる編地を実施例によって、さらに詳細に説明する。本発明で用いられる特性の測定方法は、次のとおりである。
(1)曲げ剛性の平均値(B値)(ソフト性)
評価機器としてKES−FB2純曲げ試験機(カトーテック(株)製)を用い、編地のタテ方向とヨコ方向の各々についての曲げたときの編地の曲げ剛性B値を加算し、さらにその加算値を1/2にして平均値とした。値が小さいほど、剛性は低く、ソフトな風合いである。本発明の編地のB値は、0.01〜0.05g・cm/cmの範囲である。B値がこの範囲であれば、風合い上好ましい。B値がこの範囲より小さい場合は風合いがクタクタになり、また、この範囲より大きい場合は硬くなりすぎる。
(2)平均伸長率(ストレッチ性)
編地平均伸長率JIS L−1096の伸長率B法(定速伸長法)で測定した。値が高いほど、ストレッチ性が高く良好なものである。編地のタテ方向とヨコ方向の各々についての伸長率を加算し、さらにその加算値を1/2にして平均伸長率とした。
(3)平均伸長回復率
JIS L−1096の伸長回復率B法(繰り返し定速伸長法)で測定した。値が高い程、ストレッチ性が高く良好なものである。編地のタテ方向とヨコ方向の各々についての伸長回復率を加算し、さらにその加算値を1/2にして平均伸長回復率とした。
(4)ヒステリシス幅の2HB平均値(反発性)
前記のB値と同一の評価機器を用いて、同様に編地のタテ方向とヨコ方向に曲げたときの編物の曲げヒステリシス幅の2HB値を加算し、さらにその加算値を1/2にして平均値とした。値が小さいほど、編物に歪みがなく、腰のある反発性の高い風合いである。本発明の編地の2HB平均値は、0.02〜0.04g・cm/cmの範囲であり、2HB平均値がこの範囲であれば、風合い上好ましい態様である。2HB平均値がこの範囲より大きい場合は、風合いに腰がなくなる傾向を示す。一方、2HB平均値がこの範囲より小さい場合は、ハリが強すぎて硬すぎる方向になる。
(5)表面粗さのSMD平均値(滑らかさ)
評価機器としてKES−FB4表面試験機(カトーテック(株)製)を用い、編地のタテ方向とヨコ方向の各々についてのSMD値を加算し、さらにその加算値を1/2にして平均値とした。値が小さいほど、編物に凹凸が少ない。本発明の編地のSMD平均値は2.5〜4.5μmの範囲であり、SMD平均値がこの範囲であれば、凹凸が少なく、しっとり感、ヌメリ感、滑り感が適度に保たれている好ましい態様である。SMD平均値が2.5に満たない場合は凹凸が殆どなくなり表面が滑りすぎて好ましくない。一方、SMD平均値が4.5を越えるものは凹凸がありすぎてゴワゴワしたタッチとなり、好ましくない。
(4)保温性(clo値)(暖かさ)
温度20℃×湿度65%の温調室において、カトーテック株(株)製のKES−F7を使い、室温20℃より10℃高い30℃に設定した10cm×10cm熱板(B.T.Box)の上に、10cm×10cmに採取した試料(編地)をのせ、平衡に達したときのW値を測定し、3回の平均値を求めclo値とした。clo値の数字が大きいほど保温性が高いことを示す。
(5)吸湿率(ΔMR値)(快適性)
編物サンプル(試験片)を絶乾させた後に、温度30℃湿度90%と、温度20℃湿度65%のそれぞれのデシケーターに入れて、24時間後の編物の質量(湿度吸収量)を測定し、△MR値を下記式より求める。
ΔMR=MR2−MR1=(W1−W3)/W3×100%、
MR2=(W2−W3)/W3×100%
ここで、W1:温度20℃×湿度65%RHにおける試験片の質量(g)
W2:温度30℃×湿度90%RHにおける試験片の質量(g)
W3:絶乾状態における試験片の質量(g)
△MR値が大きいほど、編物の湿度の吸収と放湿との差が大きく、蒸れにくい。本発明の編地のΔMR値は2.0%以上であり、これは、例えば、ΔMR値0.1〜0.2%のポリエステル繊維100%の編地に比べてはるかに蒸れにくく、着用快適性に優れるレベルである。
(6)着用時の快適性と肌刺し感の評価は、○:快適、×:不快として、10名の着用テストを実施した。評価内容としては、○:快適については、着用していても肌にチクチク感や蒸れ感がないこと、また、×:不快については、着用していると肌がチクチクし、かゆみや違和感を感じることで判断した。
[実施例1]
ポリシロキサン系繊維処理剤は、分子量50000、分子量平均2個のSi(CHNHCHCHNH基を有するポリジメチルシロキサンを主成分とするものを、ポリアミド繊維の質量に対して0.1質量%を原綿製造工程で表面処理したポリアミド繊維ステープル(1.7デシテックス、51mm)と、ウールの繊維表層のウロコ状部(スケール)を次亜塩素酸塩を用いた薬品処理により除去した防縮加工ウール(19.5ミクロン)を、紡績込打綿工程で混綿した後、カード工程を通過させ、ポリアミド繊維ステープル50質量%と防縮ウール50質量%の混合スライバーを得た。練条工程および粗紡工程を通過させた粗紡糸と、ポリアミドフィラメント(44デシテックス−34本)とを、精紡工程のリング精紡機で交撚することにより、ポリアミド繊維ステープル(1.7デシテックス、51mm)38.5質量%と、防縮加工ウール(19.5ミクロン)38.5質量%と、ポリアミドフィラメント(44デシテックス−34本)23質量%からなるメートル番手1/52の長短複合紡績糸を得た。
前記のようにして得られた長短複合紡績糸と、ポリウレタン弾性繊維糸(22デシテックス)を3倍に延伸したものとを、それぞれ1対1の本数割合で交互に配置し、釜径34インチ、ゲージ数28本/2.54cm、組織天竺で交編して生機を得た。
得られた生機を、連続リラックス/精練―乾燥(温度160℃、25秒)−セット−タッキング−染色(液流染色/温度98℃)−乾燥(温度115℃)−セットの工程により染色加工し、生地質量比でポリアミド繊維ステープルが37質量%、防縮加工ウールが37質量%、ポリアミドフィラメントが22質量%、ポリウレタン繊維糸が4質量%からなる、目付け258g/mの染色加工生地を得た。上記実施例1で得られた生地の曲げ剛性の平均値(B値)、ストレッチ性・伸長率、伸張回復率、ヒステリシス幅(2HB平均値)、表面粗さ(SMD平均値)、保温性(clo値)、吸・放湿性ΔMR、および着用による快適性を評価した。
その結果を表1に示す。曲げ剛性(曲げ硬さ)、ストレッチ性、ヒステリシス幅、表面粗さ、保温性、および吸・放湿性とも良好であり、肌刺し感もなく、衣料用肌着として好適な、高い機能性を有するものが得られた。
[実施例2]
ポリシロキサン系繊維処理剤ポリシロキサン系繊維処理剤は、分子量50000、分子量平均2個のSi(CHNHCHCHNH基を有するポリジメチルシロキサンを主成分とするものを、ポリアミド繊維の質量に対して0.1質量%を原綿製造工程で表面処理したポリアミド繊維ステープル(1.7デシテックス、51mm)と、ウールの繊維表層のウロコ状部(スケール)を次亜塩素酸塩を用いた薬品処理により除去した防縮加工ウール(19.5ミクロン)を紡績込打綿工程で混綿した後、カード工程を通過させ、ポリアミド繊維ステープルが50質量%と防縮加工ウール(19.5ミクロン)が50質量%の混合スライバーを得た。練条工程および粗紡工程を通過させた粗紡糸を、リング精紡機を通過させ、メートル番手1/52の紡績糸を得た。
このようにして得られた紡績糸と、ポリウレタン弾性繊維糸(22デシテックス)を3倍に延伸したものとを、それぞれ1対1の本数割合で交互に配置し、釜径34インチ、ゲージ数28本/2.54cm、組織天竺で交編して生機を得た。
このようにして得られた生機を、連続リラックス/精練―乾燥(温度160℃、25秒)−セット−タッキング−染色(液流染色/温度98℃)−乾燥(温度115℃)−セット工程により染色加工し、生地重量比でポリアミド繊維ステープル48質量%、防縮加工ウール48質量%、ポリウレタン弾性繊維糸4質量%からなる、目付け260g/mの生地を得た。上記実施例1で得た生地の曲げ剛性の平均値(B値)、ストレッチ性・伸長率、伸張回復率、ヒステリシス幅(2HB平均値)、表面粗さ(SMD平均値)、保温性(clo値)、吸・放湿性ΔMR、および着用による快適性を評価した。
その結果を表1に示す。曲げ剛性、ストレッチ性、表面粗さ、保温性、および吸・放湿性ともに良好であり、肌刺し感もなく、衣料用肌着として好適な、高い機能性を有するものが得られた。
[実施例3]
ポリシロキサン系繊維処理剤は、分子量50000、分子量平均2個のSi(CHNHCHCHNH基を有するポリジメチルシロキサンを主成分とするものを、ポリアミド繊維の質量に対して0.1質量%を原綿製造工程で表面処理したポリアミド繊維ステープル(1.7デシテックス、51mm)と、ウールの繊維表層のウロコ状部(スケール)を次亜塩素酸塩を用いた薬品処理により除去した防縮加工ウール(19.5ミクロン)を、紡績込打綿工程で混綿した後、カード工程を通過させ、ポリアミド繊維ステープル50質量%と防縮加工ウール50質量%の混合スライバーを得た。練条工程および粗紡工程を通過させた粗紡糸と、ポリアミドフィラメント(44デシテックス−34本)とを、精紡工程のリング精紡機で交撚することにより、ポリアミド繊維ステープル(1.7デシテックス、51mm)36質量%と、防縮加工ウール(19.5ミクロン)36質量%と、ポリアミドフィラメント(44デシテックス−34本)28質量%からなるメートル番手1/64の長短複合紡績糸を得た。
前記のようにして得られた長短複合紡績糸と、ポリウレタン弾性繊維糸(22デシテックス)を3倍に延伸したものとを、それぞれ1対1の本数割合で交互に配置し、釜径34インチ、ゲージ数28本/2.54cm、組織天竺で交編して生機を得た。
得られた生機を、連続リラックス/精練―乾燥(温度160℃、25秒)−セット−タッキング−染色(液流染色/温度98℃)−乾燥(温度115℃)−セットの工程により染色加工し、生地質量比でポリアミド繊維ステープルが34.5質量%、防縮加工ウールが34.5質量%、ポリアミドフィラメントが27質量%、ポリウレタン繊維糸が4質量%からなる、目付け165g/mの染色加工生地を得た。上記実施例3で得られた生地の曲げ剛性の平均値(B値)、ストレッチ性・伸長率、伸張回復率、ヒステリシス幅(2HB平均値)、表面粗さ(SMD平均値)、保温性(clo値)、吸・放湿性ΔMR、および着用による快適性を評価した。
その結果を表1に示す。曲げ剛性、ストレッチ性、ヒステリシス幅、表面粗さ、保温性、および吸・放湿性とも良好であり、肌刺し感もなく、衣料用肌着として好適な、高い機能性を有するものが得られた。
[比較例1]
実施例1において、ポリシロキサン系繊維処理剤を付与しないポリアミド繊維ステープル(1.7デシテックス)を用いて紡績糸を得たこと以外は、実施例1と同様にして生地を得た。
得られた生地を用いて同様に評価した結果、表1に示すように、保温性、吸・放湿性はあるものの、曲げ、ストレッチ性および表面粗さに劣り、肌着に好適でないことが確認できた。
[比較例2]
実施例1において、防縮加工ウール100質量%を用いて紡績糸を得たこと以外は、実施例1と同様にして生地を得た。得られた生地を用いて同様に評価した結果、表1に示すように、曲げ剛性、伸長率および表面粗さに劣り、肌着に好適でないことが確認できた。
[比較例3]
実施例1において、ポリシロキサン系繊維処理剤を付与しないポリアミド繊維ステープル(3.3デシテックス)を用いてメートル番手1/32紡績糸を得たこと以外は、実施例1と同様にして生地を得た。
得られた生地を用いて同様に評価した結果、表1に示すように、保温性と吸・放湿性はあるものの、曲げ剛性、ストレッチ性および表面粗さに劣り、肌着に好適でないことが確認できた。
[比較例4]
実施例2において、ポリシロキサン系繊維処理剤を付与したポリアミド繊維ステープル(13.2デシテックス)10質量%と、同ポリアミド繊維ステープル(1.7デシテックス)40質量%と、防縮加工ウール50質量%の混合スライバーを用いて、メートル番手1/40紡績糸を得たこと以外は、実施例1と同様にして生地を得た。
得られた生地を用いて同様に評価した結果、表1に示すように、保温性と吸・放湿性と外観的に優れた編地ではあるものの、曲げ剛性および表面粗さに劣り、ポリアミド繊維が編地から抜けることより、肌着に好適でないことが確認できた。
Figure 2014114527

Claims (4)

  1. 単繊維繊度が1.0〜2.7デシテックスで、シリコーンで表面処理されたポリアミド繊維30〜70質量%と、ウール70〜30質量%とを混合してなる紡績糸を用いて編成された編地であって、前記編地が、下記(1)〜(5)の要件を同時に満たすことを特徴とする混合紡績糸からなる編地。
    (1)前記紡績糸の番手が、メートル番手で1/40〜1/72の範囲である。
    (2)前記紡績糸のヨリ係数が、インチ方式でK=3.7〜4.7の強燃の範囲である。
    (3)目付けが150〜300g/mの範囲である。
    (4)タテ方向とヨコ方向の曲げ剛性の平均値(B値)が0.01〜0.05g・cm/cmの範囲である。
    (5)タテ方向とヨコ方向の伸長率の平均値が70%以上で、かつ伸長回復率のタテ方向とヨコ方向の平均値が80%以上である。
  2. 紡績糸が、シリコーンで表面処理されたポリアミド繊維とウールとが混合されてなる粗紡糸と、ポリアミドマルチフィラメントとを、精紡機で交撚してなる長短複合糸であることを特徴とする請求項1記載の混合紡績糸からなる編地。
  3. 紡績糸90〜98質量%とポリウレタン繊維糸10〜2質量%とを合撚し合撚糸として用い、または紡績糸90〜98質量%とポリウレタン繊維糸10〜2質量%とを交編してなる請求項1または2記載の混合紡績糸からなる編地。
  4. タテ方向とヨコ方向の曲げヒステリシス幅の2HB平均値が0.02〜0.04g・cm/cm、タテ方向とヨコ方向の表面粗さのSMD平均値が2.5〜4.5μm、保温率 clo値が0.5以上、かつ吸・放湿率ΔMR値が2.0以上である請求項1〜3のいずれかに記載の混合紡績糸からなる編地。
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