JP2015101808A - 編地 - Google Patents

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美紗子 山室
Misako Yamamuro
美紗子 山室
裕之 木ノ内
Hiroyuki Kinouchi
裕之 木ノ内
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Abstract

【課題】優れた放熱性により衣服内温度上昇を抑制すると同時に、不感蒸泄を効果的に吸湿し、発汗時にも蒸れ感を抑え衣服内湿度上昇も抑制することで、長時間にわたり温熱生理学的な快適性に優れた編地の提供。
【解決手段】セルロース系繊維が3〜25重量%混用された編地であって、該編地の充填率が10%以上であり、少なくとも片面の保温率が20%以下であり、かつ通気度が150cc/cm/sec以上であることを特徴とする編地。
【選択図】なし

Description

本発明は編地に関する。より詳細には、本発明は、吸湿性、放熱性、通気性、着用快適性に優れた衣料用途に好ましい編地に関する。
スポーツウエアや各種ユニフォームは着用動作時の皮膚の伸びに追随するよう、伸縮性の高いニット生地が用いられる。ニット生地は、一般的に織物と比較して伸縮性はあるが編目に立体的な空間ができ、ここに空気を抱えやすい。空気の熱伝導率は0.026W/m・℃と、繊維材料に対して10倍優れた断熱材料で有り、そのため、ニット生地は一般的に織物と対比して、保温性に優れる。また構造上凹凸ができやすく、肌に接触する場合も、狭義に見れば面接触ではなく点接触となり接触による熱伝導に不利となる。特に、乾熱移動を高め、皮膚と衣料または肌着の間の微小空間の温度を下げることはもちろん、湿度上昇を抑制する技術の開発は、着用快適性の観点からも重要である。
これまで着用時の冷感を高める衣料や衣料資材用として、種々の布帛が提案されている。例えば、以下の特許文献1には、セルロースマルチフィラメントと合繊マルチフィラメントによる複合捲縮加工糸を用いた着用性等に優れた肌に直接触れる素材が提案されている。しかし、これは肌に直接触れるインナー用途としてはある程度の効果を発揮できるが、セルロース繊維の使用比率が大きいために、スポーツウエアや各種ユニフォームとしては、長時間の着用により汗をかいた場合の着用速乾性、ベタツキ感、生地強度の点において不適である。また、インナー用途であるために通気度については言及されておらず、発汗時に蒸れ感が感じられ着用快適性が持続しない。また、以下の特許文献2には、肌に接触する編地裏面にセルロース系長繊維を含み、特定の厚みと凹凸構造をもつ編地が提案されているが、ある程度の厚みを必要とし、さらに凹凸構造のために放熱性が悪くなり、衣服内温度を高めることとなり好ましくない。
このように、吸湿性、放熱性、通気性に優れ、汗をかいた場合のベタツキ感や蒸れ感を抑制し、衣服内環境を快適に保つことの出来る布帛は現状見当たらない。
特許第3701872号公報 特開2011−140733号公報
本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題に鑑み、優れた放熱性により衣服内温度上昇を抑制すると同時に、不感蒸泄を効果的に吸湿し、発汗時にも蒸れ感を抑え衣服内湿度上昇も抑制することで、長時間にわたり温熱生理学的な快適性に優れた編地を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討し実験を重ねた結果、特殊な設計による編地が上記課題を解決することを見出した。即ち、本発明は以下の通りのものである。
(1)セルロース系繊維が3〜25重量%混用された編地であって、該編地の充填率が10%以上であり、少なくとも片面の保温率が20%以下であり、かつ通気度が150cc/cm/sec以上であることを特徴とする編地。
(2)生地厚みが0.3〜0.7mmである、前記(1)に記載の編地。
(3)前記(1)又は(2)に記載の編地を用いたスポーツウエア。
(4)前記(1)又は(2)に記載の編地を用いたユニフォーム。
本発明の編地は、吸湿性、放熱性、通気性が高く、発汗時にもベタツキ感や蒸れ感を抑制することで、着用時の衣服内温湿度の上昇が抑制され、優れた着用快適性を有する編地を提供することができ、特にスポーツウエアや各種ユニフォーム用途として好適である。
実施例1の編み組織を示す。 実施例3の編み組織を示す。 実施例4の編み組織を示す。 実施例6の編み組織を示す。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の編地はセルロース系繊維が3〜25重量%混用されることを特徴とする。好ましくは5〜20%、より好ましくは7〜18%である。セルロース系繊維としては長繊維が好ましく、セルロース系長繊維とは、レーヨン、キュプラ、アセテート等の再生セルロース長繊維をいい、綿や再生セルロース短繊維などのセルロース短繊維に比べ、毛羽が少なく、糸表面がなめらかであるため肌への摩擦抵抗が小さく、肌触りが良い。セルロース系長繊維のうちレーヨン長繊維、キュプラ長繊維は、原料の綿に比べ繊維の水分率も大きく吸湿効果が大きいため、好ましい。特にキュプラ長繊維はレーヨン長繊維に比べて繊維1本の表面形状もなめらかであり、繊度も細いため非常に肌触りが良く、より好ましい。これらの繊維を肌側に配することにより、吸湿性と肌触りに優れ、不感蒸泄時や少量の発汗時に蒸れ感がなく快適な編地とすることができる。
セルロース系繊維が3重量%未満であると吸湿能力に劣り、皮膚表面からの不感蒸泄を処理できずに衣服内湿度の上昇や不快感につながる。25重量%を超えて混用すると、発汗時にセルロース系素材が吸った汗を保持しやすいため、ベタツキ感を強く感じられるとともに速乾性に劣ることとなり、また破裂強力などの生地強度の観点からも好ましくない。
セルロース系繊維の繊度は特に限定されないが、約22〜約112デシテックス(dtex)が好ましく、約33〜約84dtexがより好ましい。セルロース繊維の単糸繊度も特に限定されないが、約0.5〜約2.0dtexが肌触りの観点から好ましい。
セルロース系繊維を編地に含有させる際に、ポリエステル系やポリアミド系などの合繊の長繊維や短繊維と交編して用いることが可能であるが、セルロース系繊維は、ポリエステル系又はポリアミド系長繊維との複合糸として編地に配されていることが、汗処理の観点から好ましい。複合する際には肌触りを損ねないよう、合繊の長繊維の繊度が約22〜約112dtex、単糸繊度が約0.5〜約2.0dtexのマルチフィラメント糸が好ましい。
また、本発明の編地は充填率が10%以上であることを特徴とする。好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上である。充填率とは、編地の見かけ体積に対する繊維の正味の体積の比である。編地の充填率は、目付(g/m)、厚み(mm)、繊維の密度(g/cm)から下記式(1)に従い算出する:
充填率(%)=目付(g/m)/[厚み(mm)×密度(g/m)]×10−1...式(1)
尚、布帛の厚みは、Peacock社製の厚み測定器を用い、φ3.0cmの測定部を5gの荷重にて布帛に接触させ、3か所測定し、平均する。充填率が10%未満であると、生地中の空気層が多くなり保温性が向上し、熱移動が抑制されてしまうため好ましくない。
また、本発明の編地は、少なくとも生地片面の保温率が20%以下であることを特徴とする。好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下である。保温率は、カトーテック(株)製のーモラボII試験機を用いて測定する。具体的な測定方法としては、測定に使用する試料を20℃、65%RH環境下で24時間調湿した後、15cm×15cmにサンプリングし、所定の断熱材製の枠(厚み2mm、目付163g/m)に貼り付け、30℃恒温維持させたヒーターに接触させ、ヒーター温を30℃に保つための熱供給量(W/100cm・10℃)を読む。温度差を1℃当たり、生地面積を1mに換算する(W/m・℃)ため、100を掛け、10で除する。生地は測定面をヒーター面に当たるよう配置する。試験片を介して放散された熱量(a)と、試験片をセットしない状態で放散された熱量(b)を求め、下記式(2)に従い算出する:
保温率(%)=((b)−(a))/(b)×100...式(2)
保温率が20%を超えると、熱移動がスムーズにいかず、衣服内温度を高めることとなり好ましくない。保温率を最適範囲に調整するためには、生地の厚みを薄くし、充填率を大きくすることが効果的である。
さらに、本発明の編地は通気度が150cc/cm/sec以上であることを特徴とする。好ましくは170cc/cm/sec以上、より好ましくは200cc/cm/sec以上である。通気度はJIS L1096 通気性A法(フラジール形法)にて求められる。通気度が150cc/cm/sec未満であると、発汗時に蒸れ感を感じると共に衣服内湿度を高め快適性を損ねることとなり好ましくない。
本発明の編地の厚みは0.3〜0.7mmであることが好ましい。より好ましくは0.4〜0.6mmである。厚みが0.3mm未満であると充填率を上げやすくなるが、衣服内湿度抑制に有効な通気度を確保することが難しい。また厚みが0.7mmを超えると放熱性が悪くなり、衣服内温度を高めることとなり好ましくない。
本発明の編地の、セルロース系繊維が含まれる側を肌側になるように用いた衣類は、本発明の効果が奏されるため好ましい。本発明の編地はゲームシャツ、トレーニングウエアなどのスポーツウエアや作業服、ポロシャツなどの各種ユニフォーム、夏用のカットソー、ニットシャツ、ワイシャツなど衣服内温湿度の調整機能が必要な衣料用途に特に好適であるがこれに限定されず、パーカー、ジャージなどのアウターや裏地等の衣料、シーツ等の寝具、さらには失禁パンツやおむつ等の衛生物品にも適用できるが、最外部に着用する衣料として用いることが好ましい。
本発明の編地を構成する糸素材としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリアクリルニトリル等の合成繊維マルチフィラメント糸、レーヨン、キュプラ、アセテート等の再生繊維マルチフィラメント糸やこれらから得られるスパン糸及び加工糸、混繊糸が挙げられる。更に綿、ウール、麻、絹等の天然繊維やこれらの混紡糸なども挙げられるが、これらに限定されるものではない。その中でも速乾性の面から、ポリエステルマルチフィラメントが好ましい。また、ポリウレタン繊維を上記糸とカバリングした糸や、ポリウレタン繊維単体を上記糸と引き揃えで使用し、ストレッチ性を付与するのも好ましい。更に合成繊維マルチフィラメント糸は、二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等が含有されていてもよい。
本発明の編地を構成する繊維は、毛羽を有する短繊維よりも毛羽のない長繊維が好ましい。毛羽がないと、空気を抱えこみにくく、反対に毛羽を有すると、そこに空気を抱え込むこととなり、熱移動の妨げとなる。
本発明の編地を構成する素材の総繊度としては、衣料等で一般的に使用されている範囲のものを用いることができるが、その中でも総繊度が約16〜約144dtexのものが好ましい。より好ましくは33〜84dtexである。構成繊維の形状については、特に限定されない。構成糸の単糸繊度は、熱移動と風合いの観点から0.3〜4.0dtexが好ましく、より好ましくは0.5〜3.0dtexである。繊維の形態は、原糸または加工糸のいずれでもよいが、加工糸の場合、空気層を少なくするため、捲縮が小さい方が好ましい。
セルロース系繊維として短繊維を用いる場合、又はセルロース系繊維以外の構成繊維として短繊維を用いる場合は、風合いを柔らかく、肌との摩擦を軽減するため、単糸繊度が2dtex以下、繊維長が25mm以上、より好ましくは38mm以上である短繊維を選定するとよい。その素材としては、ポリエステル系ステープル、アクリル系ステープル、ナイロン系ステープル、もしくはこれらの複合ステープルが挙げられる。このとき、短繊維の太さは40番手から60番手であれば、短繊維であっても生地を柔らかくする傾向がある。この際の構成短繊維の撚数は糸の硬さ、風合いの面から20/inch以上で30/inch以下が好ましい。この短繊維を前述の長繊維と機上で複合することもできるが、摩擦係数を下げるためには、予め精紡交撚の技術で一糸条とし、短繊維の毛羽を長繊維で包み込むようにするとよい。
本発明の編地は、布帛として得られるものであれば特に組織等限定されないが、丸編の場合は、生地表面がフラットなスムースやコード調の組織であることが最も好ましい。
経編の場合は、ポリウレタン弾性繊維を用い、経緯の伸縮性を高めることのできる2wayトリコットで構成されることが好ましい。
本発明の編地を構成する生地の編成には、一般の編み機を用いればよいが、そのゲージは丸編みの場合28GG以上であることが好ましく、32GG以上であるとより薄く緻密な編地を編成するためにさらに好ましい。生産性、風合い、物性の観点から60GG以下が好ましい。経編の場合も同様に28GG以上が好ましく、より好ましくは32GG以上である。筬枚数は3枚以下が好ましく、さらに好ましくは2枚である。
本発明の編地を構成する生地の染色加工は、プレセット、精練、染色、仕上げ加工、ファイナルセットの順で処理を施す。精練及び染色に用いる処理機は、一般に使用される液流染色機などのテンションの小さいものや連続精練機等が好ましい。
染色の前に、晒及び漂白仕上により、白度を高める工程を加えてもよい。染料、染色助剤、仕上加工剤は、一般に市販されている合成繊維及び/又はセルロース繊維の染色に開発されているものを任意に選定できる。染色前に再生セルロース系繊維の染色性改善のためのアルカリ処理や、風合い向上のためのポリエステル系繊維用アルカリ減量加工などの処理を施してもよい。また染浴中で吸水加工剤や柔軟剤を併用したり、ソーピング後にこれらをパディングしたりすることも可能である。柔軟剤の利用は、肌触りや風合いを高めるために有効である。ファイナルセット時は、生地をフラットにする意味で巾出しを行うとよい。更に、生地の平滑加工として、ペーパー、フェルト、プラスト等によるカレンダー処理を行うと、生地の充填密度を高め、乾熱移動を高める効果に貢献するが、効果的な通気度の確保も同時に行わなければならない。
本発明の編地を密度は特に限定されないが、編地を緻密にするためには、編地を作製する際のランナー長を小さくし、表面に凹凸のないフラットな組織とするのがよい。
本発明の繊維製品、例えば肌着を構成する生地の目付は特に限定されないが、約50〜約300g/m2が好ましく、より好ましくは約80〜約250g/m2である。目付が小さすぎると汗処理機能に劣り、破裂強度が小さく消費性能に問題が生じ、反対に大きすぎると分厚くなりすぎて、放熱性、着用動作性が劣り、外観にも影響を及ぼすことがある。
また、汗処理の観点から、本発明の編地には吸水加工を施すことが望ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
尚、実施例で得た編地を、以下の方法で評価した。
(1)セルロース系繊維の混率
使用した糸の重量が分かっている場合はその割合から算出した。分からない場合は単位面積当たりから使われている糸を抜き出し、その重量を測定し算出すればよい。
(2)充填率
下記式(1)により、算出した。
充填率(%)=目付(g/m)/[厚み(mm)×密度(g/m)]×10−1...式(1)
但し、目付は、20℃65%RHの標準状態での重さ、厚さは接圧5gf/cmの荷重を掛けて測定した厚さとする。また繊維の密度は繊維学会編「第2版 繊維便覧」を用いた。
(3)保温率
カトーテック(株)製のーモラボII試験機を用いて測定した。具体的な測定方法としては、測定に使用する試料を20℃、65%RH環境下で24時間調湿した後、15cm×15cmにサンプリングし、所定の断熱材製の枠(厚み2mm、目付163g/m)に貼り付け、30℃恒温維持させたヒーターに接触させ、ヒーター温を30℃に保つための熱供給量(W/100cm・10℃)を読む。温度差を1℃当たり、生地面積を1mに換算する(W/m・℃)ため、100を掛け、10で除する。生地は肌側面をヒーター面に当たるよう配置する。試験片を介して放散された熱量(a)と、試験片をセットしない状態で放散された熱量(b)を求め、下記式(2)に従い算出した。
保温率(%)=((b)−(a))/(b)×100...式(2)
(4)通気度
JIS L 1096 通気性A法(フラジール法)の試験に準じて測定した。
(5)着用試験
着用モニター(身長170cm±10cmの男性、年齢19−25才)を10人選定し、そのモニター各人に明細を伏せて試作ポロシャツを着用させ、官能試験を行った。染色加工された編地で作製されたシャツを着用し、28℃、50%RH環境の人工気候室にて10分間安静にした後に、大武・ルート工業社製トレッドミルORK−3000にて時速6kmで20分の歩行運動を行い、再び10分間安静にした。
歩行開始後5分経過時(歩行前半)と歩行開始後15分経過時(歩行後半)に、着用中の放熱性、蒸れ感、ベタツキ感を以下の5段階の評価基準で官能評価し、最頻値を評価結果とした。
<涼感及び放熱性の評価>
5:涼感(放熱性)が高い
4:涼感(放熱性)がやや高い
3:どちらとも言えない
2:涼感(放熱性)がやや低い
1:涼感(放熱性)が低い
<蒸れ感の評価>
5:蒸れを感じにくい
4:蒸れをあまり感じない
3:どちらとも言えない
2:蒸れをやや感じる
1:蒸れを感じる
<ベタツキ感の評価>
5:ベタツキを感じにくい
4:ベタツキをあまり感じない
3:どちらとも言えない
2:ベタツキをやや感じる
1:ベタツキを感じる
[実施例1]
32GGのシングル丸編機を使用し、主に表側にポリエステル丸型断面加工糸56dtex/72fを、主に裏側に56dtex/45fのキュプラ丸断面糸と56dtex/48fのポリエステル丸型断面加工糸をインターレース混繊後仮撚りして作製した複合糸とポリエステル丸型断面加工糸56dtex/24fを用いて、図1の組織で構成された編地生機を得た。この生機を液流染色機にて80℃×20分で精練、水洗した後に、ピンテンターにて幅出し率20%で180℃×90秒のプレセットを行った。その後、液流染色機にて染色、吸水加工、水洗を行った後に、ピンテンターにて、しわが取れる程度に伸長し、150℃×90秒のファイナルセットを行い、目付125g/m、厚み0.53mmの編地を得た。本編地のセルロース系繊維の混率は12.4%、充填率は16.9%、生地裏側の保温率は11.5%、通気度は196cc/cm/secであり、この編地から得たシャツの着用試験では歩行前半、後半共に涼感が高く、蒸れを感じにくく、ベタツキを感じにくいという結果が得られた。
[実施例2]
32GGのシングル丸編機を使用し、主に表側にポリエステル丸型断面加工糸57dtex/36fを、主に裏側に56dtex/45fのキュプラ丸断面糸と56dtex/48fのポリエステル丸型断面加工糸をインターレース混繊後仮撚りして作製した複合糸とポリエステル丸型断面加工糸56dtex/24fを用いて、図1の組織で構成された編地生機を得た。この生機の加工を実施例1と同様にして、目付128g/m、厚み0.58mmの編地を得た。本編地のセルロース系繊維の混率は13.0%、充填率は15.8%、生地裏側の保温率は12.4%、通気度は165cc/cm/secであり、この編地から得たシャツの着用試験では、歩行前半は涼感が高く、蒸れを感じにくく、ベタツキを感じにくい、後半は涼感が高く、蒸れをあまり感じず、ベタツキをあまり感じないという結果が得られた。
[実施例3]
編み組織を図2にした以外は実施例1と同様にして、目付132g/m、厚み0.59mmの編地を得た。本編地のセルロース系繊維の混率は18.2%、充填率は16.0%、生地裏側の保温率は16.4%、通気度は205cc/cm/secであり、この編地から得たシャツの着用試験では、歩行前半、後半共に涼感がやや高く、蒸れを感じにくく、ベタツキを感じにくいという結果が得られた。
[実施例4]
編み組織を図3にした以外は実施例2と同様にして、目付111g/m、厚み0.70mmの編地を得た。本編地のセルロース系繊維の混率は11.0%、充填率は11.4%、生地裏側の保温率は13.5%、通気度は190cc/cm/secであり、この編地から得たシャツの着用試験では、歩行前半、後半共に涼感がやや高く、蒸れをあまり感じず、ベタツキを感じにくいという結果が得られた。
[実施例5]
32GGのシングル丸編機を使用し、主に表側にポリエステル丸型断面加工糸57dtex/36fを、主に裏側にレーヨン84dtex/30fとポリエステル丸型断面加工糸56dtex/24fを用いた以外は実施例4と同様にして、目付135g/m、厚み0.60mmの編地を得た。本編地のセルロース系繊維の混率は7.1%、充填率は16.2%、生地裏側の保温率は12.5%、通気度は163cc/cm/secであり、この編地から得たシャツの着用試験では、歩行前半は涼感が高く、蒸れをあまり感じず、ベタツキを感じない、後半は涼感が高く、蒸れ感はどちらでもなく、ベタツキをあまり感じないという結果が得られた。
[実施例6]
編み組織を図4にした以外は実施例2と同様にして、目付136g/m、厚み0.64mmの編地を得た。本編地のセルロース系繊維の混率は20.0%、充填率は15.1%、生地裏側の保温率は11.3%、通気度は168cc/cm/secであり、この編地から得たシャツの着用試験では、歩行前半は涼感が高く、蒸れを感じにくく、ベタツキをあまり感じない、後半は涼感が高く、蒸れをあまり感じず、ベタツキ感はどちらでもないという結果が得られた。
[実施例7]
32GGのシングル丸編機を使用し、主に表側にポリエステル丸型断面加工糸56dtex/72fを、主に裏側に主に裏側に56dtex/45fのキュプラ丸断面糸とポリエステル丸型断面加工糸56dtex/24fを用いた以外は実施例1と同様にして、目付116g/m、厚み0.57mmの編地を得た。本編地のセルロース系繊維の混率は24.7%、充填率は14.4%、生地裏側の保温率は10.3%、通気度は200cc/cm/secであり、この編地から得たシャツの着用試験では、歩行前半は涼感が高く、蒸れを感じにくく、ベタツキをあまり感じない、後半は涼感が高く、蒸れを感じにくく、ベタツキ感はどちらでもないという結果が得られた。
[比較例1]
50/−のコーマ綿を用いて28GGのシングル丸編機上で編成し鹿の子の編地生機を得た。この生機の加工を実施例1と同様にして目付219g/m、厚み0.80mmの編地を得た。本編地のセルロース系繊維の混率は100.0%、充填率は17.8%、生地裏側の保温率は21.5%、通気度は117cc/cm/secであり、この編地から得たシャツの着用試験では、歩行前半は涼感が低く、蒸れをやや感じ、ベタツキを感じる、後半は涼感が低く、蒸れを感じ、ベタツキを感じるという結果が得られた。
[比較例2]
市販のスポーツシャツAを入手した。このスポーツシャツAに使用された編物は、シャツの外気に触れる側を表側、肌面側を裏側とした時に、表側にポリエステル加工糸84dtex/72f、裏側にポリエステル加工糸56dtex/24fが使用されたシングル丸編地で、目付104g/m、厚み0.77mmであり、セルロース系繊維の混率は0%、充填率は9.8%、生地裏側の保温率は19.2%、通気度は160cc/cm/secであり、このシャツの着用試験では、歩行前半は涼感が低く、蒸れをやや感じ、ベタツキをあまり感じない、後半は涼感が低く、蒸れを感じ、ベタツキ感はどちらでもないという結果が得られた。
[比較例3]
84dtex54fのキュプラ丸断面糸と33dtex12fのポリエステル丸断面加工糸をインターレース混繊後仮撚りして作製した複合糸を用いて、28Gシングル丸編機上で編成しベア天竺の編地生機を得た。この生機の加工を実施例1と同様にして目付126g/m、厚み0.66mmの編地を得た。本編地のセルロース系繊維の混率は67%、充填率は13.1%、生地裏側の保温率は14.3%、通気度は168cc/cm/secであり、この編地から得たシャツの着用試験では、歩行前半は涼感を感じ、蒸れを感じにくく、ベタツキをあまり感じない、後半は涼感を感じ、蒸れをあまり感じず、ベタツキを感じるという結果が得られた。
[比較例4]
編み組織を図1にし、主に表側にポリエステル丸型断面加工糸110dtex/36fを用いた以外は実施例2と同様にして、目付116g/m、厚み0.84mmの編地を得た。本編地のセルロース系繊維の混率は16.0%、充填率は9.9%、生地裏側の保温率は20.3%、通気度は220cc/cm/secであり、この編地から得たシャツの着用試験では、歩行前半は涼感はどちらでもなく、蒸れをあまり感じず、ベタツキを感じない、後半は涼感がやや低く、蒸れをあまり感じず、ベタツキを感じにくいという結果が得られた。
[比較例5]
実施例1の編地に対して190℃1秒で熱プレスを行い、目付125g/m、厚み0.38mmの編地を得た。本編地のセルロース系繊維の混率は12.4%、充填率は23.6%、生地裏側の保温率は9.5%、通気度は128cc/cm/secであり、この編地から得たシャツの着用試験では歩行前半は涼感が高く、蒸れをあまり感じず、ベタツキを感じない、後半は涼感が高く、蒸れをやや感じ、ベタツキを感じるという結果が得られた。
以上の結果を以下の表1と表2に纏める。
Figure 2015101808
Figure 2015101808
本発明の編地は、着用時の熱移動、熱伝導性を高めて衣服内温度上昇を抑制すると同時に、不感蒸泄を効果的に吸湿し、発汗時にも蒸れ感を抑え衣服内湿度上昇も抑制することで、スポーツウエアや各種ユニフォームなどとして着用した場合に、優れた着用快適性を有する編地を提供することができる。

Claims (4)

  1. セルロース系繊維が3〜25重量%混用された編地であって、該編地の充填率が10%以上であり、少なくとも片面の保温率が20%以下であり、かつ通気度が150cc/cm/sec以上であることを特徴とする編地。
  2. 生地厚みが0.3〜0.7mmである、請求項1に記載の編地。
  3. 請求項1又は2に記載の編地を用いたスポーツウエア。
  4. 請求項1又は2に記載の編地を用いたユニフォーム。
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