JP2011026727A - ベタツキ感軽減布帛 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベタツキ感軽減布帛であって、該布帛の表側に配置される繊維の比表面積と裏側に配置される繊維の比表面積との比(表/裏比表面積比)が1.00を超え4.00以下であり、該布帛の表側の拡散面積と裏側の拡散面積との比(表/裏拡散面積比)が1.0以上であり、該布帛の濡れ戻り率が15%以下であり、かつ、該布帛の200g/m2水分付与時の接触冷感性が240W/m2・℃以下であることを特徴とする前記布帛。
【選択図】なし
Description
従って、多量の発汗時にベタツキ感や冷え感を抑制する布帛は見当たらないのが現状である。
[1]ベタツキ感軽減布帛であって、該布帛の表側に配置される繊維の比表面積と裏側に配置される繊維の比表面積との比(表/裏比表面積比)が1.00を超え4.00以下であり、該布帛の表側の拡散面積と裏側の拡散面積との比(表/裏拡散面積比)が1.0以上であり、該布帛の濡れ戻り率が15%以下であり、かつ、該布帛の200g/m2水分付与時の接触冷感性が240W/m2・℃以下であることを特徴とする前記布帛。
本発明のベタツキ感軽減布帛は、布帛の表側に配置される繊維の比表面積と裏側に配置される繊維の比表面積の比(表/裏比表面積比)が1.00を超え4.00以下であることを特徴とする。
本発明では比表面積の大きい繊維が配置される面を表側又は表面、他方の面を裏側又は裏面と記載する。編織物製造時に通常呼称される表面及び裏面とは、必ずしも一致しなくてもよいが、一致していることが好ましい。
本発明のベタツキ感軽減布帛の表側に配置される繊維の比表面積と裏側に配置される比表面積との比(表/裏比表面積比)は、好ましくは1.03以上3.00以下、より好ましくは1.05以上2.00以下である。
本発明の布帛の表側を衣類の外気側、裏側を衣類の肌側とすることが望ましく、こうすることで毛細管現象を発現させて肌側から外気側へ水分を移動させることができ、多量の発汗時でも肌面に水分が残りにくく、着用時のベタツキ感や冷え感を軽減することができる。
なお、表/裏比表面比とは、(布帛の表側に配置される繊維の比表面積)/(布帛の裏側に配置される繊維の比表面積)として計算したものである。また、布帛の表側又は裏側に配置される繊維の比表面積は、丸断面の場合、総繊度/単糸数にて単糸繊度を算出し、単糸を円柱と仮定した時の円柱の断面積から直径を算出し、そこから単糸断面の周長を算出する。その後、円周×10000mの表面積から総繊度で除したものを比表面積(1g当たりの表面積)とした。断面が異型の場合は、電子顕微鏡等で同倍率拡大撮影した異型単糸断面と丸断面の周長を測定し、丸断面の周長に対しての比率を算出し、丸断面の時の周長×比率×10000mの表面積から総繊度で除したものを比表面積(1g当たりの表面積)とした。
本発明では前述のとおり、布帛の表面側に比表面積の大きい繊維を配置し、毛細管現象を発現させているため、布帛表面の拡散面積を布帛裏面の拡散面積より大きくすることができる。
濡れ戻り率(%)=(A)/1cc×100% (1)
ここで、200g/m2の水分を付与した時とは、だらだら汗をかくような運動をした時に布帛が吸う汗の水分量を想定した条件である。測定時の水分の付与方法は、霧吹きにて、8cm×8cmにサンプリングされた布帛裏面に重量が+1.28gになるように水分を付与すればよい。このときの霧吹き内の水温は20℃である。
凸部と凹部の高さの差=(A)−(B) (2)
凸部と凹部との差が0.20〜0.50mmであればより好ましく、更に好ましくは0.23〜0.45mm、特に好ましくは0.24〜0.40mmである。
布帛裏側に凹凸を得る方法としては、編地の場合、編み組織としてタックリバーシブル、デンプルメッシュ、コンフォート等のタック編みを使用した組織が好ましい。また、布帛裏側を針抜きにすることも有効である。
布帛の表側に使用する繊維の単糸繊度が0.5dtex未満では、スナッグ等の消費性能が悪化することがあり、一方、布帛の表側に使用する繊維の単糸繊度が3.0dtexを超えると、生地表側への毛細管現象が起こりにくくなることがある。
布帛の裏側に使用する繊維の単糸繊度が1.5dtex未満では、毛細管現象が起こり易くなり、布帛裏側で拡散してしまい、ベタツキ感や冷え感を感じ、肌DRY性が悪くなることがあり、一方、布帛の裏側に使用する繊維の単糸繊度が4.0dtexを越えると、硬い風合いのものになり、肌触りが悪くなることがある。
本発明のベタツキ感軽減布帛に使用する繊維は捲縮や毛羽を有していてもよく、布帛表側には毛細管現象が起こりやすい低捲縮糸、布帛裏側には肌との接触面積が小さくなる高捲縮糸が好ましい。低捲縮糸とは捲縮伸長率が0〜25%、高捲縮糸とは捲縮伸長率が25〜250%である。なお、仮撚糸の捲縮伸長率は、下記条件にて測定したものである。
捲縮糸の上端を固定し、下端に1.77×10-3cN/dtの荷重をかけ、30秒後の長さ(A)を測定する。次いで、1.77×10-3cN/dtの荷重を取り外し、0.088cN/dtの荷重をかけ、30秒後の長さ(B)を測定し、下記式(3)により捲縮伸長率を求める:
捲縮伸長率(%)=((B−A)/A)×100 (3)
表裏の密度は、編地の場合、幅2.54cm(1インチ)当たりの編目ループの数をデンシメーターやリネンテスター等で測定する。ここでループ数とは、ニットループの編目の数であり、タックループやシンカーループといった編目はループ数に含まない。編地の、表側と裏側の密度を変える方法としては、特に限定されないが、編地裏側を針抜き組織にする方法や、ダイアル側とシリンダ側のゲージ数が違うダブル丸編機を使用する方法、該丸編み機を使用した上で針抜き組織にする方法が好ましい。
本発明のベタツキ感低減布帛の目付は特に限定されないが、50〜300g/m2が好ましく、より好ましくは80〜250g/m2である。
本発明のベタツキ感軽減布帛の裏側に起毛加工による毛羽を有していてもよい。これにより、布帛裏側を衣服の肌面に使用したときに、肌との接触面積が低くなり、ベタツキ感や冷え感の軽減に有効であるが、風合い向上等の目的で布帛の表面に起毛加工したり、布帛の両面に起毛加工したりしてもよい。更に、起毛加工は染色加工前に行う方法や染色加工後に行う方法があるが、どちらでもよい。
なお、実施例における評価は以下の方法により測定した。
(1)着用試験(ベタツキ感・冷え感)
染色加工された編地の裏側が肌面になるように作成されたシャツを着用し、28℃65%RH環境の人口気候室にて10分間安静にした後に、大武・ルート工業社製トレッドミルORK−3000にて時速8kmで30分の走行運動を行い、再び10分間安静にした。走行運動後のベタツキ感、冷え感を官能評価した。
○:ベタツキ感、冷え感を感じない。
×:ベタツキ感、冷え感を感じる。
ダイアル側が18GG、シリンダ側が24GGであるダブル異ゲージ丸編機を使用し、シリンダ側に単糸繊度2.8dtex、扁平度3.0、比表面積2464cm2/gのポリエステルW型断面加工糸84dtex/30fを、ダイアル側に単糸繊度が2.3dtex、扁平度1.0、比表面積2320cm2/gのポリエステル丸型断面加工糸84dtex/36fを給糸して図1の組織で構成されたタックメッシュ組織の生機を得た。この時の表側にあるポリエステルW型断面加工糸と、裏側にあるポリエステル丸型断面加工糸の比表面積の比は1.06であった。この生機を液流染色機にて80℃×20分で精練、水洗した後に、ピンテンターにて幅出し率20%で180℃×90秒のプレセットを行った。その後、液流染色機にて130℃でのポリエステル染色、吸水加工、水洗を行った後に、ピンテンターにてしわが取れる程度に伸長し、150℃×90秒のファイナルセットを行い、目付119g/m2、厚み0.82mmの2層編地を得た。この編地の表側のウェル数(ウェル方向のループ数)は44個/インチ、裏側のウェル数は10個/インチであり、表側のウェル数は裏側のウェル数の4.4倍であった。また、編地の裏側には凹凸部が存在し、凸部と凹部の高さの差は0.37mmであった。更に編地の表側の拡散面積と裏側の拡散面積の比(表/裏拡散面積比)は6.6、濡れ戻り率は5.7%、水分200g/m2付与時の接触冷感値は168W/m2・℃であり、この編地から得たシャツの着用試験ではベタツキ感や冷え感のないものであった。
実施例1と同じ丸編み機を使用し、編み組織を図2、シリンダ側に単糸繊度1.9dtex、扁平度3.0、比表面積3140cm2/gのポリエステルW型断面加工糸56dtex/30fを2本引きそろえ、単糸繊度2.3dtex、扁平度1.0、比表面積2320cm2/gのポリエステル丸型断面原糸84dtex/36fを5:1の割合で給糸し、ダイアル側には単糸繊度2.3dtex、扁平度1.0、比表面積2320cm2/gのポリエステル丸型断面加工糸84dtex/36fと単糸繊度2.3dtex、扁平度1.0、比表面積2341cm2/gのポリエステル丸型断面加工糸110dtex/48fを交互に給糸して図2の組織で構成されたタックメッシュ組織の生機を得た。この時の表側にあるポリエステルW型断面加工糸及び丸型断面加工糸と、裏側にあるポリエステル丸型断面加工糸の比表面積の比は1.29であった。この生機の加工を実施例1と同様にして、目付153g/m2、厚み0.82mmの2層編地を得た。この編地の表側のウェル数は38個/インチ、裏側のウェル数は20個/インチであり、表側のウェル数は裏側のウェル数の1.9倍であった。また、編地の裏側には凹凸部が存在し、凸部と凹部の高さの差は0.32mmであった。更に編地の表側の拡散面積と裏側の拡散面積の比は4.0、濡れ戻り率は7.1%、水分200g/m2付与時の接触冷感値は194W/m2・℃であり、この編地から得たシャツの着用試験ではベタツキ感や冷え感のないものであった。
ダイアル側、シリンダ側とも28GGであるダブル丸編機を使用し、シリンダ側に単糸繊度1.4dtex、扁平度3.0、比表面積3643cm2/gのポリエステルW型断面加工糸84dtex/60f、ダイアル側に単糸繊度2.3dtex、扁平度1.0、比表面積2320cm2/gのポリエステル丸型断面加工糸84dtex/36fをそれぞれ給糸して図3の組織で構成されたタックメッシュ組織の生機を得た。この時の表側にあるポリエステルW型断面加工糸と、裏側にあるポリエステル丸型断面加工糸の比表面積の比は1.57であった。この生機の加工を実施例1と同様にして、目付127g/m2、厚み1.02mmの2層編地を得た。この編地の表側のウェル数は45個/インチ、裏側のウェル数は23個/インチであり、表側のウェル数は裏側のウェル数の2.0倍であった。また、編地の裏側には凹凸部が存在し、凸部と凹部の高さの差は0.27mmであった。更に編地の表側の拡散面積と裏側の拡散面積の比は4.8、濡れ戻り率は6.6%、水分200g/m2付与時の接触冷感値は185W/m2・℃であり、この編地から得たシャツの着用試験ではベタツキ感や冷え感のないものであった。
シリンダ側に単糸繊度2.8dtex、扁平度3.0、比表面積2464cm2/gのポリエステルW型断面加工糸84dtex/30f、ダイアル側に単糸繊度3.5dtex、扁平度1.0、比表面積1894cm2/gのポリエステル丸型断面加工糸84dtex/24fをそれぞれ給糸した以外は実施例2と同じ編み機、編み組織にてタックメッシュ組織の生機を得た。この時の表側にあるポリエステルW型断面加工糸と、裏側にあるポリエステル丸型断面加工糸の比表面積の比は1.30であった。この生機の加工を実施例1と同様にして、目付130g/m2、厚み0.82mmの編地を得た。この編地の表側のウェル方向のループ数は47個/インチ、裏側のウェル方向のループ数は24個/インチであり、表側のウェル方向のループ数は裏側のウェル方向のループ数の2.0倍であった。また、この編地の裏側には凹凸部が存在し、凸部と凹部の高さの差は0.30mmであった。更に編地の表側の拡散面積と裏側の拡散面積の比は8.8、濡れ戻り率は9.4%、水分200g/m2付与時の接触冷感値は221W/m2・℃であり、この編地から得たシャツの着用試験ではベタツキ感や冷え感のないものであった。
シリンダ側に単糸繊度1.2dtex、扁平度1.0、比表面積3281cm2/gのポリエステル丸型断面加工糸84dtex/72f、ダイアル側に単糸繊度2.8dtex、扁平度3.0、比表面積2464cm2/gのポリエステルW型断面加工糸84dtex/30fをそれぞれ給糸した以外は実施例2と同じ編み機、編み組織にてタックメッシュ組織の生機を得た。この時の表側にあるポリエステル丸型断面加工糸と、裏側にあるポリエステルW型断面加工糸の比表面積の比は1.33であった。この生機の加工を実施例1と同様にして、目付122g/m2、厚み0.80mmの編地を得た。この編地の表側のウェル方向のループ数は45個/インチ、裏側のウェル方向のループ数は24個/インチであり、表側のウェル方向のループ数は裏側のウェル方向のループ数の1.9倍であった。また、この編地の裏側には凹凸部が存在し、凸部と凹部の高さの差は0.31mmであった。更に編地の表側の拡散面積と裏側の拡散面積の比は7.2、濡れ戻り率は8.8%、水分200g/m2付与時の接触冷感値は218W/m2・℃であり、この編地から得たシャツの着用試験ではベタツキ感や冷え感のないものであった。
シリンダ側に単糸繊度0.6dtex、扁平度1.0、比表面積4640cm2/gのポリエステル丸型断面加工糸84dtex/144f、ダイアル側に単糸繊度2.3dtex、扁平度1.0、比表面積2320cm2/gのポリエステル丸型断面加工糸84dtex/36fをそれぞれ給糸した以外は実施例2と同じ編み機、編み組織にてタックメッシュ組織の生機を得た。この時の表側にあるポリエステル丸型断面加工糸と、裏側にあるポリエステル丸型断面加工糸の比表面積の比は2.00であった。この生機の加工を実施例1と同様にして、目付137g/m2、厚み0.82mmの編地を得た。この編地の表側のウェル方向のループ数は46個/インチ、裏側のウェル方向のループ数は24個/インチであり、表側のウェル方向のループ数は裏側のウェル方向のループ数の1.9倍であった。また、この編地の裏側には凹凸部が存在し、凸部と凹部の高さの差は0.32mmであった。更に編地の表側の拡散面積と裏側の拡散面積の比は5.3、濡れ戻り率は9.9%、水分200g/m2付与時の接触冷感値は223W/m2・℃であり、この編地から得たシャツの着用試験ではベタツキ感や冷え感のないものであった。
シリンダ側に単糸繊度0.6dtex、扁平度1.0、比表面積4640cm2/gのポリエステル丸型断面加工糸84dtex/144f、ダイアル側に単糸繊度1.2dtex、扁平度1.0、比表面積3281cm2/gのポリエステル丸型断面加工糸84dtex/72fをそれぞれ給糸した以外は実施例2と同じ編み機、編み組織にてタックメッシュ組織の生機を得た。この時の表側にあるポリエステル丸型断面加工糸と、裏側にあるポリエステル丸型断面加工糸の比表面積の比は1.41であった。この生機の加工を実施例1と同様にして、目付145g/m2、厚み0.85mmの編地を得た。この編地の表側のウェル方向のループ数は46個/インチ、裏側のウェル方向のループ数は24個/インチであり、表側のウェル方向のループ数は裏側のウェル方向のループ数の1.9倍であった。また、この編地の裏側には凹凸部が存在し、凸部と凹部の高さの差は0.28mmであった。更に編地の表側の拡散面積と裏側の拡散面積の比は2.5、濡れ戻り率は11.8%、水分200g/m2付与時の接触冷感値は231W/m2・℃であり、この編地から得たシャツの着用試験ではベタツキ感や冷え感のないものであった。
28GGのシングル丸編み機を使用し、シリンダ側に単糸繊度1.4dtex、扁平度3.0、比表面積3643cm2/gのポリエステルW型断面加工糸84dtex/60f、ダイアル側に単糸繊度2.3dtex、扁平度1.0、比表面積2320cm2/gのポリエステル丸型断面加工糸84dtex/36fをそれぞれ給糸して図4の組織で構成されたタック組織の生機を得た。この時の主に表側にあるポリエステルW型断面加工糸と、主に裏側にあるポリエステル丸型断面加工糸の比表面積の比は1.57であった。この生機の加工を実施例1と同様にして、目付118g/m2、厚み0.81mmのシングル編地を得た。この編地の表側のウェル方向のループ数は46個/インチ、裏側のウェル方向のループ数は46個/インチであり、表側のウェル方向のループ数は裏側のウェル方向のループ数の1.0倍であった。また、編地の裏側には凹凸部が存在し、凸部と凹部の高さの差は0.22mmであった。更に編地の表側の拡散面積と裏側の拡散面積の比は3.1、濡れ戻り率は12.2%、水分200g/m2付与時の接触冷感値は229W/m2・℃であり、この編地から得たシャツの着用試験ではベタツキ感や冷え感のないものであった。
WJL織機を使用し、表側に単糸繊度1.4dtex、扁平度3.0、比表面積3643cm2/gのポリエステルW型断面加工糸84dtex/60f、裏側に単糸繊度2.3dtex、扁平度1.0、比表面積2320cm2/gのポリエステル丸型断面加工糸84dtex/36fになるように図5の織組織で構成された2重織物の生機を得た。この時の表側にあるポリエステルW型断面加工糸と、裏側にあるポリエステル丸型断面加工糸の比表面積の比は1.57であった。この生機の加工を実施例1と同様にして、目付140g/m2、厚み0.72mmの織物を得た。この織物の表側及び裏側のよこ糸密度は107本/インチであり、表側のよこ糸密度は裏側のよこ糸密度の1.0倍であった。また、織物の裏側には凹凸部が存在し、凸部と凹部の高さの差は0.16mmであった。更に織物の表側の拡散面積と裏側の拡散面積の比は2.2、濡れ戻り率は14.1%、水分200g/m2付与時の接触冷感値は230W/m2・℃であり、この織物から得たシャツの着用試験ではベタツキ感や冷え感のないものであった。
シリンダ側に単糸繊度2.3dtex、扁平度1.0、比表面積2320cm2/gのポリエステル丸型断面加工糸84dtex/36f、ダイアル側に単糸繊度2.8dtex、扁平度3.0、比表面積2464cm2/gのポリエステルW型断面加工糸84dtex/30fをそれぞれ給糸した以外は実施例2と同じ編み機、編み組織にてタックメッシュ組織の生機を得た。この時の表側にあるポリエステル丸型断面加工糸と、裏側にあるポリエステルW型断面加工糸の比表面積に比は0.94であった。この生機の加工を実施例1と同様にして、目付125g/m2、厚み0.83mmの編地を得た。この編地の表側のウェル方向のループ数は47個/インチ、裏側のウェル方向のループ数は24個/インチであり、表側のウェル方向のループ数は裏側のウェル方向のループ数の2.0倍であった。また、この編地の裏側には凹凸部が存在し、凸部と凹部の高さの差は0.36mmであった。更に編地の表側の拡散面積と裏側の拡散面積の比は0.8、濡れ戻り率は25.2%、水分200g/m2付与時の接触冷感値は263W/m2・℃であり、この編地から得たシャツの着用試験ではベタツキ感や冷え感の大きいものであった。
シリンダ側に単糸繊度2.8dtex、扁平度3.0、比表面積2464cm2/gのポリエステルW型断面加工糸84dtex/30f、ダイアル側に単糸繊度1.2dtex、扁平度1.0、比表面積3281cm2/gのポリエステル丸型断面加工糸84dtex/72fをそれぞれ給糸した以外は実施例2と同じ編み機、編み組織にてタックメッシュ組織の生機を得た。この時の表側にあるポリエステルW型断面加工糸と、裏側にあるポリエステル丸型断面加工糸の比表面積の比は0.75であった。この生機の加工を実施例1と同様にして、目付131g/m2、厚み0.81mmの編地を得た。この編地の表側のウェル方向のループ数は47個/インチ、裏側のウェル方向のループ数は24個/インチであり、表側のウェル方向のループ数は裏側のウェル方向のループ数の2.0倍であった。また、この編地の裏側には凹凸部が存在し、凸部と凹部の高さの差は0.31mmであった。更に編地の表側の拡散面積と裏側の拡散面積の比は0.5、濡れ戻り率は28.6%、水分200g/m2付与時の接触冷感値は329W/m2・℃であり、この編地から得たシャツの着用試験ではベタツキ感や冷え感の大きいものであった。
シリンダ側に単糸繊度2.8dtex、扁平度3.0、比表面積2464cm2/gのポリエステルW型断面加工糸84dtex/30f、ダイアル側に単糸繊度1.4dtex、扁平度3.0、比表面積3643cm2/gのポリエステルW型断面加工糸84dtex/60fをそれぞれ給糸した以外は実施例2と同じ編み機、編み組織にてタックメッシュ組織の生機を得た。この時の表側にあるポリエステルW型断面加工糸と、裏側にあるポリエステルW型断面加工糸の比表面積の比は0.68であった。この生機の加工を実施例1と同様にして、目付140g/m2、厚み0.79mmの編地を得た。この編地の表側のウェル方向のループ数は45個/インチ、裏側のウェル方向のループ数は24個/インチであり、表側のウェル方向のループ数は裏側のウェル方向のループ数の1.9倍であった。また、この編地の裏側には凹凸部が存在し、凸部と凹部の高さの差は0.31mmであった。更に編地の表側の拡散面積と裏側の拡散面積の比は0.3、濡れ戻り率は30.5%、水分200g/m2付与時の接触冷感値は356W/m2・℃であり、この編地から得たシャツの着用試験ではベタツキ感や冷え感の大きいものであった。
シリンダ側に単糸繊度2.8dtex、扁平度3.0、比表面積2464cm2/gのポリエステルW型断面加工糸84dtex/30f、ダイアル側に単糸繊度2.3dtex、扁平度1.0、比表面積2341cm2/gのポリエステル丸型断面加工糸110dtex/48fをそれぞれ給糸した以外は実施例2と同じ編み機、編み組織にてタックメッシュ組織の生機を得た。この時表側にあるポリエステルW型断面加工糸と、裏側にあるポリエステル丸型断面加工糸の比表面積の比は1.05であった。この生機の加工をプレセット時の幅出し率を30%にした以外は実施例1と同様にして、目付118g/m2、厚み0.72mmの編地を得た。この編地の表側のウェル方向のループ数は44個/インチ、裏側のウェル方向のループ数は23個/インチであり、表側のウェル方向のループ数は裏側のウェル方向のループ数の1.9倍であった。また、この編地の裏側には凹凸部が存在し、凸部と凹部の高さの差は0.13mmであった。更に編地の表側の拡散面積と裏側の拡散面積の比は7.4、濡れ戻り率は18.5%、水分200g/m2付与時の接触冷感値は251W/m2・℃であり、この編地から得たシャツの着用試験ではベタツキ感や冷え感の大きいものであった。
肌側の水分を瞬間的に表面に移動させ、ベタツキ感が少ないと謳われている市販のスポーツシャツAを入手した。このスポーツシャツAに使用された編物は、シャツの外気に触れる側を表側、肌面側を裏側とした時に、表側に単糸繊度1.2dtex、扁平度1.0、比表面積3281cm2/gのポリエステル加工糸84dtex/72f、裏側に単糸繊度2.3dtex、扁平度1.0、比表面積1991cm2/gのポリエステル加工糸56dtex/24fが使用されたシングル丸編地で、主に表側にあるポリエステル加工糸と、主に裏側にあるポリエステル加工糸の比表面積の比は1.65であり、目付114g/m2、厚み0.65mmであり、表側のウェル方向のループ数は50個/インチ、裏側のウェル方向のループ数は50個/インチであり、表側のウェル方向のループ数は裏側のウェル方向のループ数の1.0倍であった。また、編地裏側の凸部と凹部の高さの差は0.17mmであった。更に編地の表側の拡散面積と裏側の拡散面積の比は1.3、濡れ戻り率は20.8%、水分200g/m2付与時の接触冷感値は263W/m2・℃であり、着用試験ではベタツキ感や冷え感の大きいものであった。
ベタツキ感が少なく、肌離れが良いと謳われている市販のスポーツシャツBを入手した。このスポーツシャツBに使用された編物は、表側及び裏側に単糸繊度1.2dtex、扁平度1.0、比表面積3281cm2/gのポリエステル加工糸84dtex/72fを使用したシングル丸編地で、主に表側にあるポリエステル加工糸と、主に裏側にあるポリエステル加工糸の比表面積の比は1.00であり、目付115g/m2、厚み0.48mmであり、表側のウェル方向のループ数は48個/インチ、裏側のウェル方向のループ数は48個/インチであり、表側のウェル方向のループ数は裏側のウェル方向のループ数の1.0倍であった。また、編地裏側の凸部と凹部の高さの差は0.12mmであり、凹凸とは言えないレベルであった。更に編地の表側の拡散面積と裏側の拡散面積の比は1.0、濡れ戻り率は31.0%、水分200g/m2付与時の接触冷感値は359W/m2・℃であり、着用試験ではベタツキ感や冷え感の大きいものであった。
Claims (4)
- ベタツキ感軽減布帛であって、該布帛の表側に配置される繊維の比表面積と裏側に配置される繊維の比表面積との比(表/裏比表面積比)が1.00を超え4.00以下であり、該布帛の表側の拡散面積と裏側の拡散面積との比(表/裏拡散面積比)が1.0以上であり、該布帛の濡れ戻り率が15%以下であり、かつ、該布帛の200g/m2水分付与時の接触冷感性が240W/m2・℃以下であることを特徴とする前記布帛。
- 前記布帛のいずれか一方の表面における凸部と凹部の高さの差が0.15〜0.50mmである、請求項1に記載のベタツキ感軽減布帛。
- 前記布帛の厚みが0.70〜1.2mmである、請求項1又は2に記載のベタツキ感軽減布帛。
- 前記布帛のいずれか一方の表面に、凹部を有する扁平度2.0〜4.0の繊維が配置される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のベタツキ感軽減布帛。
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