JP5346186B2 - 多層編地 - Google Patents

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本発明は多層編地に関する。より詳細には、運動等により発汗した際に、その汗によるベタツキ感や濡れ感を感じない肌DRY性に優れた衣料用途に好ましい編地を提供するものである。
スポーツウェア等の衣服は、着用時運動等による発汗を衣服が吸汗するため、肌と衣服上に存在する汗とが接触し、いわゆるベタツキ感や運動後の冷え感を生じる。このベタツキ感や冷え感は、特にマラソンやサッカーなど長時間行う運動により大量に発汗した場合に顕著に感じる不快感である。
これらの不快感を防止するための方法として、汗を衣服の肌側から表側に移行させ、肌側に水分を残さないことが有効であり、種々の布帛の検討が進められている。その中でも使用する糸の単糸繊度や断面形状を編地表側と裏側で異ならせた布帛が各種提案されている。
例えば、特許文献1には編地表側に異型断面で且つ長手方向に複数の凹溝を有する合成繊維フィラメント、編地裏側には長手方向に凹部を有しない合成繊維フィラメントを使用することで、編地表側へ水分を吸水・拡散し、ベタツキ感の低減や速乾性が得られる編地が提案されている。又、特許文献2には編地表側に綿のような吸水能力に優れた繊維、編地裏側にポリエステルフィラメントのような吸水能力の劣る繊維を使用することで編地裏側に水分を残さない構造とし、ベタツキ感や冷え感を抑制する編地が提案されている。これらは使用する糸種により一定の効果を発現できるが、ベタツキ感を抑制するのは不十分であり、特に長時間の運動等による多量の水分を含有させたときにはベタツキ感の低減効果に限界がある。又、糸が限定され、汎用性に乏しく、特殊な断面形状の糸を使用することで、糸の安定加工や品質安定化のための労力がかかることがある。
一方、編地に表裏密度比をつけることで肌のベタツキ感が抑制される編地も検討されている。例えば、特許文献3には編地表側に親水性繊維、編地裏側に疎水性繊維を使用し、編地表側の密度を編地裏側の密度よりも大きくし、編地表側に凹凸を付与することで、肌のサラサラ感を有する編地が提案されているが、高密度で凹凸が付与された編地表側を肌側に使用し、且つ、肌側に親水性繊維が存在していることから、肌側に保水され、凹凸があってもベタツキ感は大きく、衣料用途として肌DRY性は不十分である。
従って、多量の発汗時にベタツキ感や冷え感を抑制する布帛は見当たらないのが現状である。
特許第3724190号公報 特開2001−81652公報 特開2004−190151公報
本発明の課題は、着用時に快適で、且つ、長時間の運動等による多量の発汗時にベタツキ感や冷え感を軽減する編地を提供することである。
本発明者は、上記課題を達成するために鋭意研究した結果、編地表側と編地裏側の密度差を特定範囲とし、接触冷感性が特定値以下の多層編地により、上記課題が達成されることを見出した。
すなわち本願で特許請求される発明は以下の通りである。
(1)2層以上の層構造を有する多層編地であって、多層編地のいずれか一方の表面層を構成する編地におけるウェル方向のループ数が、他方の表面層を構成する編地におけるウェル方向のループ数の1.1〜4.5倍であり、該ウェル方向のループ数の多い方の表面層に使用されている繊維の捲縮伸長率が、該他方の表面層に使用されている繊維の捲縮伸長率よりも小さく、該他方の表面層の編地表面の凸部と凹部の高さの差が0.15〜0.50mmであり、該多層編地の厚みが、0.6〜1.2mmであり、該多層編地の目付が、50〜150g/m であり、そして該多層編地の200g/m水分付与時の接触冷感性が240W/m・℃以下であることを特徴とする前記多層編地。
本発明の編地を使用すれば、着用時に快適で、且つ、長時間の運動等による多量の発汗時にベタツキ感や冷え感を軽減する布帛が製造可能で、スポーツウェア、インナー、アウターなどの衣服に製造した時に、快適な着用感が得られる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の多層編地は2層以上の層構造を有する。表裏2層構造で構成されていればよく、中間層をもつ3層以上でも差支えない。
本発明の多層編地は、多層編地のいずれか一方の表面層を構成する編地におけるウェル方向のループ数が、他方の表面層を構成する編地におけるウェル方向のループ数の1.1〜4.5倍であることを特徴とする。好ましくは1.2〜4.2倍、より好ましくは1.3〜4.0倍である。
以下本発明では、ウェル方向のループ数が多いほうの表面層を多層編地の表側、該ループ数が少ない方の表面層を多層編地の裏側と称する。本発明の多層編地は、表側を構成する編地の編密度を裏側の編密度より特定の比率で大きくすることにより、毛細管現象を発現させて裏側から表側へ水分を移動させることができる。このような、水分移動機能を有する本発明の多層編地裏側を、衣類の肌面として着用すれば、多量の発汗時でも肌面に水分が残りにくく、着用時のベタツキ感や冷え感を軽減することができる。従来の、表裏の糸種を変えることによる水分移動機能に比べ、本発明による水分移動機能は、特に多量の水分が存在する状況において効果的に発現できるという効果を有する。
多層編地表側のウェル方向のループ数が多層編地裏側のウェル方向のループ数の1.1倍未満では、編地表裏の密度が同等もしくは編地表側の密度が編地裏側の密度よりも粗くなり、その結果、毛細管現象が起こりにくくなり、編地裏側に水分が残ることから、編地裏側を衣料の肌面として着用した時のベタツキ感、冷え感は大きくなる。編地表側のウェル方向のループ数が編地裏側のウェル方向のループ数の4.5倍を超えると、毛細管現象による水分の移行は大きいが、編地裏側のループが大きくなりすぎ、編地裏側を衣料の肌面として着用した時のチクチク感等の風合いが悪くなる。又、スナッキング性も悪くなる。
表裏のウェル方向のループ数は、幅2.54cm(1インチ)当たりの編目ループの数をデンシメーターやリネンテスター等で測定する。ここでループ数とは、編地の表裏それぞれに確認されるニットループの編目の数であり、タックループやシンカーループといった編目はループ数に含まない。
本発明の多層編地は、200g/mの水分を付与した時の接触冷感性が240W/m・℃以下であることを特徴とする。好ましくは220W/m・℃以下、より好ましくは200W/m・℃以下、特に好ましくは180W/m・℃以下である。接触冷感性の測定は、カトーテック社製のサーモラボIIを使用する。この装置は温められた熱板を試料上に置いたときの熱の移動量を測定するものである。具体的な測定方法としては、測定に使用する試料を20℃、65%RH環境下で24時間調湿した後、8cm×8cmにサンプリングされ、編地裏側(ウェル方向のループ数が少ない方の面)を上にして置かれた編地サンプルに、20℃、65%RH環境下で30℃に温められた熱板を置いた瞬間の最大熱移動量を測定する。
200g/mの水分を付与したときの水分は、だらだら汗をかくような運動をした時に布帛が吸う汗の水分量を想定した条件である。測定時の水分の付与方法は、試料の裏側に霧吹きにて、8cm×8cmにサンプリングされた試料の重量が+1.28gになるように水分を付与すればよい。このときの霧吹き内の水温は20℃である。
編地の肌に接触する側に水分が残っていると、水の熱伝導率が高いため、熱板から熱を多く奪い、接触冷感性が大きくなる。すわなち、接触冷感性が大きい試料はベタツキ感が大きいことを意味し、ベタツキ感を感じる接触冷感性は、上記測定方法で240W/m・℃を超えるものである。従来のベタツキ性が改良されたとされる布帛では、本測定のような多量の水分を付与された時の接触冷感性を改善することは困難であったが、本発明では、上記測定方法での接触冷感性が240W/m・℃以下である、多量の水分が付与された状態でもベタツキ性が改良された多層編地を見出したものである。
本発明の多層編地は裏側、すなわちウェル方向のループ数が少ない方の表面層に凹凸を有していることが好ましい。本発明においては、凸部と凹部の高さの差が0.15mm未満では肌との接触面積が凹凸のないものと変わらないことから、凹凸があるとはいえず、多層編地のベタツキ感が大きくなるため好ましくない。凸部と凹部の高さの差が0.15mm以上であれば、編地裏側を衣料の肌面として着用した時の肌と編地裏側の接触面積が少なくなり、編地が水分を吸った時にベタツキ感が低減される。しかし、凸部と凹部の高さの差が0.50mmを超えると、着用等で圧力がかかったときに、凸部が折れ曲がり、結果的には接触面積が大きくなり、ベタツキ感が大きくなることがあり、又、生地として厚みの大きいものとなり、蒸れる等の着用感を損なうことがあるため好ましくない。
凸部と凹部の高さの差は、編地の断面写真を電子顕微鏡等で撮影し、多層編地の表側、すなわちウェル方向のループ数が多い方の表面層を基準とし、多層編地の裏側の凸部までの高さを5か所測定し、平均する。又、同様に表側から裏側の凹部までの高さを5か所測定し、平均する。それぞれの平均値から下記式にて算出する
凸部と凹部の高さの差=(編地表側から編地裏側の凸部までの高さの平均)−(編地表側から編地裏側の凹部までの高さの平均値) (1)
凸部と凹部との差が0.20〜0.50mmであればより好ましく、更に好ましくは0.23〜0.45mm、特に好ましくは0.24〜0.40mmである。
本発明の多層編地を構成する糸素材としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリアクリルニトリル等の合成繊維マルチフィラメント糸、レーヨン、キュプラ、アセテート等の再生繊維マルチフィラメント糸やこれらから得られるスパン糸及び加工糸、混繊糸が挙げられる。更に綿、ウール、麻、絹等の天然繊維やこれらの混紡糸なども挙げられるが、これらに限定されるものではない。その中でも速乾性の面から、ポリエステルマルチフィラメントが好ましい。更に合成繊維マルチフィラメント糸は、二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等が含有されていてもよい。
本発明の多層編地を構成する素材の単糸断面形状は任意で、丸、三角、L型、T型、Y型、W型、H型、♯型、八葉型、ドッグボーン型等の異型状のものや、これらの糸に中空部を有するものを用いることができ、更に単糸糸長方向に凹部が連続あるいは部分的に有していてもよい。その中でも編地表側には表面積が大きいW断面のような異型状の単糸断面が好ましく、編地裏側には表面積が小さいことにより、水分を保持しない丸断面が好ましい。
本発明の多層編地を構成する素材の単糸繊度は衣料等で一般的に使用されている範囲のものを用いることができるが、その中でも単糸繊度が0.2〜7.0dtexのものが好ましく、更に好ましくは、編地表側には毛細管現象が起こりやすい単糸繊度が0.3〜2.0dtex、編地裏側には毛細管現象が起こりにくい単糸繊度が2.0〜5.0dtexである。なお、単糸繊度は、総繊度/単糸数で計算したものである。
本発明の多層編地を構成する素材の総繊度は衣料等で一般的に使用されている範囲のものを用いることができるが、その中でも総繊度が16〜200dtexのものが好ましい。
本発明の多層編地に使用する素材は捲縮や毛羽を有していてもよく、編地表側には毛細管現象が起こりやすい低捲縮糸、生地裏側には肌との接触面積が小さくなる高捲縮糸が好ましい。低捲縮糸とは捲縮伸長率が0〜25%、高捲縮糸とは捲縮伸長率が25〜250%である。なお、仮撚糸の捲縮伸長率は、下記条件にて測定したものである。
捲縮糸の上端を固定し、下端に1.77×10-3cN/dtの荷重をかけ、30秒後の長さ(A)を測定する。次いで、1.77×10-3cN/dtの荷重を取り外し、0.088cN/dtの荷重をかけ、30秒後の長さ(B)を測定し、下記式(2)により捲縮伸長率を求める。
捲縮伸長率(%)=((B−A)/A)×100 (2)
本発明の多層編地を作成するための編機は横編機やシングル丸編機、ダブル丸編機、トリコット編機、ラッセル編機等を使用できるが、2層以上の層を持つ多層編地を作成するにはダブル丸編機が好ましい。更に使用する編機の編ゲージとしては10〜40GGが好ましい。
本発明の多層編地において、表側と裏側のウェル方向のループ数比を特定範囲に設定するための方法としては、特に限定されないが、ダイアル側とシリンダ側のゲージ数が違うダブル丸編機を使用する方法や、編地裏側を針抜き組織にする方法が好ましく、風合や意匠上種々の用途に用いられやすいといった点から、ゲージ数が違うダブル丸編機を使用することがより好ましく、該丸編機を使用した上で針抜き組織を併用する方法が特に好ましい。
本発明の多層編地を作成するための編組織は、タックリバーシブル、デンプルメッシュ、コンフォート等が使用できるが、これに限定されるものではない。その中でも編地裏側に凹凸が得られるタック編みを使用した組織が好ましい。
本発明の編地表裏のコース方向のループ数は編成上問題なければ特に限定されない。
本発明の多層編地の目付は特に限定されないが、50〜300g/mが好ましく、より好ましくは80〜250g/mである。厚みについても特に限定されないが、0.4〜2.0mmが好ましく、より好ましくは、0.6〜1.5mm、更に好ましくは0.7〜1.2mmである。なお、編地の厚みは、Peacock社製の厚み測定器を用い、φ3.0cmの測定部を5gの荷重にて編地に接触させ、3か所測定し、平均する。
本発明の多層編地には吸水加工を施すことが望ましい。
本発明の多層編地の編地表側を外気側、裏側を肌側になるように用いられた衣類は、本発明の効果を好適に発現できるため好ましい。
本発明の多層編地はスポーツウェアやインナー等の汗処理機能が必要な衣料用途に特に好適であるがこれに限定されず、アウターや裏地等の衣料や、シーツ等の寝具、さらには失禁パンツやおむつ等の衛生物品にも適用でき、水分によるベタツキ感や冷え感を低減する効果を発揮する。
以下、実施例により本発明を詳述する。無論、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、実施例における評価は以下の方法により測定した。
(1)着用試験
染色加工された編地の裏側が肌面になるように作成されたシャツを着用し、28℃、65%RH環境の人口気候室にて10分間安静にした後に、大武・ルート工業社製トレッドミルORK−3000にて時速8kmで30分の走行運動を行い、再び10分間安静にした。走行運動後のベタツキ感、冷え感を官能評価した。
○:ベタツキ感、冷え感を感じない
×:ベタツキ感、冷え感を感じる
[実施例1]
ダイアル側が18GG、シリンダ側が24GGであるダブル異ゲージ丸編機を使用し、シリンダ側にポリエステルW型断面加工糸84dtex/30fを、ダイヤル側にポリエステル丸型断面加工糸84dtex/36fを給糸して図1の組織で構成されたタックメッシュ組織の2層編地生機を得た。この生機を液流染色機にて80℃×20分で精練、水洗した後に、ピンテンターにて幅出し率20%で180℃×90秒のプレセットを行った。その後、液流染色機にて130℃でのポリエステル染色、吸水加工、水洗を行った後に、ピンテンターにてしわが取れる程度に伸長し、150℃×90秒のファイナルセットを行い、目付119g/m、厚み0.82mmの2層編地を得た。ゲージの大きいシリンダ側で編まれた面が編密度の大きい表側となり、この編地の表側のウェル方向のループ数は44個/インチ、裏側のウェル方向のループ数は10個/インチであり、表側のウェル方向のループ数は裏側のウェル方向のループ数の4.4倍であった。又、編地裏側には凹凸部が存在し、凸部と凹部の高さの差は0.37mmであった。本編地の水分200g/m付与時の接触冷感値は168W/m・℃であり、この編地から得たシャツの着用試験ではベタツキ感や冷え感のないものであった。
[実施例2]
編み組織を図2、シリンダ側にポリエステルW型断面加工糸84dtex/30fとポリエステル丸型断面原糸84dtex/36fを5:1の割合で給糸した以外は実施例1と同様にして、目付133g/m、厚み0.86mmの2層編地を得た。この編地の表側のウェル方向のループ数は38個/インチ、裏側のウェル方向のループ数は20個/インチであり、表側のウェル方向のループ数は裏側のウェル方向のループ数の1.9倍であった。又、編地裏側には凹凸部が存在し、凸部と凹部の高さの差は0.32mmであった。更に水分200g/m付与時の接触冷感値は198W/m・℃であり、この編地から得たシャツの着用試験ではベタツキ感や冷え感のないものであった。
[実施例3]
編み組織を図3にした以外は実施例1と同様にして、目付132g/m、厚み0.81mmの編地を得た。この編地の表側のウェル方向のループ数は38個/インチ、裏側のウェル方向のループ数は19個/インチであり、表側のウェル方向のループ数は裏側のウェル方向のループ数の2.0倍であった。又、編地裏側には凹凸部が存在し、凸部と凹部の高さの差は0.24mmであった。更に水分200g/m付与時の接触冷感値は185W/m・℃であり、この編地から得たシャツの着用試験ではベタツキ感や冷え感のないものであった。
[実施例4]
編み組織を図4にした以外は実施例1と同様にして、目付150g/m、厚み0.89mmの編地を得た。この編地の表側のウェル方向のループ数は32個/インチ、裏側のウェル方向のループ数は24個/インチであり、表側のウェル方向のループ数は裏側のウェル方向のループ数の1.3倍であった。又、編地裏側には凹凸部が存在し、凸部と凹部の高さの差は0.25mmであった。更に水分200g/m付与時の接触冷感値は206W/m・℃であり、この編地から得たシャツの着用試験ではベタツキ感や冷え感のないものであった。
[実施例5]
編み組織を図5、ダイヤル側にポリエステル丸型断面加工糸110dtex/48fを給糸した以外は実施例1と同様にして、目付140g/m、厚み0.88mmの編地を得た。この編地の表側のウェル方向のループ数は44個/インチ、裏側のウェル方向のループ数は21個/インチであり、表側のウェル方向のループ数は裏側のウェル方向のループ数の2.1倍であった。又、編地裏側には凹凸部が存在し、凸部と凹部の高さの差は0.38mmであった。更に水分200g/m付与時の接触冷感値は219W/m・℃であり、この編地から得たシャツの着用試験ではベタツキ感や冷え感のないものであった。
[実施例6]
ダイアル側、シリンダ側とも28GGであるダブル丸編機を使用し、シリンダ側にポリエステルW型断面加工糸84dtex/30f、ダイヤル側にポリエステル丸型断面加工糸84dtex/36fをそれぞれ給糸して図6の組織で構成されたタックメッシュ組織の2層編地生機を得た。この生機を液流染色機にて80℃×20分で精練、水洗した後に、ピンテンターにて幅出し率20%で180℃×90秒のプレセットを行った。
その後、液流染色機にて130℃でのポリエステル染色、吸水加工、水洗を行った後に、ピンテンターにてしわが取れる程度に伸長し、150℃×90秒のファイナルセットを行い、目付126g/m、厚み0.98mmの編地を得た。編組織の違いからシリンダ側で編まれた面が編密度の大きい表側となり、この編地の表側のウェル方向のループ数は45個/インチ、裏側のウェル方向のループ数は23個/インチであり、表側のウェル方向のループ数は裏側のウェル方向のループ数の2.0倍であった。又、編地裏側には凹凸部が存在し、凸部と凹部の高さの差は0.27mmであった。更に水分200g/m付与時の接触冷感値は182W/m・℃であり、この編地から得たシャツの着用試験ではベタツキ感や冷え感のないものであったが、他の実施例で得られた編地に比べ風合いがやや硬く、また意匠性の面から汎用性がないものであった。
[比較例1]
ダイアル側、シリンダ側とも28GGであるダブル丸編機を使用し、シリンダ側にポリエステルW型断面加工糸84dtex/30f、ダイヤル側にポリエステル丸型断面加工糸84dtex/36fをそれぞれ給糸して図7の組織で構成されたタックメッシュ組織の2層編地生機を得た。この生機を液流染色機にて80℃×20分で精練、水洗した後に、ピンテンターにて幅出し率20%で180℃×90秒のプレセットを行った。その後、液流染色機にて130℃でのポリエステル染色、吸水加工、水洗を行った後に、ピンテンターにてしわが取れる程度に伸長し、150℃×90秒のファイナルセットを行い、目付155g/m、厚み0.95mmの編地を得た。実施例1との比較を行うため、主としてシリンダ側で編まれた面を表面、ダイヤル側を裏面としたとき、この編地の表側のウェル方向のループ数は40個/インチ、裏側のウェル方向のループ数は41個/インチであり、表側のウェル方向のループ数は裏側のウェル方向のループ数の1.0倍であった。又、編地裏側の凸部と凹部の高さの差は0.11mmであり、凹凸とは言えないレベルであった。更に水分200g/m付与時の接触冷感値は296W/m・℃であり、この編地から得たシャツの着用試験ではベタツキ感や冷え感の大きいものであった。
[比較例2]
編み組織を図8にした以外は実施例1と同様にして、目付143g/m、厚み0.80mmの編地を得た。この編地の表側のウェル方向のループ数は39個/インチ、裏側のウェル方向のループ数は30個/インチであり、表側のウェル方向のループ数は裏側のウェル方向のループ数の1.3倍であった。又、編地裏側の凸部と凹部の高さの差は0.13mmであり、凹凸とは言えないレベルであった。更に水分200g/m付与時の接触冷感値は259W/m・℃であり、この編地から得たシャツの着用試験ではベタツキ感や冷え感の大きいものであった。
[比較例3]
肌側の水分を瞬間的に表面に移動させ、ベタツキ感が少ないと謳われている市販のスポーツシャツAを入手した。このスポーツシャツAに使用された編物は、シャツの外気に触れる側を表側、肌面側を裏側とした時に、表側にポリエステル加工糸84dtex/72f、裏側にポリエステル加工糸56dtex/24fが使用されたシングル丸編地で、目付114g/m、厚み0.65mmであり、表側のウェル方向のループ数は50個/インチ、裏側のウェル方向のループ数は50個/インチであり、表側のウェル方向のループ数は裏側のウェル方向のループ数の1.0倍であった。又、編地裏側の凸部と凹部の高さの差は0.17mmであった。更に水分200g/m付与時の接触冷感値は263W/m・℃であり、着用試験ではベタツキ感や冷え感の大きいものであった。
[比較例4]
ベタツキ感が少なく、肌離れが良いと謳われている市販のスポーツシャツBを入手した。このスポーツシャツBに使用された編物は、表側及び裏側にポリエステル加工糸84dtex/72fを使用したシングル丸編地で、目付115g/m、厚み0.48mmであり、表側のウェル方向のループ数は48個/インチ、裏側のウェル方向のループ数は48個/インチであり、表側のウェル方向のループ数は裏側のウェル方向のループ数の1.0倍であった。又、編地裏側の凸部と凹部の高さの差は0.12mmであり、凹凸とは言えないレベルであった。更に水分200g/m付与時の接触冷感値は359W/m・℃であり、着用試験ではベタツキ感や冷え感の大きいものであった。
Figure 0005346186
本発明による編地を製造すれば、着用時に快適で、且つ、長時間の運動等による多量の発汗時にベタツキ感や冷え感を軽減する衣服が製造可能で、スポーツウェア、インナー、アウターなどの衣服等において、快適な着用感が得られる。
本発明の多層編地組織図の一例である。 本発明の多層編地組織図の一例である。 本発明の多層編地組織図の一例である。 本発明の多層編地組織図の一例である。 本発明の多層編地組織図の一例である。 本発明の多層編地組織図の一例である。 従来の多層編地組織図の一例である。 従来の多層編地組織図の一例である。

Claims (1)

  1. 2層以上の層構造を有する多層編地であって、多層編地のいずれか一方の表面層を構成する編地におけるウェル方向のループ数が、他方の表面層を構成する編地におけるウェル方向のループ数の1.1〜4.5倍であり、該ウェル方向のループ数の多い方の表面層に使用されている繊維の捲縮伸長率が、該他方の表面層に使用されている繊維の捲縮伸長率よりも小さく、該他方の表面層の編地表面の凸部と凹部の高さの差が0.15〜0.50mmであり、該多層編地の厚みが、0.6〜1.2mmであり、該多層編地の目付が、50〜150g/m であり、そして該多層編地の200g/m水分付与時の接触冷感性が240W/m・℃以下であることを特徴とする前記多層編地。
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