JP2010236131A - スポーツウエア - Google Patents

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Shoichi Akita
祥一 秋田
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Abstract

【課題】着用時に快適で、且つ、長時間の運動等による多量の発汗時にベタツキ感や冷え感を軽減するスポーツウエアを提供すること。
【解決手段】少なくとも一部の肌側表面層の200g/m2水分付与時の接触冷感値が240W/m2・℃以下であることを特徴とするスポーツウエア。
【選択図】なし

Description

本発明はスポーツウエアに関する。より詳細には、運動等により発汗した際に、その汗によるベタツキ感や濡れ感を感じないドライ性に優れたスポーツウエアに関する。
スポーツウエアは、着用時に運動等を行うため着用者が少量から多量の発汗を生じることが多い。生じた汗はスポーツウエアの肌側に吸汗されるか、肌とウエアの間に残ることになり、これらの水分が肌と接触し、いわゆるベタツキ感や運動後の冷え感を生じ、不快になる。また着用時にスポーツウエアが汗で肌にはりつき、運動を阻害することもある。このベタツキ感や冷え感、動きにくさは、特にマラソンやサッカーなど長時間行う運動により大量に発汗した場合に顕著に感じる不快感である。
これらの不快感を抑制するための方法として、吸汗による水分をスポーツウエアの肌側から表側に移行させ、肌側に水分を残さないことが有効であり、種々の布帛の検討が進められている。例えば、使用する糸の単糸繊度や断面形状が編地表側と裏側で異なる布帛が各種提案されている。
特許文献1には編地表側に異型断面で且つ長手方向に複数の凹溝を有する合成繊維フィラメント、編地裏側には長手方向に凹部を有しない合成繊維フィラメントを使用することで、編地表側へ水分を吸水・拡散し、ベタツキ感の低減や速乾性が得られる編地が提案されている。又、特許文献2には編地表側に綿のような吸水能力に優れた繊維、編地裏側にポリエステルフィラメントのような吸水能力の劣る繊維を使用することで編地裏側に水分を残さない構造とし、ベタツキ感や冷え感を抑制する編地が提案されている。これらは使用する糸種により一定の効果を発現できるが、ベタツキ感を抑制するのは不十分であり、特に長時間の運動等による多量の水分を含有させたときにはベタツキ感の低減効果に限界がある。又、糸種が限定され、汎用性に乏しく、特殊な断面形状の糸を使用することで、糸の安定加工や品質安定化のための労力がかかることがある。
一方、編地に表裏密度差をつけることで肌のベタツキ感が抑制される編地も検討されている。例えば、特許文献3には編地表側に親水性繊維、編地裏側に疎水性繊維を使用し、編地表側の密度を編地裏側の密度よりも大きくし、編地表側に凹凸を付与することで、肌のサラサラ感を有する編地が提案されているが、高密度で凹凸が付与された編地表側を肌側に使用し、且つ、肌側に親水性繊維が存在していることから、肌側に保水され、凹凸があってもベタツキ感は大きく、衣料用途として肌ドライ性は不十分である。
従って、多量の発汗時にベタツキ感や冷え感を抑制する布帛やウエアは見当たらないのが現状である。
特許第3724190号公報 特開2001−81652公報 特開2004−190151公報
本発明の課題は、着用時に快適で、且つ、長時間の運動等による多量の発汗時にベタツキ感や冷え感を軽減するスポーツウエアを提供することである。
本発明者等は、上記課題を達成するために鋭意研究した結果、少なくとも片側の表面層の200g/m2水分付与時の接触冷感値が240W/m2・℃以下である布帛の該表面層を肌側に用いたスポーツウエアがウエアの肌側に汗が残らず、上記課題を達成できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は以下のとおりである。
(1)少なくとも一部の肌側表面層の200g/m2水分付与時の接触冷感値が240W/m2・℃以下であることを特徴とするスポーツウエア。
(2)肌側表面層の凸部と凹部の高さの差が0.15〜0.50mmであることを特徴とする上記(1)に記載のスポーツウエア。
(3)肌側表面層の水分付与時の摩擦係数増加率が100%以下であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のスポーツウエア。
本発明のスポーツウエアを使用すれば、着用時に快適で、且つ、長時間の運動等による多量の発汗時にベタツキ感や冷え感を軽減し、快適な着用感が得られる。
実施例1で使用した布帛の編地組織図である。 実施例2で使用した布帛の編地組織図である。 実施例3で使用した布帛の編地組織図である。 実施例4で使用した布帛の編地組織図である。 実施例5で使用した布帛の織物組織図である。 比較例2で使用した布帛の編地組織図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のスポーツウエアは、スポーツウエアを構成する布帛の少なくとも一部に、少なくとも片側表面の200g/m2水分付与時の接触冷感値が240W/m2・℃以下である布帛を、当該表面側を肌側に用いてなることを特徴とする。好ましくは220W/m2・℃以下、より好ましくは200W/m2・℃以下である。また、接触冷感値は120w/m2℃以上であることが望ましい。120w/m2℃未満では生地の凹凸が極端に大きくなり、肌触りが悪化する。
スポーツウエアの着用時にはかなり汗をかくことが想定される。200g/m2の水分付与は、例えばジョギングを30分以上するなど一般にかなりの量の発汗状態であり、この状態でべたつかないことがスポーツウエアの着用快適性の点で非常に重要である。発汗時のべたつきの大きさは接触冷感値により評価できる。本発明において、接触冷感値とは、カトーテック社製サーモラボ試験機を用いて測定された、瞬時の熱移動の最大値(Qmaxと標記されている)によって表される。
測定時の水分の付与方法は、8cm×8cmにサンプリングされた試料の重量が+1.28gになるように、試料の測定面側に霧吹きにて水分を付与すればよい。このときの霧吹き内の水温は20℃である。べたつきが大きい場合には測定面に水が多く存在するために接触冷感値は非常に大きな値になる。逆にべたつかない、すなわち表面に水があまり存在しない場合には接触冷感値は小さくなる。べたつかないためにはこの値が240W/m2・℃以下であるとよい。
200g/m2水分付与時の接触冷感値が240W/m2・℃以下の面を有する布帛を好適に製造する第一の方法としては、布帛が編地である場合に、編組織をタックリバーシブル、デンプルメッシュおよびコンフォートなど、編地片面のウェル方向のループ数が少なく、凹凸が得られるタック編みを使用した組織にする方法があり、本発明のスポーツウエアは凹凸面側を肌側に用いて作製される。上記編組織を有する編地において、表側となる面はウェル方向のループ数が多く、凹凸は小さい。肌側の凹凸の程度としては凸部と凹部との差が0.15〜0.50mmであればより好ましく、更に好ましくは0.20〜0.45mm、特に好ましくは0.25〜0.40mmである。ここでいう凸部と凹部の高さの差は、編地の断面写真を電子顕微鏡等で撮影し、上記編組織を有する編地の表側、すなわちウェル方向のループ数が多く、凹凸の少ない表面層を基準とし、凹凸の大きい肌側の凸部までの高さを5か所測定し、平均する。又、同様に表側から肌側の凹部までの高さを5か所測定し、平均する。それぞれの平均値から下記式にて算出する。
凸部と凹部の高さの差=(編地表側から編地肌側の凸部までの高さの平均値)−
(編地表側から編地肌側の凹部までの高さの平均値)
なお、表側にも凹凸がある場合は、表側凹凸のほぼ中間高さの位置に基準線を引き、基準線からの肌側凸部および凹部の高さを求めればよい。
肌側の凸部と凹部の高さの差が0.15mm未満では凹凸が小さすぎるため、編地のベタツキ感の軽減を達成しにくい。また、凸部と凹部の高さの差が0.50mmを超えると、ザラザラ感が大きくなり、又、生地として厚みの大きいものとなり、蒸れる等の着用感を損なうことがあるため好ましくない。
肌側の凸部と凹部との差が0.15〜0.20mmの場合には肌側に対し表側を高密度にする、あるいは、表側を細繊度にするなど後述の他の好ましい糸設計や編設計にすることが好ましい。
布帛が織物の場合においても、2重織で凸部と凹部との差が0.15〜0.50mmとなるよう肌側を凹凸のある組織にすることが望ましい。
200g/m2水分付与時の接触冷感値が240W/m2・℃以下の面を有する布帛を好適に製造する第二の方法としては、表側の表面層を構成する編地または織物の密度を肌側の表面層を構成する編地または織物の密度の1.1〜4.5倍にする方法が挙げられる。好ましくは1.2〜4.2倍、より好ましくは1.3〜4.0倍である。これにより、毛細管現象が発現し、肌側から表側へ水分を移動させることができるため、多量の発汗時でも肌面に水分が残りにくく、着用時のベタツキ感や冷え感を軽減することができる。なお、肌側と表側に密度差を設けるためには、多層編地または多層織物とすることが好ましい。
表側密度が肌側の密度の1.1倍未満では、毛細管現象が起こりにくくなり、毛細管現象による水分移行によるべたつきの改善効果は期待できない。表側の密度が裏側の密度の4.5倍を超えると、毛細管現象による水分の移行は大きいが、肌側が粗い組織となり、着用した時のチクチク感等の風合いが悪くなる。又、スナッキング性も悪くなることが懸念される。
布帛の表裏の密度は、編地の場合、幅2.54cm(1インチ)当たりの編目ループの数をデンシメーターやリネンテスター等で測定し、密度とする。ここでループ数とは、ニットループの編目の数であり、タックループやシンカーループといった編目はループ数に含まない。編地の、表側と肌側の密度を変える方法としては、特に限定されないが、ダイアル側とシリンダ側のゲージ数が違うダブル丸編機を使用する方法や、編地肌側を針抜き組織にする方法が好ましい。
200g/m2水分付与時の接触冷感値が240W/m2・℃以下の面を有する布帛を好適に製造する第三の方法としては、表側と肌側の糸使いを適正化することも有効である。本発明のスポーツウエアを構成する素材の単糸繊度は衣料等で一般的に使用されている範囲のものを用いることができるが、中でも単糸繊度が0.2〜7.0dtexのものが好ましく、更に好ましくは、表側の単糸繊度を肌側の単糸繊度より小さくすることが好ましい。具体的には表側には毛細管現象が起こりやすい単糸繊度が0.3〜3.0dtexの糸を、肌側には表側に水を移行させやすい単糸繊度が1.0〜5.0dtexの糸を用い、かつ、表側の単糸繊度を肌側の単糸繊度より小さくすることが有効である。後述の表面積が大きく、毛細管現象が起こりやすい異型断面糸を表側に用いる場合は、表側と肌側の単糸繊度が同等でも良い。なお、単糸繊度は、総繊度/単糸数で計算したものである。
本発明のスポーツウエアを構成する素材の総繊度は衣料等で一般的に使用されている範囲のものを用いることができるが、その中でも総繊度が16〜200dtexのものが好ましい。さらに本発明のスポーツウエアに使用する素材は捲縮や毛羽を有していてもよく、表側には毛細管現象が起こりやすい低捲縮糸、肌側には肌との接触面積が小さくなる高捲縮糸が好ましい。低捲縮糸とは捲縮伸長率が0〜25%、高捲縮糸とは捲縮伸長率が25〜250%である。なお、仮撚糸の捲縮伸長率は、下記条件にて測定したものである。
捲縮糸の上端を固定し、下端に1.77×10-3cN/dtの荷重をかけ、30秒後の長さ(A)を測定する。次いで、1.77×10-3cN/dtの荷重を取り外し、0.088cN/dtの荷重をかけ、30秒後の長さ(B)を測定し、下記式により捲縮伸長率を求める。
捲縮伸長率(%)=((B−A)/A)×100
本発明のスポーツウエアに使用する布帛の目付は特に限定されないが、50〜300g/m2が好ましく、より好ましくは80〜250g/m2である。厚みについても特に限定されないが、0.4〜2.0mmが好ましく、より好ましくは、0.6〜1.5mm、更に好ましくは0.7〜1.2mmである。なお、編地の厚みは、Peacock社製の厚み測定器を用い、直径3.0cmの測定部を5gの荷重にて編地に接触させ、3か所測定し、平均する。
本発明のスポーツウエアに使用する布帛の素材としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレンおよびポリアクリルニトリル等の合成繊維マルチフィラメント糸、レーヨン、キュプラおよびアセテート等の再生繊維マルチフィラメント糸やこれらから得られるスパン糸及び加工糸、並びに混繊糸が挙げられる。更に綿、ウール、麻および絹等の天然繊維やこれらの混紡糸なども挙げられるが、これらに限定されるものではない。特に肌側を構成する素材はべたつき低減の面から、ポリエステルマルチフィラメントが好ましい。
加工糸としては、一般的に衣料用途に使用されているマルチフィラメントから得られるもので良い。例えば、サイドバイサイド型等の潜在捲縮型マルチフィラメント、マルチフィラメントに仮撚加工、賦型加工および押し込み加工等を施した捲縮を有するもの、および2種類以上のマルチフィラメントから流体混繊や撚糸等により得られるものなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、生地にした時の膨らみ、伸縮性および生地表面の均一性等からマルチフィラメントを仮撚加工した仮撚加工糸が好ましい。
更に合成繊維マルチフィラメント糸は、二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤および消泡剤等が含有されていてもよい。さらに、ポリウレタン繊維をカバーリングや引き揃えで使用し、ストレッチ性を付与するのも好ましい。
本発明の布帛を構成する素材の単糸断面形状は任意で、丸型や、三角、L型、T型、Y型、W型、H型、♯型、八葉型およびドッグボーン型等の異型状のものや、これらの糸に中空部を有するものを用いることができ、更に単糸糸長方向に凹部を連続的あるいは部分的に有していてもよい。その中でもスポーツウエアを構成する布帛の表側には表面積が大きいW断面のような異型状の単糸断面が好ましく、肌側には表面積が小さいことにより、水分を保持しない丸断面が好ましい。
本発明のスポーツウエアに使用される布帛は、上述の200g/m2水分付与時の接触冷感値が240W/m2・℃以下の面を有する布帛にする方法を一つまたは複数組み合わせることによって好適に得られる。本発明のスポーツウエアはこれらの200g/m2水分付与時の接触冷感値が240W/m2・℃以下の面を有する布帛を、30%以上使用することが好ましく、より好ましくは50%以上使用すると良い。スポーツウエアの中でも特に発汗を生じやすい胸部、背部、脇部などに配置するのが好ましい。
本発明のスポーツウエアに使用する布帛は、肌面側の水分付与時の摩擦係数増加率が100%以下であるのが好ましい。摩擦係数増加率は新東科学社製 HEIDON−10 を用いて、5cm×5cmの試料を用意し、まず乾燥時の摩擦係数を計測し、続いて1mlの水分を付与し同様に計測した後、水分付与時の摩擦係数増加率は次式により算出する。
[(水分付与時の摩擦係数−乾燥時の摩擦係数)/乾燥時の摩擦係数]×100
水分付与時の摩擦係数増加率が100%未満であれば着用時に汗ではりつき、運動を阻害することがなく動きやすいスポーツウエアとなる。より好ましくは水分付与時の摩擦係数増加率が80%未満であると良い。
本発明のスポーツウエアに使用される布帛には吸水加工を施すことが望ましい。吸水加工の方法としては、例えば、浴中吸尽法、DIP−NIP法、ロールで加工剤を転写する方法などが好適に使用され、加工剤としては高松油脂(株)製のSR1000や日華化学(株)製のナイスポールPR−99などが好適に用いられる。
本発明のスポーツウエアは水分によるベタツキ感や冷え感を低減し、運動機能性に優れるウエアとなる。
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
なお、実施例における評価は以下の方法により測定した。
(1)着用試験
Tシャツを作成し、着用し、28℃、65%RH環境の人工気候室にて10分間安静にした後に、大武・ルート工業社製トレッドミルORK−3000にて時速8kmで30分の走行運動を行い、再び10分間安静にした。走行運動後のベタツキ感、冷え感および運動のしやすさを官能評価した。
○:ベタツキ感、冷え感を感じない。運動しやすい
×:ベタツキ感、冷え感を感じる。運動しにくい
[実施例1]
ダイアル側、シリンダ側とも28GGであるダブル丸編機を使用し、シリンダ側にポリエステルW型断面仮撚加工糸84dtex/30f、ダイアル側にポリエステル丸型断面仮撚加工糸84dtex/36fをそれぞれ給糸して図1の組織で構成されたタックメッシュ組織の2層編地生機を得た。この生機を液流染色機にて80℃×20分で精練、水洗した後に、ピンテンターにて幅出し率20%で180℃×90秒のプレセットを行った。その後、液流染色機にて130℃でのポリエステル染色、吸水加工、水洗を行った後に、ピンテンターにてしわが取れる程度に伸長し、150℃×90秒のファイナルセットを行い、目付126g/m2、厚み0.98mmの編地を得た。なお、吸水加工は、浴中吸尽法で高松油脂(株)製のSR1000を3%owfにて加工した。編組織の違いからシリンダ側で編まれた面が編密度の大きい表側となり、この編地の表側のウェル方向のループ数は45個/インチ、肌側のウェル方向のループ数は23個/インチであり、表側のウェル方向のループ数は肌側のウェル方向のループ数の2.0倍であった。又、編地肌側には凹凸部が存在し、凸部と凹部の高さの差は0.27mmであった。更に肌側表面層の水分200g/m2付与時の接触冷感値は182W/m2・℃であり、この編地から得たシャツの着用試験ではベタツキ感や冷え感がなく、動きやすいという評価が得られた。また、肌側表面層の水分付与時の摩擦係数の増加率は40.5%であった。布帛の製造条件および得られた評価結果等を表1に示す。
[実施例2]
ダイアル側が18GG、シリンダ側が24GGであるダブル異ゲージ丸編機を使用し、ダイアル側にポリエステルW型断面仮撚加工糸84dtex/30fを、シリンダ側にポリエステルW型断面仮撚加工糸84dtex/30fとポリエステル丸型断面原糸84dtex/36fを5:1の割合で給糸して図2の組織で構成されたタックメッシュ組織の2層編地生機を得た。この生機を実施例1と同様に精練、水洗、プレセット、染色、吸水加工、水洗、ファイナルセットを行い、目付133g/m2、厚み0.86mmの2層編地を得た。この編地の表側のウェル方向のループ数は38個/インチ、肌側のウェル方向のループ数は20個/インチであり、表側のウェル方向のループ数は肌側のウェル方向のループ数の1.9倍であった。又、編地肌側には凹凸部が存在し、凸部と凹部の高さの差は0.32mmであった。更に肌側表面層の水分200g/m2付与時の接触冷感値は198W/m2・℃であり、この編地を胸部、背部、脇部に使用し、編地使用率50%としたシャツの着用試験ではベタツキ感や冷え感がなく、動きやすいという評価が得られた。布帛の製造条件および得られた評価結果等を表1に併せて示す。
[実施例3]
編み組織を図3にした以外は実施例1と同様にして、目付135g/m2、厚み0.81mmの編地を得た。編地肌側には凹凸部が存在し、凸部と凹部の高さの差は0.30mmであった。更に肌側表面層の水分200g/m2付与時の接触冷感値は220W/m2・℃であり、この編地から得たシャツの着用試験ではベタツキ感や冷え感がなく、動きやすいという評価が得られた。布帛の製造条件および得られた評価結果等を表1に併せて示す。
[実施例4]
シリンダ側にポリエステルW型断面仮撚加工糸84dtex/60f、ダイアル側にポリエステル丸型断面仮撚加工糸84dtex/36fをそれぞれ給糸して編み組織を図4にした以外は実施例2と同様にして、目付150g/m2、厚み0.89mmの編地を得た。この編地の表側のウェル方向のループ数は32個/インチ、肌側のウェル方向のループ数は24個/インチであり、表側のウェル方向のループ数は肌側のウェル方向のループ数の1.3倍であった。又、編地肌側には凹凸部が存在し、凸部と凹部の高さの差は0.20mmであった。更に肌側表面層の水分200g/m2付与時の接触冷感値は235W/m2・℃であり、この編地から得たシャツの着用試験ではベタツキ感や冷え感がなく、動きやすいという評価が得られた。布帛の製造条件および得られた評価結果等を表1に併せて示す。
[実施例5]
表側にポリエステルW型断面仮撚加工糸84dtex/60f、肌側にポリエステル丸型断面仮撚加工糸84dtex/36fで織組織が図5の2重織物を作成した。製織後、通常の染色方法で、リラックス・精 練、染色、吸水加工を行った後、帯電防止加工を実施し、経密度175本/2.54cm、緯密度107本/2.54cmの織物を作製した。なお、吸水加工は、浴中吸尽法で高松油脂(株)のSR1000を3%owfにて加工した。肌側には凹凸部が存在し、凸部と凹部の高さの差は0.16mmであった。更に肌側表面層の水分200g/m2付与時の接触冷感値は230W/m2・℃であり、この編地から得たシャツの着用試験ではベタツキ感や冷え感がなく、動きやすいという評価が得られた。布帛の製造条件および得られた評価結果等を表1に併せて示す。
[比較例1]
シリンダ側、ダイアル側にポリエステル丸型断面仮撚加工糸84dtex/36fをそれぞれ給糸した他は実施例4と同様の方法で編地を作成し、目付155g/m2、厚み0.85mmの編地を得た。編地肌側の凸部と凹部の高さの差は0.13mmであり、水分200g/m2付与時の接触冷感値は286W/m2・℃であり、この編地から得たシャツの着用試験ではベタツキ感や冷え感が大きく、汗でウエアがはりつき動きにくかった。布帛の製造条件および得られた評価結果等を表1に併せて示す。
[比較例2]
編み組織を図6にした以外は実施例1と同様にして、目付143g/m2、厚み0.80mmの編地を得た。この編地の肌側の凸部と凹部の高さの差は0.09mmであり、凹凸とは言えないレベルであった。更に肌側表面層の水分200g/m2付与時の接触冷感値は310W/m2・℃であり、この編地から得たシャツの着用試験ではベタツキ感や冷え感が大きく、汗でウエアがはりつき動きにくかった。布帛の製造条件および得られた評価結果等を表1に併せて示す。
[比較例3]
実施例2の編地を、表側と肌側を逆にして使用し、シャツを作製した。得られたシャツの肌側の凹凸は0.07mmで水分200g/m2付与時の接触冷感値は283W/m2・℃であり、着用試験ではベタツキ感や冷え感が大きく、汗でウエアがはりつき動きにくかった。布帛の製造条件および得られた評価結果等を表1に併せて示す。
Figure 2010236131
本発明のスポーツウエアは、着用時に快適で、且つ、長時間の運動等による多量の発汗時にベタツキ感や冷え感を軽減するスポーツウエアであり、快適な着用感が得られる。

Claims (3)

  1. 少なくとも一部の肌側表面層の200g/m2水分付与時の接触冷感値が240W/m2・℃以下であることを特徴とするスポーツウエア。
  2. 肌側表面層の凸部と凹部の高さの差が0.15〜0.50mmであることを特徴とする請求項1に記載のスポーツウエア。
  3. 肌側表面層の水分付与時の摩擦係数増加率が100%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のスポーツウエア。
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