JPH1053941A - 清涼性を有する布帛 - Google Patents

清涼性を有する布帛

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JPH1053941A
JPH1053941A JP14685197A JP14685197A JPH1053941A JP H1053941 A JPH1053941 A JP H1053941A JP 14685197 A JP14685197 A JP 14685197A JP 14685197 A JP14685197 A JP 14685197A JP H1053941 A JPH1053941 A JP H1053941A
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JP
Japan
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yarn
fabric
fibers
fiber
skin
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Withdrawn
Application number
JP14685197A
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English (en)
Inventor
Sumi Iwazuru
寿美 岩鶴
Toshiyuki Kondo
敏之 近藤
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汗ばむ状況、及び汗が流れる状況において清
涼快適な布帛を提供することを目的とする。 【構成】 SB値が(1)式、(2)式を満足し、かつ
SN値が(3)式、(4)式を満足し、かつSB×SN
が(5)式を満足する布帛。 【数1】 【数2】 【数3】 【数4】 【数5】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、清涼感に優れた布
帛に関する。
【0002】
【従来の技術】湿潤した蒸し暑い日や、夏の暑い日に
は、着用している衣服の種類によって、不快感の感じか
たが異なることは経験的に知られている。しかしなが
ら、布帛の特性を設計して、かかる環境下で積極的に清
涼感を与える試みはあまりなされていない。清涼感に関
わる要因は非常に複雑であり、多くの布帛物性がからみ
あった総合的なものである。また、着用環境、着用状況
によっても必要な布帛物性のバランスが変化する。これ
まで、布帛物性のどの項目が人の感覚に対してどのよう
なバランスで寄与し、着用中の様々な状況下において実
際に清涼感に富み快適であると感じるのか明確でなかっ
た。即ち、清涼感の尺度が明確でなかった。また、それ
を十分に満たす布帛もなかった。セルロース繊維は吸水
性に優れていることから、快適性を与える衣料の素材と
して広く使用されている。その代表的な例である単繊維
長の長い綿60番撚糸からなるフライス編地は、熱がこ
もりやすい傾向にあり、また汗の量が多くて汗が流れる
状況になると生地が肌にはりつくという問題がある。合
成繊維は吸水性に乏しいことが、反面、水分を逃散させ
やすい利点にもなって、セルロース繊維と併用されてい
る。例えば、側面に多数の小さい孔をもつポリエステル
繊維75d/36f撚糸(撚糸回数1500回/m)か
らなるスムース編地の場合、涼しい環境での着用時には
さらっとした肌触りを与えるが、汗ばむ状況ではムレ易
く、さらに人体側の運動量が増えて汗が流れる状況にな
ると熱がこもり、暑さからの回復性が遅く、肌もべたつ
くなどの問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
を改善し、汗ばむ状況及び汗が流れる状況において清涼
快適な布帛を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、SB値が
(1)式、(2)式を満足し、かつSN値が(3)式、
(4)式を満足し、かつSB×SNが(5)式を満足す
る布帛である。 (1)式
【0005】
【数6】
【0006】(2)式
【0007】
【数7】
【0008】(3)式
【0009】
【数8】
【0010】(4)式
【0011】
【数9】
【0012】(5)式
【0013】
【数10】
【0014】上記課題を解決するため、本発明者らは、
繊維の種類、繊維の構造、繊維の組合せ、布帛の種類、
布帛の構造などの異なる多数の布帛を作成し、それらを
衣服に縫製して、着用テストを行い、清涼感の要因分析
を行った。即ち、多数の着用試験者を選定し、パネラー
に明細を伏せて試作衣服を配布し、長期間にわたり1日
1点ずつ繰り返し、日常使用させ、清涼感に関係する1
8項目の要因について、その評価を着用毎に実施し、そ
の結果から人が感じる清涼感に与える大きな要因を抽出
した。また、環境試験室において、汗ばむ状況及び汗が
流れる状況を再現し、衣服と肌の間に温湿度センサーを
実装し温湿度を計測するとともに官能テストを実施し
た。その結果、汗ばむ程度の状況では、汗でべたつかな
いこと、ムレないこと、さらっとした肌触りであること
が清涼感判断の3大基準であったが、汗が流れる状況で
は、汗でべたつかない、肌にひっつかない、ムレないの
他、熱がこもらないことが判断の基準であり、肌触りの
項目は重要度の順位が下がった。
【0015】次に着用テストした布帛の物性について水
に関する物性、湿度に関する物性、熱に関する物性、表
面形状に関する物性、風合いに関する物性、生地変形度
などあらゆる角度から43項目測定し、官能評定結果と
の関係を解析した。その結果、清涼感に寄与する物性項
目とその重要度を掌握し、清涼感の尺度を明確化するこ
とに成功した。
【0016】本発明は、汗ばむ程度の状況および汗が流
れる状況において清涼快適性に富む布帛を追求したもの
であり、SB値、SN値が0より大きく、かつ100未
満である布帛を用いた衣料は、汗ばむ程度の状況および
汗が流れる状況において、共に清涼感に富み快適であ
る。SB×SNが0.5以上であるとより一層清涼感に
優れた衣料になる。
【0017】かかる条件を満たす布帛の好ましい態様は
以下の通りである。 1.疎水性繊維が50%以上含まれた糸Aと親水性繊維
からなる糸Bからなるスムース組織で構成される編地。 ・糸Aに含まれる疎水性繊維は90〜100%であるこ
とが好ましい。 ・糸Aとしては、異形断面の疎水性繊維、酸化チタン含
有率の高い疎水性繊維、およびこれらの撚糸、疎水性繊
維と親水性繊維をインターレースや合撚等により複合し
たものが汗ばむ状況での肌触り、および発汗時のべたつ
き軽減に優れ好ましい。また撚糸回数は500〜160
0回/mが布帛の消費性能としてのスナッグ予防の面か
ら好ましい。撚糸回数が1600回/mを超えると、糸
のトルクによりスナッグ傷となりやすい。 ・糸Bとしては、親水性繊維の長繊維や短繊維が用いら
れる。 ・糸Aのトータルデニールが糸Bのトータルデニールの
1.2〜1.8倍である。 ・糸Aのトータルデニールと糸Bのトータルデニールの
合計が250d以下、好ましくは200d以下である。 ・下記に定義する糸A、Bの編込みループ長と沸水収縮
率が下記式を満足する。
【0018】糸Aの編込みループ長×(100−(糸A
の沸水収縮率(%))×0.01≧糸Bの編込みループ
長×(100−(糸Bの沸水収縮率(%))×0.01 ここでいう編込みループ長とは、編地の100ウェール
当たりの糸長であり、編み立て後の生機から100ウェ
ール分の糸をほどき、その糸の上端を固定し垂直に垂ら
し、その糸の下端部に1d当たり0.1gの荷重をかけ
て、その時の糸長を測定することによって得られる値で
ある。 ・編地の給糸配列が以下のいずれかである。
【0019】(A、B、A、B)の繰り返し (A、B)の繰り返しが4連続以上含まれる配列の繰り
返し (A、B、A、B、A、B、B、A)の繰り返し (A、B、A、B、A、B、B、B)の繰り返し (A、B、A、B、B、A)の繰り返し (A、B、A、B、B、B)の繰り返し (A、B、B、B)の繰り返し 以上の構造を有する布帛は、その表裏面が凹凸を有して
いる。各ウェール毎に見た時に、全ニードルループの
内、糸Aからなるニードルループを2分の1以上含むウ
ェールを凸状ウェールと呼び、その他を凹状ウェールと
呼ぶ。 ・布帛を真上から見た時に、凸状ウェールが凹状ウェー
ルの0.5〜2倍露出して見えるように布帛巾を調整し
て仕上セットされている。
【0020】かかる布帛は、布帛の表面に疎水性繊維か
らなる高さ10μm〜1mm(好ましくは100μm〜
1mm)、間隔50μm〜2mmの凸部を有するため、
この布帛を衣料として用いた場合、疎水性繊維が優先的
に肌に点接触し、汗ばむ状況での肌触りが良好であると
ともに、汗が流れる状況で、凸部側から吸われた汗が凹
部の親水性繊維側に移行し、肌側に濡れ戻る割合が少な
く、肌のべたつき、布帛の肌への張り付きによる不快感
が少ない。 ・後述する繊維充填率が12〜25%、親水性繊維の混
率が20%以上、通気抵抗が200Pa・s/m以下と
なり、放熱性、通気性、温度移行性がバランス良く良好
なものとなり、熱のこもり、ムレ感が軽減され着用時に
快適である。 2.疎水性繊維が50%以上含まれた糸Aと親水性繊維
からなる糸Bとポリウレタン弾性糸Cからなるスムース
組織で構成されるストレッチ性を有する編地。 ・糸Aに含まれる疎水性繊維は60〜100%であるこ
とが好ましい。 ・糸Aのトータルデニールと糸Bのトータルデニールの
合計が250d以下である。 ・糸Aとしては、異形断面の疎水性繊維、酸化チタン含
有率の高い疎水性繊維、およびこれらの撚糸、疎水性繊
維と親水性繊維をインターレースや合撚等により複合し
たものが汗ばむ状況での肌触り、および発汗時のべたつ
き軽減に優れ好ましい。また撚糸回数は500〜160
0回/mが布帛の消費性能としてのスナッグ予防の面か
ら好ましい。撚糸回数が1600回/mを超えると、糸
のトルクによりスナッグ傷となりやすい。
【0021】親水性繊維と疎水性繊維などを混繊した繊
維、及び混繊した後仮撚した繊維、及び仮撚後に混繊し
た繊維が肌へのべたつき感が少なく、乾燥時の放熱性が
高く、ウェット時の放熱性が低いために汗をかいた後の
不快な冷え感が少なく、不快な接触冷温感が軽減され、
より好ましい。また、親水性繊維の回りに疎水性繊維等
を巻き付けた複合繊維は、肌へのべたつきが軽減され、
肌触りもよく好ましい。 ・糸Bとしては、親水性繊維の長繊維や短繊維が用いら
れる。 ・給糸配列は、A、B、A、Bの繰り返しであり、かつ
Bを給糸した給糸口のみにCを引き揃え給糸する。 ・前述した糸A、Bの編込みループ長と沸水収縮率が下
記式を満足する。
【0022】糸Aの編込みループ長×(100−(糸A
の沸水収縮率(%))×0.01≧糸Bの編込みループ
長×(100−(糸Bの沸水収縮率(%))×0.01
×1.03 ・布帛を真上から見た時に、前述の凸状ウェールが凹状
ウェールの1〜4倍露出して見えるように布帛巾を調整
して仕上セットされている。
【0023】かかる布帛は、布帛の表面に疎水性繊維か
らなる高さ10μm〜1mm(好ましくは100μm〜
1mm)、間隔50μm〜2mmの凸部を有するため、
この布帛を衣料として用いた場合、疎水性繊維が優先的
に肌に点接触し、汗ばむ状況での肌触りが良好であると
ともに、汗が流れる状況で、凸部側から吸われた汗が凹
部の親水性繊維側に移行し、肌側に濡れ戻る割合が少な
く、肌のべたつき、布帛の肌への張り付きによる不快感
が少ない。 ・後述する繊維充填率が12〜25%、親水性繊維の混
率が25%以上、通気抵抗が350Pa・s/m以下と
なり、放熱性、通気性、温度移行性がバランス良く良好
なものとなり、熱のこもり、ムレ感が軽減され着用時に
快適である。 3.疎水性繊維からなる糸Aと親水性繊維からなる糸B
からなる三層構造を有する編地。 ・糸Aのトータルデニールと糸Bのトータルデニールの
合計が200d以下、好ましくは150d以下である。 ・糸Aとしては、撚糸が好ましく、具体的には、異形断
面の疎水性繊維、酸化チタン含有率の高い疎水性繊維な
どの撚糸、疎水性繊維と親水性繊維をインターレース後
撚糸したものが汗ばむ状況での肌触り、および発汗時の
べたつき軽減に優れ好ましい。また撚糸回数は500〜
1600回/mが布帛の消費性能としてのスナッグ予防
の面から好ましい。撚糸回数が1600回/mを超える
と、糸のトルクによりスナッグ傷となりやすい。 ・糸Bとしては、親水性繊維の長繊維や短繊維が用いら
れる。 ・編み組織が以下のいずれかである。
【0024】糸Aによりスムース組織を編成し、さら
に糸Aと同一給糸口において、糸Bを全給糸口、あるい
は一給糸口とばしにダイアル側にのみに給糸し天竺組織
を形成させたもの。 糸Aによりスムース組織を編成し、さらに糸Aと同一
給糸口において、糸Bを全給糸口、あるいは一給糸口と
ばしにシリンダー側にのみに給糸し天竺組織を形成させ
たもの。
【0025】糸Aによりスムース組織を編成し、さら
に糸Aと同一給糸口において、糸Bを全給糸口、あるい
は一給糸口とばしにダイアル側、シリンダー側それぞれ
別に給糸し、どちらも天竺組織を形成させたもの。 ・糸Aのニードルループと糸Bのニードルループの位置
関係が、糸Bのニードルループが糸Aのニードルループ
の内側にある三層構造をとっている。
【0026】この位置関係は編成張力調整によるプレー
ティング編みなどの手段により達成される。 ・糸Aは糸A1、糸A2と2種類あって良く、この場
合、疎水性繊維からなる糸A1、あるいは糸A2のトー
タルデニールの大きい方のと糸Bのトータルデニールの
合計が200d以下、好ましくは150d以下である。
糸A1、糸A2は撚糸回数500〜1600回/mが清
涼感のある肌触りを得るために好ましい。 ・糸Aが2種類ある場合の編み組織が以下のいずれかで
ある。
【0027】糸A1、糸A2により、A1、A2、A
1、A2の繰り返し配列、あるいはA1、A2、A2、
A1の繰り返し配列からなるスムース組織を編成し、さ
らにA1またはA2と同一給糸口において、糸Bを全給
糸口、あるいは一給糸口とばしにダイアル側にのみに給
糸し、天竺組織を形成させたもの。 糸A1、糸A2によりA1、A2、A1、A2の繰り
返し配列、あるいはA1、A2、A2、A1の繰り返し
配列からなるスムース組織を編成し、さらにA1または
A2と同一給糸口において、糸Bを全給糸口、あるいは
一給糸口とばしにシリンダー側にのみに給糸し、天竺組
織を形成させたもの。
【0028】糸A1、糸A2によりA1、A2、A
1、A2の繰り返し配列、あるいはA1、A2、A2、
A1の繰り返し配列からなるスムース組織を編成し、さ
らにA1またはA2と同一給糸口において、糸Bを全給
糸口、あるいは一給糸口とばしにダイアル側、シリンダ
ー側それぞれ別に給糸し、どちらも天竺組織を形成させ
たもの。 ・糸Aが2種類ある場合、糸A1あるいは糸A2のニー
ドルループと糸Bのニードルループの位置関係が、糸B
のニードルループが糸A1及び糸A2のニードルループ
の内側にある三層構造をとっている。
【0029】この位置関係は編成張力調整によるプレー
ティング編みなどの手段により達成される。 ・布帛の表面に疎水性繊維からなる高さ10μm〜0.
5mm、間隔50μm〜2mmの凸部を有するため、こ
の布帛を衣料として用いた場合、疎水性繊維が優先的に
肌に点接触し、汗ばむ状況での肌触りが良好であるとと
もに、汗が流れる状況で、凸部側から吸われた汗が凹部
の親水性繊維側に移行し、肌側に濡れ戻る割合が少な
く、肌のべたつき、布帛の肌への張り付きによる不快感
が少ない。
【0030】凹凸レベルとしては、編み組織によるもの
に加えて、糸Aの形状による微細な凹凸が衣料として着
用した場合の快適性を保持するために有効である。 ・後述する繊維充填率が12〜25%、親水性繊維の混
率が20%以上、通気抵抗が200Pa・s/m以下と
なり、放熱性、通気性、温度移行性がバランス良く良好
なものとなり、熱のこもり、ムレ感が軽減され着用時に
快適である。 4.疎水性繊維が50%以上含まれた糸Aと親水性繊維
からなる糸Bとポリウレタン弾性糸Cからなる天竺組織
で構成されるストレッチ性を有する編地。 ・糸Aに含まれる疎水性繊維は60〜100%であるこ
とが好ましい。
【0031】糸Aとしては、異形断面の疎水性繊維、酸
化チタン含有率の高い疎水性繊維、よびこれらの撚糸、
疎水性繊維と親水性繊維をインターレースや合撚等によ
り複合したものが汗ばむ状況での肌触り、および発汗時
のべたつき軽減に優れ好ましい。また撚糸回数は500
〜1600回/mが布帛の消費性能としてのスナッグ予
防の面から好ましい。撚糸回数が1600回/mを超え
ると、糸のトルクによりスナッグ傷となりやすい。
【0032】親水性繊維と疎水性繊維などを混繊した繊
維、及び混繊した後仮撚した繊維、及び仮撚後に混繊し
た繊維が肌へのべたつき感が少なく、乾燥時の放熱性が
高く、ウェット時の放熱性が低いために汗をかいた後の
不快な冷え感が少なく、不快な接触冷温感が軽減され、
より好ましい。また、親水性繊維の回りに疎水性繊維等
を巻き付けた複合繊維は、肌へのべたつきが軽減され、
肌触りもよく好ましい。 ・糸Bとしては、親水性繊維の長繊維や短繊維が用いら
れる。 ・糸Aのトータルデニールと糸Bのトータルデニールの
合計が300d以下、好ましくは250d以下である。 ・前述した糸A、Bの編込みループ長と沸水収縮率が下
記式を満足する。
【0033】糸Aの編込みループ長×(100−(糸A
の沸水収縮率(%))×0.01≧糸Bの編込みループ
長×(100−(糸Bの沸水収縮率(%))×0.01 ・糸Aと糸Cを引き揃えたものと、糸B単独を1コース
交互に編成した天竺組織である。かかる布帛は、布帛の
表面に疎水性繊維からなる高さ10μm〜0.5mm、
間隔50μm〜2mmの凸部を有するため、この布帛を
衣料として用いた場合、疎水性繊維を含む糸Aのシンカ
ーループが優先的に肌に点接触し、汗ばむ状況での肌触
りが良好であるとともに、汗が流れる状況で、凸部側か
ら吸われた汗が凹部の親水性繊維側に移行し、肌側に濡
れ戻る割合が少なく、肌のべたつき、布帛の肌への張り
付きによる不快感が少ない 。 ・繊維充填率が12〜25%、親水性繊維の混率が20
%以上、通気抵抗が200Pa・s/m以下となり、放
熱性、通気性、温度移行性がバランス良く良好なものと
なり、熱のこもり、ムレ感が軽減され着用時に快適であ
る。 ・かかる布帛を衣料として用いる場合には、シンカール
ープ面を肌面に用いる。 5.疎水性繊維からなる糸Aと親水性繊維からなる糸B
からなるリバーシブル構造の組織を有する編地。 ・糸Aのトータルデニールと糸Bのトータルデニールの
合計が200d以下、好ましくは150d以下である。 ・糸Aとしては、異形断面の疎水性繊維、酸化チタン含
有率の高い疎水性繊維、よびこれらの撚糸、疎水性繊維
と親水性繊維をインターレースや合撚等により複合した
ものが汗ばむ状況での肌触り、および発汗時のべたつき
軽減に優れ好ましい。また撚糸回数は500〜1600
回/mが布帛の消費性能としてのスナッグ予防の面から
好ましい。撚糸回数が1600回/mを超えると、糸の
トルクによりスナッグ傷となりやすい。 ・編み組織が以下のいずれかである。
【0034】一給糸毎に糸A、糸Bを配し、糸Aをダ
イアル側でタックとミスの交互選針かつシリンダー側で
全針ニット目とし、糸Bをダイアル側のみ全針ニット目
の天竺組織とすることでコース方向にシリンダー側のル
ープ間隔が交互に大小になっているもの。かかる布帛を
衣料として用いる場合には、シリンダー側で編成された
面を肌面に用いる。
【0035】一給糸毎に糸A、糸Bを配し、糸Aをシ
リンダー側でタックとミスの交互選針かつダイアル側で
全針ニット目とし、糸Bをシリンダー側のみ全針ニット
目の天竺組織とすることでコース方向にダイアル側のル
ープ間隔が交互に大小になっているもの。かかる布帛を
衣料として用いる場合には、ダイアル側で編成された面
を肌面に用いる。
【0036】これらの布帛は、布帛の表面に疎水性繊維
からなる高さ10μm〜1mm、間隔50μm〜2mm
の凸部を有するため、この布帛を衣料として用いた場
合、疎水性繊維が優先的に肌に点接触し、汗ばむ状況で
の肌触りが良好であるとともに、汗が流れる状況で、凸
部側から吸われた汗が凹部の親水性繊維側に移行し、肌
側に濡れ戻る割合が少なく、肌のべたつき、布帛の肌へ
の張り付きによる不快感が少ない。 ・繊維充填率が12〜25%、親水性繊維の混率が20
%以上、通気抵抗が200Pa・s/m以下となり、放
熱性、通気性、温度移行性がバランス良く良好なものと
なり、熱のこもり、ムレ感が軽減され着用時に快適であ
る。 6.片側の面に親水性繊維からなる凸部を有する凹凸布
帛。 ・凸部の高さが50μm〜1mm(好ましくは150μ
m〜1mm)、凸部の間隔が400μm〜4mm(好ま
しくは400μm〜2mm)である。 ・凹凸を含めた親水性繊維層が70μm以上(好ましく
は150μm以上)、繊維充填率が12〜25%が好ま
しい。 ・親水性繊維からなる凹凸は疎水性繊維からなる凹凸に
比べ、吸汗時に凹凸構成糸の硬度、ヤング率が減少する
ため、吸汗時にもさらっとした肌触りを維持するために
は、凸部の高さ、間隔において疎水性繊維を用いる場合
より大きくすることが必要である。
【0037】また、吸水量が親水性繊維の能力を越えた
場合にも、肌への汗の濡れ戻りがかなり予防できる。 ・かかる布帛は衣料として用いる場合には、親水性繊維
からなる凹凸面を肌面に用いる。親水性繊維からなる凹
凸面を肌面に用いた場合、単位面積当たりの親水性繊維
含有量が70g/m2以上であると日常生活レベルの発
汗量において汗 の肌への濡れ戻りをほぼ防止し、快適
性を保つことができ好ましい。 ・弾性繊維を含む場合、着用時に伸長することから、通
気抵抗は350Pa・s/m以下、弾性繊維を含まず親
水性繊維の含有率が20%を越える場合は200Pa・
s/m以下、弾性繊維を含まず親水性繊維の含有率が2
0%以下の場合は150Pa・s/m以下であると湿度
移行量を確保でき、好ましい。本発明の布帛は、衣料と
して用いた場合、人体側の熱を十分に外気に排出させる
上から、放熱量は10.8W/m2・℃以上であること
が好ましい。人体側の熱を十分に外気に排出させる上か
ら、湿度移行性は6.0%以上であることが好ましい。
いったん吸った汗が人体側に再移行し、清涼感が損なわ
れるのを防止する上から、輸水量は73%以下であるこ
とが好ましい。
【0038】本発明の布帛において、上述の範囲を満た
す布帛を構成する繊維は、特に限定されるものでなく、
疎水性繊維としてポリエステル繊維、ナイロン繊維、ア
クリル繊維、ビニリデン繊維などが挙げられ、親水性繊
維としてセルロース繊維、絹などが挙げられ、弾性繊維
としてポリエーテル系及びポリエステル系スパンデック
ス繊維などが挙げられる。
【0039】セルロース系繊維としては、麻、綿、キュ
プラ、ビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨン等の
再生セルロース繊維等が挙げられるが、特に好ましくは
キュプラ、ビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨン
であり、単糸デニールや繊維長(短繊維でも長繊維でも
よい)は特に限定されない。セルロース系繊維を20%
以上含むと好ましく、40〜80%の場合、より好まし
い。
【0040】また、セルロース繊維とポリエステル繊
維、ナイロン繊維などを混繊した繊維、及び混繊した後
に仮撚した繊維、及び仮撚後に混繊した繊維が、肌への
べたつき感が少なく、乾燥時の放熱性が高く、ウェット
時の放熱性が低いため、汗をかいた後の不快な冷え感が
少なく、不快な接触冷温感が軽減され好ましい。また、
セルロース繊維の回りにポリエステル繊維、ナイロン繊
維等を巻き付けた複合繊維は、肌へのべたつき感が軽減
され、肌触りも良く好ましい。
【0041】放熱量、湿度移行量、輸水量を制御するた
めには、例えばセルロース繊維の含有率を制御する方法
がある。本発明の布帛は、セルロース繊維を20%以上
含むことが好ましく、40〜80%がより好ましい。特
に、輸水量を制御するためには単位面積当たりのセルロ
ース繊維含有重量が10g/m2 以上であることが好ま
しい。
【0042】セルロース繊維の含有率と布帛物性、及び
清涼感との関係を示す一例として、図1〜3にトリコッ
ト組織による実験結果を示す。図1はセルロース混率と
輸水量の関係、図2はセルロース混率と放熱量の関係、
図3はセルロース混率と湿度移行量の関係である。放熱
性を高くするためには、布帛中のセルロース繊維、非セ
ルロース繊維共に短繊維比率が30%以下であることが
好ましい。
【0043】また、放熱量、湿度移行量、輸水量を制御
する他の方法として、布帛の密度を制御する方法があ
る。特に、布帛の面方向の密度を低くする方が放熱量と
湿度移行量が高くなる方向にあるが、面方向の密度が低
すぎると輸水量が多くなってしまう。また、厚み方向の
密度を高くする方が放熱量が高くなるが、輸水量も多く
なる。
【0044】また、セルロース繊維を含む布帛の場合、
放熱性を高くするためには、布帛中のセルロース繊維の
存在位置が布帛表面に偏在することが好ましい。特に、
布帛の人体側と逆側の片面にセルロース繊維が偏在する
と、放熱性、輸水性、肌触りのバランスからより好まし
い。本発明の布帛は、また、繊維充填率が12%以上、
25%以下であることが好ましい。繊維充填率とは、布
帛の外側を直線でつないだ形状が空間中に占める体積の
うち、繊維自体が占める体積をいい、次式より求める。 繊維充填率(%)=(M/L)÷(H1 ×K1 +H2 ×
2 +・・+Hn ×Kn)×100 LはKES圧縮試験機で測定した荷重6g/cm2 時の
厚み(cm) Mは単位面積当たりの重量(g/cm2 ) H1 、H2 、・・・Hn は含有繊維1、2、・・・nの
各々の比重 K1 、K2 、・・・Kn は布帛中の含有繊維1、2、・
・・nの各々の混率 輸水量は一義的にセルロース混率と布帛の厚みに左右さ
れるが、セルロースの混率が低い場合は、疎水性繊維と
して仮撚法などにより嵩高加工された糸を用いると、着
用中に布帛が加圧されたとき糸の捲縮効果により空間が
保たれ、水がしみだし難くなる 即ち、嵩高加工糸を用
いることにより、輸水量が大きくならないようにでき
る。
【0045】本発明の布帛は通気抵抗が350Pa・s
/m以下であることが好ましい。また、ポリウレタン繊
維を含有しない場合は200Pa・s/m以下であるこ
とが好ましい。ポリウレタン繊維を含有しないものであ
って、セルロース系フィラメント繊維の含有率が20%
以下であるものは150Pa・s/mであることが好ま
しい。
【0046】表面凹凸度及び表面摩擦係数の制御方法と
して、例えば布帛表面の形状、特に凹凸形状、凹凸の繊
維種、凹凸密度制御がある。布帛の表面には少なくとも
一方の面に凹凸があることが好ましい。凹凸は凹凸高さ
と分布の比で表現され、凹凸高さが低く、分布が密であ
れば、平滑に感じられ、さらっとした肌触りが得られな
い。凸部を構成する繊維は限定されないが、疎水性繊維
からなることが特に好ましい。凸部が疎水性繊維の場
合、凸部の高さ(布帛の断面を垂直に見た時に見える凸
部頂点から凹部底頂点までの高さ)が10μm〜1m
m、凸部間隔(隣接する2つの凸部の頂点間の距離)が
50μm〜2mmであることが好ましい。また、凸部が
親水性繊維からなる場合は、湿潤時に凸部のヤング率が
低下することから疎水性繊維による凸部より直径、高さ
とも大きい凸部が必要であり、凸部の高さは50μm〜
1mm、好ましくは150μm〜1mm、凸部間隔は4
00μm〜4mm、好ましくは400μm〜2mmであ
る。
【0047】本発明の布帛から衣服を構成する時には、
かかる凹凸面を人体側の面として用いることにより、布
帛が乾燥状態で清涼感のある肌ざわりが得られるととも
に、布帛が湿潤状態であっても布帛が肌に密着せず、汗
や水が肌側にぬれ戻りにくい。また、凹凸の表面積効果
により湿度移行性が向上する。凹凸構成の方法として
は、長さ方向の部位により太さが異なる糸を用いて凹凸
を構成する方法、撚糸による糸のねじれ及びうねりから
成る凹凸を用いる方法(特に凸部が疎水性繊維からなる
場合に適する)、編組織により凹凸を構成する方法(特
に凸部が親水性繊維からなる場合に適する)、粒状樹脂
を布帛にのせる方法等が挙げられる。複数の糸を用いて
交編する場合には、太さの異なる糸を用いて編組織上に
適切に配置することによっても凹凸が得られる。
【0048】本発明の布帛の組織は限定されないが、人
体側にくる面に疎水性繊維を薄く配置することが好まし
い。この人体側最外層の疎水性繊維層の厚さは30μm
以上が好ましく、布帛の厚みの2分の1以下であること
が特に好ましい。人体側面に用いる疎水性繊維の種類と
しては異形断面糸、例えばW型断面やL型断面や3角断
面ポリエステル繊維、3角断面や三つ葉型断面ナイロン
繊維や長さ方向に太さの異なる単糸を組み合わせてなる
繊維などを用いると毛細管現象により汗を速やかに吸い
上げるため特に好ましい。親水性繊維は人体側面の表層
より30μm以上内側にあることが好ましい。
【0049】本発明の布帛の用途は特に限定するもので
ないが、インナーウェアやポロシャツ、ブラウス、スラ
ックス、裏地などのように肌に直接触れる用途に特に適
するものである。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例で具体的に
説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものでは
ない。 測定方法 (1)測定方法 放熱量;カトーテック社製サーモラボIIを使用し、
20℃65%RH環境下で、熱板(熱板全体が12cm
角、その内、計測用熱板が10cm角で周囲に幅1cm
のガード熱板がある)に試料15cm角の裏側面(衣服
にするとき人体側になる面)を接触させるようにのせ、
さらに発砲スチロール枠(15cm角、中央に10cm
角の穴有り、厚み3mm)をのせ、上からドラフティン
グテープ(ニチバン社製)で固定し、風速0.2m/s
(風速目盛と風速の検量線校正表から風速0.2m/s
になるよう適正目盛り値を読みとり目盛りをその値に合
わせる)において熱板を30℃に保つときの必要熱量
(W/m2 ・℃)を測定した。
【0051】表面凹凸度;カトーテック社製KESを
使用し、試料20cm角の裏側面(衣服にするとき人体
側になる面)について、試料設定荷重を200gとし、
接触子は0.5φ×5mmの鋼性ワイヤーを用いて接触
荷重10gfとし、移動速度1mm/secにて試料の
縦方向、横方向それぞれの表面凹凸値(SMD)を計測
する。得られた表面凹凸値の内、縦方向の値と横方向の
値の大きい方を選択し、該当する測定チャート上から読
みとった測定距離2cm間の凸部数で除し、表面凹凸度
とする。
【0052】表面摩擦係数;カトーテック社製KES
を使用し、試料20cm角の試料の裏側面(衣服にする
とき人体側になる面)について、試料設定荷重を200
gとし、接触子は0.5φ×5mmの鋼性ワイヤーを5
×5mmに並べたものを用いて接触荷重50gf、移動
速度1mm/secにて縦方向、横方向それぞれの表面
摩擦係数(MIU)を計測し縦横の平均値を目的の表面
摩擦係数とする。
【0053】輸水量;ガラス板10cm角に7cm角
試料を裏側面(衣服にするとき人体側になる面)が上に
なるようにのせ、水0.8mlを約5mm上から静かに
滴下し、10分静置後、重量計測済みの10cm角濾
紙、10cm角ガラス板、荷重500gをのせ、10秒
静置後、濾紙の重量増加分を秤量する。濾紙の重量増加
分(g)/0.8(g)×100を目的の輸水量とす
る。
【0054】湿度移行度;22℃65%RH環境下に
おいて32.0℃の熱板(熱板全体が12cm角、その
内、計測用熱板が10cm角で周囲に幅1cmのガード
熱板32.2℃がある)にサランラップ(登録商標、旭
化成工業社製)を20cm角に正確にカットしたものを
熱板との間に空気が入らないように貼り、上にアクリル
樹脂枠(15cm角、中央に10cm角の穴有り、厚み
5mm、中央の穴にポリエステルモノフィラメント糸を
15mm間隔に縦横格子状に張ったもの)をのせ、さら
に上に試料15cm角の裏側面(衣服にするとき人体側
になる面)を熱板側に向けて設置し、さらに上にアクリ
ル樹脂枠(15cm角、中央に10cm角の穴有り、厚
み5mm)をのせ、先に敷いたサランラップの端をアク
リル枠の周囲に下から上へ折り返し20分間静置の後、
熱板を32.0℃に保つのに必要な熱量WI(W)を計
測する。次に32.0℃の熱板に(熱板全体が12cm
角、その内、計測用熱板が10cm角で周囲に幅1cm
のガード熱板32.2℃がある)にサランラップ20c
m角を熱板との間に空気が入らないように貼り、上から
9cm角の濾紙を熱板の中央にのせ、水2.5mlを濾
紙全体に含浸させる。アクリル樹脂枠(15cm角、中
央に10cm角の穴有り、厚み5mm、中央の穴にポリ
エステルモノフィラメント糸を15mm間隔に縦横格子
状に張ったもの)をのせ、上から試料15cm角の裏側
面(衣服にするとき人体 側になる面)を熱板側に向け
て設置し、さらに上にアクリル樹脂枠(15cm角、中
央に10cm角の穴有り、厚み5mm)をのせ、先に敷
いたサランラップの端をアクリル枠の周囲に下から上へ
折り返し20分間静置の後、熱板を32.0℃に保つの
に必要な熱量W2 (W)を計測する。
【0055】T={(W2 ーW1 )/6.08}×4
6.944ー1.022とし、Tを目的の湿度移行度と
する。
【0056】
【実施例1】32ゲージダブル丸編機を用いてポリエス
テルW型断面糸50d/30fを1000回/m撚糸し
た糸でスムース組織を編成する際に、同一給糸口におい
て別のガイドを設置してダイヤル側のみにキュプラ50
d/30fを給糸し、さらにポリエステル糸とキュプラ
糸をプレーティング編成することにより表面がポリエス
テルで内部がキュプラである3層構造丸編地を作成し
た。得られた編地を60℃10分の熱水リラックス処理
の後、180℃30秒のプレセットを行い、引き続き液
流染色機を用いてポリエステルを130℃にて分散染料
で、キュプラを70℃にて反応染料で通常の染色処方に
より1浴2段で染色した。吸水仕上げ剤を施した後、1
70℃30秒のファイナルセットを行った。得られた布
帛のセルロース混率は40%、通気抵抗は22.3P
a、SB値は1.31、SN値は2.53、表面凹凸度
0.477、表面摩擦係数0.299、繊維充填率は1
5%、放熱量11.5W/m2 ・℃、湿度移行量10.
2、輸水量は43.1%であった。
【0057】
【実施例2】ポリエステル30dとキュプラ40dをイ
ンターレースノズルを用いて芯がキュプラで鞘がポリエ
ステルの鞘芯構造となるようエアー混繊した後、仮撚加
工した嵩高加工糸(a)とキュプラ糸50d/30f
(b)を用いて、32Gダブル丸編機により第1、3給
糸口は糸(a)をダイヤル側でタックとミスの交互選
針、シリンダー側で全てニット組織、第2、4給糸口は
糸(b)をダイヤルのみで全てニット編成することでコ
ース方向にシリンダー側のループ間隔が交互に大小とな
ったリバーシブル編地を作成した。染色仕上げ加工は実
施例1と同様の方法で行った。得られた布帛のセルロー
ス混率は75%、通気抵抗は29.5KPa、SB値は
1.93、SN値は3.37、表面凹凸度0.817、
表面摩擦係数0.255、繊維充填率17%、放熱量1
1.7W/m2 ・℃、湿度移行度10.5、輸水量2
1.3%であった。
【0058】
【実施例3】32ゲージダブル丸編機を用いて、奇数番
号の給糸口にポリエステルW型断面糸75d/30fを
650回/m撚糸した糸を、偶数番号の給糸口にキュプ
ラ50dを給糸して、ポリエステル糸の編み込みループ
長が229mm/100ウェ−ル(沸水収縮率7%)、
キュプラ糸の編み込みループ長が219mm/100ウ
ェ−ル(沸水収縮率5%)でスムース編地を編成し、表
面にポリエステルW型断面糸が偏在した編地を作成し
た。染色仕上げ加工は実施例1と同様の方法で行った。
【0059】得られた布帛のセルロース混率は39%、
通気抵抗24.7KPa、SB値1.39、SN値1.
22、表面凹凸度0.478、表面摩擦係数0.22
4、繊維充填率16%、放熱量12.0W/m2 ・℃、
温度移行度9.9、輸水量46.3であった。
【0060】
【実施例4】28ゲージダブル丸編機を用いて、奇数番
号の給糸口にポリエステルW型断面糸50d/30fを
1200回/m撚糸した糸を、偶数番号の給糸口にキュ
プラ40dとポリエーテル系スパンデックス30dを引
き揃えて給糸して、ポリエステル糸の編み込みループ長
が257mm/100ウェ−ル(沸水収縮率7%)、キ
ュプラ糸の編み込みループ長が244mm/100ウェ
−ル(沸水収縮率5%)でスムース編地を編成し、ポリ
エステルW型断面糸が表面に偏在した編地を作成した。
染色仕上げ加工は実施例1と同様の方法で行った。
【0061】得られた布帛のセルロース混率は39%、
通気抵抗27.6KPa、SB値1.94、SN値2.
37、表面凹凸度0.915、表面摩擦係数0.34
8、繊維充填率15%、放熱量11.0W/m2 ・℃、
温度移行度9.6、輸水量48.1であった。
【0062】
【実施例5】32ゲージダブル丸編機を用いて、奇数番
号の給糸口にポリエステルW型断面糸50d/30fを
1200回/m撚糸した糸でスムース編地を編成する際
に、偶数番号の給糸口のみに更に別ガイドを設置して、
ダイヤル側のみにキュプラ40dを給糸し、更にポリエ
ステル糸とキュプラ糸をプレーティング編成することに
より、表裏面がポリエステルW型断面糸で内部がキュプ
ラ糸である3層構造編地を作成した。染色仕上げ加工は
実施例1と同様の方法で行った。
【0063】得られた布帛のセルロース混率は21%、
通気抵抗16.7KPa、SB値1.26、SN値1.
01、表面凹凸度0.654、表面摩擦係数0.20
0、繊維充填率17%、放熱量11.7W/m2 ・℃、
温度移行度10.2、輸水量58.0であった。
【0064】
【実施例6】28ゲージダブル丸編機を用いて、奇数番
号の給糸口にキュプラ75dを、偶数番号給糸口にポリ
エステル糸50d/36fとポリエーテル系スパンデッ
クス30dを引き揃えて給糸し、ポリエステル糸の編み
込みループ長が133mm/100ウェ−ル(沸水収縮
率2%)、キュプラ糸の編み込みループ長が134mm
/100ウェ−ル(沸水収縮率5%)で天竺組織を編成
し、シンカーループ面の表面にポリエステル糸が浮き出
た編地を作成した。染色仕上げ加工は実施例1と同様の
方法で行った。
【0065】得られた布帛のセルロース混率は54%、
通気抵抗16.3KPa、SB値1.23、SN値1.
61、表面凹凸度0.229、表面摩擦係数0.27
9、繊維充填率23%、放熱量12.0W/m2 ・℃、
温度移行度10.1、輸水量58.4であった。実施例
1〜6の布帛を定法により裁断縫製してキャミソールを
得た。
【0066】
【比較例1】従来品のナイロン30d/12fハーフト
リコット編地を準備した。この編地は通気抵抗36.3
KPa、SB値−1.49、SN値−1.42、表面凹
凸度0.05、表面摩擦係数0.211、繊維充填率2
6%、放熱量10.2W/m 2 ・℃、湿度移行度9.
4、輸水量83.2%であった。
【0067】
【比較例2】従来品の中で優れているといわれている吸
汗ポリエステル75d/36f撚糸スムース編地を準備
した。この編地は通気抵抗13.6KPa、SB値0.
13、SN値0.01、表面凹凸度0.403、表面摩
擦係数0.254、放熱量10.8W/m2 ・℃、湿度
移行度9.7、輸水量79.2%であった。
【0068】
【比較例3】従来品の綿糸60/−番フライス編地を準
備した。この編地は通気抵抗58.8KPa、SB値
0.20、SN値0.78、表面凹凸度0.759、表
面摩擦係数0.221、放熱量10.4W/m2 ・℃、
湿度移行度9.4、輸水量33%であった。
【0069】パネラー5人に実施例1〜6、比較例1、
2、3からなるキャミソールとその上に綿30%ポリエ
ステル70%のブラウスシャツと膝丈スパッツを着用さ
せ、1日1例ずつ31℃×50%RH環境下で座位安静
1Hr、歩行5min(400m)、座位安静30mi
n、踏み台昇降15min、座位安静15minの順に
行動させ清涼感について評定を求めたところ、実施例1
は、テスト開始から歩行後の座位安静までの状況で、さ
らっとした肌触りを感じ、涼しいと評価された。また、
踏み台昇降中から踏み台昇降後の座位安静までの汗が流
れる状況で、汗でべたつかない、肌にひっつかない、熱
がこもらず、テスト終了時には汗がひいた、総合的に涼
しいと評価された。
【0070】実施例2は、テスト開始から歩行後の座位
安静までの汗ばむ程度の状況で、さらっとした肌触りを
感じ、ムレないと評価された。踏み台昇降中から踏み台
昇降後の座位安静までの汗が流れる状況で、汗によるべ
たつきがない、総合的に涼しいと評価された。実施例3
はテスト開始から、歩行後の座位安静までの汗ばむ程度
の状況で、さらさらとした肌触りで心地よい、べたつか
ないと評価された。踏み台昇降中から踏み台昇降後の座
位安静までの汗が流れる状況で、熱がこもらない、暑さ
からの回復性が速い、汗のひきが速いと評価された。
【0071】実施例4は、テスト開始から、歩行後の座
位安静までの汗ばむ程度の状況で、やわらかい肌触りで
ありながら、さらっとした心地よさがあると評価され
た。踏み台昇降中から踏み台昇降後の座位安静までの汗
が流れる状況で、布帛が肌にひっつきにくく、快適であ
ると評価された。実施例5はテスト開始から、歩行後の
座位安静までの汗ばむ程度の状況で、さらっとした肌触
りとムレ感の少なさが評価された。踏み台昇降中から踏
み台昇降後の座位安静までの汗が流れる状況で、熱のこ
もりが少なく、汗によるべたつきも少ないと評価され
た。
【0072】実施例6はテスト開始から、歩行後の座位
安静までの汗ばむ程度の状況で、ムレ感が少ない、軽い
着心地でさわやかであると評価された。踏み台昇降中か
ら踏み台昇降後の座位安静までの汗が流れる状況で、ム
レ感が少ない、熱のこもりも少ないと評価された。比較
例1は、着用直後がらムレる、総合的に暑いと評価さ
れ、踏み台昇降中は汗で肌にはりつき不快であると評価
された。比較例2は着用直後はさらっとする、汗でべた
つかないがムレ間があると評価され、踏み台昇降中は急
に熱がこもって暑い、汗でべたつくと評価された。比較
例3は着用直後はやや暑いと評価され、踏み台昇降後に
汗で肌にはりつき不快である、生地が重い、総合的に暑
いと評価された。
【0073】
【発明の効果】本発明の布帛は、例えば、梅雨時、初
夏、初秋の暑い日に屋内で軽作業擦る場合や、盛夏であ
っても比較的涼しい環境下において軽作業する場合など
の汗ばむ状況、及び梅雨時、初夏、初秋の比較的暑い日
や盛夏において屋外を歩行したり、自転車で移動した
り、軽作業をしたりする場合などの汗が流れる状況にお
いて、汗によるべたつきが少なく、熱がこもりにくく、
ムレにくく、肌ざわりがさらっとして快適な布帛であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】セルロース繊維のトリコット編地における混率
と輸水量の関係を示す図。
【図2】セルロース繊維のトリコット編地における混率
と放熱量の関係を示す図。
【図3】セルロース繊維のトリコット編地における混率
と湿度移行性の関係を示す図。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SB値が(1)式、(2)式を満足し、
    かつSN値が(3)式、(4)式を満足し、かつSB×
    SNが(5)式を満足する布帛。 (1)式 【数1】 (2)式 【数2】 (3)式 【数3】 (4)式 【数4】 (5)式 【数5】
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