JPH0214032A

JPH0214032A - 保温性多層構造糸

Info

Publication number: JPH0214032A
Application number: JP15972388A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Yoshida; 弘志吉田
Original assignee: Toyobo Co Ltd
Current assignee: Toyobo Co Ltd
Priority date: 1988-06-28
Filing date: 1988-06-28
Publication date: 1990-01-18
Anticipated expiration: 2013-03-04
Also published as: JP2722498B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、中空構造の合成繊維ステープルと綿繊維とか
らなる保温性多層構造糸に関する。

（従来の技術）現在綿繊維は天然のクリンプと中空構造により、保温性
、吸湿性などにすぐれた性質を有するため、衣料用素材
として紡績糸の形態で非常に広範囲に使用されている。

また、綿繊維とポリエステルステープルを混紡して両者
の特徴を同時に出すために均一混紡した糸も衣料用素材
として広く製造され使用されている。

さらに、吸湿性を狙って芯部に、中空断面を有ししかも
微細孔の少なくとも一部が中空部に連通した多孔質中空
ポリエステルステープルを配置せしめ、鞘部に０．９　
ｄ以下の合成繊維ステープルを配置せしめた２層構造タ
イプの糸も提案されている（特公昭６２−６２１６５号
公報）。

（発明が解決しようとする課題）ところで、綿繊維１００％の紡績糸は、汗の吸湿性にす
ぐれているものの強力が低いために、スポーツウェアに
用いられるとじきに生地が破損するという問題が生じた
。

また、ポリエステル、綿混紡糸は、強力の而では向上す
るものの、綿繊維のもつ保温性、吸湿性にすぐれた性質
が損なわれるという問題が生じている。

さらにまた、前記の２層構造タイプの糸は、強力、汗の
吸発散については優れているが、ポリエステル繊維の複
合糸であるため体育館の床などで強い摩擦を受けると溶
融するという欠点がある。

本発明は、かかる従来の糸の欠点を解消し、スポーツウ
ェアなどの用途に用いても耐摩擦溶融性が高＜、シかも
バルキー性、保温性にすぐれた性質を生かした保温性多
、】構造糸を提供しようとするものである。

（課題を解決するための手段）本発明は、かかる課題を解決するために、次の手段をと
るものである。すなわち、本発明は、２種以上の繊維か
らなる多層構造糸であって、該多層構造糸の外層部には
綿繊維が主として存在し、該多層構造糸の内層部には横
断面が中空構造の合成繊維ステープルが主として存在し
、さらに該綿繊維の該多層構造糸において占める割合が
６０〜９０重量％で、該合成繊維ステープルの前記多層
が２．８〜４．５であることを特徴とする保温性多層構
造糸である。

以下に本発明の詳細な説明する。本発明において、保温
性多層構造糸の内層部に主として存在するのは、横断面
が中空構造の合成繊維ステープルである。ここに、中空
構造にするのは、バルキー性と保温性とを高めるためで
ある。中空構造の横断面フィラメントの集合体により空
気届を何重にも形成して保温性を高めるとともにバルキ
ー性を向上させるのである。中空構造をあられす目安と
して中空率を採用するが、本発明においては５〜５５％
の中空率が好ましい、５％未清の場合には、保温性、バ
ルキー性を高めることがやや困難であり、他方５５％を
こえると、フィラメントの側面方向からの力に耐えがた
くなり、かえって中空断面が押しつぶされ、そのためバ
ルキー性、保温性が低下する傾向があり好ましくない。

この点から中空率は１０〜４０％が好ましい。この範囲
のものは、ナチュラルクリンプが形成されやすく、バル
キー性、保温性を高める上で好ましい。中空率は、デジ
タル測微装置（番翁コーザク製）により中空の合成繊維
ステープルの横断面の外円と内円について、平均の半径
を夫々求め、この半径から夫々面積を求めて面積比（％
）で表わしたものをいう。

なお、中空の横断面について、内円と外円とが一義的に
きまらないときには、内接円と外接円とを求めて、その
半径から求める。そして、中空構造の合成繊維としては
、ポリエステル系繊維、ポリアミド繊維（ナイロン６、
ナイロン６６、ナイロン４６など）、ポリアクリル系繊
維などがあげられるが、そのうちでもポリエステル系繊
維が好ましい。また、その長さも、等長カットでも不等
長カットでも良く、３０〜５１１■が好ましく、さらに
は３５〜４７菖謁が好ましい。また、繊度は１．５〜４
ｄが好ましい。この中空構造の合成繊維ステープルは、
保温性多層構造糸の中において１０〜４０重量％、好ま
しくは１５〜３０重量％含まれる。これは、バルキー性
、保温性を高めるためと、外層部に主として存在する綿
繊維の強力を補完して前記多層構造糸としての強力を高
めるためである。１０重量％未満になると、バルキー性
、保温性も低下し、また糸としての強力低下につながる
ので好ましくない。他方、４０ｆｆｉ量％をこえると吸
湿性がそこなわれ、また摩擦溶融にも耐えがたくなるの
で好ましくない。

他方、前記多層構造糸の外層部に主として存在する綿繊
維は、該多層構造糸の中において６０〜９０重量％、好
ましくは７０〜８５重量％存在する。６０重量％未満に
なると綿繊維の特徴を出すとともに被覆効果を出すこと
が難しくなり、また、耐摩擦溶融性も低くなり、他方９
０重量％をこえるとバルキー性、保温性も共に低下して
好ましくない。

前記多層構造糸にかけられる撚係数は２．８〜４．５さ
らには３．０〜４．０かが好ましい。これは２．８未填
であると繊維の収束性が悪（、又、る。なお、撚係数を
に１撚数（Ｔ／Ｉｎ）をＴ、Ｅ式綿番手をＮｅとすると
、Ｔ＝に１）の関係ツある撚係数（インチ方式）を採用
する。

前記多Ｈ構造糸の太さには特に限定はないもとの、１０
〜６０′ｓが保温性、吸湿性を向上させる−で好ましい
。

なお、かかる保温性多層構造糸を製造するには、線条機
又は粗紡機で多層構造スライバー又ζ；多層構造粗糸を
製造し、ついで精紡機で多層構ｊ糸とする方法によって
行なわれる。

（実施例）実施例　１゜以下実施例により、本発明を具体的に説明する。

綿繊維（サヤ）と、繊度が２．Ｏｄであり、平均繊維長
が３８−１であり、中空率２３％の中空４リエステルス
テーブル（芯）とを用意し、別々に通常の紡績方法で、
スライバーとし混合重量比、綿繊維８０重量％、中空ポ
リエステルステープル２０重位％で粗紡機で２層構造粗
糸とし精紡機に曙　　て３０　’ｓ／　１の２届構造糸
を製造した。

）ｉ　　比較例１として綿繊維（サヤ）８０重量％、通
常の（中空）ポリエステルステーブル（芯）２０ｆｆｉ
ｆｆｉ％）　　で粗紡機で２居構造粗糸を製造し精紡機
で３０′ｓヒ　　／１の２層構造糸を製造した。

比較例２として実施例１と同様な原料を用い、同じ混率
で線条機で均一混紡して３０　’ｓ／　１の均−ｔ　　
混紡糸を製造した。さらに、比較例３として、芯ソ　　
として実施例と同様な原料を用い、サヤとして０．７ｄ
、平均繊維長３８　ｍ＋＋のポリエステルステーブルを
用いて同様にして２層構造糸を製造した。

次いで、夫々の２層構造糸、混紡糸を３０′×２２ゲー
ジの編機で１００ウエール／３０．６コースの密度で編
立て、保温性、接触温冷感、バルキー性、摩擦溶融性を
測定した。測定結果を第１表に示す。

保温率は２１℃、５０％ＲＨ，気流１０　ｃｍ　／　ｓ
ｅｅの室で安静に座っている人が快適と感じるときの衣
服の保温力で定義する。そして保温率の測定は恒温式保
温性試験機（大栄精器製、タイプＡＳＴＭ）により、試
験片を３６℃に設定した恒温発熱体に取付け、３６℃に
保つために使われた消費電力量を求め、これと試料のな
い裸状のままで同様に消費電力量を求め次の式により保
温率（％）を算出する。

ａ：発熱体の裸状における放熱ｍ（ｃａ　Ｉ／ｃＪ／５
）ｂ＝発熱体に試料を取付けたときの放熱ｆｆ１（〃　
）また接触温冷感とは皮膚が布に触れた瞬間に感しる温
感のことで、接触温冷感測定器サーモラボ（加藤鉄工所
製）で人体の皮膚温に相当する一定熱ｆｆ１（温度）を
与えた熱源板を試料に接触させたときの熱源板の温度低
下度から試料への熱吸収（流）速度を計算し、３回の平
均値であらゎす。

最大熱流速度（ｃａｔ／ｃＪ　／５ｅｃ）が小さいもの
ほど「温い」ことをあられす。

また、バルキー簀は圧縮弾性試験機（前用ＭＦＧ製）４
ｃＪの編地に１　ｇ／ｃＪの加重を加えたのち、厚みを
測定し、その値を目付で除した数値で数値が大きいほど
バルキー性があることを表わす。

さらに、摩擦溶融性は、夫々の編地を用いてスポーツウ
ェアを作成し、４人に交替で夫々のスポーツウェアを着
用してもらい、木の床面にひざで２０回スライディング
を行ってもらい、その結果から判定した。

第１表実施例１の場合はバルキー性にすぐれ、保温率、接触温
冷感も良好で秋冬物スポー・ンウエア素材に好適であっ
た。また、摩擦溶融にも強かった。

比較例１は通常のポリエステルステープルを使用してい
るためバルキー性、保温率とも劣り又着用時に冷い感じ
を与えるものであった。摩擦溶融性は、サヤが綿繊維の
ため強かった。

比較例２は中空エステルステープルを均一混紡したため
中空エステルステープルが糸断面内に分散してバルキー
性、保温率とも複合糸に劣るものきなった。また、摩擦
溶融性は、均一混紡糸のためスライディングテストで溶
融した。

比較例３は、サヤにポリエステルステープルを使用して
いるため、保温率、接触温冷感とも劣り、また摩擦溶融
性もスライディングテストの結果溶融してやぶれるとい
うものであった。

（発明の効果）このように本発明の多層構造糸は、中空ポリエステルの
特徴を活かした素材で、織物にしたときにバルキー１生
、保ｍ率にすぐれており、かつ着用時に温い感じを与え
しかも耐摩擦溶融性にすぐれたものであった。

特許出願人　　東洋紡績株式会社

Claims

【特許請求の範囲】

１、２種類以上の繊維からなる多層構造糸であって、該
多層構造糸の外層部には綿繊維が主として存在し、該多
層構造糸の内層部には横断面が中空構造の合成繊維ステ
ープルが主として存在し、さらに該綿繊維の該多層構造
糸において占める割合が６０〜９０重量％で、該合成繊
維ステープルの前記多層構造糸において占める割合が１
０〜４０重量％であり、かつ前記多層構造糸の撚係数（
インチ方式）が２．８〜４．５であることを特徴とする
保温性多層構造糸。