JPH0116935B2 - - Google Patents
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- JPH0116935B2 JPH0116935B2 JP59069852A JP6985284A JPH0116935B2 JP H0116935 B2 JPH0116935 B2 JP H0116935B2 JP 59069852 A JP59069852 A JP 59069852A JP 6985284 A JP6985284 A JP 6985284A JP H0116935 B2 JPH0116935 B2 JP H0116935B2
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- Japan
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Landscapes
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Description
<産業上の利用分野>
本発明は、汗に対する着心地の良い衣服用素
材、特にスポーツ衣服用素材として着心地、耐久
性にすぐれ外観が良好な複合多層構造糸に関す
る。 <従来技術との関係> 従来、スポーツ衣服用素材としては天然繊維
100%の糸、天然繊維とポリエステル繊維との混
紡糸、ポリエステル繊維100%の紡績糸が多く用
いられてきた。 ところで、スポーツ衣服用素材として要求され
る特性は種々あるが、それらの特性のうち、耐洗
たく性、摩耗強度、保温性、伸縮性などの要求さ
れる特性は競技によつてそれぞれ異なるが、汗
(不感蒸泄、並びに運動時及び暑熱環境時の発汗
を含む。以外、同じ意味で使用する。)に対する
快適性は共通して要求される特性値である。汗に
対する快適性は、衣服のむれ感、べとつき感など
によつて決定され、それらは衣服設計上重要な要
素であり、しかも、衣服を構成する布帛の性質に
よつても大きく左右される。しかしながら、現状
においては汗に対する着心地の観点から使用素材
が決定されるのではなく、風合、発色性などの外
観や、摩耗などの耐久性の点から決定されてい
る。 従来から用いられている上記のスポーツ衣服用
素材も例外でなく、例えば、従来から一般に用い
られている綿/ポリエステル混紡糸のポリエステ
ル繊維の単糸デニールは1.2〜2.5デニールという
ような太繊度のものが用いられている。 このため、繊維相互間の毛細管現象が顕著に発
揮できず、汗を吸わず着心地の悪さを助長し、ひ
いては健康上、弊害をもたらした。また、天然繊
維または疎水性繊維100%使いよりなる糸の場合、
前者の場合は吸水、吸湿する作用はあるが、放湿
する働きがなく、また、後者の場合、吸水、吸湿
する作用がなく、いずれもスポーツ用素材として
汗に対する快適性に欠けていた。 さらにまた、従来からのスポーツ衣服用素材と
してはすでに述べたように天然繊維100%の糸、
天然繊維とポリエステル繊維との混紡糸、ポリエ
ステル繊維100%の紡績糸などが多く用いられて
きたわけであるが、これらの糸は、どうしても均
斉度に欠けしかも強力にも欠けるものであつて、
スポーツ衣服用素材としては着心地の点および摩
耗強度および外観などにおいて不満足なものであ
つた。 <発明の目的> 本発明は、快適な着心地の良い衣服にするため
には、布帛の構造以外に糸そのものの構造が大き
く影響するところがあるという知見にもとづいて
構成されたもので、着心地の良い衣服用素材、特
にスポーツ衣服用素材として着心地、耐久性及び
外観においてすぐれた複合多層構造糸を提供する
ことを目的とするものである。 <発明の構成> 本発明は、かかる目的を達成するために、次の
ような構成をとるものである。すなわち、本発明
は、繊度が1.0デニール以下である疎水性繊維の
ステープル繊維が最内層に配置され、親水性繊維
のステープル繊維が最外層に配置され、前記最内
層と前記最外層との間に疎水性繊維のステープル
繊維と親水性繊維のステープル繊維とを含む中間
層が配置され、さらにフイラメントが前記最内
層、中間層、最外層の少なくともいずれかに分散
して混合し、糸が形成されていることを特徴とす
る複合多層構造糸である。 以下に本発明を詳細に説明する。本発明におい
て、まず最内層に配置されているステープル繊維
は繊度が1.0デニール以下好ましくは0.8デニール
以下さらに好ましくは0.1〜0.8デニールの疎水性
繊維でなければならない。これは、最内層の細デ
ニール疎水性繊維の毛細管現象を利用して液相の
汗を肌側最外層、中間層をへて最内層に移行さ
せ、液相の汗自身の熱を奪い気化するためであ
る。毛細管現象を効果的に発生させるためには繊
度を1.0デニール以下とする必要がある。1.0デニ
ールを越えると汗の移行が起こりにくくなる。ま
た、疎水性繊維とするのは繊維自身が汗を保持し
ないが繊維間隔に汗を保持させ汗自身の熱を奪い
気化するためである。ここで疎水性繊維とは、65
%RH、20℃における公定水分率(JIS L−
1096)が5%未満の繊維であり、かつ後述の親水
性繊維に対して公定水分率で1%以上の差を有す
るものをいう。例えば、ポリエステル繊維、アク
リル繊維、ポリアミド繊維、塩化ビニール系繊維
などが含まれる。また、ステープル繊維に限定し
たのは毛細管現象をより多く発生させるためであ
る。かかる観点からステープル繊維の平均繊維長
は20〜60mmの範囲にあるのが好ましく、またその
形態もバリカツトよりも等長カツトの方が好まし
い。またさらに、疎水性繊維のステープル繊維の
占める割合は5〜20重量%が好ましい。毛細管現
象をスムーズに発生させるためである。5重量%
未満になると毛細管現象が起こりにくくなり、20
重量%をこえると汗をすばやく吸いにくくなる。 次に、最外層に配置されるステープル繊維は親
水性繊維でなければならない。けだし、肌側の親
水性繊維で人体より出た汗(気相、液相とも)を
すばやく多量に吸わせるためである。ここに親水
性繊維とは、65%RH、20℃における公定水分率
(JIS L−1096)が5%以上の繊維であり、例え
ば、綿、麻、羊毛などの天然繊維、ビスコース・
レーヨン、ポリノジツクなどの再生繊維などであ
る。親水性繊維の繊度は細ければ細いほど好まし
いが、1.0〜2.0デニールのものが好ましく、より
好ましくは1.01〜1.5デニールである。最外層の
親水性繊維がステープル繊維と限定されたのは、
適度の毛羽をそなえさせて肌ざわりを良くするた
めである。ここで、親水性繊維のステープル繊維
の占める割合は50〜80重量%が好ましい。50重量
%未満になると汗を多量に吸いにくくなり、他方
80重量%をこえると、毛細管現象を効果的に発生
させることが困難となる。さらに、最内層と最外
層との間の中間層には親水性繊維のステープル繊
維と疎水性繊維のステープル繊維が含まれる。該
中間層はクツシヨンの役目を果たすもので、液
相、気相の汗の移行を促進するものである。ここ
で、疎水性繊維、親水性繊維はすでに述べた最内
層、最外層のそれらと同一のものである。 最後に本発明において重要なことは、フイラメ
ントが前記最内層、中間層、最外層の少なくとも
いずれかに分散して混合していることである。フ
イラメントが分散して混合していることによつて
本発明の複合多層構造糸の強力と均斉度は向上さ
れるからである。もつとも、ここでいう分散とは
マルチフイラメント糸が電気、空気などにより開
繊されてステープル繊維群と重ね合わされたとき
のフイラメントの状態をいう。そして、このフイ
ラメントは、好ましくは疎水性繊維である。毛細
管現象をより効果的に発生さすためである。該疎
水性繊維の素材はすでに述べたものと同じ意味で
ある。前記フイラメントの割合は15〜30重量%が
好ましい。15重量%未満になると強力、均斉度が
低下し、30重量%をこえると複合多層構造糸全体
としてのバランスがくずれて好ましくない。 さて、本発明の複合多層構造糸における汗の
吸・発散のメカニズムを簡単に述べると、肌側最
外層の親水性繊維が人体から出た汗(気相、液相
とも)をすばやく多量に吸い、最内層の細デニー
ル疎水性繊維の毛細管現象で液相の汗が中間層を
へて最内層へ移行し、最内層の液相の汗は、汗自
身の熱を奪い気化し、気相になつたものから肌側
と外気側の水蒸気圧差のため、順次中間層をへ
て、外気側最外層の疎水性繊維に吸いとられ、つ
いで気相の汗は肌側と外気側の水蒸気圧差のた
め、最外層の親水性繊維を通つて、外気側最外層
へ移行し、さらに外気側最外層の親水性繊維から
気相の汗をすばやく発散するわけである。 ところで、本発明の複合多層構造糸の製造法に
ついて簡単に述べる。まず、疎水性繊維のステー
プル繊維のスライバーと親水性繊維のステープル
繊維のスライバーとを別々に用意し、ついで粗紡
機で疎水性繊維のスライバーを親水性繊維のスラ
イバーの中央に位置するように重ねて供給して粗
糸を製造する。その後、この粗糸を用いて精紡機
で紡績糸を紡出する際にマルチフイラメント糸を
電気的方法などで開繊しつつ精紡機のフロントロ
ーラの直前の上流に供給して紡出することにより
前記複合多層構造糸が得られる。 <発明の効果> このように本発明によると、着心地、耐久性に
すぐれ、外観良好な衣服特にスポーツ衣服につな
がる好適な複合多層構造糸が得られ、この複合多
層構造糸を布帛構造で快適なスポーツ衣服が得ら
れにくい薄地ニツトに用いても良好な衣服内気候
が得られるという顕著な効果が奏される。 実施例 0.7デニール×38m/m(等長)のポリエステ
ル繊維のスライバー、綿繊維のスライバーを製造
し、両方のスライバーを粗紡機に仕掛けた。この
際、ミドルローラとバツクローラとの間からポリ
エステル繊維のスライバーを、バツクローラから
供給されてくる綿繊維スライバーの中央に供給し
て最内層にポリエステル繊維のステープル繊維、
最外層に綿繊維を配置させて粗糸をつくり、つい
で精紡機に仕掛けた。この際、ポリエステルマル
チフイラメント糸(30デニール/18フイラメン
ト)を電気開繊しつつフロントローラの上流直前
に供給して40′Sの複合多層構造糸を製造した。こ
の複合多層構造糸における疎水性繊維のステープ
ル繊維、親水性繊維のステープル繊維、フイラメ
ントの重量%比は、10:67:23であつた。なお、
比較のために1.4デニール×38mm(等長)のポリ
エステル繊維のステープル繊維と綿繊維とを用い
て重量%比で33:67の40′Sの混紡糸を製造し、両
者の性能を調査してその結果を第1表にあらわし
た。
材、特にスポーツ衣服用素材として着心地、耐久
性にすぐれ外観が良好な複合多層構造糸に関す
る。 <従来技術との関係> 従来、スポーツ衣服用素材としては天然繊維
100%の糸、天然繊維とポリエステル繊維との混
紡糸、ポリエステル繊維100%の紡績糸が多く用
いられてきた。 ところで、スポーツ衣服用素材として要求され
る特性は種々あるが、それらの特性のうち、耐洗
たく性、摩耗強度、保温性、伸縮性などの要求さ
れる特性は競技によつてそれぞれ異なるが、汗
(不感蒸泄、並びに運動時及び暑熱環境時の発汗
を含む。以外、同じ意味で使用する。)に対する
快適性は共通して要求される特性値である。汗に
対する快適性は、衣服のむれ感、べとつき感など
によつて決定され、それらは衣服設計上重要な要
素であり、しかも、衣服を構成する布帛の性質に
よつても大きく左右される。しかしながら、現状
においては汗に対する着心地の観点から使用素材
が決定されるのではなく、風合、発色性などの外
観や、摩耗などの耐久性の点から決定されてい
る。 従来から用いられている上記のスポーツ衣服用
素材も例外でなく、例えば、従来から一般に用い
られている綿/ポリエステル混紡糸のポリエステ
ル繊維の単糸デニールは1.2〜2.5デニールという
ような太繊度のものが用いられている。 このため、繊維相互間の毛細管現象が顕著に発
揮できず、汗を吸わず着心地の悪さを助長し、ひ
いては健康上、弊害をもたらした。また、天然繊
維または疎水性繊維100%使いよりなる糸の場合、
前者の場合は吸水、吸湿する作用はあるが、放湿
する働きがなく、また、後者の場合、吸水、吸湿
する作用がなく、いずれもスポーツ用素材として
汗に対する快適性に欠けていた。 さらにまた、従来からのスポーツ衣服用素材と
してはすでに述べたように天然繊維100%の糸、
天然繊維とポリエステル繊維との混紡糸、ポリエ
ステル繊維100%の紡績糸などが多く用いられて
きたわけであるが、これらの糸は、どうしても均
斉度に欠けしかも強力にも欠けるものであつて、
スポーツ衣服用素材としては着心地の点および摩
耗強度および外観などにおいて不満足なものであ
つた。 <発明の目的> 本発明は、快適な着心地の良い衣服にするため
には、布帛の構造以外に糸そのものの構造が大き
く影響するところがあるという知見にもとづいて
構成されたもので、着心地の良い衣服用素材、特
にスポーツ衣服用素材として着心地、耐久性及び
外観においてすぐれた複合多層構造糸を提供する
ことを目的とするものである。 <発明の構成> 本発明は、かかる目的を達成するために、次の
ような構成をとるものである。すなわち、本発明
は、繊度が1.0デニール以下である疎水性繊維の
ステープル繊維が最内層に配置され、親水性繊維
のステープル繊維が最外層に配置され、前記最内
層と前記最外層との間に疎水性繊維のステープル
繊維と親水性繊維のステープル繊維とを含む中間
層が配置され、さらにフイラメントが前記最内
層、中間層、最外層の少なくともいずれかに分散
して混合し、糸が形成されていることを特徴とす
る複合多層構造糸である。 以下に本発明を詳細に説明する。本発明におい
て、まず最内層に配置されているステープル繊維
は繊度が1.0デニール以下好ましくは0.8デニール
以下さらに好ましくは0.1〜0.8デニールの疎水性
繊維でなければならない。これは、最内層の細デ
ニール疎水性繊維の毛細管現象を利用して液相の
汗を肌側最外層、中間層をへて最内層に移行さ
せ、液相の汗自身の熱を奪い気化するためであ
る。毛細管現象を効果的に発生させるためには繊
度を1.0デニール以下とする必要がある。1.0デニ
ールを越えると汗の移行が起こりにくくなる。ま
た、疎水性繊維とするのは繊維自身が汗を保持し
ないが繊維間隔に汗を保持させ汗自身の熱を奪い
気化するためである。ここで疎水性繊維とは、65
%RH、20℃における公定水分率(JIS L−
1096)が5%未満の繊維であり、かつ後述の親水
性繊維に対して公定水分率で1%以上の差を有す
るものをいう。例えば、ポリエステル繊維、アク
リル繊維、ポリアミド繊維、塩化ビニール系繊維
などが含まれる。また、ステープル繊維に限定し
たのは毛細管現象をより多く発生させるためであ
る。かかる観点からステープル繊維の平均繊維長
は20〜60mmの範囲にあるのが好ましく、またその
形態もバリカツトよりも等長カツトの方が好まし
い。またさらに、疎水性繊維のステープル繊維の
占める割合は5〜20重量%が好ましい。毛細管現
象をスムーズに発生させるためである。5重量%
未満になると毛細管現象が起こりにくくなり、20
重量%をこえると汗をすばやく吸いにくくなる。 次に、最外層に配置されるステープル繊維は親
水性繊維でなければならない。けだし、肌側の親
水性繊維で人体より出た汗(気相、液相とも)を
すばやく多量に吸わせるためである。ここに親水
性繊維とは、65%RH、20℃における公定水分率
(JIS L−1096)が5%以上の繊維であり、例え
ば、綿、麻、羊毛などの天然繊維、ビスコース・
レーヨン、ポリノジツクなどの再生繊維などであ
る。親水性繊維の繊度は細ければ細いほど好まし
いが、1.0〜2.0デニールのものが好ましく、より
好ましくは1.01〜1.5デニールである。最外層の
親水性繊維がステープル繊維と限定されたのは、
適度の毛羽をそなえさせて肌ざわりを良くするた
めである。ここで、親水性繊維のステープル繊維
の占める割合は50〜80重量%が好ましい。50重量
%未満になると汗を多量に吸いにくくなり、他方
80重量%をこえると、毛細管現象を効果的に発生
させることが困難となる。さらに、最内層と最外
層との間の中間層には親水性繊維のステープル繊
維と疎水性繊維のステープル繊維が含まれる。該
中間層はクツシヨンの役目を果たすもので、液
相、気相の汗の移行を促進するものである。ここ
で、疎水性繊維、親水性繊維はすでに述べた最内
層、最外層のそれらと同一のものである。 最後に本発明において重要なことは、フイラメ
ントが前記最内層、中間層、最外層の少なくとも
いずれかに分散して混合していることである。フ
イラメントが分散して混合していることによつて
本発明の複合多層構造糸の強力と均斉度は向上さ
れるからである。もつとも、ここでいう分散とは
マルチフイラメント糸が電気、空気などにより開
繊されてステープル繊維群と重ね合わされたとき
のフイラメントの状態をいう。そして、このフイ
ラメントは、好ましくは疎水性繊維である。毛細
管現象をより効果的に発生さすためである。該疎
水性繊維の素材はすでに述べたものと同じ意味で
ある。前記フイラメントの割合は15〜30重量%が
好ましい。15重量%未満になると強力、均斉度が
低下し、30重量%をこえると複合多層構造糸全体
としてのバランスがくずれて好ましくない。 さて、本発明の複合多層構造糸における汗の
吸・発散のメカニズムを簡単に述べると、肌側最
外層の親水性繊維が人体から出た汗(気相、液相
とも)をすばやく多量に吸い、最内層の細デニー
ル疎水性繊維の毛細管現象で液相の汗が中間層を
へて最内層へ移行し、最内層の液相の汗は、汗自
身の熱を奪い気化し、気相になつたものから肌側
と外気側の水蒸気圧差のため、順次中間層をへ
て、外気側最外層の疎水性繊維に吸いとられ、つ
いで気相の汗は肌側と外気側の水蒸気圧差のた
め、最外層の親水性繊維を通つて、外気側最外層
へ移行し、さらに外気側最外層の親水性繊維から
気相の汗をすばやく発散するわけである。 ところで、本発明の複合多層構造糸の製造法に
ついて簡単に述べる。まず、疎水性繊維のステー
プル繊維のスライバーと親水性繊維のステープル
繊維のスライバーとを別々に用意し、ついで粗紡
機で疎水性繊維のスライバーを親水性繊維のスラ
イバーの中央に位置するように重ねて供給して粗
糸を製造する。その後、この粗糸を用いて精紡機
で紡績糸を紡出する際にマルチフイラメント糸を
電気的方法などで開繊しつつ精紡機のフロントロ
ーラの直前の上流に供給して紡出することにより
前記複合多層構造糸が得られる。 <発明の効果> このように本発明によると、着心地、耐久性に
すぐれ、外観良好な衣服特にスポーツ衣服につな
がる好適な複合多層構造糸が得られ、この複合多
層構造糸を布帛構造で快適なスポーツ衣服が得ら
れにくい薄地ニツトに用いても良好な衣服内気候
が得られるという顕著な効果が奏される。 実施例 0.7デニール×38m/m(等長)のポリエステ
ル繊維のスライバー、綿繊維のスライバーを製造
し、両方のスライバーを粗紡機に仕掛けた。この
際、ミドルローラとバツクローラとの間からポリ
エステル繊維のスライバーを、バツクローラから
供給されてくる綿繊維スライバーの中央に供給し
て最内層にポリエステル繊維のステープル繊維、
最外層に綿繊維を配置させて粗糸をつくり、つい
で精紡機に仕掛けた。この際、ポリエステルマル
チフイラメント糸(30デニール/18フイラメン
ト)を電気開繊しつつフロントローラの上流直前
に供給して40′Sの複合多層構造糸を製造した。こ
の複合多層構造糸における疎水性繊維のステープ
ル繊維、親水性繊維のステープル繊維、フイラメ
ントの重量%比は、10:67:23であつた。なお、
比較のために1.4デニール×38mm(等長)のポリ
エステル繊維のステープル繊維と綿繊維とを用い
て重量%比で33:67の40′Sの混紡糸を製造し、両
者の性能を調査してその結果を第1表にあらわし
た。
【表】
第1表から明らかなように本発明の複合多層構
造糸は、均斉度、強力の点で比較例のものに比し
てはるかにすぐれていた。ついで、これらの糸を
用いて30インチ26ゲージの編機を用いてスムース
を編成した。該編地の目付は170g/m2であつた。
両方の編地を衣服内気候シミユレーシヨン装置
(特願昭56−119586参照)を用いて評価した。衣
服内気候シミユレーシヨン装置の環境条件を20
℃、65%RH、模擬皮膚温度最高衣服内湿度およ
び平衡衣服内湿度の結果を第2表に示す。
造糸は、均斉度、強力の点で比較例のものに比し
てはるかにすぐれていた。ついで、これらの糸を
用いて30インチ26ゲージの編機を用いてスムース
を編成した。該編地の目付は170g/m2であつた。
両方の編地を衣服内気候シミユレーシヨン装置
(特願昭56−119586参照)を用いて評価した。衣
服内気候シミユレーシヨン装置の環境条件を20
℃、65%RH、模擬皮膚温度最高衣服内湿度およ
び平衡衣服内湿度の結果を第2表に示す。
【表】
第2表からわかるように、本発明による実施例
は快適な衣服内湿度(50±10%RH)を保持する
が比較例はその範囲を外れるものであつた。
は快適な衣服内湿度(50±10%RH)を保持する
が比較例はその範囲を外れるものであつた。
Claims (1)
- 1 繊度が1.0デニール以下である疎水性繊維の
ステープル繊維が最内層に配置され、親水性繊維
のステープル繊維が最外層に配置され、前記最内
層と前記最外層との間に疎水性繊維のステープル
繊維と親水性繊維のステープル繊維とを含む中間
層が配置され、さらにフイラメントが前記最内
層、中間層、最外層の少なくともいずれかに分散
して混合し、糸が形成されていることを特徴とす
る複合多層構造糸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6985284A JPS60215831A (ja) | 1984-04-06 | 1984-04-06 | 複合多層構造糸 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6985284A JPS60215831A (ja) | 1984-04-06 | 1984-04-06 | 複合多層構造糸 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5172036A Division JPH07122191B2 (ja) | 1993-06-21 | 1993-06-21 | 複合多層構造糸の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60215831A JPS60215831A (ja) | 1985-10-29 |
JPH0116935B2 true JPH0116935B2 (ja) | 1989-03-28 |
Family
ID=13414752
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6985284A Granted JPS60215831A (ja) | 1984-04-06 | 1984-04-06 | 複合多層構造糸 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60215831A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS62199837A (ja) * | 1986-02-20 | 1987-09-03 | 東洋紡績株式会社 | 布帛地 |
JPS63227825A (ja) * | 1987-03-11 | 1988-09-22 | 東洋紡績株式会社 | ポリエステル麻混紡複合糸及びその製造法 |
JP2015045111A (ja) * | 2013-08-29 | 2015-03-12 | ユニチカトレーディング株式会社 | 吸水速乾性編地 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58169534A (ja) * | 1982-03-25 | 1983-10-06 | 東レ株式会社 | 多層構造複合リング紡績糸およびその製造方法 |
JPS5943135A (ja) * | 1982-09-03 | 1984-03-10 | 東洋紡績株式会社 | 複合紡績糸 |
-
1984
- 1984-04-06 JP JP6985284A patent/JPS60215831A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58169534A (ja) * | 1982-03-25 | 1983-10-06 | 東レ株式会社 | 多層構造複合リング紡績糸およびその製造方法 |
JPS5943135A (ja) * | 1982-09-03 | 1984-03-10 | 東洋紡績株式会社 | 複合紡績糸 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60215831A (ja) | 1985-10-29 |
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