JP2004339650A - 紡績糸および編織物 - Google Patents

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雅文 木藤
Goji Shimada
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Abstract

【課題】本発明は、吸湿性、接触温冷感、抗ピル性、張りおよび腰などの特性に優れたセルロース系繊維からなる紡績糸およびそれからなる織編物を提供する。
【解決手段】単繊維繊度が0.5〜4.0デシテックスの範囲のセルロース系繊維を20重量%以上含む紡績糸であって、その紡績糸の外層部に位置する鞘成分の短繊維束が、比較的内層部に位置する芯成分の短繊維束の周りにほぼ一定の間隔で巻き付いている、紡績糸形態が実質的に無撚りであることを特徴とする紡績糸であり、セルロース系繊維が、竹を原料としたセルロース系繊維であることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸湿性、接触温冷感、抗ピル性、張りおよび腰などの特性に優れたセルロース系紡績糸、およびそれからなる織物および編物(以下、これらを総称して「織編物」という場合がある)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、スパン織編物については、これまで綿やウールなどの天然繊維の他に、ポリエステル、アクリルあるいはナイロンを原料とする合成繊維が主に使われる中、近年、新しい質感、すなわちソフトで張り腰を持つ風合いの点からもセルロース系繊維が見直されてきている。
【0003】
例えば、竹を原料とするセルロースレーヨン繊維に実撚りを付与した紡績糸が提案されている(特許文献1参照。)。しかしながら、セルロース系繊維を通常のリング紡績方法によって実撚りを付与して紡績糸とし、テキスタイルとして使用した場合、セルロース系繊維の持つ吸湿性や接触温冷感などの特性を十分に活かすことができず、また、風合いがソフトであることが逆に作用し、合成繊維と同様に、衣料着用時に布帛表面に摩擦を受け毛羽が絡み毛玉に成長し、いわゆるピリングが発生し、衣料の外観を著しく損なう欠点を持っている。
【0004】
また、セルロース系繊維を結束紡績糸などいわゆる空気精紡機を用いて紡績糸とする方式も知られているが、編織物等にした場合、風合いが著しく硬くなる傾向にあり、結果として満足のいくものが得られなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−115347
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のような従来技術では得ることのできなかった抗ピル性、吸湿性、張り、腰などの特性に優れたセルロース系繊維からなる紡績糸およびそれからなる織編物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために次の構成を有するものである。
(1)単繊維繊度が0.5〜4.0デシテックスの範囲のセルロース系繊維を20重量%以上含む紡績糸であって、その紡績糸の外層部に位置する鞘成分の短繊維束が、比較的内層部に位置する芯成分の短繊維束の周りにほぼ一定の間隔で巻き付いている、紡績糸形態が実質的に無撚りであることを特徴とする紡績糸。
(2)セルロース系繊維が、再生セルロース繊維であることを特徴とする上記(1)に記載の紡績糸。
(3)再生セルロース繊維が、竹、木材パルプ、リンターパルプまたはコットンリンターのいずれかの原料からなることを特徴とする上記(1)または(2)記載の紡績糸。
(4)セルロース系繊維が、竹を原料としたセルロース系繊維であることを特徴とする上記(1)または(2)記載の紡績糸。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の紡績糸を20重量%以上含む織編物。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の紡績糸について、さらに詳細に説明する。
【0009】
本発明における実質的に無撚りの紡績糸としては、例えば、吸放湿性を有するセルロース系短繊維原綿を用いて紡績工程にて空気精紡機などを用いて得られる紡績糸を対象とするものである。
【0010】
本発明の紡績糸は、吸湿性を有するセルロース系繊維を含み、糸形態が実質的に無撚りであることを特徴とする紡績糸であって、セルロース系繊維の30℃×90%RHにおける吸湿率が18%以上、次に述べる吸放湿率(△MR)が8.5%以上のものが好ましい。
【0011】
△MR(%)=MR−MR
ここで、MRとは、絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置したときの吸湿率(%)を指し、洋服ダンスの中に入っている状態、すなわち着用前の環境に相当するものである。また、MRとは、絶乾状態から30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置したときの吸湿率(%)を指し、運動状態における衣服内の環境にほぼ相当するものである。ここで、吸湿率は、JIS L1096「水分率」に準じて測定する。
【0012】
吸放湿率(△MR)は、MRとMRの値を差し引いた値で表されるものであり、衣服を着用してから運動したときに、衣服内のムレをどれだけ吸収するかに相当し、△MR値が高いほど快適であると言える。一般にポリエステル繊維の△MRは0%、ナイロン繊維で2%、木綿で5%、そしてウールでは6%である。
【0013】
本発明の紡績糸においては、吸湿率と吸放湿率(△MR)は大きいことが望ましいが、例えば、竹を原料としたセルロース系繊維からなる紡績糸では、吸放湿率(△MR)の上限は9.5%位である。
【0014】
本発明の紡績糸に含まれるセルロース系繊維は、好ましくは竹、木材パルプ、リンターパルプまたはコットンリンター等を原料として作られるが、より好ましくは竹を原料としたセルロース系繊維が、他の原料に比べて吸湿性が最も高く、抗菌性も有することから、衣料用繊維としては最も適している。
【0015】
竹の原産地としては、アジアを中心に世界各国に広がっているが、特に中国産の竹が好ましく使用される。中国は竹林を豊富に保有しており、原料調達がし易い。これらのセルロース系繊維原料を、一般の再生セルロース系繊維と同様の処理によりフィラメント糸や短繊維を製造することができる。例えば、ビスコース法の場合、竹をアルカリおよび二硫化炭素と反応させ、アルカリデンサートとして苛性ソーダに溶解して紡糸し、セルロースを凝固・再生することにより再生セルロース系繊維を製造することができる。また、他の製法としては、銅アンモニア法や直接溶解法でアセテートなどの半合成繊維としても再生セルロース系繊維を製造することができる。
【0016】
また、吸湿性が高い竹は、手または身体に触れたときに冷たく感じる。すなわち接触温冷感(qmax)が高く、春夏の清涼感素材として適している。本発明のセルロース系繊維を含む実質的に無撚りの紡績糸からなる織編物は、接触温冷感(qmax)が0.1(W/cm)以上であることが好ましい。この接触温冷感は、5cm×5cmの熱板を摂氏33度に暖めた後、試料上に乗せた瞬間に奪い取られた熱量の最大値を測定したものである。
【0017】
この接触温冷感が0.1(W/cm)以上であると、着用時肌に触れたときに皮膚温を奪い取るために、身体に触れたときに冷たく感じるのである。このように接触温冷感が大きくなると冷たく感じるが、汗竹を原料としたセルロース系繊維からなる紡績糸を用いた場合は、接触温冷感の上限値は0.16(W/cm)位である。
【0018】
この接触温冷感は、素材表面の接触面積が大きい(凸凹がない)ほど、また吸湿率が高いほど接触温冷感は大きくなる。例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維100%使いの起毛トリコットの起毛面の接触温冷感は0.04W/cmであり、起毛されていない面は0.07W/cmである。
【0019】
次に、本発明の紡績糸の糸構造について説明する。
【0020】
本発明の紡績糸においては、セルロース系繊維による吸湿性、張り腰およびソフト感を得るために、紡績糸自体が実質的に無撚りであることが重要である。ここで、本発明でいう実質的に無撚である紡績糸とは、短繊維成分(単繊維(短繊維1本))の平均繊維長をLsとした場合、4.0T(回)/Ls以下の実撚りがかかっているもの、または無撚状のものである。撚り数が4.0T(回)/Ls以下の場合には、撚りトルクの作用による撚り戻りの発生がないので、実質的に無撚構造糸ということができる。無撚構造糸は一般的な空気精紡によって得られるが、風合いをよりソフトにするためには、比較的内側に存在する芯成分の無撚り短繊維束に対し、比較的外側に位置する鞘成分の短繊維束が一定間隔に巻き付いている。
【0021】
次に、本発明の紡績糸について、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の紡績糸を例示説明するための斜視図である。
【0022】
図面1に示すように、本発明の紡績糸は、比較的内側に存在する芯成分の無撚り短繊維束Aに対し、比較的外側に位置する鞘成分の短繊維束Bがほぼ一定の間隔で巻き付いている構造を有している。比較的外側に位置する短繊維束Bの短繊維束Aに対する巻き付き間隔は、好適には0.1〜2.0mmの範囲である。この巻き付き間隔が0.1mmより狭いと芯成分の無撚り短繊維束の割合が少なくなり粗硬感が増し本発明の目的とするソフトな風合いとなり難くい。また、間隔が2.0mmより広いと、結束部の間隔が広いため糸強力が低下し、編成、製織通過性が悪化するなどの問題が生じることがある。比較的外側に位置する短繊維束Bの短繊維束Aに対するより好ましい巻き付き間隔は、0.2〜1.0mmの範囲である。
【0023】
このようにすることで、毛羽が少なく接触温冷感を高めるという糸構造の紡績糸が得られる。
【0024】
すなわち、実質的に無撚りである構造糸とは、一般的なリング精紡機によって得られる実撚り糸のような撚りトルクによる短繊維束間の拘束がなく、紡績糸の比較的内側に存在する芯成分の短繊維束が撚トルクのない状態、つまりフリーな状態で、比較的外側に存在する鞘成分の短繊維端を巻き込んだ非常に毛羽の少ない糸構造であるため、布帛とした際、毛羽による布帛表面の接触面積が少なく(凸凹が少ない)、竹の持つ接触温冷感をより高めるとともに、毛羽が少ないことから抗ピル性に優れ、張り、腰およびドライ感が得られる。
【0025】
本発明の紡績糸の製造に用いられる空気精紡機は、紡速を変化させることで糸形態を変化させることができ、紡出条件として紡速が遅くなるほど紡績糸の芯成分の比率が増し糸結束力が強くなり糸強力が安定するが、逆に布帛にした際の粗硬感が強く、糸結束力が増すことで短繊維束間の空隙が少なくなり、張り、腰の風合いの点からは好ましくない。逆に紡速が早い場合、短繊維束間の空隙は増し風合いもソフトとなり好ましいが、糸強力の低下、毛羽が増加する傾向にあるため、結果的に布帛表面の凸凹が増えることとなり、本発明の目的とする接触温冷感が低くなることから、紡速は220m/分〜350m/分であることが好ましい。
【0026】
本発明の紡績糸を構成するセルロース系繊維の単繊維繊度は0.5〜4.0デシテックスの範囲にあるものである。さらには、単繊維繊度は0.6〜3.0デシテックスの範囲にあることが好ましい。短繊維の単繊維繊度が0.5デシテックス未満の細繊度になると紡績カード工程にてネップが発生するなど紡績糸の品位を損ねる原因となる。反面、単繊維繊度が4.0デシテックスを超えると紡績糸の芯成分の短繊維束と鞘成分の短繊維束との絡合性不良となり番手設定に制約が生じ、さらには製品の風合いが硬くなる等の欠点が生じ、製品の用途に制約を受けることになる。
【0027】
また、セルロース系繊維の繊維長は25〜45mmであることが好ましい、繊維長が25mm未満または45mmを超えると、短繊維束を結束し難く、糸強力低下や空気精紡機の操業性悪化などの問題が生じる恐れがある。
【0028】
また、紡績糸としての好ましい番手は、同じく糸強力低下や操業性悪化などの理由から、英式綿番手で15s〜60sが好ましく、より好ましくは20s〜50sである。
【0029】
本発明の紡績糸に占めるセルロース系繊維を100重量%としてもよいが、セルロース系繊維以外にも、布帛の風合いをコントロールするため、綿、レーヨン、ウール、麻の天然繊維や、ウォッシャブル性を考慮し、ポリエステル、アクリル、ナイロン、ポリアミド、ポリトリメチレンテレフタレートなどを原料とする合成繊維等を混紡したものでも良いが、布帛としたときの張り腰、接触温冷感の点からセルロース系繊維の紡績糸に占める割合は20重量%以上であることが重要であり、好ましくは40重量%以上である。
【0030】
本発明の紡績糸は、これを100wt%用いて織編物等の布帛にすることはもちろん、他の繊維糸条と交撚したり、交編や交織して使用することもできる。本発明の紡績糸を交編や交織して使用する場合においても、織編物の張り腰を満足させるためには織編物重量に対し、本発明の紡績糸を少なくとも20重量%以上含ませることが好ましい。
【0031】
本発明の紡績糸は、もちろん編物と織物の両方に適用できるが、ピリングの原因となる毛羽が非常に少ないことから特に織物用に好適である。
【0032】
【実施例】
以下に本発明で用いた評価方法について、具体的に説明する。
【0033】
[吸湿性(△MR)]
△MR(%)=MR−MR
ここで、MRとは、絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置したときの吸湿率(%)を指し、洋服ダンスの中に入っている状態、すなわち着用前の環境に相当する。また、MRとは、絶乾状態から30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置したときの吸湿率(%)を指し、運動状態における衣服内の環境にほぼ相当する。△MRは、MRからMRの値を差し引いた値で表されるものであり、衣服を着用してから運動したときに、衣服内のムレをどれだけ吸収するかに相当し、△MR値が高いほど快適であるといえる。
【0034】
[接触温冷感(qmax)]
カトーテック(株)製のサーモラボ2測定器を用い、室温20℃、湿度65%RHの部屋で、BT−Boxを30℃に調整し、十分調湿したサンプルの上にBT−Box(圧力10g/cm)を乗せ、10℃の温度差での単位面積当たりの熱流速を測定する。
【0035】
[目付]
25cm×25cmの布帛試験片を採取し、平衡水準率以下となるまで十分に乾燥後、20℃、65%RHの室内に24時間放置し、水準平衡とした後に、その試験片の重量を測定する。得られた試験片の重量を1mあたりに換算し、布帛片2枚についての平均値で表す。
【0036】
[ICIピル判定(5hr)]
抗ピル性能をモデル的に評価するものでピル発生の程度を1〜5級にランク付けし、数字が少ないほどピリング発生が少ないことを示す。JIS L1076(A法)に準ずる。
【0037】
[風合い]
布帛の風合いを5人のパネラーにて着用試験を実施し、下記官能評価した。
×:張り、腰、ソフト感不良
△:張り、腰、ソフト感やや良好
○:張り、腰、ソフト感良好
(実施例1)
中国産の竹(名称:天竹(てんたけ))の繊維質を固めて原料とし、苛性ソーダと二硫化炭素を反応させてアルカリ溶液に溶かし、口金から硫酸水溶液中に押し出し、延伸して得られた、竹を原料とするセルロース系繊維(単繊維繊度1.7dtex、繊維長38mm)50重量%と、ポリエステル繊維(単繊維繊度1.45dtex、繊維長38mm)50重量%とを混紡し、通常の紡績方法を用いて2.36g/mの太さのスライバーを作成した。このスライバーをローラー方式のドラフト機構を有する空気精紡機(村田機械(株)製、MVS)に仕掛け、空気精紡機のドラフト率を120倍に設定して、紡速を220m/分として綿式番手40sの紡績糸を得た。紡績性は良好であり、糸切れもなかった。なお、用いた空気精紡機の糸形成部は中空のエアーノズルを有し、エアーノズル内の旋回気流によって、鞘部の無撚り芯鞘複合短繊維束に鞘部の芯鞘複合短繊維束が一定間隔(0.1〜1.0mmの範囲でばらついている)で結束することで、実質的に無撚り(撚り数3.5T(回)/Ls)である紡績糸を形成する機構となるものであった。この無撚紡績糸を用いて、28Gシングル丸編機で天竺編地を編成した。この編地を通常の丸編地の染色法に準じ、リラックス・精錬と染色および乾燥、仕上加工を行い、目付が160g/mの肌着用編地を得た。
【0038】
(実施例2)
中国産の竹を原料としたセルロース系繊維(単繊維繊度1.7dtex、繊維長38mm)100%としたこと以外は、実施例1と同様の紡績条件を用いて空気精紡機にて綿式番手40sの紡績糸を得た(撚り数3.5T(回)/Ls)。得られた紡績糸を編地裏面側(肌面側)構成糸に用い、両面丸編機にて、同様の空気精紡機を用いて得られたアクリル紡績糸1/52を、編地表面側構成糸に用い、裏面側ハニカムリバーシブル編組織となる丸編地を編成した。この編地を通常の丸編地の染色法に準じ、リラックス・精錬と染色および乾燥、仕上加工を行い、目付が190g/mの肌着用編地を得た。
【0039】
(比較例1)
天然セルロース系繊維である綿50重量%と、ポリエステル繊維(単繊維繊度1.45dtex、繊維長38mm)50重量%とを混紡した後、実施例1と同様の紡績条件を用いて空気精紡機にて綿式番手40sの紡績糸を得た(撚り数3.5T(回)/Ls)。この無撚紡績糸を用いて、実施例1と同様にして編成、染色工程にて布帛を作成し、目付が157g/mの肌着用編地を得た。
【0040】
(比較例2)
実施例1と同様の中国産の竹を原料とするセルロース系繊維(単繊維繊度1.7dtex、繊維長38mm)50重量%とポリエステル繊維(単繊維繊度1.45dtex、繊維長38mm)50重量%とを混紡した後、通常のリング精紡機を用いて撚数20.3T/inを付与し綿式番手40sの紡績糸を得た。その後、実施例1と同様にして編成、染色工程にて丸編地を作成し、目付が162g/mの肌着用編地を得た。
【0041】
(比較例3)
実施例1と同様の中国産の竹を原料とするセルロース系繊維(単繊維繊度1.7dtex、繊維長38mm)10重量%とポリエステル繊維(単繊維繊度1.45dtex、繊維長38mm)90重量%とを混紡した後、実施例1と同様の紡績条件を用いて空気精紡機にて綿式番手40sの紡績糸を得た。(撚り数3.5T(回)/Ls)。これを両面丸編機にて、編地裏面側(肌面側)構成糸に用い、同様の空気精紡機を用いて得られたアクリル紡績糸1/52を、編地表面側構成糸に用い、裏面側ハニカムリバーシブル編組織となる丸編地を編成した。この編地を、実施例2と同様にリラックス・精錬と染色および乾燥、仕上加工を行い、目付が185g/mの肌着用編地を得た。
【0042】
以上、5点のスパン編物について評価した結果を表1に示した。
【0043】
【表1】
Figure 2004339650
【0044】
【発明の効果】
本発明のセルロース系繊維を含有する衣料用紡績糸および編織物は、吸湿性、接触温冷感、抗ピル性、張りおよび腰などの特性に優れ、従来のセルロース系繊維含有編織物より、着用時の快適性に優れており、肌着、ポロシャツあるいはドレスシャツなどの用途に好ましく用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の紡績糸を例示説明するための斜視図である。
【符号の説明】
A:内層部に位置する短繊維束
B:外層部に位置する短繊維束

Claims (5)

  1. 単繊維繊度が0.5〜4.0デシテックスの範囲のセルロース系繊維を20重量%以上含む紡績糸であって、その紡績糸の外層部に位置する鞘成分の短繊維束が、比較的内層部に位置する芯成分の短繊維束の周りにほぼ一定の間隔で巻き付いている、紡績糸形態が実質的に無撚りであることを特徴とする紡績糸。
  2. セルロース系繊維が、再生セルロース繊維であることを特徴とする請求項1記載の紡績糸。
  3. セルロース系繊維が、竹、木材パルプ、リンターパルプまたはコットンリンターのいずれかの原料からなることを特徴とする請求項1または2記載の紡績糸。
  4. セルロース系繊維が、竹を原料としたセルロース系繊維であることを特徴とする請求項1または2記載の紡績糸。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の紡績糸を布帛重量に占める割合で20重量%以上含む編織物。
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