JP6734076B2 - 両面編地及びこれを含む衣類 - Google Patents
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Description
本発明は前記従来の問題を解決するため、暖かく着心地の良い両面編地及びこれを含む衣類を提供する。
(1)ポリプロピレン繊維からなる紡績糸
(2)ポリプロピレン繊維からなるフィラメント糸
(3)ポリプロピレン繊維とポリエステル繊維の混紡紡績糸
(4)ポリプロピレン繊維からなるフィラメント糸とポリエステル繊維からなるフィラメント糸の混繊糸
前記(1)〜(4)の糸を使用して交編することもできる。
熱伝導量を、KESサーモラボII(カトーテック社製)を用いて測定した。熱伝導量が小さいほど熱を通しにくく、保温性が高いと言える。
<吸水性>
水滴滴下法にて、肌面より水滴を滴下し浸透するまでの時間を測定した。吸水性が高いほど汗の吸収が早くベとつきにくく、快適な着心地となる。
<吸湿性・放湿性>
以下の式に従って吸湿性を測定した。
(1)20℃、65%RH(相対湿度)恒温恒湿室で3時間調整し、重量を測定(Ag)後
(2)40℃、95%RHの恒温恒湿室に30分置き重量を測定(Bg)
(3)20℃、65%RHの恒温恒湿室に30分置き重量を測定(Cg)
(4)105℃で2時間絶乾し、絶乾重量を測定(Dg)
吸湿性=(B−A)/D×100(%)
放湿性=(B−C)/D×100(%)
吸放湿性が高いと蒸れ感が減少し、快適な着心地となる。
<消臭性>
SEKマーク繊維製品認証規定の方法に従い、初期濃度(アンモニア100ppm、酢酸30ppm)の2時間後の臭気減少率を測定した。消臭性が高い方が着用中の汗臭がしにくい。
<濡れ感>
霧吹きで5mlの水を吹き付け、5分後に手で触った濡れ感を評価した(被験者10人)。評価方法は実施例と比較例の1対比較とし濡れ感が高い方を回答、肌側・表側の両面を比較した。肌側の濡れ感が少なければ、べとつきにくく、冷え感も少ないため快適な着心地になる。表2には濡れ感の高い方を示す。
(1)外層糸
衣類の表側(外気側)に配置させる外層糸として、1/72番手(メートル番手72番の単糸)のウール73質量%、ポリエステルマルチフィラメント糸27質量%からなる長短複合紡績糸を使用した。
(2)接結糸
ポリエステルマルチフィラメント糸(トータル繊度56decitex,繊維本数24本)を使用した。
(3)内層糸
衣類の内側(肌側)に配置させる内層糸として、ポリプロピレンマルチフィラメント糸(トータル繊度84decitex,繊維本数30本)を使用した。
以上の糸を使用して丸編み機で両面編地を編成した。得られた両面編地は、目付228g/m2であり、各繊維素材の割合は、ウール40質量%、ポリプロピレン32質量%、ポリエステル28質量%であった。
この編地を吸水加工した。吸水加工は、染色機で行い、商品名"パラソルブPET"(大原パラヂウム化学社製)2%owfで100℃×30分の熱水処理をして固着させた。
吸水加工後の編地は、家庭洗濯が可能で、家庭洗濯を繰り返しても寸法変化は見られなかった。その他の評価結果は後にまとめて表1〜2に示す。
(1)外層糸
衣類の表側(外気側)に配置させる外層糸として、2/72番手(メートル番手72番の双糸)のウール70質量%、ポリエステルマルチフィラメント糸30質量%からなる混紡紡績糸を使用した。
(2)接結糸
ポリエステルマルチフィラメント糸(トータル繊度84decitex,繊維本数36本)を使用した。
(3)内層糸
衣類の内側(肌側)に配置させる内層糸として、ポリプロピレンマルチフィラメント糸(トータル繊度190decitex,繊維本数60本)を使用した。
以上の糸を使用して丸編み機で両面編地を編成した。得られた両面編地は、目付356g/m2であり、各繊維素材の割合は、ウール36質量%、ポリプロピレン32質量%、ポリエステル32質量%であった。
この編地を実施例1と同様に吸水加工をした。吸水加工後の編地は、家庭洗濯が可能で、家庭洗濯を繰り返しても寸法変化は見られなかった。その他の評価結果は後にまとめて表1〜2に示す。
(1)外層糸
衣類の表側(外気側)に配置させる外層糸として、1/72番手(メートル番手72番の単糸)のウール73質量%、ポリエステルマルチフィラメント糸27質量%からなる長短複合紡績糸を使用した。
(2)接結糸
ポリエステルマルチフィラメント糸(トータル繊度56decitex,繊維本数24本)を使用した。
(3)内層糸
衣類の内側(肌側)に配置させる内層糸として、ポリプロピレンマルチフィラメント糸(トータル繊度84decitex,繊維本数30本)を使用した。
以上の糸を使用して丸編み機で両面編地を編成した。得られた両面編地は、目付209g/m2であり、各繊維素材の割合は、ウール39質量%、ポリプロピレン32質量%、ポリエステル29質量%であった。
この編地を実施例1と同様に吸水加工をした。吸水加工後の編地は、家庭洗濯が可能で、家庭洗濯を繰り返しても寸法変化は見られなかった。その他の評価結果は後にまとめて表1〜2に示す。
(1)外層糸
衣類の表側(外気側)に配置させる外層糸として、ポリエステルマルチフィラメント糸(トータル繊度84decitex, 繊維本数36本)を使用した。
(2)接結糸
ポリエステルマルチフィラメント糸(トータル繊度56decitex,繊維本数24本)を使用した。
(3)内層糸
衣類の内側(肌側)に配置させる内層糸として、ポリエステルマルチフィラメント糸(トータル繊度84decitex, 繊維本数36本)を使用した。
以上の糸を使用して丸編み機で両面編地を編成した。得られた両面編地は、目付240g/m2であり、ポリエステル100%の編地であった。
この編地を実施例1と同様に吸水加工をした。吸水加工後の編地は、家庭洗濯が可能で、家庭洗濯を繰り返しても寸法変化は見られなかった。その他の評価結果は後にまとめて表1〜2に示す。
(1)表1から明らかなとおり、各実施例の編地は熱伝導量が低くて温かく、吸湿性及び放湿性が高く、臭気減少率も高く、着心地性を向上する性質を有していた。
(2)表2から明らかなとおり、各実施例の編地は比較例1よりも肌側の濡れ感がなく、表側に水分が移動していることが分かる。
2 接結糸
3 外層糸
4 両面編地
Claims (6)
- 肌側となる内層と、外気側となる外層と、前記内層と外層を繋ぐ接結糸を含む両面編地であって、
前記内層は、ポリプロピレン繊維を含む糸で構成され、
前記外層は、獣毛繊維とポリエステルマルチフィラメント糸を含む長短複合紡績糸、又は獣毛繊維とポリエステル繊維を含む混紡紡績糸で構成され、
前記接結糸は、ポリエステルマルチフィラメント糸を含む糸で構成され、
前記外層の長短複合紡績糸のポリエステルマルチフィラメント糸又は混紡紡績糸のポリエステル繊維、並びに前記接結糸のポリエステルマルチフィラメント糸は吸水加工されていることを特徴とする両面編地。 - 前記内層のポリプロピレン繊維を含む糸は、ポリプロピレン繊維からなる紡績糸、ポリプロピレン繊維からなるフィラメント糸、ポリプロピレン繊維とポリエステル繊維の混紡紡績糸、ポリプロピレン繊維からなるフィラメント糸とポリエステル繊維からなるフィラメント糸の混繊糸から選ばれる少なくとも一つの糸、又はこれらの糸の交編である請求項1に記載の両面編地。
- 前記内層のポリプロピレン繊維を含む糸は、ポリプロピレン繊維を30質量%以上含む請求項1又は2に記載の両面編地。
- 前記外層の獣毛繊維はウールであり、外層糸の30質量%以上、かつ両面編地の10質量%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の両面編地。
- 前記両面編地の目付は、150〜400g/m2である請求項1〜4のいずれか1項に記載の両面編地。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の両面編地を含む衣類。
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