JP4745791B2 - 接着芯地用織物、及びその製造方法、並びに接着芯地 - Google Patents

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Description

本発明は、複合紡績糸、接着芯地用織物、及びその製造方法、並びに接着芯地に関するものであり、特に緯方向にもストレッチ性が十分に発揮され、張り・腰に優れた接着芯地用織物、またこの接着芯地用織物を効率的に製造しうる方法、更に前記接着芯地用織物を用いた接着芯地に関するものである。
スーツ地等に用いられる接着芯地には、特に耐洗濯性、可縫性、保型性といった特性が求められる。例えば耐洗濯性が良くないと、表地から芯地が剥離する等して外観に変化を生じる問題がある。耐洗濯性の向上には、生地にストレッチ性を持たせることが重要であり、またストレッチ性に優れた芯地は可縫性にも優れている場合が多く、この点においても好ましい。
優れたストレッチ性を発揮する芯地として、経糸及び緯糸の双方向にポリエステルフィラメントの仮撚加工糸を用いたいわゆる加工糸芯地が知られている。
しかしながら上記加工糸芯地は、特に緯方向の張り・腰が不足気味になる傾向があり、結果として保型性の点において必ずしも満足できるものではなく、この為、高級なスーツ地用の芯地としてはあまり使用されていない。
またストレッチ性を有しつつ、緯方向に張り・腰を備えたものとして、芯部にポリエステル仮撚加工糸、鞘部にセルロース系繊維を用いた芯鞘構造の複合紡績糸を緯糸に用いた接着芯地用布帛が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−170135号公報
ところで、芯部にポリエステル仮撚加工糸を配し、鞘部にセルロース系ステープル繊維を配するように複合紡績するには、精紡機のクリールに仕掛けた仮撚加工糸パッケージから仮撚加工糸を解除してフロントローラーに導く間においてテンサーで張力を付与し、このピンと張った状態でセルロース系ステープル繊維束中に導く様にする必要がある。そしてこのとき仮撚加工糸を構成する各フィラメントは捲縮を引き伸ばされ、引き揃えられて、生糸(なまいと)と大差のない嵩高性を失った真直ぐな糸道を形成するようになって、複合紡績される。芯部にポリエステル仮撚加工糸、鞘部にセルロース系ステープル繊維を配する理由は、仮にポリエステル仮撚加工糸が外側に表れていると、織物の外観品位にイラツキが増えることから、これをなくしてスッキリさせるためであるが、上記の様に結果的に仮撚加工糸の捲縮が伸び切った状態のものにセルロース系繊維が巻き付くこととなる為、必ずしもストレッチ性に優れたものとはならず、この複合紡績糸を緯糸に配した接着芯地用織物は緯方向のストレッチ性が不足したものとなりやすい。例えば、上記特許文献1における実施例1には緯方向の伸度が12%であることが記載されているが、この伸度はその技術ポテンシャルから見て最高に伸度が大きいベスト状態の値であり、これ以上の緯方向へのストレッチ性を望むことは困難である。
即ち、芯部に仮撚加工糸、鞘部にセルロース系繊維を配した複合紡績糸は、糸の外観が美しい点では好ましいものの、均整に仮撚加工糸を芯部に配させるようにすると、上述の様に強い張力を付与して複合紡績せざるを得ず、ストレッチ性が不足する傾向にある。
特に表生地としてファインウール素材でハイグラルエクスパンションの大きな生地を用いる場合には、この生地の動きに対応する為に、より高い伸度(ストレッチ性)を発揮することが望まれ、例えば伸度16%以上であることが要望される。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、緯方向に優れたストレッチ性と張り・腰の両方を具備せしめた接着芯地用織物、並びに接着芯地を提供することを目的とする。また、前記のような接着芯地用織物,接着芯地を製造するのに好適な複合紡績糸を提供することを目的とし、また前記接着芯地用織物を効率的に製造することのできる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的達成のため鋭意研究した結果、ポリエステル仮撚加工糸はその収縮率がセルロース系ステープル繊維よりも大きいことによって、複合紡績糸段階において上記仮撚加工糸が芯部に位置していなくとも、製織され染色加工された後には、複合紡績糸中において仮撚加工糸が芯部を形成するかの様に複合形態が変化することを見出し、本発明を完成するに到ったものである。
そして本発明に係る複合紡績糸は、接着芯地用織物の少なくとも緯糸に用いられる複合紡績糸であって、該複合紡績糸は、セルロース系ステープルファイバー束の外周部にポリエステル仮撚加工糸を構成するフィラメントの50%以上が配されてなるものであることを特徴とする。これは複合紡績された直後の複合紡績糸の状態を言い、この様に外周部にポリエステル仮撚加工糸が豊かに配置しているということは、複合紡績に際して仮撚加工糸に殆ど(或いは全く)張力がかけられずに複合紡績された結果であり、仮撚加工糸の捲縮が十分に保有された状態であるといえる。そしてこの複合紡績糸を用いた接着芯地用織物、更に接着芯地にあっては、上記捲縮を備えた仮撚加工糸が使用されているから、その伸縮性が発揮され、ストレッチ性に優れたものとなるのである。
尚上記「外周部にポリエステル仮撚加工糸を構成するフィラメントの50%以上が配されて」とは、複合紡績糸中のポリエステル仮撚加工糸の構成フィラメントのうち、本数割合で50%以上が外周部に配されているということである。
本発明に係る接着芯地用織物は、前記複合紡績糸を少なくとも緯糸に用いて製織し、染色加工したものであることを特徴とする。更に本発明に係る接着芯地はこの接着芯地用織物に熱可塑性樹脂を付与してなることを特徴とする。
上記複合紡績糸は、上述の如くその紡績過程において仮撚加工糸の捲縮を引き伸ばさない様にする為、殆ど(或いは全く)テンションをかけずにセルロース系ステープル繊維束に導いて複合紡績されたものであり、複合紡績直後の外観は大凡セルロース系ステープルファイバー束の外周部に仮撚加工糸を構成するフィラメントの多くが配された形態であるが、これが製織され、染色加工された後には、この配置がかなり逆転し、大凡芯部に仮撚加工糸が位置し、その外周部にステープルファイバーが巻きついた形態、或いはそれに近い形態に変化する。そしてこの様にポリエステル仮撚加工糸が概ね内側に移動して隠れることにより、すっきりした外観となり、接着芯地用織物の外観が美しく仕上げられたものとなる。
また本発明に係る接着芯地用織物の製造方法は、精紡機を用いて、セルロース系ステープルファイバー束を供給し紡績する際に、ポリエステル仮撚加工糸を精紡機のフロントローラーに導いて複合紡績糸を製造し、この複合紡績糸を少なくとも緯糸に用いて製織する接着芯地用織物の製造方法であって、前記複合紡績にあたって前記ポリエステル仮撚加工糸の捲縮状態を喪失する如き張力を発生させないこととし、得られた複合紡績糸を少なくとも緯糸に用いて製織し、染色加工することを特徴とする。
つまり複合紡績時の供給仮撚加工糸の糸道には、仮撚加工糸の残留トルクによるビリつき防止のための最低張力以外にテンサーを設けず、精紡機のフロントローラーの周速により仮撚加工糸チーズパッケージから引き出されるだけで、ゆっくりテンションフリーな状態で供給するものであり、これにより仮撚加工糸は捲縮のある嵩高い状態のまま複合紡績される。そして得られた複合紡績糸は、主にセルロース系ステープルファイバー束が芯部を形成し、その外周部に仮撚加工糸を構成するフィラメントの多くが配されたものとなっており、しかも該仮撚加工糸の構成フィラメントは十分に捲縮を活かしやすい状態で存在する。尚「ビリつき」とは、捲縮状態を超えて糸が縮れた様になることであり、スナールの如き状態である。
そして次いでこの複合紡績糸を用いて製織,染色加工すると、前述の様に、配置が変わって大凡セルロース系ステープルファイバーが外側、仮撚加工糸が内側になり、外観が良好で、しかもストレッチ性の良好な織物となる。
本発明に係る複合紡績糸は、芯部に仮撚加工糸を配して鞘部にステープル繊維を配したものと比較して、ストレッチ性において顕著に優れている。そしてこの複合紡績糸を少なくとも緯糸に用いた本発明の接着芯地用織物、接着芯地は、緯方向に優れたストレッチ性と張り・腰の両方を具備したものとなり、紳士用及び婦人用スーツ地等に用いる接着芯地として好適であり、殊に高級スーツ地等の要求特性の高い接着芯地としても好適に使用することができる。しかも該接着芯地用織物(或いは接着芯地)において用いられた複合紡績糸は、その染色加工工程での熱処理によって、複合紡績後において外周部に位置していた仮撚加工糸の構成フィラメントが芯部に移動することとなり、織物(或いは芯地)としてはスッキリした外観品位となる。
加えて本発明の方法によれば、緯方向に優れたストレッチ性を有する接着芯地用織物を効率的に製造し得る。
以下、本発明について詳述する。
前述の様に本発明の複合紡績糸は、セルロース系ステープルファイバー束の外周部にポリエステル仮撚加工糸を構成するフィラメントの50%以上(本数割合)が配されてなるものである。
まず上記セルロース系ステープルファイバーについて説明する。セルロース系ファイバーは吸湿性に富み、快適性に優れるので好ましく用いられる。本発明では、その熱収縮特性の小ささが活かされるものであり、つまり該セルロース系ステープルファイバーとポリエステル仮撚加工糸との熱収縮特性の差が大きいから、上述の様に製織工程及び染色加工工程を経る際に、セルロース系ステープルファイバーが概ね外側、ポリエステル仮撚加工糸が概ね内側という様に配置が変わるのである。
セルロース系ファイバーとしては、綿繊維の他、ポリノジック、レーヨン、キュプラ等の再生セルロース繊維、テンセル、リヨセル(登録商標)等の精製セルロース繊維などが挙げられるが、強度に優れ、寸法安定性に優れること等から、精製セルロース繊維の使用が推奨される。
セルロース系ステープルファイバーの繊度としては0.5〜2.5dtex(デシテックス)が好ましい。0.5dtex未満の場合は、複合紡績糸の張り、腰効果が弱まり、一方、2.5dtexを超えると紡績糸の番手が太くなるため、接着芯地として厚くなり過ぎるからである。より好ましくは1.0dtex以上、1.5dtex以下である。
セルロース系ステープルファイバーのカット長又は平均繊維長は、30〜60mmのものが好ましく使用でき、38mmカット品は、規格品であるから入手しやすく、また通常の綿紡績用精紡機で容易に精紡できるので好ましい。尤も必ずしも定長カットである必要はなく、バリアブルカットやストレッチブレーキング(牽切方式)でもよい。カット長未知のステープルファイバーや、前記の定長カットでないステープルファイバーの場合は、後述の測定法による平均繊維長で評価すると良い。
本発明において複合紡績糸に含まれるポリエステル仮撚加工糸としては、総繊度が15〜110dtexのものが好ましい。15dtex未満ではストレッチ性が不足しがちとなり、一方110dtexを超えると接着芯地用織物が厚くなってあまり好ましくないからである。更に好ましくは20dtex、90dtex以下である。
ポリエステル仮撚加工糸を構成するフィラメントの単繊維繊度については、ソフトな風合いを得る上で比較的細いものが好ましく、0.2〜3.3dtexであることが好ましい。0.2dtex未満の場合、仮撚加工糸に不必要な仮撚による毛羽が増えて、エアージェットルーム製織の製織性を害する場合があるのであまり好ましくない。一方3.3dtexを超えると風合いのソフト感が不足気味になりあまり好ましくない。
仮撚加工糸を構成するポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられるが、ポリトリメチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等でも良く、それらにイソフタレート成分や5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分などを共重合したポリエステルでも良い。これらのポリマーに酸化チタン等の艶消し剤やカオリナイト等の微細孔形成剤などが添加されていても構わない。仮撚加工糸に供給されるポリエステルマルチフィラメント原糸は延伸糸でも高配向未延伸糸(いわゆるPOY)でも良く、高配向未延伸糸は、高い捲縮特性を付与しやすいことや、仮撚生産性の高い摩擦仮撚施撚体を用いた高速延伸仮撚加工をしやすい点から好ましい。
原糸のフィラメント断面は通常の丸断面で構わないが、多葉、多角、中空、扁平、多角中空、その他特殊断面のものであっても良い。尤も丸断面の原糸を使用すると、仮撚加工後は通常断面変形が起こり、延伸糸を仮撚加工したものは崩れた5角形のものとなることが多く、高配向未延伸糸を延伸仮撚加工した場合、扁平化したものとなることが多い。
ポリエステル仮撚加工糸はその熱水収縮率が比較的高いものが好ましい。これは、複合紡績糸を用いて製織され、染色加工される時に、複合紡績直後において複合紡績糸の相対的に外周部に多く位置しているポリエステル仮撚加工糸の構成フィラメントが、複合紡績糸の内側に移動しやすくする為であり、セルロース系ステープルファイバーの熱水収縮率よりも大きくしておくことが好ましい。仮撚加工糸の熱水収縮率は2%以上であることが好ましく、更に好ましくは3%以上である。最も好ましくは4%以上であるが、あまりにも仮撚加工糸の熱水収縮率が大きいと、染色加工された後に風合いが硬く感じられるようになるので、7%以下であることが好ましい。
ポリエステル仮撚加工糸の捲縮特性は、後述の測定法による捲縮伸長率が30%以上であることが好ましい。30%未満の場合は、ストレッチ性が乏しくなるからである。より好ましくは45%以上である。捲縮伸長率は大きい方が好ましいが、あまりにも大きくしようとし過ぎることは、仮撚糸切れを増やす原因になるので、75%以下であることが好ましい。
加えて仮撚加工糸の残留トルクは小さいことが好ましく、具体的には後述の測定法による残留トルクが25T/10cm以下であることが好ましい。仮撚加工糸は、加撚して熱固定した後、解撚するという方法で製造されるものであり、糸として実際には撚りはないが撚り癖が残ってこれが伸縮性や嵩高性となって表れるというものである。しかし一旦撚りを加えて固定していることから、糸には撚った方向に曲がろうとするトルクが残る。これが残留トルクであり、この残留トルクが大きいと、精紡の際に糸を精紡機クリールからテンションフリーな状態で解除した場合には、該糸にビリつきが生ずる虞がある。そこでこの残留トルクによるビリつきの発生の抑制のために、仮撚加工糸の残留トルクを上記の如く25T/10cm以下とするのが良いのである。より好ましくは20T/10cm以下であり、本質的に小さければ小さいほど好ましい。
ところで、前記のような熱水収縮率や捲縮伸長率を満足させる観点においては、いわゆる1段ヒーター仮撚加工糸であることが好ましいが、通常、1段ヒーター仮撚加工糸は2段ヒーター仮撚加工糸に比べて残留トルクが大きい。しかし実際に1段ヒーター加工糸で得られる仮撚加工糸の低い残留トルクのものでは多くは2T/10cm以上というレベルであり、1段ヒーター仮撚加工糸を採用しても十分に残留トルクの低いものが得られる。
また仮撚加工糸の残留トルクが小さいことは、染色加工後の織物の残留収縮率を小さくすることにも寄与する。染色加工された織物に熱可塑性樹脂を塗布して接着芯地とする際や、この接着芯地をウールやウール混スーツ地等に接着プレスする際に、残留収縮率が大きいと、シワになったり、生地にだぶつきが生じたりしてあまり好ましくないものとなるからである。なお仮撚加工糸の収縮率が多少高くとも、染色加工により熱が加わるから、残留収縮率の高さに直接にはつながらないが、仮撚加工糸の残留トルクが大きいと、染色加工された後までトルクが残り、接着芯地として熱接着される時にまで、好ましくない収縮挙動を残すもとになり好ましくないのである。
前記のようなポリエステル仮撚加工糸を単独で経糸に用いる様にすると、ストレッチ性豊かで、残留収縮特性の小さい接着芯地用織物を得ることもできる。
また下記に詳述する様に、ポリエステル仮撚加工糸を構成するフィラメントは、複合紡績直後では複合紡績糸中の主に外周部に位置しているが、これが製織され、染色加工される時に芯部に移動するものであるが、この移動が良好に行われる為には、ポリエステル仮撚加工糸に流体交絡処理が施されていることが好ましい。つまり、上述の様に仮撚加工糸を構成するフィラメントの熱水収縮率がセルロース系ステープルファイバーより大きいことにより、上記移動が生じるのであるが、たとえこの様に仮撚加工糸の構成フィラメントの熱水収縮率が大きくても、該仮撚加工糸の構成フィラメントが個々に分散して存在していたのでは、複合紡績糸の内側に熱収縮して入り込もうとする力が分散してしまい、染色加工後であっても外周部に仮撚加工糸の構成フィラメントが散在することになり易く、接着芯地用織物の外観品位にイラツキが増えてあまり好ましくない。この点において、流体交絡処理が施されていると仮撚加工糸の構成フィラメントが個々に分散せずに、或る程度集まった状態で存在することになるので、移動が円滑に進むのである。
また、流体交絡処理が施されていると、ポリエステル仮撚加工糸を単独で経糸に用いる場合において、エアージェットルーム製織の経糸開口を確実にして高速製織性を高める効果も奏する。
流体交絡処理による交絡度は、後述の測定法によって、40ケ/m以上であることが好ましい。更に好ましくは60ケ/m以上である。但し、あまりにも交絡度が大きいと、風合いが硬く感じられるようになるので、150ケ/m以下であることが好ましく、更に好ましくは120ケ/m以下である。
本発明における複合紡績糸は、上記の通りポリエステル仮撚加工糸とセルロース系ステープルファイバーが複合紡績されたものであるが、複合紡績糸の番手は、英式綿番手で10〜80番手であることが好ましい。10番手より太いと、接着芯地としては厚すぎるものとなり、一方80番手より細いと、ストレッチ性が低下する他、張り・腰に欠けた風合いになり易いからである。より好ましくは、20〜70番手である。
また複合紡績糸において、複合紡績された直後では、その芯部には主にセルロース系ステープルファイバーが配されており、外周部には主にポリエステル仮撚加工糸が配されている。これとは異なり、複合紡績された直後から、芯部に仮撚加工糸が位置して、その外周部にセルロース系ステープルファイバーが巻きついた複合紡績糸の場合では、この形態からして、その複合紡績工程において、仮撚加工糸に強いテンションがかけられているはずである。仮に強いテンションをかけないで複合紡績を行った場合では仮撚加工糸を芯部には位置させられないからである。そしてこの様に仮撚加工糸に強いテンションをかけて複合紡績した糸では、ストレッチ性において満足できるものにはならない。
一方、本発明の様に、複合紡績された直後は芯部にセルロース系ステープルファイバー束が配され、外周部にポリエステル仮撚加工糸の構成フィラメントの多くが配された形態であることは、複合紡績工程において、ポリエステル仮撚加工糸に最低張力以外に殆どテンションがかけられていなかった結果であり、この場合はポリエステル仮撚加工糸の構成フィラメントの多くがその捲縮を活かしやすい状態で存在している。尚、上記最低張力とは、複合紡績を行うにあたって最低限必要な張力であり、例えば仮撚加工糸のビリつき防止の為の極弱い張力もこれに含まれ、言い換えれば、仮撚加工糸の捲縮を保持できる程度の弱い張力であれば加えても良いと言うことである。そして上記の様な複合紡績糸では伸縮性に優れ、この優れた伸縮性が織物となった際に好ましいストレッチ性に寄与するのである。
本発明の複合紡績糸の形態としては、勿論、1本たりとも仮撚加工糸の構成フィラメントが芯部に位置しないということを要件とするものではなく、複合紡績糸の外周全体が入る構図の断面写真を撮影したときに、仮撚加工糸の構成フィラメント本数の50%以上が複合紡績糸の外周部に位置している場合は、その断面部分は本発明の課題を解決でき、本発明の効果を奏する断面部分であると言える。好ましくは仮撚加工糸の構成フィラメントの60%以上が外周部に配されているものである。仮撚加工糸の構成フィラメント100%が外周部に配されていても良いが、通常98%以下である場合が多い。
なお複合紡績糸の長さ方向の全てに渡って、仮撚加工糸の構成フィラメントの50%以上が外周部に配されていることが最も好ましいが、所々これを満足しないものであっても良く、下記の如く断面写真を用いて判定したときにその5割以上が満足していれば良い。つまり任意の10箇所の断面写真を撮ったときに、このうちの5箇所以上の写真において、仮撚加工糸の構成フィラメント本数の50%以上が複合紡績糸の外周部に位置しているのであれば、本発明の範疇の複合形態であると言える。より好ましくは7箇所以上の写真において満足することである。
また本発明において、セルロース系ステープルファイバー束の外周部にポリエステル仮撚加工糸の構成フィラメントが配されている割合を計るにあたっては、ポリエステル仮撚加工糸の構成フィラメントの外側にセルロース系ステープルファイバー束の構成ステープルファイバーが位置していないものを、外周部に配するものとしてカウントすることとする。つまり図1の(a)に示す様に、仮撚加工糸構成フィラメントの更に外周部にセルロース系ステープルファイバーが位置している場合はカウントせず、図1の(b)に示す様に、仮撚加工糸構成フィラメントの更に外周部にセルロース系ステープルファイバーが存在しない場合は、当該仮撚加工糸構成フィラメントは外周部に位置しているものとしてカウントし、このときのカウント数としては、最外部の仮撚加工糸構成フィラメントの他、その内側の仮撚加工糸構成フィラメントもカウントする(塊として外周部に位置する場合はいずれのフィラメントもカウントする)。そしてそのカウント数について全仮撚加工糸の構成フィラメントに対する割合を算出して評価する。尚、図1の(a)〜(c)は、複合紡績糸におけるポリエステル仮撚加工糸とセルロース系ステープルファイバーの位置を模式的に表した断面図であり、図中、○はセルロース系ステープルファイバーを表し、△及び▲はポリエステル仮撚加工糸の構成フィラメントを表すものであって、このうち▲は外周部に位置するとしてカウントし、△はカウントしない。
本発明の複合紡績糸において、ポリエステル仮撚加工糸とセルロース系ステープルファイバーの割合は、質量比で10〜60%:90〜40%の範囲とすることが好ましい。ポリエステル仮撚加工糸の割合が10%未満ではストレッチ性が乏しくなり、一方、60%を超えると熱水収縮率が大きく、たとえ流体交絡処理が施されていても、製織、染色加工した後であってもまだ多く外周部に仮撚加工糸の構成フィラメントが残る傾向にあり、接着芯地用織物の外観品位の観点からあまり好ましくないからである。より好ましくは、ポリエステル仮撚加工糸:セルロース系ステープルファイバーが20〜50%:80〜50%の割合である。
更に、本発明に使用される緯糸の撚係数aは2.8〜3.5が好ましい。2.8未満ではエアージェットルームにて製織した場合に、甘撚を生じて緯糸切れを起こしてしまう虞があり、一方、3.5を超えると撚拘束力が強くなってストレッチ性が得られ難くなるからである。より好ましくは2.9〜3.4である。ここで、上記撚係数aは、撚数をT(回/2.54cm)、英式綿番手をNeとしたとき、a=T/(Ne)1/2で求められる。
本発明の接着芯地用織物において、その経糸として上記ポリエステル仮撚加工糸を単独で用いたものは、特にそのストレッチ性、高速製織性などの観点から好ましい。ポリエステル仮撚加工糸を経糸に用いる場合において、特にその仮撚加工糸に流体交絡処理されているときには追撚を要しない。追撚するとしても、500T/m以下の甘撚としておくことが好ましく、更に好ましくは200T/m以下である。
更に本発明の接着芯地用織物の生機では、下式(1)で示される経糸のカバーファクターを3.5〜8.0、下式(2)で示される緯糸のカバーファクターを4.0〜7.0とすることが好ましい。接着芯地用織物の生機密度も接着芯地のストレッチ性および風合に重要な影響を及ぼすからである。経糸のカバーファクターが3.5未満の場合には、染色加工時に経糸スリップによる目寄れが起こり易く、一方、8.0を超えると、緯方向のストレッチ性が少なくなり、芯地用布帛の風合も硬くなる傾向があるからである。また緯糸のカバーファクターが4.0未満の場合には、染色加工時に緯糸スリップによる目寄れが起こり易く、一方7.0を超えると、芯地用布帛の風合いが硬くなり、経方向のストレッチ性が少なくなる傾向があるからである。より好ましくは経糸のカバーファクターを4.0〜7.0、緯糸のカバーファクターを4.5〜6.0とすることが推奨される。
経糸のカバーファクター=経糸密度/(経糸の英式綿番手)1/2 …(1)
緯糸のカバーファクター=緯糸密度/(緯糸の英式綿番手)1/2 …(2)
(経糸密度、緯糸密度の単位:本/2.54cm)
経糸については、仮撚加工糸などのマルチフィラメント糸であっても良い。この場合は、経糸繊度が通常デシテックス(dtex)単位で表されているが、このときは、5906をデシテックス単位で表されている経糸繊度で除すことによって、英式綿番手で表される繊度(番手)に換算し、上記式(1)に代入すると良い。
本発明の接着芯地用織物は、少なくとも緯糸に上記の如く複合紡績糸を用いて製織されてなるものであるところ、この織組織としては、表地の組織にもよるが、汎用性の観点からは平組織が好ましい。他方、ストレッチ性を豊かにする観点からは、朱子組織や斜紋組織も好ましい。また、モアレ斑(ある種の表地との干渉斑)を防ぐ観点からは梨地組織も好ましい。
次に、本発明の接着芯地用織物の製造方法について、例を挙げながら説明する。
ポリエステル仮撚加工糸としては、延伸糸を仮撚加工されてなるか、又は、高配向未延伸糸を延伸仮撚加工されてなることが好ましい。この高配向未延伸糸については、摩擦仮撚施撚体を有する高速延伸仮撚機を用いて延伸仮撚されてなるものが更に好ましい。高配向未延伸糸の製造法としては、まず常法によりポリエステルを溶融紡糸し、引取速度2400〜3600m/分程度の速度範囲で引き取り、チーズ状パッケージに巻き取る。この際、仮撚に適した油剤を適宜付与しておくことが好ましい。そしてこの高配向未延伸糸を、例えば3軸外接型摩擦仮撚施撚体や交差ベルト型摩擦仮撚施撚体を有する高速延伸仮撚機のクリールに仕掛け、延伸仮撚する。この3軸外接型摩擦仮撚施撚体を有する高速延伸仮撚機の場合は、延伸倍率として1.2〜2.0倍程度とし、糸速600〜1000m/分程度で延伸仮撚すると良い。
得られる加工糸の捲縮伸長率を30%以上とすることが好ましく、その為には、仮撚数を調整すると良い。仮撚数の調整の仕方としては、[1]施撚体のディスク構成の選定と、ディスク周速と糸速の比(いわゆるD/Y)を調整すること、[2]延伸倍率を調整することが挙げられる。高配向未延伸糸に付与された油剤の種類や量にもよるが、例えば、紡糸速度3000m/分で溶融紡糸された高配向未延伸糸を用いた場合は、糸速700m/分、延伸倍率1.6倍、9mm厚ディスク1−4−1、D/Y:1.6倍で、加撚張力が0.15〜0.5g/加工糸繊度dtexであり、加撚張力と解撚張力がほぼ同等となっている様であれば、ほぼ好ましい仮撚数が得られ、仮撚数をT0(単位:T/m)とし、加工糸繊度をD0(単位:dtex)とするとき、T0×(D01/2が20000〜34000を満足する仮撚数となる。仮撚数の確認は、加撚ゾーンでの走行糸のつかみ取りを検撚機で解撚し、解撚長を基準にして1メーター当たりの仮撚数を算出して確認すると良い。
前記の様に仮撚加工糸の残留トルクは小さいことが好ましく、25T/10cm以下であることが好ましい。残留トルクを小さくする為には、なるべく前記の範囲でT0×(D01/2が大きいことが好ましいが、それ以外に有効な方法として、仮撚時の1次ヒーターの温度を上げ過ぎないことが挙げられる。
近年、高速延伸仮撚機の速度アップに伴い、高温非接触式又は高温部分接触式ショート1次ヒーターを搭載する設備が増えている。これらの多くは、その1次ヒーターを糸道方向に2分して、糸道上流側を特に高温に設定し、下流側を比較的低温に設定するという条件が採用されている。この様に温度設定した場合には、糸切れが起きたときに、上流側の例えば330℃以上の温度に設定したゾーンに付着した糸が昇華することになって屑が付着せず、次の糸かけが不要となるので、省力化を図ることができるメリットがある。しかしながら、この1次ヒーターの上流パートの温度を上げ過ぎると、走行糸が強く熱セットされすぎて、これが残留トルクを高める原因になってしまう。
従って本発明においては、高温非接触式又は高温部分接触式ショート1次ヒーターの上流、下流パート共に同一の、比較的低い温度設定としておくことが好ましい。例えば、帝人製機株式会社製HTS−1500型延伸仮撚機を使用する場合、速度にもよるが、1次ヒーターの上流パート,下流パート共に、78dtexの加工糸を得るときでは290℃程度とし、56dtexの加工糸を得るときでは260℃程度とし、33dtexの加工糸を得るときでは220℃程度とし、22dtexの加工糸を得るときでは210℃程度に設定しておけば、必要以上に熱がかかり過ぎることがなく、残留トルクが25T/10cm以下の加工糸を得ることができる。総じて、1次ヒーターの設定温度は300℃以下であることが好ましい。また、使用する仮撚機や延伸仮撚機が完全接触型の1次ヒーターを有する設備の場合には、通常の200〜220℃の設定温度より低めの180〜195℃としておけば、小さい残留トルクの加工糸が得られて好ましい。また、この仮撚加工時に糸温度を上げ過ぎない様にすることは、仮撚加工糸の熱水収縮率を高く調節することにも密接に関連している。
また2次ヒーターは使わない方が好ましい。2次ヒーターを使うと仮撚加工糸の残留トルクを顕著に減らすことができるものの、仮撚加工糸の熱水収縮率も顕著に低下してしまい、複合紡績糸の外周部に位置している仮撚加工糸の構成フィラメントが染色加工時の熱処理で芯部に移動するという作用が起こりづらくなってしまい、好ましくないからである。また、捲縮伸長率が低下してストレッチ性も小さくなるので、その観点からも好ましくない。
また、上記の如く仮撚加工糸には流体交絡処理が施されていることが好ましい。そして、その交絡度としては60ケ/m以上であることが更に好ましい。交絡度は、流体交絡処理ノズルのエアー圧と、処理領域でのフィード率で調整できる。エアー圧は、0.3〜2.0kg/cm2のゲージ圧(1.0kg/cm2=9.8066×104Pa=98.066kPa)が好ましく、フィード率は、0.2〜1.5%のオーバーフィード状態であることが好ましい。
セルロース系ステープルファイバーは、常法により混打綿工程、梳綿工程、練条工程を経て粗紡され、粗糸として精紡機に供給すると良い。精紡機にはリング精紡機が好ましく用いられる。リング精紡機のクリールには上記粗糸とポリエステル仮撚加工糸が仕掛けられる。仮撚加工糸はクリールから解除され、フロントローラーに導かれるまでの糸道にテンサーを設けないことが好ましい。ただし、解除時の仮撚加工糸自身の残留トルクによるビリつき(スナール)を抑制する為の極弱いテンションをかけることと、糸道を規制するためのヤーンガイドだけは、必要に応じて設けることが好ましい。ビリつき抑制の為の極弱いテンションをかける手法としては、糸挿通用開口を有する適当な大きさのビニール袋を仮撚加工糸チーズパッケージに被せることが挙げられ、仮撚加工糸はチーズパッケージから解除されると上記ビニール袋の内側に触れてフロントローラーに向かうこととなり、このビニール袋内側に触れたことによるテンションがビリつきの防止となって作用する。とは言え、ビリつきによるスナールが発生しない範囲でフロントローラーへの入糸張力が低いことが好ましく、この様なテンションは、通常のテンションメーターでは測定し難いレベルの、極低い張力である。
チーズパッケージから解除されたポリエステル仮撚加工糸と、粗糸パッケージから解除されてドラフトされたセルロース系ステープルファイバー束とは、フロントローラーを出たところで糸道がひとつになるが、上記の如く仮撚加工糸の張力が極めて低いので、該仮撚加工糸が複合紡績糸の外周部に多くのクリンプを顕在化させた状態で位置するように複合され、加撚されて複合紡績糸となる。
他方、経糸としては、ポリエステル仮撚加工糸を単独で用いることも好ましい。この様に仮撚加工糸を経糸に用いる場合は、染色加工後の接着芯地用織物の残留収縮率が小さいことが好ましく、通常、残留収縮率はその表地と同等以下であることが推奨される。残留収縮率が4%以上あると、この接着芯地用織物に樹脂を付与した接着芯地と表地と接着する際にシワになったり、生地がダブついたりして、外観品位を損なう恐れがあるが、3%以下であれば、シワやダブつきといった問題が起きることは少ない。2%以下であれば更に良い。この様に残留収縮率を抑制する為には、仮撚加工糸の残留トルクが25T/10cm以下であることが好ましい。
上記のようにして得られた複合紡績糸を少なくとも緯糸に用い、また経糸として上記の如くの仮撚加工糸を用い、製織する。製織に用いる織機には、フライシャトルルームやレピアルーム、プロジェクタイルルームのいずれであっても良いが、その生産性の高さから、エアージェットルームが好ましく用いられる。なお織物がセルロース系ステープルファイバーを含むので、ウォータージェットルームの使用はあまり好ましくない。
次に、この得られた接着芯地用織物を液流型染色機で精練した後、染色加工を行う。尚、経方向および緯方向に適度のストレッチ性を付与する方法としては、過度の幅出しをせずに、皺を伸ばす程度のヒートセット等を施す方法が挙げられる。従来は、染色前のヒートセット(プレセット)と最終染色加工時のヒートセット(ファイナルセット)の両工程において温度を調整して行われており、プレセットの温度としては170〜200℃、ファイナルセットの温度としては140〜180℃が採用されていたが、更なるストレッチ性の向上のために、最終染色加工時のファイナルセット1回だけとし、この際のファイナルセットの温度として180〜190℃で行うことが好ましい。この様にセット条件を調整することにより、所望のストレッチ性を有する接着芯地用織物(例えば経方向に16〜25%、緯方向に16〜22%)が得られる。
そして、この様にして得られた接着芯地用織物に熱可塑性樹脂を塗布(付与)することにより接着芯地が得られる。塗布方法としては、例えば上記接着芯地用織物の片面に熱可塑性樹脂を点状に塗布する方法や、接着芯地用織物の全体に塗布する方法が挙げられる。ソフトな風合いを損なわない様にするには、前者の方法が推奨される。
以下、実施例,比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例に限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
まず、本発明において用いた測定方法について説明する。
〔平均繊維長〕
JIS L1015 8.4.1 平均繊維長 ステープルダイヤグラム法(A法)に準拠して測定した。
〔捲縮伸長率〕
適度なテンション調整装置を有するラップリール(周長1.125m)を用い、0.09cN/dtexの荷重をかけて試料糸の8巻きの綛を作る。これをフックにかけ、100℃の熱水中に無荷重の状態で5分間浸漬し、この試料を熱水中より取り出し湿潤状態のまま0.9×(2/10)×8×2×試料糸繊度(dtex)のセンチニュートン数の荷重をかけ、1分後の長さaを測定する。次に荷重を取り除き、無荷重の状態でフックにかけたまま60±2℃の乾燥機で30分間乾燥し、標準状態の試験室に1時間以上放置し、次いで0.9×(2/1000)×8×2×試料糸繊度(dtex)のセンチニュートン数の初荷重をかけ、1分後の長さbを測る。下記の式(3)により、上記のa、bを用いて捲縮伸長率を算出する。試験回数は2回以上とし、その平均値で表す(小数点以下1桁まで)。
捲縮伸長率(%)={(a−b)/a}×100 …(3)
〔熱水収縮率〕
仮撚加工糸試料を枠周1.125mの検尺機を用い、0.09cN/dtexの初荷重をかけ、120回/分の速度で巻き返し、巻き数が20回の小かせをつくり、初荷重の40倍の錘りをかけて、かせ長l0(mm)を測定する。次に、錘りを外し、収縮が妨げられないような方法で沸騰水中に30分間浸漬後取り出して吸収紙又は布で水をふき取り、水平状態で自然乾燥する。再び錘りをかけてかせ長l1(mm)を測定する。熱水収縮率は次式(4)によって算出される。試験回数5回の平均値で評価する。
熱水収縮率(%)={(l0−l1)/l0}×100 …(4)
〔残留トルク〕
適当な作業机の端に両面接着テープを貼っておく。試料の仮撚加工糸を約1.4m長採取し、旋回させないようにして該試料の仮撚加工糸の中央に(5/1000)×(9/10)×1×2×試料加工糸繊度[dtex]のグラム数の荷重をかけ、この試料仮撚加工糸を2つ折りにし、上記作業机に貼ってある両面接着テープに該試料仮撚加工糸の両端を貼り付ける。錘は2つ折りになった試料仮撚加工糸の最下位置になる様にぶら下がった状態になり、自然に錘は回転し始める。しばらく観察していると、自然に回転が停止して、錘は静止する。その状態で2つ織りになっている試料仮撚加工糸の片道の50cm長の長さに対して、回転させないようにしつつ(1/10)×(9/10)×1×2×試料仮撚加工糸繊度[dtex]のグラム数の荷重をかけ、検撚機に仕掛けチャックして、撚りがなくなるまで解撚する。撚りが無くなるまでの解撚数をT1、解撚時の試料長をL1とするとき、残留トルクは次式(5)で表される。
残留トルク(T/10cm)={50/(50+L1)}×T1×(10/50) …(5)
〔交絡度〕
50cm長の試料糸をとり出し、下端に0.09cN/dtexの荷重をかけて垂直につり下げる。次に適当な針を糸中に突き刺し、ゆっくり持ち上げ荷重が持ち上がるまでに移動する距離L0(cm)を20回測定し、これにより平均値L(cm)を求め、次式(6)により交絡度を算出する。
交絡度(ケ/m)=100/(2×平均値L) …(6)
〔接着芯地の伸度〕
「風合い評価の標準化と解析」(日本繊維機械学会編集)の第IV章 「布の力学的特性の測定」ブロック1 引張り特性及びブロック4 せん断特性に記載の方法に則り、伸度を測定した。具体的には、定荷重伸長率の測定において、織物の経方向用試料、緯方向用試料として、それぞれ幅20cm、長さ5cmの接着芯地試料を採取し、長さ方向に4.00×10-3/sec.の一定速度で、最大荷重500gf/cmまで引張り、次いで変形回復過程に移り、最大荷重時の伸長率を求め、伸度(%)とした。経方向と緯方向の各々3回ずつ測定し、各々平均値で表した。
〔染色加工織物の残留収縮率〕
JIS L 1057「織物及び編物のアイロン収縮率試験方法」のA−1法に順じて測定した。なお、アイロンの温度は140℃とした。
<実験No.1>
ポリエチレンテレフタレートセミブライトレジンを溶融紡糸し、3000m/min.で引取り、巻き取って、90dtex/36filの高配向未延伸糸を得た。この高配向未延伸糸を帝人製機株式会社製HTS−1500型延伸仮撚機に仕掛けて、9mm厚のディスクによるディスク構成:1−4−1、延伸倍率:1.58、D/Y:1.60、1次ヒーター上流側設定温度:260℃、下流側設定温度:260℃、糸速:700m/min.、インターレーサーエアー圧力:1.0kg/cm2、インターレース域のフィード率:0.6%で延伸仮撚加工を実施し、56dtex/36filの仮撚加工糸Aを得た。尚インターレーサーノズルにはヘバライン社製のものを用いた。仮撚加工糸Aの熱水収縮率は4.7%、捲縮伸長率は56%、残留トルクは14T/10cm、交絡度は85ケ/mであった。
また、前記と同一のレジンを用い、吐出量以外は前記とほぼ同じ紡糸条件で溶融紡糸し、126dtex/36filの高配向未延伸糸を得た。この高配向未延伸糸を帝人製機株式会社製HTS−1500型延伸仮撚機に仕掛けて、9mm厚のディスクによるディスク構成:1−4−1、延伸倍率:1.6、D/Y:1.77、1次ヒーター上流側設定温度:290℃、下流側設定温度:290℃、糸速:700m/min.、インターレーサーエアー圧力:1.0kg/cm2、インターレース域のフィード率:0.6%で延伸仮撚加工を実施し、84dtex/36filの仮撚加工糸Bを得た。この仮撚加工糸Bの熱水収縮率は4.5%、捲縮伸長率は55%、残留トルクは13T/10cm、交絡度は80ケ/mであった。
他方、カット長が38mmで、1.3dtexのレンチング社製リヨセル(登録商標)ステープルを混打綿工程、梳綿工程、練条工程、粗紡工程に供給して粗糸を作成した。この粗糸と前記仮撚加工糸B(84dtex/36fil)を綿紡績用のリング精紡機のクリールに仕掛け、各々糸道を作る。粗糸は、ドラフトパートでドラフトされて、フロントローラーにフリースとして導かれる。仮撚加工糸Bは、糸道を規制するためのヤーンガイド3箇所と、ビリ防止のためのチーズへのポリ袋以外にはテンサーがなく、構成フィラメントにクリンプが目視で確認できる状態でフロントローラーに導かれていた。そして上記粗糸と仮撚加工糸Bは共に精紡機で加撚されて巻き取られる。その撚係数は3.15に調節し、ワインダーで巻取りして複合紡績糸を得た。
複合紡績糸の断面写真を撮ると、56%(本数割合)の仮撚加工糸を構成するフィラメントが外周部に位置しており、任意の他の9箇所(計10箇所)の断面で同様に観察を繰り返すと、他の6箇所(計7箇所)が前記以上の割合であった。
次にこの複合紡績糸を緯糸に用い、上記仮撚加工糸A(56dtex/36fil)を経糸に用いて、エアージェットルーム(650rpmに設定)により、経糸密度59本/2.54cm、密度緯糸29本/2.54cmに平織りし、生機を得た。織機稼働率は95%レベルで問題なく製織できた。この生機における経糸のカバーファクターは5.7、緯糸のカバーファクターは6.5であった。
得られた生機を液流型染色機で精練した後、リラックスし、高圧液流染色機を用いて直接染料と分散染料で130℃染色を行い、ファイナルセットを180℃で仕上げて、接着芯地用織物を得た。経方向の残留収縮率は2%、緯方向の残留収縮率は1.5%であった。
この様にして得られた接着芯地用織物の片面に、熱可塑性樹脂(ポリアミド系)を点状に塗布することにより(324ケ/インチ2、樹脂量15g/m2)(1インチ=2.54cm)接着芯地を得た。
この接着芯地の伸度は経方向に23%、緯方向に17%であり、スーツ地用の芯地として好ましい経緯双方向のストレッチ性と、張り・腰を有するものであった。外観品位も高級スーツ地用接着芯地として好ましく、イラツキのない、落ち着いたものであった。
<実験No.2〜6>
まず実験No.2〜6に用いる仮撚加工糸C〜Hについて説明する。
仮撚加工糸C及びDは、1次ヒーターの上流側温度を高く設定し、下流側温度を低く設定した以外は、それぞれ仮撚加工糸A及びBと同様にして延伸仮撚加工したものである。得られた仮撚加工糸C及びDは、それぞれ仮撚加工糸A及びBに比較して、残留トルクが大きく、熱水収縮率がやや小さく、捲縮伸長率がやや大きい仮撚加工糸であった。
仮撚加工糸E及びFは、流体交絡処理しない他は、それぞれ仮撚加工糸A及びBと同様にして延伸仮撚加工したものである。
仮撚加工糸G及びHは、2次ヒーターを使用して、15%のオーバーフィード率でスタビライズ処理した以外は、それぞれ仮撚加工糸A及びBと同様に延伸仮撚加工したものである。得られた仮撚加工糸G及びHは、それぞれ仮撚加工糸A及びBに比較して、繊度が大きく、残留トルクが小さく、熱水収縮率が小さく、捲縮伸長率が小さい仮撚加工糸であった。
以下に、上記仮撚加工糸A,B及び仮撚加工糸C〜Hの特性等について纏めて記す。
Figure 0004745791
《実験No.2》
経糸に仮撚加工糸Cを用い、緯糸用の複合紡績糸を構成する仮撚加工糸として仮撚加工糸Dを用いた以外は、実験No.1と同様にして接着芯地を得た。
染色加工後の接着芯地用織物はその残留収縮率がやや高く、表地と接着する時の取扱性に注意が必要であったが、ストレッチ性やソフト感に優れた接着芯地が得られた。
《実験No.3》
仮撚加工糸Eに80T/mの追撚を施してこれを経糸に用い、緯糸に用いる複合紡績糸を構成する仮撚加工糸として仮撚加工糸Fを用いることとし、これ以外は実験No.1と同様にして接着芯地を得た。
上記の通り経糸に追撚が施されたものであったが、製織時の織機稼働率が85%で実験No.1に比べてやや劣っていた。染色加工上がりに関しても、緯糸の表面に加工糸フィラメントが散在するためか、ややいらついた外観品位であったが、ストレッチ性や張り・腰に優れた接着芯地だった。
《実験No.4》
複合紡績糸を構成する仮撚加工糸として仮撚加工糸Hを用いることとし、この複合紡績工程において出来上がり繊度を20番手に合わせるべく混率調整を行って、複合紡績糸を得た。この複合紡績糸を緯糸に用い、仮撚加工糸Gを経糸に用いることとし、経糸密度は経糸の太さを勘案して若干小さく調節し、これら以外は実験No.1と同様にして接着芯地を得た。
染色加工上がりについて、ややいらついた外観品位であり、経方向及び緯方向の双方向にややストレッチ性に乏しくソフト感にもやや物足りなさを感じたが、張り・腰に優れ、表地との接着時の取扱性が容易な接着芯地が得られた。
《実験No.5》
実験No.1で緯糸に用いた複合紡績糸を経糸にも使用し、経糸密度を調節して接着芯地を得た。
得られた接着芯地は、ソフト感にやや乏しく、生地が厚く感じられたが、張り、腰に特に優れたものであった。
《実験No.6》
複合紡績工程において、仮撚加工糸Bの糸道にテンサーを設け、テンション(0.2cN/dtex)をかけてフロントローラーに導くことし、これ以外は実験No.1と同様にして複合紡績糸を得た。フロントローラーまでの仮撚加工糸Bは、捲縮が引き伸ばされて真直ぐにピンと張って収束していた。
複合紡績糸の断面写真を見ると、10箇所のどの断面においても、仮撚加工糸Bが芯部に配され、外周部にセルロース系ステープルファイバーが巻きついた形態であった。外周部に位置する仮撚加工糸を構成するフィラメントは、最も多い断面で39%(本数割合)であり、その他9箇所においては前記以下の割合であった。
得られた接着芯地は、緯方向のストレッチ性が経方向のストレッチ性に比較して極端に小さく、ストレッチ性の経緯バランスの悪い接着芯地であった。
実験No.1〜6について表2に纏めて記す。
Figure 0004745791
複合紡績糸におけるポリエステル仮撚加工糸とセルロース系ステープルファイバーの位置を模式的に表した断面図である。

Claims (7)

  1. セルロース系ステープルファイバー束の外周部にポリエステル仮撚加工糸を構成するフィラメントの50%以上が配されてなる複合紡績糸を少なくとも緯糸に用いて製織し、染色加工したものであることを特徴とする接着芯地用織物。
  2. 前記複合紡績糸に用いるポリエステル仮撚加工糸の熱水収縮率が2〜7%である請求項1に記載の接着芯地用織物。
  3. 前記複合紡績糸に用いるポリエステル仮撚加工糸は、流体交絡処理が施されたものであり、その交絡度が40〜150ケ/mである請求項1または2に記載の接着芯地用織物。
  4. 前記接着芯地用織物の伸度は、経方向に16〜25%、緯方向に16〜22%である請求項1〜3のいずれかに記載の接着芯地用織物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の接着芯地用織物に熱可塑性樹脂を付与してなることを特徴とする接着芯地。
  6. 精紡機を用いて、セルロース系ステープルファイバー束を供給し紡績する際に、ポリエステル仮撚加工糸を精紡機のフロントローラーに導いて複合紡績糸を製造し、この複合紡績糸を少なくとも緯糸に用いて製織する接着芯地用織物の製造方法であって、
    前記複合紡績にあたって前記ポリエステル仮撚加工糸の捲縮状態を喪失する如き張力を発生させないこととし、
    得られた複合紡績糸を少なくとも緯糸に用いて製織し、染色加工することを特徴とする接着芯地用織物の製造方法。
  7. 複合紡績前のポリエステル仮撚加工糸に、ノズルのエアー圧が0.3〜2.0kg/cm 2 、処理領域でのフィード率が0.2〜1.5%の条件で流体交絡処理を施す請求項6に記載の製造方法。
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