JP3840638B2 - 芯地及び芯地の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、織布に樹脂加工を施してなる芯地の改良に関するものである。この芯地は、洋服等の型崩れを阻止するために用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の芯地の製造は、綿のみの紡績糸どうし若しくは綿とポリエステルとを混紡した紡績糸どうしからなるもろより糸、または紡績糸とポリエステル長繊維とからなるもろより糸を用いて織布を製織し、該織布を精錬漂白した後に樹脂加工を施して芯地を得ていた。この芯地は、織布のみでは柔らかいため、樹脂加工を施すことで、芯地に要求される剛軟度(いわゆる、張り腰し感)を得ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の芯地は、洗濯が繰り返されると樹脂成分が織布から洗い落とされて柔らかくなり、芯地に要求される剛軟度を失うことになる。また織布に付着させる樹脂量は、芯地の製造時や廃棄時に生じる環境問題の面から極力減らすこが望まれている。
【0004】
そこで、本発明は、上記問題を解決し、また上記要請に応えるために、織布に付着させる樹脂量を減らしても、芯地に要求される剛軟度が得られる芯地及びその製造方法の提供を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
織布に付着させる樹脂量を減量した芯地とするために請求項1記載の本発明が採用した手段は、織布に樹脂加工を施した芯地において、前記織布の経糸及び緯糸に、ヤング率が1100〜2000(好ましくは、1100〜1500)Kgf/mm2 で、単糸繊度が16〜33(好ましくは、16〜22)dtexの熱可塑性モノフィラメントの10〜15(好ましくは、10〜12)本から成り、全収縮率が6.0〜11.0%、全巻縮率が3.0〜8.0%である仮撚加工糸と、英式綿番手が10〜34(好ましくは、15〜30)番の紡績糸とからなるもろより糸を用いたことである。
【0006】
織布に付着させる樹脂量を減量した芯地とするために請求項2記載の本発明が採用した手段は、織布に樹脂加工を施した芯地において、前記織布の経糸及び緯糸に、ヤング率が1100〜2000(好ましくは、1100〜1500)Kgf/mm2 で、単糸繊度が16〜33(好ましくは、16〜22)dtexの熱可塑性モノフィラメントの複数本を合わせた繊度が165〜330(好ましくは、165〜280)dtexのマルチフィラメントから成り、全収縮率が6.0〜11.0%、全巻縮率が3.0〜8.0%である仮撚加工糸と、英式綿番手が10〜34(好ましくは、15〜30)番の紡績糸とからなるもろより糸を用いたことである。
【0007】
織布に付着させる樹脂量を減量できる芯地の製造方法とするために請求項3記載の本発明が採用した手段は、織布に樹脂加工を施して芯地とする芯地の製造方法において、前記織布は、ヤング率が1100〜2000(好ましくは、1100〜1500)Kgf/mm2 で、単糸繊度が16〜33(好ましくは、16〜22)dtexの熱可塑性モノフィラメントの10〜15(好ましくは、10〜12)本を仮撚加工して得た、全収縮率が6.0〜11.0%、全巻縮率が3.0〜8.0%であるマルチフィラメントの仮撚加工糸と、英式綿番手が10〜34(好ましくは、15〜30)番の紡績糸とを合撚してもろより糸とし、該もろより糸に撚止のための熱セット処理を施し、該熱セット処理を施したもろより糸を経糸及び緯糸に用いて製織して得ることである。
【0008】
織布に付着させる樹脂量を減量できる芯地の製造方法とするために請求項4記載の本発明が採用した手段は、織布に樹脂加工を施して芯地とする芯地の製造方法において、前記織布は、ヤング率が1100〜2000(好ましくは、1100〜1500)Kgf/mm2 で、単糸繊度が16〜33(好ましくは、16〜22)dtexの熱可塑性モノフィラメントの複数本を仮撚加工して得た繊度が165〜330(好ましくは、165〜280)dtexで、全収縮率が6.0〜11.0%、全巻縮率が3.0〜8.0%であるマルチフィラメントの仮撚加工糸と、英式綿番手が10〜34(好ましくは、15〜30)番の紡績糸とを合撚してもろより糸とし、該もろより糸に撚止のための熱セット処理を施し、該熱セット処理を施したもろより糸を経糸及び緯糸に用いて得ることである。
【0009】
洋服用に最適な芯地を得るために請求項5記載の本発明が採用した手段は、請求項3又は4記載の芯地の製造方法において、前記熱可塑性モノフィラメントとしてポリエステル製フィラメントを用いた場合に、前記マルチフィラメントを、加熱板が120〜130℃の第1ヒータと、ケヒリンの仮撚係数αが0.70〜1.05(好ましくは、0.85〜0.90)となる撚りを加える仮撚具と、加熱室の室内温度が190〜210℃の第2ヒータとへ、この順で通過させて前記仮撚加工を行うことである。
【0010】
本発明にあっては、単糸繊度が16〜33dtexである太いモノフィラメントからなるマルチフィラメントの仮撚加工糸を用いて、経糸及び緯糸となるもろより糸を形成していることから、仮撚加工糸の有する巻縮クリンプが織布自体に適度の剛軟度を発現させ、付着させる樹脂量を少なくしても、芯地に要求される剛軟度が得られる。請求項5記載の発明にあっては、太いポリエステル製モノフィラメントの各々に充分な巻縮クリンプを得ることができると共に、第2ヒータによる熱処理で巻縮状態を確実にセットすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る芯地及び芯地の製造方法をポリエステル製の熱可塑性モノフィラメントを用いた実施の形態に基づいて説明する。
【0012】
本発明に係る芯地(以下、「本発明芯地」という)は、従来と同様に、製織して得た織布に樹脂加工を施して得られるものであるが、製織の経糸及び緯糸に用いるもろより糸(以下、「諸糸」という)が従来のものと異なると共に、樹脂加工で付着させる樹脂量が従来より少量であることが異なる。図1に示す如く、本発明が用いる諸糸1は、複数本の熱可塑性モノフィラメント2,2,…からなる仮撚加工糸3と、紡績糸4とを引き合わせて、実撚りを施したものである。
【0013】
前記熱可塑性モノフィラメント2は、ポリエステル製でヤング率が1100〜2000(好ましくは、1100〜1500)Kgf/mm2 で、単糸繊度が16〜33(好ましくは、16〜22)dtexのものが用いられる。仮撚加工糸3には、このモノフィラメント2の10〜15(好ましくは、10〜12)本からなる、繊度が165〜330(好ましくは、165〜280)dtexのマルチフィラメントを仮撚したものが用いられる。この仮撚加工は、図2の概略図に示す仮撚装置5を用いて行われ、パッケージ6からフィードローラ8でマルチフィラメント7を一定速度で引き出し、スピンドル方式等の仮撚具10で加撚して生じた仮撚を上流側へ伝播させ、加熱板9aに接触させつつ第1ヒータ9を通過させる間にこの仮撚の熱セットを行い、仮撚具10の下流側で解撚しつつ第1デリベリローラ11で引っ張り、室内12aが加熱されている第2ヒータ12内を非接触状態で通過する間に要求巻縮となるように熱処理を施し、第2デリベリローラ13で引き出してワインディングローラ14で巻き上げ、仮撚加工糸3からなるチーズ15を得る。
【0014】
前記仮撚加工の条件において、第1ヒータ9の加熱板9aは温度を120〜130℃とし、第1ヒータ9における滞留時間(加熱時間)を0.5〜0.6secとしてある。単糸繊度が2.0dtex以下の細いポリエステル製モノフィラメントからなるマルチフィラメントを対象とする一般的な仮撚加工の場合には、180〜210℃に温度設定するのに対して、本発明の場合には、太いモノフィラメント2の複数本からなるマルチフィラメント7を処理することから、これよりも低い温度設定としてある。これは、引き合わせる紡績糸4との調和を図るためであり、130℃を越えると仮撚加工糸の巻縮クリンプが強くなり、紡績糸4との収縮差が大きくなり過ぎて紡績糸4との調和を欠くことになるからであり、また、120℃未満では、充分な巻縮クリンプを得ることができず、芯地に要求される剛軟度が得られないからである。更に、第1ヒータ9における滞留時間を上記の如く設定するのは、マルチフィラメント7を形成する各モノフィラメント2を芯まで充分に加熱するためである。
【0015】
上記仮撚具10は、ケヒリンの仮撚係数αが0.70〜1.05(好ましくは、0.85〜0.90)となる撚りを加えることができるものである。撚数は、仮撚係数αを用いると次式1で表すことができる。
【0016】
【数1】
なお、kは定数であって、ポリエステル製フィラメントの場合にはk=32500であり、ナイロン製フィラメントの場合にはk=28700である。Rは単位メータ当たりの撚数(回/m)、Deはマルチフィラメント7の太さ(dtex)である。
【0017】
この仮撚係数αが0.70未満であると巻縮クリンプが少なくて、フィラメントに近い状態となり紡績糸4との馴染みがなくなり、逆に、仮撚係数αが1.05を越えると、糸切れが発生して仮撚加工できなくなる。
【0018】
前記仮撚加工の条件において、非接触で加熱を行う第2ヒータ12の室内12aは温度を190〜210℃とし、第2ヒータ12における滞留時間(加熱時間)を0.3〜0.4sec としてある。この条件によりマルチフィラメント7の熱処理を確実に行い、要求する巻縮状態をセットすることができる。
【0019】
前述の撚糸加工の条件で得た仮撚加工糸3は、次のような巻縮ファクターを有する。仮撚加工糸3の巻縮量で熱処理により収縮する量を表す全収縮率(%)は、6.0〜11.0である。仮撚加工糸3の常温で発現している巻縮量と仮撚加工糸3の熱処理によって発現する巻縮量の和を表す全巻縮率(%)は、3.0〜8.0である。これら全収縮率及び全巻縮率は、次のように試料を測定して算出する。
【0020】
試料及び測定方法は、枠周が1.125mのラップリールに仮撚加工糸3を三回巻き取って得た輪状の小綛を二重にしたものを試料とし、上方の固定フックに試料の上端を引っ掛けると共に試料の下端に初荷重用の重りと重荷重用の重りを交互に引っ掛けて測定する。測定中の試料は、その上下端の間に12本の仮撚加工糸3が張架されることになる。初荷重用の重りは1dtex当たり0.002grとし、重荷重用の重りは1dtex当たり0.2grとする。仮撚加工糸3が250dtexのときには、初荷重用の重りは6grとなり、重荷重用の重りは600grとなる。測定の手順は、先ず、試料の下端に重荷重用の重りを引っ掛けて1分後に試料長さ(試料の上下端の距離)L0を測定する。次に、重りを交換して試料の下端に初荷重用の重りを引っ掛けて1分後に試料長さL1を測定する。続けて、下端に初荷重用の重りを引っ掛けた状態のまま試料の全体を、ボイルした浴槽内で20分間だけ処理した後に自然乾燥させる。更に、重りを交換してこの自然乾燥した試料の下端に重荷重用の重りを引っ掛けて1分後に試料長さL2を測定する。最後に、重りを交換して試料の下端に初荷重用の重りを引っ掛けて1分後に試料長さL3を測定する。
【0021】
次の式に前記測定値を適用して、全収縮率及び全巻縮率を算出する。
全収縮率=(L0−L3)÷L0×100(%)
全巻縮率=(L2−L3)÷L0×100(%)
【0022】
前記実撚りを行う前に、仮撚加工糸3と紡績糸4とを、図3に示す合糸装置17を用いて引き合わせる。両糸3,4の引き合わせは、チーズ受皿18の上に、前記仮撚加工糸3のチーズ15と紡績糸4のチーズ19とを載置し、両チーズ15,19から引き出した糸3,4の各々について、ガイドバー20及びワッシャテンサー21,21を通過させる間に張力調整を行いつつ、両糸3,4を合糸ガイド22で引き合わせて合糸23とし、ドラムワインダー24で巻き上げて合糸チーズ25を得る。合糸する紡績糸4は、英式綿番手が10〜34(好ましくは、15〜30)番のものであって、綿糸100%、ポリエステル糸100%又は綿とポリエステルとの混紡糸が用いられる。英式綿番手が10番未満の太い紡績糸の場合には、硬くなり過ぎて地厚となり、英式綿番手が34番を越える細い紡績糸の場合には、柔らかく腰のない薄地となる。
【0023】
前記仮撚加工糸3と紡績糸4とを引き合わせた合糸23は、図4に示すアップツイスター27を用いて実撚りが加えられて諸糸1となる。実撚りは、スピンドル28に合糸チーズ25を装着し、スピンドル28をベルト29で駆動して合糸チーズ25を回転させつつ合糸チーズ25から解舒される合糸23に撚りを加えて諸糸1とし、スネールガイド30及びテンションバー31を通過させる間に張力調整を行いつつ、ワインディングローラ32で巻き上げて諸糸チーズ33を得る。実撚りは、120〜450(好ましくは、200〜300)回/mとする。諸糸1とするのは、仮撚加工糸3と紡績糸4との馴染みを良くして、製織した織布の目面を良くすると共に、適度に軟らかい手触りの織布を得るためである。実撚りが150回/m未満であると、上記目的が達成できず、また実撚りが450回/mを越えると、織布が硬くなり過ぎる。
【0024】
前記諸糸1は、撚り止めのために、チーズ33の状態で熱セット処理が施される。熱セット処理は、90℃程度の水蒸気が充満した加熱タンク内に、20〜30分程度滞留させ、チーズ25の内部まで充分に加熱する。
【0025】
前記チーズ33の状態で熱セット処理が施された諸糸1は、経糸及び緯糸に用いられて織物(図示略)に仕上げられる。諸糸1に前記仮撚加工糸3を用いることにより、織るときのスリップが少なくなると共に、仮撚加工糸3と紡績糸4との馴染みが良くなるために目面の良好な織布が得られる。仮撚加工糸3が第2ヒータ12による熱処理を経ているため、得られた織布は、熱収縮が少なく、芯地にしてアイロンがけしても縮むことなく寸法安定性に優れている。
【0026】
前記織布は、精錬漂白工程を経た後に、樹脂加工が施されて芯地となる。この樹脂加工は、生地風合いの調整及び防縮を目的とするものであって、メチロールメラミン系、グリオキザール系、非ホルムアルデヒト系等の樹脂が用いられる。樹脂加工は、樹脂溶液の貯えられたタンクに織布を通過させて、織布に樹脂溶液を含浸させ、マングルで余分な溶液を絞り取った後に、織布を乾燥機で乾燥して芯地を得る。織布に対する樹脂固形分の付着量は、従来の1/4〜1/2とすることが可能となり、従来に比べて著しく減らすことができる。このように樹脂量を減らすことができるのは、織布の経糸及び緯糸となる諸糸1に仮撚加工糸3を用いたことにより、織布自体に剛軟度を持たせることができるからである。
【0027】
樹脂固形分の付着量が少ない本発明芯地は、洗濯で洗い落とされる樹脂成分量も少なくなるため、洗濯を繰り返しても、芯地に要求される剛軟度(張り腰し感)を著しく低下させることはなく、芯地としての機能を永く発揮させることができる。
【0028】
なお、前記仮撚加工糸3の代わりに、複数本の前記熱可塑性モノフィラメント2からなる仮撚を施さないマルチフィラメントを用い、このマルチフィラメントと前記紡績糸4とからなる諸糸を経糸及び緯糸に用いて織布を得た場合には、織布の硬さは確保できるものの、弾性に欠けると共に目面も平滑となってスリップ現象の生じやすい織布となり、芯地としての適正素材にはなり得ない。
【0029】
本発明者は、本発明芯地と従来芯地とについて下記の条件で比較試験を行い、表1及び表2に示す結果を得た。表1は比較試験1による結果を示し、表2は比較試験1による結果を示すものである。
【0030】
(比較試験1)
本発明芯地は、ポリエステル製モノフィラメントの12本からなるマルチフィラメントを、第1ヒータ温度が120℃、ケヒリンの仮撚係数αが0.85及び第2ヒータ温度が190℃で仮撚加工して得た単糸繊度が16.0dtexの仮撚加工糸3と、綿及びポリエステルの混紡からなる英式綿番手が16番の紡績糸4とからなる実撚りが250回/mの諸糸1を経糸及び緯糸に用いて製織し、得られた織布に5g/m2 の樹脂固形分を付着させたものである。従来芯地は、綿及びポリエステルの混紡からなる英式綿番手が32番の双糸を経糸及び緯糸に用いて製織し、得られた織布に15〜20g/m2 の樹脂固形分を付着させたものである。織布は、本発明芯地及び従来芯地共に、経糸密度が50本/インチで緯糸密度が45本/インチである。
【0031】
(比較試験2)
本発明芯地は、前記比較試験1と同じ仮撚加工糸と、綿及びポリエステルの混紡からなる英式綿番手が23番の紡績糸とからなる実撚りが250回/mの諸糸1を経糸及び緯糸に用い、経糸密度が50本/インチ、緯糸密度が43本/インチで製織し、得られた織布に5g/m2 の樹脂固形分を付着させたものである。従来芯地は、綿及びポリエステルの混紡からなる英式綿番手が16番の双糸を経糸及び緯糸に用い、経糸密度が53本/インチ、緯糸密度が52本/インチで製織し、得られた織布に15〜20g/m2 の樹脂固形分を付着させたものである。
【0032】
本発明芯地及び従来芯地から作成した各試験片について、洗濯した後にJIS−L−1096のE法(ハンドルオメータ法)で試験を行い、マイクロアンメータの示す値Wに基づいて剛軟度保持率を評価した。洗濯をしない初期状態のときのマイクロアンメータの示す値W0 とすると、剛軟度保持率は、W÷W0 ×100(%)で示される。洗濯方法は、JIS−L−1096のF−1法に準拠して行った。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
表1及び表2から明らかな如く、本発明芯地は、洗濯後の剛軟度保持率が従来芯地に比べて2〜4倍高く、洗濯を繰り返しても剛軟度を保持している。本発明芯地において、樹脂加工で付着した樹脂固形分が従来芯地に比べて1/4〜1/3であるにも係わらず洗濯後の剛軟度を保持しているのは、太いモノフィラメントを用いたマルチフィラメントからなる仮撚加工糸が織布の剛軟度を発現させているからである。
【0036】
前述の実施の形態は、熱可塑性モノフィラメントとしてポエステル製を用いた場合であるが、本発明は、ポエステル製の熱可塑性モノフィラメントに限定するめものではなく、ヤング率が1100〜2000Kgf/mm2 の熱可塑性モノフィラメントであれば、ポリアミド等の材質からなるモノフィラメントを用いて仮撚加工糸を得て芯地とすることも勿論可能である。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、太いモノフィラメントを用いた仮撚加工糸の有する巻縮クリンプが織布自体に適度の剛軟度を発現させるので、付着させる樹脂量を少なくして芯地に要求される生地風合い及び防縮性が得られる。その結果、洗濯が繰り返されても織布から洗い落とされる樹脂成分が少なくなり、芯地に要求される剛軟度や生地風合いを維持できると共に、付着させる樹脂量を減らしたい要請に応えることもできる。
【0038】
請求項5記載の発明にあっては、太いポリエステル製モノフィラメントの各々に充分な巻縮クリンプを与えることができると共に、第2ヒータによる熱処理で巻縮状態を確実にセットすることから芯地の熱収縮が少なく、アイロンがけしても縮むことなく寸法安定性に優れた芯地を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が用いる実撚後の諸糸と、実撚前の仮撚加工糸及び紡績糸を引き合わせた状態とを併せて示す斜視図である。
【図2】マルチフィラメントに仮撚加工を施す仮撚装置の概略図である。
【図3】仮撚加工糸と紡績糸とを引き合わせる合糸装置の概略図である。
【図4】引き合わせた仮撚加工糸及び紡績糸に実撚りを加えるアップツイスターの概略図である。
【符号の説明】
1…もろより糸(諸糸)、2…熱可塑性モノフィラメント、3…仮撚加工糸、4…紡績糸
Claims (5)
- 織布に樹脂加工を施した芯地において、前記織布の経糸及び緯糸に、ヤング率が1100〜2000(好ましくは、1100〜1500)Kgf/mm2 で、単糸繊度が16〜33(好ましくは、16〜22)dtexの熱可塑性モノフィラメントの10〜15(好ましくは、10〜12)本から成り、全収縮率が6.0〜11.0%、全巻縮率が3.0〜8.0%である仮撚加工糸と、英式綿番手が10〜34(好ましくは、15〜30)番の紡績糸とからなるもろより糸を用いたことを特徴とする芯地。
- 織布に樹脂加工を施した芯地において、前記織布の経糸及び緯糸に、ヤング率が1100〜2000(好ましくは、1100〜1500)Kgf/mm2 で、単糸繊度が16〜33(好ましくは、16〜22)dtexの熱可塑性モノフィラメントの複数本を合わせた繊度が165〜330(好ましくは、165〜280)dtexのマルチフィラメントから成り、全収縮率が6.0〜11.0%、全巻縮率が3.0〜8.0%である仮撚加工糸と、英式綿番手が10〜34(好ましくは、15〜30)番の紡績糸とからなるもろより糸を用いたことを特徴とする芯地。
- 織布に樹脂加工を施して芯地とする芯地の製造方法において、前記織布は、ヤング率が1100〜2000(好ましくは、1100〜1500)Kgf/mm2 で、単糸繊度が16〜33(好ましくは、16〜22)dtexの熱可塑性モノフィラメントの10〜15(好ましくは、10〜12)本を仮撚加工して得た、全収縮率が6.0〜11.0%、全巻縮率が3.0〜8.0%であるマルチフィラメントの仮撚加工糸と、英式綿番手が10〜34(好ましくは、15〜30)番の紡績糸とを合撚してもろより糸とし、該もろより糸に撚止のための熱セット処理を施し、該熱セット処理を施したもろより糸を経糸及び緯糸に用いて製織して得ることを特徴とする芯地の製造方法。
- 織布に樹脂加工を施して芯地とする芯地の製造方法において、前記織布は、ヤング率が1100〜2000(好ましくは、1100〜1500)Kgf/mm2 で、単糸繊度が16〜33(好ましくは、16〜22)dtexの熱可塑性モノフィラメントの複数本を仮撚加工して得た繊度が165〜330(好ましくは、165〜280)dtexで、全収縮率が6.0〜11.0%、全巻縮率が3.0〜8.0%であるマルチフィラメントの仮撚加工糸と、英式綿番手が10〜34(好ましくは、15〜30)番の紡績糸とを合撚してもろより糸とし、該もろより糸に撚止のための熱セット処理を施し、該熱セット処理を施したもろより糸を経糸及び緯糸に用いて得ることを特徴とする芯地の製造方法。
- 前記熱可塑性モノフィラメントとしてポリエステル製フィラメントを用いた場合に、前記マルチフィラメントを、加熱板が120〜130℃の第1ヒータと、ケヒリンの仮撚係数αが0.70〜1.05(好ましくは、0.85〜0.90)となる撚りを加える仮撚具と、加熱室の室内温度が190〜210℃の第2ヒータとへ、この順で通過させて前記仮撚加工を行う請求項3又は4記載の芯地の製造方法。
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