JP2006138036A - 混用物 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸湿性がありながら発汗時のべたつき低減効果に優れ、洗濯を繰り返しても風合いが硬くならない混用物を提供する。
【解決手段】沸水処理後の伸縮伸長率(SB)が4%以上であるセルロース系繊維と偏平度1.3〜4の単糸断面形状を有するポリエステル系繊維が混用されていることを特徴とする混用物。セルロース系繊維としては綿、麻などの天然繊維やビスコースレーヨンやキュプラアンモニウムレーヨン、ポリノジックレーヨン、精製セルロース繊維などの人造繊維を含む。混用形態は混紡糸、精紡交撚糸、引き揃え糸、合撚糸、混繊糸、カバリング糸、諸撚糸、意匠撚糸、芯鞘構造糸などの糸段階や,交編や交織などの布帛段階を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、沸水処理後の伸縮伸長率(SB)が4%以上であるセルロース系繊維とポリエステル系繊維を混用した混用物に関する。より詳細には、吸湿性がありながら発汗時のべたつき低減効果に優れた混用物に関する。
綿やレーヨン繊維などの吸湿性に優れるセルロース系繊維とポリエステル系繊維とを糸段階で複合したり、交編織して吸湿性を付与した布帛が広く使用されている。しかしながらセルロース系繊維は汗などの水分を保持しやすく、拡散させにくいため、特にスポーツ時などで多量の汗をかいたときにべたつきが増大して不快となり、ポリエステル系繊維等を混用してもべたつきの低減効果は十分ではなかった。また、セルロース系繊維は乾きも遅いため、汗が冷えるとさらに不快となる場合も多い。一方、セルロース系繊維は繊維比重が大きく嵩高性と軽量感に欠け、洗濯を繰り返すと糸が膠着し、風合いが硬くなりやすいという問題点があった。
特許文献1に高捲縮セルロースフィラメントを用いた編織物が記載されているが、汗処理に対応可能な混用物については何ら記載されていない。
特開2004−131890号公報
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決し、吸湿性がありながら発汗時のべたつき低減効果に優れ、洗濯による風合い変化が小さい混用物を提供することにある。
本発明者は前記課題を解決するため、以下の構成要件を見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は下記の通りである。
(1)沸水処理後の伸縮伸長率(SB)が4%以上であるセルロース系繊維と偏平度1.3〜4の単糸断面形状を有するポリエステル系繊維が混用されていることを特徴とする混用物。
本発明の混用物は、吸湿性がありながら発汗時のべたつき低減効果に優れ、洗濯を繰り返しても風合いが硬くならない混用物である。
本発明について以下に具体的に説明する。
本発明は、沸水処理後の伸縮伸長率(SB)が4%以上好ましくは7%以上、特に好ましくは10%以上、50%以下のセルロース系繊維を用いることに最大の特徴があり、SBが4%以上であると特定のポリエステル系繊維との混用により十分なべたつき低減効果が得られる。
一般のアウターやインナーでは汗ばむ程度の発汗、すなわち80g〜120g/mの汗に対する汗処理、すなわち吸水性やべたつき防止性が必要とされるが、スポーツウエアはアウターやインナーとは異なり、かなり多量の発汗、すなわち200〜250g/mの汗に対する汗処理が必要とされる。べたつき低減効果は繊維の吸水拡散性が大きく、繊維と肌との接触面(表面層)に水分が少ないほど高く、すなわち、繊維が一方向に並んでいる場合に拡散が促進され、かつ、嵩高で点接触となる場合に高いべたつき低減効果が得られる。本発明のセルロース系繊維は伸縮伸長率が非常に大きく、嵩高であるため、非常に良好な汗処理性を有する。
尚、SBが大きすぎると、嵩高性は大きくべたつき低減効果は高いものの、凹凸感のある編織物となり外観が損なわれ好ましくない。伸縮伸長率はJIS−L−1090伸縮性試験法(A法)に準じて、実施例に記載した方法で測定した。
本発明においてさらに好ましい要件としては、沸水処理前後の伸縮伸長率の比(SB/S0)が0.5以上、特に好ましくは0.7以上、10以下であると、編織物となした時に極めて大きな嵩高性が得られ、べたつき低減効果に優れる。SB/S0が0.5未満では、精練や染色に基づく熱水処理で嵩高性が損なわれることがあり、10を超えると、嵩高性は大きくべたつき低減効果は高いものの、凹凸感のある編織物となり外観が損なわれ好ましくない。SB/S0とは、沸水処理して乾燥した後の伸縮伸長率(SB)と、沸水処理前の伸縮伸長率(S0)との比である。
さらに本発明においては、X線回析による算出法(後記する)にて、セルロースIV型結晶成分が20%以上,好ましくは20〜60%混在するのが好ましい。この範囲であると、セルロースIV型の特徴である湿潤処理による形態保持性が充分に発揮される。
このような沸水処理後の伸縮伸長率(SB)が4%以上のセルロース系繊維としては、綿、麻等の天然繊維、ビスコースレーヨン、キュプラアンモニウムレーヨン、ポリノジックレーヨン、精製セルロース繊維(テンセル、リヨセル)などの人造セルロース繊維があり、これらの一種又は二種以上を混用したものをいう。
繊維の形態は、長繊維でも短繊維でもよく、長さ方向に均一なものや太細のあるものでもよく、断面においても丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平(扁平度1.3〜4程度のもので、W型、I型、ブ−メラン型、波型、串団子型、まゆ型、直方体型等がある)、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。
さらに糸条の形態としては、リング紡績糸、オープンエンド紡績糸、エアジェット精紡糸等の紡績糸、マルチフィラメント原糸、甘撚糸〜強撚糸、仮撚加工糸、空気噴射加工糸、押し込み加工糸、ニットデニット加工糸等がある。
このような沸水処理後の伸縮伸長率(SB)が4%以上のセルロース系繊維は、例えば、特開2002−54044号公報、特開2002−327343号公報、特開2004−131890号公報に開示されている方法によって製造することが出来る。
好ましい製法例としては、本発明のセルロース系繊維を高圧水蒸気処理後に高圧熱水処理方法がある。この方法はセルロース系繊維が仮撚加工糸、1000T/m以上の有撚糸に適用するとより効果的であり、具体的な条件としては、絶対圧力0.41〜1.23MPa、温度160〜210℃、処理時間300〜1800秒が好ましい。高圧水蒸気処理は、従来公知の高圧釜装置を備えている装置で、チーズ状あるいはビーム状で処理できれば良く、例えば特開平9−31830号公報に記載されている高圧釜等である。
高圧熱水処理の場合、従来公知の高圧釜装置を備えていて、チーズ染色あるいはビーム染色などができる装置で有れば良い。熱水処理においては、縦型処理機が好ましく、予め、処理糸を装着し、その中に水を投入したのち、染色ビームの内側から、外側に向かって液循環させながら、所定の処理を行うものである。高圧水蒸気処理、高圧熱水処理する時の糸形態は、巻密度0.30〜0.45g/cmにしたチーズ形態で処理することが好ましい。
又、他の好ましい製法例としては、セルロース系繊維のフィラメント糸を仮撚加工するに際し、仮撚加工前の供給糸に水分を付与し、加撚時にヒーター温度180℃以上の高温で処理をすることにより製造される。付与する水分は、水のみ、または、水に浸透剤等の界面活性剤、あるいは目的に応じて各種の機能を付与するための加工剤を添加しても良い。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルフェニルエーテル系活性剤等の非イオン系活性剤やジアルキルサクシネート、ジオクチルスルホサクシネートなどのアニオン系活性剤等を使用する。使用量としては、好ましくは0.1〜20g/リットル、より好ましくは0.5〜10g/リットルである。また、水と共にグリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピリングリコール等のポリアルキレングリコールなどを付与することにより、仮撚加工糸の強度低下を防止することができる。付与する水分は、常温でも温湯でも良いが、15〜25℃が好ましい。
水分の付与は、仮撚加工する前、即ち、クリール仕掛けをする前に別工程で付与しても良く、又、仮撚加工工程での第1ヒーター前でも良い。また、セルロース系繊維のフィラメント原糸製造工程における乾燥工程に仮撚機構を組み入れ、一次乾燥時に仮撚工程を組み入れて製造しても良い。水分を付与する方法は、供給糸を水中に走行させる浸漬法、水をノズルから噴出させて付与するノズル法、水で濡れたローラー表面に糸を接触させる単純ローラー法、また、ローラーの前で糸を水に浸漬させるデイップローラー法、走行中の糸に水をシャワーする噴霧法等、何れの方法でも良い。付与する水分量は、第1ヒーターに入る前の供給糸の絶乾水分率を20〜130%にするのが好ましく、更に好ましくは30〜100%である。尚、絶乾水分率は(株)ケット科学研究所製の赤外線水分計(FD−240)を用いて測定した。
仮撚加工温度は、例えば、加工速度60〜100m/分、接触式ヒーターゾーンの通過時間が0.69〜1.15秒の場合、第1ヒーター温度は180〜260℃が好ましく、更に好ましくは220〜260℃である。
尚、第1ヒーター通過直後の糸の絶乾水分率は0〜15%、特に5〜12%が更に好ましい。又、第2ヒーターを使用した2ヒーター仮撚加工糸にしても良い。
仮撚加工は、ピン、ニップベルト、ディスク等によって撚をかける仮撚方式により加工することが好ましく、なかでも均一な捲縮を得るためにはピン仮撚方式が好ましい。他の好ましい仮撚加工条件は、
仮撚数=(24000/D1/2+590)×(0.6〜1.1)
式中、Dは供給糸の繊度(dtex)を表す。
第1フィード率は−3〜10%、テイクアップ(TU)フィード率は1〜8%、加撚張力は0.05〜0.29cN/dtex、解撚張力は、(加撚張力)×(3.0〜8.0)倍である。
仮撚加工に供給するセルロース系繊維のフィラメント糸は、無撚糸でも甘撚糸でもインターレース交絡した糸でも良い。
沸水処理後の伸縮伸長率(SB)が4%以上であるセルロース系繊維の総繊度は33〜167dtex程度のものが好ましく用いられる。
一方、偏平度1.3〜4の単糸断面形状を有するポリエステル系繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート並びにこれらの共重合タイプや、同種又は異種ポリマー使いの複合繊維(サイドバイサイド型、偏芯鞘芯型等の潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維を含む)がある。
本発明の特徴は、かかるポリエステル系繊維として、偏平度が1.3〜4、好ましくは2〜4の単糸断面形状を有するポリエステル系繊維を用いることにある。偏平度が1.3未満では本発明の目的が達成されず、また偏平度が4を超えると溶融紡糸時の紡糸安定性が不良となり好ましくない。
尚、偏平度は、単糸の断面写真より単糸の外接長方形の長辺と短辺の長さを求め、長辺の長さを短辺の長さで割ることにより求めたものである。
単糸断面形状の具体例としては、メガネ中空型、W型、I型、ブ−メラン型、波型、串団子型、まゆ型、直方体型、ドッグボーン型、松茸型等があるが、特にメガネ中空型、W型が好ましい。尚、中空タイプのものは軽量感に優れているので好ましい。
トータル繊度は20〜550dtexが好ましく、より好ましくは30〜220dtexであり、また、単糸繊度は0.1〜12dtexが好ましく、特に1.5〜6dtexが柔軟な風合いが得られるので好ましい。
さらに糸条の形態としては、リング紡績糸、オープンエンド紡績糸等の紡績糸、単糸デニールが0.1〜5デニール程度のマルチフィラメント原糸(極細糸を含む)、甘撚糸〜強撚糸、混繊糸、仮撚糸(POYの延伸仮撚糸を含む)、空気噴射加工糸等がある。
ポリエステル系繊維の仮撚加工糸や潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維の原糸及び仮撚加工糸は、熱リラックス等の手段により潜在捲縮を顕在化させて用いることが、ストレッチバック性を高めるためには好ましく、例えば、先染め糸(チーズ染め、かせ染め、プレバルキー後にチーズ染め、かせ染め等)として用いる方法がある。
本発明の混用物においては、上述のセルロース系繊維(A)とポリエステル系繊維(B)の好ましい混率(A/B)は、10〜90/90〜10好ましくは15〜85/85〜15さらに好ましくは20〜80/80〜20特に好ましくは30〜70/30〜70である。
セルロース系繊維(A)の混率が10%未満では吸湿性が乏しくなるため発汗時に蒸れが生じて不快となりやすく、又、90%を超える場合には、べたつき低減効果が不充分となりやすい。
本発明の混用物の混用形態としては、糸段階では、混紡、精紡交撚糸(サイロスパンやサイロフィル、コアヤーン、ホロースピンドル等)、引き揃え、合撚糸、混繊糸、カバリング糸(シングル、ダブル)、諸撚糸、意匠撚糸などがあり、特に芯成分がポリエステル系繊維(B)、鞘成分がセルロース系繊維(A)で構成された鞘芯構造糸(精紡交撚糸、カバリング糸等)や諸撚糸が本発明の目的達成上好ましい。又、セルロース系繊維(A)を水付与後の仮撚加工によって製造する場合にテイクアップ前にポリエステル系繊維と引き揃え又は混繊して混用してもよい。
布帛段階では、交編例えばセルロース系繊維(A)とポリエステル系繊維(B)を引き揃えて編成する以外に、特にリバーシブル編成して一面をセルロース系繊維(A)で構成し、他面はポリエステル系繊維(B)で構成する、さらには表裏面をセルロース系繊維(A)で構成し、中間をポリエステル系繊維(B)で構成する編成方法がある。
又、交織としては、経糸又は緯糸の一方にセルロース系繊維(A)を他方にポリエステル系繊維(B)を用いる方法以外に経糸及び/又は緯糸において両者を1〜3本交互に用いる方法がある。
尚、本発明の目的を損なわない範囲内で通常30質量%以下の範囲内で他の繊維を糸段階及び/又は布帛段階で混用してもよく、混用する繊維としては例えば、沸水処理後の伸縮伸長率(SB)が4%未満である一般的なセルロース系繊維例えば綿、麻、竹繊維、キュプラ、ビスコース、ポリノジック、精製セルロース繊維の他、羊毛(アンゴラ、カシミヤ、メリノ等を含む)、絹、和紙等の天然繊維、アセテート、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、アクリレート系繊維、扁平度が1.3未満もしくは4を超えるポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ナイロン、アクリル等の各種人造繊維、さらにはこれらの共重合タイプや、同種又は異種ポリマー使いの複合繊維(サイドバイサイド型、偏芯鞘芯型等)がある。混用形態としては上記に例示した混紡、カバリング、交編織以外にこれらの一種又は二種以上を、例えば沸水収縮率3〜10%程度の低収縮糸又は、例えば沸水収縮率15〜30%程度の高収縮糸との混繊や交撚、仮撚(伸度差仮撚、POYの延伸仮撚における複合等)、2フィード空気噴射加工等の手段で混用してもよい。
本発明の混用品の染色仕上げについては、常法に従って実施すればよく、例えば、かせ染め、チーズ染め、マフ染め、ニットデニット染め(ニットして染色してからデニット)等の方法により先染めして用いても良く、製編織後に染色する後染めでもよい。
染色は、ポリエステル系繊維を分散染料にて染色後、還元洗浄、次いで、直接又は反応染料によりセルロース系繊維を染色すればよい。
本発明を実施例に基づいて説明する。
本発明における測定方法及び評価方法は以下の通りである。
(1)伸縮伸長率
沸水処理前の伸縮伸長率(S0)は、試料を20℃、65%RHの恒温恒湿の室内に約1週間放置した後、検尺機にて2cN/糸以下の張力で解舒して綛を作り、1昼夜リラックスさせた状態で調湿し、JIS−L−1090伸縮性試験法(A法)に準じて測定を行い、5回の平均値で算出した。
沸水処理後の伸縮伸長率(SB)は、沸水処理前と同様に検尺機にて作った綛を1昼夜リラックスさせた後、綛の状態でガーゼに包み、JIS−L−1013フィラメント収縮率(B法)に準じて、沸騰水中に30分間浸漬させた後、綛を取り出して手で挟んで軽く水を切り、ガーゼを外した後、吊り干しの状態で20℃、65%RHの標準状態の室内にて乾燥及び調湿した後にJIS−L−1090伸縮性試験法(A法)に準じて測定を行い、5回の平均値で算出した。
(2)セルロースIV型結晶成分の混在比率
X線回析装置(Rigaku−RINT2000広角ゴニオメーター)を使用して、X線源CuK−ALPHAI/40kv/200mA、発散スリット1deg、散乱スリット1deg、受光スリット0.15mm、スキャンスピード2°/min、スキャンステップ0.02°、走査軸2θ/θ、走査範囲5°〜45°の条件にて強度分布を作成し、分布図よりセルロースIV型結晶成分の混在比率を算出した。
セルロースIV型の混在比率(%)={(16°ピークの面積)/〔(16°ピークの面積)+(12°ピークの面積)〕}×100
(3)絶乾水分率
(株)ケット科学研究所製の赤外線水分計(FD−240)を用いて測定した。絶乾水分率は、設定温度90℃で、水分率変化が1分間当たり0.1%以内となる時間を恒量時とし、この時の質量を絶乾質量値とし、下記の式にて求めた。
絶乾水分率(%)={(湿潤質量−絶乾質量)/絶乾質量}×100
(4)べたつき感
Tシャツを作成して着用試験を行い、べたつき感を官能評価した。
着用試験の環境は30℃、65%RH下で、10分間軽いランニングを行い官能評価した。
5級:ベタツキ感を感じない
3級:ベタツキ感を感じる
1級:非常にベタツキ感を感じる
[製造例]
<沸水処理後の伸縮伸長率(SB)が4%以上のセルロース系繊維の製法>
(製造例1)
110dtex/60fキュプラアンモニウムレーヨン糸(旭化成せんい社製:商標ベンベルグ:引張強さ23.2cN/tex、引張り伸度8.9%、沸水収縮率4.3%)を用い、ピン仮撚機を用いて、仮撚温度200℃、フィード率1%、仮撚数1500T/mで仮撚加工を行った。続いて、該仮撚糸を染色ボビンに巻き密度0.30g/cmで巻き上げ、スペーサーで固定し、縦型高圧釜にセットした。
続いて、0.097−0.1MPaにした後、圧力0.97MPaで180℃で5分間高圧スチーム処理した。次に水を投入し、加圧により脱泡した後、染色ボビンの内側から外側に向けて、液循環させながら、圧力0.97MPaで180℃で10分間高圧熱水処理し、加圧脱水後、80℃で60分間乾燥した。得られた仮撚加工糸は、SB=11.5%、(SB/S0)=1.10、セルロースIV型の混在比率24%であった。
(製造例2)
84dtex/45fキュプラアンモニウムレーヨンフィラメント(旭化成せんい社製:商標ベンベルグ:引張強さ23.0cN/tex、引張り伸度9.1%、沸水収縮率4.5%)を用い、仮撚加工機(石川製作所製:IVF−338、加撚機構はピン方式、接触式ヒーター、ヒーター長115cm)の条件を、加工速度100m/分、加熱時間0.69秒、スピンドル回転数230000rpm,仮撚数2300T/m(Z撚)、第1フィード率0%、TUフィード率4%に設定した。
クリールから供給された糸に2.9cN/糸の張力を掛け、第1ヒーター前にて水中を走行させる浸漬法で水分を付与した後、鋭角のセラミック板に接触させ、更に、エアーサクションを用いて付着水を除去して絶乾水分率を40%とした後、第1ヒーター温度250℃で仮撚加工した。
得られた仮撚加工糸は、SB=21.0%、(SB/S0)=2.53、セルロースIV型の混在比率58.8%であった。
(製造例3;比較)
製造例1において、高圧熱水処理しない以外は製造例1同様に処理した。
得られた仮撚加工糸は、SB=2.9%、(SB/S0)=0.42、セルロースIV型の混在比率0%であった。
(製造例4;比較)
製造例2において、水分を付与しない以外は製造例2同様に仮撚加工した。
得られた仮撚加工糸は、SB=2.5%、(SB/S0)=0.48、セルロースIV型の混在比率0%であった。
[実施例1]
製造例2で得られた仮撚加工糸と、2個の中空部を有するメガネ型断面のポリエチレンテレフタレートフィラメント仮撚糸(84dtex/30f;扁平度2.5)を用いて28GG丸編機でプレーティング天竺により編み立て、次いで、常法により精練、染色、仕上げを行った。得られた編地のベタツキ感は4.5級と優れたものであった。又、軽量感も優れたものであった。
[比較例1]
実施例1において、丸型断面のポリエチレンテレフタレートフィラメント仮撚糸(84dtex/30f;扁平度1.0)を用いた以外は実施例1同様にして得られた編み地のベタツキ感は2級と劣ったものであった。
[実施例2、3、4]
ηsp/c=0.8のポリトリメチレンテレフタレートを紡糸温度265℃、紡糸速度1200m/分で未延伸糸を得、次いで、ホットロール温度60℃、ホットプレート温度140℃、延伸倍率3倍、延伸速度800m/分で延撚して、110デシテックス/48fのW断面(扁平度=1.3、1.7及び2.7の3種)のポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメント糸を得た。
次いで、得られた扁平度の異なるポリトリメチレンテレフタレートフィラメント糸を仮撚加工機;村田機械製作所(株)製の33H仮撚機を用いて、仮撚ヒーター出口の糸条温度160℃、仮撚数3200T/mで仮撚加工を行い、110dtex/48fの1ヒーター仮撚加工糸を得た。
偏平度1.3が実施例2、偏平度1.7が実施例3、偏平度2.7が実施例4である。
製造例1で得られた仮撚加工糸と扁平度の異なるポリトリメチレンテレフタレートフィラメント糸の仮撚加工糸を用いた以外は実施例1同様にして得られた編み地のベタツキ感は実施例2が3.5級、実施例3が4級、実施例4が4.5級と優れたものであった。
[比較例2]
実施例1において、製造例2の仮撚加工糸を用いる代わりに製造例4の仮撚加工糸を用いた以外は実施例1同様にして得られた編み地のベタツキ感は2.5級と劣ったものであった。
[比較例3]
実施例4において、製造例1の仮撚加工糸を用いる代わりに製造例3の仮撚加工糸を用いた以外は実施例4同様にして得られた編み地のベタツキ感は2.5級と劣ったものであった。
本発明の混用物は、吸湿性がありながら発汗時のべたつき低減効果に優れ、洗濯を繰り返しても風合いが硬くならない布帛である。肌着等のインナー衣料やアウター衣料、スポーツ衣料に限らず、タオルやタオルケット、ベッドシーツにも好適な混用物である。

Claims (1)

  1. 沸水処理後の伸縮伸長率(SB)が4%以上であるセルロース系繊維と偏平度1.3〜4の単糸断面形状を有するポリエステル系繊維が混用されていることを特徴とする混用物。
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