JP2597852B2 - 伸縮シェニール糸 - Google Patents

伸縮シェニール糸

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JP2597852B2 JP62252152A JP25215287A JP2597852B2 JP 2597852 B2 JP2597852 B2 JP 2597852B2 JP 62252152 A JP62252152 A JP 62252152A JP 25215287 A JP25215287 A JP 25215287A JP 2597852 B2 JP2597852 B2 JP 2597852B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、シェニール糸に関するものである。さらに
詳しくは、押え糸に弾性糸を用いてエラスティック性を
付与させ、シェニール織編物の粗硬感および着用性能を
向上させたり、その他家具、建装シート等あらゆる産業
資材用途にも好ましく適用できる伸縮シェニール糸に関
するものである。
[従来の技術] 従来、シェニール糸には次のものが提案されている。
単繊維繊度が0.5〜1.0デニールで捲縮数が50〜200
ケ/inのミクロクリンプを有するアクリル系複合繊維を3
0%以上含有している紡績糸を花糸とするもの(実公昭5
9−2143号公報)。
押え糸が主として単糸繊度0.9デニール以下の極細
繊維からなる紡績糸であるもの(特公昭61−43453号公
報)。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、上記従来のシェニール糸は、花糸が1.
0デニール以下の単繊維繊度で、かつ捲縮数が50〜200ケ
/inのミクロクリンプからなる糸で構成されているた
め、風合効果としてソフトで柔軟性に富み、毛羽立ち密
度の高いかなり丸味なシェニールであっても、製織工程
あるいは編成工程での通過性が不良で、ガイドへの引掛
りや、途中糸切れを誘発したり、得られた二次製品は必
ずしも美的外観を呈していない欠点があった。
さらに、押え糸が単繊度0.9デニール以下の極細繊維
からなるシェニール糸は、海島型複合繊維を用いた紡績
糸80/2S〜30/2Sを使うため、押え糸、および花糸の段階
で極細化処理すると素抜け易く、シェニール糸加工での
糸切れが多い。また、シェニール織編物にしてから極細
化処理を行えば花糸繊維の脱落が多い等の欠点があっ
た。
つまり、従来のシェニール糸の最大の欠点は、耐洗濯
性では花糸の毛抜け、および花糸と押え糸の直交からな
る全体の太さからの棒状粗硬感とノンストレッチ性であ
る。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を克服し、シ
ェニール糸の欠点すなわち繊維の脱落、摩耗による表面
変化の少ない(へたらない)風合および表面タッチのソ
フトさを有し、かつエラスティック性に富んだ高級シェ
ニール織編物を得、必要とされる多目的利用に適する伸
縮シェニール糸を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] この目的を達成するために、本発明の伸縮シェニール
糸は、花糸を把持する押え糸として、伸縮性を有する被
覆弾性糸が複数本使用されてなり、かつ、該被覆弾性糸
の鞘部を構成する被覆繊維と花糸は熱接着性樹脂で融着
固定されているが、コア部の弾性糸は融着されておら
ず、該弾性糸の伸長、弛緩が拘束されていないことを特
徴とするものである。
本発明において、被覆弾性糸は、ポリエーテル糸、ポ
リエステル糸、あるいはポリカーボネート系のポリウレ
タン弾性糸などを伸長状態でカバーリング撚糸の芯糸と
し、フィラメント糸、あるいは仮より加工糸を鞘糸(通
称Filament Twisted Yarnで、以下F.T.Yと略す)とし
て、あるいはまた上記の弾性糸を芯糸とし、精紡工程で
木綿繊維などの天然繊維、あるいは合成繊維を鞘糸(通
称Core Spun Yarnで、以下C.S.Yと略す)として、同芯
円状に被覆して用いたものが適用できる。
弾性糸は、破断伸度が少なくとも500%以上を有し、9
0%以上の高弾性回復率を有し、伸長ドラフトが1.8〜4.
8倍を有することが好ましい。伸長ドラフトが1.8未満の
ときは、伸縮シェニール糸のストレッチ性が不足し、ま
た、伸長ドラフトが4.8を越えると糸切れし易くなり好
ましくない。
押え糸に用いるF.T.Yのトータルデニールとしては、
カバーリング撚糸の芯糸を構成するポリウレタン弾性糸
が20〜210デニールであり、カバードヤーンを構成する
ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ポリ塩化ビニー
ル、アクリルフィラメントなどの仮撚加工糸が30〜240
デニールの範囲であれば良く、特に好ましくはポリウレ
タン弾性糸が30〜70デニールで、かつカバードヤーンが
50〜110デニールが良い。カバードヤーンのトータルデ
ニールが30デニール未満ではF.T.Yの強力が低く、特に
レーヨン系、ポリ塩化ビニール糸等は弱いため、伸長初
期においてカバード糸切れとなり、加工が困難となる。
またカバードヤーンのトータルデニールが240デニール
を越えると太いシェニール糸しか得られず、花糸と異種
類の素材であれば花糸効果を減退させ、本発明の目的と
するソフトで独特なストレッチ性のものが得られなくな
る。
一方、C.S.Yの生産番手は、メートル番手2/84〜2/16
(綿番手50/2S〜8/2S)の範囲が良く、特に好ましくは
メートル番手2/67〜2/40(綿番手40/2S〜24/2S)が良
い。ここで、鞘糸としての繊維素材は、木綿繊維を始め
として、アクリルもしくはアクリル/ナイロン混紡等い
ずれかを用い、ポリウレタン弾性糸20〜140デニールの
範囲が良く、特に好ましくはアクリル繊維とポリウレタ
ン弾性糸30〜70デニールが良い。メートル番手2/84(綿
番手50/2S)より細番手はC.S.Yの強度が低く加工が困難
となる。またメートル番手2/16(綿番手8/2S)を越える
と番手の太いシェニール糸しか得られない。
上述したごとく押え糸としては、C.S.Yの双糸が好ま
しく用いられるが、単糸であっても良い。
花糸は、単繊維繊度が1.5デニール以下の極細繊維を
全体に対して25重量%以上含有する紡績糸、またはフィ
ラメント糸とすることが好ましい。単糸繊度が1.5デニ
ール以下の繊維を用いることによって表面タッチが極め
て滑らかなソフトタッチな風合を有し、これらの極細繊
維を25重量%以上含有することによって風合効果として
ソフトで柔軟性に富み、毛羽立ち密度の高い高級な外観
を有するシェニール糸が得られる。
花糸には、上記極細繊維に加えて、単繊維繊度が1.6
〜6.0デニールの繊維を一部混用してもよい。これらの
太繊度の繊維は全体に対して75重量%未満含有されるこ
とが好ましい。言うまでもなく単繊維繊度が1.5デニー
ル以下であって0.7デニール、1.0デニール、1.2デニー
ルおよび1.5デニール等が全体に対して25重量%以上含
有され、かつ2.0デニール、2.5デニール、3.5デニール
等が75重量%未満含有する異繊度混紡のものであっても
よい。
花糸に用いる紡績糸の番手は、綿番手140/1S〜5/1S
良く、特に綿番手60/1S〜16/1Sのものが好ましい。
ここで、花糸に用いられる繊維素材は、用途に応じて
レーヨン、アクリル、ポリエステル等の化合繊、あるい
は綿、絹等の天然繊維等を用いることができ、いずれも
花糸の光沢感、サバキ効果にそれぞれ特徴を発揮してい
る。綿番目140/1S未満の細番手では紡績性が不良で、紡
績糸の強力が低いため加工性が劣り使用できない。また
綿番手5/1Sを越える太番手では花糸密度が粗くなり、均
一性の劣るシェニール糸しか得られない。一方、フィラ
メント糸のトータルデニールは、50〜1,600デニールが
良く、特に好ましくは150〜840デニールが良い。
フィラメント糸の場合、50デニール未満あるいは1,60
0デニールを越えると花糸密度が粗となり、均一性の劣
るシェニール糸しか得られない。
花糸には紡績糸の場合に、単糸が好ましく用いられ
る。
一方、フィラメント糸使いによるスェードもしくはビ
ロード調毛羽立ち密度の高い伸縮シェニール糸を得るた
めにはトータルデニールでは150デニール以上で、単繊
維繊度として1.5デニール以下の繊維を全体に対して25
重量%以上含有することが重要であって、1.2デニール
以下のアクリルフィラメント糸、もしくは絹糸(生糸)
が100重量%で構成する単独糸が望ましい。
次に、押え糸が2本存在する場合に、押え糸とは別
に、押え糸の双方、もしくは片方に熱接着性を有する低
融点繊維を同時給糸して配列させることが好ましい。
本発明の伸縮シェニール糸を得るためには押え糸の片
方に、花糸をサンドイッチするように熱接着性糸を給糸
すべきであって、押え糸の被覆弾性糸の種類、もしくは
ドラフトの大きさによって仮接着固定効果が異なる。
ここで、熱接着性糸とは、熱によって溶融し、しかも
接着性を有する糸条のことであり、例えば、低融点から
なるポリアミド繊維(N6、N66、N610の3者共重合体)
があり、この繊維糸条はスチームまたは120〜180℃の熱
処理によって溶融し接着する性能を有する。
本発明においては、染色と同時に接着するのがよく、
沸点近くで少なくとも10分以上加熱することによって可
能である。熱接着性糸のトータルデニールは双方に使用
するとき、30〜50デニールが良く、片方のとき100デニ
ール付近で、押え糸に対し少なくとも5重量%以上混入
することが好ましい。
第1図は、本発明の一実施例よりなる伸縮シェニール
糸の平面図であって、(A)は伸長状態を、(B)は弛
緩状態を示す。
同図(A)において、花糸束1は、2本の押え糸2の
中央に挾み込まれながら撚り掛けされており、各単糸は
根元付近では引締められ、毛先になるほどサバキ効果で
割繊され拡がっている。花糸束1の長さはいずれも一定
長にあり、伸長されるにつれて、解撚作用を生起し、花
糸束1が旋回する。
伸長状態における花糸束1と押え糸2は、押え糸2に
沿って併用された熱接着性糸3の仮接着固定が、押え糸
2の伸長、すなわちポリウレタン弾性糸の伸長にもかか
わらず、外部を占有する被覆繊維と密に融着されている
ため、容易に剥離が起こらず、花糸束が脱落し難い。
同図(B)において、花糸束1は、押え糸2、および
熱接着性糸3によって仮接着されたまま、押え糸2の弛
緩によって安定状態にある。
第2図は、第1図のX−X矢視断面図である。同図に
おいて、花糸1は、ポリウレタン弾性糸(黒丸)2′を
コアー部に配した被覆弾性糸の双糸の押え糸(丸断面)
2によって、サンドイッチに挾み込まれている。同時
に、中央部を占有する熱接着性糸3が花糸1ばかりでな
く、押え糸2の外周被覆繊維まで溶融密着している。
上記のシェニール糸において、被覆弾性糸を用いず、
ベアー弾性糸を押え糸として用いた実験結果によれば、
押え糸2の被覆繊維(鞘部)が皆無であるため、ポリウ
レタン弾性糸2′が直接花糸1および熱接着性糸3に接
着溶着するため、伸長状態、特に繰返し伸長により花糸
脱落率が増加するという欠点を有する。これに対し、本
発明においては、被覆弾性糸2の鞘部を構成する被覆繊
維に熱接着糸が融着するのみで、コアー部にあるポリウ
レタン弾性糸2′の伸長、弛緩を拘束することなく、全
く自由に行なうことができる特徴を有する。
本発明の伸縮シェニール糸は、好ましくは次のような
方法によって得られる。
すなわち、押え糸は伸長された被覆弾性糸からなり、
該押え糸をドラフトを特定する積極給糸装置(Rolling
take−off方式)、もしくは低ドラフトの場合には通常
撚糸機に装備されているフィードローラ程度の送り出し
装置などによって容易に送り出すことができる。一方、
他に付設したクリールから供給される花糸、および熱接
着性糸は案内転子の手前まで別々に給糸され、ガイドで
引揃えられる。押え糸のパッケージはストレートチーズ
が良く、花糸はコーン巻き、熱接着性糸はパーン巻きが
よい。
シェニール撚糸機は押え糸の送り出しを特定する以外
は、通常の方法(例えば、特開昭49−101650号公報、実
公昭57−27827号公報等)に見られる装置などによって
容易に製造することができる。
これによると、逆三角形状薄板の花糸巻繰出板の下部
巻取部から二又状に分岐してそれぞれ上部に一方の押え
糸を導く糸孔を有する左右分岐板を形成したゲージをフ
レームに取付け、上記花糸巻繰出板の下部巻取部に連続
螺旋状に順次巻付けられながら降下繰出される連続コイ
ル状花糸束をその下端部において中央で左右に分断し、
該分断されて左右分岐板外面に沿って順次下方に連続繰
出される左右の連続分断花糸束を、上記花糸巻繰出板の
下部巻取部に近接の左右案内転子を介して左右分岐板外
面に沿ってそれぞれ下方へ導かれる押え糸と併走する熱
接着性糸と、左右分岐板の内側からそれぞれ左右の糸孔
を通じてそれぞれ外側綿に沿って下方へ導かれる押え糸
とによってそれぞれ中央部を挾み込むようにして順次下
方へ導きながらそれぞれ下方左右の撚掛け装置によって
撚り合わせてボビンにそれぞれ巻取る。
上記花糸巻繰出板の下部巻取部に連続螺旋状に順次巻
かれながら下方に繰出される連続コイル状花糸束をその
下端部において中央部で左右に2分、分断するための切
断装置としてカッター刃を使用し、前後に連続往復動、
または円刃カッターで回転させるものである。
本発明で得られた伸縮シェニール糸は、織編物用とし
て用いられるが、多くは綛状態でスチーム処理される。
処理条件は、90〜120℃、2〜8分間、好ましくは96〜1
05℃、3〜5分間が良い。その後、糸染めを行いシェニ
ール織編物に任意の柄、模様として供される。一方、後
染めとしてはシェニール織編物にした後に、染色と同時
に仮接着固定処理を行う。
また、本発明で得られた伸縮シェニール糸は、ヨコ方
向ストレッチ、タテ方向ストレッチ、もしくは2−Way
ストレッチ織編物を得ることができる。その織編物の組
織は特に限定はなく自由に選択できる。例えば、織物の
場合、ヨコ2重組織、タテ2重組織、または裏うち組織
のものが好ましい。
編物の場合、横編、丸編、および経編(とくに、緯糸
挿入機)等いずれでもよく、柄糸として表面に多く出し
たり、ストレッチ性を付与すべく地糸に配して手編、ト
リコット編、パイル編、等およびその応用組織のものが
好ましい。
さらに、本発明で得られた新規な伸縮シェニール織編
物は、一般織編物の加工処理、すなわちスチーム処理、
リラックス/精練処理、染色、ブラッシング、その他の
仕上処理、例えば仕上剤として制電防止剤、平滑剤、柔
軟仕上剤など樹脂加工付与を適宜行なうことができる。
また、加工処理の順序は、例えば編織物に供した後、ス
チーム処理し染色することもできる。また、染色機種と
して回転バック式、噴射式およびパッケージ式染色機い
ずれでもよく、方法、条件など適宜自由に選択できる。
なお、本発明で用いる花糸脱落率の測定法は、同一条
件にて編成した天竺編地100の試料を作成し、該試料に1
kgの張力を与える。一方、綿布を巻いた金属プレートに
2kgの荷重を与え、試料面上に500回の往復運動を施し、
処理後電気掃除機で脱落毛羽を吸い取り、処理前後の重
量(g)を測定し、次式で脱落率(%)を算出する。測
定回数は5枚の平均を求める。本発明で、摩擦法と仮称
する。
次にストレッチ量の定義および測定法は、伸縮シェニ
ール糸の破断伸度でなく、第3図に示す如く、原点Oか
ら引張されていくにつれて初期の高伸長〜低応力Aを通
り、その後急激に伸張がなくなり引張り応力Bが発生
し、破断点Zに至る過程で、B点からZ点までの間にお
いて、B点に近い直線部に接戦を仮想してX軸に交わる
点Hを求め、原点Oから交点Hまでの伸び率をストレッ
チ量と定義する。なお、測定条件は試長20cm、引張り速
度100%/min、初荷重2mg/デニールで低速伸張法(JIS L
1090)により応力〜伸張曲線をチャートに描かせる。
測定回数は20回で、平均値を算出する。
実施例1 次に示す各種繊維を組合せて、押え糸用のC.S.Yを紡
出し、このC.S.Yを双糸加工した。
コアー部:ポリウレタン弾性糸(東レ・デュポン株式会
社商標;“オペロン”) 20D,30D,70D T−127 カバード部:アクリル短繊維(東レ株式会社商標;“ト
レロン”) 繊度 2.5デニール カット長 76mm クリンプ数 15山/in ドラフト比:3.5倍 紡出番手:1/52 花糸としては、押え糸に用いたアクリル短繊維の1.07
デニール、1.5デニール、3.5デニール等を混合してメー
トル番手1/48の紡績糸を用いた。
2本の押え糸の片側に100D−10Fの低融点ポリアミド
糸(東レ株式会社商標;“エルダー”)を同時給糸し、
撚数400〜600T/mで、花糸のカット長1.7mmおよび2.5m
m、メートル番手1/2.8〜1/1.1の各種シェニール糸を得
た。
次に、上記シェニール糸を105℃、5分間の条件下で
スチームセットを行ない、低融点ポリアミド経を溶融さ
せ花糸と芯糸を仮接着固定処理を行なった。
得られた結果は、第1表のとおりであった。第1表か
らわかるように、実験番号1〜6の脱落率はいずれも0.
3%以下であり、実験番号7〜9のそれは1.54%以上
で、いずれも融着固定が不充分なものであった。すなわ
ち、花糸の単繊維繊度と撚数が融着固定に寄与するもの
であることがわかる。
実施例2 実施例1で用いた花糸に、各種F.T.Yを押え糸とし、
低融点ポリアミド糸30D、50Dを押え糸に併合給糸しつつ
シェニール糸加工を行ない花糸のカット長2.5mm、メー
トル番手1/1.40〜1/1.05の各種シェニール糸を得た。
次に上記シェニール糸を95℃、3分間の条件下でスチ
ームセットを行ない低融点ポリアミド糸を溶融させ押え
糸と花糸の仮接着固定処理を行なった。得られた結果は
第2表のとおりであった。第2表からわかるように、実
験番号10〜15では、熱接着糸のトータルデニールを実験
番号1より半分以下の細い糸にしたのに、脱落率は実験
番号1と同等であったが、実験番号16、17では花糸の単
繊維繊度が太いためか脱落率は悪かった。
実施例3 ポリウレタン弾性糸40Dおよび70D裸糸を押え糸に、花
糸には実施例1およびフィラメント糸としてアクリル長
繊維(旭化成工業株式会社商標;“ピューロン”)100D
−50F(マルチブライト)を用いて実施例2と同一に撚
糸加工およびスチームセットを行ない、伸縮シェニール
糸を得た。
得られた結果は、第3表のとおりであった、実験番号24
〜30はいずれも脱落率は悪かった。
[発明の効果] 以上述べたように本発明によれば、下記のような効果
を奏することができる。
イ)押え糸にポリウレタン弾性糸からなる伸長された被
覆弾性糸を用いることにより、回復性に優れたエラステ
ィック性を有し、かつ耐久性の良い、実用機能性を向上
させた伸縮シェニール糸が得られる。
その結果、風合の柔らかなシェニール糸となり、シェ
ニール織編物にする場合組織目の密度の大きいものが得
られ、かつ長期に使用される家具、建装、壁装、シー
ト、袋物など耐久性を有する用途にも好ましく用いるこ
とができる。
ロ)押え糸の双方、もしくは片方に花糸を融着固定する
ための熱接着性糸を同時給糸することによって、花糸繊
維の抜けにくい伸縮シェニール糸となる。
ハ)しかも、押え糸が伸長された被覆弾性糸であるため
に、熱接着性糸が押え糸および花糸間のどんな空間にも
充填される。すなわち、伸長状態からリラックス状態で
スチームセットを受けることになり、熱接着性糸と花糸
密度がリラックス状態になればなるほど高くなってゆ
き、花糸の拘束力や、仮接着固定が強固なものが得ら
れ、毛抜けの少ない耐久性の優れた、摩耗しにくい伸縮
シェニール糸となる。
ニ)花糸に単繊維繊度1.5デニール以下の繊維を全体に
対して25重量%以上含有する紡績糸、またはフィラメン
ト糸を用いた場合には、表面タッチが極めてソフトで、
毛羽立ち密度の高く、従来の意匠性より極めて優れた伸
縮シェニール糸が得られる。つまり、表面の緻密な高級
品、とくにフィラメント糸使いの場合、スェードもしく
はビロード的な表面光沢を有し独特な高級感のある光沢
の伸縮シェニール糸となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例により伸縮シェニール糸の平
面図であって、第1図(A)は伸長状態を示す側面図、
第1図(B)は弛緩状態を示す側面図、第2図は、第1
図のX−X矢視断面図である。第3図は、本発明に係る
伸縮シェニール糸の強伸度曲線を示すグラフである。 1:花糸束 2:押え糸 2′:押え糸を構成してなる被覆弾性糸のコアー部弾性
糸 3:熱接着性糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−12823(JP,A) 特開 昭58−174645(JP,A) 特開 昭60−231836(JP,A) 特開 昭62−177248(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】花糸を把持する押え糸として、伸縮性を有
    する被覆弾性糸が複数本使用されてなり、かつ、該被覆
    弾性糸の鞘部を構成する被覆繊維と花糸は熱接着性樹脂
    で融着固定されているが、コア部の弾性糸は融着されて
    おらず、該弾性糸の伸長、弛緩が拘束されていないこと
    を特徴とする伸縮シェニール糸。
  2. 【請求項2】該花糸が、単繊維繊度1.5デニール以下の
    繊維を全体に対して25重量%以上含有している紡績糸ま
    たはフィラメント糸である特許請求の範囲第1項記載の
    伸縮シェニール糸。
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