JP2001207356A - 清涼編地 - Google Patents

清涼編地

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JP2001207356A
JP2001207356A JP2000018260A JP2000018260A JP2001207356A JP 2001207356 A JP2001207356 A JP 2001207356A JP 2000018260 A JP2000018260 A JP 2000018260A JP 2000018260 A JP2000018260 A JP 2000018260A JP 2001207356 A JP2001207356 A JP 2001207356A
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Japan
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knitted fabric
ground structure
polytrimethylene terephthalate
yarn
ground tissue
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Hideo Ikenaga
秀雄 池永
Naoki Kataoka
直樹 片岡
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Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運動中における編地の揺れ動き性、振動の持
続性による換気効果により、着用者の平均皮膚温を下げ
ることができ、暑さが軽減され、清涼性、着用快適性に
優れる編地を提供する。 【解決手段】 ポリトリメチレンテレフタレート繊維を
用いた地組織を有する編地であり、該地組織中にポリト
リメチレンテレフタレート繊維が30重量%以上含ま
れ、かつ下記式(1)で定義される地組織の繊維重点度
を表すX値が600〜1300、下記式(2)で定義さ
れる編地の振動減衰率を表すY値が3以下、および該編
地の通気度が100cc/cm2 ・sec以上であるこ
とを特徴とする清涼編地。 X={地組織のコース数(個/inch)+地組織のウエール数(個/inc h)}×√地組織を構成する繊維のデシテックス(dtex)・・(1) Y=2HG(gf/cm)/√G(gf/cm・deg) ・・(2) (ただし、2HGは剪断ヒステリシス、Gは剪断剛性で
ある)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は清涼編地に関し、さ
らに詳しくは、長短距離走用や、サッカー、バスケット
ボール、テニス等ランニングを伴う球技用の衣料に好適
であり、特に暑熱環境下での運動の際に清涼快適性をも
たらすことのできる清涼編地およびランニングウエアに
関する。
【0002】
【従来の技術】暑熱下での運動で汗を多量に生じたと
き、その汗を有効に蒸散できなければ皮膚上にぬれ残っ
て、皮膚をふやけさせて汗腺をふさぐことになる。その
結果生じるのがハイドロメイオーシス現象であり、この
現象が起こると発汗作用が正常に働かなくなるため、人
間の体温上昇を免れない。体温が上昇すると暑く不快と
なるとともに運動持久力が大きく低下する。
【0003】従来、機能性ランニングウエアにおける汗
処理機能、清涼性や着用快適性の向上は、親水性繊維を
用いる、繊維を親水化処理して吸水性を持たせる、繊維
の断面形状の効果による毛細管現象を利用して吸水性を
高める(特公平6−80217号公報)、編地の肌側と
外気側で編密度を変え吸水性を高める(特開平9−41
245号公報)、生地と肌側の組織を凹凸化することに
よりべたつき防止する、繊維の熱伝導率を考慮して接触
冷感や放熱性を向上させる、等の方法により行われてい
る。しかしながら、これらの方法では編地の静的な定常
状態での性能を基に設計されており、人の運動に伴って
編地も動くという点が考慮されていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
従来の問題点を考慮し、実際の運動中におけるシャツの
揺れ動き性、振動の持続性による換気効果で、運動で生
じる産熱、汗を有効に衣服外に放出させ、かつその際に
奪われる蒸発熱で着用者の平均皮膚温を下げることがで
き、暑さが軽減されて運動持久力を向上させることがで
きる清涼性、着用快適性に優れた清涼編地およびランニ
ングウエアを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について鋭意検討し、編地を構成する繊維の種類、編密
度、組織、構造等と、編地をランニングシャツにしたと
きの着用テストによる生理データおよび着用快適性との
関係から、編地の構造を特定し、編地の振動減衰率を下
げ、さらに編地の通気度を限定することによって、該編
地をランニングウエアとして着用した場合、着用者の運
動産熱をウエアの揺れ動き性、振動の持続性による換気
によって有効に奪い、平均皮膚温を下げ、清涼性および
着用快適性を高めることができることを見出し、本発明
に到達したものである。
【0006】すなわち、本発明は以下のとおりである。 (1)ポリトリメチレンテレフタレート繊維を用いた地
組織を有する編地であり、該地組織中にポリトリメチレ
ンテレフタレート繊維が30重量%以上含まれ、かつ下
記式(1)で定義される地組織の繊維重点度を表すX値
が600〜1300、下記式(2)で定義される編地の
振動減衰率を表すY値が3以下、および該編地の通気度
が100cc/cm2 ・sec以上であることを特徴と
する清涼編地。 X={地組織のコース数(個/inch)+地組織のウエール数(個/inc h)}×√地組織を構成する繊維のデシテックス(dtex)・・(1) Y=2HG(gf/cm)/√G(gf/cm・deg) ・・(2) (ただし、2HGは剪断ヒステリシス、Gは剪断剛性で
ある) (2)(1)に記載の編地からなるランニングウエア。
【0007】以下、本発明について詳細に説明するが、
本発明における清涼編地は、特に運動時にウエアを着用
した場合、人体の運動によってウエアも振動することを
利用したものであり、運動による編地の揺れ動き性、振
動の持続性により、衣服内の換気と熱交換がスムーズに
行われ、汗の蒸発熱が効率的に奪われるため、皮膚温の
上昇を抑えることができ、清涼快適性をもたらすことが
できる。本発明における清涼編地は、ポリトリメチレン
テレフタレート繊維を用いた地組織を有する編地であ
り、該地組織中にポリトリメチレンテレフタレート繊維
が30重量%以上、好ましくは40重量%以上、さらに
好ましくは50重量%以上含まれる。地組織にポリトリ
メチレンテレフタレート繊維を用いることにより、ポリ
トリメチレンテレフタレート繊維の柔軟性により、人体
の動きによって揺れ動き易い編地とすることができる。
【0008】ここで地組織とは、緯編ならば天竺、ゴム
編等、経編ならばデンビ、コード等、基本的にニットル
ープの連なりによって形成された組織であり、編地の基
本的な引張強度伸度、曲げ剛性等の物性を司り、それの
みでも編地が形成される組織部分をいう。パイル組織、
浮き糸組織、挿入組織等、単独で編地を構成できない組
織は含まないが、ニットループの連なりの中に部分的に
タックループやウエルトループが含まれていても良い。
【0009】本発明において、ポリトリメチレンテレフ
タレート繊維とは、トリメチレンテレフタレート単位を
主たる繰り返し単位とするポリエステル繊維をいい、ト
リメチレンテレフタレート単位を約50モル%以上、好
ましくは70モル%以上、さらには80モル%以上、さ
らに好ましくは90モル%以上のものをいう。従って、
第三成分として他の酸成分及び/又はグリコール成分の
合計量が、約50モル%以下、好ましくは30モル%以
下、さらには20モル%以下、さらに好ましくは10モ
ル%以下の範囲で含有されたポリトリメチレンテレフタ
レートを包含する。
【0010】ポリトリメチレンテレフタレートは、テレ
フタル酸又はその機能的誘導体と、トリメチレングリコ
ール又はその機能的誘導体とを、触媒の存在下で、適当
な反応条件下に縮合せしめることにより製造される。こ
の製造過程において、適当な一種又は二種以上の第三成
分を添加して共重合ポリエステルとしてもよいし、又、
ポリエチレンテレフタレート等のポリトリメチレンテレ
フタレート以外のポリエステル、ナイロンとポリトリメ
チレンテレフタレートを別個に製造した後、ブレンドし
たり、複合紡糸(鞘芯、サイドバイサイド等)してもよ
い。
【0011】添加する第三成分としては、脂肪族ジカル
ボン酸(シュウ酸、アジピン酸等)、脂環族ジカルボン
酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボ
ン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸
等)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2
−プロピレングリコール、テトラメチレングリコール
等)、脂環族グリコール(シクロヘキサンジオール
等)、芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4−ビス
(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、ポリエーテ
ルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール等)、脂肪族オキシカルボン酸(ω−オキ
シカプロン酸等)、芳香族オキシカルボン酸(P−オキ
シ安息香酸等)等が挙げられる。又、1個又は3個以上
のエステル形成性官能基を有する化合物(安息香酸等又
はグリセリン等)も重合体が実質的に線状である範囲内
で使用出来る。
【0012】さらに、二酸化チタン等の艶消剤、リン酸
等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外
線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑
剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃
剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤
等が含有されていてもよい。本発明においてポリトリメ
チレンテレフタレート繊維の紡糸については、1500
m/分程度の巻取り速度で未延伸糸を紡糸して得た後、
2〜3.5倍程度で延撚する方法、紡糸−延撚工程を直
結した直延法(スピンドロー法)、巻取り速度5000
m/分以上の高速紡糸法(スピンテイクアップ法)の何
れを採用しても良い。
【0013】繊維の断面の形状は、丸型、三角、L型、
T型、Y型、W型、八葉型、偏平、ドッグボーン型等の
多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。さ
らにポリトリメチレンテレフタレート繊維の形態として
は、マルチフィラメント原糸(極細糸を含む)、仮撚糸
(POYの延伸仮撚糸を含む)、撚糸(甘撚糸〜強撚
糸)、インターレース加工糸、流体攪乱加工糸等を用い
ることができるが、マルチフィラメント原糸が編地の揺
れ動き性、振動の持続性を増す上で好ましい。
【0014】本発明において地組織に用いるポリトリメ
チレンテレフタレート繊維は、本発明の目的を損なわな
い範囲内で、糸複合や交編等により地組織内で他素材と
混用されていてもよい。糸複合の場合はエアー混繊、交
撚、複合仮撚(同時仮撚、伸度差仮撚等)、流体攪乱加
工等の手段で他素材を混用することができる。交編の場
合は、緯編であれば、ポリトリメチレンテレフタレート
繊維と交編する他素材を異なる給糸口から供給する方法
や、同一の給糸口から引き揃えて供給する方法等で交編
することができ、また、経編であれば、ポリトリメチレ
ンテレフタレート繊維と他素材を異なる筬に配置して供
給する方法や、同一の筬に1本交互や2本交互等に配置
して供給する方法等で交編することができる。
【0015】本発明における清涼編地は、地組織を構成
する繊維のデシテックスと地組織密度の関係で示され、
上記式(1)で定義される地組織の繊維充填度を表すX
値が600〜1300、好ましくは700〜1100で
あることが必要である。このX値が1300を越える
と、すなわち糸の太さに対してコース数とウェール数の
和が多すぎると、編目が詰まりすぎるため、編地が硬く
揺れ動き性が低下する。一方、X値が500未満では、
すなわち、糸の太さに対してコース数とウェール数の和
が小さすぎる場合は、編目の隙間が大きく揺れ動き易く
なるが、編目がルーズになり過ぎるためスナッグ等の物
性低下が生じ、スポーツウエアには不向きな編地とな
る。
【0016】また、地組織を構成する繊維のデシテック
スは、2種類以上の繊維が引き揃え編み等で重なって地
組織のニットループを構成している際は、それぞれの繊
維のデシテックスの和で示され、また、2種類以上の繊
維が交編等で地組織の異なるニットループを構成してい
る場合は、それぞれの繊維糸条のデシテックスの平均値
(混率を積算したもの)で示される。また、本発明にお
ける清涼編地は、上記式(2)で定義される編地の振動
減衰率を表すY値が3以下であり、好ましくは2.5以
下である。このY値が3以下では、編地の振動が長く続
くため、熱交換と換気がスムーズに行われ、その結果、
皮膚温の上昇を抑えることができる。Y値が3を越える
と振動が長続きせず、熱交換と換気がスムーズに行われ
なくなり、平均皮膚温の上昇をもたらす。
【0017】さらに本発明における清涼編地は、通気度
が、100以上好ましくは150以上である。編地の通
気度が100未満では、運動時にウエアとして用いた場
合に通気による熱交換が充分に行われず、清涼なウエア
とならない。本発明において、編地の編組織はとくに限
定されず、天竺編やゴム編などの緯編でも、デンビ組織
やコード組織等の経編でもよく、またシングル編でもダ
ブル編でもよく、基本的にニットループが連なって形成
された地組織が編地の基本構造をなしていればよい。地
組織単独で編地が構成されていてもよく、その他の組織
(パイル組織、浮き糸組織、挿入組織等)と複合化され
ていてもよい。編地の揺れ動き易さを良好にする点か
ら、編地中の地組織の割合は、編地重量の40重量%以
上であることが好ましく、また、編地中のポリトリメチ
レンテレフタレート繊維の割合は20重量%以上である
ことが好ましい。より好ましくは30重量%以上であ
る。
【0018】また、本発明の清涼編地の編組織は単層構
造でもよく多層構造でもよい。ここでいう多層構造と
は、見かけ上2種類以上の組織が層状態で重ね合わされ
一枚の編地が形成されている構造、1種類の組織でも引
き揃え編等により2種以上の繊維が層構造に形成されて
いる構造等をいい、編地の地組織の反対面に凹凸のある
組織やパイル組織を複合させたり、編地の表面と裏面を
異繊維にした多層構造等を用いることができる。またス
パンデックス等の弾性繊維を組み合わせたストレッチ性
のある編組織を用いることもできる。好ましい編組織
は、編地の地組織面がニットループによるプレーンな構
造をしているものであり、これにより振動が均等に伝わ
り長続きしやすい。
【0019】本発明において、ポリトリメチレンテレフ
タレート繊維を用いた地組織に混用する繊維や、地組織
以外の組織に用いる繊維はいかなる繊維でも構わず、ポ
リエステル、ナイロン、アクリル、ポリウレタン等の合
成繊維や、綿、ウール、麻、絹等の天然繊維、キュプ
ラ、レーヨン、アセテート、ポリノジック、リヨセル等
の人造セルロース繊維、ポリトリメチレンテレフタレー
ト繊維等を用いることができる。これらの繊維の形態は
フィラメント原糸、加工糸(仮撚糸、撚糸、インターレ
ース加工糸、流体攪乱加工糸等)、複合加工糸(インタ
ーレース混繊、流体撹乱加工、複合仮撚、合撚等)、紡
績糸等のいずれを用いても良いが、地組織に混用する繊
維はマルチフィラメント原糸が編地の揺れ動き性、振動
の持続性を増す上で好ましい。
【0020】本発明の清涼編地を構成する繊維の太さ
は、一般的な衣料に用いられる太さであれば特に制限は
なく、マルチフィラメントの場合は22dtx〜167
dtx、紡績糸の場合は30s〜100s(綿番手)が
好ましい。単糸デシテックスは0.56〜5.6デシテ
ックス程度を用いることができるが、編地の柔軟性を向
上させるためには0.56〜2.5デシテックスがより
好ましい。尚、本発明の清涼編地はランニングウエアと
して好適に用いることができる。ここにいうランニング
ウエアとは長時間から短時間まで、ランニングを伴うス
ポーツを行う際に着るウエア全般のことを示し、一般に
いうランニングシャツやランニングパンツ等、長距離走
や短距離走、ジョギング等のランニングを行う際に着る
ウエアや、サッカー、バスケット、バレー、卓球、テニ
ス等ランニングを伴う球技を行う際に着るウエアのこと
をいうものであり、シャツやパンツ等のいずれのアイテ
ムに用いてもてもよく、部分使いであってもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明を実施例などによりさらに
具体的に説明するが、本発明は実施例などにより何ら限
定されるものではない。なお、実施例において使用した
ポリトリメチレンテレフタレート繊維は、次のようにし
て準備した。即ち、ηsp/c=0.8のポリトリメチ
レンテレフタレートを紡糸温度265℃、紡糸速度12
00m/分で紡糸して未延伸糸を得、次いで、ホットロ
ール温度60℃、ホットプレート温度140℃、延伸倍
率3倍、延伸速度800m/分で延撚して、40dte
x/24f、56dtex/24fの延伸糸を得た。延
伸糸の強度伸度、弾性率並びに10%伸長時の弾性回復
率は、40dtex/24fの延伸糸が3.0g/dt
ex、42.5%、26.2g/dtex並びに99
%、56dtex/24fの延伸糸が2.9g/dte
x、42.0%、27.1g/dtex並びに99%で
あった。
【0022】尚、10%伸長時の弾性回復率は、試料に
0.009g/dtexの初荷重をかけ、毎分20%の
伸びの一定割分の速度で伸ばし、伸度10%になったと
ころで今度は逆に同じ速度で収縮させて、応力−歪曲線
を画く。収縮中、応力が初荷重と等しい0.009g/
dtexにまで低下した時の残留伸度をLとすると、下
記式で算出する。 10%伸長時の弾性回復率=〔(10−L)/10〕×
100(%) 又、ηsp/cはポリマーを90℃でo−クロロフェノ
ールに1g/デシリットルの濃度で溶解し、その後、得
られた溶液をオストワルド粘度管に移し35℃で測定
し、下記式により算出した。 ηsp/c=(T/T0 −1)/C T :試料溶液の落下時間(秒) T0 :溶剤の落下時間(秒) C :溶液濃度(g/デシリットル)
【0023】また、実施例で用いた編地の精練、吸水加
工、ファイナルセットは以下の方法で行った。 (a)精練 温度×時間 80℃×20min 精練剤 スコアロール(花王製) 2g/L (b)吸水加工 温度×時間 95℃×30min 吸水剤 SR−1805M(高松油脂) 5%owf (c)ファイナルセット 温度×時間 180℃×0.5min
【0024】また、編地性量、編地特性、及び着用快適
性は以下の方法を用いて測定、評価し、表1にまとめて
示した。 (1)編地性量、編地特性の測定 20℃65%の環境に保たれた恒温室に編地を一昼夜保
管した後、同じく恒温室内で測定を行った。通気度及び
KES測定に関しては20cm角にカットして測定を行
った。 せん断剛性G(gf/cm・deg):カトーテック
(株)KES−F1を用いて高感度で測定を行った。但
し、φ=0.5°で測定した。数値は経緯の平均値を用
いた。 せん断ヒステリシス2HG(gf/cm):と同様
にして測定した。数値は経緯の平均値を用いた。 通気度(cc/cm2 ・sec):JIS−L−10
96(A法空気量法)に準じた。 スナッグ(級):JIS−L−1096(金ノコ法
5時間)
【0025】(2)着用快適性の評価 編地をシャツに縫製した。次に着用モニター(身長17
5cm±5cm男性、年齢19〜23才、大学体育会テ
ニス部所属、標準体型)を10人選定し、そのモニター
各々に明細を伏せて試作シャツを一日一枚配布した。各
モニターには各人それぞれ、25℃*65%の予備試験
室にて15分座位で安静にさせ、30℃*70%の試験
室に移動させた。上下着替えの後(下衣は綿100%の
下着、エステル/綿=65/35のテニス用短パン、綿
/ポリウレタン使いの靴下に統一した。)5分座位で安
静にし、そして10km/hに設定されたルームランナ
ーで20分間の運動をさせ、その後5分座位で安静にし
て試験終了とした。
【0026】着替えの際には、モニターの右胸、上腕、
大腿、下腿の各々決められた位置に熱電対温度センサー
を絆創膏で貼り付け、運動前安静開始から運動後安静終
了までの間、20秒毎に温度データを取り込んだ。その
データのうち運動開始から運動停止までのデータを各人
(例えばモニターA)各サンプルについて区間平均を行
った。平均皮膚温は個体差を考慮し、各人の全サンプル
のデータにより、各人(例えばモニターA)の標準偏差
を取り、基準化を行った。尚、基準化のデータは、以下
のように算出した。ここではモニターAのサンプル1〜
5について算出することを想定した例を示した。 (例) サンプル1の平均皮膚温(基準化データ)=(Z1 −X
1-5 )/Y1-5 但し、 X1-5 :モニターAの平均皮膚温のサンプル1〜5の平
均値 Y1-5 :モニターAの平均皮膚温のサンプル1〜5の標
準偏差 Z1 :サンプル1の区間平均値
【0027】なお、着用アンケートは各人に運動前安静
から1分ごとに暑さの点数申告を依頼し、その点数を運
動開始から運動停止間平均化し、採点の基準は以下のよ
うにした。 快適 ・・・5点 :汗をほとんどかいていない状態で非常に清涼。 やや快適 ・・・4点 :脇等に少々汗ばむ状態だが清涼。 やや不快 ・・・3点 :額、手、首などに汗がにじむ状態でやや暑く不快。 不快 ・・・2点 :汗が流れ始める状態で、かなり暑く不快。 非常に不快・・・1点 :汗が多量に流れ、非常に暑くに不快。
【0028】
【実施例1、比較例1】28ゲージのトリコット編機を
用い、56デシテックス24フィラメントのポリトリメ
チレンテレフタレート繊維をall inの配列でフロ
ント筬に配し、84デシテックス36フィラメントのポ
リエステル仮撚加工糸を1in3outの配列でミドル
筬とバック筬に配して、フロント筬を閉じ目1針振りの
二目編組織で、ミドル筬、バック筬を3針振り/(3コ
ース)で互いに逆方向に最大3針振りながらジグザグ状
に挿入する挿入組織で、編地密度が異なる2水準の編地
を作製した。これらの編地に精錬、吸水加工、ファイナ
ルセットを施し、ポリトリメチレンテレフタレート繊維
が地組織を形成し、ポリエステル仮撚加工糸が挿入組織
を形成した編地I、IVを得た。これらの編地をシャツ
に縫製し、モニター着用試験を行った結果、編地I、I
Vは共に揺れ動きやすく振動の持続性も高いため、平均
皮膚温が低く着用快適性の高い編地であったが、編地I
Vはスナッグの物性が悪いものであった。
【0029】
【実施例2】56デシテックス24フィラメントのポリ
トリメチレンテレフタレート繊維と56デシテックス2
4フィラメントのポリエステル繊維を1本交互でフロン
ト筬に配した以外は、実施例1の編地Iと同様の糸使
い、編組織、編地密度にて編地を作製した。該編地に精
錬、吸水加工、ファイナルセットを施し、ポリトリメチ
レンテレフタレート繊維とポリエステル繊維が1:1の
割合でが地組織を形成し、ポリエステル仮撚加工糸が挿
入組織を形成した編地IIを得た。本編地をシャツに縫
製し、モニター着用試験を行った結果、揺れ動きやすく
振動の持続性も高いため、平均皮膚温が低く着用快適性
の高い編地であった。
【0030】
【実施例3】28ゲージのトリコット編機を用い、40
デシテックス24フィラメントのポリトリメチレンテレ
フタレート繊維を3in1outの配列でバック筬に配
し、84デシテックス36フィラメントのポリエステル
仮撚加工糸を1in3outの配列でミドル筬に配し、
33デシテックス24フィラメントのポリエステル繊維
を3in1outの配列でフロント筬に配し、フロント
筬とバック筬を互いに逆方向に閉じ目1針振り(4コー
スに一度3針振り)で8コース/1リピートのメッシュ
調組織で、ミドル筬を1針振り/1コースでジグザグ状
に挿入する挿入組織の編地を作製した。これらの編地に
精錬、吸水加工、ファイナルセットを施し、ポリトリメ
チレンテレフタレート繊維とポリエステル繊維がメッシ
ュ調の地組織を形成し、ポリエステル仮撚加工糸が挿入
組織を形成した編地III得た。本編地をシャツに縫製
し、モニター着用試験を行った結果、揺れ動きやすく振
動の持続性も高いため、平均皮膚温が低く着用快適性の
高い編地であった。
【0031】
【比較例2】56デシテックス24フィラメントのポリ
エステル繊維をフロント筬に配した以外は実施例1の編
地Iと同様の糸使い、編組織、編密度の編地を作製し
た。該編地に精錬、吸水加工、ファイナルセットを施
し、ポリエステル繊維が地組織を形成し、ポリエステル
仮撚加工糸が挿入組織を形成した編地Vを得た。本編地
をシャツに縫製し、モニター着用試験を行った結果、揺
れ動いた際の振動の持続性が低いため、平均皮膚温が高
く着用快適性の低い編地であった。
【0032】
【比較例3】56デシテックス24フィラメントのポリ
トリメチレンテレフタレート繊維を用い、36ゲージト
リコット編機によりハーフトリコット編地を作製し、精
練、吸水加工、ファイナルセットを行い編地VIを得
た。本編地をシャツに縫製し、モニター着用試験を行っ
た結果、揺れ動き難く通気も低いため、平均皮膚温が高
く着用快適性の低い編地であった。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明の清涼編地は、運動中における編
地の揺れ動き性、振動の持続性による換気効果により、
着用者の平均皮膚温を下げることができ、暑さが軽減さ
れ、清涼性、着用快適性に優れる。
フロントページの続き Fターム(参考) 3B029 HA01 HB03 4L002 AA07 AB02 AB04 BA01 BA02 BA06 CA01 CA04 DA00 EA00 EA02 FA03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリトリメチレンテレフタレート繊維を
    用いた地組織を有する編地であって、該地組織中にポリ
    トリメチレンテレフタレート繊維が30重量%以上含ま
    れ、かつ下記式(1)で定義される地組織の繊維重点度
    を表すX値が600〜1300、下記式(2)で定義さ
    れる編地の振動減衰率を表すY値が3以下、および該編
    地の通気度が100cc/cm2 ・sec以上であるこ
    とを特徴とする清涼編地。 X={地組織のコース数(個/inch)+地組織のウエール数(個/inc h)}×√地組織を構成する繊維のデシテックス(dtex)・・(1) Y=2HG(gf/cm)/√G(gf/cm・deg) ・・(2) (ただし、2HGは剪断ヒステリシス、Gは剪断剛性で
    ある)
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の編地からなるランニン
    グウエア。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002235263A (ja) * 2001-02-08 2002-08-23 Unitica Fibers Ltd 防風性に優れたソフトな風合いの編物及びその製造方法
JP2003159273A (ja) * 2001-11-26 2003-06-03 Cogit:Kk 局部引き締め用装着具
JP2009138310A (ja) * 2007-12-10 2009-06-25 Toyobo Co Ltd 着用運動時の冷却感に優れる生地
JP2014058758A (ja) * 2012-09-19 2014-04-03 Toyobo Stc Co Ltd 接触冷感に優れる編物

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