JPWO2018066565A1 - 経編地 - Google Patents
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Abstract
Description
このように、セルロース繊維と弾性糸を交編したストレッチ性のある経編地において、着用時に冷感性、吸湿性や吸汗性に優れ、さらに、裁断したままで縫製することなく衣服とする、裁ち放し可能な編地は、現状では見当たらない。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[2]前記第1の筬に由来する合成繊維の編組織は、デンビー組織又はコード組織である、前記[1]に記載の経編地。
[3]前記第3の筬に由来する弾性糸の1完全コースは4コース以上のものである、前記[1]又は[2]に記載の経編地。
[4]前記第2の筬に由来するセルロース繊維と前記第3の筬に由来する弾性糸の編組織は同じである、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の経編地。
[5]前記第1の筬に由来する合成繊維の編組織は、4コースアトラス組織である、前記[1]に記載の経編地。
[6]前記第3の筬に由来する弾性糸の編組織は、デンビー組織である、前記[5]に記載の経編地。
[7]前記第1の筬がフロント筬であり、第2の筬がミドル筬であり、かつ、第3の筬がバック筬であるか、又は前記第1の筬がフロント筬であり、第2の筬がバック筬であり、かつ、第3の筬がミドル筬であるかのいずれかである、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の経編地。
[8]前記第2の筬に由来するセルロース繊維の編組織は、ルーピングと挿入を繰り返す組織である、前記[1]〜[3]、[5]、及び[6]のいずれかに記載の経編地。
[9]以下の式:
ランナー比 = 前記第1の筬に由来する合成繊維のランナー長 / 前記第2の筬に由来するセルロース繊維のランナー長
で表されるランナー比が1.7〜3.5である、前記[1]、及び[5]〜[8]のいずれかに記載の経編地。
本実施形態の経編地は、第1の筬に由来する合成繊維、第2の筬に由来するセルロース繊維、及び第3の筬に由来する弾性糸により編成された経編地であって、該経編地を構成する1完全コース中に存在するウェール間に渡る該合成繊維のシンカーループと該弾性糸のシンカーループとが交差する交差点の数の該1完全コース数に対する割合が50%以下であることを特徴とする。
本実施形態の経編地はこれらの特徴を有することにより着用時冷感に優れるため、これを配して、暑熱環境時の着用時、冷感に優れる衣服とすることができる。セルロース繊維としては、非制限的に、例えば、レーヨン、キュプラ、竹繊維等の再生セルロース繊維、絹等の天然セルロース繊維の長繊維であって、繊維の太さとして30〜90dtex(デシテックス:以下同じ記号とする)のものを使用することができる。
合成繊維としては、非制限的に、ポリエステル、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリプロピレン等の合成繊維が挙げられ、これらのブライト糸、セミダル糸、フルダル糸等任意に使用でき、繊維の断面形状も丸型、楕円型、W型、繭型、中空糸等任意な断面形状の繊維の使用が可能であり、繊維の形態についても特に限定されず、原糸、又は、仮撚等の捲縮加工糸が使用できるが、冷感に優れる原糸使いが好ましい。さらに、2種以上の繊維を撚糸、カバーリング、エアー混繊等により混合した複合糸としての使用も可能である。これら合成繊維の太さは、20〜110dtの繊維が使用できる。
本実施形態の経編地では、弾性糸に無機物質を含有することがき、含有する無機物質の性能を加味した編地とすることができる。例えば、酸化チタンを含有させると、熱伝導性に優れる弾性糸となり、編地製造により接触冷感に優れる編地が製造できる。無機物質の弾性糸へ含有させる方法については、弾性糸の紡糸原液に無機物質を含有させて紡糸する方法が最も簡単である。無機物質とは、酸化チタン等のセラミックス等、熱伝導性に優れる無機化合物が挙げられ、弾性糸の紡糸の障害とならない微粉末状が好ましい。これら無機物質を弾性糸に1〜10重量%含有していることが好ましく、無機物質を含有することにより、冷却性が向上する編地となるが、無機物質の含有量が、少なすぎると冷却効果が小さく、多すぎると紡糸時や伸長時に糸切れすることがあるため、1〜10重量%の含有が好ましく、より好ましくは2〜5重量%の含有である。
第1の筬の合成繊維をフロント筬、第2筬のセルロース繊維をミドル筬、第3の筬の弾性糸をバック筬とした際のループ状態を観察すると、編地のシンカーループ面では、弾性糸と、合成繊維及びセルロース繊維とが交差する部分であり、バック筬の弾性糸のシンカーループを跨いで湾曲した状態でミドル筬のセルロース繊維のシンカーループが位置しており、さらに、ミドル筬の上にフロント筬の合成繊維が位置することになり、フロント筬の合成繊維の湾曲は、ミドル筬のセルロース繊維の湾曲よりかなり大きくなる。そのため、特に編地伸長時に大きく湾曲している合成繊維が直線状になろうとする力が大きくて編地にカールが発生してしまう。この編地伸長時には、セルロース繊維も湾曲が直線状になろうとするが、編地のカールへの寄与率は合成繊維より湾曲が小さいためかなり小さい。従って、フロント筬の合成繊維のシンカーループとバック筬の弾性糸のシンカーループとの交差点を制御すれば、編地のカールを抑制することができる。また、第2の筬のセルロース繊維をバック筬に、第3の筬の弾性糸をミドル筬とした際も、カールの抑制は、弾性糸のシンカーループと合成繊維のシンカーループとの交差点を抑制することにより可能である。
交差点の割合=(交差点:4カ所)÷(1完全コース中に存在するウェール間に渡る合成繊維のシンカーループ数:8本)
により、交差点の割合は、50%となる。尚、図12は前記例の交差点を図示したもので、合成繊維aの組織と弾性糸bの組織との交差点cは1完全コース中に4カ所である。また、編地を構成する1完全組織中のシンカーループ数が、合成繊維と弾性糸とで異なる場合、合成繊維のシンカーループ数か、弾性糸のシンカーループ数のどちらか多い方を基準に、それぞれのシンカーループの交差点数から交差点の数の該1完全コース数に対する割合を求める。
さらに、第1の筬の合成繊維の組織としては、4コースアトラス組織が好ましく、例えば、図5に示す閉じ目と開き目の組み合わせた4コースアトラス組織、図6に示す閉じ目のみの4コースアトラス組織、あるいは、全て開き目の4コースアトラス組織が好ましく、これにより、編地に良好な伸縮性を付与することが可能となる。
尚、第1の筬の合成繊維が4コースアトラス組織である場合は、通常では第3の筬の弾性糸も4コースアトラス組織とするが、セルロース繊維が交編されているため経方向と緯方向の伸縮性のバランスが崩れやすく、着用感が良くない場合がある。その為、第1の筬の合成繊維が4コースアトラス組織である場合には、第3の筬の弾性糸はデンビー組織とする、ストレッチバランス編みとすれば伸縮性バランスの良好な編地となり好ましい。
さらに、第2の筬のセルロース繊維の組織として、例えば、編組織が図9に示す、10/22//、図10に示す10/33//、あるいは、10/11/12/11//のようにルーピングと挿入を繰り返す組織であることが好ましい。さらには、00/22//や、00/11/22/11//のように、挿入のみの組織も可能であり、この場合、セルロース繊維は編成中に糸切れが生じやすいため、50dtex以上の繊度のセルロース繊維の使用が好ましく、また、バック筬に配置するのが好ましい。さらに、ルーピングの組織は、図11に示す01/22//のように開き目であってもよい。無論、合成繊維、あるいは、弾性糸との組織タイミングは任意で、例えば、第1の筬の合成繊維が10/23//であり、第3の筬の弾性糸が10/12//の場合、第2の筬のセルロース繊維の組織は、10/22//や、22/10//等、任意に選択できる。
さらに、本実施形態の経編地では、インナーの裾等、実際の着用時に編地は伸長されるが、着用中は伸長緩和された状態となり、編地伸長時にカールが小さい事が重要であるが、伸長緩和時にもカールが生じないことがより重要である。しかし、セルロース繊維が編地のカールへの寄与率は合成繊維より湾曲が小さいためかなり小さいものの、合成繊維のシンカーループと弾性糸のシンカーループの交差点の割合が50%程度である際に、特に、セルロース繊維がルーピングと挿入を繰り返す組織や、挿入のみの場合、組織的に不安定なためか伸長緩和時にカールが大きくなることがある。そこで、これらの解消について検討した結果、本発明者らは、通常の編地におけるランナー(480コース当たりの糸長)よりも短くすることが伸長緩和時のカール抑制に効果的であることを見出した。すなわち、第2の筬のセルロース繊維の組織がルーピングと挿入を繰り返す組織、あるいは、挿入のみである場合、第1の筬の合成繊維と第2の筬のセルロース繊維との下記式により求められるランナー比が1.7〜3.5となるよう設定する。特に該ランナー比は、第1の筬の合成繊維がデンビー組織、アトラス組織等、すべてのコースでルーピングし、1針振りの組織であり、第2の筬のセルロース繊維がルーピングと挿入を繰り返す組織や、すべてのコースを挿入組織とする場合に、該ランナー比を1.7〜3.5とすれば本発明の目的が有効に達成可能となる。なお、ランナー比が、1.7未満の場合は、セルロース繊維のシンカーループが長くなり、合成繊維のシンカーループの湾曲がより大きくなってカールし易くなり、逆に、3.5より大きい場合は、セルロース繊維に糸切れが生じ編成不可能となる。従って、第1の筬の合成繊維と第2の筬のセルロース繊維とのランナー比は1.7〜3.5とし、好ましくは1.9〜3.2とすれば、編地伸長緩和時にもカールのしにくい編地となる。
ランナー比 = 合成繊維のランナー長 / セルロース繊維のランナー長 …式(1)
また、本実施形態の経編地については、編組織のループ構造についても任意であり、閉じ目、開き目、閉じ目と開き目の組み合わせが選定できるが、フロント筬の合成繊維の組織は、開き目のデンビー組織又は開き目のコード組織であることが好ましく、ミドル筬のセルロース繊維の組織は、閉じ目のループ構造が好ましい。
本実施形態では、冷感を得る編地とするために編地の目付、及びセルロース繊維の混率も重要であり、これらを適正な範囲にすることにより、所望の効果がより発揮されやすい。
本実施形態においては、編地の目付は150〜250g/m2であり、かつ、セルロース繊維の混率が15〜45%であることが好ましい。編地の目付けが大き過ぎると、編地の放熱性が低下して冷感を感じず、目付が小さ過ぎると、編地の破裂強度低下となり実着用上問題となる。それゆえ、編地の目付は、好ましくは150〜250g/m2であり、より好ましくは160〜240g/m2であることができる。また、セルロース繊維の混率については、セルロース繊維の混率が高くなり過ぎると、冷感性は向上する傾向にあるが、湿摩擦堅牢度等実用上の問題が生じ、セルロース繊維の混率が低過ぎると、冷感性も低下してしまう。それゆえ、セルロース繊維の混率は、好ましくは15〜45%であり、より好ましくは20〜40%となるように、セルロース繊維の繊度、合成繊維の繊度、弾性糸の繊度等の編地設計を行うことができる。尚、セルロース繊維の混率測定は、各繊維の繊度とランナー長が分かっている場合はその数値より計算して求めればよいが、繊度とランナー長が不明の場合は、セルロース繊維以外の繊維を溶解等で取り除く方法、あるいは、最初に編地の重量(目付)を測定し、その後、弾性糸を溶解して編地の重量を測定して弾性糸のみの目付を計算し、編地の目付から弾性糸の目付を減算して非弾性糸の目付を求め、その後、セルロース繊維のランナー長と繊度を測定して、合成繊維との比でセルロース繊維のみの目付、混率を計算する、等の方法により求めることができる。
本実施形態の経編地は、トリコット、ラッセルの経編機により製造可能であり、これらの、シングル経編機により製造することができる。編機のゲージについては、任意なゲージの編機が使用可能であるが、20〜40ゲージ程度の編機の使用が好ましく、ゲージが粗いと編地の審美性が良くなく、編機のゲージが40ゲージよりハイゲージになると編地密度が増加し、また、伸縮性が不良となるため、本発明の効果が発揮し難くなる。また、裁ち放し可能な編地とするには、ゲージが粗いと裁断端のホツレが発生するため、28〜32ゲージの経編機の使用が好ましい。
本実施形態の経編地の染色仕上げ方法としては、通常の染色仕上げ工程が使用でき、使用する繊維素材に応じた染色条件とし、使用する染色機も液流染色機、ウインス染色機、パドル染色機など任意の使用が可能であり、吸水性や柔軟性を向上させる加工剤を使用することもできる。
限定されるものではない。尚、実施例における評価は以下の方法により行なった。以下の実施例1〜8は、第1の筬の合成繊維は2針振り以下のジグザグ編みの例であり、そして実施例9と10はストレッチバランス編みの例である。
20℃65%RH環境下において調湿された8cm×8cmに裁断された編地のシンカーループ側を、カトーテック社製KES−F7−11にて、環境温度+10℃に温められた該装置の熱板を編地のシンカーループ側に置いた時の最大の熱移動量(W/m2・℃)を測定した。
第1の筬の合成繊維の組織と第3の筬の弾性糸の組織を組織図として描き、それぞれの組織図を重ね合わせて、合成繊維のシンカーループと弾性糸のシンカーループとの交差点を特定した。
裁ち放し性を編地のカールで評価する事にし、サンプリング、評価を次の方法にて行った。
編地のウェールに沿って経方向に20cm間裁断し、幅方向も20cmの大きさで裁断して20cm×20cmの大きさの編地として水平な机上に置き、次いで、経方向の両端を指で把持して80%伸長し、その時の経方向に生じるカールの角度を図13のように、水平な編地(1)に接する直線(2)と、伸長した編地の端部に接する直線(3)とが交わるカール角度(d)を測定し、以下の判定基準によりカール性を評価した:
◎ : カール角度が30度以下で、裁ち放し製品とするのに全く問題ない
○ : カール角度が30度より大きく、60度以下で裁ち放し製品が可能
△ : カール角度が60度より大きく、90度以下で裁ち放し製品は難しい
× : カール角度が90度より大きく、裁ち放し製品とすることができない。
尚、上記判定基準において、◎、○は、編地裁断部のカール発生が極めて少なく、裁ち放し製品とすることが可能である。
前記(3)で評価した編地を経方向に80%伸長し、すぐ緩和して水平な机上に放置して5分後のカール角度を(3)の方法により測定、評価した。
尚、伸長緩和カールが60度以下であれば、特に裁ち放し性に優れている。
編地中の合成繊維とセルロース繊維を、同じコースの長さで抜き出し、それぞれの繊維に0.1gの荷重をかけて長さを測定し、式(1)により小数点2桁目を四捨五入してランナー比を求める。
編地から各繊維を抜き出す方法については、編地を構成するループを切断等により解除していく方法、例えば、合成繊維を抜き出すときは、セルロース繊維と弾性糸のループを切断して合成繊維のみを残す方法、また、別の方法としては、弾性糸を溶解(脆化による分解含む)により編地から除去し、次いで、セルロース繊維を溶解して合成繊維のみとしてランナー長を測定し、さらに、別に用意した編地を、同様な方法で弾性糸と合成繊維とを溶解等により除去してセルロース繊維のみとしてセルロース繊維のランナー長を求めランナー比を求める方法や、これら、ループ解除と溶解とを組み合わせてもよい。
さらには、編地から他の繊維を溶解して合成繊維のみとした編地、及び、セルロース繊維のみとした編地を作成し、同じコースと同じウェールでそれぞれの編地の重量と、編地の一部を解除して繊度を測定し、ランナー長を求めることも可能であり、その他、目付と繊維の混率から計算する方法も可能である。
ランナー比 = 合成繊維のランナー長 / セルロース繊維のランナー長…式(1)
(6)洗濯後の寸法変化
JIS L1930(2014) 記載のC4M法で、得られた編地の洗濯−乾燥試験を行い、洗濯前後の寸法変化率を測定した。ここで、寸法変化率が正の値であれば、洗濯によって収縮していることを示す。洗濯後寸法変化の評価基準は下記の通りである。
寸法変化率が0〜1.5%であれば ○
寸法変化率が1.5〜3.0%であれば △
寸法変化率が3%を超えるものは ×
寸法変化率が3.0%以下であれば製法工程性は良好であるが、縫製するアイテムによっては端部処理に注意が必要である。1.5%以下であればそのような問題が起こらず特に良好である。
28ゲージのトリコット経編機を使用し、フロント筬にナイロン33dt/24フィラメント、ミドル筬にキュプラ(商標名ベンベルグ:旭化成(株)製)33dt/24フィラメント、バック筬に弾性糸44dt(商品名ロイカCR:旭化成(株)製)を100%伸長して整経し、3枚筬とも筬に全て糸通しして、フロント筬は図2に示すコード組織、ミドル筬は図1に示すデンビー組織、バック筬は図8に示す組織で編成した。
フロント筬:組織10/23//
ミドル筬:組織10/12//
バック筬:組織10/12/10/23/21/23//
実施例1において、バック筬の弾性糸の組織を変更し、合成繊維のシンカーループと弾性糸のシンカーループとの交差点を変えた編地(実施例2:図4、実施例3:図5、実施例4:図6、実施例5:図7)、また、バック筬の組織を12/10//として編成した編地(比較例1)を製造した。得られた編地の性能を評価した。結果を以下の表1に示す。
実施例2〜5で得られた経編地は、編地裁断部のカールが発生することなく裁ち放しで製品とすることが可能で、接触冷感、伸度、着用感、縫製工程性にも優れたものであった。
32ゲージのトリコット経編機を使用し、フロント筬にポリエステル22dt/6フィラメント、ミドル筬にキュプラ(商標名ベンベルグ:旭化成(株)製)33dt/24フィラメント、バック筬に弾性糸22dt(商品名ロイカSF:旭化成(株)製)を100%伸長して整経し、フロント筬は01/21//、ミドル筬とバック筬は図3の組織で編成した。
フロント筬:組織01/21//
ミドル筬:組織10/12/10/12/23/21/23/21//
バック筬:組織10/12/10/12/23/21/23/21//
編成した編地を連続精練機でリラックス、精練を行い、次いで、190℃で1分間プレセットを行い、液流染色機でナイロンとキュプラの染色を行った。染色後に柔軟仕上げ剤をパディングして、170℃で1分の条件で仕上げセットを行い経編地とした。
得られた編地の性能を評価した。結果を以下の表1に示す。得られた経編地は、裁ち放しで製品とすることが可能で、接触冷感、伸度、着用感、縫製工程性にも優れたものであった。
28ゲージのトリコット経編機を使用し、フロント筬にナイロン78dt/24フィラメント、ミドル筬にキュプラ(商標名ベンベルグ:旭化成(株)製)56dt/30フィラメント、バック筬に弾性糸44dt(商品名ロイカSF:旭化成(株)製)を100%伸長して整経し、フロント筬は01/32// ミドル筬とバック筬は図6の組織で編成した。
フロント筬:組織01/32//
ミドル筬:組織10/21/23/12//
バック筬:組織10/21/23/12//
編成した編地を連続精練機でリラックス、精練を行い、次いで、190℃で1分間プレセットを行い、液流染色機でナイロンとキュプラの染色を行った。染色後に柔軟仕上げ剤をパディングして、170℃で1分の条件で仕上げセットを行い経編地とした。
得られた編地の性能を評価した。結果を以下の表1に示す。得られた経編地は、裁ち放しで製品とすることが可能で、接触冷感、伸度、着用感、縫製工程性にも優れたものであった。
28ゲージのトリコット経編機を使用し、フロント筬にナイロン33t/24フィラメント、ミドル筬にキュプラ(商標名ベンベルグ:旭化成(株)製)33dt/24フィラメント、バック筬に弾性糸33dt(商品名ロイカSF:旭化成(株)製)を100%伸長して整経し、下記の組織で編成した。
フロント筬:組織10/23//
ミドル筬:組織12/11/10/11//
バック筬:組織10/12//
編成した編地を連続精練機でリラックス、精練を行い、次いで、190℃で1分間プレセットを行い、液流染色機でナイロンとキュプラの染色を行い、染色後に柔軟仕上げ剤をパディングして、170℃で1分の条件で仕上げセットを行い経編地とした。
得られた編地の性能を評価した。結果を以下の表1に示す。得られた経編地は、軽量で、かつ、裁ち放しで製品とすることが可能で、接触冷感、伸度、着用感、縫製工程性にも優れたものであった。
28ゲージのトリコット経編機を使用し、フロント筬にナイロン33dt/24フィラメント、ミドル筬にキュプラ(商標名ベンベルグ:旭化成(株)製)33dt/24フィラメント、バック筬に弾性糸44dt(商品名ロイカCR:旭化成(株)製)を100%伸長して整経し、3枚筬とも筬に全て糸通しして、次に示す組織で編成した。
フロント筬:組織10/21/23/12//
ミドル筬:10/11/12/11//
バック筬:10/12//
編成した編地を連続精練機でリラックス、精練を行い、次いで、190℃で1分間プレセットを行い、液流染色機でナイロンとセルロース繊維の染色を行った。染色後に柔軟仕上げ剤をパディングして、170℃で1分の条件で仕上げセットを行い経編地とした。この編地のセルロース繊維の混率は34%であり、得られた編地の性能を評価した。結果を以下の表1に示す。得られた経編地は編地裁断部のカールが発生することなく裁ち放し性に問題なく、接触冷感、伸度、着用感、縫製工程性にも優れるものであった。
実施例9において、セルロース繊維のランナー長を短くした編地(実施例11)、セルロース繊維のランナー長を長くした編地(実施例12〜13)を製造した。得られた編地の性能を評価した。結果を以下の表1に示す。
28ゲージのトリコット経編機を使用し、フロント筬にナイロン33dt/24フィラメント、ミドル筬に弾性糸78dt(商品名ロイカCR:旭化成(株)製)を100%伸長して整経し、バック筬にキュプラ(商標名ベンベルグ:旭化成(株)製)84dt/56フィラメントを、3枚筬とも筬に全て糸通しして、次に示す組織で編成した。
フロント筬:組織10/21/23/12//
ミドル筬:10/12//
バック筬:00/22/33/11//
編成した編地を連続精練機でリラックス、精練を行い、次いで、190℃で1分間プレセットを行い、液流染色機でナイロンとセルロース繊維の染色を行った。染色後に柔軟仕上げ剤をパディングして、170℃で1分の条件で仕上げセットを行い経編地とした。この編地のセルロース繊維の混率は34%であり、得られた編地の性能を評価した。結果を以下の表1に示す。得られた経編地は編地裁断部のカールが発生することなく裁ち放し性に問題なく、接触冷感、伸度、着用感、縫製工程性にも優れるものであった。
28ゲージのトリコット経編機を使用し、フロント筬にナイロン33t/24フィラメント、ミドル筬にキュプラ(商標名ベンベルグ:旭化成(株)製)33dt/24フィラメント、バック筬に弾性糸33dt(商品名ロイカSF:旭化成(株)製)を100%伸長して整経し、下記の組織で編成した。
フロント筬:組織10/23//
ミドル筬:組織12/10/12/10/12/21/10/01//
バック筬:組織12/10/12/10/12/21/10/01//
編成した編地を連続精練機でリラックス、精練を行い、次いで、190℃で1分間プレセットを行い、液流染色機でナイロンとキュプラの染色を行い、染色後に柔軟仕上げ剤をパディングして、170℃で1分の条件で仕上げセットを行い経編地とした。
得られた編地の性能を評価した。結果を以下の表1に示す。得られた経編地は、合成繊維と弾性糸との交差点が多く、裁ち放しで製品とすることが不可能であった。
2 水平な編地に接する直線
3 発生したカールの編地端部に接する直線
a 合成繊維の組織(点線)
b 弾性糸の組織(実線)
c 合成繊維と弾性糸との交差点
d カール角度
Claims (9)
- 第1の筬に由来する合成繊維、第2の筬に由来するセルロース繊維、及び第3の筬に由来する弾性糸により編成された経編地であって、該経編地を構成する1完全コース中に存在するウェール間に渡る該合成繊維のシンカーループと該弾性糸のシンカーループとが交差する交差点の数の、該1完全コース中に存在するウェール間に渡る該合成繊維のシンカーループ数に対する割合が50%以下であることを特徴とする前記経編地。
- 前記第1の筬に由来する合成繊維の編組織は、デンビー組織又はコード組織である、請求項1に記載の経編地。
- 前記第3の筬に由来する弾性糸の1完全コースは4コース以上のものである、請求項1又は2に記載の経編地。
- 前記第2の筬に由来するセルロース繊維と前記第3の筬に由来する弾性糸の編組織は同じである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の経編地。
- 前記第1の筬に由来する合成繊維の編組織は、4コースアトラス組織である、請求項1に記載の経編地。
- 前記第3の筬に由来する弾性糸の編組織は、デンビー組織である、請求項5に記載の経編地。
- 前記第1の筬がフロント筬であり、第2の筬がミドル筬であり、かつ、第3の筬がバック筬であるか、又は前記第1の筬がフロント筬であり、第2の筬がバック筬であり、かつ、第3の筬がミドル筬であるかのいずれかである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の経編地。
- 前記第2の筬に由来するセルロース繊維の編組織は、ルーピングと挿入を繰り返す組織である、請求項1〜3、5、及び6のいずれか1項に記載の経編地。
- 以下の式:
ランナー比 = 前記第1の筬に由来する合成繊維のランナー長 / 前記第2の筬に由来するセルロース繊維のランナー長
で表されるランナー比が1.7〜3.5である、請求項1、及び5〜8のいずれか1項に記載の経編地。
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