JP2017066537A - 3層構造丸編地 - Google Patents

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Abstract

【課題】接触冷感性や吸湿性に優れながら、水分の拡散性を向上させ、速乾性を付与した、蒸れ感を感じず、接触冷感が高く快適で、汗をすばやく乾燥させることにより、ベタツキ感や汗冷えを抑制することができる3層構造丸編地の提供。【解決手段】3層構造を有し、吸水加工が施された3層構造丸編地であって、衣服として使用されるときの該丸編地の肌面層に配置されるセルロース系長繊維と疎水性長繊維の編みループが編地のウェール方向につながっており、該丸編地はセルロース系長繊維を10〜50重量%含有し、該肌面層の凹凸高さの差が0.13〜0.6mmであり、該肌面層表面から該編地の内部に向かって0.13mm以内の領域における前記セルロース系長繊維の露出比率が30%以上であり、該丸編地の接触冷感性が110〜200W/m2℃であり、かつ、該丸編地に水0.3ccを滴下した後の該丸編地の水分率が10%になる時間が50分以下である、前記3層構造丸編地。【選択図】なし

Description

本発明は、吸湿性及び接触冷感性に優れ、更に吸水速乾性に優れる、清涼性と汗処理性能が得られるウェアに最適な3層構造丸編地に関する。
綿やキュプラなどのセルロース系素材は吸湿性、吸水性に優れ、衣服として用いた場合、汗をかいていない状態〜少量の発汗時には非常に快適である。しかし、夏季や運動時などの発汗量が増えた状態では、セルロース系素材が吸った汗を繊維中に保持してしまうため、水分の拡散が起こらず、速乾性に劣り、いつまでもベタツキ感を感じ、その結果汗冷えも生じやすい。
このようにセルロース系素材の快適性と速乾性を両立する方法として、2層構造以上の編地において、肌面層に疎水性繊維であるポリエステル加工糸、中間層や表面層にセルロースマルチフィラメントを配置し、セルロースマルチフィラメントが肌に触れないような編地構造とすることで、速乾性や濡れ戻り性を向上させ、吸湿性も得られる布帛があるが、セルロース系繊維が肌に全く触れないので、肌面から出る湿気や汗をすばやく吸収しにくいことや、高い接触冷感性が得られにくいという問題がある(以下の特許文献1を参照のこと)。
また、肌面に接触する凸部の面にセルロース系長繊維の露出割合を最大15%と規定し、必要最低限のセルロース繊維を肌面に触れさせる編地構造とすることで、ベタツキ感や冷え感を感じにくく、蒸れ感も軽減される編地があるが、セルロース系長繊維が最大15%程度では接触冷感性を得るには不十分という問題がある(以下の特許文献2を参照のこと)。
他方、接触冷感性を得る為に、肌面層にレーヨン長繊維フィラメントとポリエステル繊維を縦方向に交互に配置、表面層にはレーヨン紡績糸を配置し、接触冷感性と編地強度の保持と形態安定性を得る編地があるが、肌に触れるのはレーヨン長繊維フィラメントだけでなくポリエステル繊維も触れることから、接触冷感性は不十分で、快適性が不十分という問題がある(以下の特許文献3を参照のこと)。
特開平10−25643号公報 国際公開第2012/049870号公報 実用新案第3183008号公報
本発明が解決しようとする課題は、上記のような従来技術の問題点を解決し、蒸れ感を感じず、接触冷感が高く快適で、汗をすばやく乾燥させることで、ベタツキ感や汗冷えを抑制することができる編地を提供することである。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、編地肌面層にセルロース系長繊維と疎水性長繊維を配置し、且つ、セルロース系長繊維だけが肌に接触するように配置することで、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりのものである。
[1]3層構造を有し、吸水加工が施された3層構造丸編地であって、衣服として使用されるときの該丸編地の肌面層に配置されるセルロース系長繊維と疎水性長繊維の編みループが編地のウェール方向につながっており、該丸編地はセルロース系長繊維を10〜50重量%含有し、該肌面層の凹凸高さの差が0.13〜0.6mmであり、該肌面層表面から該編地の内部に向かって0.13mm以内の領域における前記セルロース系長繊維の露出比率が30%以上であり、該丸編地の接触冷感性が110〜200W/m2℃であり、かつ、該丸編地に水0.3ccを滴下した後の該丸編地の水分率が10%になる時間が50分以下である、前記3層構造丸編地。
[2]前記セルロース系長繊維の単糸繊度が0.1〜2.5dtexである、[1]に記載の3層構造丸編地。
[3]前記肌面層とその反対側の表面層とをつなぐ接結糸が前記疎水性長繊維である、[1]又は[2]に記載の3層構造丸編地。
[4]ダンボール組織である、[1]〜[3]のいずれかに記載の3層構造丸編地。
[5]前記肌面層を構成するセルロース系長繊維と疎水性長繊維の糸長比が1.01〜1.20である、[1]〜[4]のいずれかに記載の3層構造丸編地。
[6]厚みが0.80〜1.50mmである、[1]〜[5]のいずれかに記載の3層構造丸編地。
[7]目付が200〜400g/m2である、[1]〜[6]のいずれかに記載の3層構造丸編地。
接触冷感性や吸湿性に優れながら、水分の拡散性を向上させ、速乾性を付与した、蒸れ感を感じず、接触冷感が高く快適で、汗をすばやく乾燥させることにより、ベタツキ感や汗冷えを抑制することができるため、インナーウェアやスポーツウェア、カジュアルウェアなどに好適に利用可能である。
本発明の3層構造丸編地組織図の一例である。 従来の編地組織図の一例である。 従来の編地組織図の一例である。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態の編地は、3層構造であることを特徴とする。3層構造にすることで、編地の表面層、中間層、肌面層を完全に分けることが可能となり、各々の層に別々の機能を付与することができる。3層構造を得る方法として、例えば、ダブル丸編機を使用し、表面層を編成した後、表面層と裏面層を結節する中間層を編成し、裏面層を編成するような編み組織で3層構造の編地を得ることができる(ダンボールニット)。また、同様にダブル丸編機を使用し、2層の編地のどちらか一方の層を構成する際に、2種類の繊維をプレーティング編みにて編成すれば、どちらか一方の繊維が中間層となり、3層構造の編地を得ることもできる。
本実施形態の編地は、セルロース系長繊維が10〜50重量%含まれることを特徴とする。好ましくは15〜45重量%、より好ましくは20〜40重量%、更に好ましくは25〜35重量%である。セルロース系長繊維が10重量%未満であると、吸湿性が不十分で蒸れ感を感じ、不快となってしまうことがある。50重量%を超えると、編地自体の水分保持量が多くなりすぎ、速乾性が劣ることがある。
本実施形態の編地は、肌面層に配置されたセルロース系長繊維と疎水性長繊維の編みループが編地のウェール方向につながっていることを特徴とする。肌面層にセルロース系長繊維と疎水性長繊維の編みループがウェール方向(編地のタテ方向)につながることによって、水分がセルロース系長繊維だけでなく、セルロース系長繊維につながった疎水性長繊維にも移行し、拡散性を高くすることができ、速乾性が向上する。肌面層がセルロース系長繊維だけで構成されていると、接触冷感性や吸水性は良好であるが、セルロース系長繊維が水分を保持してしまい、水分の拡散が不十分となることで速乾性が悪くなることがある。肌面層が疎水性長繊維だけで構成されていると、速乾性は良好であるが、接触冷感性や吸水性が悪くなり、吸湿性も得られない。本実施形態の編地は、肌面層に配置したセルロース系長繊維と疎水性長繊維の編みループがウェール方向につながっていればよく、そのつながり方は特に限定されない。より速乾性を高めるためには、セルロース系長繊維の編みループが全て疎水性長繊維とつながればよく、その方法としては、天竺編みが好ましい。更にセルロース系長繊維と疎水性長繊維を1:1でウェール方向に配置することや、1:2、2:1、2:2とすることが好ましいが、これらの配置に限定されるものではない。疎水性長繊維の比率を高めれば、速乾性は向上するが、セルロース系長繊維の比率が低下することから、接触冷感性や吸放湿性が低下する。反対にセルロース系長繊維の比率を高めれば、接触冷感性や吸放湿性は向上するが、疎水性繊維の比率が低下することから、速乾性が低下する。接触冷感性及び吸湿性と速乾性を両立するためには、天竺編みで、セルロース系長繊維と疎水性長繊維を1:1でウェール方向に配置することが好ましい。
本実施形態の編地に使用するセルロース系長繊維とはレーヨン、キュプラ、アセテート等の再生セルロース長繊維、絹等の天然セルロース長繊維等があり、これらに特に限定されない。これらは、綿やセルロース系短繊維に比べ、毛羽が少なく、糸表面が滑らかであるため、水分の拡散性が高い。中でも再生セルロース長繊維が好ましく、その中でもレーヨン長繊維やキュプラ長繊維は、繊維の水分率も大きく吸湿効果が高いため、より好ましい。更にキュプラ長繊維は丸断面であることから、レーヨン長繊維に比べて繊維1本1本の表面がなめらかであり、単糸繊度も細いため、編地に用いた際には非常に柔らかい風合いとなり、更に拡散性も高く、特に好ましい。
また、これらのセルロース系長繊維に酸化チタンを含有していると、UVカット性や接触冷感性が向上することから特に好ましい。
本実施形態の編地に使用する疎水性長繊維とはポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維などの合成繊維があり、疎水性長繊維であればこれらに特に限定されない。更にこれらの複合撚糸、混繊糸、仮撚混繊糸など、形態に制限はない。疎水性短繊維では、繊維中の単糸が絡み合っていることから、毛細管現象による水の拡散が起こりにくく、速乾性が悪くなることがある。更に、短繊維の毛羽により、肌との接触面積が減少し、接触冷感性が不足したり、肌への刺激が強くなることがある。
本実施形態の編地は、肌面層の凹凸高さの差が0.13〜0.60mmであることを特徴とする。好ましくは0.15〜0.55mm、より好ましくは0.20〜0.50mm、更に好ましくは0.25〜0.45mmである。肌面層の凹凸高さの差を0.13mm〜0.60mmにする方法としては、肌面層に使用する繊維の糸長を異ならせること、肌面層に繊度の異なる2種類の繊維をウェール方向に交互に配置することなどで凹凸高さの差が得られる。肌面層に使用する繊維の糸長を異ならせる方法では、糸長の小さい編みループと糸長の大きい編みループでボーダー調となり、その編みループの大きさの違いにより、凹凸高さの差とすることができる。また、肌面層に繊度の異なる2種類の繊維をウェール方向に交互に配置することでも、繊度の違いにより凹凸高さの差とすることができる。肌面層の凹凸において、セルロース系長繊維の接触冷感性をより高くするためには、セルロース系長繊維を凸部に、疎水性長繊維を凹部となるように構成することが好ましい。凹凸高さの差が0.13mm未満では、凹凸の無い編地と大差ない状態となり、本発明のセルロース系長繊維と疎水性長繊維によりなる肌面層において、肌面に接触するセルロース系長繊維の割合が少なくなることになり、接触冷感性が不十分となることがある。凹凸高さの差が0.60mmを超えると、肌との接触面積が減りすぎ、接触冷感性が悪くなったり、肌触りやスナッグが悪化することがある。
本実施形態の編地は、肌面層表面から0.13mm以内の領域におけるセルロース系長繊維の露出比率が30%以上であることを特徴とする。好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上である。肌面層から0.13mm以内の領域におけるセルロース系長繊維の露出比率が30%未満では、十分な接触冷感性が得られないことがある。前述した本発明のセルロース系長繊維が10〜50重量%含まれながら、肌面層表面から0.13mm以内の領域におけるセルロース系長繊維の露出比率が30%以上であるということは、編地内に含まれるセルロース系長繊維が、肌面層に集中して構成されていることを意味する。そうすることで編地の接触冷感性を向上させる。肌面層表面から0.13mm以内の領域におけるセルロース系長繊維の露出比率が30%以上にする方法は特に限定されないが、前記の記載した肌面層に凹凸高さを設け、凸部にセルロース系長繊維、凹部に疎水性長繊維が構成されるように、各々の糸長や繊度を設定すればよい。具体的には、セルロース系長繊維は疎水性長繊維よりも、糸長を長く、繊度を太くすればよい。
本実施形態の編地は、接触冷感性が110〜200W/m2/℃であることを特徴とする。好ましくは115〜180W/m2/℃、より好ましくは115〜160W/W/m2/℃である。接触冷感性が110W/m2/℃未満では、接触冷感性を感じにくいことがある。200W/m2/℃を超えると、冷感を強く感じ過ぎ、寒く感じてしまうことがある。
本実施形態の編地は、水0.3ccを生地に滴下した後の生地の水分率が10%になる時間が50分以下であることを特徴とする。好ましくは45分以下、より好ましくは43分以下である。水0.3ccを生地に滴下した後の生地の水分率が10%になる時間が50分を超えると、汗が編地中に長く滞在することで、ベタツキ感や汗冷えを感じて不快となることがある。
本実施形態の編地には吸水加工がされていることを特徴とする。吸水加工がされていると、使用する疎水性長繊維に吸水性が付与され、拡散性が高くなり、速乾性が向上する。特に本発明の肌面層に使用する疎水性長繊維が吸水加工されていると、編地のウェール方向につながっているセルロース系長繊維が吸収した水分が移行し、拡散性を高くすることができ、速乾性が向上する。また、中間層に疎水性長繊維を使用し、3層構造丸編地とした場合、中間層の疎水性長繊維に吸水加工がされていると、上記と同じ効果により、拡散性を高くすることができ、速乾性が向上する。使用する吸水加工剤については特に限定されず、一般的な吸水加工剤を使用できる。
本実施形態の編地は、セルロース系長繊維の単糸繊度が0.1〜2.5dtexであることが好ましい。より好ましくは0.5〜2.0dtex、更に好ましくは1.0〜2.0dtexである。セルロース系長繊維の単糸繊度が0.1dtex未満では、着用時の摩擦等で単糸切れが起こり、摩擦耐久性が悪くなる。2.5dtexを超えると、吸水時の拡散性が不十分となり、速乾性が不足したり、肌触りが悪くなることがある。
本実施形態の編地は、衣服として使用するときの肌面層とその反対側の表面層とをつなぐ接結糸が疎水性長繊維であることが好ましい。表面層と肌面層をつなぐ接結糸があることで、肌面層から吸水した水分が表面層へ移行しやすくなる。接結糸が疎水性長繊維であると、肌面層が吸った水分が接結糸の移行した時に、毛細管現象により、接結糸である疎水性長繊維上を伝い、表面層に移行することで、拡散性が高まり、速乾性が向上する。接結糸が疎水性短繊維では、繊維中の単糸が絡み合っていることから、毛細管現象による水の拡散が起こりにくく、速乾性が向上しないことがある。接結糸が親水性繊維であると、接結糸自体が水分を保持してしまうため、毛細管現象による水の拡散が起こりにくく、速乾性が向上しないことがある。接結糸の編成方法は特に限定されないが、表面層と肌面層をニット編みでつなぐ方法やタック編みでつなぐ方法、表面層にはニット編みで肌面層にはタック編みでつなぐ方法がある。
本実施形態の編地は、ダンボールニットであることが好ましい。ダンボールニットとすることで、表面層と肌面層を完全に異なる特性を配置できる。肌面層に主にセルロース系長繊維を配置し、表面層に疎水性長繊維を配置すれば、肌面層は高い接触冷感性や吸水性、表面層は速乾性を付与できる。
本実施形態の編地は、肌面層を構成するセルロース系長繊維と疎水性長繊維の糸長比が1.01〜1.20であることが好ましい。より好ましくは1.02〜1.15、更に好ましくは1.02〜1.10である。セルロース系長繊維と疎水性繊維の糸長比が1.01を下回ると、疎水性長繊維が肌面へ露出し、セルロース系長繊維の肌面への接触が減少し、冷感性が不足することがある。1.20を超えると、セルロース系長繊維が肌面に露出し、冷感性は向上するが、肌面の凹凸が増し、肌触りが悪くなったり、スナッグの悪化やセルロース系繊維の摩耗切れが増加することがある。
本実施形態の編地の厚みは0.80〜1.50mmが好ましい。より好ましくは0.90〜1.45、特に好ましくは1.00〜1.45mm、更に好ましくは1.20〜1.45mmである。厚みが0.80mm未満であると、表面層と裏面層が密着しすぎて、各々の層の役割がはっきりせず、目的の効果を得られないことがある。1.50mm以上であると、中間層の空間が大きくなりすぎ、その空間に水分を保持してしまい速乾性が不良となることや、中間層の空間が断熱層となってしまい、放熱性が低下し、ウェアとして着用した場合、暑く感じてしまうことがある。
本実施形態の編地の目付は200〜400g/m2が好ましい。より好ましくは210〜380g/m2、特に好ましくは220〜350g/m2、更に好ましくは230〜330g/m2である。目付が200g/m2未満では、完全に独立した3層構造を得ることが難しくなることがある。400g/m2を超えると、ウェアとしては重過ぎる。
本実施形態の編地にはさらに弾性繊維を使用してもよい。弾性繊維を使用することで、ストレッチ性が付与され、着用時の突っ張り感が軽減され、動きやすくなり、快適感が向上する。弾性繊維としては、ポリウレタン弾性糸、ポリエーテル・エステル弾性糸、ポリアミド弾性糸、ポリオレフィン弾性糸、あるいは、これらに非弾性繊維を被覆し、カバリング状態としたものでもよい。更に天然ゴム、合成ゴム、半合成ゴムからなる糸状である、いわゆるゴム糸などを使用することもできるが、伸縮性に優れ、一般的に広く利用されているポリウレタン弾性糸が特に好ましい。弾性繊維の繊度は、着用した際に衣服が重くなり過ぎないように、15〜80dtexのものが好ましい。弾性繊維は表面層や肌面層に使用する繊維とプレーティング編みで使用してもよいし、結節糸として使用してもよい。
本実施形態の編地の肌面層に使用するセルロース系長繊維の繊度は特に限定されないが、30〜200dtexが好ましい。より好ましくは50〜180dtex、特に好ましくは50〜170dtex、更に好ましくは50〜140detxである。
本発明の編地の肌面層に使用する疎水性長繊維の繊度は特に限定されないが、30〜200dtexが好ましい。より好ましくは50〜180dtex、特に好ましくは50〜170dtex、更に好ましくは50〜140detxである。
本実施形態の編地の表面層に使用する繊維は特に限定されないが、特に吸湿性を向上させるなら吸湿性繊維、特に速乾性を向上させるなら疎水性繊維を使用することが好ましい。更に紡績糸の風合いを得るなら、紡績糸を使用することが好ましい。
編機のゲージについては、特に限定されないものの、18〜40ゲージの編機を、用途や使用する繊維の太さによって、任意に選択することが好ましいが、衣料として適度な目付が得られることや、汎用性を考え、特に20〜36ゲージが好ましい。
本実施形態の編地は、生機編地とした後、精錬、熱セット、染色等の加工を行う。加工方法は、通常の丸編地の加工方法に準じて行えばよい。また、要求される伸び特性や目付、厚み等により、適宜仕上げ密度を調整することが好ましい。
さらに、染色段階での付帯加工として、防汚加工、抗菌加工、消臭加工、防臭加工、吸汗加工、吸湿加工、紫外線吸収加工、減量加工など、さらに後加工としてカレンダー加工、エンボス加工、シワ加工、起毛加工、オパール加工、シリコン系柔軟剤等を使用した柔軟加工など、最終的な要求特性に応じて適宜付与することができる。
以下、本発明を、実施例を用いて具体的に説明する。
実施例における各評価方法は次のとおりであった。
(i)セルロース系長繊維の混率(重量%)
編地上に100ウェール分タテ方向に切り込みを入れ、編み組織を構成する糸種・本数を編地からほどき、各々重量を測定する。それらすべての糸重量に対して、各々の糸重量の比率を算出する。
(ii)凹凸高さの差
編地断面写真を(株)キーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX−2000にて任意の倍率で撮影し、計測モードにて、表面層を基準として肌面層の凹部分と凸部分の高さを測定し、その差を凹凸高さの差として算出する。任意の場所5カ所を測定する。
(iii)セルロース系長繊維の露出比率
編地を反応染色(濃色系の反応染料1%owf、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、浴比1:100、60℃×30分)し、セルロース系長繊維に色を付け、染色する前の密度になるように熱セットする。その編地の肌面を(株)ハイロックス社製デジタルマイクロスコープKH−8700にて100倍の倍率で、3D観察モードで0.02mmの間隔で編地肌面の最外層から編地の厚みの分まで撮影し、3D画像を撮影する。その後、面積計測モードで、編地肌面の最外層を基準として、そこから0.13mmの位置で水平に編地をカットした画像をカラー印刷する。その印刷画像を20℃×65%環境下で24時間調湿した後、画像部分を切り出し、水平にカットした箇所(編地肌面の最外層から0.13mmよりも深い部分)を切り落とす。残った印刷画像の中から染色されて色のついた繊維部分を切り落とし、その後の印刷画像の重量を測定し、染色されて色のついた繊維部分(セルロース系長繊維)の比率を算出する。
編地が染色されている場合は、セルロース系長繊維を脱色した後、脱色する前の密度になるように熱セットし直して測定する。
(iv)接触冷感性
20℃×65%環境下において調湿された8cm×8cmにカットされた編地を、カトーテック社製KES−F7−IIにて、環境温度+10℃に温められた該装置の熱板を編地の肌面に置いた時の最大熱移動量(W/m2/℃)を測定する。
(v)水0.3ccを生地に滴下した後、生地の水分率が10%になる時間
20℃×65%環境下において調湿された10cm×10cmにカットされた編地の重量を測定し、その後、肌面にマイクロピペットにて0.3ccの水を滴下し、吊り干しした状態で5分ごとに重量を測定し、編地中の水分率が10%を下回るまで測定する。その測定値をグラフにし、編地中の水分率が10%になる時間を求める。
(vi)糸長比
編地上に100ウェール分の範囲をマーキングし、セルロース系長繊維と疎水性繊維を編地からほどく。ほどいた糸の上端を固定し、下端に0.088cN/dtexの荷重をかけ、30秒後の長さを測定する(糸長:mm/100w)。測定値から以下の式:
糸長比=(セルロース系長繊維の糸長)/(疎水性繊維の糸長)
によって、糸長比を算出する。
(vii)吸湿性
25cm×25cmにカットされた編地を乾燥機にて110℃×2時間乾燥させた、絶乾状態の試料の重量を測定する。その試料を20℃×90%の人工気候室に投入し、3時間後に重量を測定する。測定値から絶乾状態の試料重量に対する、20℃×90%環境下での重量変化率を算出する。
(viii)放熱性
20℃×65%環境下において調湿された編地を、カトーテック社製KES−F7−IIにて、保温性測定のドライコンタクト法にて熱板温度30℃、風量0.3m/秒にて測定し、下記計算式:
放熱量(W/m2/℃)=測定値(W/0.01m2/10℃)×(100/10)
で放熱量を算出する。
[実施例1]
24Gダブル丸編機を用いて、図1のダンボールニット組織にて、表面層を形成する綿40番の糸長を320mm/100w、中間層を形成するポリエステル長繊維84dtex36fの糸長を615mm/100w、肌面層を形成するキュプラ長繊維110dtex60fの糸長を320mm/100w、同じく肌面層を形成するポリエステル長繊維100dtex36Fの糸長を330mm/100wにて3層構造丸編地を編成した。その後通常のプレセットを行った後、染色仕上げを行い、その際に高松油脂(株)性吸水加工剤SR−1000を2wt%加え、以下の表1の性量・機能を有する3層構造丸編地を得た。
[実施例2]
24Gダブル丸編機を用いて、図1のダンボールニット組織にて、表面層を形成するポリエステル長繊維異収縮混繊糸178dtex144fの糸長を330mm/100w、中間層を形成するポリエステル長繊維84dtex36fの糸長を615mm/100w、肌面層を形成するキュプラ長繊維110dtex60fの糸長を320mm/100w、同じく肌面層を形成するポリエステル長繊維100dtex96Fの糸長を330mm/100wにて3層構造丸編地を編成した。その後実施例1と同様の染色加工を行い、以下の表1の性量・機能を有する3層構造丸編地を得た。
[実施例3]
24Gダブル丸編機を用いて、図1のダンボールニット組織にて、表面層を形成する綿40番の糸長を320mm/100w、中間層を形成するポリエステル長繊維84dtex36fの糸長を615mm/100w、肌面層を形成するキュプラ長繊維110dtex60fの糸長を320mm/100w、同じく肌面層を形成するポリエステル長繊維84dtex36Fの糸長を330mm/100wにて3層構造丸編地を編成した。その後実施例1と同様の染色加工を行い、以下の表1の性量・機能を有する3層構造丸編地を得た。
[比較例1]
28Gダブル丸編機を用いて、図2のダンボールニット組織にて、表面層と肌面層を形成するポリエステル長繊維84dtex24fの糸長を280mm/100w、中間層を形成するキュプラ長繊維56dtex30fの糸長を515mm/100wにて、キュプラ繊維が中間層に位置し、肌面層にはポリエステル長繊維のみを構成した3層構造丸編地を編成した。その後実施例1と同様の染色加工を行い、以下の表1の性量・機能を有する3層構造丸編地を得た。
[比較例2]
28Gダブル丸編機を用いて、図2のダンボールニット組織にて、表面層を形成するポリエステル長繊維84dtex24fの糸長を280mm/100w、中間層を形成するポリエステル長繊維56dtex24fの糸長を525mm/100w、肌面層を形成するキュプラ長繊維84dtex45fの糸長を280mm/100wにて、肌面層にキュプラ繊維のみを構成した3層構造丸編地を編成した。その後実施例1と同様の染色加工を行い、以下の表1の性量・機能を有する3層構造丸編地を得た。
[比較例3]
22Gシングル丸編機を用いて、図3の天竺組織にて、レーヨン紡績糸40番の糸長を360mm/100w、レーヨン長繊維84dtex31fの糸長を340mm/100wでプレーティング編みにてレーヨン長繊維が肌面層に配置されるようにして編成した後、レーヨン紡績糸40番の糸長を360mm/100w、ポリエステル長S根に84dtex24fの糸長を365mm/100wでプレーティング編みにてポリエステル長繊維が肌面層に配置されるようにして編成し、肌面層がレーヨン長繊維とポリエステル長繊維とがウェル方向に交互に配置された2層構造丸編地を編成した。その後実施例1と同様の染色加工を行い、以下の表1の性量・機能を有する3層構造丸編地を得た。
[比較例4]
24Gダブル丸編機を用いて、図2のダンボールニット組織にて、表面層を形成する綿40番の糸長を320mm/100w、中間層を形成するポリエステル長繊維84dtex36fの糸長を615mm/100w、肌面層を形成する綿とポリエステルの混紡糸50番の糸長を320mm/100wにて、肌面層に親水性繊維と疎水性繊維が混在した3層構造丸編地を編成した。その後実施例1と同様の染色加工を行い、以下の表1の性量・機能を有する3層構造丸編地を得た。
[比較例5]
染色加工時の吸水加工を施さなかった以外は実施例1と同じ糸種、編成方法、染色加工を行い、以下の表1の性量・機能を有する3層構造丸編地を得た。
Figure 2017066537
本発明の3層構造丸編地を使用することにより、蒸れ感を感じず、接触冷感が高く快適で、汗をすばやく乾燥させることにより、ベタツキ感や汗冷えを抑制することができる衣服を製造することができる。
a セルロース系長繊維
b 疎水性長繊維
c 弾性繊維
d 綿
e セルロース系短繊維
f 綿/ポリエステル混紡糸

Claims (7)

  1. 3層構造を有し、吸水加工が施された3層構造丸編地であって、衣服として使用されるときの該丸編地の肌面層に配置されるセルロース系長繊維と疎水性長繊維の編みループが編地のウェール方向につながっており、該丸編地はセルロース系長繊維を10〜50重量%含有し、該肌面層の凹凸高さの差が0.13〜0.6mmであり、該肌面層表面から該編地の内部に向かって0.13mm以内の領域における前記セルロース系長繊維の露出比率が30%以上であり、該丸編地の接触冷感性が110〜200W/m2℃であり、かつ、該丸編地に水0.3ccを滴下した後の該丸編地の水分率が10%になる時間が50分以下である、前記3層構造丸編地。
  2. 前記セルロース系長繊維の単糸繊度が0.1〜2.5dtexである、請求項1に記載の3層構造丸編地。
  3. 前記肌面層とその反対側の表面層とをつなぐ接結糸が前記疎水性長繊維である、請求項1又は2に記載の3層構造丸編地。
  4. ダンボール組織である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の3層構造丸編地。
  5. 前記肌面層を構成するセルロース系長繊維と疎水性長繊維の糸長比が1.01〜1.20である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の3層構造丸編地。
  6. 厚みが0.80〜1.50mmである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の3層構造丸編地。
  7. 目付が200〜400g/m2である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の3層構造丸編地。
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KR20190132270A (ko) * 2018-05-18 2019-11-27 이스세텍 컴퍼니 리미티드 편직물품
WO2023022324A1 (ko) * 2021-05-12 2023-02-23 김종섭 냉감효율이 우수한 이중직 환편물의 편직구조

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