JP2015108204A - 複合紡績糸からなる織物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、羊毛を用いた素材でありながら、チクチクする肌差し感を抑制し、しっとり感とヌメリ感があり、軽くソフトな風合いで、耐摩耗性、高ストレッチ性、保温性、および吸湿性と放湿性を合わせもつ、着用快適性優れた秋冬用デニムに好適な混合紡績糸からなる織物を提供する。【解決手段】本発明の複合紡績糸からなる織物は、経糸と緯糸からなる織物において、前記経糸が綿糸で構成されると共に、前記緯糸が、単繊維繊度2.8デシテックス以下のマルチフィラメント糸20質量%〜80質量%と、シリコーンで表面処理されたポリアミド繊維と羊毛とを混紡してなる紡績糸20質量%〜80質量%とを含む複合紡績糸で構成されており、前記緯糸が織物全体の50質量%以上打ち込まれており、かつ前記緯糸が織物の裏面に少なくとも50%以上露出している織物である。【選択図】 なし

Description

本発明は、デニムやジーンズ地に関わる織物で、詳しくは羊毛を用いた素材でありながら、チクチクする肌差し感を抑制し、耐摩耗性に優れヌメリ感があり、軽くソフトな風合いで、ストレッチ性、保温性および吸放湿性に優れたデニム地等に好適な複合紡績糸からなる織物に関するものである。
従来のデニム地は、経糸に綿のインディゴ染色した糸染めの紡績糸を用い、緯糸に綿の染色しない白糸を交織した織物が主流である。また、その織物組織としては、通常、2/1や3/1の綾組織であり、表面は経糸の綿の染色糸が67〜75%と多く出ており、裏面(肌面)は緯糸の綿の白糸が67〜75%の表面積を有する。いずれにしても、これらの織物は綿100%であるため、夏は肌触りがよく、吸湿性もあり快適な素材である。
一方、このようなデニム地を秋冬用途に用いると、風合いが硬くゴワゴワした風合いで、冷たく保温性に乏しい。近年ビスコースレーヨンを用いた、風合いと保温性を重視した秋冬用デニム地が提案されているが、更に摩耗に強く、着用快適性に優れる高機能を付与した秋冬用デニム商品としての完成度はまだ低い。
しっとり感、ヌメリ感、軽くソフトな風合い、および高ストレッチ性を得る方法として、羊毛やカシミヤ等の素材を使うことによりしっとりとしたヌメリ感が得られる。しかしながら、これらの素材は、摩耗強度と引き裂き強力等の物性が弱く、単独ではデニム地に適用することができない。また、素材としてポリエステルやナイロン等の合成繊維からなる紡績糸をそのままデニム地に用いると、軽くソフトになる。しかしながら、これらの素材は、反発性に乏しく腰がない風合いとなる。また、ポリエステル等のフィラメント糸(長繊維)をデニム地として100%用いると、反発性はあるが、硬くて、しっとり感とヌメリ感が得られないという課題がある。
従来から、羊毛を使ったニットや織物素材は、冬物衣料として消費者に受け入れられているが、これらを直接着用すると、チクチクした肌刺し感により、一般的に消費者に受け入れられるものが少ない。特に、外観的な天然獣毛の特性を合成繊維ステープルによって得る試みとして、特に獣毛に似た外観的風合いとヌメリ性を付与しようとしたコート類等の外衣やセーター等のニット製品が提案されている(特許文献1参照。)。
しかしながら、この提案は、いずれもシリコーン処理剤を付与しない、またはシリコーン処理剤を付与した、例えば、獣毛の刺毛調の太繊度のポリアミド繊維、または、例えば、獣毛の産毛調の細繊度のポリアミド繊維から構成されたものであり、太繊度のポリアミド繊維を用いた編織物製品には、ヌメリ感はあるものの外観的風合い重視により、太繊度繊維特有の粗硬感が強く、毛抜けの発生やピリング性に劣るという課題がある。また、シリコーン処理剤を付与した細繊度繊維は、太繊度繊維の外観的風合いを補助する目的で用いられるため、極めて低混率の混合であり、ストレッチ性とピリング性を必要とする織物には適用できないという課題がある。
一方、粗紡糸や紡績糸とフィラメント、およびさらに例えばポリウレタン繊維等の弾性繊維を、糸条の流れに直行する方向に往復運動する加撚ローラによる合撚方式により得られた複合紡績糸を用いた、直接着用しても肌刺し感のない肌着を達成した提案がなされている(特許文献2参照。)。しかしながら、この提案では、弾性繊維を合撚することにより、ストレッチ性は得られるが、伸長率の幅は小さく一般的な範囲の編織物となる。
保温性を得る方法として、ポリエステルフィラメント等の中空糸を用いて、保温性を得る方法が開発されている。例えば、3つ以上の中空部を持つポリエステル中空捲縮フィラメントを用いて強度の高い軽量デニムを提案したものが開示されている(特許文献3参照。)。しかしながら、この提案の方法を用いても、中空糸にはなお共通する課題がある。すなわち、中空糸を用いると、保温性は高まる。しかしながら、仮撚りや撚糸加工、製織あるいは起毛などの工程で、または着用中に、圧力や張力を受けて中空部が潰れたり、割れたりして嵩高性が失われ、保温性が発揮できなくなるという課題がある。
また、中空繊維は紡糸工程で割れやすい。このため、細い繊維が得られにくく、しっとり感とヌメリ感に乏しいものである。このような課題に対して、芯成分にポリエステルを用い鞘成分にナイロンポリマーを用いて芯鞘複合繊維をつくり、これを紡績糸の段階で、あるいは製織した後に芯成分のポリエステルを加熱アルカリ溶液で溶出して、高中空率のナイロン紡績糸を持つ布帛が提案されている(特許文献4参照。)。この方法によれば、中空繊維に生ずる中空部の潰れは改善することができる。しかしながら、この溶出加工に用いられるアルカリ溶液により、羊毛等のタンパク質繊維は脆化してしまい、複合化することができない。また、経糸の綿のインディゴ染料がアルカリで溶解して色落ちや汚染の原因となり、生地の品位が著しく乏しくなるという課題もある。
近年、アクリル繊維とビスコースレーヨン繊維の混合紡績糸を用いることにより、風合いと機能性とをそれぞれ受け持つ構成糸を緯糸として用いることにより、しっとり感とヌメリ感があり、軽くソフトで反発性のある風合いで、保温性、吸湿性および吸水性がある、秋冬用デニム地が開発されている(特許文献5参照。)。しかしながら、この提案においては、ビスコースレーヨンの吸水性や吸湿性による蒸れ感により、着用快適性に対する新たな課題がある。
特開昭55−122028号公報 特開2008−308793号公報 特開2007−270358号公報 特開2004−316003号公報 特開2010−37683号公報
そこで本発明の目的は、羊毛を用いた素材でありながら、チクチクする肌差し感を抑制し、しっとり感とヌメリ感があり、軽くソフトな風合いで、耐摩耗性や高ストレッチ性、保温性および吸湿性と放湿性を合わせもつ、着用快適性優れた秋冬用デニムに好適な複合紡績糸からなる織物を提供することにある。
本発明は、前記の課題を解決せんとするものであって、本発明の複合紡績糸からなる織物は、経糸と緯糸からなる織物において、前記経糸が綿糸で構成されると共に、前記緯糸が、単繊維繊度0.8〜2.8デシテックスのマルチフィラメント糸20質量%〜80質量%と、シリコーンで表面処理されたポリアミド繊維と羊毛とを混紡してなる紡績糸80質量%〜20質量%とを含む複合紡績糸で構成されており、前記緯糸が織物全体の50質量%以上打ち込まれており、かつ前記緯糸が織物の裏面に少なくとも50%以上露出している、複合紡績糸からなる織物である。
本発明の複合紡績糸からなる織物の好ましい態様によれば、前記織物は、下記(1)〜(6)の要件を同時に満足することである。
(1)緯糸方向の曲げ剛性 B値:0.10〜0.50g・cm/cm以上
(2)緯糸方向の曲げヒステリシス幅 2HB値:0.15〜0.45g・cm/cm
(3)緯糸方向の表面粗さ SMD値:2.0〜6.5μm
(4)保温性 CLO値:0.5〜0.9
(5)吸・放湿度 ΔMR値:3.0〜6.0%
(6)ストレッチ性 伸張率:15〜35%
本発明の複合紡績糸からなる織物の好ましい態様によれば、前記のマルチフィラメント糸はポリエステルマルチフィラメントからなり、その単繊維繊度は0.8〜2.8デシテックスである。
本発明の複合紡績糸からなる織物の好ましい態様によれば、前記のシリコーンで表面処理されたポリアミド繊維の単繊維繊度は、1.0〜3.3デシテックスである。
本発明の複合紡績糸からなる織物の好ましい態様によれば、前記の羊毛は防縮加工された羊毛であり、その単繊維の直径は18.0〜24.5ミクロンである。
本発明の複合紡績糸からなる織物の好ましい態様によれば、前記の紡績糸における前記のポリアミド繊維と前記の羊毛の混紡率は両者30質量%〜70質量%であり、紡績糸の番手はメートル番手で1/20〜1/64である。
本発明の複合紡績糸からなる織物の好ましい態様によれば、前記の複合紡績糸は、さらにポリウレタン系弾性繊維糸を含むことであり、前記のポリウレタン系弾性繊維が2.0〜4.5倍で延伸され合撚されてなることである。
本発明の複合紡績糸からなる織物の好ましい態様によれば、前記の複合紡績糸は、撚り数が100〜700回/mの合撚糸である。
本発明によれば、羊毛を用いた素材でありながら、チクチクする肌差し感を抑制し、しっとり感とヌメリ感があり、軽くソフトな風合いで、耐摩耗性、高ストレッチ性、保温性、および吸湿性と放湿性を合わせもつ、着用快適性優れた秋冬用デニム地に好適な複合紡績糸からなる織物が得られる。
次に、本発明の複合紡績糸からなる織物の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明の複合紡績糸からなる織物は、経糸と緯糸からなる織物において、前記経糸が綿糸で構成され、そして前記緯糸が、単繊維繊度0.8〜2.8デシテックスのマルチフィラメント糸20質量%〜80質量%と、シリコーンで表面処理されたポリアミド繊維と羊毛とを混紡してなる紡績糸80質量%〜20質量%とを含む複合紡績糸で構成されており、前記緯糸が織物全体の50質量%以上打ち込まれており、かつ前記緯糸が織物の裏面に少なくとも50%以上露出している織物である。
本発明の複合紡績糸からなる織物では、風合いと機能性とをそれぞれ受け持つ構成糸を緯糸として用いる。
[緯糸]
本発明で用いられる緯糸は、単繊維繊度が0.8〜2.8デシテックスのポリエステルマルチフィラメント糸20質量%〜80質量%と、シリコーンで表面処理されたポリアミド繊維と好ましくは防縮加工された羊毛とを混紡してなる紡績糸80質量%〜20質量%とを含む複合紡績糸である。
[複合糸]
(ポリエステルフィラメント糸)
本発明で使用されるポリエステルフィラメント糸としては、アルコール成分と酸成分とから重合させた高分子繊維からなる糸条を指し、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、およびこれらにスルフォイソフタル酸やイソフタル酸、ポリエチレングリコール等の共重合成分を共重合させた共重合ポリエステルからなるポリエステルフィラメント糸である。
本発明で使用されるポリエステルフィラメント糸は、単繊維繊度が2.8デシテックス以下のフィラメント糸である。単繊維繊度は、好ましくは0.8〜2.2デシテックスであり、このように単繊維繊度を規定することにより、しっとり感とヌメリ感があり、軽くソフトな風合いが得られる。単繊維繊度が2.8デシックスより太くなると嵩高性は得られるものの、ヌメリ感やソフトな風合いが損なわれ、また単繊維繊度が0.8デシテックスより細くなると、ヌメリ感やソフトな風合いは得られるものの、柔らかすぎて織物に必要な反発性が得られないという傾向を示す。
ポリエステルフィラメント糸は複合紡績糸中に20質量%〜80質量%含まれており、好ましくは20質量%〜60質量%含まれており、複合紡績糸の構成において、総繊度は84〜167デシテックスが好ましく、110〜140デシテックスがより好ましい態様である。また、ヌメリ感があり、軽くソフトな風合いと膨らみのある高品質な織物を得るために、フィラメント構成本数は48〜96本が好ましく、48〜72本がより好ましい態様である。
本発明の織物に用いられるポリエステルフィラメント糸と紡績糸(混合紡績糸)との合撚により複合紡績糸が得られる。合糸工程における引き揃え本数は2〜4本が好適とされており、また経糸との相関により、複合紡績糸の総繊度は360〜720デシテックスの範囲が好ましく、450〜650デシテックスであることがより好ましい態様である。ポリエステルフィラメント糸は好ましくは1〜3本、紡績糸(混合紡績糸)は好ましくは1〜2本により構成されることにより、ヌメリ感があり、軽くソフトな風合いと膨らみのある高品質な織物となる。この範囲以外の比率になると、本発明の効果が発揮され難くなる。
本発明の織物に用いられるポリエステルフィラメント糸の繊維断面形状としては、例えば、丸断面のほか、扁平断面やY型断面など、いわゆる異型断面形状であってもよい。
(紡績糸)
本発明で使用される紡績糸(混合紡績糸)は、単繊維繊度が好ましくは1.0〜3.3デシテックスで、シリコーンで表面処理されたポリアミド繊維を好ましくは30質量%〜70質量%と、羊毛を好ましくは70質量%〜30質量%とを混合してなる紡績糸である。より好ましくは、同ポリアミド繊維を40質量%〜60質量%と、羊毛を60質量%〜40質量%とを混合してなる紡績糸であり、安定した紡績生産性と高ストレッチ性および吸湿性と放湿性を合わせもつ、本発明の効果が発揮され易い紡績糸が得られる。
本発明で用いられるポリアミド繊維を構成するポリアミドとしては、ポリヘキサメチレナジパミド(ナイロン66)やポリε−カプラミド(ナイロン6)からなるポリアミドが好適であるが、セパシン酸、イソフタル酸およびパラキシレンギアミドなどを構成成分とするポリアミドあるいはこれらの共重合ポリアミドを用いることができる。本発明において用いられる最も好適なポリアミドは、ポリε−カプラミド(ナイロン6)であり、このポリε−カプラミド(ナイロン6)はソフトな風合いを得やすく、染色性や発色性にも優れている。
本発明で用いられるポリアミド繊維は、単繊維繊度が好ましくは1.0〜3.3デシテックスあり、単繊維繊度はより好ましくは1.0〜2.2デシテックスである。本発明で用いられるポリアミド繊維は、羊毛と高混率で混合されるため、単繊維繊度が、1.0デシテックスより細くなると紡績通過性が著しく悪化し、織物に好適な品質の紡績糸が得られないことがある。また、単繊維繊度が、3.3デシテックスより太くなると、紡績通過性は向上するものの、ヌメリ感があり、ソフトな風合いの紡績糸が得られず、織物に粗硬感が現われることがある。
本発明で用いられるポリアミド繊維は、次のようにして製造することができる。すなわち、ポリヘキサメチレナジパミド(ナイロン66)やポリε−カプラミド(ナイロン6)等のポリアミドを溶融紡糸後、浸漬により界面活性剤を付与し、フィラメント状の集合体(トウ)を得る。次に、得られたトウを延伸した後、捲縮を付与し、熱処理乾燥し、切断して短繊維を得る。トウは、通常1.0〜3.3デシテックス程度の平均単繊維繊度を得るまで延伸し、捲縮数が好ましくは8〜20山/インチ、捲縮度が好ましくは8〜20%の範囲にある捲縮を付与したものが、紡績性に支障を来たすことがないため、特に好ましい態様である。
本発明で用いられるポリアミド繊維の繊維断面形状としては、特に限定されるものではなく、丸断面のほか、扁平断面やY型断面など、いわゆる異型断面形状のものが挙げられる。丸断面形状のポリアミド繊維を用いることは、繊維長が好ましくは38〜102mmまで通常の平滑性のある紡績性が得られるため、最も好ましく使用される態様である。
本発明においてポリアミド繊維は、前述のとおり、単繊維繊度が好ましくは1.0〜3.3デシテックスの範囲のものが使用される。単繊維繊度が1.0デシテックス未満または3.3デシテックスを超える単繊維繊度のいずれにおいても、紡績性や紡績糸の品質や織物の風合いに支障をきたすことがあるためである。
また、本発明で用いられるポリアミド繊維としては、捲縮数が8〜20山/インチの範囲にあり、そして捲縮度が8〜20%の範囲にあるものが、紡績性や風合いに支障をきたさないため、好ましく使用される。
本発明で用いられるポリアミド繊維には、繊維表面にシリコーンが付与される。ポリアミド繊維に付与されるシリコーンとしては、ポロシロキサン系繊維処理剤が使用される。ポロシロキサン系繊維処理剤には、ジメチル系メチルフェニル系のアニオン性非反応型ポロシロキサン、変性ポリエーテル系の非イオン性非反応型ポロシロキサン、高重合物系アニオン性反応型ポロシロキサン、および高重合物系カチオン性反応型ポロシロキサン等が好ましく用いられ、更に好ましくは、高重合物系のカチオン性反応型であるアミノアルキルポリシロキサンが用いられる。
本発明で用いられるポリアミド繊維に付与されるポロシロキサン系繊維処理剤の割合は、繊維質量に対して、0.01〜0.55質量%の範囲が好ましく、更に好ましくは0.05〜0.45質量%の範囲である。ポロシロキサン系繊維処理剤は、繊維にぬめり感とストレッチ性を付与する目的で使用されるが、付与される割合が0.01質量%を下回ると、好適なヌメリ感やストレッチ性が得られ難く、通常のポリアミドと同様の織物となることがある。また、付与される割合が0.55質量%を上回ると、紡績工程で油剤が脱落することもあり、油剤が脱落すると紡績性や紡績糸の品質に支障をきたすことがある。
本発明でポリアミド繊維に用いられるポロシロキサン系繊維処理剤は、好適には繊維の紡糸工程中において付与される。ポロシロキサン系繊維処理剤は、繊維の紡糸工程中、界面活性剤に混合して、浸漬法により付与することができる。または、トウを延伸した後の、捲縮を付与する前後にポロシロキサン系繊維処理剤を単独で付与させることもできる。好ましくは、ポロシロキサン系繊維処理剤は、捲縮をかける前または後に単独でスプレー付与し、好ましくは145℃以上で熱処理乾燥をすることにより、より優れた耐久性が得られる。ポロシロキサン系繊維処理剤の付与は、捲縮をかける前または後のいずれでも良い。
ポリアミド繊維に、上記のようにシリコーンを適用することにより、ヌメリ感のあるソフトな風合いと高いストレッチ性など、織物に好適な機能を付与することができる。
また、本発明で用いられる羊毛の平均直径は、18.0〜24.0ミクロンが好ましく、より好ましくは18.0〜21.5ミクロンである。また、羊毛は、ピリング性や寸法安定性が更に安定するため、防縮加工を施したものが好ましく用いられる。羊毛の防縮加工には、羊毛繊維表層のウロコ状部(スケール)を薬品処理により除去する加工(クロイ加工)や、スケール最表面をポリマー樹脂で被膜するコーティング加工が一般的である。このような処理により、羊毛のスケールの立ち上がりが押さえられ、織物の寸法安定性が向上する。
羊毛を防縮加工する手段としては、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、ジクロロイソシアヌル酸塩、過マンガン酸カリまたはモノ過硫酸の酸化剤を含む水浴に羊毛を浸した後、ポリアミド樹脂を被覆する手段などが用いられる。通常、防縮加工(クロイ加工)には、次亜塩素酸塩が用いられる。
本発明で用いられる羊毛の繊維長は、HAUTER法で測定すると平均値で通常60〜90mm程度であり、最長繊維は150mm程度のものもある。したがって、紡績に使用されるウールの繊維長は、ポリアミド繊維の繊維長にあわせて均等にカットしたものを用いることが好ましい。
本発明で用いられる紡績糸は、シリコーンで表面処理されたポリアミド繊維を好ましくは30〜70質量%と、羊毛を好ましくは70質量%〜30質量%とを混合してなる紡績糸である。より好ましくは、同ポリアミド繊維を好ましくは40質量%〜60質量%と、羊毛を好ましくは60質量%〜40質量%とを混合してなる紡績糸である。
本発明で用いられる紡績糸を構成するポリアミド繊維の割合は、好ましくは30質量〜70質量%あり、より好ましくは40質量%〜60質量%である。ポリアミド繊維の割合が、30質量%を下回るとヌメリ感のあるソフトな風合いや高ストレッチ性が得られないことがある。また、ポリアミド繊維の割合が、70質量%を上回ると羊毛の持つ機能が発揮できず、嵩高性や吸湿性と放湿性に劣り、肌着に必要な保温性や快適性が得られないことがある。
また、本発明で用いられる紡績糸において、羊毛の割合は好ましくは30質量%〜70質量%であり、より好ましくは40質量%〜60質量%である。羊毛の割合が、30質量%を下回ると嵩高性や吸・放湿性に劣り、織物に必要な保温性や着用快適性が得られないことがある。また、羊毛の割合が70質量%を上回るとヌメリ感のあるソフトな風合いや高ストレッチ性が得られないことがある。
紡績糸を得るため、本発明で用いられる紡績方法としては、シリコーンで表面処理されたポリアミド繊維の繊維長さが、例えば76mm以下であれば、同様の繊維長に切断加工した防縮加工羊毛を計量により、所定の混率にあわせた原料を、混打綿工程で均一に混合し、カード工程、練条工程、粗紡工程、精紡工程、および巻糸工程と公知の紡績工程を通過させ、均一に混合された紡績糸が得られる。
シリコーンで表面処理されたポリアミド繊維は絡合性が低いため、単独でカード工程を通過させることが難しく、羊毛を混合させることにより、このカード工程を通過させる際の課題を解決することができる。
また、ポリアミド繊維の繊維長が76mmより長い場合は、梳毛紡績となるが、カード工程においては同様に、絡合性の低いポリアミド繊維の紡績性を向上させるため、ポリアミド繊維と同量以下の羊毛を切断して混紡することができる。残りの羊毛は、ギル工程でトップスライバーのまま供給し、混合することができる。
精紡工程は、リング方式により、一定方向にヨリをかけることにより、繊維が均一に拘束され、毛羽も短く抑えることができる。これによって、引張強伸度も安定するため、織物に適応する均一な品質の紡績糸が得ることができる。
本発明で用いられる紡績糸の番手は、メートル番手で好ましくは1/20〜1/64の範囲であり、より好ましくは1/28〜1/48の範囲である。紡績糸の番手が、メートル番手で1/20より太くなると、合撚により複合糸が太くなり、織物に厚みが生じる傾向にある。また、番手が、メートル番手で1/64より細くなると紡績通過性が悪化し、本発明の織物においてより好適な紡績糸が得られない傾向を示す。
また、本発明で用いられる紡績糸のヨリ係数は、インチ方式で好ましくはK=3.2〜4.7の範囲であり、より好ましくはK=3.5〜4.2の範囲である。ヨリ係数が、インチ方式でK=3.2を下回ると、紡績糸を構成する際にポリアミド繊維を拘束することが難しく、紡績糸の引張り強度や引張り伸度が安定しない傾向を示す。また、ヨリ係数がK=4.7を上回ると、織物に粗硬感が生じる傾向を示す。
紡績方法としては、短繊維紡績、長繊維紡績および結束紡績等を適用することができる。
(ポリウレタン系弾性繊維糸)
本発明で使用される複合紡績糸には、ポリウレタン系弾性繊維糸を含ませることができる。ポリウレタン系弾性繊維を複合糸に含ませることにより、ストレッチ性が発現され、着用時にフィット感があるため、秋冬用途として好ましく用いられる。
ポリウレタン繊維糸の総繊度は、20〜44デシテックスが好ましく、ポリウレタン系弾性繊維糸は、織物の伸長性と伸長回復性の点から、複合紡績糸中に2質量%〜10質量%を含ませることが好ましい。
また、ポリウレタン系弾性繊維糸は、合撚時に2.5〜4.5倍で延伸されて複合すると、複合紡績糸の芯部に配置されて外観品位を向上させること、およびストレッチ性が安定することから好ましい態様である。
(合撚)
上記ポリエステルフィラメント糸と、紡績糸と、また必要に応じてポリウレタン繊維糸とを合撚し、複合紡績糸とする。複合紡績糸の合撚数は、ソフト風合い、保温性および品位の観点から、100〜700回/mであることが好ましい条件である。合撚数が100回/m未満であると、保温性は上がるが、織物の表面の凹凸が大きく品位が劣ることがある。一方、合撚数が700回/mを超えると、糸の締まりが強くなり、風合いが硬く保温性も乏しくなる傾向を示す。
複合紡績糸の繊度は、例えば、長繊維換算で総繊度が好ましくは360〜720デシテックスであり、生地の平均的な厚さでの商品では通常450〜650デシテックスである。
ポリエステルフィラメント糸と、紡績糸と、また必要に応じてポリウレタン系弾性繊維糸を合撚し複合して複合紡績糸にする。合撚の割合は、ポリエステルフィラメント糸が20〜80質量%で紡績糸が20〜80質量%であり、ポリウレタン系弾性繊維糸が好ましくは2〜10質量%である。
また、本発明で用いられる複合紡績糸を用いた織物に好適な目付けは、好ましくは250〜600g/mの範囲であり、より好ましくは300〜500g/mの範囲である。特に羊毛を用いる織物は、冬場の屋外においての着用においても保温性や着用快適性を維持する織物として、織物の目付けは300〜500g/mが必要となるからである。
本発明における織物の目付けが250g/mより軽くなると、織物が薄すぎて十分に必要となる保温性を得ることが難しくなる。また、目付けが600g/mより重くなると、生地がかさばるため、動きにくく着用快適性に劣ることになる。
本発明の織物には、上記の複合紡績糸が織物全体の50質量%以上打ち込まれている必要がある。好適には、上記の複合紡績糸が織物全体の50質量%〜70質量%打ち込まれていれば、本発明の織物に上記効果を与えることができる。
本発明では、上記の複合紡績糸を好適には80質量%〜100質量%含まれた緯糸を使うことができる。
[経糸]
本発明の複合紡績糸からなる織物に使用される経糸は、緯糸として上記の合撚された複合紡績糸を用いることを前提に、吸湿性と放湿性や外観上の点から、綿糸を主体に用いられる。最も好ましい綿糸は、綿番手が好ましくは8/1〜16/1のインディゴ染色糸である。織物のタテ方向のストレッチ性を発現させるには、綿糸とポリウレタン系弾性繊維とを併用することができる。
本発明の複合紡績糸からなる織物においては、本発明の効果を最大限に発揮させるために、緯糸が織物の裏面に少なくとも50%以上に露出された組織の織物とすることである。ここで、露出率とは、織物裏面の1完全組織における緯糸の表面に占める比率をいう。好適には、露出率が50%〜80%であれば、織物の裏面、即ち肌面のしっとりしたソフトな風合いが得られる。
織物の組織としては、綾織、平織および繻子織等が挙げられるが、織物全体の形態保持性も含めて綾織が好ましく用いられる。具体的には、2/1綾(裏面の緯糸露出率:67%)や3/1綾(裏面の緯糸露出率:75%)が特に好ましく用いられる。
経糸と緯糸を用いて織物に製織した後、仕上げを行う。仕上げ方法については、通常行う方法は織り上がりの生機を拡布状に連続で糊抜き精練加工を行い、乾熱でセット(130〜190℃)する。その後に40℃で10分間ワッシャーにより洗浄し(ワンウォッシャー加工)、乾燥して仕上げる。または、上記の精練の後に起毛加工し、洗浄して仕上げする方法も含まれる。起毛加工の方法としては、起毛の毛羽がソフトになることから針布起毛が好ましく用いられる。起毛回数は、生地が薄く軽量感があることから、4〜8回程度のものが特に好ましく用いられる。バフ起毛の場合は、毛羽が短く、またチクチク感が残る。
上記したように、精練と洗浄し仕上げた織物、あるいはこれに、さらに精練と起毛加工し、洗浄し仕上げた織物について、評価を行う。
本発明で用いられる綿糸で構成された経糸と、単繊維繊度が2.8デシテックス以下のポリエステルマルチフィラメント糸と、シリコーンで表面処理されたポリアミド繊維と羊毛とを混紡してなる紡績糸とを、複合してなる緯糸を用いて製織し織物を得る。
得られた織物のヨコ方向の曲げ剛性のB値は、好ましくは0.10〜0.50g・cm2/cmの範囲であり、曲げヒステリシス幅の2HB値は、好ましくは0.15〜0.45g・cm/cmの範囲である。また、本発明の前記の複合紡績糸を緯糸として用いた織物は、ヨコ方向の表面粗さのSMD値は好ましくは2.0〜6.5μmである。また、本発明の織物の保温率clo値は、好ましくは0.5〜0.9で、かつ吸・放湿率ΔMR値は好ましくは3.0〜6.0である。また、本発明の前記の複合紡績糸を緯糸として用いた織物のストレッチ性は、好ましくは15〜35%であり、これにより、動き易さが妨げられず、体にフィットした着用快適性に優れた高機能織物を得ることができる。本発明の複合紡績糸からなる織物は、下記の評価方法に基づき評価され、所定の値を有する。
本発明における曲げ剛性は、評価機器としてKES−FB2純曲げ試験機(カトーテック(株)製)を用い織物裏面の緯糸方向に曲げたときの曲げ剛性B値を測定する。この値が小さいほど、剛性は低く、ソフトな風合いである。本発明におけるB値は、好ましくは0.10〜0.50g・cm2/cmの範囲であり、より好ましくは0.15〜0.35g・cm/cmの範囲である。B値がこの範囲より小さい場合は、風合いがクタクタになり、また、B値がこの範囲より大きい場合は硬くなりすぎる。
本発明における緯糸方向の曲げヒステリシス幅は、上記のB値と同一の評価機器を用いて、同様に織物裏面の緯糸方向に曲げたときの織物の曲げヒステリシス幅2HB値を測定する。この値が小さいほど、織物に歪みがなく、腰のある反発性の高い風合いである。本発明における2HB値は、風合い上、好ましくは0.15〜0.45g・cm/cmの範囲である。2HB値がこの範囲より大きい場合は風合いに腰がなくなる。一方、2HB値がこの範囲より小さい場合は、ハリが強すぎて硬すぎる方向になる。
本発明における緯糸方向の表面粗さは、評価機器:KES−FB4表面試験機(カトーテック(株)製)を用い、織物裏面の緯糸方向の表面粗さSMD値を測定する。この値が小さいほど、織物に凹凸が少ない。本発明におけるSMD値は、好ましくは2.0〜6.5μmの範囲であり、凹凸が少なく、しっとり感、ヌメリ感および滑り感が適度に保たれている好ましい範囲である。SMD値が2.0に満たない場合は凹凸が殆どなくなり表面が滑りすぎ、一方、SMD値が6.5を超えるものは凹凸がありすぎてゴワゴワしたタッチとなり易い。
本発明における保温性は、織物の保温性は、指標の一つとして知られている保温率clo値(1clo=0.18℃・hr・m/cal)で表され、その数値が大きいほど織物としての保温性が高いことを示す。clo値の測定方法は、KES−F7(カトーテック(株)製)を使って行ない、0.5以上0.9以下の保温率clo値の織物においては、着用状態で環境が変化しても暖かいと感じられる範囲である。この保温性clo値は、厚さと関係があり、織物厚さが厚くなるとclo値は高くなる。したがって、保温率clo値は、織物の目付けが250g〜600g/mであれば必要な保温性を得ることができる。
また、本発明における織物の吸・放湿性は、衣服内を想定した30℃×90%RHの平衡吸湿率と外気を想定した20℃×65%RHの平衡吸湿率の差から△MRを算出し、吸・放湿率とした。吸・放湿率△MR値が大きいほど、織物の湿度の吸収と放湿との差が大きく蒸れにくいことから、吸・放湿率△MR値が通常1.5%以上あれば着用快適性に優れるといえる。本発明の織物の吸・放湿率ΔMR値は、経糸の綿糸に加えて、ポリアミド繊維と羊毛を組み合わせることにより、好ましくは3.0〜6.0%の範囲となり、これにより快適な着用感を得ることができる。
本発明の綿糸で構成された経糸と、単繊維繊度が2.8デシテックス以下のポリエステルマルチフィラメント糸と、シリコーンで表面処理されたポリアミド繊維と防縮加工を施した羊毛とを混紡してなる紡績糸とを複合してなる緯糸を用いて製織した織物の一態様としては、前述のように、本発明で用いられるポリエステルマルチフィラメント糸と、前記のシリコーンで表面処理されたポリアミド繊維と羊毛とが混合されてなる紡績糸と、ポリウレタン系弾性繊維糸とを精紡工程で複合したし複合紡績糸を緯糸として用いた織物、または、ポリエステルマルチフィラメント糸と、紡績糸とポリウレタン系弾性繊維糸を合撚してなる複合紡績糸を緯糸として用いた織物が挙げられる。紡績糸には、紡績精紡工程で長繊維と短繊維を複合してなる長短複合糸が含まれる。また、ポリウレタン系弾性繊維糸は、前述のように、紡績の精紡工程または合撚工程のどちらの工程にも適用することができる。
本発明では、ポリウレタン系弾性繊維糸を混用せずとも優れた伸長率および伸長回復率を得ることができるが、もちろんさらに優れた編地の特性を得るために風合いや染色性等を損なわない範囲でポリウレタン系弾性繊維糸を混用することが好ましい態様である。
織物を構成するポリウレタン系弾性繊維糸の割合は、2〜10質量%の範囲が好ましい。ポリウレタン系弾性繊維糸は、紡績工程において複合または合撚工程で複合のいずれの方法でも同様の効果が得られる。
本発明の複合紡績糸からなる織物は、厚地織物素材として、デニムや帽子や靴など、またアウター用のシャツやパンツ等、幅広い冬物衣料に好適である。また、本発明の複合紡績糸からなる織物には、付帯加工として、防汚加工、抗菌加工および消臭加工防臭加工、さらには、形状加工として、カレンダー加工、エンボス加工および起毛加工等があり、これらは最終狙い用途の要求特性によって適宜使い分けて使用することができる。
以上のように本発明によれば、羊毛を用いた素材でありながら、チクチクする肌差し感を抑制し、耐摩耗性やストレッチ性に優れ、しっとり感とヌメリ感があり、軽くソフトな風合いで、保温性と吸・放湿性を合わせもつ、着用快適性優れた秋冬用デニムに好適な織物が得られる。
次に、実施例に基づいて本発明の複合紡績糸からなる織物について詳細に説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。本発明における評価方法は、下記の評価方法に基づき評価され、繰り返し3回測定された平均値をA表に記載した。
(1)緯糸方向の曲げ剛性のB値(ソフト性)
評価機器としてKES−FB2純曲げ試験機(カトーテック(株)製)を用い、織物裏面の緯糸方向に曲げたときの剛性B値を測定する。この値が小さいほど、剛性は低く、ソフトな風合いである。本発明におけるB値は、好ましくは0.10〜0.50g・cm2/cmの範囲であり、より好ましくは0.15〜0.35g・cm/cmの範囲である。この範囲より小さい場合は風合いがクタクタになり、また、この範囲より大きい場合は硬くなりすぎる。
(2)ヒステリシス幅の2HB値(反発性)
上記のB値と同一の評価機器を用いて、同様に織物裏面の緯糸方向に曲げたときの織物の曲げヒステリシス幅2HB値を測定する。この値が小さいほど、織物に歪みがなく、腰のある反発性の高い風合いである。本発明における2HB値は、好ましくは0.15〜0.45g・cm/cmの範囲であり、風合い上、好ましい範囲である。この範囲より大きい場合は風合いに腰がなくなる。一方、この範囲より小さい場合は、ハリが強すぎて硬すぎる方向になる。
(3)表面粗さのSMD平均値(滑らかさ)
評価機器:KES−FB4表面試験機(カトーテック(株)製)を用い、織物裏面の緯糸方向の表面粗さSMD値を測定する。この値が小さいほど、織物に凹凸が少ない。本発明におけるSMD値は好ましくは2.0〜6.5μmの範囲であり、凹凸が少なく、しっとり感、ヌメリ感および滑り感が適度に保たれている好ましい範囲である。SMD値が2.0に満たない場合は凹凸が殆どなくなり表面が滑りすぎ、一方、SMD値が6.5を超えるものは凹凸がありすぎてゴワゴワしたタッチとなり易い。
(4)保温性clo値(暖かさ)
評価機器:KES−F7(カトーテック(株)製)を使って行ない、0.5以上0.9以下の保温率clo値の織物においては、着用状態で環境が変化しても暖かいと感じられる範囲である。この保温性clo値は、厚さと関係があり、織物厚さが厚くなるとclo値は高くなる。したがって、保温率clo値は、織物の目付けが250g〜600g/mであれば必要な保温性を得ることができる。
(5)吸・放湿率ΔMR値(快適性)
織物サンプル(試験片)を絶乾させた後に、温度30℃湿度90%と、温度20℃湿度65%のそれぞれのデシケーターに入れて、24時間後の織物の質量(湿度吸収量)を測定し、△MR値を次式より求める。
・ΔMR=MR2−MR1=(W1−W3)/W3×100%、
・MR2=(W2−W3)/W3×100%
(ここで、W1は温度20℃×湿度65%RHにおける試験片の質量(g)であり、W2は温度30℃×湿度90%RHにおける試験片の質量(g)であり、W3は絶乾状態における試験片の質量(g)である。)
MR値が大きいほど、織物の湿度の吸収と放湿との差が大きく、蒸れにくい。本発
明の織物におけるΔMR値は好ましくは3.0%以上であり、これは、例えば、ΔMR値0.1〜0.2%のポリエステル繊維100%の織物に比べてはるかに蒸れにくく、着用快適性に優れるレベルである。
織物の吸・放湿率ΔMR値は、経糸の綿糸に加えて、ポリアミド繊維と羊毛を組み合わせることにより、好ましくは3.0〜6.0%の範囲となり、快適着用性を得ることができる。
(6)伸長率(ストレッチ性)
織物の緯糸方向の伸長率は、JIS L−1096(JISハンドブック2011年版)の8.14.1、A法に従い織物の伸長率を測定した。この値が高いほど、ストレッチ性が高く良好なものである。織物のヨコ方向についての伸長率は、15%〜35%の範囲であれば体にフィットして快適着用性を得ることができる。
[実施例1]
<緯糸>
ポリエチレンテレフタレートのポリマーチップを口金から紡糸し延伸して得られた、単繊維断面形状が円形の総繊度110デシテックス、72フィラメントを2本用いた、総繊度220デシテックスのマルチポリエステルフィラメント糸を得た。
次に、ポリシロキサン系繊維処理剤は、分子量50000、分子量平均2個のSi(CHNHCHCHNH基を有するポリジメチルシロキサンを主成分とするものを、ポリアミド繊維の質量に対して0.1質量%を原綿製造工程で表面処理したポリアミド繊維ステープル(2.2デシテックス、51mm)と、羊毛の繊維表層のウロコ状部(スケール)を次亜塩素酸塩を用いた薬品処理により除去した防縮加工羊毛(21.5ミクロン)とを、紡績込打綿工程で混綿した後、カード工程を通過させ、ポリアミド繊維ステープル50質量%と防縮ウール50質量%の混合スライバーを得た。練条工程および粗紡工程を通過させた粗紡糸を、リング精紡機を通過させて、メートル番手1/32の紡績糸を得た。
次いで、上記で得られたポリエステルフィラメント糸と紡績糸を350回/mのヨリをかけて複合し複合紡績糸を得た。得られた複合紡績糸の混率は、ポリエステルフィラメント糸42質量%、紡績糸58質量%(ポリアミド繊維:29質量%と羊毛繊維:29質量%)であった。
<製織、織物>
次に、経糸にネービー色にインディゴ染色した綿番手8/1に糊付けした綿糸を用い、これに上記で得られた複合紡績糸530デシテックスを緯糸として打ち込み、織物を製織した。
織物の組織は3/1の綾組織であり、また、生機幅は181cm、経糸密度は72本/2.54cm、緯糸密度は55本/2.54cmであった。この生機の全体の混率は、綿63質量%、ポリエステルフィラメント糸15質量%、ポリアミド繊維11質量%、羊毛繊維11質量%であった。また、織物の裏面の緯糸の露出率は75%であった。
<仕上げ、評価>
次いで、このようにして得られた織物を、拡布状に連続で糊抜き精練加工を行い、乾熱でセット温度180℃でセットし、更に40℃の温度で10分間ワッシャー洗いを行い(ワンウォッシャー加工)、仕上げした。生機幅は172cm、経糸密度は75本/2.54cm、緯糸密度は56本/2.54cmであった。製品評価として、この仕上げた織物についての評価結果を、表1に記載する。
[実施例2]
<緯糸>
実施例1で得られた110デシテックス、72フィラメントを1本からなる、総繊度110デシテックスのポリエチレンテレフタレート糸を得た。
次に、ポリシロキサン系繊維処理剤は、分子量50000、分子量平均2個のSi(CHNHCHCHNH基を有するポリジメチルシロキサンを主成分とするものを、ポリアミド繊維の質量に対して0.1質量%を原綿製造工程で表面処理したポリアミド繊維ステープル(2.2デシテックス、51mm)と、羊毛の繊維表層のウロコ状部(スケール)を次亜塩素酸塩を用いた薬品処理により除去した防縮加工羊毛(23.5ミクロン)を、紡績込打綿工程で混綿した後、カード工程を通過させ、ポリアミド繊維ステープル50質量%と防縮羊毛50質量%の混合スライバーを得た。練条工程および粗紡工程を通過させた粗紡糸を、リング精紡機を通過させて、メートル番手1/20の紡績糸を得た。
次いで、上記で得られたポリエステルフィラメント糸と紡績糸を275回/mのヨリをかけて合撚して複合紡績糸を得た。得られた複合紡績糸の混率は、ポリエステルフィラメント糸20質量%、紡績糸80質量%(ポリアミド繊維:40質量%と羊毛繊維:40質量%)であった。
<製織、織物>
次に、経糸にネービー色にインディゴ染色した綿番手8/1に糊付けし綿糸を用い、これに上記で得られた複合紡績糸600デシテックスを緯糸として打ち込み、織物を製織した。
織物の組織は3/1の綾組織であり、また、生機幅は181cm、経糸密度は72本/2.54cm、緯糸密度は55本/2.54cmであった。この生機の全体の混率は、綿61質量%、ポリエステルフィラメント糸8質量%、ポリアミド繊維15.5質量%、羊毛繊維15.5質量%であった。また、織物の裏面の緯糸の露出率は77%であった。
<仕上げ、評価>
次いで、このようにして得られた織物を拡布状に連続で糊抜き精練加工を行い、乾熱でセット温度180℃でセットし、更に40℃の温度で10分間ワッシャー洗いを行い(ワンウォッシャー加工)、仕上げした。生機幅は172cm、経糸密度は75本/2.54cm、緯糸密度は56本/2.54cmであった。製品評価として、この仕上げた織物についての評価結果を、表1に記載する。
[実施例3]
<緯糸>
実施例1で得られた110デシテックス、72フィラメントを3本用いた、総繊度330デシテックスのポリエチレンテレフタレート糸を得た。
次に、ポリシロキサン系繊維処理剤は、分子量50000、分子量平均2個のSi(CHNHCHCHNH基を有するポリジメチルシロキサンを主成分とするものを、ポリアミド繊維の質量に対して0.1質量%を原綿製造工程で表面処理したポリアミド繊維ステープル(1.7デシテックス、51mm)と、羊毛の繊維表層のウロコ状部(スケール)を次亜塩素酸塩を用いた薬品処理により除去した防縮加工羊毛(19.5ミクロン)とを、紡績込打綿工程で混綿した後、カード工程を通過させ、ポリアミド繊維ステープル50質量%と防縮羊毛50質量%の混合スライバーを得た。練条工程および粗紡工程を通過させた粗紡糸を、リング精紡機を通過させて、メートル番手1/64の紡績糸を得た。
次いで、上記で得られたポリエステルフィラメント糸と紡績糸を500回/mのヨリをかけて合撚し、複合紡績糸を得た。得られた複合紡績糸の混率は、ポリエステルフィラメント糸68質量%、紡績糸32質量%(ポリアミド繊維:16質量%と羊毛繊維:16質量%)であった。
<製織、織物>
次に経糸にネービー色にインディゴ染色した綿番手8/1に糊付けし、これに上記の複合糸485デシテックスを緯糸として打ち込み、織物にした。
織物の組織は3/1の綾組織であり、また、生機幅は181cm、経糸密度は72本/2.54cm、緯糸密度は55本/2.54cmであった。この生機の全体の混率は、綿66質量%、ポリエステルフィラメント糸22質量%、ポリアミド繊維6質量%、羊毛繊維6質量%であった。また、織物の裏面の緯糸の露出率は74%であった。
<仕上げ、評価>
次いで、このようにして得られた織物を拡布状に連続で糊抜き精練加工を行い、乾熱でセット温度180℃でセットし、更に40℃の温度で10分間ワッシャー洗いを行い(ワンウォッシャー加工)、仕上げした。生機幅は172cm、経糸密度は75本/2.54cm、緯糸密度は56本/2.54cmであった。製品評価として、この仕上げた織物についての評価結果を、表1に記載する。
[実施例4]
<緯糸>
実施例1で得られた110デシテックス、72フィラメントを2本用いて、総繊度220デシテックスのポリエチレンテレフタレート糸を得た。
次に、ポリシロキサン系繊維処理剤は、分子量50000、分子量平均2個のSi(CHNHCHCHNH基を有するポリジメチルシロキサンを主成分とするものを、ポリアミド繊維の質量に対して0.1質量%を原綿製造工程で表面処理したポリアミド繊維ステープル(2.2デシテックス、51mm)と、次に羊毛の繊維表層のウロコ状部(スケール)を次亜塩素酸塩を用いた薬品処理により除去した防縮加工羊毛(21.5ミクロン)とを、紡績込打綿工程で混綿した後、カード工程を通過させ、ポリアミド繊維ステープル50質量%と防縮ウール50質量%の混合スライバーを得た。練条工程および粗紡工程を通過させた粗紡糸を、リング精紡機を通過させて、メートル番手1/32の紡績糸を得た。
次いで、上記で得られたポリエステルフィラメント糸と紡績糸と、総繊度44デシテックスのポリウレタン弾性繊維糸を3.0倍に延伸させて、これらの糸に350回/mのヨリをかけて合撚し、複合紡績糸を得た。得られた複合紡績糸の混率は、ポリエステルフィラメント糸40質量%、紡績糸57質量%(ポリアミド繊維:28.5質量%と羊毛繊維:28.5質量%)、ポリウレタン弾性繊維糸3質量%であった。
<製織、織物>
次に経糸にネービー色にインディゴ染色した綿番手8/1に糊付けし、これに上記の複合糸545デシテックスを緯糸として打ち込み、織物にした。
織物の組織は3/1の綾組織であり、また、生機幅は181cm、経糸密度は72本/2.54cm、緯糸密度は55本/2.54cmであった。この生機の全体の混率は、綿63質量%、ポリエステルフィラメント糸15質量%、ポリアミド繊維11質量%、羊毛繊維11質量%であった。また、織物の裏面の緯糸の露出率は75%であった。
<仕上げ、評価>
次いで、このようにして得られた織物を拡布状に連続で糊抜き精練加工を行い、乾熱でセット温度180℃でセットし、更に40℃の温度で10分間ワッシャー洗いを行い(ワンウォッシャー加工)、仕上げした。生機幅は172cm、経糸密度は75本/2.54cm、緯糸密度は56本/2.54cmであった。製品評価として、この仕上げた織物についての評価結果を、表1に記載する。
前記の実施例の結果から、織物のソフトな風合いと程よい反発性、表面の滑らかさと合わせて保温性が高く、更に蒸れにくく、高ストレッチ性が付与できたことにより、冬物衣料に好適な着用快適性に優れた織物が得られたことが確認できた。
[比較例1]
緯糸に、綿番手10/1の綿糸を用いたほかを除いて、実施例1に従って緯糸として打ち込み、製織し糊抜き精練、ワンウォッシャー加工し、仕上げた(綿100%織物)評価結果を、表1に併記する。
得られた織物を用いて同様に評価した結果、複合紡績糸を用いていない比較例1の織物は、風合いが硬く、表面の滑らかさに劣り、また、保温性に劣るため、冬物衣料には機能性付与が必要となる。
[比較例2]
緯糸に、繊維断面形状が円形の110デシテックス、36フィラメントを2本用いた、総繊度220デシテックスのマルチポリエステルフィラメント糸を用いたことを除き、実施例1に従って緯糸として打ち込み、製織し、糊抜き精練、ワンウォッシャー加工し、仕上げた(綿63%織物)評価結果を表1に併記する。
得られた織物を用いて同様に評価した結果、複合紡績糸を用いていない比較例2の織物は、表面の滑らかさはあるものの、反発性が高く、風合いが硬すぎて、着用快適性に劣り、冬物衣料として好適でないことが確認できた。
[比較例3]
緯糸に、実施例1で得られた110デシテックス、72フィラメントを2本用いた、総繊度220デシテックスのポリエチレンテレフタレート糸を用い、ポリジメチルシロキサンを主成分とするものを、原綿製造工程で付与しないポリアミド繊維ステープル(2.2デシテックス、51mm)と、羊毛の繊維表層のウロコ状部(スケール)を次亜塩素酸塩を用いた薬品処理により除去した防縮加工羊毛(21.5ミクロン)とを、実施例1記載の紡績方法により羊毛50質量%のポリアミド繊維ステープル50質量%の、メートル番手1/32の紡績糸を得たことを除き、実施例1に従って緯糸として打ち込み、製織し、糊抜き精練、ワンウォッシャー加工し、仕上げた(綿46.5%織物)評価結果を表1に併記する。
得られた織物を用いて同様に評価した結果、シリコーンで表面処理されたポリアミド繊維を用いていない比較例3の織物は、表面の滑らかさに劣り、ストレッチ性が得られないため、着用快適性に劣り、冬物衣料として好適でないことが確認できた。
Figure 2015108204

Claims (9)

  1. 経糸と緯糸からなる織物において、前記経糸が綿糸で構成されると共に、前記緯糸が、単繊維繊度0.8〜2.8デシテックスのマルチフィラメント糸20質量%〜80質量%と、シリコーンで表面処理されたポリアミド繊維と羊毛とを混紡してなる紡績糸80質量%〜20質量%とを含む複合紡績糸で構成されており、前記緯糸が織物全体の50質量以上打ち込まれており、かつ前記緯糸が織物の裏面に少なくとも50%以上露出していることを特徴とする複合紡績糸からなる織物。
  2. 下記(1)〜(6)の要件を同時に満足する請求項1記載の複合紡績糸からなる織物。
    (1)緯糸方向の曲げ剛性 B値:0.10〜0.50g・cm/cm以上
    (2)緯糸方向の曲げヒステリシス幅 2HB値:0.15〜0.45g・cm/cm
    (3)緯糸方向の表面粗さ SMD値:2.0〜6.5μm
    (4)保温性 CLO値:0.5〜0.9
    (5)吸・放湿度 ΔMR値:3.0〜6.0%
    (6)ストレッチ性 伸張率:15〜35%
  3. マルチフィラメント糸がポリエステルフィラメントからなり、その単繊維繊度が、0.8〜2.8デシテックスである請求項1または2記載の複合紡績糸からなる織物。
  4. シリコーンで表面処理されたポリアミド繊維の単繊維繊度が、1.0〜3.3デシテックスである請求項1〜3のいずれかに記載の複合紡績糸からなる織物。
  5. 羊毛が防縮加工された羊毛であり、その単繊維の直径が18.0〜24.5マイクロメートルである請求項1〜4のいずれかに記載の複合紡績糸からなる織物。
  6. 紡績糸におけるポリアミド繊維と羊毛の混紡率が両者30質量%〜70質量%であり、紡績糸の番手がメートル番手で1/20〜1/64である請求項1または2記載の複合紡績糸からなる織物。
  7. 複合紡績糸が、さらにポリウレタン系弾性繊維糸を含む請求項1〜6のいずれかに記載の複合紡績糸からなる織物。
  8. ポリウレタン系弾性繊維糸が2.0〜4.5倍で延伸され、合燃されてなる請求項7記載の複合紡績糸からなる織物。
  9. 複合紡績糸が、撚り数100〜700回/mの合撚糸である請求項1〜8のいずれかに記載の複合紡績糸からなる織物。
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