JP3902007B2 - 緯編地 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、緯編地、特にドライタッチでソフトな風合いと、優れたストレッチ性と伸長回復性を有し、着用快適性に優れた緯編地に関する。
背景技術
従来、合成繊維であるポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)繊維やナイロン繊維を主成分とした緯編物は、アウターやインナー用途等で広く用いられてきている。しかしながら、PET繊維を主成分とした緯編物は、ウォッシュアンドウェアー性、寸法安定性、耐黄変性といった特徴を有するものの、風合いが硬く、ストレッチ性が不充分であり、ドレープ性や着用快適性に劣るといった問題があった。
また、ナイロン繊維を主成分とした緯編物は、ヌメリ感のあるソフトな風合いとある程度のストレッチ性を有するものの、ウォッシュアンドウェアー性、寸法安定性、耐黄変性等が劣るといった問題があった。
一方、ポリトリメチレンテレフタレート(以下、PTTという)繊維糸条を用いた編地としては、特開平11−12902号公報に、セルロース系繊維糸条とPTT系繊維糸条とを交編した交編物が開示されている。この公報に開示の技術は、セルロース系繊維特有の風合いを有し、かつ、筋や段の発生がない編地を得ることを目的としており、経編物や丸編物、横編物の交編物を液流染色機で精練・染色した後、仕上げ剤処理する方法が開示されている。
また、特開平11−200175号公報には、PTT繊維からなる発色性の優れた織編物が開示されており、一口編地を精練時に経方向に5.8%収縮させた後、熱処理し、次いで、染色後に再度熱処理する方法が開示されている。
しかしながら、上記いずれの先行技術に開示された編地も、風合いが硬く、ストレッチ性や着用快適性に劣るという問題があった。
発明の開示
本発明の目的は、ウォッシュアンドウェアー性、寸法安定性、耐黄変性に優れ、ドライタッチで、ソフトな風合いと、優れたストレッチ性(本発明では、緯方向の定荷重時伸び率で表す)と伸長回復性(本発明では、緯方向の伸長弾性率で表す)を有し、着用快適性に優れた緯編地を提供することにある。
本発明の他の目的は、特にアウター用途に適する緯編地を提供することにある。
PTT繊維は、ウォッシュアンドウェアー性、寸法安定性、耐黄変性に優れ、低ヤング率から由来するソフトな風合いと、ドライタッチ感、及び優れた弾性回復率を有する。しかしながら、この繊維を用いて従来の一般的な方法で緯編地を製造すると、風合いが硬いうえにストレッチ性が低く、着用快適性の劣るものしか得られない。
本発明者らは、PTT繊維を用いた緯編地で、特にソフトな風合いと、高ストレッチ性並びに優れた伸長回復性を発現させるため、繊維の微細構造、繊維物性、編物構造、製編工程および染色加工・仕上げ加工工程における編地構造の変化挙動と、風合いやストレッチ性等との関係について鋭意検討を行った。その結果、PTT繊維の特有の現象として、製編工程での糸張力に基づく編み縮みが比較的大きく発生し、この生機を染色仕上げ加工工程で熱収縮させると、編地の嵩密度が高くなり、このため風合いが硬くなりしかもストレッチ性が低下するということを見出した。
例えば、前記の特開平11−12902号公報に開示されているような、PET繊維等で通常行われている方法で丸編地や横編地生機を作成すると、編縮みが大きくなるため生機密度が高くなりすぎ、この生機をPET繊維等で通常行われている方法で染色仕上げ加工すると、染色加工工程等の熱処理による生機の収縮により編地の嵩密度が著しく高くなり、その結果、得られる編地は風合いが硬く、緯方向のストレッチ性が低く、しかも着用快適性が著しく劣るものとなる。
本発明者らは、かかるPTT編地特有の問題点に着目し、PTT編地の生機設計と製編条件、並びに染色・仕上げ加工条件を適正化することにより、得られるPTT編地の嵩密度を適正な範囲に設定することができ、風合いがソフトでストレッチ性、伸長回復性に優れた緯編地が得られることを見出した。また、優れた着用快適性を付与するためには、風合いがソフトであることに加え、編地が、特に緯(ウェル)方向が低い応力で伸び易く、しかも伸長回復性に優れることと、せん断方向に低い応力で変形し易いことが重要であることを見出した。
例えば、前記の特開平11−200175号公報に開示された方法のように、染色加工工程等の熱処理により経方向に比較的大きく収縮させると、比較的小さい生機の幅入りしか起こらず、得られる編地は緯方向の伸縮性が著しく低いものとなる。更には、特にPET原糸使いの緯編地は容易にランが発生するが、PTT緯編地の緯方向の定荷重時伸び率を特定範囲とすることにより、原糸使いであってもランが発生しにくいという予想されなかった効果を奏することをも見出し、本発明を完成するに至った。
なお、ここでいうラン(run)とは、ラダーリング(laddering)ともいい、編地に緯(ウェル)方向の比較的大きな張力を掛けると、編目が編組織から外れて編地の経(コース)方向に線状に組織が崩れる現象をいう。
即ち、本発明は下記の通りである。
1.PTT繊維糸条を含み、JIS−L−1018による2.5cm幅当り19.6Nの荷重で測定した緯方向の定荷重時伸び率が80〜250%の範囲であることを特徴とする緯編地。
2.JIS−L−1018による緯方向の50%伸長時の伸長弾性率が80%以上である上記1記載の緯編地。
3.目付が80〜500g/mで、且つ嵩密度が0.28〜0.60g/cmである上記2記載の緯編地。
4.KES−FBによるせん断剛性(G)が0.28〜1.50cN/cm・deg.である上記2又は3記載の緯編地。
発明を実施するための最良の形態
本発明において、PTT繊維とは、トリメチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするPTTの繊維をいい、トリメチレンテレフタレート単位を約50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上のものをいう。従って、第三成分として他の酸成分及び/又はグリコール成分の合計量が、約50モル%以下、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下の範囲で含有されたPTTを包含する。
PTTは、テレフタル酸又はその機能的誘導体と、トリメチレングリコール又はその機能的誘導体とを、触媒の存在下、適当な反応条件下で重縮合せしめることにより製造される。この製造過程において、適当な一種又は二種以上の第三成分を添加して共重合ポリエステルとしてもよいし、又、PTTと、PET等のPTT以外のポリエステルやナイロンとをブレンドしてもよい。
更に、本発明におけるPTT繊維は、上記PTT以外のポリエステル、ナイロン等との複合紡糸(鞘芯、サイドバイサイド等)繊維をも包含する。
添加する第三成分としては、脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、アジピン酸等)、脂環族ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸等)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、テトラメチレングリコール等)、脂環族グリコール(シクロヘキサンジメタノール等)、芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、ポリエーテルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、脂肪族オキシカルボン酸(ω−オキシカプロン酸等)、芳香族オキシカルボン酸(p−オキシ安息香酸等)等が挙げられる。又、1個又は3個以上のエステル形成性官能基を有する化合物(安息香酸等又はグリセリン等)も重合体が実質的に線状である範囲内で使用出来る。
本発明で用いるPTT繊維には、二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等を含有させてもよい。
本発明において、PTT繊維の紡糸方法は特に限定されず、1500m/分程度の巻取り速度で紡糸して未延伸糸を得た後、2〜3.5倍程度で延撚する方法、紡糸−延撚工程を直結した直延法(スピンドロー法)、巻取り速度5000m/分以上の高速紡糸法(スピンテイクアップ法)、紡糸後、一度水浴で冷却してから延伸する方法などの何れの方法を採用しても良い。
PTT繊維は、長繊維でも短繊維でもよいが、長繊維が好ましい。また、長さ方向に均一なものや太細のあるものでもよく、断面形状においても丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。
PTT繊維糸条は、原糸、仮撚糸(POY等の延伸仮撚糸を含む)、先撚仮撚糸(例えば、S又はZ方向に600〜1000T/m先撚し、Z又はS方向に3000〜4000T/m仮撚したもの)、空気噴射加工糸、リング紡績糸、オープンエンド紡績糸等の紡績糸やマルチフィラメント原糸(極細糸を含む)、混繊糸、及び、これらを撚糸したもの等を包含する。
PTT繊維糸条の単糸繊度は、特に制限はなく、一般には0.1〜11dtex程度のものを用いることができるが、編地のストレッチ率や伸長回復性を向上させるために1〜8dtexがより好ましい。また、総繊度は30〜300dtexが好ましく、特に50〜200dtexが好ましい。
本発明において使用するPTT繊維は、破断強度2.2〜5.0cN/dtex、破断伸度30〜55%、初期弾性率14〜27cN/dtex、10%伸張時の弾性回復率80〜100%、沸水収縮率6〜15%であることが好ましい。
本発明の目的を損なわない範囲内で、ウール、綿に代表される天然繊維等や、合成繊維を、混紡(サイロスパンやサイロフィル等)、交絡混繊(高収縮糸との異収縮混繊糸等)、交撚、複合仮撚(伸度差仮撚等)、2フィード流体噴射加工等の手段で混用してもよい。
本発明でいうPTT繊維糸条を含む緯編地とは、PTT繊維糸条単独で構成された緯編地はもちろん、PTT繊維糸条と他の繊維糸条(単独あるいは複数)とを交編した緯編地等も包含する。PTT繊維と交編する方法としては、例えば、引き揃えて給糸する方法、それぞれ単独でループを形成する方法、ループを形成せずに挿入する方法等がある。交編する他の繊維は、特に制限されるものではなく、いかなる繊維でも構わないが、好ましくは、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリビニル系繊維、ポリプロピレン系繊維等の合成繊維や、綿、麻、ウール、絹等の天然繊維、キュプラ、レーヨン、ポリノジック等の再生セルロース系繊維やアセテート系繊維である。
本発明の緯編地は、PTT繊維以外の弾性繊維、すなわちポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエーテルエステル系の弾性繊維を含まなくとも所望のストレッチ性を達成できる。
本発明の緯編地を構成するPTT繊維糸条の割合は、得られる編地の風合い(ソフトさ)、ストレッチ性の点から15wt%以上であることが好ましい。より好ましい範囲は40wt%以上、特に好ましい範囲は80wt%以上である。
本発明でいう緯編地とは、丸編地、横編地が挙げられが、特に丸編地が好ましい。具体的な編組織としては、両面編(スムース)、3段両面編、天竺(平編)、天竺かのこ編、リブ編(フライス編、ゴム編)、パール編、ポンチローマ編、ダブルピケ編、シングルピケ編、ハーフカーディガン編、エイトロック編、ブリスタ編、裏毛編等が挙げられる。また、編構造としては、シングル編、ダブル編のいずれでもよい。
本発明の緯編地は、JIS−L−1018による2.5cm幅当り19.6Nの荷重で測定した緯方向の定荷重時伸び率が80〜250%、好ましくは90〜200%、更に好ましくは100〜150%である。この定荷重時伸び率が80%未満であると、ストレッチ性が劣り、着用時の生地の追従性が不充分となり着用快適性に劣る。一方、定荷重時伸び率が250%を超えると、伸長弾性率の低下が大きくなり伸長回復性が劣るものとなる。
本発明の緯編地は、JIS−L−1018のA法(定伸長法)により測定した緯方向の50%伸長時の伸長弾性率が80%以上であることが好ましい。この範囲であると、着用時の形態安定性が良好となり、着用快適性も高まる。更に好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上である。
本発明の緯編地は、KES−FBによるせん断剛性(G)が0.28〜1.50cN/cm・deg.の範囲であることが好ましい。より好ましくは0.30〜1.30cN/cm・deg.の範囲である。この範囲内であると、特に風合いがソフトで、良好な着用快適性が得られる。
ここで、せん断剛性(G)とは、KES−FB計測システム(Kawabata’s Evaluation System for Fabric)によって測定される値のことであり、この値が小さい程風合いが柔らかい。KES−FB計測システムは、布帛の風合いに影響を与える力学的特性を、4機種(引張り・せん断、純曲げ、圧縮、表面特性)を用いて計測できるシステムである。特に、せん断剛性(G)は、生地のせん断(斜め)方向の変形を表すもので、この値が小さい程変形し易い。このせん断剛性(G)を前記した範囲に特定することにより、着用時の生地の追従性が高まり、良好な着用快適性が得られる。このことは、本発明者らによりはじめて見出されたことである。
本発明の緯編地は、ドレープ性、伸長回復性の点から、アウター用途としては目付が80g/m以上であることが好ましい。また、重さの点から、衣料用途としては目付が500g/m以下であることが好ましい。より好ましくは100〜400g/m、特に好ましくは120〜350g/mの範囲である。
本発明の緯編地は、伸長回復性の点から、嵩密度が0.28g/cm以上が好ましい。また、風合い、ストレッチ性、着用快適性の点から、嵩密度は0.60g/cm以下が好ましい。より好ましくは0.30〜0.55g/cmの範囲である。
編地の密度は、15〜80コース/2.54cm、15〜70ウェル/2.54cm、特に30〜70コース/2.54cm、30〜60ウェル/2.54cmの範囲が好ましい。
PTT繊維糸条を,PET繊維糸条等で行われている通常の編成条件で編成した生機は、編縮みが大きく、密度が高いものとなる。これはPTT繊維糸条自体が持つ、低応力で伸びて伸長回復性が優れるという性質に起因するものである。この生機を用いて染色・仕上げ加工を行うと、染色工程での特に緯方向の収縮により、編地の嵩密度が高くなり繊維相互の拘束力が高まり、ストレッチ性が低くしかも風合いが硬いものしか得ることができない。そこで、ゲージや編込み長を調整して、編地密度を、従来のPET繊維糸条等で一般的に行われている編成設計より約10〜30%粗く設計した生機を用いる必要がある。
本発明においては、このような粗設計の緯編地生機を用いて熱水、湿熱、乾熱等のリラックス熱処理を行うことにより、コースとウェルの配列や密度バランスが変化し、組織点の長さ変化や、交差点の屈曲によるクリンプ付与や、糸条の浮いている部分に捲縮付与による形態変化を持たせることができ、緯編地は高いストレッチ性と優れた伸長回復性を発現する。一方、PET繊維糸条等で行なわれている通常の編成条件で編成した生機を用いた場合、PTT繊維は、沸水収縮率が6〜15%程度と高く、しかも熱応力も高いため、このリラックス熱処理により緯編地生機は収縮し嵩密度が大きくなりすぎて、編地を構成する繊維相互の自由度が低下してしまい、風合いが硬く、ストレッチ性も低いものしか得られない。
従って、ソフトな風合いと、高ストレッチ性並びに優れた伸長回復性を得るためには、予め密度を粗く設計した緯編地生機を、染色・仕上げ加工工程での熱処理により適正な嵩密度とすることが重要であり、糸自身の収縮以外に組織収縮を起こさせることによって、コース又はウェル方向に細かい屈曲クリンプや捲縮を与えると共に、編地を構成する繊維自身の自由度を高めることができる。
本発明の緯編地は、粗設計生機を、染色加工工程で主に緯(幅)方向に適度に収縮させることにより好適に得られる。すなわち、PTT繊維の緯編地生機を熱処理して緯編地を製造するに際し、下記式で示される収縮係数を1.2〜1.9とする緯編地の製造方法により好適に得られる。
収縮係数={(製品のコース数)×(製品のウェル数)}/{(生機のコース数)×(生機のウェル数)}
(但し、製品とは、生機を染色・仕上げ加工した後の緯編地をいう。)
上記の収縮係数は、伸長回復性、着用快適性の点から1.2以上であることが好ましく、嵩密度、風合い、ストレッチ性、せん断剛性、着用快適性の点から1.9以下であることが好ましい。より好ましい収縮係数は1.3〜1.9である。
従来、PETでは180〜190℃での幅出しセットが行われている。
これに対し、本発明の緯編地では、具体的には、粗設計生機を精練前又は精練後に150〜170℃の乾熱で30秒から2分間の幅入れ熱処理を行う方法や、リラクサーや液流染色機等を用い、80〜130℃、好ましくは95〜130℃の熱水で揉布してリラックスさせる方法により、幅入り率が5〜30%、より好ましくは10〜20%の幅入れを行う方法が好適である。
より好ましくは、精練前又は精練後に緯方向の幅入れ率を20〜−5%、更に好ましくは10〜−3%、特に好ましくは5〜0%(有り幅)に設定し、150〜170℃の乾熱で30秒から2分間の幅入れ熱処理を行い、その後、リラクサーや液流染色機等を用い、80〜130℃、更に好ましくは95〜130℃の熱水で揉布してリラックスさせる方法により、幅入り率が5〜30%、更に好ましくは10〜20%の幅入れを行う。その後に、0(有り幅)〜5%の幅出し率で150〜170℃のファイナルセットを施すことによって緯方向の高ストレッチ性と優れた伸長回復性、並びにソフトな風合いが同時に得られる。
特に、仮撚加工糸等の加工糸を用いた場合は、これらの熱処理温度の最高温度を糸の加工温度より約10℃程度低くすることが、高ストレッチ性と優れた伸長回復性並びにソフトな風合いを得るうえで好ましい。
PTT繊維で良好な捲縮を得るためには、PETの場合より仮撚加工温度を低く設定する必要があり、仮撚加工温度が170℃程度で良好な捲縮を有する加工糸が得られる。従って、編地の熱セット温度は150〜160℃が好ましい。170℃以上で熱セットすると、捲縮がフローしてしまい、ストレッチ性と伸長回復性が低下し、形態安定性が不十分となる。
また、経(長さ)方向に適度に追い込みながら熱セットすることにより、編地の経(長さ)方向のストレッチ性も高めることができる。
尚、熱処理機としては、ピンテンター、クリップテンター、ショートループドライヤー、シュリンクサーファードライヤー、ドラムドライヤー等が使用できるが、所望のストレッチ率を得るためには、経、緯方向に寸法制御ができるピンテンターが好ましい。
本発明においては、かかるストレッチ性を有する編地に対して、通常の仕上げ加工剤を適用できるが、特にPTT繊維糸条の糸−糸間の摩擦抵抗を低減させる性能を有する加工剤を付与すると、ドライクリーニングや洗濯後の編地の伸長回復性の低下がより少なくなるので好ましい。この加工剤としては、特に限定されないが、平滑性と耐ドライクリーニング性、耐洗濯性を兼ね備えたシロキサン結合(Si−O−Si)を基本骨格として有する化合物であるオルガノポリシロキサンが好ましい。布帛に対するこのようなシリコーン化合物の付着量は、シリコーンエマルジョンの純分換算の質量で0.05〜2.0wt%の範囲が好ましい。シリコーン化合物は、吸尽処理、スプレー、浸漬して絞液、キスロールなどの方法によって付着させることが出来る。更に、耐久性を高めるためには、付着後又は乾燥後に熱処理を行うことが好ましい。尚、このシリコーン化合物に、必要に応じて架橋剤、触媒、樹脂、風合い調製剤等を混合して使用してもよい。
また、本発明の緯編地は、カレンダー加工、エンボス加工、起毛加工、プリーツ加工、プリント加工、オパール加工等の加工を行ったものも包含される。
〔実施例〕
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。
なお、測定方法、評価方法等は下記の通りである。
(1)還元粘度(ηsp/c)
還元粘度(ηsp/c)は、ポリマーを90℃でo−クロロフェノールに1g/デシリットルの濃度で溶解し、その後、得られた溶液をオストワルド粘度管に移し35℃で測定し、下記式により算出した。
還元粘度(ηsp/c)=(T/T−1)/c
(式中、Tは試料溶液の落下時間(秒)、Tは溶剤の落下時間(秒)、cは溶液濃度(g/デシリットル)を表す。)
(2)弾性回復率(%)
繊維を、チャック間距離20cmで引張試験機に取り付け、伸長率10%まで引張速度20cm/分で伸長し1分間放置した。その後、再び同じ速度で収縮させ、応力−歪み曲線を描く。収縮中、応力がゼロになった時の伸度を残留伸度(A)とする。弾性回復率は以下の式に従って求めた。
10%伸長時の弾性回復率(%)={(10−A)/10}×100
(3)沸水収縮率(BWS)
JIS−L−1013 熱水収縮率試験方法の(B)法に準じて測定した。なお、熱水温度は約100℃(ボイル)とした。
(4)定荷重時伸び率(%)
JIS−L−1018の定荷重時伸び率を、グラブ法に準拠して、ウェル(緯)方向のみ測定した。採取試験片の大きさは、経10cm×緯15cmとした。サンプル2.5cm幅当り、19.6Nの一定荷重で測定した。
(5)目付(g/m
JIS−L−1018の正量の測定法に準拠して測定した。
(6)嵩密度(g/cm
厚さを、JIS−L−1018の厚さの測定法に準拠して、初荷重9.8kPa、10秒間の一定時間で測定した。嵩密度は、上記(5)で求めた目付を、この厚さで除して求めた。
(7)せん断剛性:G(cN/cm・deg.)
カトーテック(株)製、KES−FB1(引張り・せん断試験機)を用いて、下記測定条件にて測定することによって得られるコース(経)方向とウェル(緯)方向の平均値をいう。
(せん断剛性Gの測定条件)
最大せん断角度:±8°
せん断ずり速度:5mm/12sec.
強制荷重:9.8cN/cm
有効試料:20×5cm
(8)伸長弾性率(%)
JIS−L−1018の伸長弾性率A法(定伸長法)に準拠して、ウェル方向のみ測定した。採取試験片の大きさは、経10cm×緯15cmとした。グラブ法により、引張速度10cm/分で、50%の一定伸長で測定した。
(9)風合い
被験者10人で、触感により風合いを判定した。風合い硬いを0点、風合い柔軟を1点とし、各人に評価してもらい、その総点から下記の基準に従い風合い(柔軟度)を判定した。
9〜10点:◎、7〜8点:○、4〜6点:△、0〜3点:×
(10)着用快適性
各編地から婦人ワンピースをそれぞれ3着製作した。被験者3人に各編地のワンピースを1週間着用してもらい、各服につき快適性について、Aランク(快適性良好)、Bランク(快適性普通)、Cランク(快適性不良)の3ランクの評価を行った。
3人が全てAランクをつけたものを◎、3人の内2人以上がAランクをつけたものを○、3人の内2人以上がCランクをつけたものを×とし、他を△とした。
(11)ラン
採取試験片の大きさを経5cm×緯15cmに変更した以外は、上記(4)の定荷重時伸び率の測定法と同様にして、ウェル(緯)方向に2.5cm当たり19.6Nの一定荷重をかける。このときのラン発生の有無を目視にて判定した。
ランが発生しないものを○、発生したものを×とした。
〔実施例1〕
還元粘度(ηsp/c)=0.8のPTTを、紡糸温度265℃、紡糸速度1200m/分で紡糸し、未延伸糸を得た。次いで、この未延伸糸を、ホットロール温度60℃、ホットプレート温度140℃、延伸倍率3倍、延伸速度800m/分で延撚して、84dtex/36fの延伸糸を得た。延伸糸の強度、伸度、弾性率、10%伸長時の弾性回復率並びに沸水収縮率は、各々2.9cN/dtex、45%、24cN/dtex、94%並びに14%であった。
得られた原糸を32ゲージの丸編機にて、編込み長30.4cm/100ウエル(後述の比較例1のPET繊維での条件より15%長い)で製編し、45コース/2.54cm、44ウエル/2.54cmの密度のスムース編地生機を作製した。
この編地生機を、液流染色機を用いて90℃で20分間精練した後、液流染色機を用いて120℃で30分間、分散染料で染色を行い、次いで還元洗浄を行った。水洗、脱水後、開反して乾燥した。乾燥した編地を通常の仕上げ剤を浸漬後、有り幅で170℃×1分間のファイナルセットを行い、49コース/2.54cm、54ウエル/2.54cmの編地を得た。得られた編地の評価結果を表1に示した。
〔比較例1〕
実施例1で用いたPTT繊維の代わりに84dtex/36fのPET繊維(旭化成工業(株)製)を用い、編込み長26.4cm/100ウエルに変更した以外は実施例1と同様にして、46コース/2.54cm、48ウエル/2.54cmのPET繊維からなるスムース編地生機を作製した。
この編地生機を、染色温度を130℃、ファイナルセット温度を180℃に変更した以外は実施例1と同様にして処理し、48コース/2.54cm、55ウエル/2.54cmの編地を得た。得られた編地の評価結果を表1に示した。
表1から明らかなように、この編地は、実施例1に比べ、定荷重時の伸び率、伸長弾性率が低く、せん断剛性が高く、風合いが硬い。また、着用感も不良であり、ランが発生した。
〔実施例2〕
実施例1で得られた原糸2本を引き揃えて167dtex/72fの原糸とし、該原糸を用いて32ゲージの丸編機にて、編込み長22.0cm/100ウエル(後述の比較例2のPET繊維での条件より10%長い)で製編し、44コース/2.54cm、46ウエル/2.54cmの密度のスムース編地生機を作製した。
この編地生機を実施例1と同様に処理して、56コース/2.54cm、58ウエル/2.54cmの編地を得た。得られた編地の評価結果を表1に示した。
〔比較例2〕
実施例2で用いたPTT繊維の代わりに167dtex/72fのPET繊維(旭化成工業(株)製)を用い、編込み長20.0cm/100ウエルに変更した以外は実施例1と同様にして、49コース/2.54cm、48ウエル/2.54cmのPET繊維からなるスムース編地生機を作製した。
この編地生機を、染色温度を130℃、ファイナルセット温度を180℃に変更した以外は実施例1と同様にして処理し、56コース/2.54cm、57ウエル/2.54cmの編地を得た。得られた編地の評価結果を表1に示した。
表1から明らかなように、この編地は、実施例2に比べ、定荷重時の伸び率、伸長弾性率が低く、せん断剛性が高く、風合いが硬い。また、着用感も不良であり、ランが発生した。
〔実施例3〕
実施例1で得られた原糸2本を引き揃えて167dtex/72fの原糸とし、該原糸を用いて22ゲージの丸編機にて、編込み長32.8cm/100ウエル(後述の比較例3のPET繊維での条件より10%長い)で製編し、32コース/2.54cm、36ウエル/2.54cmの密度のスムース編地生機を作製した。
この編地生機を実施例1と同様に処理して、40コース/2.54cm、44ウエル/2.54cmの編地を得た。得られた編地の評価結果を表1に示した。
〔比較例3〕
実施例3で用いたPTT繊維の代わりに167dtex/72fのPET繊維(旭化成工業(株)製)を用い、編込み長29.8cm/100ウエルに変更した以外は実施例1と同様にして、28コース/2.54cm、42ウエル/2.54cmのPET繊維からなるスムース編地生機を作製した。
この編地生機を、染色温度を130℃、ファイナルセット温度を180℃に変更した以外は実施例1と同様にして処理し、34コース/2.54cm、43ウエル/2.54cmの編地を得た。得られた編地の評価結果を表1に示した。
表1から明らかなように、この編地は、実施例3に比べ、定荷重時の伸び率、伸長弾性率が低く、せん断剛性が高く、風合いが硬い。また、着用感も不良であり、ランが発生した。
〔実施例4〕
実施例1で得られた84dtex/36fのPTT繊維を、下記に示す仮撚加工条件で仮撚加工を行い、仮撚加工糸を得た。
得られた仮撚加工糸を用い32ゲージの丸編機にて、編込み長37.0cm/100ウエル(後述の比較例4のPET繊維での条件より20%長い)で製編し、32コース/2.54cm、49ウエル/2.54cmの密度のスムース編地生機を作製した。
この編地生機を、有り幅で160℃×1分間のファイナルセットを行う以外は実施例1と同様にして処理し、60コース/2.54cm、49ウエル/2.54cmの編地を得た。得られた編地の評価結果を表1に示した。
<仮撚条件>
仮撚機:ARCT−450B ピン仮撚機
糸速 :84m/分
スピン回転数:277000rpm
仮撚数:3600T/m
1stフィード:0%
ヒーター温度:170℃
TUフィード:5.03%
〔比較例4〕
比較例1で用いた84dtex/36fのPET繊維(旭化成工業(株)製)を、下記に示す仮撚条件で仮撚加工を行い、仮撚加工糸を得た。
得られた仮撚加工糸を用い、編込み長30.8cm/100ウエルに変更した以外は実施例4と同様にして、51コース/2.54cm、47ウエル/2.54cmのPET繊維からなるスムース編地生機を作製した。
この編地生機を、染色温度を130℃、ファイナルセット温度を180℃に変更した以外は実施例1と同様にして処理し、58コース/2.54cm、49ウエル/2.54cmの編地を得た。得られた編地の評価結果を表1に示した。
表1から明らかなように、この編地は、実施例4に比べ、定荷重時の伸び率、伸長弾性率が低く、せん断剛性が高く、風合いが硬い。また、着用感も不良であった。
<仮撚条件>
仮撚機:ARCT−450B ピン仮撚機
糸速 :84m/分
スピン回転数:277000rpm
仮撚数:3300T/m
1stフィード:+2%
ヒーター温度:220℃
TUフィード:5.03%
〔実施例5〕
実施例4で得られた84dtex/36fのPTT繊維の仮撚加工糸を2本引き揃えて167dtex/72fの仮撚加工糸とし、該仮撚加工糸を用い22ゲージの丸編機にて、編込み長33.0cm/100ウエル(後述の比較例5のPET繊維での条件より15%長い)で製編し、29コース/2.54cm、45ウエル/2.54cmの密度のスムース編地生機を作製した。
この編地生機を実施例4と同様に処理して、46コース/2.54cm、50ウエル/2.54cmの編地を得た。得られた編地の評価結果を表1に示した。
〔比較例5〕
比較例4で得られた84dtex/36fのPET繊維の仮撚加工糸を2本引き揃えて167dtex/72fの仮撚加工糸とし、該仮撚加工糸を用い22ゲージの丸編機にて、編込み長28.7cm/100ウエルで製編し、38コース/2.54cm、36ウエル/2.54cmの密度のスムース編地生機を作製した。
この編地生機を比較例4と同様に処理して、48コース/2.54cm、45ウエル/2.54cmの編地を得た。得られた編地の評価結果を表1に示した。
表1から明らかな様に、この編地は、実施例5に比べ、定荷重時の伸び率、伸長弾性率が低く、せん断剛性が高く、風合いが硬い。また、着用感も不良であった。
〔実施例6〕
実施例5で作製したスムース編地生機を実施例1と同様に精練した後、開反してピンテンターを用いて有り幅で160℃、1分間のプレセットを行った。その後、実施例4と同様に染色、還元洗浄、仕上げ剤付与、ファイナルセット処理し、46コース/2.54cm、46ウエル/2.54cmの編物を得た。得られた編地の評価結果を表1に示した。
〔比較例6〕
実施例5において、編込み長を比較例5と同じ28.7cm/100ウエルに変更し、37コース/2.54cm、41ウエル/2.54cmの密度のスムース編地生機を作製した。
この編地生機を実施例5と同様に処理して、50コース/2.54cm、58ウエル/2.54cmの編地を得た。得られた編地の評価結果を表1に示した。
表1から明らかな様に、実施例5の編地は、生機密度を比較例5のPET繊維を用いたスムース編地生機より密度を粗にしているのに対し、この編地は編込み長を比較例5と同じ条件としたために、生機密度が実施例5に比べて著しく高くなり、得られた編地の嵩密度が高くなりすぎ、定荷重時の伸び率が低く、せん断剛性が高く、風合いが硬めであり、着用快適性に劣る。
〔比較例7〕
実施例4で作製したスムース編地生機を開反して、緯方向に10%の幅出し率に設定し、ピンテンターにて190℃×1分間のプレセットを行った。次に、実施例1と同様にして精練、染色、還元洗浄、水洗脱水、乾燥を行った。乾燥した編地を通常の仕上げ剤を含浸後、有り幅で180℃×1分間のファイナルセットを行い、40コース/2.54cm、46ウエル/2.54cmの編地を得た。
得られた編地の評価結果を表1に示した。
表1から明らかな様に、実施例4の編地は、160℃でファイナルセットしているのに対し、この比較例は、生機を190℃で幅出しプレセットと180℃のファイナルセットを行っているため、加工糸の捲縮がフローしてしまい、定荷重時の伸び率と伸長回復率が大きく低下し、形態安定性が不良となり、着用快適性が劣る。
〔実施例7〕
実施例1と同様にして56dtex/24fのPTT繊維の延伸糸を得た。延伸糸の強度、伸度、弾性率、10%伸長時の弾性回復率並びに沸水収縮率は、各々2.8cN/dtex、46%、24cN/dtex、95%並びに12%であった。
得られた56dtex/24fのPTT繊維とレーヨン繊維84dtex/33f(旭化成工業社製)とを28ゲージ丸編機にて、編込み長33.5cm/100ウエルとし、編地のPTT繊維とレーヨン繊維の構成質量比率を67:33となるように交編して、54コース/2.54cm、44ウェル/2.54cmのスムース編地生機を作製した。
この編地生機を開反して緯方向に5%の幅入れ率に設定し、ピンテンターにて160℃×1分間のプレセットを行った。次にサーキュラー染色機にて90℃×20分間精練後、分散染料で120℃×30分間染色し、80℃で10分間還元洗浄を行い、次いで反応染料で60℃×60分染色後、80℃で10分間ソーピングを行った。乾燥後、通常の仕上げ剤を浸漬後、絞液し、有り幅で150℃×1分間のファイナルセットを行い、65コース/2.54cm、51ウェル/2.54cmの編地を得た。この編地の評価結果を表1に示した。
〔実施例8〕
実施例7と同様にして、56dtex/24fのPTT繊維とレーヨン繊維84dtex/33f(旭化成工業社製)とを28ゲージ丸編機にて、編地のPTT繊維とレーヨン繊維の構成質量比率を40:60となるように交編して、51コース/2.54cm、40ウェル/2.54cmのスムース編地生機を作製した。
この編地生機を実施例7と同様に処理して、68コース/2.54cm、50ウェル/2.54cmの編地を得た。この編地の評価結果を表1に示した。
〔実施例9〕
実施例7と同様にして、56dtex/24fのPTT繊維とレーヨン繊維84dtex/33f(旭化成工業社製)とを28ゲージ丸編機にて、編地のPTT繊維とレーヨン繊維の構成質量比率を18:82となるように交編して、52コース/2.54cm、40ウェル/2.54cmのスムース編地生機を作製した。
この編地生機を実施例7と同様に処理して、64コース/2.54cm、39ウェル/2.54cmの編地を得た。この編地の評価結果を表1に示した。
〔実施例10〕
実施例4で得られたPTT繊維の仮撚加工糸を用い32ゲージの丸編機にて、編込み長21.0cm/100ウエル(後述の比較例8のPET繊維での条件より15%長い)で製編し、27コース/2.54cm、50ウエル/2.54cmの密度の天竺編地生機を作製した。
この編地生機を実施例4と同様に処理して、48コース/2.54cm、52ウエル/2.54cmの編地を得た。得られた編地の評価結果を表1に示した。
〔比較例8〕
比較例4で得られた84dtex/36fのPET繊維の仮撚加工糸を用い32ゲージの丸編機にて、編込み長18.3cm/100ウエルで製編し、29コース/2.54cm、52ウエル/2.54cmの密度の天竺編地生機を作製した。
この編地生機を比較例4と同様に処理して、40コース/2.54cm、48ウエル/2.54cmの編地を得た。得られた編地の評価結果を表1に示した。
表1から明らかなように、この編地は、実施例10に比べ、定荷重時の伸び率、伸長弾性率が低く、せん断剛性が高く、風合いが硬い。また、着用感も不良であった。
〔実施例11〕
実施例1と同様にして22dtex/15fのPTT繊維の延伸糸を得た。延伸糸の強度、伸度、弾性率、10%伸長時の弾性回復率並びに沸水収縮率は、各々2.7cN/dtex、43%、25cN/dtex、97%並びに12%であった。
このPTT繊維とレーヨン繊維84dtex/24f(旭化成工業(株)社製)とを、編地のPTT繊維とレーヨン繊維の構成質量比率が20:80になるように、28ゲージ丸編機にて、編込み長33.0cm/100ウエル(後述の比較例9のPET繊維での条件より20%長い)で製編し、42コース/2.54cm、42ウエル/2.54cmの密度のスムース編地生機を作製した。
この編地生機を、液流染色機を用いて90℃で20分間精練した後、開反して、ピンテンターにて160℃で1分間の有り幅プレセットを行った。その後、液流染色機を用い、分散染料で120℃×30分間染色し、80℃で10分間還元洗浄を行い、次いで反応染料で60℃×60分染色後、80℃で10分間ソーピングを行った。乾燥後、通常の仕上げ剤を浸漬後、絞液し、有り幅で150℃×1分間のファイナルセットを行い、48コース/2.54cm、49ウェル/2.54cmの編地を得た。この編地の評価結果を表1に示した。
〔比較例9〕
実施例11で用いた22dtex/15fのPTT繊維の代わりに22dtex/15fのPET繊維(旭化成工業(株)製)を用い、編込み長27.5cm/100ウエルに変更した以外は実施例11と同様にして、47コース/2.54cm、48ウエル/2.54cmのスムース編地生機を作製した。
この編地を後述の比較例10と同様に処理し、46コース/2.54cm、50ウエル/2.54cmの編物を得た。得られた編地の評価結果を表1に示した。
表1から明らかなように、実施例11に比べて、定荷重時伸び率が低く、せん断剛性が高く、風合いが硬い。また、着用感も不良であり、ランが発生した。
〔比較例10〕
実施例11において、編込み長を比較例9と同じとした以外は実施例11と同様にして、54コース/2.54cm、46ウエル/2.54cmの密度のスムース編地生機を得た。
この編地生機を、液流染色機を用いて90℃で20分間精練し、分散染料で130℃×30分間染色後、80℃で10分間還元洗浄を行い、次いで反応染料で60℃×60分染色後、80℃で10分間ソーピングを行った。乾燥後、仕上げ剤を付与させ、140℃×2分間乾燥させた。
得られた交編編地は、72コース/2.54cm、66ウェル/2.54cmであった。得られた編地の評価結果を表1に示した。
表1から明らかなように、実施例11の編地は、生機密度を粗にしているのに対し、この編地は編込み長をPET繊維の通常条件にしたため、生機密度が実施例11のものより著しく高くなり、しかも、プレセットを実施していないため、得られた編地の嵩密度が高くなりすぎて、定荷重時伸び率、伸長弾性率が低く、風合いが硬めであり、着用快適性に劣る。
Figure 0003902007
産業上の利用の可能性
本発明の緯編地は、ウォッシュアンドウェアー性、寸法安定性、耐黄変性に優れ、ドライタッチで、ソフトな風合いと、優れたストレッチ性と伸長回復性を有し、着用快適性に優れており、アウターウエアとしての用途に好適である。

Claims (1)

  1. ポリトリメチレンテレフタレート繊維糸条を含み、JIS−L−1018による2.5cm幅当り19.6Nの荷重で測定した緯方向の定荷重伸び率が80〜250%の範囲であり、緯方向の50%伸長時の伸長弾性率が80%以上で、目付が80〜500g/m2 、嵩密度が0.28〜0.60g/cm3 で、且つKES−FBによるせん断剛性(G)が0.28〜1.50cN/cm・deg.である緯編地であって、該緯編地は染色・仕上げ加工した後の緯編地が、下記の式で算出される収縮係数が1.2〜1.9の範囲となるように製造されたものであることを特徴とする緯編地。
    収縮係数={(製品のコース数)×(製品のウェル数)}/{(生機のコース数)×(生機のウェル数)}
    (但し、製品とは、生機を染色・仕上げ加工した後の緯編地をいう。)
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