JP2003155636A - ストレッチ複合紡績糸及び織物 - Google Patents
ストレッチ複合紡績糸及び織物Info
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Abstract
し、軽量感とストレッチ特性に優れ、繰り返しの伸縮や
洗濯にも風合いや軽量感、ストレッチ特性が変化せず、
形態安定性に優れる編織物に好適なストレッチ複合紡績
糸を提供する。 【解決手段】 ポリトリメチレンテレフタレートを主体
とするポリエステルと繊維形成性を有するポリエステル
との複合マルチフィラメントが芯部を実質的に形成し、
天然繊維を主体とする短繊維が鞘部を実質的に形成して
なる精紡交撚糸であって、芯部は複合マルチフィラメン
トが糸の長軸方向に中空部を有するスパイラル構造を形
成しており、かつ、鞘部は短繊維の一部が芯部の複合マ
ルチフィラメントと交絡しながら芯部外周上に捲回され
た構造を形成していることを特徴とするストレッチ複合
紡績糸。
Description
伸縮性と高い形態安定性も合わせ持つ織編物に好適なス
トレッチ複合紡績糸及びその織物に関する。
な素材感と吸放湿性を生かした機能性)に加えて、代表
的な複合紡績糸であるスパンデックスとの複合糸を用い
たストレッチ織物の出現により、着用動作性が著しく向
上したため、綿やウール等の天然素材を用いた、チノパ
ンツやジーンズに代表されるストレッチカジュアルウエ
アーがアウター衣料として大量に使用され始めている。
レッチ織編物の問題点として、(1)天然繊維もスパン
デックスも比重が重いため、さらなる軽量性が求められ
ていること、(2)複合紡績糸中のスパンデックスが滑
りやすいため、スリップインが発生しやすく、縫製時の
裁断部位や布帛の耳部で素抜けてストレッチ性が無くな
ること、(3)鞘部を形成する短繊維の摩擦係数が大き
いため、布帛のストレッチバック性が劣り、ボトムにし
た際に膝抜けやアッパーでの肘抜け、さらには膝裏など
の屈曲部位での強い緯しわなど、形態安定不良が起こり
やすいことなど、が挙げられる。
と上述の快適性は残しつつ、軽量感とストレッチ機能を
満足し、かつ優れた形態安定性を有する新たなストレッ
チ複合紡績糸が求められている。
軽量性とストレッチ性を改善する目的で、スパンデック
スよりも比重の軽いポリエステル系繊維により軽量性と
伸縮性を高めた繊維を用いたストレッチ複合精紡糸が開
示されている。
適な長繊維/短繊維複合糸として、特開平9−8794
0号公報や特開平9−195142号公報には、ポリプ
ロピレンテレフタレートフィラメントを芯糸に用い、短
繊維を鞘糸に用いた複合糸が開示されている。これら
は、従来のポリエチレンテレフタレート等のポリエステ
ル長繊維に代表される合成繊維を芯糸に用いた複合糸に
比べると、伸長時のストレッチバック性に優れた編織物
を提供することができるが、綿やウールのような天然繊
維を用いた場合には、ストレッチ特性は依然として不充
分であり、また伸長回復を繰り返していくと、初期の柔
軟な風合いが徐々に変化していくという問題があり、軽
量感も不十分である。
は、少なくとも1種または2種がポリトリメチレンテレ
フタレートからなるサイドバイサイド型の複合マルチフ
ィラメントやその短繊維が開示されており、その単糸は
螺旋状にクリンプしているため、優れたストレッチ性と
ストレッチバック性を有し、軽量で平らな繊維布が得ら
れることが開示されている。さらに、有心紡績法によっ
て作られる糸構造物、すなわち複合紡績糸の芯糸に有用
であるとの記載はあるが、該マルチフィラメントを芯糸
に用いた複合糸の構造や特性については何ら具体的な記
載がなく、実施例にも長繊維と短繊維の複合糸に関する
記載は全くなく、本発明が目的とするような、軽量感と
ストレッチ特性に優れ、かつ、形態安定性に優れるスト
レッチ複合精紡交撚糸及びその布帛に関しては何ら記載
がない。
は、少なくとも2種類のポリマーから構成された潜在捲
縮発現性ポリエステル繊維よりなる糸条を撚糸し、熱処
理することにより、糸条の中心部分の長さ方向に空洞構
造を発現させ、この糸条を用いることにより、軽量でス
トレッチ性が優れた布帛を得ることが開示されている。
しかし、これは長繊維単独での技術であり、天然繊維の
ような、摩擦係数が大きくストレッチバック性に劣る短
繊維とのストレッチ複合紡績糸についての記載は全くな
く、もちろん、それを用いた布帛に関して、軽量性とス
トレッチ特性、及び膝抜けや肘抜け、しわなどの形態不
良を改善する技術についての開示は全くない。
点を解決するために成されたものであり、天然繊維の優
れた風合いと温湿快適性を有し、軽量感とストレッチ特
性に優れ、繰り返しの伸縮や洗濯にも風合いや軽量感、
ストレッチ特性が変化せず、形態安定性に優れる編織物
に好適なストレッチ複合紡績糸、及びその織物を提供す
ることを目的とする。
について鋭意検討した結果、特定の複合マルチフィラメ
ントと天然素材からなる、特異な構造を有する複合紡績
糸を用いることにより、上記課題を解決できることを見
出し、本発明を為すに至った。
体とするポリエステルと繊維形成性を有するポリエステ
ルとの複合マルチフィラメントが芯部を実質的に形成
し、天然繊維を主体とする短繊維が鞘部を実質的に形成
してなる精紡交撚糸であって、芯部は複合マルチフィラ
メントが糸の長軸方向に中空部を有するスパイラル構造
を形成しており、かつ、鞘部は短繊維の一部が芯部の複
合マルチフィラメントと交絡しながら芯部外周上に捲回
された構造を形成していることを特徴とするストレッチ
複合紡績糸。
レッチ複合紡績糸。
000であることを特徴とする上記1または2記載のス
トレッチ複合紡績糸。
差0.05〜0.40(dl/g)である2種類のポリ
トリメチレンテレフタレートが互いにサイドバイサイド
型に複合された単糸から構成されていることを特徴とす
る上記1、2または3記載のストレッチ複合紡績糸。
ッチ複合紡績糸を経または緯に用い、他方に綿を用いて
なることを特徴とする経または緯ワンウェイストレッチ
織物。
ッチ複合紡績糸を経または緯に用い、他方にストレッチ
糸を用いてなることを特徴とする経緯ツーウェイストレ
ッチ織物。
ッチ複合紡績糸を経緯に用いてなる経緯ツーウェイスト
レッチ織物。
トレッチ織物を用いたボトムであって、経方向に15〜
30%のストレッチ率と75%以上のストレッチバック
率を有し、経方向のストレッチ率(A)と緯方向のスト
レッチ率(B)の比(A/B)が0.5≦(A/B)≦
30の範囲を満足することを特徴とするボトム。
編物は、天然素材の優れた風合いを生かしつつ、天然素
材の欠点である着用時の重量感が著しく改善された軽量
性と、小さな着用圧や適度なサポート感をもたらし(着
用動作性)、低応力高ストレッチ性と高いストレッチバ
ック性、さらには繰り返しの伸縮や洗濯による風合い変
化やストレッチ特性変化がおこりづらく、特に膝抜けや
肘抜け及び屈曲部の皺が起こりづらく、優れた形態安定
性を有する。したがって、本発明は、特に綿やウール等
の天然繊維のストレッチ複合紡績糸及びそのストレッチ
織編物として有用である。
に、図を用いて、本発明のストレッチ複合紡績糸の特異
な構造と、従来技術のストレッチ複合紡績糸では達成で
きなかった効果との関係について説明する。
一例につき、その構造を模式的に表した図である。1は
芯部で中空部を有するスパイラル構造を形成している複
合マルチフィラメントであり、2は短繊維が構成する鞘
部、3は中空部、4は短繊維の一部が芯部のマルチフィ
ラメントと交絡している部分を示す。
な特異な構成を有しており、所定の加工条件を満たすこ
とにより、驚くべきことに、本発明のストレッチ複合紡
績糸は、鞘部の摩擦係数の大きい繊維で締め付けられた
芯部であるにもかかわらず、長軸方向に中空部を有した
スパイラル構造を形成するため、織編物とした場合にス
トレッチ複合紡績糸の課題であった軽量感が達成され、
しかも副次的に、中空部による保温効果も得られる。特
に綿とのストレッチ複合紡績糸の場合には、綿の吸湿性
と相まって、湿熱的にも快適な着心地が得られることが
判明した。
は、鞘部を形成している短繊維の一部が芯部の複合マル
チフィラメントと交絡している構造を有する。このた
め、芯部で強力なバネのように働くスパイラル構造を有
する複合マルチフィラメントの伸縮挙動に連動して鞘部
も伸縮し、かつ座屈に関しても、スパイラル構造の中空
部がクッションの役割を果たすため、従来の複合紡績糸
の課題であった、伸縮の繰り返しや洗濯によるストレッ
チバック性の低下、スリップインによるストレッチ性の
喪失はほぼ完全に抑えられ、膝部、肘部での抜けや屈曲
部位でのしわ等の形態不良が抑えられるものと推定され
る。
を構成するポリトリメチレンテレフタレートを主体とす
るポリエステルは、トリメチレンテレフタレート単位を
主たる繰り返し単位とするポリエステルであり、トリメ
チレンテレフタレート単位を好ましくは約50モル%以
上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは
80モル%以上、最も好ましくは90モル%以上含む。
したがって、第三成分として、他の酸成分及び/又はグ
リコール成分の合計量が、好ましくは50モル%以下、
より好ましくは30モル%以下、さらに好ましくは20
モル%以下、最も好ましくは10モル%以下含有しても
よい。
フタル酸又はその機能的誘導体と、トリメチレングリコ
ール又はその機能的誘導体とを、触媒の存在下で、適当
な反応条件下に結合せしめることにより合成される。こ
の合成過程において、適当な一種又は二種以上の第三成
分を添加して共重合ポリエステルとしてもよい。また、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート等のポリトリメチレンテレフタレート以外のポリエ
ステルあるいはナイロンと、ポリトリメチレンテレフタ
レートとをブレンドしてもよい。
ボン酸(シュウ酸、アジピン酸等)、脂環族ジカルボン
酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボ
ン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸
等)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2
−プロピレングリコール、テトラメチレングリコール
等)、脂環族グリコール(シクロヘキサンジメタノール
等)、芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4−ビス
(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、ポリエーテ
ルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール等)、脂肪族オキシカルボン酸(ω−オキ
シカプロン酸等)、芳香族オキシカルボン酸(p−オキ
シ安息香酸等)等が挙げられる。1個又は3個以上のエ
ステル形成性官能基を有する化合物(安息香酸等又はグ
リセリン等)も、重合体が実質的に線状である範囲内で
使用できる。
等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外
線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑
剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃
剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤
等を含有させてもよい。
を構成する繊維形成性を有するポリエステルは、上記の
ポリトリメチレンテレフタレ−トとの界面接着性が良好
で、紡糸が安定に行えるポリエステルであればよく、例
えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、共重合組成あるいは重合度等の異なるポリ
トリメチレンテレフタレートが好ましく、なかでも、固
有粘度差を有するポリトリメチレンテレフタレートがよ
り好ましい。
トは、前記の二種類のポリエステルを、公知のサイドバ
イサイド型紡口や公知の偏芯鞘芯型紡口を用いて紡糸し
て得られた未延伸糸を、3000m/分以下の巻取り速
度でパッケージに巻き取った後、2〜3.5倍程度で延
伸して製造することが好ましい。本発明の目的を損なわ
ない範囲であれば、紡糸と延伸を連続して行う直接紡糸
延伸法(スピンドロー法)や、巻取り速度5000m/
分以上の高速紡糸法(スピンテイクアップ法)を採用し
てもよい。
合マルチフィラメントの代わりに、例えば、1種類のポ
リトリメチレンテレフタレートのみ、あるいは、ポリエ
チレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等
のポリエステルからなるマルチフィラメントの仮撚加工
糸を用いても、本発明の目的を達成することはできな
い。
の形態は、特に限定されるものではなく、長さ方向に均
一なものや太細のあるものでもよく、断面形状は、丸
型、三角、繭型、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏
平、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型等、
任意な形状でよいが、紡糸安定性の面から、丸型、三
角、繭型が好ましい。
の繊度は20〜300dtexが好ましく、より好まし
くは44〜167dtexであり、複合マルチフィラメ
ントを構成する単糸の繊度は0.5〜10dtexが好
ましく、より好ましくは1.5〜6dtexである。単
糸繊度がこの範囲であると、織物にした場合の回復性に
優れ、柔軟な風合いが得られる。
は、低いほど、柔軟な風合いを持つストレッチ複合紡績
糸が得られ、かつ複合する相手素材の風合いを極力阻害
しないストレッチ複合紡績糸が得られる。したがって、
本発明で使用する複合マルチフィラメントの初期引張抵
抗度は30cN/dtex以下であることが好ましく、
より好ましくは25cN/dtex以下である。初期引
張抵抗度が30cN/dtex以下であると、複合紡績
糸の風合いが柔軟であり、相手素材の風合いを充分に活
かしたストレッチ複合紡績糸が得られる。
/dtex以上であることが好ましく、2.0〜4.0
cN/dtexであることがより好ましい。強度が1.
8cN/dtex以上であると、引き裂き強力に優れた
織物が得られる。伸度は25%以上であることが好まし
く、30〜50%であることがより好ましい。伸度がこ
の範囲であると、交撚時の糸切れがほとんど無い。
顕在捲縮の伸縮伸長率は10%以上であることが好まし
く、さらに好ましくは20%以上、より最も好ましくは
30%以上である。顕在捲縮の伸縮伸長率が10%以上
であると、後述する精紡交撚工程でマルチフィラメント
が開繊してスライバーの短繊維の一部と交絡しやすくな
り、本発明のストレッチ複合紡績糸の特徴的な構造が有
効に形成される。即ち、後工程での熱処理により、芯部
の複合マルチフィラメントのスパイラルコア構造が形成
されやすく、大きな伸長性とストレッチバック感を有す
るストレッチ複合紡績糸を得ることができる。顕在捲縮
の伸縮伸長率が小さすぎると、精紡交撚工程での交絡が
得られにくい。
は、100℃における熱収縮応力が0.1〜0.5cN
/dtexであることが好ましく、さらに好ましくは
0.15〜0.4cN/dtex、最も好ましくは0.
15〜0.3cN/dtexである。100℃における
熱収縮応力は、布帛の精練、染色工程において捲縮を発
現させるための重要な特性である。すなわち、ストレッ
チ複合紡績糸としての複合糸形態や布帛形態での拘束力
に打ち勝って捲縮が発現するためには、100℃におけ
る熱収縮応力が0.1cN/dtex以上であることが
好ましく、0.1cN/dtex以上であると、ストレ
ッチ性並びにストレッチバック性に優れた織物が得られ
る。なお、熱収縮応力が0.5cN/dtexを超える
複合マルチフィラメントは製造困難である。
%であることが好ましく、より好ましくは150〜25
0%、さらに好ましくは180〜250%である。尚、
250%を超えるものは製造困難である。また、熱水処
理後の伸縮弾性率は90〜100%であることが好まし
く、より好ましくは95〜100%である。熱水処理後
の伸縮伸長率、伸縮弾性率は、最終的に染色した後の織
物のストレッチ性とストレッチバック感に直接影響を与
える特性であり、これらの値が大きいほどストレッチ性
とストレッチバック感に優れた織物が得られる。
度の異なる2種類のポリトリメチレンテレフタレート
(以下、PTTともいう)が互いにサイドバイサイド型
や偏芯鞘芯型に複合された単糸から構成された複合マル
チフィラメントが、好ましいものの一つとして挙げられ
る。
0.40(dl/g)であることが好ましく、より好ま
しくは0.1〜0.35(dl/g)、さらに好ましく
は0.15〜0.35(dl/g)である。例えば、高
粘度側の固有粘度を0.7〜1.3(dl/g)から選
択した場合には、低粘度側の固有粘度は0.5〜1.1
(dl/g)から選択されるのが好ましい。尚、低粘度
側の固有粘度は0.8(dl/g)以上が好ましく、よ
り好ましくは0.85〜1.0(dl/g)、さらに好
ましくは0.9〜1.0(dl/g)である。
固有粘度は、0.7〜1.2(dl/g)が好ましく、
より好ましくは0.8〜1.2(dl/g)、さらに好
ましくは0.85〜1.15(dl/g)、最も好まし
くは0.9〜1.1(dl/g)である。
する原料ポリマーの固有粘度の値ではなく、紡糸された
糸の固有粘度の値を指す。この理由は、PTTは、ポリ
エチレンテレフタレート(以下、PETともいう)等と
比較して熱分解が生じ易く、高い固有粘度のポリマーを
原料として使用しても、紡糸工程で熱分解によって固有
粘度が低下し、複合マルチフィラメントにおいては、原
料ポリマーにおける固有粘度差を大きく維持することが
困難であるためである。
繊維とは、短繊維中において主として天然繊維が用いら
れていることであり、さらに他の短繊維が混繊されてい
てもよい。他の短繊維の混繊比率は、50%未満が好ま
しい。なお、短繊維は、繊維の太さ、繊維長分布、繊維
本数、繊維断面形状についても特に制限は無い。
はなく、例えば、綿、羊毛、麻、絹等が挙げられる。ま
た、他の短繊維としては、天然繊維の特性を損なわない
範囲で、従来公知の繊維、繊維形態のものを適宜選定す
ることができ、例えば、キュプラ、ビスコース、ポリノ
ジック、精製セルロース、アセテート、ポリエチレンテ
レフタレートやポリブチレンテレフタレート、ポリトリ
メチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ナイ
ロン、アクリル等の各種人造繊維、さらにはこれらの共
重合タイプや、同種又は異種ポリマー使いの複合繊維
(サイドバイサイド型、偏芯鞘芯型等)等の短繊維が挙
げられる。
知のリング精紡機やオープンエンド精紡機、さらにはエ
アーによる高速エアー精紡機を用いて、スライバーのド
ラフト入り口部分に複合マルチフィラメントを挿入し、
短繊維のスライバーを鞘部にし、複合マルチフィラメン
トが芯部を占めるように複合して、撚糸した鞘芯構造の
ストレッチ複合紡績糸である。
く、本発明の特異な構造を得るために適宜選定すれば良
い。例えば、挿入時に複合マルチフィラメントが開繊し
てスライバーの短繊維と交絡しやすいように、上述のよ
うに顕在捲縮性の複合マルチフィラメントを用い、さら
にはオーバーフィードを掛けたり、テンションフィーダ
ーなどにより低張力下で挿入したり、少量のエアーで開
繊して挿入するのが有効である。
糸は、天然繊維を主体とする短繊維と顕在捲縮の複合マ
ルチフィラメントが一部交絡した状態を作ってから交撚
されているため、複合マルチフィラメントが芯部を実質
的に形成し、天然繊維を主体とする短繊維が鞘部を実質
的に形成した構造となり、特に鞘部では鞘部を形成して
いる短繊維の一部が芯部のスパイラル構造を形成してい
る複合マルチフィラメントと交絡している点が特徴であ
り、これにより、優れたストレッチバック性が得られ
る。交絡数は特に限定されるものではなく、短繊維の少
なくとも1%以上が交絡していることが好ましく、さら
に好ましくは5%以上、最も好ましくは10%以上であ
る。交絡数が1%以上であると、優れたストレッチバッ
ク性が得られる。また交絡数が多すぎると、複合マルチ
フィラメントのスパイラル構造形成に支障をきたす場合
があるので、交絡数は50%以下であることが好まし
い。
いては、芯部は複合マルチフィラメントがストレッチ複
合紡績糸の長軸方向に中空部を有するスパイラル構造を
形成しており、かつ、鞘部は短繊維の一部が芯部の複合
マルチフィラメントと交絡しながら芯部外周上に捲回さ
れた構造を有する。
チ複合紡績糸において、複合マルチフィラメントが撚り
がかかりながら、全体としてあたかも金属コイルバネの
ように螺旋状に巻いて、中心部分が中空となった構造を
いう。かかる構造をとるためには、上述の特異な複合マ
ルチフィラメントを用いることと、ストレッチ複合紡績
糸の撚係数が2000〜20000の範囲内であること
が好ましく、より好ましくは3000〜15000の範
囲内である。撚係数が上記の範囲であると、交撚糸とし
ての強度が充分で、形態安定性に優れ、また、適度な中
空構造となり、ストレッチが出やすく、風合いもソフト
になる。
であり、T1は撚数(T/m)である。
ントの含有率は、質量比で3〜50%が好ましく、より
好ましくは5〜40%、更に好ましくは10〜30%で
ある。含有率がこの範囲であると、優れたストレッチ性
やストレッチバック性が得られ、また、鞘部の天然繊維
の風合いや特徴を十分に活かすことができる。
経または緯の一方に用いることによりワンウェイのスト
レッチ織物を得ることができ、経緯に用いることにより
ツーウェイ織物を得ることができる。もちろん、本発明
の目的を損なわない範囲で、他の公知の糸や公知のスト
レッチ糸と交織して用いることも可能である。ワンウェ
イストレッチ織物の場合は、経または緯の他方には綿を
用いることが好ましく、また、ツーウェイストレッチ織
物の場合は、経または緯の他方に公知のストレッチ糸を
用いることもできる。さらに、編物にも応用が可能で、
形態安定性と軽量性に優れた丸編、横編、経編を実現す
ることが可能である。
物の織組織は、特に限定されるものではなく、平組織、
綾組織、朱子組織、さらにはこれらの組織を組み合わせ
た組織であってもよい。ストレッチ性能を引き出すため
に経/緯糸の組織点のルーズな組織にすると、スナッギ
ングやピリング等の耐摩擦性能が劣るので、平組織や綾
組織がより好ましい。
を用いることができるが、織物表面の平坦性、ストレッ
チおよび回復性能、引裂き強度、柔軟性、審美性(見た
目の美しさ)などの総合的な観点から、平組織から誘導
された2/2緯畝組織(平組織を織物の幅方向にのみ2
倍に拡大した織組織で、俗に並び平組織とも言い、仕上
げ加工後は平組織との判別がつき難い)や、2/1ツイ
ル、2/2ツイル、3/1ツイル、3/2ツイルなどに
代表されるコンパクトな綾組織などが特に好ましい。
は3/1綾、ジーンズパンツ用には2/1綾が好んで用
いられる。
繊度20〜300dtexの場合、経糸密度は30〜2
00本/2.54cm、緯糸繊度20〜300dtex
の場合、緯糸密度は30〜200本/2.54cmの範
囲内で、織物組織や用途に応じて設定すればよい。
用いることから、ウォータージェットルームよりも、エ
アージェットルーム、レピアルーム、グリッパールー
ム、有杼織機等を用いて生産することが好ましい。
れる好ましいストレッチ率が異なる。例えば、体の動き
の激しいスポーツ用途では、経糸方向又は緯糸方向のス
トレッチ率が20%を超え50%以下であることが好ま
しく、より好ましくは25%以上50%以下である。
ツ衣料などで、局部的且つ瞬間的な運動変位に対してス
ムーズに追従することが可能である。そのため、染色仕
上加工によって20%を超えるストレッチ率が得られる
ように適宜密度の調整を行うことが好ましい。
エット(保型性)が求められるボトムとしては、経方向
に15〜30%のストレッチ率を有することが好まし
く、より好ましくは15〜25%である。ここでいう経
方向には、緯方向にストレッチ性能を有する織物を製織
後、裁断、縫製工程において経/緯方向を逆転させ、経
方向にストレッチ性能を変換させた場合の経方向も含ま
れる。
と、屈伸時や座位等の動作中において衣服から受ける圧
迫感が臀部周辺や膝周辺において少なく、着用中に不快
感や疲労感を感じることがない。また、長時間着用して
も、股関節部や膝関節部周辺にほとんど緯シワが入ら
ず、見た目が良い。その他、正座等、過度な屈曲状態を
長時間継続した場合でも、膝下への血行を妨げることが
ないので、足のしびれ等が生じず、快適な着用感が得ら
れる。さらに、十分なハリコシを有し、長時間の着用お
よび繰り返しの洗濯によっても裾が伸びたりせず、きれ
いなシルエットを長時間保つことができる。
チバック率が75%以上であることが好ましく、より好
ましくは80〜100%、更に好ましくは85〜100
%である。ストレッチバック率がこの範囲であると、一
旦織物にしわが付いても速やかに回復するので、きれい
なシルエットを長時間保つことができる。又、伸縮運動
の多い膝周辺部においても、膝抜けが生じることがな
い。従ってストレッチバック率は、高ければ高い方が好
ましい。
ては、上記の経方向のストレッチ率15〜30%及びス
トレッチバック率75%以上に加えてさらに、経方向の
ストレッチ率(A)と緯方向のストレッチ率(B)との
比(A/B)が0.5〜30であることが好ましく、よ
り好ましくは0.75〜3.0である。
率及びA/Bが上記の範囲であると好ましい理由は、以
下のように考えられる。
時の皮膚の経/緯方向の最大伸長比は2.0で、経方向
の伸びが緯方向よりも大きく、これを衣服に置き換えて
も同様である。下半身がスムーズに動作をするには、経
方向及び緯方向の衣服に必要なストレッチ率の大小関係
は、経方向>緯方向に設計することが好ましい。A/B
が小さすぎると、膝頭皮膚部の最大伸長比(2.0)か
らの乖離が大きくなり、間接の動きに対する衣服の追従
性が鈍り、着心地が悪く、疲れやすく、緯シワも入りや
すくなる。また、A/Bが大きすぎると、経方向のスト
レッチ率のみが過剰となり、ダレ(スラックス等のパン
ツ類において、長期間着用及び洗濯を繰り返すことによ
り裾が伸びる現象)が生じやすくなり、形態安定性が低
下しやすい傾向にあり、シルエットや風合いが悪くなり
やすくなる。
仕上げ加工方法とりわけ生機の前処理が有効である。
のままで熱水浴中(界面活性剤や精練剤などが含まれて
いてもよい)で精練・リラックスを行うことが有効であ
る。該精練・リラックス加工を行うための設備として
は、U型ソフサー、オープンソーパー、ボイルドオフ
機、ジッガー染色機、ビーム染色機などの拡布タイプの
ものが使用できるが、 U型ソフサー、オープンソーパ
ー、ボイルドオフ機などは特に好ましい。これらの加工
機は、拡布状で、且つ経方向および緯方向の収縮を適度
に制御できるために、シボや皺の発生を効果的に抑制す
ることができる。
関与しているものと考えられる。即ち、この加工工程の
初期段階で、天然繊維の吸水膨潤が先行的に起こって一
時的にディメンジョンが増大するために、収縮要素であ
る芯部の複合マルチフィラメントの急激な収縮を抑制
し、緩やかに捲縮を発現させることによってシボ立ちお
よび皺発生を抑えることができると考えられる。然る後
に、天然繊維の放湿に伴う収縮によって織物組織内での
空隙が増大し、組織自由度がアップするために良好なス
パイラル構造が形成され、ストレッチ性および回復性が
向上するものと考えられる。
潤現象が速やかに起こる温度領域で行うことが望まし
く、例えば、綿とのストレッチ複合紡績糸による織物の
場合には75〜100℃の範囲が好ましい。より好まし
くは80〜100℃、更に好ましくは90〜100℃、
最も好ましくは95〜100℃である。温度が低すぎる
と、綿繊維の吸水膨潤性が比較的小さいために、複合マ
ルチフィラメントの急激な収縮を充分に抑制することが
できず、シボ発現と共にストレッチ及び回復性が不十分
となることがある。上記の温度範囲内では処理浴の温度
が高くなる程、ストレッチ性・回復性ともに向上する傾
向が認められる。
行うが、リラックス温度は120〜130℃程度が好ま
しい。
ットを行うが、その際の温度は、加工反の風合いおよび
セット効果の点から、140〜170℃が好ましく、よ
り好ましくは145〜170℃、更に好ましくは150
〜170℃である。
染色温度は120℃程度が一般的に好ましいが、必ずし
もこの温度に限定されない。
て乾熱セットを行うが、その際の温度は加工反の風合い
およびセット効果(残留収縮)の点から、150〜17
0℃が好ましく、より好ましくは150〜165℃、更
に好ましくは150〜160℃である。更に、必要に応
じて、撥水加工や熱カレンダー加工などを付与しても良
い。
に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定さ
れるものではない。
である。
求められる値である。
ロフェノール溶媒に溶解したポリトリメチレンテレフタ
レート繊維又はポリエチレンテレフタレート繊維の稀釈
溶液の35℃での粘度を、同一温度で測定した上記溶媒
の粘度で除した値であり、相対粘度と定義されているも
のである。Cはg/100mlで表されるポリマー濃度
である。
イドバイサイド型複合マルチフィラメントは、それぞれ
の固有粘度を測定することは困難であるので、複合マル
チフィラメントの紡糸条件と同じ条件で2種類の繊維を
それぞれ単独で紡糸し、得られた繊維を用いて測定した
固有粘度を、複合マルチフィラメントを構成するそれぞ
れの繊維の固有粘度とした。
法)の初期引張抵抗度の試験方法に準じ、試料の単位繊
度当たり0.882mN/dtexの初荷重を掛けて引
張試験を行い、得られた荷重−伸長曲線から初期引張抵
抗度(cN/dtex)を算出し、10回の平均値を求
めた。
工糸試験方法)の伸縮性試験方法(A法)に準じて測定
を行い、伸縮伸長率(%)、伸縮弾性率(%)を算出
し、それぞれ10回の平均値を求めた。
は、巻取りパッケージから解舒した試料を、温度20±
2℃、湿度65±2%の環境下で24時間放置後の試料
を用い、熱水処理後の伸縮伸長率および伸縮弾性率は、
無荷重で98℃の熱水中に30分間浸漬した後、無荷重
で24時間自然乾燥乾燥した試料を用いた。
社製)を用い、試料を20cmの長さに切り取り、両端
を結んで輪を作り、測定装置に装填し、初荷重0.04
4cN/dtex、昇温速度100℃/分の条件で収縮
応力を測定し、得られた温度に対する熱収縮応力の変化
曲線から100℃における熱収縮応力を読み取った。
78)、B法(定荷重法)にしたがって測定し、伸長率
及び回復率の項目をストレッチ率及びストレッチバック
率として表した。
とストレッチ特性の保持性) 10cm×30cmの試料に、長さ方向に5kgの荷重
をかけて引き伸ばした後、無荷重状態で30分間放置す
る操作を1サイクルとし、1サイクル後並びに10サイ
クル後の試料について、織物のふくらみ、ソフト感、張
りの変化の程度を官能評価により10段階で判定した
(最高点が10級、最低点が1級)。
サイクル後の試料に対し、10サイクル後の試料の伸縮
保持率(%)を求めた。
変化) 洗濯耐久性は、JIS−L−1096(G法)にしたが
って、洗濯5回終了後、試験前後のストレッチ率の保持
率で評価した。
着し、この間、製織準備作業のような現場作業及び事務
作業を8時間/日繰り返した。実着前後のパンツを水平
台の上に置き、膝裏周りを中心とした緯シワの発生程度
を、以下の基準にしたがって5人のパネラーにより官能
評価し、平均点で表した。評価が3〜5点の範囲内を、
緯シワの入りにくい織物と判定した。
(5点) 緯シワは見えるが気にならない程度の織物を○〜△(4
点) 緯シワが多少気になる織物を△(3点) 緯シワが気になる織物を△〜×(2点) 緯シワが非常に気になる織物を×(1点) (9)シルエット(実着評価) ボトムパンツに縫製した各織物サンプルを連続5日間実
着し、この間、製織準備作業のような現場作業及び事務
作業を8時間/日繰り返した。実着前後のパンツについ
て、以下の基準にしたがって、折り目や膝抜けの程度を
中心として、5人のパネラーにより、下記の基準に従
い、実物及び写真による官能評価を行った。評価は5人
でランク付けしてその平均点で表し、評価が3〜5点の
範囲内をシルエットのきれいな織物と判定した。
な状態を○(5点) 折り目が若干弱いが気にならない程度の状態を○〜△
(4点) 折り目の残り程度が多少気になる状態を△(3点) 折り目の残り程度が気になる状態を△〜×(2点) 折り目の残り程度が非常に気になり、膝抜けも多少感じ
る状態を×(1点) (10)バギング(膝抜け等の型崩れ評価) バギングは、JIS−L−1061(A法屈曲反復法)
にしたがって測定した。
0(エイエムアイテクノ社製)を使用した。着圧センサ
ーを膝頭周辺に3点、大腿部裏に1点、臀部中央に1点
の計5カ所取り付け、スラックスに縫製した各織物サン
プルを実着し、直立姿勢から足を持ち上げ、膝の角度が
120度に到達した時点で足を元に降ろす往復運動を3
0deg/秒の速度で50回行い、着圧を測定した。そ
のうちの21〜40回に当たる20回分の各部位の平均
値を合計した値を測定値として用いた。
システム社製)を使用した。スラックスに縫製した各織
物サンプルを実着し、直立姿勢から足を持ち上げ、膝の
角度が120度に到達した時点で足を元に降ろす往復運
動を30deg/秒の速度で50回行い、運動量を測定
した。そのうちの21〜40回に当たる20回分の値を
測定値として用い、疲れ易さの指標とした。
プルは、被験者の体格に合わせ、全て同様の裁断方法及
び同寸法で縫製を行い、膝周りのゆとり率は15%とし
た。
価で、同時に蒸れ感や保温性を下記の5段階で官能評価
し、点数化した。評価は5人でランク付けしてその平均
点で表した。評価が3〜5点の範囲内は湿熱快適性の織
物と判定した。
(5点) 蒸れや寒さをほとんど感じず良好な状態を○〜△(4
点) 蒸れや寒さが多少気になる状態を△(3点) 蒸れや寒さが気になる状態を△〜×(2点) 蒸れや寒さが非常に気になる状態を×(1点) (14)軽量感 前記(9)シルエットの評価において、5日間の実着評
価で、同時に下記の5段階で官能評価し、点数化した。
評価は5人でランク付けしてその平均点で表した。評価
が3〜5点の範囲内は軽量感の優れた織物と判定した。
ンテレフタレートをwt比1:1でサイドバイサイド型
に押出し、紡糸温度265℃、紡糸速度1500m/分
で未延伸糸を得、次いで、ホットロール温度55℃、ホ
ットプレート温度140℃、延伸速度400m/分、延
伸倍率は延伸後の繊度が56dtexとなるように設定
して延撚し、56dtex/12fのサイドバイサイド
型複合マルチフィラメントを得た。得られた複合マルチ
フィラメントの固有粘度は、高粘度側が[η]=0.9
0、低粘度側が[η]=0.70であった。また、初期
引張抵抗度、顕在捲縮の伸縮伸長率及び伸縮弾性率、熱
水処理後の伸縮伸長率及び伸縮弾性率、100℃におけ
る熱収縮応力を表1に示す。
績糸を製造する際に、複合マルチフィラメントを精紡機
のフロントローラーから1%のオーバーフィードを掛け
て給糸し、30番単糸、撚数800T/m(撚り係数1
1225)で、芯が複合マルチフィラメント、鞘が綿か
らなる鞘芯構造のストレッチ複合紡績糸を得た。得られ
たストレッチ複合紡績糸の熱水処理後の伸縮伸長率、伸
縮弾性率を表1に示す。
ターにて70℃で40分間ビリ止めセットを行い、無糊
の状態で、部分整経機HB−M(カキノキ(株)製)を
用いて巻取速度140m/分で整経し、経密度(織機上
の設定密度)96本/2.54cm、通し幅145cm
の経糸を準備し、エアージェットルームZA209i
(津田駒工業(株))に仕掛けた。
(緯糸打ち込み密度)96本/2.54cmで、3/1
綾の組織にて、500rpmの織機回転数で製織した。
℃で3分精練・乾燥後、120℃で液流染色し、160
℃で仕上げセットして、最終仕上げ密度を経142本/
2.54cm、緯140本/2.54cmに設定した。
は、23%/25%(ストレッチ率比A/B=0.9
2)、ストレッチバック率は85%/85%であった。
した。風合いは綿タッチであった。物性値及び評価結果
を表1に示す。
れた56dtex/12fのサイドバイサイド型複合マ
ルチフィラメントを用い、撚り数を250T/mに変え
た以外は実施例1と同様の方法で、30番手単糸、撚数
250T/mのストレッチ複合紡績糸(撚り係数350
8)を得、これを用いて3/1織物を得た。
し、着用評価を行った。物性値及び評価結果を表1に示
す。
れた56dtex/12fのサイドバイサイド型複合マ
ルチフィラメントを用い、撚り数を1050T/mに変
えた以外は実施例1と同様の方法で、30番手単糸、撚
数1050T/mのストレッチ複合紡績糸(撚り係数1
4732)を得、これを用いて3/1織物を得た。
し、着用評価を行った。物性値及び評価結果を表1に示
す。
る二種類のポリトリメチレンテレフタレートを用いたこ
と以外は実施例1と同様の方法で、56dtex/12
fのサイドバイサイド型複合マルチフィラメントを得
た。得られた複合マルチフィラメントの固有粘度は高粘
度側が[η]=0.86、低粘度側が[η]=0.69
であった。
糸、撚数800T/mのストレッチ複合紡績糸を得、こ
れを用いて3/1織物を得た。
し、着用評価を行った。物性値及び評価結果を表1に示
す。
チ複合紡績糸を経糸に用い、緯糸に市販30番単糸の綿
糸を用い、実施例1と同様にして3/1綾織物を作成
し、同様にチノパンツを作成して着用評価を行った。物
性値及び評価結果を表1に示す。
ても、ストレッチ複合紡績糸は中空構造を有し、その織
物も、天然素材の綿の風合いを持ちながら、軽量感と共
に保温感に優れ、かつ屈伸時の着圧感が少なく快適であ
り、また、膝裏のしわや膝抜けもなく保形性にも優れ、
繰り返し伸長回復後も柔軟な風合いがほとんど変化せ
ず、優れたボトムとなることがわかった。
れた56dtex/12fのサイドバイサイド型複合マ
ルチフィラメントを用い、撚り数を100T/mに変え
た以外は実施例1と同様の方法で、30番手単糸、撚数
100T/m(撚り係数1403)のストレッチ複合紡
績糸を得、これを用いて3/1織物を得た。
し、着用評価を行った。物性値及び評価結果を表2に示
す。
素抜け強度が不足し、スパイラルコア構造形成も不十分
で、織物としたときに強度が低く、また、ストレッチバ
ック性の悪いものであった。
れた56dtex/12fのサイドバイサイド型複合マ
ルチフィラメントを用い、撚り数を1700T/mに変
えた以外は実施例1と同様の方法で、30番手単糸、撚
数1700T/m(撚り係数23852)のストレッチ
複合紡績糸を得、これを用いて3/1織物を得た。
し、着用評価を行った。物性値及び評価結果を表2に示
す。
が強く、十分な中空のスパイラルコア構造が形成できて
いないため、その織物は、シボ感があり、軽量感とスト
レッチ性に欠けるものであった。
レフタレートを用い、実施例1と同様の紡糸条件で56
dtex/12fのマルチフィラメントを得た。得られ
たマルチフィラメントの固有粘度は[η]=0.76で
あった。次いで実施例1と同様にして、30番手単糸、
撚数800T/mの複合紡績糸を得、これを用いて3/
1綾織物を得た。
て着用評価した。物性値及び評価結果を表2に示す。
合紡績糸は中空部を有していないため、軽量感に劣り、
ストレッチ性も不足したものであった。また、その織物
は、伸長を繰り返すとソフト感が徐々に低下していき、
初期の風合いを維持できず、膝抜けもあるものであっ
た。
リエチレンテレフタレートを用いて56dtex/12
fのサイドバイサイド型複合マルチフィラメントを得
た。得られた複合マルチフィラメントの固有粘度は、高
粘度側が[η]=0.66、低粘度側が[η]=0.5
0であった。次いで実施例1と同様にして、30番手単
糸、撚数800T/mの複合紡績糸を得、それを経緯に
用いた3/1織物を得た。
て着用評価した。物性値及び評価結果を表2に示す。
量感がなく硬い風合いで、ストレッチ性、ストレッチバ
ック性が悪く、また、チノパンツにして着用評価した結
果では膝抜けと膝裏に皺が発生し、形態保持性の悪いも
のであった。
/12fのサイドバイサイド型複合マルチフィラメント
と綿を用いて、リング精紡機にて綿紡績糸を製造する際
に、複合マルチフィラメントを精紡機のフロントローラ
ーから顕在捲縮が完全に消失する0.5cN/dtex
の張力を掛けて給糸し、30番単糸、撚数800T/m
(撚り係数11224)で、芯が複合マルチフィラメン
ト、鞘が綿からなる鞘芯構造で、芯部の複合マルチフィ
ラメントと綿の交絡がほとんどないストレッチ複合紡績
糸を得、それを経緯に用いた3/1織物を得た。物性値
及び評価結果を表2に示す。
イラル構造を形成しているので、軽量感はあるが、鞘部
を形成している綿は芯部の複合マルチフィラメントとの
交絡がほとんどないため、織物の繰り返しのストレッチ
性、ストレッチバック性が悪く、また、チノパンツにし
て着用評価した結果では、膝抜けと膝裏に皺が発生し、
形態保持性の悪いものであった。
を用いた織物は、天然素材の優れた風合いを生かしつ
つ、天然素材の欠点である着用時の重量感を著しく向上
する軽量性と、小さな着用圧や適度なサポート感をもた
らす低応力・高ストレッチ性と、高いストレッチバック
性を有する。さらに、繰り返しの伸縮や洗濯によって
も、素材の風合いや、特に膝や肘抜けや屈曲部の皺が起
こりずらく、優れた形態安定性を有する。
ストレッチ複合紡績糸及びそのストレッチ織物として好
適である。代表的な用途としては、チノパンツやジーン
ズのボトムやアッパーのアウター、スポーツ用カジュア
ルウエアーとして最適である。
その構造を模式的に表した図である。
ィラメント 2…短繊維が構成する鞘部 3…中空部 4…短繊維の一部が芯部の複合マルチフィラメントと交
絡している部分
Claims (8)
- 【請求項1】 ポリトリメチレンテレフタレートを主体
とするポリエステルと繊維形成性を有するポリエステル
との複合マルチフィラメントが芯部を実質的に形成し、
天然繊維を主体とする短繊維が鞘部を実質的に形成して
なる精紡交撚糸であって、芯部は複合マルチフィラメン
トが糸の長軸方向に中空部を有するスパイラル構造を形
成しており、かつ、鞘部は短繊維の一部が芯部の複合マ
ルチフィラメントと交絡しながら芯部外周上に捲回され
た構造を形成していることを特徴とするストレッチ複合
紡績糸。 - 【請求項2】 天然繊維が綿である請求項1記載のスト
レッチ複合紡績糸。 - 【請求項3】 精紡交撚糸の撚係数が3000〜150
00であることを特徴とする請求項1または2記載のス
トレッチ複合紡績糸。 - 【請求項4】 複合マルチフィラメントが、固有粘度差
0.05〜0.40(dl/g)である2種類のポリト
リメチレンテレフタレートが互いにサイドバイサイド型
に複合された単糸から構成されていることを特徴とする
請求項1、2または3記載のストレッチ複合紡績糸。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のストレ
ッチ複合紡績糸を経または緯に用い、他方に綿を用いて
なることを特徴とする経または緯ワンウェイストレッチ
織物。 - 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載のストレ
ッチ複合紡績糸を経または緯に用い、他方にストレッチ
糸を用いてなることを特徴とする経緯ツーウェイストレ
ッチ織物。 - 【請求項7】 請求項1〜4のいずれかに記載のストレ
ッチ複合紡績糸を経緯に用いてなる経緯ツーウェイスト
レッチ織物。 - 【請求項8】 請求項6又は7記載の経緯ツーウェイス
トレッチ織物を用いたボトムであって、経方向に15〜
30%のストレッチ率と75%以上のストレッチバック
率を有し、経方向のストレッチ率(A)と緯方向のスト
レッチ率(B)の比(A/B)が0.5≦(A/B)≦
30の範囲を満足することを特徴とするボトム。
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