JP6505162B2 - メリヤス及びこのメリヤスを基布とする合成樹脂積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、衣料などに使用される合成皮革(synthetic leather)や擬革(imitation leather)、自動車の内装材や自動車用座席、家具の表皮材として用いられる合成樹脂レザーの基布として用いられるメリヤスとポリウレタン、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリアミノ酸樹脂、アクリル系樹脂及びポリ塩化ビニル等の合成樹脂製膜を積層する合成樹脂積層体に関する。
従来、メリヤス基布、例えば自動車用に使用される合成樹脂積層体の基布として用いられるメリヤスは、ポリエステル・レーヨン混紡糸が用いられ、このメリヤスを基布としてポリウレタン、ポリオレフィン、塩化ビニル樹脂等の合成樹脂製膜を積層して合成皮革、擬革や合成樹脂レザーが作られていた。しかし、近年、風合いのさらなる向上並びに高級化の要請のもとで、前記メリヤス基布は長繊維糸を用いた両面編メリヤスが用いられている。しかし、前記長繊維糸を用いた両面編の変化組織からなるメリヤス、例えば、モック・ピケット・ロイヤル・インターロックは目付けが重くなり或いは単純なインターロックに比較して量産性が低下する。また、単純なインターロックメリヤスにおいてはヨコ方向に引き延ばされると前記長繊維糸が伸びてループ抜けによるラダリング(laddering)所謂「伝線」を引き起こしてメリヤス組織が破壊され作業性が損なわれるという問題があった。
一方、特許文献1には、たて方向とよこ方向の伸びの差が小さく、風合いが良好な合成樹脂レザーについて記載されている。しかし、本願発明のメリヤス基布は、伸びの大きい編み糸と伸びの小さい編み糸とから編成されるインターロック編地からなるメリヤスとしてあり、前記インターロック編地は、前記伸びの大きい編み糸と伸びの小さい編み糸が交編してなるのに対して、特許文献1記載の合成樹脂レザーに使用される基布は、セルロース系繊維からなる第一の糸と長繊維の捲縮加工糸、熱可塑性エラストマー長繊維、ポリウレタン長繊維のうちの一種の第二の糸とを交編みし、且つ、前記第二の糸で形成されるループが基布のたて方向、よこ方向、表裏において連続しないように構成されており、更に、前記特許文献1の合成樹脂レザーは皺の発生、型崩れ防止を目的とするのに対し、本願発明は主として合成樹脂レザーのラダリング防止を主たる目的とする点において両者はメリヤスの糸質、メリヤスの編み構成及び発明の効果の点において異なる。
特開2005−23448
本発明者は、前記の問題点を解決するために、鋭意研究し本発明に達したものであり、本発明の目的は、前記のような問題点を解消し、前記長繊維糸を使用した単純なインターロックメリヤスに代えて、例えば長繊維の仮撚加工糸等からなる伸びの大きい糸と延伸糸等からなる伸びの小さい糸とを組み合わせ且つ前記伸びの小さい糸によって編成されるループが伸びの大きい糸によって編成されるループよりもループ長を短く編成してなるインターロックメリヤス編地とすることによって、メリヤス基布がタテ乃至ヨコ方向の何れか一方に引き延ばされても前記伸びの小さい糸からなる編み糸が伸びの大きい編み糸の過大な伸びを押さえてループ抜けによるラダリングの発生を未然に防止すると共に風合いは伸びの大きい編み糸が保持することによって、ラダリングの発生を抑えて強度と風合いに優れたインターロックメリヤス及びこのメリヤスを基布とする合成樹脂積層体を提供することにある。
合成樹脂層と基布からなる合成樹脂積層体において、前記基布が伸びの大きい編み糸と伸びの小さい編み糸とから編成されるインターロック編地からなるメリヤスとしてあり、前記インターロック編地は、前記伸びの大きい編み糸と伸びの小さい編み糸が交編してなり、
且つ、前記伸びの大きい編み糸によって編成されるループからなる少なくとも1コースと伸びの小さい編み糸によって編成されるループからなる少なくとも1コースが交互に編成されるとともに、
前記伸びの大きい編み糸によって編成されるループが伸びの小さい編み糸によって編成されるループよりもループ長が長く編成されてなるインターロック編地のうちの一種であることを特徴とする合成樹脂積層体とする。
前記インターロック編地を編成する伸びの大きい編み糸は、長繊維からなる伸縮性嵩高加工糸、可塑性エラストマー長繊維糸の中の何れかから選ばれ、前記伸びの小さい編み糸は、全延伸糸(FDY)、スピンドロー式延伸糸(SDY)、エア加工糸(ATY) 、延伸変形糸(DTY)、高配向糸(HOY)の中の何れかから選ばれることを特徴とする前記の合成樹脂積層体とする。
前記メリヤスは、編みたて後の製品において、編み糸Bによって編成されるループ長Lbと編み糸Aによって編成されるループ長Laとの比率Lb/Laが、1.05〜2.5であることを特徴とする前記の合成樹脂積層体とすることが好ましい。
前記合成樹脂層と基布との間に接着剤層が設けられてなることを特徴とする前記の合成樹脂積層体とすることが好ましい。
前記合成樹脂層が、表皮層と発泡層とからなることを特徴とする前記の合成樹脂積層体とすることが好ましい。
合成樹脂積層体の基布として用いられるメリヤスにおいて、前記メリヤスが伸びの大きい編み糸と伸びの小さい編み糸とから編成されるインターロック編地からなるメリヤスとしてあり、前記インターロック編地は、前記伸びの大きい編み糸と伸びの小さい編み糸が交編してなり、
且つ、前記伸びの大きい編み糸によって編成されるループからなる少なくとも1コースと伸びの小さい編み糸によって編成されるループからなる少なくとも1コースが交互に編成されるとともに、
前記伸びの大きい編み糸によって編成されるループが伸びの小さい編み糸によって編成されるループよりもループ長が長く編成されてなるインターロック編地のうちの一種であることを特徴とするメリヤスとする。
前記インターロック編地を編成する伸びの大きい編み糸は、長繊維からなる伸縮性嵩高加工糸、可塑性エラストマー長繊維糸の中の何れかから選ばれ、前記伸びの小さい編み糸は、全延伸糸(FDY)、スピンドロー式延伸糸(SDY)、エア加工糸(ATY)、延伸変形糸(DTY)、高配向糸(HOY)の中の何れかから選ばれることを特徴とする前記のメリヤスとする。
前記メリヤスは、編みたて後の製品において、編み糸Bによって編成されるループ長Lbと編み糸Aによって編成されるループ長Laとの比率Lb/Laが、1.05〜2.5であることを特徴とする前記のメリヤスとする。
本発明のメリヤスは、前記のように構成され、メリヤス並びにこのメリヤスを基布とする合成樹脂積層体においてメリヤスがタテ乃至ヨコ方向に引き延ばされても伸びの小さい編み糸が伸びの大きい編み糸に比較してループ長が短いことからループ抜けによるラダリングの発生を未然に防止し且つ風合いに優れた効果を奏する。かかる風合は、編み糸自体の構成に起因する点が大きく、伸びの大きい編み糸によって編成されるループの占める割合を変えることによって風合いを調整することが可能である。すなわち、伸びの小さい編み糸と伸びの大きい編み糸の編成割合を変えることによって風合いを向上させ或いはラダリングの発生を抑える効果を高めることが可能となる。また、何れの場合も伸びの大きい編み糸単独使用のメリヤスに比較してラダリングし難いのでメリヤスから合成樹脂積層体の製造に至る歩留まりが格段に向上する効果が得られる。また、メリヤスがラダリングしづらいことから該メリヤスを基布とする合成樹脂積層体は、孔開け加工やミシンの縫製加工においてメリヤスの縫い目がほつれたり縫い目から裂けたりする欠陥の発生が抑制される結果、前記孔開け加工やミシンの縫製加工における歩留まりが向上する効果を奏する。
次に、本発明を実施するための最良の形態(以下「本発明の実施の形態」と称する)について代表的な図面を参照して説明する。しかしながら本願発明は係る本発明の実施の形態によって何ら限定されるものではない。図1は、本発明の実施の形態に係る合成樹脂層と基布からなる合成樹脂積層体を示す図である。1はメリヤス基布の片面に接着剤乃至熱融着して一体化した合成樹脂積層体であり、2は合成樹脂表皮層、3は発泡層、4はインターロック編地のメリヤス基布である。
本発明の実施の形態に係るメリヤスは、合成樹脂積層体の基布として用いられるものであり、前記インターロック編地は、前記伸びの小さい編み糸Aに属する全延伸糸(FDY)、スピンドロー式延伸糸(SDY)、エア加工糸(ATY)、延伸変形糸(DTY)、高配向糸(HOY)の中の何れかと、前記伸びの大きい編み糸Bに属する長繊維からなる伸縮性嵩高加工糸、可塑性エラストマー長繊維糸、の中の何れかとを交編みし、伸びの小さい編み糸Aよって連続して編成されるループからなる少なくとも1コースと、前記伸びの大きい編み糸Bによって連続して編成されるループからなる少なくとも1コースが交互に編成される。例えば、第2図と第3図に示す2段インターロック編地、第4図と第5図に示す3段インターロック編地を用いる。また、本実施例に示す以外に例えば、1又は4段以上の多段インターロック編地や、伸びの小さい編み糸Aを2コースと伸びの大きい編み糸Bを4コースのように編み糸Aと編み糸Bの連続するコース数が異なる組み合わせからなる場合も本願発明に含まれる。更に、前記に加えて伸びの大きい編み糸Bによって編成されるループが伸びの小さい編み糸Aによって編成されるループよりもループ長が長く編成されてなるインターロック編地のうちの一種であることを特徴とする。
図2は、本願発明に係る2段インターロック編地の編方図であり、ダイヤルとシリンダーには対向する長針(2,2’)と短針(1,1’)がそれぞれ交互に配列されてなるダイヤル・シリンダー式のインターロック編機による編方が例示されている。第1コース(1)と第2コース(2)には伸びの小さい編み糸A(11,12)が供給され、第1コース(1)では長針(2,2’)が上昇し糸を捉えてループを形成し、第2コース(2)では短針(1,1’)が上昇して糸を捉えてループを形成する。次に、第3コース(3)と第4コース(4)では伸びの大きい編み糸B(21,22)が供給され、第3コース(3)では長針(2,2’)が上昇し糸を捉えてループを形成し、第4コース(4)では短針(1,1’)が上昇し糸を捉えてループを形成する。本例は伸びの小さい編み糸Aと伸びの大きい編み糸Bが2コース毎に交互に交編みする例を示す。
図3は、前記2段インターロック編地の組織図であり、まず、図3(1)に示すように、伸びの小さい編み糸A(11,12)によって形成されるループが、メリヤスの表面に、11,12,11,12・・・、裏面には11’,12’,11’,12’・・・のように編み糸A(11,12)のループが表面と裏面に交互に連続して編成されてなる。次に、図3(2)に示すように、編みB(21,22)のループがメリヤスの表面に、21,22,21,22・・・、裏面には21’22’,21’,22’・・・のように表面と裏面に交互に連続して編成されてなる。また、ダイヤル針とシリンダー針が互いに対向して配列することから表面と裏面のループは対称で且つ互いに重なり合った構造からなる。そして、伸びの大きい編み糸Bからなる第3コースと第4コースにて編成されるループのループ長は伸びの小さい編み糸Aからなる第1コースと第2コースにて編成されるループのループ長に比較して長いループが編成される。かかる編み目の大きさは編機の針床に配列されている編針の間隔や大きさと編み目を作る時の糸の引き込み量によって決まる。
図4は、本願発明に係る3段インターロック編地の編方図であり、ダイヤルとシリンダーにはそれぞれ半ピッチずれて交差する長針と中針と短針が交互に配列されてなる。ダイヤル・シリンダー式のインターロック編機による編方が例示されている。第1コース(1)と第2コース(2)と第3コース(3)では伸びの小さい編み糸A(11,12,13)が供給され、第1コース(1)では長針(3,3’)が上昇し糸を捉えてループを形成し、第2コース(2)では中針(2,2’)が上昇し糸を捉えてループを形成し、第3コース(3)では短針(1,1’)が上昇して糸を捉えてループを形成する。次に、第4コース(4)と第5コース(5)と6第コース(6)では伸びの大きい編み糸B(21,22,23)が供給され、第4コース(4)では長針(3,3’)が上昇し糸を捉えてループを形成し、第5コース(5)では中針(2,2’)が上昇し糸を捉えてループを形成し、第6コース(6)では短針(1,1’)が上昇し糸を捉えてループを形成する。本例は伸びの小さい編み糸Aと伸びの大きい編み糸Bが3コース毎に交互に交編みする例を示す。本例ではダイヤルとシリンダーにそれぞれ長針と中針と短針が交互に半ピッチずれて交差する例を示すが前記2段インターロック編地のようにダイヤルとシリンダー針が互いに対向して配列される場合も本願発明に含まれることは言うまでもない。
図5は、前記図4の編み方による3段インターロック編地の組織図であり、図5(1)に示すように、まず、伸びの小さい編み糸A(11,12,13)によって形成されるループが、メリヤスの表面に、11,12,13,11,12,13・・・、裏面には11’,12’,13’,11’,12’,13’・・・のように表面と裏面に交互に連続して編成されてなる。次に、図5(2)に示すように、伸びの大きい編み糸B(21,22,23)によって形成されるループが、メリヤスの表面に、21,22,33,21,22,33・・・、裏面には21’,22’,23’,21’,22’,23’・・・のように表面と裏面に交互に連続して編成される。また、ダイヤル針とシリンダー針が互いにそれぞれ半ピッチずれて交差して配列することから表面と裏面のループは対称で且つ互いに半ピッチずれた構造からなる。そして、伸びの大きい編み糸Bからなる第4コースと第5コースと第6コースにて編成されるループのループ長は伸びの小さい編み糸Aからなる第1コースと第2コースと第3コースにて編成されるループのループ長に比較して長いループが編成される。編み目の大きさは編機の針床に配列されている編針の間隔や大きさと編み目を作る時の糸の引き込み量によって決まることは前記2段のインターロック編地の場合と同様である。
図6は、本願発明に係る編み糸Aと編み糸Bが1コースごとに交互に編成されるメリヤスの一部拡大模式図である。図6において、11と12は伸びの小さい編み糸Aを、21と22は伸びの大きい編み糸Bを表す。そして、編み糸11で編み地の表面に形成されるループを11、裏面に形成されるループを11’で表し、編み糸12で編み地の表面に形成されるループを12、裏面に形成されるループを12’で表す。編み糸Bについても編み糸Aに準じて表すものとする。更に、Laは編み糸Aで編まれるループ長を示し、Lbは編み糸Bで編まれるループ長を示すものとする。編み立て後の製品において、編み糸Bによって編成されるループ長Lbと編み糸Aによって編成されるループ長Laとの比率Lb/Laが、1.05〜2.5であることが好ましく、1.3〜2.0がより好ましい。Lb/Laが、1.05よりも小さいとメリヤスの風合いに欠ける恐れが生じ、2.5よりも大きいとループ抜けによるラダリングの発生を充分に阻止しえない恐れがあることによる。以上のループ長の長さ乃至ループ長比率については本発明の他のインターロック編地等についても同様に適用できる。
次に、上記メリヤスの糊引き工程について説明する。例えば、ダイヤル・シリンダー式のインターロック編機により編成する場合は、表裏面が同様の円筒状のメリヤス編地が得られるので、その後円筒状のメリヤス編地を切開して合成樹脂層を積層するメリヤス面に接着剤を塗布する。糊引き工程は、ロールコーター、リバースロールコーター、ナイフコーター等の接着剤塗布工程と乾燥工程と捲き取り工程とを備え、接着剤としては、溶剤系乃至水系のエチレン−酢酸ビニル共重合体系接着剤、ポリ塩化ビニルペースト系接着剤、二液型ポリウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤等が用いられる。
次に、本発明の実施の形態に係る合成樹脂積層体について説明する。図1は、前記メリヤスを基布とし、前記メリヤスの何れか片面に合成樹脂層が積層してある合成樹脂積層体の拡大縦断面図である。本図において、1は合成樹脂積層体、2は合成樹脂表皮層、3は発泡層、4はメリヤス基布である。合成樹脂表皮層2乃至発泡層3の素材は特に限定されないが、例えば、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリアミノ酸樹脂及びポリ塩化ビニル等が好ましい。本発明の合成樹脂積層体の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、合成樹脂層はカレンダー、Tダイ、ゾルコーティング乃至ラミネート等によって前記メリヤス基布と製膜一体化することが好ましい。
合成皮革の製造方法として、例えば、乾式法の場合は、シリコン処理又はポリエチレンなどの樹脂加工した紙に予め雌形の型付をした剥離紙を用い、この上にリバースロールコーターによってプラスチゾルを塗布し、ヒーターで加熱してゲル化後基布を貼合ロールの間に通過させて貼り合わせ、発泡炉を通過させた後冷却ロールで冷却し、製品巻取ロール及び剥離紙巻取ロールによって別々に巻き取って剥離紙を剥がすと表面にエンボス模様が賦形された合成樹脂積層体が得られる。前記のリバースロールコーターに代えてナイフコーターを用いてもよい。
実施例1
次に、実施例について以下に説明する。前記の本発明の実施の形態に係るメリヤスにおいて、伸びの小さい編み糸Aとしてポリエステル系の延伸糸(FDY)を用い、伸びの大きい編み糸Bとしてポリエチレンテレフタレートの長繊維からなる150デニールの仮撚加工糸を用いた2段インターロック編のメリヤスを得た。前記実施例によって得られたメリヤスにおいては、伸びの小さい編み糸Aと伸びの大きい編み糸Bが2コース毎に交互に交編みされており、且つ編み立て後の伸びの大きい編み糸Bのループ長Lbと伸びの小さい編み糸Aのループ長Laとの比は以下の通りであった。
Lb/La=28.7mm/20.5mm=1.4
このメリヤスにエチレン−酢酸ビニル共重合体系接着剤で糊引きをして、糊引き面に乾式法によってポリウレタン皮膜を積層して合成樹脂積層体を得た。
実施例2
前記実施例1において、2段インターロック編のメリヤスに代えて3段インターロック編のメリヤスとした以外は実施例1と同様のメリヤスと該メリヤスを基布とする合成樹脂積層体を得た。前記実施例によって得られたメリヤスにおいては、伸びの小さい編み糸Aと伸びの大きい編み糸Bが2コース毎に交互に交編みされており、且つ編み立て後の伸びの大きい編み糸Bのループ長Lbと伸びの小さい編み糸Aのループ長Laとの比は実施例1と同様である。
比較例1
第1の比較例として、従来方式のとおり、前期実施例1において、伸びの大きい編み糸Bを使用せずに、伸びの小さい編み糸Aとしてポリエステル系の延伸糸(FDY)を用いた2段インターロック編のメリヤスを得た。従って、編み立て後の編み糸のループ長は全て同じ長さからなる。このメリヤスにエチレン−酢酸ビニル共重合体系接着剤で糊引きをして、糊引き面に乾式法によってポリウレタン皮膜を積層して合成樹脂積層体を得た。
比較例2
第2の比較例として、従来方式のとおり、前記実施例1において、伸びの小さい編み糸Aを使用せずに、伸びの大きい編み糸Bとしてポリエチレンテレフタレートの長繊維からなる150デニールの仮撚加工糸を用いた2段インターロック編のメリヤスを得た。従って、編み立て後の編み糸のループ長は全て同じ長さからなる。このメリヤスにエチレン−酢酸ビニル共重合体系接着剤で糊引きをして、糊引き面に乾式法によってポリウレタン皮膜を積層して合成樹脂積層体を得た。
比較例3
前記比較例1において、2段インターロック編のメリヤスに代えて3段インターロック編のメリヤスとした以外は比較例1と同様のメリヤスと、該メリヤスを基布とする合成樹脂積層体を得た。
<実施例特有の効果>
前記実施例1に係る2段インターロック編からなるメリヤスと実施例2に係る3段インターロック編からなるメリヤスは、何れも、伸びの小さい編み糸Aと伸びの大きい編み糸Bが相隣するコースの掛合する位置において、例えば、図6に示すように、伸びの小さい編み糸Aからなるシンカループs(ウェールをつなぐループの谷「つなぎ」とも言う)乃至ニードルループn(ループの山)の何れかが伸びの大きい編み糸Bからなるループを挟扼し、伸びの大きい編み糸Bに張力が作用しても、よほど強い引っ張り力、即ち、メリヤス編工程、メリヤス基布と合成樹脂との積層工程乃至孔開け加工やミシン掛け加工等の際に通常作用する力以上のよほど強い引っ張り力が作用しない限り、シンカループs(つなぎ)乃至ニードルループn(ループの山)部分が抜けることに起因するラダリング現象を抑制する効果を奏する。これに対して、比較例1と比較例3のメリヤスの場合は、前記の通常作用する力によってもラダリング現象が起きることが確認された。更に、風合いの点においては、前記実施例1乃至2については比較例2とさほど変わりなく、充分に代替え可能であると判断された。更に、実施例の1乃至2の合成樹脂積層体は、ミシンがけと孔開け加工において、メリヤスの縫い目がほつれたり縫い目から裂けたりする欠陥が解消されるばかりでなく、作業能率の効率アップに寄与することが確認された。
本発明に係るメリヤス及びこのメリヤスを基布とする合成樹脂積層体は風合いを損なうことなくラダリングを防止し孔開け加工やミシンの縫製加工における歩留まりが向上することから経済的要請に応えることができ、しかも従来のメリヤス編機及び加工装置で実施できることから極めて有用である。
本発明に係るメリヤスを基布とする合成樹脂積層体の一部拡大断面図である。 本発明に係る2段インターロック編地の編方図である。 本発明に係る2段インターロック編地の組織図である。 本発明に係る3段インターロック編地の編方図である。 本発明に係る3段インターロック編地の組織図である。 本発明に係るメリヤスの一部拡大模式図である。
1:合成樹脂積層体
2:合成樹脂表皮層
3:発泡層
4:メリヤス基布

Claims (8)

  1. 合成樹脂層と基布からなる合成樹脂積層体において、前記基布が伸びの大きい編み糸と伸びの小さい編み糸とから編成されるインターロック編地からなるメリヤスとしてあり、前記インターロック編地は、前記伸びの大きい編み糸と伸びの小さい編み糸が交編してなり、
    且つ、前記伸びの大きい編み糸によって編成されるループからなる少なくとも1コースと伸びの小さい編み糸によって編成されるループからなる少なくとも1コースが交互に編成されるとともに、
    前記伸びの大きい編み糸によって編成されるループが伸びの小さい編み糸によって編成されるループよりもループ長が長く編成されてなるインターロック編地のうちの一種であることを特徴とする合成樹脂積層体。
  2. 前記インターロック編地を編成する伸びの大きい編み糸は、長繊維からなる、伸縮性嵩高加工糸、可塑性エラストマー長繊維糸の中の何れかから選ばれ、前記伸びの小さい編み糸は、全延伸糸(FDY)、スピンドロー式延伸糸(SDY)、エア加工糸(ATY)、延伸変形糸(DTY)、高配向糸(HOY)の中の何れかから選ばれることを特徴とする請求項1記載の合成樹脂積層体。
  3. 前記メリヤスは、編みたて後の製品において、編み糸Bによって編成されるループ長Lbと編み糸Aによって編成されるループ長Laとの比率Lb/Laが、1.05〜2.5であることを特徴とする請求項1又は2記載の合成樹脂積層体。
  4. 前記合成樹脂層と基布との間に接着剤層が設けられてなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の合成樹脂積層体。
  5. 前記合成樹脂層が、表皮層と発泡層とからなることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の合成樹脂積層体。
  6. 合成樹脂積層体の基布として用いられるメリヤスにおいて、前記メリヤスが伸びの大きい編み糸と伸びの小さい編み糸とから編成されるインターロック編地からなるメリヤスとしてあり、前記インターロック編地は、前記伸びの大きい編み糸と伸びの小さい編み糸が交編してなり、
    且つ、前記伸びの大きい編み糸によって編成されるループからなる少なくとも1コースと伸びの小さい編み糸によって編成されるループからなる少なくとも1コースが交互に編成されるとともに、
    前記伸びの大きい編み糸によって編成されるループが伸びの小さい編み糸によって編成されるループよりもループ長が長く編成されてなるインターロック編地のうちの一種であることを特徴とするメリヤス。
  7. 前記インターロック編地を編成する伸びの大きい編み糸は、長繊維からなる、伸縮性嵩高加工糸、可塑性エラストマー長繊維糸の中の何れかから選ばれ、前記伸びの小さい編み糸は、全延伸糸(FDY)、スピンドロー式延伸糸(SDY)、エア加工糸(ATY)、延伸変形糸(DTY)、高配向糸(HOY)の中の何れかから選ばれることを特徴とする請求項6記載のメリヤス。
  8. 前記メリヤスは、編みたて後の製品において、編み糸Bによって編成されるループ長Lbと編み糸Aによって編成されるループ長Laとの比率Lb/Laが、1.05〜2.5であることを特徴とする請求項6又は7記載のメリヤス。
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