JP5987361B2 - 織編物およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は深色性、吸水性に優れ、かつ洗濯耐久性、抗フロスティング性を有し、家庭でのウオッシャブル対応が可能な衣料用途の織物または編物(織編物)に関し、さらに好ましくはブラックフォーマル用途の織編物に関する。
ブラックフォーマル用途の織編物として、従来よりポリエステル系繊維などの合成繊維は優れた物理的特性および化学的特性を有しているため広く使用されている。しかし、ウール、絹などの天然繊維、レーヨン、アセテートなどの半合成繊維に比べ、鮮明性、濃色の深み、発色性が劣るという欠点があり、このため、従来から繊維表面にフッ素系樹脂、シリコン系樹脂などの低屈折率樹脂を繊維表面に付着させ深色性を高める提案がなされている。しかしながら、これらの提案は、深色性の向上は得られるもののこれらの処理剤は撥水性を有するため、汗ばむ季節の着用においては、肌へのベタツキ等により着用快適性が不十分であった。
また、着用後のクリーニング性は一般家庭での洗濯対応の要望が高く、家庭洗濯後においても耐久性のある優れた深色性、吸水性のある素材が求められている。
耐久性に優れた深色特性を有するものとして、例えば、特許文献1には、アクリル酸エステル共重合体を介して、フッ素系化合物およびシリコン系化合物を主体とする屈折率1.5以下の重合皮膜を有する方法が提案されている。しかし、家庭洗濯での耐久性のある深色性は得られるもののフッ素系樹脂、シリコン系化合物を使用するため、撥水性を有してはいるものの、吸水性は得られていない。
また、深色性、吸水性を有するものとして、例えば、特許文献2には、繊維より屈折率の低い低屈折率樹脂、親水性樹脂、セラミック微粒子を含む樹脂加工液で繊維表面に付着する方法が提案されている。また、特許文献3には、シランカップリング剤で処理したシリカ微粒子とポリエーテル変性ポリシキロキサンを含有する吸水性を有する深色剤、処理方法が提案されている。しかしながら、深色性を得るためにシリカ系微粒子が樹脂液中に使用されるため、抗フロスティング性が不十分となり、縫製時、着用時の生地の擦れ等に白化問題が抑えきれない可能性があった。また、初期、ドライクリーニング後に対する深色性、吸水性の耐久性は得られているが、家庭洗濯後の深色性、吸水性については不十分の可能性があった。
特許第4182585号公報 特許第3973435号公報 特許第4486846号公報
本発明の課題は、かかる従来技術の背景に鑑み、深色性、吸水性に優れ、かつ洗濯耐久性、抗フロスティング性に有し、家庭でのウオッシャブル対応が可能な衣料用途の織編物およびその製造方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために、次のような構成を有する。
(1) ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、セラック樹脂、親水基を有する親水性樹脂、およびメチロール基を有する架橋性樹脂が、繊維表面に付着した織編物であって、深色性(L*値)が12.0以下、抗フロスティング性が3級以上、JIS L−1096A法の吸水性が10秒以下、JIS L−0217 103法における洗濯処理5回以上の深色性変化(ΔL*値)が0.5以下であることを特徴とする織編物。
(2) 該織編物を構成する少なくとも一部の繊維が、繊維表面にミクロボイド状の微細凹凸を有し、繊維の横断面形状が3個以上の突起部を有する多葉形の形状の繊維を含有することを特徴とする上記(1)記載の織編物。
(3) ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、セラック樹脂、親水基を有する親水性樹脂、およびメチロール基を有する架橋性樹脂を少なくとも含む樹脂加工液で含浸し、繊維表面に付着させることを特徴する上記(1)記載の織編物の製造方法。
(4) 親水基を有する親水性樹脂を浴中吸尽法にて付着させた後、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、セラック樹脂、およびメチロール基を有する架橋性樹脂を少なくとも含む樹脂加工液で含浸し、親水基を有する親水性樹脂を介し繊維表面に付着させることを特徴する上記(1)記載の織編物の製造方法。
本発明によれば、衣料用途の織編物、さらに好ましくは春夏物のブラックフォーマル用途の衣料素材として要求される優れた深色性、吸水性を有し、かつ家庭洗濯後においても耐久性のある深色性、吸水性を兼備し、白化問題の可能性が少ない良好な抗フロスティング性があり、ならびに実着用上に問題のない堅牢度、風合い特性に優れた織編物を提供することができる。
本発明の織編物は、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、セラック樹脂、親水基を有する親水性樹脂、およびメチロール基を有する架橋性樹脂が繊維表面に付着している織編物である。
本発明に用いるウレタン系樹脂、アクリル系樹脂は、織編物を構成する繊維より屈折率が低い樹脂が好ましく、屈折率1.5以下のウレタン系樹脂、アクリル系樹脂がより好ましい。通常、ポリエステル繊維の屈折率は1.58、ナイロン繊維は、1.53程度である。屈折率は樹脂をフィルム状の厚さ1mmの平板に成型したもの3枚を試料として、23℃に調節された、プリズムを備えたアッベ屈折計により、JIS−K7105記載の方法に準拠して測定し、平均値を屈折率とした。
ウレタン系樹脂としてはプロピレンオキシドとエチレンオキシドのブロックまたはランダム共重合ポリエーテルジオールとヘキサメチレンジイソシアネートまたはキシレンジシソシアネート等からなるもの、アクリル系樹脂としてはアクリル酸エステル重合体が好ましく、アクリル酸エステル重合体としては、ポリブチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリメチルアクリレート等が挙げられる。
織編物を構成する繊維より屈折率の低いウレタン系樹脂、アクリル系樹脂を用いることにより、吸水性を阻害せずに深色性を高めることができる。繊維への付着量としては繊維重量に対して、ウレタン系樹脂は0.05〜0.30重量%、アクリル系樹脂は0.10〜0.45%重量であることが好ましく、より好ましくは、ウレタン系樹脂は0.08〜0.15重量%、アクリル系樹脂は0.12〜0.25%重量である。
セラック樹脂としては、熱硬化を有するセラック樹脂であれば特に限定されるものではないが、ラックカイガラムシから得られる粒状または燐片状の天然の熱硬化樹脂が挙げられる。セラック樹脂は耐久性付与を目的とするメチロール基を有する架橋性樹脂と併用することにより、深色性、吸水性を損なうことなく、耐久性を高めることができる。セラック樹脂の繊維への付着量は繊維重量に対し、0.02〜0.15重量%であることが好ましく、より好ましくは0.03〜0.06重量%である。
親水基を有する親水性樹脂としては特に制限はないが、乾熱処理時の吸水性能の安定性、と風合いのバランスから水酸基等の親水基を有するポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂が好ましい。シリコン系樹脂は、乾熱処理の温度150℃以上になると吸水性を著しく低下する傾向があり好ましくない。
繊維への付着量(含浸されているものも含む)としては繊維重量に対して、0.05〜0.5重量%である。より好ましくは0.1〜0.3重量%である。
メチロール基を有する架橋性樹脂としては特に制限されるものではないが、トリメチロールメラミンからヘキサメチロールメラミンまでの各種メラミン樹脂が挙げられる。メチロール基を有する架橋性樹脂の繊維への付着量は繊維重量に対し、0.05〜0.3重量%であることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.15重量%であり、風合いを損なうことなく耐久性を高めることができる。
また、本発明の織編物の深色性(L*値)は12.0以下、より好ましくは11.0以下〜9.0以上である。深色性(L*値)が12.0を越えるとブラックフォーマル素材として求められる深色性の市場要求を満たさなく、深色性(L*値)9.0未満であると、縫製工程でのプレス、アイロン処理によるアタリが発生し易くなり、品位不良となり好ましくない。
抗フロスティング性は3級以上、より好ましくは4級以上〜5級である。抗フロスティング性が3級未満であると、縫製工程、流通、着用後の洗濯等により白化現象により品位を著しく損なう可能性がある。
JIS L−1096A法の吸水性が10秒以下、より好ましくは1.0〜5秒である。吸水性が10秒を越えると、着用の際、汗の吸収が遅く不快感を感じ易くなる。
JIS L−0217 103法における洗濯処理5回以上の深色性変化(ΔL*値)が0.5以下、より好ましくは洗濯処理10回の深色性変化(ΔL*値)が0.5以下〜0.1以上である。家庭洗濯後の深色性変化(ΔL*値)が0.5を越えると、縫製品の色相変化が大きくなり外観品位を損ね、本発明の効果である家庭での洗濯処理が困難になる。
また、本発明は織編物を構成する少なくとも一部の繊維が、繊維表面にミクロボイド状の微細凹凸を有し、繊維の横断面形状が3個以上の突起部を有する多葉形の形状の繊維を含有することが好ましい。
繊維表面にミクロボイド状の微細凹凸を有することにより、光の乱反射効果により深色性が向上するとともに、繊維横断面形状が3個以上の突起部を有する多葉形の形状を有することにより、より高い吸水性の効果が得られる。また、繊維表面のミクロボイド状の微細凹凸は平均一次粒子径が0.02〜0.1μmであるコロイダルシリカの微粒子を0.4〜5重量%含有するポリエステル系フィラメントをアルカリ溶液による減量処理を施すことにより得られる。ここでいうコロイダルシリカとは単粒子状で存在するケイ素酸化物の微粒子が水または単価アルコール類またはジオール類またはこれらの混合物を分散媒としてなるものをいう。
本発明の織編物はポリエステル系繊維100%であるか、またはポリエステル系繊維にポリアミド系繊維、半合成繊維が含有されていてもよい。ポリエステル系繊維はポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステル系繊維および芳香族ポリエステルに第三成分を共重合した芳香族ポリエステル系繊維、L−乳酸を主成分とするもので代表される脂肪族ポリエステル系繊維などのポリエステル系繊維であることが好ましい。ポリアミド系繊維はナイロン6、ナイロン66,ナイロン610などが挙げられる。半合成繊維はレーヨン、アセテートなどの再生繊維が挙げられるがこれらに限られるものではない。また、本発明の織編物を構成する糸形態はフィラメント糸、紡績糸、加工糸、混繊糸などの糸形態であればよく、交編、交織の組織形態も制限されるものではない。
本発明の織編物の製造に当たっては、製織、編成した後、織編物の通常工程である精練、リラックス、乾燥、乾熱セット、アルカリ減量処理、染色、乾燥を行い、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、セラック樹脂、親水基を有する親水性樹脂、およびメチロール基を有する架橋性樹脂を少なくとも含む樹脂加工液で含浸し、マングルで均一に付着させた後、乾燥、キュアリング熱処理を施すことが好ましい。
または、製織、編成した後、織編物の通常工程である精練、リラックス、乾燥、乾熱セット、アルカリ減量処理を行い、染色と同時または染色後に親水基を有する親水性樹脂を浴中吸尽法にて付着させた後、乾燥し、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、セラック樹脂、およびメチロール基を有する架橋性樹脂を少なくとも含む樹脂加工液で含浸し、マングルで均一に付着させた後、乾燥、キュアリング熱処理を施すことが好ましい。
精練、リラックス、乾燥、乾熱セット、アルカリ減量処理、染色、乾燥、キュアリング熱処理の設備、条件については、一般に適用される公知の方法が適用される。
キュアリング等の乾熱処理の温度は、本発明の家庭洗濯後においても耐久性のある深色性、吸水性能ならびに、織編物の寸法安定性、洗濯時の外観変化の点より、150℃以上〜190℃以下、より好ましくは150℃以上〜175℃である。
さらに必要に応じて、本発明の目的を達成する範囲で樹脂加工液に浸透剤、制電剤、または、抗菌剤、消臭剤など特殊な機能加工剤を添加してもなんら問題はない。
以下に実施例により本発明を詳細に説明する。なお、実施例、比較例に示す各特性値は下記の方法により測定したものである。また、評価における◎、○、△、×は非常に良好、良好、やや不良、不良で表している。
(1)深色性(L*値)
織編物を4枚重ねし、測色計(スガ試験機株式会社製のSM−3型)により、光源D65、測定径30mmφの条件でL*値を5回測定し、平均値を深色性(L*値)として評価した。
(2)抗フロスティング性
直径10cmおよび17.5cmの試料を円形に切り出した織編物を3枚サンプリングする。試料をJIS L−1076C法に規定されるART形試験機の上下のホルダにセットし、荷重420g、10分間、円運動させながら2枚の試料を互いに摩擦させる。試料を取り外し4時間放置した後、上部側円板に取り付けた方の試料の変退色の程度を、変褪色用グレースケールを用い、0.5級刻みで1級から5級の級判定を実施した。
(3)吸水性
JIS L−1096A法に規定される滴下法に従い測定した。また、耐久性確認の処理はJIS L−0217 103法 吊干し乾燥を5回繰返し後、測定を実施した。
(4)深色性変化(ΔL*値)
初期深色性(A)として、上記(1)のL*値を求めた後、JIS L−0217 103法吊干し乾燥を5回繰返し、処理後の深色性(B)を上記(1)と同様に測定し、深色性変化(ΔL*値)を下記式1)で算出した。
式1) 深色性変化(ΔL*値)=初期深色性(A)−処理後の深色性(B)
実施例1
ポリエチレンテレフタレートを用い、紡糸速度3000m/分で溶融紡糸し、総繊度140dtex、48フィラメント(円形断面)の高配向未延伸フィラメントであるポリエステルマルチフィラメントAを得た。
イソフタル酸8モル%共重合させたポリエチレンテレフタレートを紡速1700(m/min)で紡糸、その後130℃で延伸熱処理を実施し、総繊度33dtex、12フィラメント(円形断面)のポリエステルマルチフィラメンBを得た。
フィラメントAを鞘糸、フィラメントBを芯糸となるように、インターレス加工機を用い157dtex、60フィラメントの複合混繊加工糸を得た後、ダブルツイスターで2000回/mの追撚を施し、撚止めセットを実施した。
次に、得られた追撚糸を経糸および緯糸に用い、経密度:160本/2.54cm、緯密度:120本/2.54cm、平二重組織の生機を作成した。次いで、得られた生機を、常法に従い液流リラックス処理を施し、続いて、乾燥・中間セットを施した。中間セット条件は、温度180℃で実施した。その後、3%苛性ソーダ水溶液中に浸漬し、15%のアルカリ減量加工を行い、市販のブラック染料で135℃染色した後、常法に従い還元洗浄(80℃、20分)を行い、水洗し乾燥した。
得られた染色布を、下記に示す配合で調液した樹脂加工液の中に浸漬し、液の付着量が70重量%になるようにマングルで絞り、130℃の温度で乾燥し、170℃の温度でヒートセットした。
屈折率1.49のウレタン系樹脂、屈折率1.49のアクリル系樹脂、セラック樹脂を含有する樹脂(ウレタン系樹脂の固形分5%、アクリル系樹脂の固形分8%、セラック樹脂の固形分2%)を25g/L、親水基を有する親水性樹脂として、ウレタン系樹脂の吸水性樹脂((株)京絹化成製:シルテックB60 固形分20%)を10g/L、メチロール基を有する架橋性樹脂としてトリメチロールメラミン樹脂(DIC(株)製:ベッカミンM3 固形分80%)2g/L、その他、触媒として有機アミン塩(DIC(株)製:キャタリストACX)を0.5g/L、帯電防止剤(日華化学(株)製:ナイスポールFE26)を5g/L、浸透剤としてイソプロピルアルコールを20g/Lを調液し樹脂加工液とした。
得られた織物は、表1に示すように深色性、吸水性ならびに家庭洗濯後の耐久性に優れ、抗フロスティング性や実用的なレベルの物性、堅牢度、風合いを兼ね備えたものであった。
実施例2
平均一次粒子径が0.05μmであるコロイダルシリカを1.0重量%含有したポリエチレンテレフタレートからなるポリマーを三角断面用の口金を用い紡速3000(m/min)で紡糸して総繊度140dtex、48フィラメント(三角断面)の高配向未延伸フィラメントであるポリエステルマルチフィラメントAを得た以外は、実施例1と同様に複合混繊加工後に、追撚を施し、生機を作成し、染色布を得た後、樹脂加工液の中に浸漬し、液の付着量が70重量%になるようにマングルで絞り、130℃の温度で乾燥し、170℃の温度でヒートセットした。得られた織物は繊維表面にミクロボイド状の微細凹凸を有し、三角断面の形状のポリエステル繊維を含有することより、より良好な深色性、吸水性に優れた織物を得た。
実施例3
実施例2で得られた生機に、常法に従い液流リラックス処理を施し、続いて、乾燥・中間セットを施した。中間セット条件は、温度180℃で実施した。その後、3%苛性ソーダ水溶液中に浸漬し、15%のアルカリ減量加工を行い、市販のブラック染料で135℃染色した後、常法に従い還元洗浄(80℃、20分)を行った後、親水基を有する親水性樹脂として親水性ポリエステル系樹脂(日華化学(株)製:ナイスポールPR99)を3重量%、80℃×20分間、浴中吸尽法にて処理した後 水洗し乾燥した。
得られた親水性樹脂を繊維表面に付着させた染色布を、下記に示す配合で調液した樹脂加工液の中に浸漬し、液の付着量が70重量%になるようにマングルで絞り、130℃の温度で乾燥し、170℃の温度でヒートセットした。
屈折率1.49のウレタン系樹脂、屈折率1.49のアクリル系樹脂、セラック樹脂を含有する樹脂(ウレタン系樹脂の固形分5%、アクリル系樹脂の固形分8%、セラック樹脂の固形分2%)を25g/L、メチロール基を有する架橋性樹脂としてトリメチロールメラミン樹脂(DIC(株)製:ベッカミンM3 固形分80%)2g/L、その他、触媒として有機アミン塩(DIC(株)製:キャタリストACX)を0.5g/L、帯電防止剤(日華化学(株)製:ナイスポールFE26)を5g/L、浸透剤としてイソプロピルアルコールを20g/Lを調液し樹脂加工液とした。
親水基を有する親水性樹脂を介し、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、セラック樹脂、およびメチロール基を有する架橋性樹脂を付着させ得られた織物は、表1に示すように実施例1,2と同様に深色性、吸水性ならびに家庭洗濯後の耐久性に優れ、抗フロスティング性や実用的なレベルの物性、堅牢度、風合いを兼ね備えたものであった。
比較例1
実施例1で得られた染色布を用い、下記に示す配合で調液した樹脂加工液を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。
セラミック粒子を含有した低屈折率のシリコン系樹脂を30g/L、親水基を有する親水性樹脂として、ウレタン系樹脂の吸水性樹脂((株)京絹化成製:シルテックB60 固形分20%)を10g/L、メチロール基を有する架橋性樹脂としてトリメチロールメラミン樹脂(DIC(株)製:ベッカミンM3 固形分80%)2g/L、その他、触媒として有機アミン塩(DIC(株)製:キャタリストACX)を0.5g/L、帯電防止剤(日華化学(株)製:ナイスポールFE26)を5g/L、浸透剤としてイソプロピルアルコールを20g/Lを調液し樹脂加工液とした。
得られた織物は、表1に示すように深色性、吸水性に優れるものの、家庭洗濯後の耐久性、抗フロスティング性に劣り、風合いもシャリ感が強く満足できるものではなかった。
比較例2
実施例2で得られた染色布を用い、下記に示す配合で調液した樹脂加工液を用いた以外は、実施例2と同様に実施した。
屈折率1.49のウレタン系樹脂、屈折率1.49のアクリル系樹脂、セラック樹脂を含有する樹脂(ウレタン系樹脂の固形分5%、アクリル系樹脂の固形分8%、セラック樹脂の固形分2%)を25g/L、親水基を有する親水性樹脂として、シリコン系樹脂(日華化学製:ニッカシリコンAQ20)を10g/L、メチロール基を有する架橋性樹脂としてトリメチロールメラミン樹脂(DIC(株)製:ベッカミンM3 固形分80%)2g/L、その他、触媒として有機アミン塩(DIC(株)製:キャタリストACX)を0.5g/L、帯電防止剤(日華化学(株)製:ナイスポールFE26)を5g/L、浸透剤としてイソプロピルアルコールを20g/Lを調液し樹脂加工液とした。
得られた織物は、表1に示すように抗フロスティング性に優れるものの初期の吸水性に劣り、満足できるものではなかった。
比較例3
実施例1の樹脂加工液のセラック樹脂を含有しないウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、使用した以外は実施例1と同様に実施した。
得られた織物は洗濯耐久性に不十分なものであった。
Figure 0005987361

Claims (4)

  1. ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、セラック樹脂、親水基を有する親水性樹脂、およびメチロール基を有する架橋性樹脂が、繊維表面に付着した織編物であって、深色性(L*値)が12.0以下、抗フロスティング性が3級以上、JIS L−1096A法の吸水性が10秒以下、JIS L−0217 103法における洗濯処理5回以上の深色性変化(ΔL*値)が0.5以下であることを特徴とする織編物。
  2. 該織編物を構成する少なくとも一部の繊維が、繊維表面にミクロボイド状の微細凹凸を有し、繊維の横断面形状が3個以上の突起部を有する多葉形の形状の繊維を含有することを特徴とする請求項1記載の織編物。
  3. ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、セラック樹脂、親水基を有する親水性樹脂、およびメチロール基を有する架橋性樹脂を少なくとも含む樹脂加工液で含浸し、繊維表面に付着させることを特徴する請求項1記載の織編物の製造方法。
  4. 親水基を有する親水性樹脂を浴中吸尽法にて付着させた後、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、セラック樹脂、およびメチロール基を有する架橋性樹脂を少なくとも含む樹脂加工液で含浸し、親水基を有する親水性樹脂を介し繊維表面に付着させることを特徴する請求項1記載の織編物の製造方法。
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