JP5987361B2 - 織編物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
(1) ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、セラック樹脂、親水基を有する親水性樹脂、およびメチロール基を有する架橋性樹脂が、繊維表面に付着した織編物であって、深色性(L*値)が12.0以下、抗フロスティング性が3級以上、JIS L−1096A法の吸水性が10秒以下、JIS L−0217 103法における洗濯処理5回以上の深色性変化(ΔL*値)が0.5以下であることを特徴とする織編物。
(2) 該織編物を構成する少なくとも一部の繊維が、繊維表面にミクロボイド状の微細凹凸を有し、繊維の横断面形状が3個以上の突起部を有する多葉形の形状の繊維を含有することを特徴とする上記(1)記載の織編物。
(3) ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、セラック樹脂、親水基を有する親水性樹脂、およびメチロール基を有する架橋性樹脂を少なくとも含む樹脂加工液で含浸し、繊維表面に付着させることを特徴する上記(1)記載の織編物の製造方法。
(4) 親水基を有する親水性樹脂を浴中吸尽法にて付着させた後、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、セラック樹脂、およびメチロール基を有する架橋性樹脂を少なくとも含む樹脂加工液で含浸し、親水基を有する親水性樹脂を介し繊維表面に付着させることを特徴する上記(1)記載の織編物の製造方法。
ウレタン系樹脂としてはプロピレンオキシドとエチレンオキシドのブロックまたはランダム共重合ポリエーテルジオールとヘキサメチレンジイソシアネートまたはキシレンジシソシアネート等からなるもの、アクリル系樹脂としてはアクリル酸エステル重合体が好ましく、アクリル酸エステル重合体としては、ポリブチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリメチルアクリレート等が挙げられる。
繊維への付着量(含浸されているものも含む)としては繊維重量に対して、0.05〜0.5重量%である。より好ましくは0.1〜0.3重量%である。
抗フロスティング性は3級以上、より好ましくは4級以上〜5級である。抗フロスティング性が3級未満であると、縫製工程、流通、着用後の洗濯等により白化現象により品位を著しく損なう可能性がある。
JIS L−1096A法の吸水性が10秒以下、より好ましくは1.0〜5秒である。吸水性が10秒を越えると、着用の際、汗の吸収が遅く不快感を感じ易くなる。
JIS L−0217 103法における洗濯処理5回以上の深色性変化(ΔL*値)が0.5以下、より好ましくは洗濯処理10回の深色性変化(ΔL*値)が0.5以下〜0.1以上である。家庭洗濯後の深色性変化(ΔL*値)が0.5を越えると、縫製品の色相変化が大きくなり外観品位を損ね、本発明の効果である家庭での洗濯処理が困難になる。
キュアリング等の乾熱処理の温度は、本発明の家庭洗濯後においても耐久性のある深色性、吸水性能ならびに、織編物の寸法安定性、洗濯時の外観変化の点より、150℃以上〜190℃以下、より好ましくは150℃以上〜175℃である。
さらに必要に応じて、本発明の目的を達成する範囲で樹脂加工液に浸透剤、制電剤、または、抗菌剤、消臭剤など特殊な機能加工剤を添加してもなんら問題はない。
(1)深色性(L*値)
織編物を4枚重ねし、測色計(スガ試験機株式会社製のSM−3型)により、光源D65、測定径30mmφの条件でL*値を5回測定し、平均値を深色性(L*値)として評価した。
(2)抗フロスティング性
直径10cmおよび17.5cmの試料を円形に切り出した織編物を3枚サンプリングする。試料をJIS L−1076C法に規定されるART形試験機の上下のホルダにセットし、荷重420g、10分間、円運動させながら2枚の試料を互いに摩擦させる。試料を取り外し4時間放置した後、上部側円板に取り付けた方の試料の変退色の程度を、変褪色用グレースケールを用い、0.5級刻みで1級から5級の級判定を実施した。
(3)吸水性
JIS L−1096A法に規定される滴下法に従い測定した。また、耐久性確認の処理はJIS L−0217 103法 吊干し乾燥を5回繰返し後、測定を実施した。
(4)深色性変化(ΔL*値)
初期深色性(A)として、上記(1)のL*値を求めた後、JIS L−0217 103法吊干し乾燥を5回繰返し、処理後の深色性(B)を上記(1)と同様に測定し、深色性変化(ΔL*値)を下記式1)で算出した。
式1) 深色性変化(ΔL*値)=初期深色性(A)−処理後の深色性(B)
実施例1
ポリエチレンテレフタレートを用い、紡糸速度3000m/分で溶融紡糸し、総繊度140dtex、48フィラメント(円形断面)の高配向未延伸フィラメントであるポリエステルマルチフィラメントAを得た。
イソフタル酸8モル%共重合させたポリエチレンテレフタレートを紡速1700(m/min)で紡糸、その後130℃で延伸熱処理を実施し、総繊度33dtex、12フィラメント(円形断面)のポリエステルマルチフィラメンBを得た。
得られた染色布を、下記に示す配合で調液した樹脂加工液の中に浸漬し、液の付着量が70重量%になるようにマングルで絞り、130℃の温度で乾燥し、170℃の温度でヒートセットした。
得られた織物は、表1に示すように深色性、吸水性ならびに家庭洗濯後の耐久性に優れ、抗フロスティング性や実用的なレベルの物性、堅牢度、風合いを兼ね備えたものであった。
平均一次粒子径が0.05μmであるコロイダルシリカを1.0重量%含有したポリエチレンテレフタレートからなるポリマーを三角断面用の口金を用い紡速3000(m/min)で紡糸して総繊度140dtex、48フィラメント(三角断面)の高配向未延伸フィラメントであるポリエステルマルチフィラメントAを得た以外は、実施例1と同様に複合混繊加工後に、追撚を施し、生機を作成し、染色布を得た後、樹脂加工液の中に浸漬し、液の付着量が70重量%になるようにマングルで絞り、130℃の温度で乾燥し、170℃の温度でヒートセットした。得られた織物は繊維表面にミクロボイド状の微細凹凸を有し、三角断面の形状のポリエステル繊維を含有することより、より良好な深色性、吸水性に優れた織物を得た。
実施例2で得られた生機に、常法に従い液流リラックス処理を施し、続いて、乾燥・中間セットを施した。中間セット条件は、温度180℃で実施した。その後、3%苛性ソーダ水溶液中に浸漬し、15%のアルカリ減量加工を行い、市販のブラック染料で135℃染色した後、常法に従い還元洗浄(80℃、20分)を行った後、親水基を有する親水性樹脂として親水性ポリエステル系樹脂(日華化学(株)製:ナイスポールPR99)を3重量%、80℃×20分間、浴中吸尽法にて処理した後 水洗し乾燥した。
得られた親水性樹脂を繊維表面に付着させた染色布を、下記に示す配合で調液した樹脂加工液の中に浸漬し、液の付着量が70重量%になるようにマングルで絞り、130℃の温度で乾燥し、170℃の温度でヒートセットした。
親水基を有する親水性樹脂を介し、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、セラック樹脂、およびメチロール基を有する架橋性樹脂を付着させ得られた織物は、表1に示すように実施例1,2と同様に深色性、吸水性ならびに家庭洗濯後の耐久性に優れ、抗フロスティング性や実用的なレベルの物性、堅牢度、風合いを兼ね備えたものであった。
実施例1で得られた染色布を用い、下記に示す配合で調液した樹脂加工液を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。
セラミック粒子を含有した低屈折率のシリコン系樹脂を30g/L、親水基を有する親水性樹脂として、ウレタン系樹脂の吸水性樹脂((株)京絹化成製:シルテックB60 固形分20%)を10g/L、メチロール基を有する架橋性樹脂としてトリメチロールメラミン樹脂(DIC(株)製:ベッカミンM3 固形分80%)2g/L、その他、触媒として有機アミン塩(DIC(株)製:キャタリストACX)を0.5g/L、帯電防止剤(日華化学(株)製:ナイスポールFE26)を5g/L、浸透剤としてイソプロピルアルコールを20g/Lを調液し樹脂加工液とした。
得られた織物は、表1に示すように深色性、吸水性に優れるものの、家庭洗濯後の耐久性、抗フロスティング性に劣り、風合いもシャリ感が強く満足できるものではなかった。
実施例2で得られた染色布を用い、下記に示す配合で調液した樹脂加工液を用いた以外は、実施例2と同様に実施した。
屈折率1.49のウレタン系樹脂、屈折率1.49のアクリル系樹脂、セラック樹脂を含有する樹脂(ウレタン系樹脂の固形分5%、アクリル系樹脂の固形分8%、セラック樹脂の固形分2%)を25g/L、親水基を有する親水性樹脂として、シリコン系樹脂(日華化学製:ニッカシリコンAQ20)を10g/L、メチロール基を有する架橋性樹脂としてトリメチロールメラミン樹脂(DIC(株)製:ベッカミンM3 固形分80%)2g/L、その他、触媒として有機アミン塩(DIC(株)製:キャタリストACX)を0.5g/L、帯電防止剤(日華化学(株)製:ナイスポールFE26)を5g/L、浸透剤としてイソプロピルアルコールを20g/Lを調液し樹脂加工液とした。
得られた織物は、表1に示すように抗フロスティング性に優れるものの初期の吸水性に劣り、満足できるものではなかった。
実施例1の樹脂加工液のセラック樹脂を含有しないウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、使用した以外は実施例1と同様に実施した。
得られた織物は洗濯耐久性に不十分なものであった。
Claims (4)
- ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、セラック樹脂、親水基を有する親水性樹脂、およびメチロール基を有する架橋性樹脂が、繊維表面に付着した織編物であって、深色性(L*値)が12.0以下、抗フロスティング性が3級以上、JIS L−1096A法の吸水性が10秒以下、JIS L−0217 103法における洗濯処理5回以上の深色性変化(ΔL*値)が0.5以下であることを特徴とする織編物。
- 該織編物を構成する少なくとも一部の繊維が、繊維表面にミクロボイド状の微細凹凸を有し、繊維の横断面形状が3個以上の突起部を有する多葉形の形状の繊維を含有することを特徴とする請求項1記載の織編物。
- ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、セラック樹脂、親水基を有する親水性樹脂、およびメチロール基を有する架橋性樹脂を少なくとも含む樹脂加工液で含浸し、繊維表面に付着させることを特徴する請求項1記載の織編物の製造方法。
- 親水基を有する親水性樹脂を浴中吸尽法にて付着させた後、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、セラック樹脂、およびメチロール基を有する架橋性樹脂を少なくとも含む樹脂加工液で含浸し、親水基を有する親水性樹脂を介し繊維表面に付着させることを特徴する請求項1記載の織編物の製造方法。
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