JP5832923B2 - 保温性に優れた綿編物 - Google Patents

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本発明は、薄くて軽いながらも保温性に優れた新規な綿編物に関するものである。
木綿編物は、吸湿性がよく、接触冷感があるため、一年のうち夏によく使われる素材である。この木綿編物を秋冬においても使えるようにするために、太い糸を使って厚みのある編地にしたり、起毛したりすることがよく行われている。しかし、このような素材は、保温性は高いが分厚く重い生地になってしまい、衣料品、特にインナー用途では着心地等の快適性がよいものではなかった。
一方、冬でも快適に使える素材として、特許文献1では、繊維長が非常に長く、繊度の小さいものを使って作った、ソフトでしなやかな風合を持ち光沢と保温性に優れた織物が提案されている。しかし、この方法でも使用する糸は英式番手10〜60番手と比較的太い糸を使っていることから、暖かいながらも薄くて軽いものではなかった。
また、特許文献2では、やわらかく、ふんわり、しっとり、すべすべした感触を実現し、副交感神経活動を促進し、リラックスする効果を発揮する、肌に直接つける衣服に使われる編物が提案されている。しかし、この方法では、芯部の撚り係数が0〜0.2であり、鞘部を構成する繊維の繊度が3〜20dtexにした芯鞘複合糸とする特殊な紡績糸にする必要があった。
特開平6−313236号公報 特開2005−350804号公報
本発明は、上述の従来技術の現状に鑑みて創案されたものであり、木綿繊維が主体の編地でありながら、薄くて軽くて、かつ保温性に優れたソフトな編物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、まず第一に、天然撚り数が特別な範囲にある木綿を原料として使うことにより、通常であれば実用的な強度を持たない甘撚りで極細の紡績糸を実用できるレベルに引き上げることができることを見い出した。この細く甘撚りで絞まりが少ない極細の紡績糸で編み上げた編地は、薄くて軽量でありながら、ふくらみのある柔らかさと暖かさを持った編地となった。
また、本発明者が検討を重ねた結果、天然撚りが多いだけでなく、太さの違った少なくとも2種の原綿を混合することにより、出来上がった編地に、より暖かみを持たせることができることを見い出した。この理由は、異繊度の原綿が混在することにより甘撚りにしたときの繊維間の空隙がより大きくなることが原因であると考えられる。
さらに、この繊度の違う2種の原綿は繊度だけでなく、個々の繊維の有効繊維長も特定することで、薄くて軽量でありながら、ふくらみのある柔らかさと暖かさを持った編地にするための紡績糸の構成がより明確になった。このような原綿を使って出来上がった紡績糸は、紡績糸を構成する原綿の分布に独自の特徴が現れることが判明した。その特徴はステープルダイヤグラムのパラメータとして表される。
本発明は、以上の知見に基づいてなされたものであり、以下の(1)〜()の構成を有するものである。
(1)天然撚り数が110個/inch以上の木綿を60重量%以上使用して構成される紡績糸を50重量%以上含み、紡績糸の撚り係数が2.0〜4.0であり、かつ繊度が英式番手50〜120番手である綿編物であって、紡績糸を構成する繊維のステープルダイヤグラムにおいて、最高繊維長OAが40mm以上であり、L′T/TP′=0.10〜0.17であること、木綿が、マイクロネヤ繊度の平均繊度が2.6〜3.5μg/inchの超長綿A、及びマイクロネヤ繊度の平均繊度が3.6〜4.2μg/inchの超長綿Bからなること、並びに仕上厚みが0.3〜0.7mmであり、仕上目付が85〜130g/m であり、保温性が16〜23%であることを特徴とする綿編物。
(2)超長綿Aと超長綿Bのマイクロネヤ繊度の平均繊度差が0.3以上であることを特徴とする(1)に記載の綿編物。
(3)木綿が、有効繊維長37〜45mmの超長綿Aを20〜95重量%を含み、有効繊維長34mm〜42mmの超長綿Bを80〜5重量%含むことを特徴とする(1)または(2)に記載の綿編物。
本発明の綿編物でスポーツウェア、インナー、アウターなどの衣服を製造すれば、木綿を主体とする編物を用いながらも、薄くて軽くて暖かく、かつ快適な着用感が得られる衣服を提供することができる。
図1は、本発明の綿編物の編組織に使用されるフライスの組織図の一例を示す。 図2は、本発明の綿編物の編組織に使用される片袋の組織図の一例を示す。 図3は、紡績糸を構成する繊維のステープルダイアグラムの説明図である。 図4は、天然撚りの写真である。
以下、本発明の綿編物を詳細に説明する。
本発明の綿編物は、特定の高い天然撚り数の木綿を60重量%以上使用して構成される紡績糸を50重量%以上含むことを特徴とする。
本発明の綿編物の紡績糸に使用する木綿の天然撚り数は、編物を薄くて軽くて暖かいものにするために重要である。本発明の綿編物に用いる木綿の(平均)天然撚り数は110個/inch以上で多い程良いが、110〜250個/inchであることが好ましい。より好ましくは120個/inch以上、更に好ましくは130個/inch以上であることが好ましい。250個/inchを超えるものは現実的には得られにくい。天然撚りが多いと紡績糸の撚り数を落したときに繊維間の空隙ができやすく暖かい編物を作りやすい。また、天然撚りが多いことで通常より撚り数を下げても紡績糸の強度を維持しやすいため、強度の高い甘撚糸をつくることができる。
本発明の綿編物に使用する紡績糸の天然撚り数110個/cm以上の木綿の代表的なものとしては、海島綿、スビン綿、ギザ45、70、88、中国新疆綿、ピマ綿等が挙げられる。但し、綿繊維の天然撚り数、有効繊維長、マイクロネヤ繊度等は、天候や気温で毎年変動するため、その年の綿繊維の性量を確認した上で所望の特性を有する繊維を用いることが必要である。なお、天然撚り数は、有効繊維長を測定したときに、その有効繊維長の繊維を抜き出して、光学顕微鏡を用いて天然撚り数を目視で測定する。
本発明の紡績糸は、上記の高い天然撚り数の木綿を60重量%以上、好ましくは70〜100重量%含有する。残りの40%未満で混合可能な繊維としては、オーストラリア綿、アプランド綿のような木綿や一般的な化合繊ステープルなどが挙げられる。そして、この特定の高い天然撚り数の木綿は、特にマイクロネヤ繊度の平均繊度が2.6〜3.5μg/inchの超長綿A、及びマイクロネヤ繊度の平均繊度が3.6〜4.2μg/inchの超長綿Bからなることが好ましい。本発明の超長綿は、平均繊維長が34mm以上でマイクロネヤ繊度(平均繊度)が4.2μg/inch以下のものを指す。平均繊維長及びマイクロネヤ繊度がこの範囲であると薄くて軽くて暖かい繊維を実現することができる。また、本発明では、同じ超長綿であってもマイクロネヤ繊度の違う超長綿Aと超長綿Bの特定の二種類の超長綿を用いることで保温性を更に高めることができる。特定の二種類の超長綿を混合することで保温性が高まる理由は、高い天然撚り数を持つ繊維で繊度が異なる木綿を2種類以上組合わせることで紡績糸内の細かな空隙が増加するためであると考えられる。
本発明の超長綿Aは、有効繊維長が37〜45mmで、マイクロネヤ繊度(平均繊度)が2.6〜3.5μg/inchのものであることが好ましく、超長綿の中でも特に細い繊維である。より好ましくはマイクロネヤ繊度が2.8〜3.4μg/inchである。また、本発明の超長綿Bは、有効繊維長34mm〜42mmで、マイクロネヤ繊度(平均繊度)が3.6〜4.2μg/inchのものであることが好ましく、超長綿としては比較的太い繊維である。より好ましくは3.7〜4.0μg/inchである。超長綿Bより太い繊維を使用すると、紡績糸横断面において構成される繊維の本数が少なくなり、甘撚りで極細の糸を実用的な強度で製造することが難しくなる。超長綿Aと超長綿Bのマイクロネヤ繊度(平均繊度)の差は0.3以上であることが好ましい。より好ましくは0.5以上である。平均繊度差が0.3未満であると、2種類の超長綿を使うことによる保温性の向上効果が小さい。
本発明の紡績糸における木綿中の超長綿Aの混率は20〜95重量%であることが好ましい。木綿として超長綿を一種類のみ用いる場合は超長綿Aを単独で使用することが好ましい。木綿として超長綿を二種類以上用いる場合は、2番目に用いる繊維に超長綿Bを用いることが好ましい。超長綿Bを用いる場合の混率は5〜80重量%とすることが好ましい。より好ましくは10〜45重量%である。超長綿Aと超長綿Bの混率比は95:5〜20:80の範囲であることが好ましい。混率比がこの範囲を外れると2種類の超長綿を用いることによる保温性の向上効果が少ない。尚、超長綿A及びBはそれぞれ2種以上の産地の違う原綿で構成していても構わない。また、紡績糸を構成する超長綿(AとBの合計)の混率は60重量%以上あることが好ましく、より好ましくは70〜100重量%である。超長綿の混率が60重量%未満であると高い保温性が得られにくい。
本発明の紡績糸を解して、構成する繊維のステープルダイヤグラムを評価すると、そのダイアグラムは、繊維長のバラツキが少なく、繊維長の傾斜がなだらかなグラフとなるのが特徴である。ステープルダイアグラム、並びに最高繊維長OA及びL′T/TP′値の説明については、実施例の測定方法及び図3を参照されたい。繊維長のなだらかな傾斜を表すパラメータとして、最高繊維長OAが40mm以上であることが好ましく、より好ましくは45〜55mmである。最高繊維長OAが40mm未満では、繊維長が短すぎて本発明の細い糸では撚を甘くして、かつ強度の高い紡績にするのが難しくなりやすい。また、55mmを超える木綿繊維を見つけるのは難しい。
本発明者らは、ステープルダイアグラムのPL部分が糸質に直接関わる主体となる部分であり、紡績糸の均一性や紡績糸強度等の諸特性を決定づける部分と考えた。本発明の紡績糸を観察した結果、超長綿A及びBを合わせた紡績糸はステープルダイヤグラム(PL)間の繊維長差が少なくなり、ステープルダイアグラムの(PL)間の傾きが少なくなることを見い出した。このPL間の傾きとしてL′T/TP′の好ましい範囲は0.10〜0.17である。L′T/TP′は有効繊維長付近の繊維長バラツキの大きさを示す。L′T/TP′が低いと、紡績に有効な繊維長範囲でなだらかな繊維長の勾配となっており、繊維長のバラツキが偏在していないことを示す。L′T/TP′のより好ましい範囲は0.12〜0.16である。さらに好ましくは0.13〜0.16である。L′T/TP′が0.17より大きいと、繊維長の偏在化が大きく、保温性や風合の良さが得られにくくなる。また、L′T/TP′が0.10未満の均一なバラツキにすることは天然の木綿では難しい。
本発明の紡績糸の撚り係数は、保温性の点から2.0〜4.0である。好ましくは2.5〜3.8である。2.0未満であると、紡績糸の強度が実用レベルに達しない場合があり、4.0を超えると、保温性が向上しにくく、また従来の綿素材の冷たい手触りになってしまいやすい。また、双糸又は三本撚として用いる場合は、単糸の撚り数(下撚り)に比べて0.3〜1.0倍の上撚り数とすればよい。好ましくは、下撚りと逆方向に0.5〜0.8倍程度の上撚りとするのがよい。
本発明の紡績糸の繊度は、英式番手で50〜120番手である。好ましくは60〜100番手である。50番手より太いと、この紡績糸を使った編地が重いものとなり、薄くて軽い編地を得られにくい。また、120番手を超えると、紡績糸が細くなりすぎて保温性が得られにくいし、甘撚にしたときの紡績糸の強度が実用レベルに達しない場合がある。尚、本発明の紡績糸は単糸でも双糸でも三本撚でもかまわないが、トータル繊度として50番手以上であることが必要である。
本発明に用いる綿編物は、編組織を特に限定しないが、厚みが薄くなるように考慮すべきである。本発明の綿編物としては、例えば丸編のシングルニット、ダブルニット、又は経編でも良い。編物の厚みが大きくなり難い組織で好適なものとしては、フライス、片袋、天竺、ミラノリブ、リバーシブル、ベア天竺、ベアフライス、スムース等がある。本発明では、フライス(図1参照)、片袋(図2参照)、ベア天、ベアフライスが薄くて軽くて暖かい編物を作るために好ましい。薄くて軽い素材とするには編組織を適正な密度に設定することが好ましい。適正密度は編組織により変わるが、ウエール数20〜50個/inch、コース数30〜100個/inchの範囲で適宜設定すればよい。
本発明の綿編物は、上述の紡績糸の混率が50重量%を下回らない範囲で他の糸を交編することができる。しかし、薄くて軽い特性を維持するために用いる糸は60番手以上の細い糸条であることが好ましい。より好ましくは80番手である。60番手以上の細い糸であれば特に限定しないが、例えば50dtex以下のフィラメントや、紡績糸または複合糸が好適に用いられる。
交編糸としては、具体的には、ナイロンやポリエステルのフィラメントまたはその仮撚加工糸であったり、短繊維や長繊維と弾性繊維を複合した被覆弾性糸が挙げられる。被覆弾性糸としては、フィラメントと弾性糸を合撚したFTY(フィラメント ツイスティッド ヤーン)、シングル(ダブル)カバーリング糸、エアーカバード糸、仮撚加工と同時混繊する仮撚複合糸等が用いられる。短繊維と弾性糸との複合糸としては、コアスパンヤーン、プライヤーン等が用いられる。弾性糸は、ポリウレタン系スパンデックス、ポリオレフィン系弾性糸、ポリエステル系弾性糸、ポリエステル系潜在捲縮糸等を用いることができる。弾性糸の繊度は22dtex以下のものを用いることが好適である。繊度が22dtexを超えると、混繊糸繊度が大きくなってしまったり、混繊する非弾性糸とのバランスが悪くなる。混繊時の弾性糸ドラフト率は1.5〜2.5倍の低倍率にするのが好ましい。
本発明の綿編物の厚みは、0.2〜0.8mmが好適である。より好適には0.3〜0.7mmである。0.2mmより薄いと、所望の保温性が得られにくく、0.8mmより厚くなると、保温性は得られるが、薄くて軽い風合いが損われるおそれがある。本発明の綿編物は、目付が80〜150g/mが好ましい。より好ましくは85〜130g/mである。80g/mより軽いものは、密度が甘くなりすぎて、保温性が低下し、150g/mより重いものは、薄くて軽い風合いが損われる傾向にある。
本発明の綿編物の染色加工は、通常のセルロース繊維や、他の繊維との混用編地の加工方法であれば良いが、本発明の紡績糸の繊維間空隙構造を潰さないよう張力に注意して加工する必要がある。例えば、乾燥や熱処理時に必要以上に編地にテンションや厚み方向の圧縮等をかけて加工しないこと等である。本発明の綿編物は、綿の加工に通常用いられている精練・漂白の方法が使える。下晒後、特にソフトでふくらみのある風合いとするために酵素処理や液安加工を施してもよい。
液安加工とは、綿編地を液体アンモニアに1〜60秒(望ましくは3〜10秒)浸漬処理した後、5〜90秒(望ましくは5〜20秒)以内にアンモニアを除去する加工である。
酵素処理とは、セルラーゼを使った綿の酵素減量加工である。編物の規格により酵素濃度、PH、温度、時間は変える必要があるが、通常は、酵素濃度0.1〜5.0%、PH3.5〜6.0、温度30〜70℃、時間30〜180分で行なわれる。加工機械は浸漬タイプのなかでも液流方式が望ましく、浴比(被処理物:浴液)は1:5〜1:50が普通である。こうして得られた木綿の減量率は1〜30%とするのが好ましく、より好ましくは5〜20%である。減量率が1%未満であると、繊維表面の第一壁の改質効果が少なく、保温性の向上効果が少ない。30%を超えると、繊維の強度低下が大きくなり、編地の破裂強度等が衣料用に適さなくなりやすい。また、酵素減量により繊維強度が低下して、木綿編物のピリング性能を向上させることができるメリットもある。
本発明では、市販されている一般的なセルラーゼ酵素を用いればよいが、とくに次に示す改質セルラーゼを用いるのが好ましい。改質セルラーゼとは、優先的にセルロース繊維の表面に平均的に作用し、主として綿繊維の一次壁を優先的に加水分解反応を起こさせる効果があるもので、例えば水溶性高分子に固定化したセルラーゼ酵素(水溶性固定化セルラーゼ酵素)のことで、セルロース系繊維への親和性が高く、分子量数十万の巨大高分子である。また、液中培養によって得られた液状セルラーゼも使用できる。このセルラーゼ酵素で処理することにより保温性が向上する理由として、綿繊維の第1次壁が分解して繊維表面における微細構造の結晶領域を低下せしめることで繊維表面の熱伝導率を下げる効果や、酵素処理により発現したフィブリル毛羽による保温性向上効果も寄与していると考えられる。また、改質セルラーゼ酵素で処理した場合、第一次壁に集中的に作用するため、第二次壁より内部の脆化を抑えることができるので、繊維の強力低下が少なくできる。
本発明の綿編物には柔軟剤や帯電防止剤のような一般的な仕上加工を付与してもよいし、その他の各種機能加工を単独または併用して施しても良い。機能加工の例としては、親水加工などの防汚加工、UVカット加工、静電加工、スキンケア加工などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明の綿編物の保温率は高い程良いが、好ましくは16〜23%である。16%より低下すると着用したときの暖かみが劣る。30%より高くなると薄地・軽量化が難しくなってくる。
本発明の綿編物の比容積は、上述のように作られると、4.2〜6.5cm/gとなる。特に4.4〜6.0cm/gとなる。この数値範囲は、保温性のある編物としてはさほど高くない値である。この原因は、薄くて軽い編物にしたことに原因があると推定するが、微細な空隙がある暖かい紡績糸の効果により見かけの比容積に比べて高い保温性を実現しているものと考えられる。
本発明の綿編物は、保温性が高いため、冬用衣料品に好適である。特に肌着やスポーツシャツ等の肌に直接接触する用途に適している。また、薄くて軽いため、上から重ね着してもゴアゴアした感じにならずに暖かく着用することができる。
次に実施例、比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。これらの実施例における変更は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、本発明の技術的範囲に含まれる。なお、本発明で用いた特性値の測定法は以下の通りである。
<木綿繊維の有効繊維長>
JIS−L−1019−7.2.1の繊維長のA法(ダブルソータ法)に準拠して測定した。
<最高繊維長OA、L′T/TP′値>
JIS−L−1019−7.2.1の繊維長のA法(ダブルソータ法)を用いて作図する。具体的には図3を参照されたい。図から最高繊維長OAの長さ,L‘T/TPの値を求める。
具体的には、図3において、OQ=(1/2)OAとしQから基線OBに平行線を引き、曲線との交点をP′とする。P′からOBに垂線P′Pを立て、OK=(1/4)OPとしてKからOBに垂線を立ててK′を求める。SK=(1/2)KK′としSからOBに平行線を引き、曲線との交点R′からOBに垂線R′Rを立てる。OL=1/4ORとし、Lから垂線を立てて曲線上にL′を求め、LL′を有効繊維長とする。
<天然撚り数>
ステープルダイアグラムの有効繊維長になる繊維を取りだし、繊維の片端末に初荷重0.05gの初荷重を掛ける。76mm×26mmのスライドガラスの短辺に沿ってスライドガラスの中央に、繊維長の真ん中がくるように初荷重を掛けたまま綿繊維を横たえる。その状態で繊維に流動パラフィンをたらしてから、空気が入らないよう24mm×24mmのカバーガラスを被せて測定サンプルを作成する。その測定サンプルを光学顕微鏡にセットして、倍率300で観察し、カバーガラスの端から端まで(24mm)の捩れ数を測定し、1インチ間の個数に換算して求める。繊維5本を測定して、その平均値とした。測定すべき捩れ形状を図4に例示する。
<木綿繊維のマイクロネヤ繊度の平均繊度>
JIS−L−1019−7.4.1の繊度のマイクロネヤによる方法に準拠して求めた。
<編物の厚み>
JIS−L−1018−6.5のメリヤス生地試験方法の厚さに準拠して測定した。
<編物の目付>
JIS−L−1018−6.4.2のメリヤス生地の試験方法の備考の目付けに準拠して測定した。
<編物の比容積>
編物の厚みと目付の測定値を用いて以下の式により比容積を算出した。
比容積(cm/g)={編地の厚み(mm)/編地の目付(g/m)}×1000
<保温性>
カトーテック社製のサーモラボIIを用い、20℃、65%RHの環境下で、BT−BOXのBT板(熱板)を人の皮膚温度を想定して35℃に設定し、その上に試料を置き、熱移動量が平衡になったときの消費電力量Wを測定する。また、試料を置かない条件での消費電力量W0を計測する。以下の式で保温性を計算する。
保温性(%)={(W0−W)/W0}×100
BT板は、サイズ10cm×10cmであるが、試料は20cm×20cmとする。通常は試料を熱板に接触させて測定するが、本発明の保温性は熱板の上に断熱性のある発砲スチロール等のスペーサーを設置して試料との空隙を5mm設けて計測を行う。なお、「暖かさ」の指標として、この保温性の測定結果において16%以上を暖かいとして判定した。
<風合い(ソフト性)>
風合い評価は、約50cm×50cmの大きさの編物を実施例と比較例のそれぞれについて準備し、それらの風合い評価を熟練者が行なった。比較例1の編物の柔かさを標準とし、それより少しだけ柔らかいものを△、明らかに柔らかいものを○、非常に柔らかいものを◎と評価した。標準に対して明らかに柔らかいものを合格と判断した。
<糸切れ性>
精紡機の糸切れ本数(本/400SP・1hr)で判断した。評価基準は、糸切れ本数0〜2本を◎(良好),3〜4本を○(良い)、5〜8を△(やや悪い),9本以上(悪い)として判定した。
<総繊度>
JIS−L−1095−9.4.2の方法で見掛けの綿番手(英式番手)を測定した。
<撚り係数>
JIS−L−1095−9.15A法に準拠して撚り回数を測定して、下記式に当てはめて撚り係数(K)を求めた。
撚り係数(K)=インチ当たりの撚り回数(T)/√番手(’s)
(実施例1)
超長綿Aとしてスビン綿(有効繊維長42.5mm,繊度2.9μg/inch)とギザ45綿(有効繊維長39mm,繊度3.3μg/inch)、超長綿Bとしてギザ88綿(有効繊維長36mm,繊度3.9μg/inch)を20:10:70の割合でOHARA製混綿機を用いて混綿混紡した後、石川製作所製カード機を用いてカードスライバーを作った。コーマ機にかけて繊維長の長いものだけを残し、原織機製練条機に2回通して250ゲレン/6ydのスライバーとした。更に豊田自動織機製粗紡機に通して60ゲレン/15ydの粗糸を作成した。次いで精紡機でこの粗糸に約40倍のドラフトをかけ、英式番手で80番手の単糸を作製した。この紡績糸の撚り係数を測定すると3.2であった。
出来上がった紡績糸を18”−19Gのフライス編機(永田精機製)によりフライスを編成した。編成時の条件は、編成糸長390mm/100ウエールとして図1に示す編組織にて編成した。
出来上がった編地に精練・漂白・酵素処理・染色・仕上処理を以下のように行った。精練漂白は日阪製作所製液流染色機NSタイプを用いて、編地を開反せず下記処方1にて処理を行ったのち。湯洗3回・水洗行った。
処方1:苛性ソーダ(日本曹達製)5g/L、
精練剤(日華化学(株)製ピッチランL250)2g/L、
トリポリ燐酸ソーダ(多田薬品株製)2g/L、
過酸化水素安定剤(日華化学(株)製PLC7000)1g/L
35%過酸化水素15ml/L
パーソフタルMAX(日華化学株製浴中柔軟剤)1g/L
浴比1:10、温度95℃・60分間処理
続いて下記処方2にて酵素減量を行ってから、酵素失活処理として高温で湯洗・水洗を行なった。
処方2:スーパーバイオ K―80(改質セルラーゼ酵素)0.3%(洛東化成工業(株 )製)
センカバッファー(PH調整剤)0.3%(センカ(株)製)
アピアゲンAG―85(界面活性剤)0.2%(洛東化成工業(株)製)
浴比1:10 温度:55℃・60分処理
その後、下記処方3で反応染色し、ソーピング・中和・水洗した後、下記処方4にて柔軟処理を行った後、染色機から取出し、遠心脱水・拡布して、荒繰り、ショートループドライヤーで150℃・1分間処理して熱風乾燥した
処方3:反応染料(住化ケムテックス(株)製Sumifix Supra BLUE BRF 150% gran. 1%owf
浴中柔軟剤(パーソフタルMAX)2g/L
無水芒硝(東ソー(株)製)30g/L
アルカリ剤(明成化学工業(株)製MS171)5g/L
浴比1:10、染色温度60℃×60分
処方4:クラリアント社製サンドパームMEJ―50リキッド 1.0%owf
染色後、遠心脱水後、巾出し乾燥を行って性量調整し、最終生地として目付95g/mの生地を得た。密度の粗い面を表としたときの表面の編地密度が43ウエール(W)/inch、58コース(C)/inchの編物を得た。実施例1の編物の詳細と評価結果を表1に示す。
(実施例2)
超長綿Aとして実施例1と同じスビン綿とギザ45綿、超長綿Bとして実施例1と同じギザ88綿を70:20:10の割合で混紡した以外は実施例1と同様に編物を得た。実施例2の編物の詳細と評価結果を表1に示す。
(実施例3)
超長綿Aとして実施例1と同じスビン綿、超長綿Bとして実施例1と同じギザ88綿を50:50の割合で混紡した以外は実施例1と同様に編物を得た。実施例3の編物の詳細と評価結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1の紡績糸を精紡にて撚り係数K=3.8になるように精紡条件を変更した以外は実施例1と同様に編物を得た。実施例4の編物の詳細と評価結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1の紡績糸の精紡にて撚り係数K=2.8になるように精紡条件を変更した以外は実施例1と同様に編物を得た。実施例5の編物の詳細と評価結果を表1に示す。
(実施例6)
超長綿Aとして実施例1と同じスビン綿、超長綿Bとして実施例1と同じギザ88綿、他繊維としてオーストラリア綿(有効繊維長29mm,繊度4.3μg/inch)を50:30:20の割合で混綿した以外は実施例1と同様に編物を得た。実施例6の編物の詳細と評価結果を表1に示す。
(実施例7)
超長綿Aとして実施例1と同じギザ45綿、他繊維として実施例6と同じオーストラリア綿を80:20の割合で混綿した以外は実施例1と同様に編物を得た。実施例7の編物の詳細と評価結果を表1に示す。
(実施例8)
精紡条件を変更して、紡績糸の繊度が英式番手で100s/1になるように条件を設定して、紡績糸繊度を100s/1にする以外は実施例1と同様に編物を得た。実施例8の編物の詳細と評価結果を表1に示す。
(実施例9)
実施例1で用いた紡績糸に対してSCY(Single Covered Yarn)を20%交編した。交編するSCYは、ポリウレタン17dtex(東洋紡製エスパ(登録商標))をドラフト倍率を1.8倍として28dtexフィラメント数34のナイロンフィラメント(東洋紡製シルファイン(登録商標))と複合したものである。次いで前記紡績糸と該ナイロンSCYを交編した片袋編地を18′′−19Gのフライス編機(永田精機製)により編成した。編成時の条件は、編成糸長で綿80′sを430mm/100ウエール、ナイロンSCYを240mm/100ウェールとして図2に示す編組織にて編成した。
実施例1と同様に染色加工を行ったが、染色工程では一浴目に反応染料にて綿を染色して湯洗い・中和してから、酸性染料にてナイロンを染色する浴法にて染色した。1浴目処方は実施例1と同じとし、2浴目の酸性染料による染色処方を下記処方で行った。洗浄以後の工程は実施例1と同様に行った。実施例9の編物の詳細と評価結果を表1に示す。
酸性染料の処方
酸性染料「Suminol Fast Blue PR」(田岡化学社製):0.2%owf、均染剤「Sandogen PLK 」(クラリアント社製)
酢酸によりpH=4.0に調整、浴比1:10,染色温度95℃×30分
(実施例10)
実施例2で用いた紡績糸に対してSCY(Single Covered Yarn)を20%交編した以外は、実施例9と同じ条件で編成、染色加工して片袋を作成し、編物を得た。実施例10の編物の詳細と評価結果を表1に示す。
(実施例11)
染色加工で酵素減量を行わない以外は実施例1と同様にして編物を得た。実施例11の編物の詳細と評価結果を表1に示す。
(比較例1)
使用する木綿わたをオーストラリア綿(平均繊維長29mm,繊度4.3μg/inch)100%で紡績する以外は実施例1と同様の条件で編物を得た。比較例1の編物の詳細と評価結果を表1に示す。出来上がった編地は風合いが硬く、保温性も低く満足の行くものではなかった。また、紡績のときに糸切れが多発し、編立て性も悪かった。
(比較例2)
実施例1の紡績糸の精紡にて撚り係数K=4.5(強撚)になるように精紡条件を変更した以外は実施例1と同様に編物を得た。比較例2の編物の詳細と評価結果を表1に示す。出来上がった編地は風合いが硬く保温性が低いものであり、満足のいくものではなかった。
本発明は、木綿繊維が主体の編地でありながら、薄くて軽くて、かつ保温性に優れているので、冬物衣料、特に肌着やスポーツシャツ等の衣料に極めて有用である。

Claims (3)

  1. 天然撚り数が110個/inch以上の木綿を60重量%以上使用して構成される紡績糸を50重量%以上含み、紡績糸の撚り係数が2.0〜4.0であり、かつ繊度が英式番手50〜120番手である綿編物であって、紡績糸を構成する繊維のステープルダイヤグラムにおいて、最高繊維長OAが40mm以上であり、L′T/TP′=0.10〜0.17であること、木綿が、マイクロネヤ繊度の平均繊度が2.6〜3.5μg/inchの超長綿A、及びマイクロネヤ繊度の平均繊度が3.6〜4.2μg/inchの超長綿Bからなること、並びに仕上厚みが0.3〜0.7mmであり、仕上目付が85〜130g/m であり、保温性が16〜23%であることを特徴とする綿編物。
  2. 超長綿Aと超長綿Bのマイクロネヤ繊度の平均繊度差が0.3以上であることを特徴とする請求項1に記載の綿編物。
  3. 木綿が、有効繊維長37〜45mmの超長綿Aを20〜95重量%を含み、有効繊維長34mm〜42mmの超長綿Bを80〜5重量%含むことを特徴とする請求項1または2に記載の綿編物。
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