JP5027848B2 - 編物及びその製造方法 - Google Patents
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JIS L 1019法により、十分ほぐした原綿を所定の円筒部に挿入し、マイクロネヤリーディングとして記録し、2回の平均値で算出した。
JIS L 1095法により、検撚機を用いて撚り数と番手を測定して、下記の計算式により撚り係数kを算出した。
撚り係数k=撚り数/(番手)1/2
編物より測定用の糸を10cm抜き出し、鋭利なカミソリを使い繊維軸に垂直方向に切断し、切断した断面を光学顕微鏡にて写真をとり、繊維本数を数えた。測定値はサンプル毎に5回行って測定の平均値とした。
一般的な市販のボーメ度計として横田計器製作所製のものを使用して、調液時に苛性ソーダ濃度を調整した。
JIS L 1096のマーセル化度測定法により測定した。
編物から約2.0gの試料を採取し、沸水中で15分間処理し、水洗、絶乾後精秤して、その質量をW(g)とした。次に、水蒸気蒸留法により試料を硫酸中で分解し、亜硫酸水素ナトリウム水溶液中に生成したホルムアルデヒドを回収した。続いて、よう素滴定法により、ホルムアルデヒドと反応しなかった亜硫酸水素ナトリウム(即ち、過剰の亜硫酸水素ナトリウム)の量を測定した後、アルカリでホルムアルデヒドと亜硫酸水素ナトリウムの付加物を分解し、再びよう素滴定法により亜硫酸水素ナトリウムの総量を測定した。そして、ホルムアルデヒドと付加した亜硫酸水素ナトリウムの量から、試料質量あたりのホルムアルデヒド量を求めた。
結合ホルムアルデヒド量(%)={(1/100)×f×T×30×500×100}/(W×1000×50)=(0.3×T×f)/W
JIS L 1096法により測定した。
<編物の目付>
JIS L 1096法により測定した。
<編物の厚み>
JIS L 1096法により測定した。
<編物の吸水性>
JIS L 1907法により裏面の滴下吸水時間を測定して吸水性とした。
編物を直径15cmの刺繍用丸枠に取り付け、編物表面に水溶性青染料溶液(C.I.アシッドブルー62を0.005質量%含有する)を0.1ml滴下し、3分後に濡れ拡がった吸水拡散面積を下記計算式より求めた。測定値はサンプル毎に5回行った測定の平均値とした。
吸水拡散面積(cm2)=π×(縦の直径×横の直径)/4
大きさ10cm×10cmの試料を準備し、温度20℃、相対湿度65%の環境下で12時間以上調湿した後、試料の質量(W0)を測定した。次いで試料を天秤に乗せ、10cmの高さから0.1mlの水を滴下した後、試料の質量(W1)を測定した。その後、温度20℃、相対湿度65%の環境下で試料を天秤に乗せたまま30分後、試料の質量(W2)を測定した。下記の計算式により残留水分率を求めて、サンプル毎に測定を3回行って平均値とした。
残留水分率(%)=100×(W2−W0)/(W1−W0)
大きさ10cm×10cmの試料を準備し、温度20℃、相対湿度65%の環境下で12時間以上調湿した後、試料の質量(Wa)を測定した。次いで試料を水で十分に濡らした後、家庭用二層式洗濯機の脱水機にて1分間脱水した直後、試料の質量(Wb)を測定した。その後、温度20℃、相対湿度65%の環境下で試料を60分間放置した後、試料の質量(Wc)を測定した。下記の計算式により残留水分率を求めて、サンプル毎に測定を3回行って平均値とした。
残留水分率(%)=100×(Wc−Wa)/(Wb−Wa)
試験片(10cm×10cm)を105℃・2時間で絶乾した後、温度20℃、相対湿度65%の環境下で24時間以上調湿した。この試験片を5リットルのテドラバッグに入れ、希釈ガス(乾燥空気または窒素ガス)を用い、アンモニア濃度を100ppmとなるよう調整を行い、ガス充填率3リットルで臭気を充填させ放置した。2時間後の成分濃度(実験値)を検知管で測定した。同様に試験片を入れずに実験して、成分濃度(空試験値)も測定した。3度繰り返し実験を行った後の平均値を求めて、下記の計算式によりアンモニア濃度の減少率を算出した。
減少率(%)=100×(空試験平均値−実験平均値)/空試験平均値
上記同様の方法で試験片を準備し、希釈ガス(乾燥空気または窒素ガス)を用い、酢酸濃度を50ppmとなるよう調整を行い、ガス充填率3リットルで臭気を充填させ放置した。2時間後の成分濃度(実験値)を検知管で測定した。同様に試験片を入れずに実験して、成分濃度(空試験値)も測定した。3度繰り返し実験を行った後の平均値を求めて、下記計算式により酢酸濃度の減少率を算出した。
減少率(%)=100×(空試験平均値−実験平均値)/空試験平均値
JIS L 1902(繊維製品の抗菌性試験方法・抗菌効果)による評価結果に基づいて行った。試験菌体は黄色ぶどう球菌を用いて、生菌数の測定は菌液吸収法のコロニー法(混釈平板培養法)を用いた。抗菌性の判定はlog(B/A)>1.5の条件下、log(B/C)を靜菌活性値とし、2.2以上を合格レベルとした。ただし、Aは抗菌加工前の試料の接種直後分散回収した菌数、Bは抗菌加工前の試料の18時間培養後分散回収した菌数、Cは抗菌加工後の試料の18時間培養後分散回収した菌数を示す。
JIS L 1018−A法(ミューレン法)により測定して、n=10の平均値とした。
前記測定法により、繊維素反応樹脂による架橋処理を施す前後の編物の破裂強力を測定して、下記の計算式により編物の破裂強力保持率を求めて、n=10の平均値とした。
破裂強力保持率(%)=100×(架橋処理後の破裂強力/架橋処理前の破裂強力)
オーストラリア綿(マイクロネヤ:4.0〜4.6、平均繊維長:1.12〜1.21インチ、強度:30〜34g/tex)を用い、一般的な紡績の前紡工程(混綿−梳綿−練篠−粗紡)を経て180ゲレン/15ydのロービングを作製した。次いで、豊田紡織社製のリング紡績装置RX−240(リンクコーナー)により、撚り係数k3.6、トータルドラフト28.8、ブレーキドラフト1.65、スピンドル回転数9000rpmの条件で綿紡績糸を製造し、コーンチーズで巻き取った。得られた綿紡績糸は、繊維構成本数200本、英式綿番手20Neのものであった。
苛性ソーダ(日本曹達社製):5g/L
精練剤(ピッチランL250、日華化学社製):2g/L
トリポリ燐酸ソーダ(多田薬品社製):2g/L
過酸化水素安定剤(PLC7000、日華化学社製):1g/L
35%過酸化水素(三菱ガス化学社製):15mL/L
浴中柔軟剤(パーソフタルMAX、日華化学社製):1g/L
処方2
反応染料(Sumifix Supra BLUE BRF、住化ケムテックス社製):1%owf
浴中柔軟剤(パーソフタルMAX、日華化学社製):2g/L
無水芒硝(東ソー社製):30g/L
アルカリ剤(MS171、明成化学工業社製):5g/L
処方3
グリオキザール系架橋剤(アルコフィックスNZF:固形分50質量%、クラリアントジャパン社製):15.0質量%(固形分量5.25%owfに相当する)
架橋反応触媒(リケンフィクサーMX3、三木理研工業社製):3.0質量%
鉄、アルミニウム、及びカリウムの全てを含む触媒機能を有する金属組成物(セルフィール:0.04質量%水溶液、ニチリンケミカル社製):0.5質量%
親水性シリコーン柔軟剤(ニッカシリコンAQ−1、日華化学社製):2.0質量%
ロービングを125ゲレン/15yd、トータルドラフトを26.0、ブレーキドラフトを1.40とした以外は、実施例1と同様の方法で綿紡績糸を作製した。得られた綿紡績糸は、繊維構成本数150本、英式綿番手26Neのものであった。
実施例1と同様の原綿を用い、同様に混綿−梳綿−練篠工程を経て280ゲレン/15ydのスライバーを作製した。次いで、村田機械社製の旋回気流型紡績装置(ムラタ・ボルテックス・スピナー MVS)により、トータルドラフト146.0、ブレーキドラフト3.0、メインドラフト40.0、紡積速度300m/分、ノズル圧0.45MPaの条件で綿紡績糸を製造し、コーンチーズで巻き取った。得られた綿紡績糸は、繊維構成本数150本、英式綿番手26Neのものであった。
実施例2と同様の方法で綿紡績糸および編物を作製した。また、苛性ソーダ濃度を12°Beと変更した以外は、実施例2と同様の方法で編物に各加工を施した。得られた編物について、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
ロービングを120ゲレン/15yd、トータルドラフトを38.4、ブレーキドラフトを1.40とした以外は、実施例1と同様の方法で綿紡績糸を作製した。得られた綿紡績糸は、繊維構成本数80本、英式綿番手40Neのものであった。
ロービングを125ゲレン/15yd、トータルドラフトを26.0、ブレーキドラフトを1.40、撚り係数kを4.0とした以外は、実施例1と同様の方法で綿紡績糸を作製した。得られた綿紡績糸は、繊維構成本数150本、英式綿番手26Neのものであった。
実施例2と同様の方法で綿紡績糸および編物を作製した。また、濃度12°Beの苛性ソーダによるシルケット加工をしてから液体アンモニア加工を施した以外は、実施例2と同様の方法で編物に各加工を施した。得られた編物について、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
実施例2と同様の方法で綿紡績糸および編物を作製した。また、処方3における架橋剤の添加量を3.0質量%(固形分量1.05%owfに相当する)と変更した以外は、実施例1と同様の方法で編物に各加工を施した。得られた編物について、実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
実施例2と同様の方法で綿紡績糸および編物を作製した。また、シルケット加工を実施しなかった以外は、実施例2と同様の方法で編物に各加工を施した。得られた編物について、実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
ロービングを120ゲレン/15yd、トータルドラフトを48.1、ブレーキドラフトを1.04とした以外は、実施例1と同様の方法で綿紡績糸を作製した。得られた綿紡績糸は、繊維構成本数75本、英式綿番手50Neのものであった。
ロービングを125ゲレン/15yd、トータルドラフトを26.0、ブレーキドラフトを1.40、撚り係数kを2.8とした以外は、実施例1と同様の方法で綿紡績糸を作製した。得られた綿紡績糸は、繊維構成本数150本、英式綿番手26Neのものであった。
実施例2と同様の方法で綿紡績糸および編物を作製した。また、処方3を処方4と変更した以外は、実施例1と同様の方法で編物に各加工を施した。得られた編物について、実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
グリオキザール系架橋剤(アルコフィックスNZF:固形分50質量%、クラリアントジャパン社製):10.0質量%(固形分量3.5%owfに相当する)
架橋反応触媒(リケンフィクサーMX3、三木理研工業社製):3.0質量%
抗菌加工剤(ニッカノンRB、日華化学社製):3.0質量%
バインダー樹脂(N−15C、大日本インキ社製):3.0質量%
バインダー用触媒(カタリストO、大日本インキ社製):0.6質量%
親水性シリコーン柔軟剤(ニッカシリコンAQ−1、日華化学社製):2.0質量%
実施例2と同様の方法で綿紡績糸および編物を作製した。また、処方3を処方5と変更した以外は、実施例1と同様の方法で編物に各加工を施した。得られた編物について、実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
親水性シリコーン柔軟剤(ニッカシリコンAQ−1、日華化学社製):2.0質量%
Claims (6)
- 綿紡績糸を用いた編物であって、
前記綿紡績糸の撚り係数kが3.0以上4.0以下で、繊維構成本数が80本以上250本以下であり、
編物のバリウム活性値が110〜180であり、結合ホルムアルデヒド量が0.2〜0.8%owfであり、且つ抗菌消臭剤として、鉄、アルミニウム、カリウムを含む触媒機能を有する金属組成物が付着されていることを特徴とする編物。 - 綿紡績糸を用いた編物であって、
前記綿紡績糸は多層構造になっており、且つ外層部を構成する繊維束の撚り角度が内層部を構成する繊維束の撚り角度より大きく、繊維構成本数が80本以上250本以下であり、
編物のバリウム活性値が110〜180であり、結合ホルムアルデヒド量が0.2〜0.8%owfであり、且つ抗菌消臭剤として、鉄、アルミニウム、カリウムを含む触媒機能を有する金属組成物が付着されていることを特徴とする編物。 - 吸水性が10秒以内であり、滴下乾燥試験における30分での残留水分率が50%以下で、洗濯乾燥試験における60分での残留水分率が40%以下であり、且つ破裂強力が350kPa以上である請求項1または2に記載の編物。
- 未洗時のアンモニア消臭性及び酢酸消臭性が80%以上であり、10洗後の静菌活性値が2.2以上である請求項1〜3のいずれかに記載の編物。
- 請求項1に記載の編物を製造する方法であって、下記工程を含むことを特徴とする編物の製造方法。
(1)リング精紡機を用いることにより、撚り係数kが3.0以上4.0以下で、繊維構成本数が80本以上250本以下の綿紡績糸を作製する工程、
(2)作製した綿紡績糸を用いて編物を製造する工程、
(3)得られた編物に、濃度10〜30°Beの苛性ソーダによるシルケット加工および/又は液体アンモニア加工を施す工程、
(4)編物に、固形分量3.0〜7.0%owfの繊維素反応樹脂による架橋処理を行う工程、及び
(5)編物に、抗菌消臭剤として、鉄、アルミニウム、カリウムを含む触媒機能を有する金属組成物を付着させる工程。 - 請求項2に記載の編物を製造する方法であって、下記工程を含むことを特徴とする編物の製造方法。
(1)中空スピンドル構造を持つ空気精紡機を用いることにより、多層構造で、且つ外層部を構成する繊維束の撚り角度が内層部を構成する繊維束の撚り角度より大きく、繊維構成本数が80本以上250本以下の綿紡績糸を作製する工程、
(2)作製した綿紡績糸を用いて編物を製造する工程、
(3)得られた編物に、濃度10〜30°Beの苛性ソーダによるシルケット加工および/又は液体アンモニア加工を施す工程、
(4)編物に、固形分量3.0〜7.0%owfの繊維素反応樹脂による架橋処理を行う工程、及び
(5)編物に、抗菌消臭剤として、鉄、アルミニウム、カリウムを含む触媒機能を有する金属組成物を付着させる工程。
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