JPH10131047A - 合成繊維の耐洗濯性保湿加工方法 - Google Patents

合成繊維の耐洗濯性保湿加工方法

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JPH10131047A
JPH10131047A JP28699796A JP28699796A JPH10131047A JP H10131047 A JPH10131047 A JP H10131047A JP 28699796 A JP28699796 A JP 28699796A JP 28699796 A JP28699796 A JP 28699796A JP H10131047 A JPH10131047 A JP H10131047A
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fiber
washing
protein
aqueous solution
treatment
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JP28699796A
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Masakazu Shimada
昌和 島田
Koji Midori
浩二 翠
Koso Sumitomo
公荘 住友
Kazuo Yamagoshi
和夫 山腰
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NIKKA CHEM CO Ltd
Otsuka Chemical Co Ltd
Nikka Chemical Industry Co Ltd
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NIKKA CHEM CO Ltd
Otsuka Chemical Co Ltd
Nikka Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成繊維に高い保湿性とその優れた耐洗濯性
を付与し、かつ繊維素材従来の風合いを損ねない加工方
法を提供する。 【解決手段】 合成繊維に機能性蛋白質素材を固着せし
めた後、アルカリ水溶液および/またはアニオン界面活
性剤水溶液にて後処理を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成繊維の耐洗濯
性保湿加工方法に関する。本発明は、特に、疎水性繊維
である合成繊維に耐洗濯性のある保湿性を付与し、より
天然繊維の機能に近づけるとともに、繊維素材の風合い
を損ねることのない加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】合成繊維、特にポリエステル繊維やナイ
ロン繊維は、物理的特性や加工性に優れることより、衣
料、生活資材、産業資材などの様々な分野で広範に用い
られている。しかし、これらの繊維は疎水性であるた
め、水に対する親和性に乏しく、肌に接する用途に用い
た場合、ムレ感やベタツキ感を与え、非常に不快となる
ため、吸湿性および保湿性が求められている。また最近
の傾向として、天然繊維指向があり、天然繊維の風合い
や機能を求めるのみならず、天然物由来の化合物による
合成繊維の機能性加工が求められている。
【0003】このような要求課題を満たすため、従来に
おいては鮫肝油やオリーブ油由来のスクワランやホホバ
油、シルク蛋白質であるセリシン等を利用した加工が提
案されている(特開平6−17372、特開平6−17
373、特開平6−330461、特開平7−363
7、特開平7−42073、特開平8−60547)。
しかし、これらの加工方法においては、保湿効果が十分
とはいえない、耐洗濯性に乏しい、特殊な繊維糸構造が
必要で、汎用糸による繊維材料に後加工ができないなど
の様々な問題点を有している。また、保湿効果を有する
蛋白質組成物が特開平8−109267に開示されてい
るが、この組成物を単に合成繊維に施すのみでは、十分
に高い保湿効果は得られず、また風合いも硬く、直接肌
に触れる衣料には使用できないなどの欠点を有してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の従来
技術の欠点を解決し、汎用の合成繊維に対して天然物由
来の蛋白質を利用し、高い保湿効果と優れた耐洗濯性を
施すとともに繊維素材本来の風合いを損ねることのない
耐洗濯性保湿加工方法を提供することを目的としてなさ
れたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意検討を行った結果、機能性蛋白質素材
を合成繊維に固着した後、後処理を行うことにより、耐
洗濯性のある保湿加工が可能であることを見出し、この
知見に基づき本発明を完成させた。すなわち、本発明
は、機能性蛋白質素材を合成繊維に固着せしめた後、pH
8以上のアルカリ水溶液および/またはアニオン界面活
性剤の水溶液で後処理することを特徴とする合成繊維の
耐洗濯性保湿加工方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明では合成繊維を加工の対象
として用いる。ここでいう合成繊維とは、ナイロン4、
ナイロン6、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6
6に代表されるポリアミド系繊維、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステ
ル系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレ
フィン系繊維、アクリル繊維、ウレタン繊維、アセテー
ト繊維等を挙げることができ、これらが単独で構成され
ていても、相互に複合で構成されていてもよい。また、
レーヨン、ビニロン、綿、羊毛など他の繊維素材との複
合構成であってもよい。用いる繊維の形態としては糸
状、不織布、織物、編物等いずれの形態であってもよ
い。
【0007】本発明に用いる機能性蛋白質素材は、蛋白
質を水に溶解させてpHを酸性域に調整した後、架橋剤を
混合し、架橋してなる、機能性蛋白質素材である。蛋白
質としては、特に制限されないが、例えば、卵白蛋白
質、ホエー蛋白質、血清アルブミン、カゼイン、大豆蛋
白質、セリシン、ゼラチン、フィブロン、これらの分解
生成物であるペプチド等が挙げられる。本発明では、こ
のような蛋白質を、それぞれ単独でまたは2種以上を併
用して使用できる。
【0008】架橋反応を有利に進行させたり、得られる
機能性蛋白質素材の特性や収率等をさらに向上させたり
するために、蛋白質に前処理を施してもよい。蛋白質の
前処理方法としては、例えば、特開平5−97900、
特開平6−100596、特開平7−76651に記載
されている方法を用いることができる。例えば、希釈、
電気透析、加熱、遠心分離、濾過等であり、これらの中
の1種を単独で行ってもよく、または2種以上を適宜組
み合わせて行ってもよい。
【0009】蛋白質を架橋させるための架橋剤とは、架
橋性官能基および/または重合性官能基を有する化合物
である。架橋性官能基および/または重合性官能基を有
する化合物としては、例えば、下記一般式(1) −C(R)=CH2 (1) 〔式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基また
はアリール基を表す〕で表される重合性2重結合基を1
または2個以上有する化合物等を挙げることができる。
【0010】上記一般式(1)中、Rで示されるアルキ
ル基としては、特に制限はないが、通常炭素数1〜20
程度の直鎖または分岐鎖状アルキル基であり、好ましく
は炭素数1〜6程度の直鎖または分岐鎖状アルキル基で
ある。また、Rで示されるアリール基としては、例え
ば、フェニル基がある。上記重合性2重結合基を有する
化合物の具体例としては、例えば、オレフィン類があ
り、その例としてアクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類、酢酸ビニル、
ジビニルベンゼン等のビニル基含有化合物等を挙げるこ
とができる。なお、不飽和カルボン酸類は後記するpH調
整剤としての機能をも有している。
【0011】前記オレフィン類以外に、重合性2重結合
基を有する化合物としては、例えば、アクリルアミド、
アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチ
レン等を挙げることができる。また、アルキル部分が炭
素数1〜4程度の直鎖または分岐鎖状アルキル基である
(メタ)アクリル酸アルキルエステルも架橋剤として使
用できる。かかるアルキルエステルの具体例としては、
例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル等を挙げることができる。また、かかるアルキ
ルエステルは、アルキル部分にハロゲン原子、水酸基等
の置換基を有していてもよい。更に、(メタ)アクリル
酸アリールエステルも架橋剤として使用できる。かかる
アリールエステルの具体例としては、例えば、(メタ)
アクリル酸フェニル等を挙げることができる。かかるア
リールエステルは、ベンゼン環上にハロゲン原子、アル
キル基、アルコキシ基、水酸基等の置換基を有していて
もよい。
【0012】架橋剤は、1種を単独でまたは2種以上を
併用して使用できる。架橋剤の使用量は、特に制限され
ず、得ようとする機能性蛋白質素材の特性や用途に応じ
て広い範囲から適宜選択できるが、通常蛋白質100重
量部に対して1〜1000重量部程度、好ましくは5〜
500重量部程度とすればよい。架橋剤として重合性2
重結合基を有する化合物を使用する場合には、反応を促
進するために、加温下に反応を行ったり、および/また
は重合開始剤を添加したりしてもよい。重合開始剤とし
ては、特に制限されないが、水または水と有機溶剤との
混合溶媒(以下単に「水性溶媒」という)に溶解または
分散し得るものが好ましく、例えば、クメンヒドロキシ
ペルオキシド等のヒドロキシペルオキシド類、水溶性の
ペルオキソ硫酸カリウム、ペルオキソ硫酸アンモニウ
ム、過酸化水素、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビ
スシクロヘキサンカルボニル、アゾビス吉草酸、2,
2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)・2塩酸塩等
を挙げることができる。これらの重合開始剤は、1種を
単独でまたは2種以上を混合して使用される。重合開始
剤の使用量は、特に制限されず、広い範囲から適宜選択
できるが、通常架橋剤に対して重合開始剤が0.01〜
5重量%程度、好ましくは0.05〜1重量%程度とな
る割合で使用するのがよい。
【0013】更に、本発明においては、得られる機能性
蛋白質素材の種々の機能を高めたり、移染防止等の機能
を付与するために、蛋白質とともに水溶性高分子化合物
を架橋させてもよい。かかる水溶性高分子化合物として
は、特に制限されず、従来公知の水溶性ポリマー類や糖
質類のいずれも使用できるが、例えば、水酸基、アミノ
基、カルボニル基、スルホン基等から選ばれる少なくと
も1種の官能基を有する水溶性高分子化合物等を挙げる
ことができる。より具体的には、ポリビニルアルコー
ル、ポリアリルアミン、ポリエチレングリコール、キト
サン、澱粉、酵素および/または酸による澱粉の分解
物、グアガム、カラギーナン、寒天、微生物が生産する
粘性物質、アクリル系樹脂、アクリロニトリル系樹脂等
を例示できる。これらの水溶性高分子化合物は、1種を
単独で使用できまたは2種以上を併用して使用すること
もできる。これらの 水溶性高分子化合物は、通常、粉
末、溶液、分散液等の形態で架橋反応に供される。溶液
や分散液とする際の溶媒としては、例えば、水、水性溶
媒等を挙げることができ、水が特に好ましい。また、水
溶性高分子化合物の濃度は、特に制限されず、通常1〜
30重量%程度、好ましくは5〜20重量%程度とすれ
ばよい。水溶性高分子化合物の使用量は、特に制限され
ず、得ようとする機能性蛋白質素材の特性、用途等に応
じて広い範囲から適宜選択できるが、通常蛋白質100
重量部に対して0.1〜4000重量部程度、好ましく
は1〜400重量部程度とすればよい。
【0014】本発明に用いる機能性蛋白質素材は、例え
ば、蛋白質の溶液または分散液に酸を加えてpHを酸性域
(通常pH7以下、好ましくは原料として用いられる蛋白
質の等電点〜pH6程度、より好ましくは原料蛋白質の等
電点〜pH5程度)に調整した後、架橋剤を添加混合する
ことにより製造できる。なお、水溶性高分子化合物の粉
末、溶液、分散液等を加える場合、その添加時期はpH調
整の前後のいずれでもよく、またはpH調整と同時でもよ
い。
【0015】蛋白質を溶解または分散させる溶媒として
は、例えば、水、水性溶媒等を挙げることができ、水が
特に好ましい。また、その際の蛋白質濃度は、特に制限
されず広い範囲から適宜選択できるが、架橋反応をより
円滑に進行させること等を考慮すれば、通常0.5〜1
0重量%程度、好ましくは1〜5重量%程度とするのが
よい。
【0016】酸としては、pH調整剤として常用される公
知の有機酸および無機酸を使用でき、例えば、塩酸、ク
エン酸、琥珀酸、酢酸、ギ酸、リンゴ酸、乳酸、レブリ
ン酸、酒石酸、ポリアクリル酸等を挙げることができ、
これらは単独でまたは2種以上混合して使用される。蛋
白質と架橋剤の反応は、必要に応じ、原料蛋白質が変性
しない程度の加温下に行ってもよい。この反応は通常3
0分〜5時間程度、好ましくは1〜2時間程度で終了す
るが、更に長時間熟成を行ってもよい。上記の反応によ
り、本発明に有用な、機能性蛋白質素材を含む溶液、分
散液またはゲルが得られる。
【0017】本発明に用いる機能性蛋白質素材は、例え
ば、凍結乾燥、噴霧乾燥、ドラムドライヤー式乾燥、棚
段乾燥等の通常の手段により、溶液、分散液またはゲル
中から容易に単離し、粉末化することができる。また、
溶液、分散液またはゲルをそのままでまたは水、水性溶
媒等の適当な溶媒で希釈して用いることもできる。合成
繊維に固着させる上記機能性蛋白質素材の量は、特に制
限されず、得ようとする保湿性能または用途に応じて広
い範囲から適宜選択できるが、通常処理対象繊維に対し
て0.05重量%〜10重量%固着する程度とすればよ
い。また、固着せしめる方法としては、従来公知の方法
でよく、具体的にはスプレー法、パッド法、吸尽法、コ
ーティング法等が挙げられる。一般に、パッド法の場
合、繊維を機能性蛋白質素材希釈溶液に浸漬し、マング
ルにて絞った後、約100℃前後で乾熱または湿熱で熱
処理し、150℃〜190℃にて1〜2分間キュアを行
えばよく、吸尽法の場合は、機能性蛋白質素材希釈溶液
中にて40℃〜130℃で20〜60分間吸尽処理を行
い、約100℃前後で乾熱または湿熱で熱処理し、15
0℃〜190℃にて0.5〜2分間キュアを行えばよ
い。
【0018】本発明において、pH8以上のアルカリ水溶
液で後処理する場合に用いるアルカリ剤としては、ナト
リウム、カリウム、リチウム等の炭酸塩、炭酸水素塩、
酢酸塩および水酸化物や、アンモニア、アルキルアミン
類等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
一般には、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウムおよび水酸
化ナトリウムを好ましく用いることができる。
【0019】アルカリ水溶液で後処理する条件として
は、アルカリ剤の1〜30g/リットルの水溶液中で、
常温〜130℃にて10〜60分間程度の処理を行えば
よい。また、風合いを更に柔らかくするため、後処理前
後にカムフィット加工等の物理的揉み効果を与えたり、
後処理に際して、液流染色機、エアーフロー染色機等の
繊維に対して強い物理的揉み効果を与える機器を用いる
こともできる。
【0020】本発明において、アニオン界面活性剤の水
溶液で後処理する場合に用いるアニオン界面活性剤とし
ては、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルエ
ーテル硫酸エステル塩、硫酸化油、硫酸化脂肪酸エステ
ル、硫酸化オレフィン、α−オレフィンスルホン酸塩、
アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンス
ルホン酸塩、モノ(ジ)アルキルスルホコハク酸エステ
ル塩、燐酸エステル塩、多価カルボン酸ホスホン酸塩、
セッケン、アルキルポリアミンポリ酢酸塩等が挙げられ
るが、これらに限られるものではない。一般には、高級
アルコール硫酸エステル、高級アルキルエーテル硫酸エ
ステル、α−オレフィンスルホン酸、アルキルベンゼン
スルホン酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩を好
ましく用いることができる。
【0021】アニオン界面活性剤の水溶液で後処理する
条件としては、アニオン界面活性剤の0.1〜10g/
リットルの水溶液中で、常温〜130℃にて10〜60
分間程度の処理を行えばよい。また、アルカリ水溶液に
よる後処理とともに、風合いを更に柔らかくするため、
後処理前後にカムフィット加工等の物理的揉み効果を与
えたり、後処理に際して、液流染色機、エアーフロー染
色機等の繊維に対して強い物理的揉み効果を与える機器
を用いることもできる。
【0022】また、アルカリ水溶液での後処理とアニオ
ン界面活性剤の水溶液での後処理は同時に同浴で行って
もよく、アルカリ水溶液で後処理後さらにアニオン界面
活性剤の水溶液で後処理を行うか、またはアニオン界面
活性剤の水溶液で後処理後さらにアルカリ水溶液で後処
理を行ってもよい。
【0023】
【実施例】以下に本発明の加工方法を参考例、実施例お
よび比較例により具体的に説明するが、本発明はこれら
に限定されるものではない。 参考例1(機能性蛋白質素材の製造例1) 冷凍卵白(キューピー(株)製)1000gを水で3倍
に希釈し、クエン酸でpH6.8に調整し、12000回
転で10分間遠心分離し、不溶物を除去した。得られた
透明な上澄み液を電気透析し(電気透析機:CS−0
型、旭硝子(株)製)、電導度900μS/cmの卵白水
溶液を製造した。この卵白水溶液100gをアクリル酸
でpH3に調整後、重合開始剤(2,2′−アゾビス(2
−アミジノプロパン)・2塩酸塩(大塚化学(株)
製))0.06gを加えて、窒素雰囲気下に80℃で2
時間反応させ、機能性蛋白質素材を含む水溶液を製造し
た。
【0024】参考例2(機能性蛋白質素材の製造例2) 高純度蛋白質(商品名:高純度蛋白質MLA、明治乳業
(株)製)3gとデキストリン(商品名:スタコデック
ス、松谷化学(株)製)1gとを、水96gに溶解させ
た。この水溶液にアクリル酸(試薬特級、和光純薬
(株)製)8ミリリットルと重合開始剤(2,2′−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)・2塩酸塩(大塚化学
(株)製))0.08gを加えて、窒素雰囲気下に75
℃で3時間反応させ、機能性蛋白質素材を含む水溶液を
製造した。
【0025】参考例3(機能性蛋白質素材の製造例3) 高純度蛋白質(商品名:高純度蛋白質MLA、明治乳業
(株)製)3gとデキストリン(商品名:スタコデック
ス、松谷化学(株)製)1gとを、水96gに溶解させ
た。この水溶液にメタアクリル酸(試薬特級、和光純薬
(株)製)8ミリリットル、メタアクリル酸メチル2ミ
リリットルと重合開始剤(2,2′−アゾビス(2−ア
ミジノプロパン)・2塩酸塩(大塚化学(株)製))
0.08gを加えて、窒素雰囲気下に75℃で3時間反
応させ、機能性蛋白質素材を含む水溶液を製造した。
【0026】実施例1 参考例1〜3で得られた機能性蛋白質素材水溶液をさら
に50重量%の水溶液に希釈し、ポリエステルデシン布
にパッド処理を行った。加工条件は以下の通りである。 ピックアップ 70% ドライ 110℃×3分 キュア 180℃×1分 次いで、水酸化ナトリウムの2g/リットルの水溶液に
て後処理を行った。処理条件は以下の通りである。
【0027】 浴比 1:30 温度×時間 100℃×30分 アルカリによる後処理後、残留のアルカリを取り除くた
めに水洗を行い、加工布を得た。 実施例2 参考例1〜3で得られた機能性蛋白質素材水溶液をさら
に50重量%の水溶液に希釈し、ナイロンスパンデック
ス布にパッド処理を行った。加工条件は以下の通りであ
る。
【0028】 ピックアップ 70% ドライ 110℃×3分 キュア 170℃×2分 次いで、炭酸ナトリウムの3g/リットルの水溶液にて
後処理を行った。処理条件は以下の通りである。
【0029】 浴比 1:30 温度×時間 100℃×30分 アルカリによる後処理後、残留のアルカリを取り除くた
めに水洗を行い、加工布を得た。 実施例3 アニオン界面活性剤BH−320K(日華化学(株)
製)の5g/リットルの水溶液にて後処理を行った以外
は、実施例1と同様の加工を行った。
【0030】実施例4 アニオン界面活性剤BH−320K(日華化学(株)
製)の5g/リットルの水溶液にて後処理を行った以外
は、実施例2と同様の加工を行った。 実施例5 後処理を水酸化ナトリウムの2g/リットルの水溶液お
よびアニオン界面活性剤BH−320K(日華化学
(株)製)の5g/リットルの水溶液にて行った以外
は、実施例1と同様の加工を行った。
【0031】実施例6 後処理を水酸化ナトリウムの2g/リットルの水溶液お
よびアニオン界面活性剤BH−320K(日華化学
(株)製)の5g/リットルの水溶液にて行った以外
は、実施例2と同様の加工を行った。 比較例1 スクワランを用いた保湿剤エコスマイルH(日華化学
(株)製)を30重量%の水溶液に希釈し、ポリエステ
ルデシン布にパッド処理を行い、比較加工布1を得た。
加工条件は以下の通りである。
【0032】 ピックアップ 70% ドライ 110℃×3分 キュア 180℃×1分 比較例2 スクワランを用いた保湿剤エコスマイルH(日華化学
(株)製)を30重量%の水溶液に希釈し、ナイロンス
パンデックス布にパッド処理を行い、比較加工布2を得
た。加工条件は以下の通りである。
【0033】 ピックアップ 70% ドライ 110℃×3分 キュア 170℃×2分 次いで、性能の測定評価を下記の方法で行った。 (1)保湿性 処理布を20℃、78%RHのデシケーター中に24時間
放置した後、20℃、40%RHの恒温恒湿室内に広げ、
直後、30分後および60分後の布重量(W1)を測定
する。その後、処理布の絶乾重量(W0 )を測定し、各
時間での保有水分率(%)を算出する。
【0034】 保有水分率=〔(W1 −W0 )/W0 〕×100 (2)洗濯試験 JIS L−0217 103法(家庭洗濯法)に準じ
て、10回の洗濯を行った。測定評価の結果をまとめて
表1および表2に記載する。 (3)風合い 触感にて5段階の評価を行った。
【0035】5:柔らかい〜1:硬い 結果を表3に記載する。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】表1および表2より明らかなごとく、本発
明の方法により加工した加工布は、高い保湿性および優
れた耐洗濯性を有していた。一方、比較例の従来加工法
では、保湿性に乏しく、耐洗濯性も全く有していないも
のであった。
【0039】
【表3】
【0040】表3から明らかなごとく、本発明で処理し
た処理布は、繊維素材本来の風合いを有しており、本発
明の方法は風合いを損ねない加工方法であることがわか
る。
【0041】
【発明の効果】本発明の加工方法により、合成繊維に対
して高い保湿効果を有し、耐洗濯性にも優れ、より天然
繊維の機能に近づいた、繊維素材の風合いを損ねること
のない繊維加工が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 住友 公荘 徳島県徳島市川内町加賀須野463番地 大 塚化学株式会社徳島工場内 (72)発明者 山腰 和夫 徳島県徳島市川内町加賀須野463番地 大 塚化学株式会社徳島工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機能性蛋白質素材を合成繊維に固着せし
    めた後、アニオン界面活性剤の水溶液および/またはpH
    8以上のアルカリ水溶液で後処理することを特徴とする
    合成繊維の耐洗濯性保湿加工方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007046215A (ja) * 2005-08-05 2007-02-22 Hagiwara Toshio ポリアミド系繊維材料の改質加工法
WO2014192648A1 (ja) 2013-05-29 2014-12-04 東レ株式会社 繊維構造物

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