JPWO2014073184A1 - アーク溶接装置およびアーク溶接制御方法 - Google Patents

アーク溶接装置およびアーク溶接制御方法 Download PDF

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Abstract

ワイヤと被溶接物とが短絡する短絡期間と、ワイヤと被溶接物との間にアークが発生するアーク期間とを交互に繰り返すアーク溶接装置であって、このアーク溶接装置は、溶接出力部(16)と、継手形状設定部(18)と、記憶部(15)と、波形パラメータ決定部(14)とを有する。溶接出力部(16)は、溶接出力を行い、継手形状設定部(18)は、継手形状を設定する。記憶部(15)は、継手形状と波形パラメータとの複数の組合せを記憶する。波形パラメータ決定部(14)は、継手形状設定部により設定された継手形状および複数の組合せに基づいて、波形パラメータを決定する。溶接出力部(16)は、波形パラメータ決定部で決定された波形パラメータに基づいて溶接出力を行う。

Description

本発明は、消耗電極である溶接ワイヤの送給として正送と逆送を繰り返しながら、短絡状態とアーク状態を交互に発生させて溶接を行うアーク溶接装置およびアーク溶接制御方法に関する。
亜鉛メッキ鋼板の溶接を行う場合、一般的に、短絡移行溶接(CO溶接、MAG溶接)やパルスMAG溶接が広く用いられている。図10と図11は、亜鉛メッキ鋼板の溶接を行う従来のアーク溶接制御方法を説明するための図である。図10は、溶接法として一般的な消耗電極式アーク溶接により亜鉛メッキ鋼板を溶接したときのビード断面を示している。
亜鉛メッキ鋼板26の表面には、亜鉛メッキ27がメッキされている。亜鉛メッキ27に含まれる亜鉛の沸点は907℃であり、鉄の融点1536℃よりも低い。亜鉛メッキ鋼板26に対してアーク溶接を行うと、亜鉛が気化し、この蒸気亜鉛が溶融プールを通過して外部に拡散しようとする。しかし、溶融金属の凝固速度が速い場合、蒸気亜鉛が外部に十分に拡散しきれず、溶接ビード35内および溶接ビード35表面に気孔28として残存する。気孔28が溶接ビード35内に留まる場合はブローホールが形成される。気孔28が溶接ビード35表面に開口する場合はピットが形成される。ブローホールやピットは、いずれも溶接箇所の強度を損なう。そのため、例えば、亜鉛メッキ鋼板26が多く使用されている自動車業界では、気孔28の発生を抑制する必要があり、特にピットの発生量を規定して管理する場合が多い。
図11に、従来技術による短絡溶接の各パラメータの波形の例を示す。図11は、溶接電流Iと、溶接電圧Vと、ワイヤ送給速度WSと、モータON/OFF切換信号Nと、モータ極性切換信号Kの時間変化を示している。
図11において、時刻t1から時刻t2までが短絡期間である。短絡発生初期の時刻t1から電流制御を行い、溶接電流Iを所定の傾きで上昇させる。また、ワイヤ送給速度WSを、基本ワイヤ送給速度WS1よりも低いワイヤ送給速度WS2に減速する。なお、短絡期間の終端直前、すなわち、時刻t2の直前においては、従来から知られているように、溶融した溶接ワイヤのくびれを検知して溶接電流Iを急峻に低減させるように制御している。
図11において、時刻t2から時刻t6までがアーク期間である。アーク期間のうち時刻t2から時刻t3までの間は、アーク発生初期の時刻t2から電流制御を行い、溶接電流Iを所定の傾きで上昇させる。なお、溶接電流Iのピーク電流IPが200A以上となるまで上昇させる。また、ワイヤ送給速度WSをワイヤ送給速度WS2から基本ワイヤ送給速度WS1に加速する。ここで、例えば、CO溶接の場合、アークの集中性が良いため、溶接電流Iのピーク電流IPが高いほど、アーク力が、被溶接物が溶融した部分である溶融プールを押付けて、結果として被溶接物が掘れ込んでしまう傾向が高くなる。そして、最悪の場合、被溶接物の孔開き(溶け落ち)が発生することもある。一方、ピーク電流IPが低すぎると微小短絡を生じてしまうこともある。従って、微小短絡を生じ難く、また、溶融プールを掘れ込まないように、ピーク電流IPを必要最低限の溶接電流Iにする必要がある。また、溶接電流Iがピーク電流IPとなった後に所定時間このピーク電流IPを維持し、この維持する末端の時間を時刻t3とするようにしてもよい。
そして、アーク発生直後である時刻t2では、ワイヤ送給速度WSがワイヤ送給速度WS2から基本ワイヤ送給速度WS1に加速し始めた低速状態にある。そのためピーク電流IPを必要以上に高くしなくても、ワイヤを燃え上がらせてアーク長を確保することができる。従って、微小短絡を抑制することができる。
アーク期間のうち時刻t3から時刻t4までの間は、溶接電圧を定電圧制御する。定電圧制御の基本電圧である基本溶接電圧VPを出力できるように溶接電流Iが出力される。定電圧制御を行うことによりアーク長が維持できる。従って、微小短絡が発生し難いアーク状態を維持することができる。
アーク期間のうち時刻t4から時刻t5までの間は、電流制御を行い、溶接電流Iを、ベース電流IBに向けて低減させる。ベース電流IBは、微小短絡が発生しても大粒のスパッタが発生し難い電流値である100A以下である。なお、時刻t4から時刻t5にかけて溶接電流Iの低減は所定の傾きで行う。このように、アーク開始時から所定時間後に溶接電流Iがベース電流IBとなるように所定の傾きをもって減少させることにより、アーク状態の急激な変化を緩和することができる。
アーク期間のうち時刻t5から時刻t6までの間は、定電流制御を行ってベース電流IBの状態を保ち、次の短絡発生の時刻である時刻t6を待つ状態とする。このように溶接電流Iをベース電流IBの状態に保つことで、短絡が発生し易い状態を確保することと、微小短絡が発生したとしても溶接電流Iが低いため大粒スパッタが発生し難いという効果がある。
従来技術のアーク溶接制御方法は、上記した短絡期間とアーク期間のサイクルを繰り返すものであり、例えば特許文献1などがある。
特開2007−216268号公報
従来のアーク溶接制御方法では、アーク期間のうち時刻t2から時刻t3までの間において、アーク発生初期時刻である時刻t2から電流制御を行って、溶接電流Iを、所定の傾きで、200A以上のピーク電流IPまで上昇させる。従来の溶接装置は、ワイヤ材質、使用ガス、ワイヤ径といった組合せに応じたピーク電流が溶接装置内部に記憶されており、ワイヤ材質、使用ガス、ワイヤ径等に基づいて決定されたピーク電流を出力する。
しかしながら、亜鉛メッキ鋼板の溶接では、蒸気亜鉛を放出させ易くするための適正なピーク電流が必要となる。ピーク電流は、高ければ高いほど蒸気亜鉛を放出させ易くなる。しかし、継手形状によっては、ピーク電流が高いことにより、孔開きが発生する場合がある。蒸気亜鉛の放出と被溶接物の孔開きの抑制を、種々の継手形状に対して、両立させることができなかった。
そこで、継手形状に適したピーク電流が必要とされるが、従来のような、溶接装置内部に記憶された一つのピーク電流では対応できない。すなわち、従来は、継手形状を考慮してピーク電流が決定されていなかった。そのため、継手形状が異なった被溶接物に対して、例えば、設定電流が同じであれば、ピーク電流が同じ値となっていた。
なお、蒸気亜鉛がうまく放出できないと、蒸気亜鉛は、溶融プール内を浮上して溶融プール表面から放出される。そのため、蒸気亜鉛の放出の際に噴出した溶融金属が、そのままスパッタとして外部に飛散する。あるいは、蒸気亜鉛の放出の際に噴出した溶融金属が、溶接ワイヤと短絡して電気エネルギーによりスパッタとして飛散する。これらにより、スパッタが異常に多量発生していた。
上記課題を解決するために、本発明のアーク溶接装置は、ワイヤと被溶接物とが短絡する短絡期間と、ワイヤと被溶接物との間にアークが発生するアーク期間とを交互に繰り返すアーク溶接装置である。このアーク溶接装置は、溶接出力部と、継手形状設定部と、記憶部と、波形パラメータ決定部とを有する。溶接出力部は、溶接出力を行い、継手形状設定部は、継手形状を設定する。記憶部は、継手形状と波形パラメータとの複数の組合せを記憶する。波形パラメータ決定部は、継手形状設定部により設定された継手形状および複数の組合せに基づいて、波形パラメータを決定する。溶接出力部は、波形パラメータ決定部で決定された波形パラメータに基づいて溶接出力を行う。
また、本発明のアーク溶接制御方法は、ワイヤと被溶接物とが短絡する短絡期間と、ワイヤと被溶接物との間にアークが発生するアーク期間とを交互に繰り返すアーク溶接制御方法である。このアーク溶接制御方法は、継手形状を設定するステップと、継手形状に基づいて波形パラメータを決定するステップと、波形パラメータに基づいて溶接出力を制御するステップとを有する。
本発明によれば、亜鉛メッキ鋼板などの表面処理が行われた被溶接物を溶接用のワイヤを用いて溶接する場合に、継手形状に応じて適切なピーク電流を出力できる。これにより、被溶接物への孔開き(溶け落ち)がなく、かつ、被溶接物のルート部が露出するように溶融プールを押すことで被溶接物から発生した気体が露出部から抜ける。これにより、ブローホールやピットの発生およびスパッタの発生を抑制できる。
図1は、本発明の実施の形態におけるアーク溶接装置の概略構成を示す図である。 図2は、本発明の実施の形態におけるワイヤ送給速度(正弦波状)と溶接電圧と溶接電流の波形を示す図である。 図3Aは、本発明の実施の形態における短絡状態の、溶接線方向に平行な断面を示す図である。 図3Bは、本発明の実施の形態における短絡開放直後のピーク電流期間TPの開始時の状態の、溶接線方向に平行な断面を示す図である。 図3Cは、本発明の実施の形態におけるピーク電流期間TPの終了時の状態の、溶接線方向に平行な断面を示す図である。 図4Aは、本発明の実施の形態における重ねすみ肉の溶接状態と溶接電流を示す図である。 図4Bは、本発明の実施の形態における水平すみ肉の溶接状態と溶接電流を示す図である。 図4Cは、本発明の実施の形態における水平すみ肉の溶接状態と溶接電流を示す図である。 図5は、本発明の実施の形態における継手形状の違いによるピーク電流の適用範囲を示す図である。 図6は、本発明の実施の形態における亜鉛メッキ鋼板を溶接する前の断面を示す図である。 図7は、本発明の実施の形態における亜鉛メッキ鋼板を溶接した場合のビード断面を示す図である。 図8は、本発明の実施の形態におけるワイヤ送給速度(台形波状)と溶接電圧と溶接電流の波形を示す図である。 図9は、本発明の実施の形態におけるワイヤ送給速度と溶接電圧と溶接電流の波形を示す図である。 図10は、従来のアーク溶接性制御方法により亜鉛メッキ鋼板を溶接した場合の溶接ビード断面を示す図である。 図11は、従来のアーク溶接制御方法に関する溶接電流Iと、溶接電圧Vと、ワイヤ送給速度WSと、モータON/OFF切換信号Nと、モータ極性切換信号Kの時間変化を示す図である。
以下、本発明の実施の形態における消耗電極式のアーク溶接装置とアーク溶接制御方法について、図1から図9を用いて説明する。
(実施の形態)
図1に、本実施の形態におけるアーク溶接装置の概略構成を示す。図1において、溶接電源装置16は、1次整流部2と、スイッチング部3と、トランス4と、2次整流部5と、リアクタ6と、駆動部7と、溶接電圧検出部8と、溶接電流検出部9と、短絡/アーク検出部10と、短絡制御部11と、アーク制御部12と、ワイヤ送給速度制御部13と、波形パラメータ決定部14と、波形パラメータ記憶部15とを有する。1次整流部2は、入力電源1の出力を整流する。スイッチング部3は、1次整流部2の出力を制御することで溶接出力を制御する。トランス4は、スイッチング部3からの電力を変換する。2次整流部5は、トランス4の2次側出力を整流する。リアクタ6は、2次整流部5に直列に接続されている。駆動部7は、スイッチング部3を駆動する。溶接電圧検出部8は、溶接電圧を検出する。溶接電流検出部9は、溶接電流を検出する。短絡/アーク検出部10は、溶接電圧検出部8の出力と溶接電流検出部9の出力とのいずれか1つまたは両方に基づいて、溶接状態が短絡状態であるのかアーク状態であるのかを判定する。短絡制御部11は、短絡期間中に駆動部7を制御する。アーク制御部12は、アーク期間中に駆動部7を制御する。波形パラメータ記憶部15は、溶接条件や、継手形状毎の波形パラメータを記憶する。波形パラメータ決定部14は、溶接条件や、継手形状毎に応じた波形パラメータを決定する。ワイヤ送給速度制御部13は、波形パラメータ決定部14から出力されたワイヤ送給速度に基づいて溶接ワイヤの送給を制御する。
溶接電源装置16において、短絡制御部11は、短絡/アーク検出部10から溶接状態が短絡状態であることを示す信号を受けると、短絡を開放させるように、短絡電流を制御する。アーク制御部12は、短絡/アーク検出部10から溶接状態がアーク状態であることを示す信号を受けると、ピーク電流IPを始めとするアーク期間中の溶接波形パラメータを出力する。なお、ピーク電流IPは、短絡開放後の最大溶接電流値である。
また、ロボット20の動作を制御するロボット制御装置19は、溶接条件設定部17と、継手形状設定部18とを有する。溶接条件設定部17は、溶接条件を設定する。継手形状設定部18は、重ね継手である重ねすみ肉や、T継手である水平すみ肉といった、継手形状を設定する。そして、ロボット制御装置19は、溶接電源装置16と通信可能に接続されている。
波形パラメータ決定部14において、溶接条件設定部17で設定された設定溶接電流と、継手形状設定部18で設定された設定継手形状に基づいて、波形パラメータが決定される。波形パラメータ決定部14で決定された波形パラメータは、短絡制御部11と、アーク制御部12と、ワイヤ送給速度制御部13に出力される。波形パラメータが入力されたワイヤ送給速度制御部13は、ワイヤ送給速度Wfの制御信号をロボット20に出力する。
なお、例えば、作業者が、溶接条件設定部17を操作して設定溶接電流を設定し、継手形状設定部18を操作して設定継手形状を設定する。また、波形パラメータとは、例えば、周期的な変化をするワイヤ送給速度の所定の周期および所定の振幅のパラメータや、ピーク電流やベース電流といった溶接電流のパラメータ等である。また、波形パラメータ記憶部15には、設定溶接電流と、設定継手形状と、波形パラメータとを対応付けした、複数の組合せパターンが記憶されている。
アーク制御部12は、波形パラメータ決定部14からピーク電流IPを含む波形パラメータが入力され、ピーク電流IPを始めとするアーク期間中のパラメータを駆動部7に出力することで溶接出力を制御する。なお、ロボット20には、チップ24を有する溶接用のトーチ22が取り付けられている。そして、送給ローラを有するワイヤ送給部23は、ワイヤ送給速度制御部13からのワイヤ送給速度Wfの制御信号に基づいて、溶接ワイヤ21の送給を制御する。なお、溶接ワイヤ21は、ワイヤ保存部25に収納されている。
図2は、短絡状態とアーク状態とを交互に繰り返す消耗電極式のアーク溶接における、ワイヤ送給速度と、溶接電流と、溶接電圧の時間変化の波形を示している。
先ず、図2において、ワイヤ送給制御について説明する。
図2では、ワイヤ送給速度Wfは、所定の一定の基準速度Wf1と、所定の周期WF(所定の周波数)と所定の速度振幅WVとを有する。ワイヤ送給は、ワイヤ送給速度Wfを基本波形とした正弦波状に、正送と逆送とを周期的に繰り返すように制御されている。そして、ワイヤ送給速度Wfは、正送側のピーク時では正送ピーク速度Wf2となり、時点P1の周辺で短絡が発生する。ワイヤ送給速度Wfは、逆送側のピーク時では逆送ピーク速度Wf3となり、時点P2の周辺でアークが発生する。また、時点P2の後の正送のピーク時である時点P3の周辺で次の短絡が発生する。
時点P1から時点P3までを制御の1周期とし、これを繰り返して溶接を行う。このように、短絡状態またはアーク状態の発生は、基本的に、ワイヤ送給速度の正送と逆送を周期的に繰り返すワイヤ送給制御に依存する。
次に、図2において、溶接制御について説明する。
時点P1は、短絡を開始した時点を示している。時点P1から所定期間の間、溶接電流は、短絡初期電流SAで出力された後、短絡電流の第1段目の増加傾きdi/dtで増加される。続けて、溶接電流は、短絡電流の第1段目の増加傾きdi/dtよりも傾きが緩やかな、短絡電流の第2段目の増加傾きdi/dtで増加される。
その後、時点P2の手前の時点において、短絡の開放が近づくと、被溶接物26に形成された溶融プールと溶接ワイヤ21の先端との間に溶滴のくびれが形成される。この溶滴のくびれを検出すると、溶接電流を、溶滴のくびれを検出した時点の電流よりも低電流である、くびれ電流NAに瞬時に低下させる。くびれ電流NAに低下させる直前は、溶接電流は、短絡ピーク電流IAとなっている。
時点P2は、溶滴のくびれが離れて短絡が開放し、短絡状態が終了してアーク状態が発生した時点を示している。時点P2からのアーク期間において、溶接電流は、短絡開放直後(アーク発生直後)にピーク電流IPでピーク電流期間TPの間出力される。その後、溶接電流は、ピーク電流IPからベース電流IBへ向けて低下する。その後に、溶接電流は、ベース電流IBに達し、次の短絡状態になるまでベース電流IBを維持する。
時点P3は、時点P1の次の短絡が発生した時点を示しており、時点P1の時点と同様の状態である。
ここで、亜鉛メッキ鋼板の溶接に関し、蒸気亜鉛を放出させるためのメカニズムについて説明する。
図3A〜3Cは、溶接線方向に対して平行方向の断面図を示す。図3Aは短絡状態を示しており、図3Bは短絡開放直後のピーク電流期間TPの開始時の状態を示しており、図3Cはピーク電流期間TPの終了時の状態を示している。
図3Aの短絡状態では、被溶接物26のルート部32が、溶融金属33で覆われている。しかし、図3Bの短絡開放直後のピーク電流期間TPの開始時の状態では、被溶接物26のルート部32の溶融金属33をアーク34が押し始める。そして、図3Cのピーク電流期間TPの終了時の状態では、被溶接物26のルート部32の溶融金属33をアーク34により完全に押し出したことを表している。
このように、アーク34の直下において、被溶接物26のルート部32にある溶融金属33がアーク34のアーク力により押し出され、ルート部32が露出する。これにより、被溶接物26である上板と下板との重ね部分である、図6に示す亜鉛メッキ気化部31から、蒸気亜鉛30を外部に放出し易くなるというメカニズムである。
このメカニズムを実現するためには、被溶接物26のルート部32の溶融金属33を押し出し易いように、CO溶接のようなアークの集中性が高いガスを使用することが望ましい。また、トーチ22の姿勢を後退角にすると、溶接進行方向の反対方向に溶融金属33を押すことができ、更に蒸気亜鉛30の放出効果を発揮できる。
なお、アーク34のアーク力により、図3Cや図6に示すルート部32が完全に露出している場合には、蒸気亜鉛30は、スパッタの発生等がなく、容易に放出される。また、ルート部32を覆う溶融金属33の厚さが約0.5mm程度以下の薄い状態であれば、蒸気亜鉛30の放出を阻害することはない。これにより、被溶接物26のルート部32は、亜鉛の体積膨張による放出により容易に露出され、蒸気亜鉛30が容易に外部に放出される。すなわち、被溶接物26である上板や下板から発生した蒸気亜鉛30が、体積膨張により被溶接物26のルート部32を覆っている溶融部29や溶融金属33を突き破って抜けることが可能な厚さとなるように、アーク34のアーク力により溶融金属33を押しても良い。
なお、ルート部32とは、図3A〜3Cや図6に示すように、被溶接物26である上板と下板とが重なる部分の端であり、被溶接物26の溶接方向の長さと同じ長さである。図6では、ルート部32は、紙面に対して鉛直方向に延びている。
以上のように、蒸気亜鉛30が規則的に適切に放出されるように、溶接電流を制御して、アーク34のアーク力を制御することで、スパッタの発生を大幅に抑制できる。
このようなメカニズムを規則的に安定させるには、正送と逆送を繰り返すようにワイヤ送給を制御することが望ましい。ワイヤ送給の正送と逆送を繰り返すことで、短絡状態とアーク状態を規則的に発生させることができると共に、短絡解放直後のアーク長を瞬時に長くできる。短絡開放直後のアーク長を長くすることで、微小短絡の発生を抑制できるとともに、アーク34のアーク力によって溶融金属33を広範囲に押すことができる。
ここで、従来技術では、継手形状によっては、ピーク電流IPが適正でない場合がある。この場合、溶融金属33中に蒸気亜鉛30が滞留し、ブローホール28(もしくは、ピット)を発生させてしまう。また、蒸気亜鉛30が溶融金属33から勢いよく放出される時に、飛散した溶融金属33が溶接ワイヤ21に短絡することで、スパッタの発生を増加させてしまう。
次に、亜鉛メッキ鋼板の溶接において、継手形状毎に適正なピーク電流IPを使い分ける必要性について、図4A〜4Cを用いて説明する。なお、図4A〜4Cは溶接方向に対して垂直な断面図である。図4Aは、重ねすみ肉の溶接が良好に行われている状態を示している。図4Bは、水平すみ肉の溶接が良好ではなく、孔開きが発生している状態を示している。図4Cは、水平すみ肉の溶接が良好に行われている状態を示している。
図4Aに示すように、継手形状が重ねすみ肉の場合、アーク34は広がりやすい。そのため、ピーク電流IPは400A以上とすることが望ましい。ピーク電流IPを400A以上とすることで、アーク34の直下において、被溶接物26のルート部32にある溶融金属33がアーク34のアーク力により押し出され、ルート部32が溶融金属33から露出する。ルート部32が露出することで、上板と下板との重ね部分である亜鉛メッキ気化部31から蒸気亜鉛30を外部に放出しやすくなる。
図4Bに示すように、継手形状が水平すみ肉の場合、ピーク電流IPを、重ねすみ肉と同じ400A以上にすると、アーク34が集中し易くなる。そのため、特に上板側に対してがアーク34のアーク力が強すぎて、上板に裏なみが発生する。そして、最悪の場合には、上板に孔開き(溶け落ち)が発生してしまう。従って、水平すみ肉の場合、ピーク電流IPは、400A未満にすることが望ましい。
図4Cも水平すみ肉の例を示しているが、図4Cのように、ピーク電流IPを400A未満にすることで、上板の孔開きが発生しない。そして、アーク34の直下の被溶接物26のルート部32において、溶融金属33が押し出され、ルート部32を露出させることができる。そして、上板と下板との重ね部分である亜鉛メッキ気化部31(図6参照)から、蒸気亜鉛30を外部に放出しやすくできる。
図5に、継手形状とピーク電流IPに関する溶接結果を示す。なお、図5では、ピーク電流IPを50A刻みで表している。また、図5に示す溶接結果は、一例として、板厚が2.3mmの亜鉛メッキ鋼板に対してCO溶接を行った場合の例である。
図5より、水平すみ肉(T継手)においては、ピーク電流IPは、250Aから350Aまでが適正範囲であり、300Aが最適である。なお、ピーク電流IPが250Aを下回る場合は、被溶接物26のルート部32において溶融金属33を押し出すことが困難になり、気孔28が発生してしまう。逆に、ピーク電流IPが400Aを上回る場合は、上板が溶け落ちて孔開きが発生してしまう。なお、ピーク電流IPが400Aを上回り、上板の板厚が厚い場合は、上板の溶け落ちは発生しなくなるが、外観不良となる。また、図5では示していないが、ピーク電流IPが380Aの場合も、良好な溶接を行うことができた。以上から、水平すみ肉(T継手)においては、ピーク電流IPは250A以上400A未満で良好な溶接が行える。
また、図5より、重ねすみ肉(重ね継手)においては、ピーク電流IPは、400Aから500Aまでが適正範囲であり、450Aが最適である。なお、ピーク電流IPが400Aを下回る場合は、被溶接物26のルート部32において溶融金属33を押し出すことが困難になり、気孔28が発生してしまう。逆に、ピーク電流IPが500Aを上回る場合は、溶融プールが掘れ込みすぎるためビードが凸形状になり、ビード外観不良が発生してしまう。以上から、重ねすみ肉(重ね継手)においては、ピーク電流IPは400A以上500A以下で良好な溶接が行える。
以上のように、継手形状に応じて、ピーク電流IPを適正な値に設定する必要がある。なお、上述の適正範囲は、実際に実験等により導き出した数値である。
本実施の形態のアーク溶接装置において、継手形状に応じた適正なピーク電流IPを設定するには、継手形状毎に適正なピーク電流IPを含む波形パラメータを、溶接電源装置16の波形パラメータ記憶部15内に記憶しておく。そして、ロボット制御装置19内にある溶接条件設定部17で設定した設定内容と継手形状設定部18で設定した設定内容に基づいて、継手形状毎の適正なピーク電流IPを決定して出力することが必要である。
継手形状毎の適正なピーク電流IPにより溶接を行うことで、被溶接物26のルート部32を露出することが可能となる。ちなみに、ピーク電流期間TPを継手形状毎に適正な時間に調整する方法も考えられる。しかし、ピーク電流期間TPの調整では、継手形状全てに対応することができないことが、発明者らによる実験等からわかっている。
例えば、水平すみ肉の継手形状で、ピーク電流IPを適正範囲よりも高い450Aとし、ピーク電流期間TPをデフォルトより短くしたとする。ピーク電流IPの450Aで与える強いアーク力の時間を短くする方法では、上板の孔開き(溶け落ち)が軽減するが、ゼロになることはなく、効果が薄い。
また、重ねすみ肉の継手形状で、ピーク電流IPを適正範囲よりも低い300Aとし、ピーク電流期間TPをデフォルトより長くしたとする。ピーク電流IPの300Aで与える弱いアーク力の時間を長くする方法では、被溶接物26のルート部32において溶融金属33が押し出され難く、ルート部32を露出させることができない。従って、気孔28が発生し易くなる。
よって、適正なピーク電流IPを出力することが重要である。
なお、本実施の形態では、設定溶接電流と継手形状に基づいてピーク電流IPを決定する例を示した。しかし、設定溶接電流はワイヤ送給速度やワイヤ送給量と比例の関係にある。そこで、設定溶接電流に替えて、ワイヤ送給速度やワイヤ送給量に基づいてピーク電流IPにまつわるパラメータなどを決定するようにしても、同様の効果を得ることができる。
また、上記では、ワイヤ送給速度が図2に示すように正弦波状に制御する場合の例を説明した。しかし、図8に示すように、ワイヤ送給速度が台形波状に制御する場合でも同様の効果を得ることができる。
また、図2や図8に示すような周期的な送給制御ではなく、図9に示すように、溶接状態に応じて送給制御を行うようにしても、同様の効果を得ることができる。すなわち、溶接状態が短絡状態であることを検出すると逆送を行い、溶接状態がアーク状態であることを検出すると正送を行うように、ワイヤ送給を制御しても、同様の効果を得ることができる。
また、時点P2の手前において、短絡の開放が近づくに伴って溶接対象物に形成された溶融プールと溶接ワイヤの先端との間に出来た溶滴のくびれを検出する。そして、上記では、溶滴のくびれを検出すると、溶接電流をくびれ検出した時点の電流よりも低いくびれ電流NAに瞬時に移行させる、くびれ制御を行う。しかし、くびれ制御を行わない場合でも、本実施の形態の溶接制御を行うことで、スパッタやブローホールに対する亜鉛メッキの影響を低減させる効果は大きい。
本発明によれば、亜鉛メッキ鋼板等の表面処理が行われた被溶接物を溶接用のワイヤを用いて溶接する場合に、アーク期間において継手形状に対応したピーク電流を出力する。これにより、被溶接物の孔開き(溶け落ち)がなく、また、被溶接物のルート部が露出するように溶融プールを押すことで、被溶接物から発生した気体が露出部から抜ける。このため、ブローホール等の発生およびスパッタの発生を著しく抑制することができる。亜鉛メッキ鋼板等のように、表面処理が行われており溶接時に気体が発生する被溶接物に対して溶接を行うアーク溶接装置およびアーク溶接制御方法として産業上有用である。
1 入力電源
2 1次整流部
3 スイッチング部
4 トランス
5 2次整流部
6 リアクタ
7 駆動部
8 溶接電圧検出部
9 溶接電流検出部
10 短絡/アーク検出部
11 短絡制御部
12 アーク制御部
13 ワイヤ送給速度制御部
14 波形パラメータ決定部
15 波形パラメータ記憶部
16 溶接電源装置
17 溶接条件設定部
18 継手形状設定部
19 ロボット制御装置
20 ロボット
21 溶接ワイヤ
22 トーチ
23 ワイヤ送給部
24 チップ
25 ワイヤ保存部
26 被溶接物
27 亜鉛メッキ
28 気孔
29 溶融部
30 蒸気亜鉛
31 亜鉛メッキ気化部
32 ルート部
33 溶融金属
34 アーク
35 溶接ビード
本発明は、消耗電極である溶接ワイヤの送給として正送と逆送を繰り返しながら、短絡状態とアーク状態を交互に発生させて溶接を行うアーク溶接装置およびアーク溶接制御方法に関する。
亜鉛メッキ鋼板の溶接を行う場合、一般的に、短絡移行溶接(CO2溶接、MAG溶接)やパルスMAG溶接が広く用いられている。図10と図11は、亜鉛メッキ鋼板の溶接を行う従来のアーク溶接制御方法を説明するための図である。図10は、溶接法として一般的な消耗電極式アーク溶接により亜鉛メッキ鋼板を溶接したときのビード断面を示している。
亜鉛メッキ鋼板26の表面には、亜鉛メッキ27がメッキされている。亜鉛メッキ27に含まれる亜鉛の沸点は907℃であり、鉄の融点1536℃よりも低い。亜鉛メッキ鋼板26に対してアーク溶接を行うと、亜鉛が気化し、この蒸気亜鉛が溶融プールを通過して外部に拡散しようとする。しかし、溶融金属の凝固速度が速い場合、蒸気亜鉛が外部に十分に拡散しきれず、溶接ビード35内および溶接ビード35表面に気孔28として残存する。気孔28が溶接ビード35内に留まる場合はブローホールが形成される。気孔28が溶接ビード35表面に開口する場合はピットが形成される。ブローホールやピットは、いずれも溶接箇所の強度を損なう。そのため、例えば、亜鉛メッキ鋼板26が多く使用されている自動車業界では、気孔28の発生を抑制する必要があり、特にピットの発生量を規定して管理する場合が多い。
図11に、従来技術による短絡溶接の各パラメータの波形の例を示す。図11は、溶接電流Iと、溶接電圧Vと、ワイヤ送給速度WSと、モータON/OFF切換信号Nと、モータ極性切換信号Kの時間変化を示している。
図11において、時刻t1から時刻t2までが短絡期間である。短絡発生初期の時刻t1から電流制御を行い、溶接電流Iを所定の傾きで上昇させる。また、ワイヤ送給速度WSを、基本ワイヤ送給速度WS1よりも低いワイヤ送給速度WS2に減速する。
なお、短絡期間の終端直前、すなわち、時刻t2の直前においては、従来から知られているように、溶融した溶接ワイヤのくびれを検知して溶接電流Iを急峻に低減させるように制御している。
図11において、時刻t2から時刻t6までがアーク期間である。アーク期間のうち時刻t2から時刻t3までの間は、アーク発生初期の時刻t2から電流制御を行い、溶接電流Iを所定の傾きで上昇させる。なお、溶接電流Iのピーク電流IPが200A以上となるまで上昇させる。また、ワイヤ送給速度WSをワイヤ送給速度WS2から基本ワイヤ送給速度WS1に加速する。ここで、例えば、CO2溶接の場合、アークの集中性が良いため、溶接電流Iのピーク電流IPが高いほど、アーク力が、被溶接物が溶融した部分である溶融プールを押付けて、結果として被溶接物が掘れ込んでしまう傾向が高くなる。そして、最悪の場合、被溶接物の孔開き(溶け落ち)が発生することもある。一方、ピーク電流IPが低すぎると微小短絡を生じてしまうこともある。従って、微小短絡を生じ難く、また、溶融プールを掘れ込まないように、ピーク電流IPを必要最低限の溶接電流Iにする必要がある。また、溶接電流Iがピーク電流IPとなった後に所定時間このピーク電流IPを維持し、この維持する末端の時間を時刻t3とするようにしてもよい。
そして、アーク発生直後である時刻t2では、ワイヤ送給速度WSがワイヤ送給速度WS2から基本ワイヤ送給速度WS1に加速し始めた低速状態にある。そのためピーク電流IPを必要以上に高くしなくても、ワイヤを燃え上がらせてアーク長を確保することができる。従って、微小短絡を抑制することができる。
アーク期間のうち時刻t3から時刻t4までの間は、溶接電圧を定電圧制御する。定電圧制御の基本電圧である基本溶接電圧VPを出力できるように溶接電流Iが出力される。定電圧制御を行うことによりアーク長が維持できる。従って、微小短絡が発生し難いアーク状態を維持することができる。
アーク期間のうち時刻t4から時刻t5までの間は、電流制御を行い、溶接電流Iを、ベース電流IBに向けて低減させる。ベース電流IBは、微小短絡が発生しても大粒のスパッタが発生し難い電流値である100A以下である。なお、時刻t4から時刻t5にかけて溶接電流Iの低減は所定の傾きで行う。このように、アーク開始時から所定時間後に溶接電流Iがベース電流IBとなるように所定の傾きをもって減少させることにより、アーク状態の急激な変化を緩和することができる。
アーク期間のうち時刻t5から時刻t6までの間は、定電流制御を行ってベース電流IBの状態を保ち、次の短絡発生の時刻である時刻t6を待つ状態とする。このように溶接電流Iをベース電流IBの状態に保つことで、短絡が発生し易い状態を確保することと、微小短絡が発生したとしても溶接電流Iが低いため大粒スパッタが発生し難いという効果がある。
従来技術のアーク溶接制御方法は、上記した短絡期間とアーク期間のサイクルを繰り返すものであり、例えば特許文献1などがある。
特開2007−216268号公報
従来のアーク溶接制御方法では、アーク期間のうち時刻t2から時刻t3までの間において、アーク発生初期時刻である時刻t2から電流制御を行って、溶接電流Iを、所定の傾きで、200A以上のピーク電流IPまで上昇させる。従来の溶接装置は、ワイヤ材質、使用ガス、ワイヤ径といった組合せに応じたピーク電流が溶接装置内部に記憶されており、ワイヤ材質、使用ガス、ワイヤ径等に基づいて決定されたピーク電流を出力する。
しかしながら、亜鉛メッキ鋼板の溶接では、蒸気亜鉛を放出させ易くするための適正なピーク電流が必要となる。ピーク電流は、高ければ高いほど蒸気亜鉛を放出させ易くなる。しかし、継手形状によっては、ピーク電流が高いことにより、孔開きが発生する場合がある。蒸気亜鉛の放出と被溶接物の孔開きの抑制を、種々の継手形状に対して、両立させることができなかった。
そこで、継手形状に適したピーク電流が必要とされるが、従来のような、溶接装置内部に記憶された一つのピーク電流では対応できない。すなわち、従来は、継手形状を考慮してピーク電流が決定されていなかった。そのため、継手形状が異なった被溶接物に対して、例えば、設定電流が同じであれば、ピーク電流が同じ値となっていた。
なお、蒸気亜鉛がうまく放出できないと、蒸気亜鉛は、溶融プール内を浮上して溶融プール表面から放出される。そのため、蒸気亜鉛の放出の際に噴出した溶融金属が、そのままスパッタとして外部に飛散する。あるいは、蒸気亜鉛の放出の際に噴出した溶融金属が、溶接ワイヤと短絡して電気エネルギーによりスパッタとして飛散する。これらにより、スパッタが異常に多量発生していた。
上記課題を解決するために、本発明のアーク溶接装置は、ワイヤと被溶接物とが短絡する短絡期間と、ワイヤと被溶接物との間にアークが発生するアーク期間とを交互に繰り返すアーク溶接装置である。このアーク溶接装置は、溶接出力部と、継手形状設定部と、記憶部と、波形パラメータ決定部とを有する。溶接出力部は、溶接出力を行い、継手形状設定部は、継手形状を設定する。記憶部は、継手形状と波形パラメータとの複数の組合せを記憶する。波形パラメータ決定部は、継手形状設定部により設定された継手形状および複数の組合せに基づいて、波形パラメータを決定する。溶接出力部は、波形パラメータ決定部で決定された波形パラメータに基づいて溶接出力を行う。
また、本発明のアーク溶接制御方法は、ワイヤと被溶接物とが短絡する短絡期間と、ワイヤと被溶接物との間にアークが発生するアーク期間とを交互に繰り返すアーク溶接制御方法である。このアーク溶接制御方法は、継手形状を設定するステップと、継手形状に基づいて波形パラメータを決定するステップと、波形パラメータに基づいて溶接出力を制御するステップとを有する。
本発明によれば、亜鉛メッキ鋼板などの表面処理が行われた被溶接物を溶接用のワイヤを用いて溶接する場合に、継手形状に応じて適切なピーク電流を出力できる。これにより、被溶接物への孔開き(溶け落ち)がなく、かつ、被溶接物のルート部が露出するように溶融プールを押すことで被溶接物から発生した気体が露出部から抜ける。これにより、ブローホールやピットの発生およびスパッタの発生を抑制できる。
図1は、本発明の実施の形態におけるアーク溶接装置の概略構成を示す図である。 図2は、本発明の実施の形態におけるワイヤ送給速度(正弦波状)と溶接電圧と溶接電流の波形を示す図である。 図3Aは、本発明の実施の形態における短絡状態の、溶接線方向に平行な断面を示す図である。 図3Bは、本発明の実施の形態における短絡開放直後のピーク電流期間TPの開始時の状態の、溶接線方向に平行な断面を示す図である。 図3Cは、本発明の実施の形態におけるピーク電流期間TPの終了時の状態の、溶接線方向に平行な断面を示す図である。 図4Aは、本発明の実施の形態における重ねすみ肉の溶接状態と溶接電流を示す図である。 図4Bは、本発明の実施の形態における水平すみ肉の溶接状態と溶接電流を示す図である。 図4Cは、本発明の実施の形態における水平すみ肉の溶接状態と溶接電流を示す図である。 図5は、本発明の実施の形態における継手形状の違いによるピーク電流の適用範囲を示す図である。 図6は、本発明の実施の形態における亜鉛メッキ鋼板を溶接する前の断面を示す図である。 図7は、本発明の実施の形態における亜鉛メッキ鋼板を溶接した場合のビード断面を示す図である。 図8は、本発明の実施の形態におけるワイヤ送給速度(台形波状)と溶接電圧と溶接電流の波形を示す図である。 図9は、本発明の実施の形態におけるワイヤ送給速度と溶接電圧と溶接電流の波形を示す図である。 図10は、従来のアーク溶接性制御方法により亜鉛メッキ鋼板を溶接した場合の溶接ビード断面を示す図である。 図11は、従来のアーク溶接制御方法に関する溶接電流Iと、溶接電圧Vと、ワイヤ送給速度WSと、モータON/OFF切換信号Nと、モータ極性切換信号Kの時間変化を示す図である。
以下、本発明の実施の形態における消耗電極式のアーク溶接装置とアーク溶接制御方法について、図1から図9を用いて説明する。
(実施の形態)
図1に、本実施の形態におけるアーク溶接装置の概略構成を示す。図1において、溶接電源装置16は、1次整流部2と、スイッチング部3と、トランス4と、2次整流部5と、リアクタ6と、駆動部7と、溶接電圧検出部8と、溶接電流検出部9と、短絡/アーク検出部10と、短絡制御部11と、アーク制御部12と、ワイヤ送給速度制御部13と、波形パラメータ決定部14と、波形パラメータ記憶部15とを有する。1次整流部2は、入力電源1の出力を整流する。スイッチング部3は、1次整流部2の出力を制御することで溶接出力を制御する。トランス4は、スイッチング部3からの電力を変換する。2次整流部5は、トランス4の2次側出力を整流する。リアクタ6は、2次整流部5に直列に接続されている。駆動部7は、スイッチング部3を駆動する。溶接電圧検出部8は、溶接電圧を検出する。溶接電流検出部9は、溶接電流を検出する。短絡/アーク検出部10は、溶接電圧検出部8の出力と溶接電流検出部9の出力とのいずれか1つまたは両方に基づいて、溶接状態が短絡状態であるのかアーク状態であるのかを判定する。短絡制御部11は、短絡期間中に駆動部7を制御する。アーク制御部12は、アーク期間中に駆動部7を制御する。波形パラメータ記憶部15は、溶接条件や、継手形状毎の波形パラメータを記憶する。波形パラメータ決定部14は、溶接条件や、継手形状毎に応じた波形パラメータを決定する。ワイヤ送給速度制御部13は、波形パラメータ決定部14から出力されたワイヤ送給速度に基づいて溶接ワイヤの送給を制御する。
溶接電源装置16において、短絡制御部11は、短絡/アーク検出部10から溶接状態が短絡状態であることを示す信号を受けると、短絡を開放させるように、短絡電流を制御する。アーク制御部12は、短絡/アーク検出部10から溶接状態がアーク状態であることを示す信号を受けると、ピーク電流IPを始めとするアーク期間中の溶接波形パラメータを出力する。なお、ピーク電流IPは、短絡開放後の最大溶接電流値である。
また、ロボット20の動作を制御するロボット制御装置19は、溶接条件設定部17と、継手形状設定部18とを有する。溶接条件設定部17は、溶接条件を設定する。継手形状設定部18は、重ね継手である重ねすみ肉や、T継手である水平すみ肉といった、継手形状を設定する。そして、ロボット制御装置19は、溶接電源装置16と通信可能に接続されている。
波形パラメータ決定部14において、溶接条件設定部17で設定された設定溶接電流と、継手形状設定部18で設定された設定継手形状に基づいて、波形パラメータが決定される。波形パラメータ決定部14で決定された波形パラメータは、短絡制御部11と、アーク制御部12と、ワイヤ送給速度制御部13に出力される。波形パラメータが入力されたワイヤ送給速度制御部13は、ワイヤ送給速度Wfの制御信号をロボット20に出力する。
なお、例えば、作業者が、溶接条件設定部17を操作して設定溶接電流を設定し、継手形状設定部18を操作して設定継手形状を設定する。また、波形パラメータとは、例えば、周期的な変化をするワイヤ送給速度の所定の周期および所定の振幅のパラメータや、ピーク電流やベース電流といった溶接電流のパラメータ等である。また、波形パラメータ記憶部15には、設定溶接電流と、設定継手形状と、波形パラメータとを対応付けした、複数の組合せパターンが記憶されている。
アーク制御部12は、波形パラメータ決定部14からピーク電流IPを含む波形パラメータが入力され、ピーク電流IPを始めとするアーク期間中のパラメータを駆動部7に出力することで溶接出力を制御する。なお、ロボット20には、チップ24を有する溶接用のトーチ22が取り付けられている。そして、送給ローラを有するワイヤ送給部23は、ワイヤ送給速度制御部13からのワイヤ送給速度Wfの制御信号に基づいて、溶接ワイヤ21の送給を制御する。なお、溶接ワイヤ21は、ワイヤ保存部25に収納されている。
図2は、短絡状態とアーク状態とを交互に繰り返す消耗電極式のアーク溶接における、ワイヤ送給速度と、溶接電流と、溶接電圧の時間変化の波形を示している。
先ず、図2において、ワイヤ送給制御について説明する。
図2では、ワイヤ送給速度Wfは、所定の一定の基準速度Wf1と、所定の周期WF(所定の周波数)と所定の速度振幅WVとを有する。ワイヤ送給は、ワイヤ送給速度Wfを基本波形とした正弦波状に、正送と逆送とを周期的に繰り返すように制御されている。そして、ワイヤ送給速度Wfは、正送側のピーク時では正送ピーク速度Wf2となり、時点P1の周辺で短絡が発生する。ワイヤ送給速度Wfは、逆送側のピーク時では逆送ピーク速度Wf3となり、時点P2の周辺でアークが発生する。また、時点P2の後の正送のピーク時である時点P3の周辺で次の短絡が発生する。
時点P1から時点P3までを制御の1周期とし、これを繰り返して溶接を行う。このように、短絡状態またはアーク状態の発生は、基本的に、ワイヤ送給速度の正送と逆送を周期的に繰り返すワイヤ送給制御に依存する。
次に、図2において、溶接制御について説明する。
時点P1は、短絡を開始した時点を示している。時点P1から所定期間の間、溶接電流は、短絡初期電流SAで出力された後、短絡電流の第1段目の増加傾きdi/dtで増加される。続けて、溶接電流は、短絡電流の第1段目の増加傾きdi/dtよりも傾きが緩やかな、短絡電流の第2段目の増加傾きdi/dtで増加される。
その後、時点P2の手前の時点において、短絡の開放が近づくと、被溶接物26に形成された溶融プールと溶接ワイヤ21の先端との間に溶滴のくびれが形成される。この溶滴のくびれを検出すると、溶接電流を、溶滴のくびれを検出した時点の電流よりも低電流である、くびれ電流NAに瞬時に低下させる。くびれ電流NAに低下させる直前は、溶接電流は、短絡ピーク電流IAとなっている。
時点P2は、溶滴のくびれが離れて短絡が開放し、短絡状態が終了してアーク状態が発生した時点を示している。時点P2からのアーク期間において、溶接電流は、短絡開放直後(アーク発生直後)にピーク電流IPでピーク電流期間TPの間出力される。その後、溶接電流は、ピーク電流IPからベース電流IBへ向けて低下する。その後に、溶接電流は、ベース電流IBに達し、次の短絡状態になるまでベース電流IBを維持する。
時点P3は、時点P1の次の短絡が発生した時点を示しており、時点P1の時点と同様の状態である。
ここで、亜鉛メッキ鋼板の溶接に関し、蒸気亜鉛を放出させるためのメカニズムについて説明する。
図3A〜3Cは、溶接線方向に対して平行方向の断面図を示す。図3Aは短絡状態を示しており、図3Bは短絡開放直後のピーク電流期間TPの開始時の状態を示しており、図3Cはピーク電流期間TPの終了時の状態を示している。
図3Aの短絡状態では、被溶接物26のルート部32が、溶融金属33で覆われている。しかし、図3Bの短絡開放直後のピーク電流期間TPの開始時の状態では、被溶接物26のルート部32の溶融金属33をアーク34が押し始める。そして、図3Cのピーク電流期間TPの終了時の状態では、被溶接物26のルート部32の溶融金属33をアーク34により完全に押し出したことを表している。
このように、アーク34の直下において、被溶接物26のルート部32にある溶融金属33がアーク34のアーク力により押し出され、ルート部32が露出する。これにより、被溶接物26である上板と下板との重ね部分である、図6に示す亜鉛メッキ気化部31から、蒸気亜鉛30を外部に放出し易くなるというメカニズムである。
このメカニズムを実現するためには、被溶接物26のルート部32の溶融金属33を押し出し易いように、CO2溶接のようなアークの集中性が高いガスを使用することが望ましい。また、トーチ22の姿勢を後退角にすると、溶接進行方向の反対方向に溶融金属33を押すことができ、更に蒸気亜鉛30の放出効果を発揮できる。
なお、アーク34のアーク力により、図3Cや図6に示すルート部32が完全に露出している場合には、蒸気亜鉛30は、スパッタの発生等がなく、容易に放出される。また、ルート部32を覆う溶融金属33の厚さが約0.5mm程度以下の薄い状態であれば、蒸気亜鉛30の放出を阻害することはない。これにより、被溶接物26のルート部32は、亜鉛の体積膨張による放出により容易に露出され、蒸気亜鉛30が容易に外部に放出される。すなわち、被溶接物26である上板や下板から発生した蒸気亜鉛30が、体積膨張により被溶接物26のルート部32を覆っている溶融部29や溶融金属33を突き破って抜けることが可能な厚さとなるように、アーク34のアーク力により溶融金属33を押しても良い。
なお、ルート部32とは、図3A〜3Cや図6に示すように、被溶接物26である上板と下板とが重なる部分の端であり、被溶接物26の溶接方向の長さと同じ長さである。図6では、ルート部32は、紙面に対して鉛直方向に延びている。
以上のように、蒸気亜鉛30が規則的に適切に放出されるように、溶接電流を制御して、アーク34のアーク力を制御することで、スパッタの発生を大幅に抑制できる。
このようなメカニズムを規則的に安定させるには、正送と逆送を繰り返すようにワイヤ送給を制御することが望ましい。ワイヤ送給の正送と逆送を繰り返すことで、短絡状態とアーク状態を規則的に発生させることができると共に、短絡解放直後のアーク長を瞬時に長くできる。短絡開放直後のアーク長を長くすることで、微小短絡の発生を抑制できるとともに、アーク34のアーク力によって溶融金属33を広範囲に押すことができる。
ここで、従来技術では、継手形状によっては、ピーク電流IPが適正でない場合がある。この場合、溶融金属33中に蒸気亜鉛30が滞留し、ブローホール28(もしくは、ピット)を発生させてしまう。また、蒸気亜鉛30が溶融金属33から勢いよく放出される時に、飛散した溶融金属33が溶接ワイヤ21に短絡することで、スパッタの発生を増加させてしまう。
次に、亜鉛メッキ鋼板の溶接において、継手形状毎に適正なピーク電流IPを使い分ける必要性について、図4A〜4Cを用いて説明する。なお、図4A〜4Cは溶接方向に対して垂直な断面図である。図4Aは、重ねすみ肉の溶接が良好に行われている状態を示している。図4Bは、水平すみ肉の溶接が良好ではなく、孔開きが発生している状態を示している。図4Cは、水平すみ肉の溶接が良好に行われている状態を示している。
図4Aに示すように、継手形状が重ねすみ肉の場合、アーク34は広がりやすい。そのため、ピーク電流IPは400A以上とすることが望ましい。ピーク電流IPを400A以上とすることで、アーク34の直下において、被溶接物26のルート部32にある溶融金属33がアーク34のアーク力により押し出され、ルート部32が溶融金属33から露出する。ルート部32が露出することで、上板と下板との重ね部分である亜鉛メッキ気化部31から蒸気亜鉛30を外部に放出しやすくなる。
図4Bに示すように、継手形状が水平すみ肉の場合、ピーク電流IPを、重ねすみ肉と同じ400A以上にすると、アーク34が集中し易くなる。そのため、特に上板側に対してがアーク34のアーク力が強すぎて、上板に裏なみが発生する。そして、最悪の場合には、上板に孔開き(溶け落ち)が発生してしまう。従って、水平すみ肉の場合、ピーク電流IPは、400A未満にすることが望ましい。
図4Cも水平すみ肉の例を示しているが、図4Cのように、ピーク電流IPを400A未満にすることで、上板の孔開きが発生しない。そして、アーク34の直下の被溶接物26のルート部32において、溶融金属33が押し出され、ルート部32を露出させることができる。そして、上板と下板との重ね部分である亜鉛メッキ気化部31(図6参照)から、蒸気亜鉛30を外部に放出しやすくできる。
図5に、継手形状とピーク電流IPに関する溶接結果を示す。なお、図5では、ピーク電流IPを50A刻みで表している。また、図5に示す溶接結果は、一例として、板厚が2.3mmの亜鉛メッキ鋼板に対してCO2溶接を行った場合の例である。
図5より、水平すみ肉(T継手)においては、ピーク電流IPは、250Aから350Aまでが適正範囲であり、300Aが最適である。なお、ピーク電流IPが250Aを下回る場合は、被溶接物26のルート部32において溶融金属33を押し出すことが困難になり、気孔28が発生してしまう。逆に、ピーク電流IPが400Aを上回る場合は、上板が溶け落ちて孔開きが発生してしまう。なお、ピーク電流IPが400Aを上回り、上板の板厚が厚い場合は、上板の溶け落ちは発生しなくなるが、外観不良となる。また、図5では示していないが、ピーク電流IPが380Aの場合も、良好な溶接を行うことができた。以上から、水平すみ肉(T継手)においては、ピーク電流IPは250A以上400A未満で良好な溶接が行える。
また、図5より、重ねすみ肉(重ね継手)においては、ピーク電流IPは、400Aから500Aまでが適正範囲であり、450Aが最適である。なお、ピーク電流IPが400Aを下回る場合は、被溶接物26のルート部32において溶融金属33を押し出すことが困難になり、気孔28が発生してしまう。逆に、ピーク電流IPが500Aを上回る場合は、溶融プールが掘れ込みすぎるためビードが凸形状になり、ビード外観不良が発生してしまう。以上から、重ねすみ肉(重ね継手)においては、ピーク電流IPは400A以上500A以下で良好な溶接が行える。
以上のように、継手形状に応じて、ピーク電流IPを適正な値に設定する必要がある。なお、上述の適正範囲は、実際に実験等により導き出した数値である。
本実施の形態のアーク溶接装置において、継手形状に応じた適正なピーク電流IPを設定するには、継手形状毎に適正なピーク電流IPを含む波形パラメータを、溶接電源装置16の波形パラメータ記憶部15内に記憶しておく。そして、ロボット制御装置19内にある溶接条件設定部17で設定した設定内容と継手形状設定部18で設定した設定内容に基づいて、継手形状毎の適正なピーク電流IPを決定して出力することが必要である。
継手形状毎の適正なピーク電流IPにより溶接を行うことで、被溶接物26のルート部32を露出することが可能となる。ちなみに、ピーク電流期間TPを継手形状毎に適正な時間に調整する方法も考えられる。しかし、ピーク電流期間TPの調整では、継手形状全てに対応することができないことが、発明者らによる実験等からわかっている。
例えば、水平すみ肉の継手形状で、ピーク電流IPを適正範囲よりも高い450Aとし、ピーク電流期間TPをデフォルトより短くしたとする。ピーク電流IPの450Aで与える強いアーク力の時間を短くする方法では、上板の孔開き(溶け落ち)が軽減するが、ゼロになることはなく、効果が薄い。
また、重ねすみ肉の継手形状で、ピーク電流IPを適正範囲よりも低い300Aとし、ピーク電流期間TPをデフォルトより長くしたとする。ピーク電流IPの300Aで与える弱いアーク力の時間を長くする方法では、被溶接物26のルート部32において溶融金属33が押し出され難く、ルート部32を露出させることができない。従って、気孔28が発生し易くなる。
よって、適正なピーク電流IPを出力することが重要である。
なお、本実施の形態では、設定溶接電流と継手形状に基づいてピーク電流IPを決定する例を示した。しかし、設定溶接電流はワイヤ送給速度やワイヤ送給量と比例の関係にある。そこで、設定溶接電流に替えて、ワイヤ送給速度やワイヤ送給量に基づいてピーク電流IPにまつわるパラメータなどを決定するようにしても、同様の効果を得ることができる。
また、上記では、ワイヤ送給速度が図2に示すように正弦波状に制御する場合の例を説明した。しかし、図8に示すように、ワイヤ送給速度が台形波状に制御する場合でも同様の効果を得ることができる。
また、図2や図8に示すような周期的な送給制御ではなく、図9に示すように、溶接状態に応じて送給制御を行うようにしても、同様の効果を得ることができる。すなわち、溶接状態が短絡状態であることを検出すると逆送を行い、溶接状態がアーク状態であることを検出すると正送を行うように、ワイヤ送給を制御しても、同様の効果を得ることができる。
また、時点P2の手前において、短絡の開放が近づくに伴って溶接対象物に形成された溶融プールと溶接ワイヤの先端との間に出来た溶滴のくびれを検出する。そして、上記では、溶滴のくびれを検出すると、溶接電流をくびれ検出した時点の電流よりも低いくびれ電流NAに瞬時に移行させる、くびれ制御を行う。しかし、くびれ制御を行わない場合でも、本実施の形態の溶接制御を行うことで、スパッタやブローホールに対する亜鉛メッキの影響を低減させる効果は大きい。
本発明によれば、亜鉛メッキ鋼板等の表面処理が行われた被溶接物を溶接用のワイヤを用いて溶接する場合に、アーク期間において継手形状に対応したピーク電流を出力する。これにより、被溶接物の孔開き(溶け落ち)がなく、また、被溶接物のルート部が露出するように溶融プールを押すことで、被溶接物から発生した気体が露出部から抜ける。このため、ブローホール等の発生およびスパッタの発生を著しく抑制することができる。亜鉛メッキ鋼板等のように、表面処理が行われており溶接時に気体が発生する被溶接物に対して溶接を行うアーク溶接装置およびアーク溶接制御方法として産業上有用である。
1 入力電源
2 1次整流部
3 スイッチング部
4 トランス
5 2次整流部
6 リアクタ
7 駆動部
8 溶接電圧検出部
9 溶接電流検出部
10 短絡/アーク検出部
11 短絡制御部
12 アーク制御部
13 ワイヤ送給速度制御部
14 波形パラメータ決定部
15 波形パラメータ記憶部
16 溶接電源装置
17 溶接条件設定部
18 継手形状設定部
19 ロボット制御装置
20 ロボット
21 溶接ワイヤ
22 トーチ
23 ワイヤ送給部
24 チップ
25 ワイヤ保存部
26 被溶接物
27 亜鉛メッキ
28 気孔
29 溶融部
30 蒸気亜鉛
31 亜鉛メッキ気化部
32 ルート部
33 溶融金属
34 アーク
35 溶接ビード

Claims (10)

  1. ワイヤと被溶接物とが短絡する短絡期間と、前記ワイヤと前記被溶接物との間にアークが発生するアーク期間とを交互に繰り返すアーク溶接装置であって、
    溶接出力を行う溶接出力部と、
    継手形状を設定するための継手形状設定部と、
    前記継手形状と波形パラメータとの複数の組合せを記憶する記憶部と、
    前記継手形状設定部により設定された前記継手形状および前記複数の組合せに基づいて、前記波形パラメータを決定する波形パラメータ決定部とを備え、
    前記溶接出力部は、前記波形パラメータ決定部で決定された前記波形パラメータに基づいて溶接出力を行うアーク溶接装置。
  2. 前記記憶部に記憶される前記継手形状は、T継手と重ね継手とを含み、
    前記記憶部に記憶される前記波形パラメータは、短絡開放後の最大溶接電流値を含み、
    前記継手形状設定部により前記T継手が設定された場合に決定される前記短絡解放後の最大溶接電流値は、250A以上400A未満であり、
    前記継手形状設定部により前記重ね継手が設定された場合に決定される前記短絡解放後の最大溶接電流値は、400A以上500A以下である請求項1記載のアーク溶接装置。
  3. 前記ワイヤの送給速度を、所定の周期と所定の振幅で周期的に変化させる請求項1または2記載のアーク溶接装置。
  4. 前記被溶接物は、表面処理が行われた鋼板である請求項1から3のいずれか1項に記載のアーク溶接装置。
  5. 前記被溶接物は、亜鉛メッキ鋼板である請求項4記載のアーク溶接装置。
  6. ワイヤと被溶接物とが短絡する短絡期間と、前記ワイヤと前記被溶接物との間にアークが発生するアーク期間とを交互に繰り返すアーク溶接制御方法であって、
    継手形状を設定するステップと、
    前記継手形状に基づいて波形パラメータを決定するステップと、
    前記波形パラメータに基づいて溶接出力を制御するステップと、
    を備えたアーク溶接制御方法。
  7. 前記継手形状は、T継手または重ね継手であり、
    前記波形パラメータは、短絡開放後の最大溶接電流値を含み、
    前記継手形状がT継手である場合は、前記短絡解放後の最大溶接電流値は、250A以上400A未満であり、
    前記継手形状が重ね継手である場合は、前記短絡解放後の最大溶接電流値は、400A以上500A以下である請求項6記載のアーク溶接制御方法。
  8. 前記ワイヤの送給速度を、所定の周期と所定の振幅で周期的に変化させる請求項6または7記載のアーク溶接制御方法。
  9. 前記被溶接物は、表面処理が行われた鋼板である請求項6から8のいずれか1項に記載のアーク溶接制御方法。
  10. 前記被溶接物は、亜鉛メッキ鋼板である請求項9記載のアーク溶接制御方法。
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