JP4211793B2 - アーク溶接制御方法およびアーク溶接装置 - Google Patents

アーク溶接制御方法およびアーク溶接装置 Download PDF

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Description

本発明は、消耗電極である溶接ワイヤを連続的に送給しながら短絡溶接を行うアーク溶接制御方法およびアーク溶接装置に関するものである。
図9は、従来技術の、短絡を伴うアーク溶接の溶接ワイヤ送給制御方法を示す出力波形図である。同図(A)は溶接電圧Vwの、同図(B)は溶接電流Iwの、同図(C)は送給速度設定信号Frの、同図(D)はワイヤ先端の送給速度Fsの時間変化を示す。以下、同図を参照して説明する。
時刻t1〜t2の短絡期間Ts中は、短絡期間が予め定めた長期短絡判別時間Tt以下であるので、同図(C)に示すように、送給速度設定信号Frは前進送給速度設定値Ffrのままであり、同図(D)に示すように、送給速度Fsは前進送給速度Ffsで送給される。続く時刻t2〜t3のアーク期間Ta中は、同図(C)に示すように、上記の前進送給速度設定値Ffrのままであり、同図(D)に示すように、送給速度Fsは上記の前進送給速度Ffsで送給される。すなわち、通常短絡時は一定値の前進送給を維持する。
時刻t3において短絡が発生し長期短絡判別時間Ttを経過する時刻t4までは、同図(C)に示すように、送給速度設定信号Frは前進送給速度設定値Ffrのままであり、同図(D)に示すように、送給速度Fsは前進送給速度Ffsのままである。時刻t4において上記の長期短絡判別時間Ttを経過すると、同図(C)に示すように、送給速度設定信号Frは後退送給速度設定値Frrに切り換わり、同図(D)に示すように、送給速度Fsは慣性によるスロープで減速する。同時に、同図(B)に示すように、時刻t4から溶接電流Iwを低い値に減少させる。
同図(D)に示すように、送給速度Fsは、減速して一旦0となり、その後に後退送給されて、時刻t5においてワイヤ先端が母材から離れて短絡が解除されてアークが再発生する。このアーク再発生時の電流値は、同図(B)に示すように、低い値であるのでスパッタはほとんど発生せず、アーク力も弱いので再短絡も発生しない。したがって、良好な長期短絡の解除を行うことができる。時刻t5においてアークが再発生すると、同図(C)に示すように、送給速度設定信号Ffrは前進送給速度設定値Ffrに切り換わり、同図(D)に示すように、送給速度Fsは後退送給から減速、停止及び反転を経て前進送給速度Ffsで送給される。同時に、同図(B)に示すように、溶接電流Iwは、溶接電源装置の定電圧特性とアーク負荷とによって定まる前進送給速度Ffsに応じた値へと増加する。
上述したように、短絡を伴うアーク溶接において、通常短絡時及び長期短絡時に良好な溶滴移行を行うことができ、かつ、アーク切れ、スパッタ及び再短絡の発生しない良好な短絡解除を行うことができる送給制御を目的としており、短絡が発生した時点から予め定めた長期短絡判別時間が経過するまでは前記前進送給を継続すると共に溶接電流を増加させ、前記長期短絡判別時間が経過した後は前記後退送給に切り換えると共に前記溶接電流を減少させ、前記後退送給によってワイヤ先端が母材から離れてアークが再発生すると前記前進送給に再び切り換えると共に前記溶接電流を前記前進送給の送給速度に応じた値に増加させることを特徴とする短絡を伴うアーク溶接の送給制御方法であった(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−298924号公報
上述した従来の送給制御方法においては、図9に示すように、短絡発生時t3から予め定めた長期短絡判別時間Ttが経過した場合には溶接電流Iwを減少させ、後退送給によってワイヤ先端が母材から離れてアークが再発生(t5)するようなアーク状態の場合には、短絡期間が非常に長くなる。そして、長期短絡判別時間Ttが経過しない通常の場合の短い短絡期間とは異なる短絡期間が2つ存在することになる。そして、ワイヤ送給の前進送給によるアーク発生時と、後退送給によるアーク発生時とのアーク発生状態が異なるため、規則的な安定したアーク状態を確保することが難しいと考えられる。
また、CO2溶接では、特にアーク期間のアーク発生時直後と短絡発生時直前に再短絡(以降、微小短絡と表現する)によるスパッタが発生しやすい傾向がある。上述した従来の溶接ワイヤ送給制御方法では、アーク発生時直後については考慮されているが、短絡発生時直前については考慮されていない。
上記課題を解決するために、本発明のアーク溶接制御方法は、溶接ワイヤを自動送給しながら短絡とアークを交互に繰り返して短絡溶接を行うアーク溶接制御方法であって、短絡発生時からアーク発生時までの短絡期間は、ワイヤ送給速度を基本ワイヤ送給速度より低いワイヤ送給速度に減速し、アーク発生時から次の短絡発生時までのアーク期間は、ワイヤ送給速度を加速させて前記基本ワイヤ送給速度に戻し、アーク期間においてアーク発生時から第1の所定時間までは電流制御を行って所定ピーク電流となるまで溶接電流を増加し、または、所定ピーク電流となるまで溶接電流を増加してその後前記所定ピーク電流を所定期間維持し、前記第1の所定時間から第2の所定時間までは定電圧制御を行ってこれに基づく溶接電流を出力し、前記第2の所定時間後は電流制御を行って溶接電流が前記所定ピーク電流よりも低い所定のベース電流となるように減少してその後アーク期間終了まで前記所定のベース電流を維持するものである。
また、本発明のアーク溶接制御方法は、短絡発生時からアーク発生時までの短絡期間はワイヤ送給を停止させ、アーク発生時から次の短絡発生時までのアーク期間はワイヤ送給を加速させて基本ワイヤ送給速度に戻すものである。
また、本発明のアーク溶接制御方法は、短絡発生時からアーク発生時までの短絡期間はワイヤ送給を後退送給させ、アーク発生時から次の短絡発生時までのアーク期間はワイヤ送給を前進送給させて基本ワイヤ送給速度に戻すものである。
また、本発明のアーク溶接制御方法は、アーク発生時から次の短絡発生時までのアーク期間において、ワイヤ送給速度を基本ワイヤ送給速度になるようにアーク発生時から所定の遅延時間後に加速及び前進送給を開始するものである。
また、本発明のアーク溶接制御方法は、アーク発生時から次の短絡発生時までのアーク期間において、アーク発生時から所定時間後に溶接電流が所定のベース電流になるように所定の傾きをもって溶接電流を減少するものである。
また、本発明のアーク溶接制御方法は、短絡期間においてワイヤ送給速度を基本ワイヤ送給速度よりも低い一定速度としたことによる前記基本ワイヤ送給速度で送給した場合に比べて不足したワイヤ送給量を積算し、アーク発生後のアーク期間においてアーク発生時に加速して前進送給するワイヤ送給速度を基本ワイヤ送給速度よりも所定速度高い一定ワイヤ送給速度とし、この送給速度の期間のワイヤ送給量の積算を行い、前記短絡期間において不足したワイヤ送給量と同量の送給量となった時点で前記基本ワイヤ送給速度となるようにワイヤ送給速度を減速するものである。
また、本発明のアーク溶接制御方法は、短絡期間においてワイヤ送給速度を基本ワイヤ送給速度よりも低い一定速度としたことによる前記基本ワイヤ送給速度で送給した場合に比べて不足したワイヤ送給量と、一つ前のアーク期間または数短絡周期中のアーク期間の平均時間とから、前記短絡期間に不足したワイヤ送給量を補うためのアーク期間中の前記基本ワイヤ送給速度に対して増加させるワイヤ送給速度を算出し、この算出したワイヤ送給速度と前記基本ワイヤ送給速度とを加えた一定のワイヤ送給速度にてアーク期間の溶接を行うものである。
また、本発明のアーク溶接装置は、消耗電極である溶接ワイヤと被溶接物との間でアークの発生と短絡とを繰り返して溶接を行うアーク溶接装置であって、前記溶接ワイヤを送給するためのワイヤ送給モータと、溶接出力を制御するスイッチング素子と、溶接電圧を検出する溶接電圧検出部と、前記溶接電圧検出部の出力に基づいて短絡状態であるのかアーク状態であるのかを検出する短絡/アーク検出部と、短絡状態であるときの溶接出力制御信号を出力する短絡制御部と、アーク状態であるときの溶接出力制御信号を出力するアーク制御部と、前記短絡制御部または前記アーク制御部からの信号に基づいて前記スイッチング素子を制御する駆動部と、前記短絡/アーク検出部からの信号に基づいて前記ワイヤ送給モータを制御するワイヤ送給モータ制御部とを備え、前記アーク制御部は、時間を計時する第1の計時部と、前記第1の計時部からの信号に基づいてアーク状態時に所定期間定電流制御を行う制御信号を出力するアーク定電流制御部と、前記第1の計時部からの信号に基づいてアーク状態時に所定期間定電圧制御を行う制御信号を出力するアーク定電圧制御部とを有し、前記ワイヤ送給モータ制御部は、ワイヤ送給速度を制御する信号を出力するワイヤ送給速度制御部と、時間を計時する第2の計時部と、前記ワイヤ送給モータのON/OFFを指示する信号を出力するモータON/OFF切換え制御部と、前記ワイヤ送給モータの回転方向を指示する信号を出力するモータ極性切換制御部とを有し、短絡発生時からアーク発生時までの短絡期間では、ワイヤ送給速度を基本ワイヤ送給速度より低いワイヤ送給速度とし、アーク発生時から次の短絡発生時までのアーク期間は、ワイヤ送給速度を加速させて前記基本ワイヤ送給速度に戻し、アーク発生時から第1の所定時間までは電流制御を行って所定ピーク電流となるまで溶接電流を増加し、または、所定ピーク電流となるまで溶接電流を増加してその後前記所定ピーク電流を所定期間維持し、前記第1の所定時間から第2の所定時間までは定電圧制御を行ってこれに基づく溶接電流を出力し、前記第2の所定時間後は電流制御を行って溶接電流が前記所定ピーク電流よりも低い所定のベース電流となるように減少してその後アーク期間終了まで前記所定のベース電流を維持するものであり、短絡発生時からアーク発生時までの短絡期間には、ワイヤ送給速度を基本ワイヤ送給速度よりも低い一定速度にし、アーク発生後のアーク期間には、前記短絡期間に前記基本ワイヤ送給速度よりも低い一定のワイヤ送給速度としたことによる前記短絡期間に前記基本ワイヤ送給速度で送給したとした場合のワイヤ送給量に対して不足したワイヤ送給量を補う送給量となるように、前記アーク期間のワイヤ送給速度を加速して基本ワイヤ送給速度より高い一定速度にして前進送給する。
以上のように、本発明によれば、短絡期間はワイヤ送給速度を減速あるいは停止あるいは後退送給させることにより短絡期間に送給される溶接ワイヤの送給量を減少させることができるので、ワイヤ送給速度を減速あるいは停止あるいは後退送給させない場合と比べて短い時間でワイヤを十分溶融させて短絡状態を開放してアークを発生させることができる。また、アーク発生後にワイヤ送給の減速あるいは停止あるいは後退送給状態から、溶接電流を所定ピーク電流とすることにより、安定してワイヤを燃え上がらせて溶滴を形成することができる。これらにより、アーク発生時直後の微小短絡が起こり難く、スパッタを少なくすることができる。
また、短絡が生じる前でありアーク発生時から所定時間後に溶接電流を所定のベース電流に減少させるので、短絡発生時直前に微小短絡が生じてもそのときの溶接電流が低いので大粒のスパッタが発生し難い。また、短絡発生をさせ易い短絡誘発効果もある。
以下、本発明の実施の形態について、図1から図8を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における短絡を伴うアーク溶接装置のアーク溶接制御方法を示す出力波形図である。
同図は、溶接電流I、溶接電圧V、ワイヤ送給速度WS、モータON/OFF切換信号N、モータ極性切換信号Kの時間変化を示す。以下に同図を用いて説明する。
図1に示す、時刻t1〜t2の短絡期間においては、短絡発生初期t1から電流制御にて溶接電流Iを所定の傾きで上昇させる。また、ワイヤ送給速度WSを基本ワイヤ送給速度WS1より低いワイヤ送給速度WS2に減速する。なお、短絡期間の終端直前、すなわち、時刻t2の直前においては、従来から知られているように、溶融した溶接ワイヤのくびれを検知して溶接電流Iを急峻に低減させるよう制御している。
時刻t2〜t3のアーク期間においては、アーク発生初期t2から電流制御により溶接電流Iを所定の傾きで上昇させ、溶接電流Iのピーク電流IPが200A以上となるまで上昇させる。また、ワイヤ送給速度WSをワイヤ送給速度WS2から基本ワイヤ送給速度WS1に加速する。ここで、例えば、CO2溶接時には、アーク集中性が良いために、溶接電流Iのピーク電流IPが高いほど溶融プールを押付けて掘れ込んでしまう傾向が高くなる。そして、最悪の場合には母材の溶け落ちが発生することもある。一方、ピーク電流IPが低すぎると微小短絡を生じてしまうこともありうる。従って、微小短絡を生じ難く、また、溶融プールを掘れ込まないように、ピーク電流IPを必要最低限の溶接電流Iにする必要がある。なお、ピーク電流IPの値は、実験等により溶接対象に適するような値とすればよい。また、溶接電流Iがピーク電流IPとなった後に所定時間このピーク電流IPを維持し、この維持する末端の時間を時刻t3とするようにしてもよい。
そして、アーク発生時直後は、ワイヤ送給速度WSがワイヤ送給速度WS2から基本ワイヤ送給速度WS1に加速し始めた低速状態にあるため、ピーク電流IPを必要以上に高くしなくてもアークを燃え上がらせてアーク長を確保することができるので、微小短絡を抑制することができる。
また、必要最低限のピーク電流IPを出力する必要があるため、電流制御とすることが重要である。その理由としては、定電圧制御とすると、基本溶接電圧VPを出力できるように電圧が制御され、その電圧に基づいて溶接電流Iが出力されるため、適正なピーク電流IPを出力できるとは限らないからである。そして、ピーク電流IPが低すぎると微小短絡を発生しやすくなり、また、ピーク電流IPが高いと溶融プールを掘ってしまうことになるので、適正なピーク電流IPを安定して出力するように電流制御とする必要がある。
時刻t3〜t4のアーク期間は、定電圧制御を行い、基本溶接電圧VPを出力できるように溶接電流Iが出力される。そして、定電圧制御を行うことによりアーク長を維持できるので、微小短絡が発生し難いアーク状態を維持することができる。 なお、定電圧制御を行わず、電流制御を行って所定の溶接電流Iを出力するようにすると、溶滴を成長させると共に適正なアーク長を安定して維持することが難しくなるので、定電圧制御にする必要がある。
時刻t4〜t5のアーク期間は、電流制御を行い、溶接電流Iを微小短絡しても大粒スパッタが発生しにくい電流値である100A以下のベース電流IBに低減させる。なお、時刻t4から時刻t5にかけて所定の傾きで移行する。このように、アーク開始時から所定時間後に溶接電流Iがベース電流IBとなるように所定の傾きをもって減少させることにより、アーク状態の急激な変化を緩和することができる。なお、ベース電流IBの値は、実験等により溶接対象に適するような値とすればよい。
時刻t5〜t6のアーク期間は、定電流制御にてベース電流IBの状態を保ち、次の短絡発生t6を待つ状態とする。このように溶接電流Iをベース電流IBの状態に保つことで、短絡が発生しやすい状態を確保することと、微小短絡が発生したとしても溶接電流Iが低いため大粒スパッタが発生しにくいという効果がある。
本実施の形態のアーク溶接制御方法は、上記した短絡期間とアーク期間のサイクルを繰り返すものである。
ちなみに、溶接ワイヤを送給するためのモータのON/OFFを切り換えるためのモータON/OFF切換信号Nは、図1に示すように随時ONであり、また、モータの極性を切り換えるためのモータ極性切換信号Kは、図1に示すように随時前進を示す信号である。
なお、図2に示すように、時刻t1〜t2の短絡期間のワイヤ送給速度WSを基本ワイヤ送給速度WS1よりも減速したワイヤ送給速度WS2に減速する際に、所定の傾きをもって移行させることも可能である。このように、ワイヤ送給速度WSの変化に所定の傾きをもたせることにより、ワイヤ送給速度WSの急激な変化を緩和することができる。
また、ワイヤ送給速度WSをワイヤ送給速度WS2から基本ワイヤ送給速度WS1まで加速する際にも、図3に示すように、所定の傾きをもって移行させることも可能である。このように、ワイヤ送給速度WSを定常溶接期間の基本ワイヤ送給速度WS1になるように所定の傾きをもって加速させることにより、アーク状態の急激な変化を緩和することができ、また、アーク発生時直後の微小短絡をさらに少なくすることができる。
さらに、ワイヤ送給速度WSをワイヤ送給速度WS2から基本ワイヤ送給速度WS1に加速する際に、図2に示すように、t2から所定の遅延時間t7に移行してから、すなわち、t2から所定の時間が経過した後に加速を開始することも可能である。このように、アーク発生時から所定の遅延時間が経過した後にワイア送給速度WSの加速を開始させることにより、アーク発生時直後の微小短絡をさらに少なくすることができる。その理由としては、アーク発生時直後はワイヤ送給速度WSがワイヤ送給速度WS2から基本ワイヤ送給速度WS1に加速し始めた低速状態にあり、さらにアーク発生時から所定の遅延時間を設けてワイヤ送給速度を低いレベルに保つことにより、短絡期間に送給される溶接ワイヤの送給量をアーク期間においても遅延時間の間維持することでこの間の溶接ワイヤの送給量を基本ワイヤ送給速度WS1で送給する場合と比べて減少させることができるので、ワイヤ送給速度WSが基本ワイヤ送給速度WS1である場合と比べて、ピーク電流IPを必要以上に高くしなくてもアークを燃え上がらせてアーク長を確保することができるので、微小短絡の発生を抑制することができる。
なお、以上のような溶接ワイヤの送給速度を加減速させる送給制御においては、図4や図5に示すのように、短絡期間にワイヤ送給速度WSを基本ワイヤ送給速度WS1からワイヤ送給速度WS2に減速させたことに関連し、アーク期間におけるワイヤ送給速度WSを基本ワイヤ送給速度WS1に対して増加方向にオフセットさせることが重要である。その理由としては、短絡回数の増減によってワイヤ送給量のバラツキが発生することを防止し、安定したワイヤ送給量を得るためである。
例えば、溶接電圧Vを下げることにより定電圧制御期間での溶接電流Iが下がり、これにより送給される溶接ワイヤの溶融量が減少するので短絡が早く起き易くなり、短絡回数が増えた場合、ワイヤ送給速度WSの加減速の頻度が増えることによりワイヤ送給量が不足する傾向となる。なお、この場合、溶接電圧Vを下げない場合と比べると、短絡期間はあまり変化がなくアーク期間が短くなる。そして、ワイヤ送給量が不足する傾向となることに伴い、溶接品質に悪影響を与えてしまう。そこで、このような状態を防止するための制御が必要となる。以下にその制御について説明する。
1つ目の制御方法としては、図4に示すように、時刻t1〜t2までの短絡期間に、ワイヤ送給速度WSを基本ワイヤ送給速度WS1からワイヤ送給速度WS2に減速してから、アーク発生と共にワイヤ送給速度をWS2から基本ワイヤ送給速度WS1に加速するまでに不足したワイヤ送給量(図におけるワイヤ送給量不足分)を、基本ワイヤ送給速度WS1とワイヤ送給速度WS2との差と、ワイヤ送給速度WS2とした時間と、溶接ワイヤ径とから算出しておく。そして、時刻t2〜t6までのアーク期間に基本ワイヤ送給速度WS1に対して上方(高速側)にオフセットしたワイヤ送給速度WS4により送給を行う。そして、ワイヤ送給速度WS4と基本ワイヤ送給速度WS1との差と、ワイヤ送給速度WSをワイヤ送給速度WS4としている時間と、溶接ワイヤ径とから、ワイヤ送給速度WSをワイヤ送給速度WS4としている期間の追加したワイヤ送給量をリアルタイムに算出する(図におけるワイヤ送給量補充分)。そして、短絡期間に不足したワイヤ送給量(ワイヤ送給量不足分)と、ワイヤ送給速度WS4の期間で追加したワイヤ送給量とが同値になった時点(t8)で、ワイヤ送給速度WSをワイヤ送給速度WS4から基本ワイヤ送給速度WS1に減速する方法がある。なお、ワイヤ送給速度WS4については、実験等により決定すればよい。また、例えば、基本ワイヤ送給速度WS1と減速時のワイヤ送給速度WS2との差以上の速度を基本ワイヤ送給速度WS1に加えたものをワイヤ送給速度WS4とするようにしても良い。
2つ目の制御方法としては、図5に示すように、一つ前の短絡周期のアーク期間t2〜t6、または、数短絡周期分のアーク期間t2〜t6の平均時間を算出しておき、このアーク期間(時間)と、短絡期間にワイヤ送給速度WSをワイヤ送給速度WS1からワイヤ送給速度WS2に減速してからアーク発生と共にワイヤ送給速度WSをワイヤ送給速度WS1に加速するまでに不足したワイヤ送給量の積算値(ワイヤ送給量不足分)と、溶接ワイヤ径とから、基本ワイヤ送給速度WS1へのオフセットに必要なワイヤ送給速度を算出し、この算出したワイヤ送給速度と基本ワイヤ送給速度WS1とからワイヤ送給速度WS5を求め、ワイヤ送給速度WSをワイヤ送給速度WS5に設定する方法がある。なお、短絡周期とは、短絡から次の短絡までの期間を意味する。
そして、上記した2つの制御方法により、短絡周期ごとのワイヤ送給量のバラツキを抑制することができる。
ここで、以上のようなアーク溶接制御を行うためのアーク溶接装置について、図6を用いて説明する。
図6において、1は入力電源、2は1次整流部、3はスイッチング素子、4はトランス、5は2次整流部、6はDCL、7は駆動部、8は溶接電圧検出部、9は溶接電流検出部、10は短絡/アーク検出部、11は短絡制御部、12はアーク制御部である。そして、このアーク制御部12は、アーク計時制御部13と、アーク定電流制御部14と、アーク定電圧制御部15とから構成される。また、16はワイヤ送給モータ制御部であり、ワイヤ送給速度制御部17、モータ計時制御部18、モータON/OFF切換え制御部19、モータ極性切換え制御部20と、演算部26とから構成される。また、21はワイヤ送給モータ、22はワイヤ、23はチップ、24は溶接アーク、25は被溶接物である。
溶接電圧検出部8は溶接用電源出力端子間に接続され、検出した電圧に対応した信号を出力する。短絡/アーク検出部10は、溶接電圧検出部8からの信号に基づいて、溶接出力電圧が一定値以上か未満かを判定し、この判定結果によりワイヤ22が被溶接物25に接触短絡しているか、それとも非接触状態で溶接アークを発生しているかを判定して判定信号を出力する。
次に、短絡/アーク検出部10の判定後の送給制御について説明する。
ワイヤ送給モータ制御部16は、ワイヤ送給速度制御部17とモータ計時制御部18とモータON/OFF切換え制御部19とモータ極性切換え制御部20から構成されており、短絡/アーク検出部10からの信号が短絡判定を示すものである場合には、ワイヤ送給速度制御部17はワイヤ送給速度をWS2とすることを示す信号を出力し、モータON/OFF切換え制御部19はモータONを示す信号を出力し、モータ極性切換え制御部20は前進送給を示す信号を出力する。そして、ワイヤ送給モータ制御部16からの信号を受信したワイヤ送給モータ21は、ワイヤ送給速度をWS2となるように減速する。
一方、短絡/アーク検出部10からの信号がアーク判定を示すアーク期間の場合には、ワイヤ送給モータ制御部16において、ワイヤ送給速度制御部17はワイヤ送給速度をWS1とすることを示す信号を出力し、モータON/OFF切換え制御部19はONを示す信号を出力し、モータ極性切換え制御部20は前進送給を示す信号を出力する。そして、ワイヤ送給モータ制御部16からの信号を受信したワイヤ送給モータ21は、ワイヤ送給速度が基本ワイヤ送給速度WS1となるようにワイヤ送給を加速する。
なお、アーク発生時から所定時間経過後にワイヤ送給速度をWS1へ加速させる場合には、モータ計時制御部18が所定時間を計時し、所定時間経過後にワイヤ送給モータ制御部16からワイヤ送給モータ21に制御信号を出力するようにすればよい。
次に、短絡/アーク検出部10の判定後の溶接出力制御について以下に説明する。
短絡期間の制御は短絡制御部11に基づいて行われる。アーク期間の制御は、アーク制御部12に基づいて行われ、このアーク制御部12は、アーク計時制御部13と、アーク定電流制御部14と、アーク定電圧制御部15とから構成される。なお、アーク計時制御部13は、図1に示す各時刻を計時するものである。また、アーク定電流制御部14は、図1における時刻t2から時刻t3および時刻t4から時刻t6までの電流波形となるように制御信号を出力するものである。また、アーク定電圧制御部15は、図1における時刻t3から時刻t4までの電圧波形となるように制御信号を出力するものである。
短絡/アーク検出部10から短絡期間を示す信号を受信した場合には、短絡制御部11は駆動部7に制御信号を出力し、この制御信号に基づいて駆動部7がスイッチン素子3を動作させることにより溶接出力が制御される。
また、短絡/アーク検出部10からアーク期間を示す信号を受信した場合には、ワイヤ送給モータ制御部16において、アーク計時制御部13から定電流制御部14や定電圧制御部15に計時信号を出力し、定電流制御部14や定電圧制御部15から駆動部7に制御信号を出力し、この制御信号に基づいて駆動部7がスイッチン素子3を動作させることにより溶接出力が制御される。
また、短絡期間にワイヤ送給速度を基本ワイヤ速度WS1よりも減速したことによりワイヤ送給量が不足したことに対して、アーク期間のワイヤ送給速度を基本ワイヤ速度WS1よりも増加させて不足分を補う上述した1つ目の制御方法に関しては、演算部26が、短絡期間においては、ワイヤ送給速度制御部17から、基本ワイヤ送給速度WS1と減速したときのワイヤ送給速度WS2の情報を得て、モータ計時制御部18から短絡期間の情報を得て、さらに図示しない溶接ワイヤ設定部からワイヤ径情報を得て、短絡期間の溶接ワイヤ不足量を演算する。さらに、演算部26は、アーク期間においては、ワイヤ送給速度制御部17から基本ワイヤ送給速度WS1よりも増加させたワイヤ送給速度であるワイヤ送給速度WS4の情報を得て、モータ計時制御部18からアーク開始からの経過時間情報を得て、さらに図示しない溶接ワイヤ設定部からワイヤ径情報を得て、アーク開始からの増加分のワイヤ送給量を演算し、不足分と増加分とが同値となった時点でワイヤ送給速度制御部17に対してワイヤ送給速度を基本ワイヤ送給速度WS1とすることを指示する信号を出力する。そして、ワイヤ送給速度が基本ワイヤ送給速度WS1となる。このようにして、短絡期間におけるワイヤ送給量の不足をアーク期間に補うものである。
また、短絡期間におけるワイヤ送給量の不足を補う上述した2つ目の制御方法に関しては、1つ目の制御方法と同様に、短絡期間の溶接ワイヤ不足量を演算する。そして、演算部26は、モータ計時制御部18から計時情報に基づいて予め算出しておいた一つ前の短絡周期のアーク期間、あるいは、数短絡周期分のアーク期間平均時間と、短絡期間の演算した溶接ワイヤ不足量と、図示しない溶接ワイヤ設定部から得たワイヤ径情報に基づいて、基本ワイヤ送給速度WS1に対する増加分であるワイヤ送給速度を算出する。そして、この算出したワイヤ送給速度と基本ワイヤ送給速度WS1とからアーク期間中のワイヤ送給速度WS5を求め、ワイヤ送給速度制御部17に対してこのワイヤ送給速度WS5を指示する。そして、ワイヤ送給速度制御部17がワイヤ送給モータ21に対してワイヤ送給速度WS5を指示することによりアーク期間のワイヤ送給速度はワイヤ送給速度WS5となり、短絡期間におけるワイヤ送給量の不足をアーク期間に補うものである。
なお、アーク溶接装置を構成する各構成部は、各々単独に構成してもよいし、複数の構成部を複合して構成するようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態のアーク溶接装置およびアーク溶接制御方法によれば、アーク発生後および短絡発生前の所定の期間中に所定の電流となるように電流制御することで、アーク発生時直後と短絡発生時直前での微小短絡を少なくしてスパッタの発生を抑制することができる。
また、短絡期間ではワイヤ送給速度を減速させることにより、中高電流域のワイヤ送給速度(基本ワイヤ送給速度WS1)が8m/min前後であっても、短い短絡期間で十分ワイヤ溶融させることができ、ワイヤはじきを生じることなくアークを発生させることができる。
また、上記アーク溶接装置およびアーク溶接制御方法により、中高電流域であっても、グロビュール状態でもスプレー状態でもない低電流域同様の短絡溶接を実現することができる。
また、アーク発生時直後に適正なピーク電流を出力させて溶融プールを適度に押し付けながらワイヤ先端に溶滴を成長させ、所定時間後に所定ベース電流に移行させて溶融プールの押し付けられた反動(溶融プールが平坦に戻ろうとする状態)を利用してワイヤ先端の溶滴をスムーズに溶融プールに吸い込まれるように短絡させることができるので、規則的な安定したアーク状態を確保することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態において、実施の形態1と同様の箇所については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。実施の形態1と異なる主な点は、短絡発生時からアーク発生時までの短絡期間に、溶接ワイヤの送給を停止するようにした点である。
図7は、本実施の形態における短絡を伴うアーク溶接のアーク溶接制御方法を説明するための出力波形図である。図7では、溶接電流I、溶接電圧V、ワイヤ送給速度WS、モータON/OFF切換信号N、モータ極性切換信号Kの時間変化を示す。以下に図7を用いて説明する。
図7において、時刻t1〜t2の短絡期間は、短絡発生初期t1に電流制御にて溶接電流Iを所定の傾きで上昇させると共にモータON/OFF切換信号をOFFし、ワイヤ送給速度WSをワイヤ送給速度停止、すなわち速度0とする。
時刻t2〜t3のアーク期間においては、アーク発生初期t2から定電流制御により溶接電流Iのピーク電流IPを200A以上に上昇させると共に、モータON/OFF切換信号をONとし、ワイヤ送給速度WSをワイヤ送給速度停止状態から基本ワイヤ送給速度WS1まで加速する。
ここで、溶接電流Iのピーク電流IPに関する大きさや必要性や効果等については、実施の形態1と同様なので、詳細な説明を省略する。
また、図7における時刻t3〜t4のアーク期間、時刻t4〜t5のアーク期間、時刻t5〜t6のアーク期間における制御や効果等に関しても、実施の形態1と同様なので、詳細な説明を省略する。
また、図7におけるモータ極性切換信号Kは、実施の形態1と同様に、随時前進を示す信号となっている。
なお、本実施の形態において、実施の形態1の図2と同様に、時刻t1〜t2の短絡期間のワイヤ送給速度WSを基本ワイヤ送給速度WS1からワイヤ送給速度停止(速度0)に移行する際に、所定の傾きをもって移行させることも可能である。このように、ワイヤ送給速度WSの移行に所定の傾きをもたせることにより、ワイヤ送給速度WSの急激な変化を緩和することができる。
また、ワイヤ送給速度WSをワイヤ送給速度停止(速度0)から基本ワイヤ送給速度WS1に加速する際にも所定の傾きをもって移行させることも可能である。このように、ワイヤ送給速度WSをワイヤ送給速度停止(速度0)から定常溶接期間の基本ワイヤ送給速度WS1になるように所定の傾きをもって加速させることにより、アーク状態の急激な変化を緩和することができると共に、アーク発生時直後の微小短絡をさらに少なくすることができる。
さらに、ワイヤ送給速度WSをワイヤ送給速度停止(速度0)から基本ワイヤ送給速度WS1に加速する際に、実施の形態1で説明した図2と同様に、t2から所定の遅延時間t7に移行してから加速を開始することも可能である。このように、アーク発生時から所定の遅延時間後に加速を開始して前進送給させることにより、アーク発生時直後の微小短絡をさらに少なくすることができる。なぜなら、アーク発生時直後はワイヤ送給速度WSをワイヤ送給速度停止(速度0)から基本ワイヤ送給速度WS1に加速し始めたワイヤ送給速度WSが低速状態にあり、さらにアーク発生時より所定の遅延時間を設けてワイヤ送給速度を低いレベルに保つことにより、ピーク電流IPを必要以上に高くしなくてもアークを燃え上がらせてアーク長を確保することができるので、微小短絡の発生を抑制することができる。
ここで、以上のような溶接ワイヤを加減速させる送給制御においては、実施の形態1の図4と図5を用いて説明したのと同様に、短絡期間にワイヤ送給速度WSを停止させたことに関連し、アーク期間のワイヤ送給速度WSを基本ワイヤ送給速度WS1に対して増加方向にオフセットさせることが重要である。その理由としては、短絡回数の増減によってワイヤ送給量のバラツキが発生することを防止し、安定したワイヤ送給量を得るためである。
実施の形態1と同様に、例えば、溶接電圧Vを下げることにより短絡回数が増えた場合、ワイヤ送給速度WSの加減速の頻度が増えることにより、ワイヤ送給量がより不足する傾向となり、その結果、溶接品質に悪影響を与えてしまうこととなる。そこで、このような状態を防止するための制御について以下に説明する。
1つ目の制御方法としては、実施の形態1で説明した図4と同様に、時刻t1〜t2の短絡期間に、ワイヤ送給速度を基本ワイヤ送給速度WS1から停止(速度0)してからアーク発生と共にワイヤ送給速度を停止からワイヤ送給速度WS1に加速するまでに不足したワイヤ送給量を、基本ワイヤ送給速度WS1と、ワイヤ送給停止期間と、溶接ワイヤ径とから算出しておく。そして、時刻t2〜t6までのアーク期間に基本ワイヤ送給速度WS1に対して上方(高速側)にオフセットしたワイヤ送給速度WS4で送給を行う。そして、ワイヤ送給速度WS4と基本ワイヤ送給速度WS1との差と、ワイヤ送給速度WSをワイヤ送給速度WS4としている期間と、溶接ワイヤ径とから、ワイヤ送給速度WSをワイヤ送給速度WS4としている期間の追加したワイヤ送給量をリアルタイムに算出し、短絡期間に不足したワイヤ送給量とワイヤ送給速度WS4の期間で追加したワイヤ送給量とが同値になった時点(t8)で、ワイヤ送給速度WSを基本ワイヤ送給速度WS1に減速する方法がある。
2つ目の制御方法としては、実施の形態1で説明した図5と同様に、一つ前の短絡周期のアーク期間t2〜t6、または、数短絡周期前のアーク期間t2〜t6の平均時間を算出しておく。そして、このアーク期間(時間)と、短絡期間に基本ワイヤ送給速度WS1からワイヤ送給速度WSを停止してからアーク発生と共に基本ワイヤ送給速度WS1に加速するまでに不足したワイヤ送給量の積算値と、溶接ワイヤ径とから、基本ワイヤ送給速度WS1に対するオフセットに必要なワイヤ送給速度を算出する。そして、この算出したワイヤ送給速度と基本ワイヤ送給速度WS1とからワイヤ送給速度WS5を求め、アーク期間のワイヤ送給速度WSをワイヤ送給速度WS5に設定する。
上記した2つの制御方法により、短絡周期ごとのワイヤ送給量のバラツキを抑制することができる。
なお、本実施の形態の制御方法を行うアーク溶接装置の構成は、実施の形態1で説明した図1の構成と同様であるが、実施の形態1と異なるのは、短絡/アーク検出部10からワイヤ送給モータ制御部16に出力される信号が短絡を示すものである場合に、ワイヤ送給モータ制御部16を構成するモータON/OFF切換え制御部19はモータOFFを示す信号を出力し、この信号に基づいてワイヤ送給モータ21がワイヤ送給速度を停止(速度0)するようにした点である。
以上のように、本実施の形態のアーク溶接装置およびアーク溶接制御方法によれば、短絡期間のワイヤ送給速度を、減速だけではなく停止としたので、実施の形態1に記載の制御方法よりもさらにアーク発生時直後での微小短絡を少なくすることができ、また、短絡期間にワイヤ送給速度を停止させることにより中高電流域のワイヤ送給速度(基本ワイヤ送給速度WS1)が10m/min以上であっても、短い短絡期間で十分ワイヤを溶融させることができ、ワイヤはじきもなくアークを発生させることができる。
そして、本実施の形態のアーク溶接装置およびアーク溶接制御方法により、中高電流域であっても、グロビュール状態でもスプレー状態でもない低電流域同様の短絡溶接を実現することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態において、実施の形態1と同様の箇所については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。実施の形態1と異なる主な点は、短絡発生時からアーク発生時までの短絡期間に、溶接ワイヤを後退送給するようにした点である。
図8は、本実施の形態における短絡を伴うアーク溶接のアーク溶接制御方法を説明するための出力波形図である。図8では、溶接電流I、溶接電圧V、ワイヤ送給速度WS、モータON/OFF切換信号N、モータ極性切換信号Kの時間変化を示す。以下に図8を用いて説明する。
図8において、時刻t1〜t2の短絡期間は、短絡発生初期t1に電流制御にて溶接電流Iを上昇させると共にモータ極性切換信号Kを後退信号とし、基本ワイヤ送給速度WS1からワイヤ送給速度WS3として後退送給する。
時刻t2〜t3のアーク期間においては、アーク発生初期t2から定電流制御により溶接電流Iのピーク電流IPを200A以上に上昇させると共に、モータ極性切換信号Kを前進信号とし、ワイヤ送給速度をワイヤ送給速度WS3から基本ワイヤ送給速度WS1まで加速して溶接ワイヤを前進送給する。
ここで、溶接電流Iのピーク電流IPに関する大きさや必要性や効果等については、実施の形態1と同様なので、詳細な説明を省略する。
また、図8における時刻t3〜t4のアーク期間、時刻t4〜t5のアーク期間、時刻t5〜t6のアーク期間における制御や効果等に関しても実施の形態1と同様なので、詳細な説明を省略する。
また、図8におけるモータON/OFF切換信号Nは、実施の形態1と同様に随時ONを示す信号である。
なお、本実施の形態において、実施の形態1で説明した図2と同様に、時刻t1〜t2の短絡期間のワイヤ送給速度WSを、基本ワイヤ送給速度WS1からワイヤ送給速度WS3に移行する際に、所定の傾きをもって移行させることも可能である。このように、ワイヤ送給速度WSを所定の傾きをもって移行させることにより、ワイヤ送給速度WSの急激な変化を緩和することができる。
また、ワイヤ送給速度WSを後退送給であるワイヤ送給速度WS3から前進送給である基本ワイヤ送給速度WS1に移行する際にも、所定の傾きをもって移行させることも可能である。このように、定常溶接期間の基本ワイヤ送給速度WS1となるように所定の傾きをもって前進送給させることにより、アーク状態の急激な変化を緩和することができると共に、アーク発生時直後の微小短絡をさらに少なくすることができる。
さらに、ワイヤ送給速度WSをワイヤ送給速度WS3から基本ワイヤ送給速度WS1である前進送給とする際に、実施の形態1で説明した図2と同様に、時刻t2から所定の遅延時間t7に移行してから前進送給するようにすることも可能である。このように、アーク発生時から所定の遅延時間後に前進送給させることにより、アーク発生時直後の微小短絡をさらに少なくすることができる。なぜなら、アーク発生時直後は後退送給時の速度であるワイヤ送給速度WS3から基本ワイヤ送給速度WS1に前進送給し始めたワイヤ送給速度WSが後退送給状態にあり、さらにアーク発生時より所定の遅延時間を設けてワイヤ送給速度を後退送給の状態に保つことにより、ピーク電流IPを必要以上に高くしなくてもアークを燃え上がらせてアーク長を確保することができるので、微小短絡の発生を抑制することができる。
ここで、以上のような溶接ワイヤを加減速させる送給制御においては、実施の形態1の図4と図5を用いて説明したのと同様に、短絡期間にワイヤ送給速度を後退送給であるワイヤ送給速度WS3としたことに関連し、アーク期間のワイヤ送給速度WSを基本ワイヤ送給速度WS1に対して増加方向にオフセットさせることが重要である。その理由としては、短絡回数の増減によってワイヤ送給量のバラツキが発生することを防止し、安定したワイヤ送給量を得るためである。
実施の形態1と同様に、例えば、溶接電圧Vを下げることにより短絡回数が増えた場合、ワイヤ送給速度WSの加減速の頻度が増えることにより、ワイヤ送給量がより不足する傾向となり、その結果、溶接品質に悪影響を与えてしまうこととなる。そこで、このような状態を防止するための制御について以下に説明する。
1つ目の制御方法としては、実施の形態1で説明した図4と同様に、時刻t1〜時刻t2の短絡期間に、ワイヤ送給速度WSを前進送給である基本ワイヤ送給速度WS1から後退送給であるワイヤ送給速度WS3としてからアーク発生と共に後退送給であるワイヤ送給速度WS3から前進送給である基本ワイヤ送給速度WS1とするまでに不足したワイヤ送給量を、基本ワイヤ送給速度WS1と、ワイヤ後退送給期間と、溶接ワイヤ径とから算出しておく。そして、時刻t2〜t6までのアーク期間に基本ワイヤ送給速度WS1に対して上方(高速側)にオフセットしたワイヤ送給速度WS4で送給を行う。そして、ワイヤ送給速度WS4と基本ワイヤ送給速度WS1との差と、ワイヤ送給速度WSをワイヤ送給速度WS4としている期間と、溶接ワイヤ径とから、ワイヤ送給速度WSをワイヤ送給速度WS4としている期間における追加したワイヤ送給量をリアルタイムに算出し、短絡期間に不足したワイヤ送給量とワイヤ送給速度WS4の期間で追加したワイヤ送給量とが同値になった時点(t8)で、ワイヤ送給速度WSを基本ワイヤ送給速度WS1に減速する方法がある。
2つ目の制御方法としては、実施の形態1で説明した図5と同様に、一つ前の短絡周期中のアーク期間t2〜t6、あるいは、数短絡周期中のアーク期間t2〜t6の平均時間を算出しておく。そして、このアーク期間(時間)と、短絡期間にワイヤ送給速度WSを基本ワイヤ送給速度WS1からワイヤ送給速度WS3にして後退送給してからアーク発生と共に前進送給して基本ワイヤ送給速度WS1とするまでに不足したワイヤ送給量の積算値と、溶接ワイヤ径とから、基本ワイヤ送給速度WS1に対する高速側へのオフセットに必要なワイヤ送給速度を算出する。そして、この算出したワイヤ送給速度と基本ワイヤ送給速度WS1とからワイヤ送給速度WS5を求め、アーク期間のワイヤ送給速度WSをワイヤ送給速度WS5に設定する。
上記した2つの制御方法により、短絡周期ごとのワイヤ送給量のバラツキを抑制することができる。
なお、本実施の形態の制御方法を行うアーク溶接装置の構成は、実施の形態1で説明した図1の構成と同様であるが、実施の形態1と異なるのは、短絡/アーク検出部10からワイヤ送給モータ制御部16に出力される信号が短絡を示すものである場合に、ワイヤ送給モータ制御部16を構成するワイヤ送給速度制御部17はワイヤ送給速度をWS3とすることを示す信号を出力し、ワイヤ送給モータ制御部16を構成するモータ極性切換え制御部20は後退送給を示す信号を出力し、ワイヤ送給モータ制御部16からの信号を受信したワイヤ送給モータ21がワイヤを後退送給するようにした点である。
以上のように、本実施の形態のアーク溶接装置およびアーク溶接制御方法によれば、短絡期間のワイヤ送給速度を減速だけでもなく、停止でもなく、後退送給としたので、実施の形態1および実施の形態2よりもさらにアーク発生時直後と短絡発生時直前での微小短絡を少なくすることができる。また、短絡期間にワイヤ送給速度を後退送給させることにより中高電流域のワイヤ送給速度(基本ワイヤ送給速度WS1)が10m/min以上でも短い短絡期間で十分ワイヤ溶融させることができ、ワイヤはじきもなくアーク発生させることができる。
そして、本実施の形態のアーク溶接装置およびアーク溶接制御方法により、中高電流域であっても、グロビュール状態でもスプレー状態でもない低電流域同様の短絡溶接を実現することができる。
本発明のアーク溶接制御方法によれば、アーク期間に電流制御を行うことや、短絡期間にワイヤ送給速度を変更することでスパッタを低減することができ、消耗電極である溶接ワイヤを連続的に送給しながらアーク溶接を行う溶接装置やその制御方法等として産業上有用である。
本発明の実施の形態1における短絡期間中に基本ワイヤ送給速度より低いワイヤ送給速度に減速させた場合の波形図 本発明の実施の形態1におけるワイヤ送給速度を短絡及びアーク期間で所定の傾きで加減速、アーク発生時から遅延時間を持たせた場合の波形図 本発明の実施の形態1におけるワイヤ送給速度をアーク期間で所定の傾きで加速させた場合の波形図 本発明の実施の形態1における短絡期間に不足したワイヤ送給量をアーク期間にワイヤ送給速度を増加方向にオフセットして不足分を補うようにした場合の制御波形を示す図 本発明の実施の形態1における短絡期間に不足したワイヤ送給量をアーク期間にワイヤ送給速度を増加方向にオフセットして不足分を補うようにした場合の制御波形を示す図 本発明の実施の形態1から3におけるアーク溶接装置の概略構成図 本発明の実施の形態2における短絡期間中にワイヤ送給速度を送給停止させた場合の波形図 本発明の実施の形態3における短絡期間中にワイヤ送給速度を後退送給させた場合の波形図 従来のワイヤ送給制御方法における波形図
符号の説明
I 溶接電流
V 溶接電圧
WS ワイヤ送給速度
N モータON/OFF切換信号
K モータ極性切換信号
IP ピーク電流
IB ベース電流
VP 基本溶接電圧
WS1 基本ワイヤ送給速度
WS2 基本ワイヤ送給速度を減速させた時の低いワイヤ送給速度
WS3 基本ワイヤ送給速度を後退送給させた時のワイヤ送給速度
WS4 基本ワイヤ送給速度を増加させた時のワイヤ送給速度
WS5 基本ワイヤ送給速度を増加させた時のワイヤ送給速度
1 入力電源
2 1次整流部
3 スイッチング素子
4 トランス
5 2次整流部
6 DCL
7 駆動部
8 溶接電圧検出部
9 溶接電流検出部
10 短絡/アーク検出部
11 短絡制御部
12 アーク制御部
13 アーク計時制御部
14 アーク定電流制御部
15 アーク定電圧制御部
16 ワイヤ送給モータ制御部
17 ワイヤ送給速度制御部
18 モータ計時制御部
19 モータON/OFF切換え制御部
20 モータ極性切換え制御部
21 ワイヤ送給モータ
22 ワイヤ
23 チップ
24 溶接アーク
25 被溶接物
26 演算部
Vw 溶接電圧
Iw 溶接電流
Fr 送給速度設定信号
Fs 送給速度
Ta アーク期間
Ts 短絡期間
Tt 長期短絡判別(時間/信号)
Im 減少電流値
Ffr 前進送給速度設定値
Frr 後退送給速度設定値
Ffs 前進送給速度

Claims (8)

  1. 溶接ワイヤを自動送給しながら短絡とアークを交互に繰り返して短絡溶接を行うアーク溶接制御方法であって、
    短絡発生時からアーク発生時までの短絡期間は、ワイヤ送給速度を基本ワイヤ送給速度より低いワイヤ送給速度に減速し、
    アーク発生時から次の短絡発生時までのアーク期間は、ワイヤ送給速度を加速させて前記基本ワイヤ送給速度に戻し、
    アーク期間においてアーク発生時から第1の所定時間までは定電圧制御ではなく電流制御を行って所定ピーク電流となるまで溶接電流を増加し、または、所定ピーク電流となるまで溶接電流を増加してその後前記所定ピーク電流を所定期間維持し、
    前記第1の所定時間から第2の所定時間までは定電圧制御を行ってこれに基づく溶接電流を出力し、
    前記第2の所定時間後は電流制御を行って溶接電流が前記所定ピーク電流よりも低い所定のベース電流となるように減少してその後アーク期間終了まで前記所定のベース電流を維持するアーク溶接制御方法であり、
    短絡発生時からアーク発生時までの短絡期間には、ワイヤ送給速度を基本ワイヤ送給速度よりも低い一定速度にし、アーク発生後のアーク期間には、前記短絡期間に前記基本ワイヤ送給速度よりも低い一定のワイヤ送給速度としたことによる前記短絡期間に前記基本ワイヤ送給速度で送給したとした場合のワイヤ送給量に対して不足したワイヤ送給量を補う送給量となるように、前記アーク期間のワイヤ送給速度を加速して基本ワイヤ送給速度より高い一定速度にして前進送給するアーク溶接制御方法。
  2. 短絡発生時からアーク発生時までの短絡期間はワイヤ送給を停止させ、アーク発生時から次の短絡発生時までのアーク期間はワイヤ送給を加速させて基本ワイヤ送給速度に戻す請求項1に記載のアーク溶接制御方法。
  3. 短絡発生時からアーク発生時までの短絡期間はワイヤ送給を後退送給させ、アーク発生時から次の短絡発生時までのアーク期間はワイヤ送給を前進送給させて基本ワイヤ送給速度に戻す請求項1に記載のアーク溶接制御方法。
  4. アーク発生時から次の短絡発生時までのアーク期間において、ワイヤ送給速度を基本ワイヤ送給速度になるようにアーク発生時から所定の遅延時間後に加速及び前進送給を開始する請求項1から3のいずれか1項に記載のアーク溶接制御方法。
  5. アーク発生時から次の短絡発生時までのアーク期間において、アーク発生時から所定時間後に溶接電流が所定のベース電流になるように所定の傾きをもって溶接電流を減少する請求項1から3のいずれか1項に記載のアーク溶接制御方法。
  6. 短絡期間においてワイヤ送給速度を基本ワイヤ送給速度よりも低い一定速度としたことによる前記基本ワイヤ送給速度で送給した場合に比べて不足したワイヤ送給量を積算し、アーク発生後のアーク期間においてアーク発生時に加速して前進送給するワイヤ送給速度を基本ワイヤ送給速度よりも所定速度高い一定ワイヤ送給速度とし、この送給速度の期間のワイヤ送給量の積算を行い、前記短絡期間において不足したワイヤ送給量と同量の送給量となった時点で前記基本ワイヤ送給速度となるようにワイヤ送給速度を減速する請求項記載のアーク溶接制御方法。
  7. 短絡期間においてワイヤ送給速度を基本ワイヤ送給速度よりも低い一定速度としたことによる前記基本ワイヤ送給速度で送給した場合に比べて不足したワイヤ送給量と、一つ前のアーク期間または数短絡周期中のアーク期間の平均時間とから、前記短絡期間に不足したワイヤ送給量を補うためのアーク期間中の前記基本ワイヤ送給速度に対して増加させるワイヤ送給速度を算出し、この算出したワイヤ送給速度と前記基本ワイヤ送給速度とを加えた一定のワイヤ送給速度にてアーク期間の溶接を行う請求項記載のアーク溶接制御方法。
  8. 消耗電極である溶接ワイヤと被溶接物との間でアークの発生と短絡とを繰り返して溶接を行うアーク溶接装置であって、
    前記溶接ワイヤを送給するためのワイヤ送給モータと、
    溶接出力を制御するスイッチング素子と、
    溶接電圧を検出する溶接電圧検出部と、
    前記溶接電圧検出部の出力に基づいて短絡状態であるのかアーク状態であるのかを検出する短絡/アーク検出部と、
    短絡状態であるときの溶接出力制御信号を出力する短絡制御部と、
    アーク状態であるときの溶接出力制御信号を出力するアーク制御部と、
    前記短絡制御部または前記アーク制御部からの信号に基づいて前記スイッチング素子を制御する駆動部と、
    前記短絡/アーク検出部からの信号に基づいて前記ワイヤ送給モータを制御するワイヤ送給モータ制御部とを備え、
    前記アーク制御部は、時間を計時する第1の計時部と、前記第1の計時部からの信号に基づいてアーク状態時に所定期間定電流制御を行う制御信号を出力するアーク定電流制御部と、前記第1の計時部からの信号に基づいてアーク状態時に所定期間定電圧制御を行う制御信号を出力するアーク定電圧制御部とを有し、
    前記ワイヤ送給モータ制御部は、ワイヤ送給速度を制御する信号を出力するワイヤ送給速度制御部と、時間を計時する第2の計時部と、前記ワイヤ送給モータのON/OFFを指示する信号を出力するモータON/OFF切換え制御部と、前記ワイヤ送給モータの回転方向を指示する信号を出力するモータ極性切換制御部とを有し、
    請求項1記載のアーク溶接制御を行うアーク溶接装置。
JP2006040565A 2006-02-17 2006-02-17 アーク溶接制御方法およびアーク溶接装置 Active JP4211793B2 (ja)

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