JP7188858B2 - アーク溶接方法 - Google Patents
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Description
溶接ワイヤを正送給し定常ピーク期間中の定常ピーク電流及びベース期間中のベース電流を通電してパルスアーク溶接を行う期間と前記溶接ワイヤを正逆送給して短絡移行アーク溶接を行う期間とを交互に切り換えて溶接するアーク溶接方法において、
前記パルスアーク溶接の期間の定常パルス周期中の前記定常ピーク電流値及び前記定常ピーク期間は1パルス周期ごとに一つの溶滴が移行する1パルス周期1溶滴移行状態となるように設定し、
前記パルスアーク溶接の期間の最終パルス周期中の最終ピーク電流値及び最終ピーク期間は、(前記定常ピーク電流値×前記定常ピーク期間)>(前記最終ピーク電流値×前記最終ピーク期間)であり、最終パルス周期中に形成された溶滴が移行しない値に設定して、前記短絡移行アーク溶接の期間に切り換える、
ことを特徴とするアーク溶接方法である。
ことを特徴とする請求項1に記載のアーク溶接方法である。
前記短絡移行アーク溶接の期間中の最初の周期の前記正送ピーク値を次周期以降の前記正送ピーク値とは異なる値に設定する、
ことを特徴とする請求項2に記載のアーク溶接方法である。
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のアーク溶接方法である。
図1は、本発明の実施の形態1に係るアーク溶接方法を実施するための溶接電源のブロック図である。以下、同図を参照して各ブロックについて説明する。
1)正送加速期間設定信号Tsurによって定まる正送加速期間Tsu中は0(但し、短絡移行アーク溶接期間Tcに切り替わった直後はパルス送給速度設定信号Far)から正送ピーク値設定信号Wsrによって定まる正の値の正送ピーク値Wspまで直線状に加速する短絡アーク送給速度設定信号Fcrを出力する。
2)続いて、正送ピーク期間Tsp中は、上記の正送ピーク値Wspを維持する短絡アーク送給速度設定信号Fcrを出力する。
3)短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)からHighレベル(短絡期間)に変化すると、正送減速期間設定信号Tsdrによって定まる正送減速期間Tsdに移行し、上記の正送ピーク値Wspから0まで直線状に減速する短絡アーク送給速度設定信号Fcrを出力する。
4)続いて、逆送加速期間設定信号Trurによって定まる逆送加速期間Tru中は0から逆送ピーク値設定信号Wrrによって定まる負の値の逆送ピーク値Wrpまで直線状に加速する短絡アーク送給速度設定信号Fcrを出力する。
5)続いて、逆送ピーク期間Trp中は、上記の逆送ピーク値Wrpを維持する短絡アーク送給速度設定信号Fcrを出力する。
6)短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)からLowレベル(アーク期間)に変化すると、逆送減速期間設定信号Trdrによって定まる逆送減速期間Trdに移行し、上記の逆送ピーク値Wrpから0まで直線状に減速する短絡アーク送給速度設定信号Fcrを出力する。
7)上記の1)~6)を繰り返すことによって正負の台形波状に変化する送給パターンの短絡アーク送給速度設定信号Fcrが生成される。
1)短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)のときは、低レベル電流設定信号Ilrとなる短絡アーク電流設定信号Icrを出力する。
2)短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)に変化すると、予め定めた初期期間中は予め定めた初期電流設定値となり、その後は予め定めた短絡時傾斜で予め定めた短絡時ピーク設定値まで上昇してその値を維持する短絡アーク電流設定信号Icrを出力する。
3)その後に、くびれ検出信号NdがHighレベルに変化すると、低レベル電流設定信号Ilrの値となる短絡アーク電流設定信号Icrを出力する。
定常パルス周期Tf中の定常ピーク電流値及び定常ピーク期間は1パルス周期ごとに一つの溶滴が移行するいわゆる1パルス周期1溶滴移行状態となるように設定される。最終パルス周期Tsf中の最終ピーク電流値及び最終ピーク期間は、最終パルス周期Tsf中に形成された溶滴が移行しない値に設定される。すなわち、(定常ピーク電流値×定常ピーク期間)>(最終ピーク電流値×最終ピーク期間)である。例えば、定常ピーク電流値=500A、定常ピーク期間=2msであり、最終ピーク電流値=300A、最終ピーク期間=1msである。
1)パルス周期信号Tfが短時間Highレベルに変化すると、予め定めたピーク立上り期間Tu中は、ベース電流設定信号Ibrからピーク電流設定信号Iprまで上昇するパルス電流設定信号Iarを出力する。
2)続けて、ピーク期間設定信号Tprによって定まるピーク期間Tp中は、ピーク電流設定信号Iprとなるパルス電流設定信号Iarを出力する。
3)続けて、予め定めたピーク立下り期間Td中は、ピーク電流設定信号Iprからベース電流設定信号Ibrまで下降するパルス電流設定信号Iarを出力する。
4)続けてパルス周期信号Tfが短時間Highレベルになるまでのベース期間Tb中は、ベース電流設定信号Ibrとなるパルス電流設定信号Iarを出力する。
タイマ信号TmがLowレベル(短絡移行アーク溶接期間Tc)に変化した時点から短絡移行アーク溶接期間設定信号Tcrによって定まる期間が経過した後に、短絡判別信号Sdが最初にLowレベル(アーク期間)に変化して予め定めた遅延期間が経過した時点でタイマ信号TmはHighレベルに変化し、
タイマ信号TmがHighレベル(パルスアーク溶接期間Ta)に変化した時点からパルスアーク溶接期間設定信号Tarによって定まる期間が経過した後にパルス周期信号Tfが短時間Highレベルになると最終パルス周期Tsfに入り、最終パルス周期Tsf中にパルス電流設定信号Iarがベース電流設定信号Ibrの値と等しくなった時点で最終パルス周期Tsfを終了してタイマ信号TmはLowレベルに変化し、
上記の最終パルス周期Tsf中のみHighレベルとなる最終パルス周期信号Stfを出力する。
したがって、パルスアーク溶接期間Taは、パルスアーク溶接期間設定信号Tarの期間+最終パルス周期Tsfが開始するまでの期間+最終パルス周期Tsfの期間となる。短絡移行アーク溶接期間Tcは、短絡移行アーク溶接期間設定信号Tcrの期間+その後に最初の遅延期間が終了するまでの期間となる。
1)タイマ信号TmがLowレベルであり、かつ、短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)に変化した時点から、短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)に変化して上記の遅延期間が経過した時点までの期間中は、電流誤差増幅信号Eiを誤差増幅信号Eaとして出力する。
2)その後の大電流アーク期間中は、電圧誤差増幅信号Evを誤差増幅信号Eaとして出力する。
3)その後のアーク期間中に小電流期間信号StdがHighレベルとなる小電流アーク期間中は、電流誤差増幅信号Eiを誤差増幅信号Eaとして出力する。
4)タイマ信号TmがLowレベルに変化した時点から短絡判別信号Sdが最初にHighレベルとなるまでの期間及びタイマ信号TmがHighレベルのときは、電流誤差増幅信号Eiを誤差増幅信号Eaとして出力する。
この回路によって、短絡移行アーク溶接期間Tc中の溶接電源の特性は、短絡移行アーク溶接期間Tcが開始してから最初に短絡が発生するまでの期間、短絡期間、遅延期間及び小電流アーク期間中は定電流特性となり、それ以外の大電流アーク期間(タイマ信号TmがLowの期間において、短絡判別信号SdがHighからLowに変化してから上記の遅延時間が経過した時点から、小電流期間信号StdがLowからHighの変化する時点までの期間)中は定電圧特性となる。また、パルスアーク溶接期間Ta中の溶接電源の特性は、定電流特性となる。
正送ピーク期間Tsp中の時刻t3において短絡が発生すると、同図(C)に示すように、溶接電圧Vwは数Vの短絡電圧値に急減するので、同図(D)に示すように、短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)に変化する。これに応動して、時刻t3~t4の予め定めた正送減速期間Tsdに移行し、同図(A)に示すように、送給速度Fwは上記の正送ピーク値Wspから0まで減速する。例えば、正送減速期間Tsd=1msに設定される。
時刻t6において、溶接ワイヤの逆送及び溶接電流Iwの通電によるピンチ力によってくびれが進行してアークが発生すると、同図(C)に示すように、溶接電圧Vwは数十Vのアーク電圧値に急増するので、同図(D)に示すように、短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)に変化する。これに応動して、時刻t6~t7の予め定めた逆送減速期間Trdに移行し、同図(A)に示すように、送給速度Fwは上記の逆送ピーク値Wrpから0まで減速する。
2 母材
3 アーク
4 溶接トーチ
5 送給ロール
CM 電流比較回路
Cm 電流比較信号
DR 駆動回路
Dr 駆動信号
E 出力電圧
Ea 誤差増幅信号
ED 出力電圧検出回路
Ed 出力電圧検出信号
EI 電流誤差増幅回路
Ei 電流誤差増幅信号
ER 出力電圧設定回路
Er 出力電圧設定信号
EV 電圧誤差増幅回路
Ev 電圧誤差増幅信号
FAR パルス送給速度設定回路
Far パルス送給速度設定信号
FC 送給制御回路
Fc 送給制御信号
FCR 短絡アーク送給速度設定回路
Fcr 短絡アーク送給速度設定信号
FR 送給速度設定回路
Fr 送給速度設定信号
Fw 送給速度
IAR パルス電流設定回路
Iar パルス電流設定信号
Ib ベース電流
IBR ベース電流設定回路
Ibr ベース電流設定信号
ICR 短絡アーク電流設定回路
Icr 短絡アーク電流設定信号
ID 電流検出回路
Id 電流検出信号
ILR 低レベル電流設定回路
Ilr 低レベル電流設定信号
Ip ピーク電流
IPR ピーク電流設定回路
Ipr ピーク電流設定信号
IR 電流設定回路
Ir 電流設定信号
Iw 溶接電流
ND くびれ検出回路
Nd くびれ検出信号
PM 電源主回路
R 減流抵抗器
SD 短絡判別回路
Sd 短絡判別信号
STD 小電流期間回路
Std 小電流期間信号
Stf 最終パルス周期信号
SW 電源特性切換回路
Ta パルスアーク溶接期間
TAR パルスアーク溶接期間設定回路
Tar パルスアーク溶接期間設定信号
Tb ベース期間
Tc 短絡移行アーク溶接期間
TCR 短絡移行アーク溶接期間設定回路
Tcr 短絡移行アーク溶接期間設定信号
Td ピーク立下り期間
TDR 電流降下時間設定回路
Tdr 電流降下時間設定信号
TF パルス周期回路
Tf パルス周期(信号)
TM タイマ回路
Tm タイマ信号
Tp ピーク期間
TPR ピーク期間設定回路
Tpr ピーク期間設定信号
TR トランジスタ
Trd 逆送減速期間
TRDR 逆送減速期間設定回路
Trdr 逆送減速期間設定信号
Trp 逆送ピーク期間
Tru 逆送加速期間
TRUR 逆送加速期間設定回路
Trur 逆送加速期間設定信号
Tsd 正送減速期間
TSDR 正送減速期間設定回路
Tsdr 正送減速期間設定信号
Tsf 最終パルス周期
Tsp 正送ピーク期間
Tsu 正送加速期間
TSUR 正送加速期間設定回路
Tsur 正送加速期間設定信号
Tu ピーク立上り期間
VD 電圧検出回路
Vd 電圧検出信号
Vw 溶接電圧
WL リアクトル
WM 送給モータ
Wrp 逆送ピーク値
WRR 逆送ピーク値設定回路
Wrr 逆送ピーク値設定信号
Wsp 正送ピーク値
WSR 正送ピーク値設定回路
Wsr 正送ピーク値設定信号
Claims (4)
- 溶接ワイヤを正送給し定常ピーク期間中の定常ピーク電流及びベース期間中のベース電流を通電してパルスアーク溶接を行う期間と前記溶接ワイヤを正逆送給して短絡移行アーク溶接を行う期間とを交互に切り換えて溶接するアーク溶接方法において、
前記パルスアーク溶接の期間の定常パルス周期中の前記定常ピーク電流値及び前記定常ピーク期間は1パルス周期ごとに一つの溶滴が移行する1パルス周期1溶滴移行状態となるように設定し、
前記パルスアーク溶接の期間の最終パルス周期中の最終ピーク電流値及び最終ピーク期間は、(前記定常ピーク電流値×前記定常ピーク期間)>(前記最終ピーク電流値×前記最終ピーク期間)であり、最終パルス周期中に形成された溶滴が移行しない値に設定して、前記短絡移行アーク溶接の期間に切り換える、
ことを特徴とするアーク溶接方法。 - 前記短絡移行アーク溶接の期間の開始時点から、送給速度を正送ピーク値まで加速する
ことを特徴とする請求項1に記載のアーク溶接方法。 - 前記短絡移行アーク溶接の期間中の最初の周期の前記正送ピーク値を次周期以降の前記正送ピーク値とは異なる値に設定する、
ことを特徴とする請求項2に記載のアーク溶接方法。 - 前記短絡移行アーク溶接のアーク期間中に前記パルスアーク溶接に切り換える、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のアーク溶接方法。
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