JP2012035284A - アーク溶接装置 - Google Patents

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忠杰 劉
Norito Takahashi
憲人 高橋
Tomoyuki Kamiyama
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Abstract

【課題】溶接ワイヤ1のワイヤ送給速度をワイヤ送給速度設定信号Fcに対応して切り替えることができるアーク溶接装置を提供する。
【解決手段】溶接トーチ7の移動を停止させて、第1の送給速度で送給された溶接ワイヤ1と被溶接物2の間にアーク3を発生させる第1の期間と、溶接トーチ7を移動ピッチだけ動かして第1の送給速度よりも遅い第2の送給速度で送給された溶接ワイヤ1と被溶接物2の間にアーク3を発生させる第2の期間とを交互に繰り返すアーク溶接装置である。第1の期間はワイヤ送給経路変更機23内のワイヤ保持部材26をワイヤ挿入口24とワイヤ挿出口25とを結ぶワイヤ送給直線L上に位置させ、その後、第2の期間に達したときにワイヤ保持部材26をワイヤ送給直線L上から離間位置Bへ移動させ、その後、第1の期間に達したときにワイヤ保持部材26をワイヤ送給直線L上へ移動させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ステッチパルス溶接方法を行うためのアーク溶接装置に関するものである。
図5は、一般的なアーク溶接装置の構成図である。同図において、溶接ロボット4のマニピュレータ5の先端部には溶接トーチ7が取り付けられていて、この溶接トーチ7から溶接ワイヤ1が送給され、溶接ワイヤ1の先端部と被溶接物2との間にアーク3が発生する。ティーチペンダント8から溶接トーチ移動速度設定信号Uw及び溶接トーチ7の動作軌跡データDwがロボット制御装置9に入力される。
ワイヤ送給機11がマニピュレータ5に取り付けられ、図示を省略したワイヤリールから引き出された溶接ワイヤ1がワイヤ送給機11によって送給されて、ワイヤ送給機11と溶接トーチ7との間に接続された一線式パワーケーブル6内のコイルライナによってガイドされて溶接トーチ7に送給される。
溶接電源10は、電流制御手段12とワイヤ送給制御手段13とを備えていて、これらの手段は、それぞれロボット制御装置9との間に通信回路を有している。電流制御手段12は、たとえば複数のトランジスタ素子からなるインバータ制御回路を有している。このインバータ制御回路は、外部から入力される商用電源に対して溶接電流波形制御を行う。電流制御手段12は、溶接トーチ7の先端に設けられた給電チップを介して、溶接ワイヤ1と被溶接物2との間に溶接電圧Vwを印加し、溶接電流Iwを流す。
ワイヤ送給制御手段13は、溶接ワイヤ1の送給を行うためのワイヤ送給速度設定信号Fcをワイヤ送給機11の送給モータに出力する回路である。ワイヤ送給速度設定信号Fcは、溶接ワイヤ1を送給速度Wsで供給させる指示を与える信号である。
ロボット制御装置9は、マイクロコンピュータを有する駆動回路14及び駆動回路14に接続された記憶回路15を備えている。記憶回路15には、溶接ロボット4の各種の動作が設定された作業プログラムが記憶されている。ロボット制御装置9は、溶接ロボット4、溶接電源10及びティーチペンダント8と通信可能である。駆動回路14は、溶接ロボット4の移動速度を設定する。ロボット制御装置9は、溶接ロボット4に対して動作制御信号Mcを与える。この動作制御信号Mcによって、各モータは回転駆動し、溶接トーチ7を被溶接物2の溶接開始位置に移動させる。さらに、駆動回路14は、溶接電源10に溶接電源出力制御信号Pcを与える。
[従来技術1]
従来技術1のステッチパルス溶接方法は、ロボット制御装置9に間欠溶接手段を設け、この間欠溶接手段が、溶接ロボット4のマニピュレータ5の先端部に取り付けられた溶接トーチ7の移動を間欠的に行い、溶接トーチ7を停止させた状態で予め定めた時間だけアーク3を発生させて被溶接物2を溶融させる。そしてその設定時間が経過した後に、アーク3を停止させ、かつ、溶接トーチ7を溶融部外周側のアーク再開始点に移動させる。そして再度、溶接トーチ7を停止させた状態で予め定めた時間だけアークを発生させて被溶接物2を溶融させるものである。(例えば、特許文献1参照)。
上述した従来技術1の溶接方法は、TIG溶接並のうろこ状の溶接ビードを形成することができるが、アーク3を断続的に繰り返し発生させるので、アーク3を発生させる度に多量のスパッタが発生するという問題があった。
[従来技術2]
そこで、溶接トーチ7の送り動作を周期的に停止し、送り動作の停止中には溶接ワイヤ1を高速で送給し、送り動作の実行中には溶接ワイヤ1を低速で送給する従来技術2のアーク溶接方法が提案された。このアーク溶接方法は、送り動作の停止中には交流溶接を行い、送り動作の実行中には逆極性の直流溶接を行うものである。(例えば、特許文献2参照)。
以下、従来技術2のアーク溶接方法を図6を参照して説明する。図6は、従来技術2のアーク溶接方法を説明するためのタイミングチャートである。同図(A)は溶接トーチ7の移動速度の時間経過を示し、同図(B)はワイヤ送給速度設定信号Fcの時間経過を示し、同図(C)は溶接電流Iwの時間経過を示している。同図に示す時刻t1において、同図(A)に示すように溶接トーチ7の移動を停止させて、同図(B)に示すようにワイヤ送給速度設定信号Fcを予め定めたワイヤ高速度設定信号Wshに切り替え、同図(C)に示すように溶接電流Iwとして定電流特性のパルス電流を通電する。このパルス電流としては、鉄を溶接する場合は直流パルス電流が使用され、アルミニウムを溶接する場合は交流パルス電流が使用される。この間に溶接ワイヤ1の先端部と被溶接物2との間にアーク3が発生して溶接ワイヤ1が溶融して、1パルス1溶滴の移行が行われて溶融池が形成される。
そして、時刻t2において、同図(A)に示すように溶接ロボット4によって溶接トーチ7の移動を開始し、同図(B)に示すようにワイヤ送給速度設定信号Fcを予め定めたワイヤ低速度設定信号Wslに切り替え、同図(C)に示すように溶接電流Iwとして定電流特性の直流電流を通電する。この間も溶接ワイヤ1の先端部と被溶接物2との間にアーク3が発生していて、アーク3を停止させない。この間には溶接部の冷却が行われつつ溶滴が成長する。この成長した溶滴は被溶接物2と接触する直前に、時刻t3に発生する先頭のパルス電流によって溶接ワイヤ1の先端から離脱して被溶接物2へ移行する。従って、溶滴移行はパルス電流の通電期間のみで行われ、非接触のスプレー移行であるのでスパッタは発生せず、また、アークを再発生させる必要が無いので、スパッタの発生を抑制することができ、TIG溶接並みのうろこビードを形成することができる。
特開平6−55268号公報 特開平11−267839号公報
次に、上述した従来技術2のアーク溶接方法の課題を図7を参照して説明する。図7は、従来技術2のアーク溶接方法を説明するためのタイミングチャートであり、同図(A)は溶接トーチ7の移動速度の時間経過を示し、同図(B)はワイヤ送給速度設定信号Fcの時間経過を示し、同図(C)は溶接ワイヤ1の送給速度の時間経過を示し、同図(D)は溶接電流Iwの時間経過を示している。
図7の時刻t1において、同図(D)に示すように、溶接電流Iwの指令信号が直流電流からパルス電流へ切り替えられたとき、実際の溶接電流Iwは直流電流からパルス電流へ瞬時に切り替わる。一方、同図(B)に示すように、ワイヤ送給機11に入力されるワイヤ送給速度設定信号Fcは、ワイヤ低速度設定信号Wslからワイヤ高速度設定信号Wshへ切り替えられるが、同図(C)に示すように、ワイヤ送給速度設定信号Fcがワイヤ低速度設定信号Wslからワイヤ高速度設定信号Wshへ切り替わる場合、ワイヤ送給機11の送給モータや送給ロールの慣性によって、実際のワイヤ送給速度は遅延時間をもって高速度へ達することになる。
また、ワイヤ送給速度設定信号Fcがワイヤ低速度設定信号Wslからワイヤ高速度設定信号Wshへ切り替わる場合、溶接ワイヤ1が送給ロールによって押し出されるとき、コイルライナの中の溶接ワイヤ1の外周面とコイルライナの内周面との隙間で曲がることによって実際のワイヤ送給速度が高速度へ達することが遅れることになる。そのために、実際のワイヤ送給速度は、時刻t2において高速度へ達する。そのために、時刻t1からt2の間は、溶接ワイヤ1の送給速度が溶接電流Iwに対応する適切な送給速度よりも遅いために、溶接ワイヤ1の先端がアーク3によって燃え上がることによってアーク長が長くなり、適切な溶接ビードが形成されない場合がある。
次に、図7に示す時刻t3において、同図(D)に示すように、溶接電流Iwの指令信号がパルス電流から直流電流へ切り替えられたとき、実際の溶接電流Iwはパルス電流から直流電流へ瞬時に切り替わる。一方、同図(B)に示すように、ワイヤ送給機11に入力されるワイヤ送給速度設定信号Fcは、ワイヤ高速度設定値Wchからワイヤ低速度設定値Wslへ切り替えられるが、同図(C)に示すように、ワイヤ送給速度が高速度から低速度へ切り替えられる場合、ワイヤ送給機11の送給モータや送給ロールの慣性によって、実際のワイヤ送給速度は遅延時間をもって低速度へ達することになる。そのために、実際のワイヤ送給速度は、時刻t4において低速度へ達する。そのために、時刻t3からt4の間は、溶接ワイヤ1の送給速度が、溶接電流Iwに対応する適切な送給速度よりも速い送給速度であるために、直流電流に切り替えられたときに短絡が発生してスパッタが発生し、適切な溶接ビードを得ることができない場合があった。
本発明は、溶接トーチ7から送出される溶接ワイヤ1のワイヤ送給速度をワイヤ送給速度設定信号Fcに対応して切り替えることができるステッチパルス溶接を行うためのアーク溶接装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、
溶接ロボットと、
この溶接ロボットのマニピュレータの先端部に取り付けられた溶接トーチと、
前記マニピュレータの上アームに取り付けられたワイヤ送給機とを備え、
教示された移動ピッチごとに位置する複数の停止位置のいずれかに前記溶接トーチを停止させて、前記ワイヤ送給機によって前記溶接トーチに第1の送給速度で送給された溶接ワイヤと被溶接物の間に第1の電流を通電してアークを発生させることによって溶融池を形成する第1の期間と、前記溶接トーチを前記移動ピッチだけ動かして次の前記停止位置へ移動させ、前記ワイヤ送給機によって前記溶接トーチに前記第1の送給速度よりも遅い第2の送給速度で送給された前記溶接ワイヤと前記被溶接物の間に前記第1の電流よりも小さい第2の電流を通電して前記アークを発生させて、溶滴移行を行わせない第2の期間とを交互に繰り返すアーク溶接装置において、
前記溶接ワイヤが挿入されるワイヤ挿入口と、
前記溶接ワイヤが挿出されるワイヤ挿出口と、
前記ワイヤ挿入口から挿入された前記溶接ワイヤを保持するワイヤ保持部材と、
このワイヤ保持部材を前記第1の期間は前記ワイヤ挿入口と前記ワイヤ挿出口とを結ぶワイヤ送給直線上に位置させ、その後、前記第2の期間に達したときに前記ワイヤ保持部材を前記ワイヤ送給直線から予め定めた距離だけ離間させた離間位置へ移動させ、その後、前記第1の期間に達したときに前記ワイヤ保持部材を前記離間位置から前記ワイヤ送給直線上へ移動させるワイヤ保持部材移動手段とを有するワイヤ送給経路変更機を備え、
このワイヤ送給経路変更機が前記ワイヤ送給機と前記溶接トーチとの間に設けられたことを特徴とするアーク溶接装置である。
本発明のアーク溶接装置は、ステッチパルス溶接を行うときに、ワイヤ送給速度をワイヤ送給速度設定信号に対応して適切に切り替えることができる。従って、第2の期間である冷却期間から第1の期間である溶滴移行期間へ切り替えられるときには、溶接ワイヤの先端がアークによって燃え上がることによってアーク長が長くなることがなく、溶滴移行期間から冷却期間へ切り替えられるときには、短絡が発生してスパッタが発生することがない。従って、適切なTIG溶接並みのうろこ状ビードが形成される。
本発明のアーク溶接装置を示す図である。 本発明のアーク溶接装置のワイヤ送給経路変更機の第1の実施形態を示す図である。 本発明のアーク溶接装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。 本発明のアーク溶接装置のワイヤ送給経路変更機の第2の実施形態を示す図である。 一般的なアーク溶接装置の構成図である。 従来技術2のアーク溶接方法を説明するためのタイミングチャートである。 従来技術2のアーク溶接方法を説明するためのタイミングチャートである。
発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。図1は、本発明のアーク溶接装置を示す図である。同図において、溶接ロボット4のマニピュレータ5の先端部に溶接トーチ7が取り付けられ、マニピュレータ5の下アーム21の先端部に設けられた上アーム22にワイヤ送給機11が取り付けられ、ワイヤ送給経路変更機23がワイヤ送給機11と溶接トーチ7との間に設けられている。このワイヤ送給経路変更機23はワイヤ送給機11又は溶接トーチ7のいずれかにフランジを介して取り付けられる。その他の機能は、図5に示したアーク溶接装置の同機能に同符号を付して説明を省略する。
次に、ワイヤ送給経路変更機23の第1の実施形態を図2を参照して説明する。図2は、本発明のアーク溶接装置のワイヤ送給経路変更機の第1の実施形態を示す図である。同図において、ワイヤ送給経路変更機23のワイヤ挿入口24までコイルライナ47によってガイドされた溶接ワイヤ1が挿入され、ワイヤ挿出口25から溶接ワイヤ1がコイルライナ47に挿出される。ワイヤ保持部材26はリング形状を有し、このリング内に溶接ワイヤ1が挿通されている。このワイヤ保持部材26は、必ずしもリング形状である必要は無く、溶接ワイヤ1を挿通できる形状であれば矩形状でも良い。調整モータ27の出力軸に駆動ギヤ28が取り付けられて、この駆動ギヤ28に減速機29が歯合されている。この減速機29にフランジを介して移動バーの基端部30aが取り付けられている。また、移動バーの先端部30bにはワイヤ保持部材26が取り付けられている。
このワイヤ保持部材26は、ステッチパルス溶接の第1の期間である溶滴移行期間中は、ワイヤ挿入口24とワイヤ挿出口25とを結ぶワイヤ送給直線L上に位置し、その後、第2の期間である冷却期間に達したときにワイヤ保持部材26はワイヤ送給直線Lから予め定めた距離だけ離間させた離間位置Bへ移動し、その後、再度、溶滴移行期間に達したときにワイヤ保持部材は離間位置Bからワイヤ送給直線L上へ移動する。調整モータ27にはエンコーダからなる回転数検出器31が取り付けられていて、この回転数検出器31の出力値が溶接電源10に入力される。
溶接電源10の調整モータ制御手段48内に設けられた調整モータ回転数設定器32は、ワイヤ保持部材26をワイヤ送給直線L上の位置と離間位置Bとの間を移動させる移動距離に対応した調整モータ27の回転数が設定される。調整モータ回転指令回路33は、回転数検出器31からの出力値と調整モータ回転数設定器32からの出力値とを入力して、調整モータ駆動信号が入力されたときに正回転方向又は逆回転方向へ調整モータ27を調整モータ回転数設定器32の設定値に達するまで回転する。これによって、ワイヤ送給経路変更機23内の溶接ワイヤ1の送給経路は、ワイヤ保持部材26がワイヤ送給直線L上の位置にあるときは、A点とC点を結ぶ直線となり、ワイヤ保持部材が離間位置Bにあるときは、A点からB点を経由してC点までの曲線となる。このワイヤ送給経路変更機23内の溶接ワイヤ1の送給経路は、ワイヤ保持部材26の離間位置を調整することによって変化させることができる。
ワイヤ保持部材26の離間位置は、溶接ワイヤ1の材質や直径、溶接ワイヤ1の送給速度、溶接電流、溶接電圧の溶接条件及びワイヤ送給経路変更機23のワイヤ挿入口24とワイヤ挿出口25との間の距離から予め決定される。ワイヤ送給経路変更機23内の溶接ワイヤ1の送給経路を直線状から円弧状に変化させること、又はその逆に変化させることによって、ワイヤ送給機11から送出された溶接ワイヤ1のワイヤ送給速度の変化が遅延することを相殺することができる。
溶接トーチへのシールドガス及び電力の供給は図示を省略したコンジットケーブルから供給される。
以下、動作を説明する。図3は、本発明のアーク溶接装置の動作を説明するためのタイミングチャートであり、同図(A)は溶接トーチ7の移動速度の時間経過を示し、同図(B)はワイヤ送給速度信号Fcの時間経過を示し、同図(C)はワイヤ送給機11から送出された溶接ワイヤ1の送給速度の時間経過を示し、同図(D)はワイヤ送給経路変更機23内の溶接ワイヤ1の送給経路の長さの時間経過を示し、同図(E)は溶接トーチ7から送出された溶接ワイヤ1の送給速度の時間経過を示し、同図(F)は溶接電流Iwの時間経過を示している。
図3の時刻t1において、同図(A)に示すように、教示された移動ピッチごとに位置する複数の停止位置のいずれかに溶接トーチ7の移動が停止され、同図(F)に示すように、溶接電源10内の電流制御手段12によって溶接電流Iwは直流電流からパルス電流へ瞬時に切り替わり、溶接ワイヤ1と被溶接物2の間にアーク3を発生させることによって溶滴移行させ、第1の期間である溶滴移行期間が開始される。同図(B)に示すように、ワイヤ送給機11に入力されるワイヤ送給速度設定信号Fcは、ワイヤ低速度設定値Wslからワイヤ高速度設定値Wshへ切り替えられるが、同図(C)に示すように、ワイヤ送給機11から送出された溶接ワイヤ1の送給速度は、ワイヤ送給機11の送給モータや送給ロールの慣性によって、低速度から遅延時間をもって時刻t2において高速度へ達する。
この時刻t1において、溶接電源10内の調整モータ制御手段48において、調整モータ起動信号が調整モータ回転指令回路33に入力されて、調整モータ回転数設定器32で設定された回転数だけ調整モータ27を、移動バー30がa方向へ回転する方向へ回転させる。この結果、調整モータ27に連結された駆動ギヤ28が回転して、減速機29を介して移動バー30を回転させる。これによって、ワイヤ保持部材26が時刻t1まで位置していた離間位置Bからワイヤ送給直線L上の位置へ移動して、時刻t1から時刻t2にかけて、同図(D)に示すように、ワイヤ送給経路変更機23内の溶接ワイヤ1の送給経路の長さが、長いL2から短いL1へ変化する。このとき、溶接ワイヤ1の後端部はワイヤ送給機11の送給ローラと加圧ローラとで挟まれているので、溶接ワイヤ1は溶接トーチ7方向へL2とL1との差の長さだけ押し出されることになる。この結果、ワイヤ送給機11から送出された溶接ワイヤ1のワイヤ送給速度の変化が遅延することが相殺されて、同図(E)に示すように、溶接トーチ7から送出された溶接ワイヤ1の送給速度は、時刻t1において瞬時にワイヤ低速度からワイヤ高速度へ変化する。
時刻t3において、同図(A)に示すように、溶接トーチ7を移動ピッチだけ動かすための次の停止位置への移動が開始され、同図(F)に示すように、溶接電源10内の電流制御手段12によって溶接電流Iwはパルス電流から直流電流へ瞬時に切り替わり、溶接ワイヤ1と被溶接物2との間にアーク3を発生させつつ被溶接物2に形成される溶融池を冷却し、第2の期間である冷却期間が開始される。このとき同図(B)に示すように、ワイヤ送給機11に入力されるワイヤ送給速度設定信号Fcは、ワイヤ高速度設定値Wshからワイヤ低速度設定値Wslへ切り替えられるが、同図(C)に示すように、ワイヤ送給機11から送出された溶接ワイヤ1の送給速度は、ワイヤ送給機11の送給モータや送給ロールの慣性によって、高速度から遅延時間をもって時刻t4において低速度へ達する。
この時刻t3において、溶接電源10内において、調整モータ起動信号が調整モータ回転指令回路33に入力されて、調整モータ回転数設定器32で設定された回転数だけ調整モータ27を、移動バー30をb方向へ回転させる方向へ回転させる。この結果、調整モータ27に連結された駆動ギヤ28が回転して、減速機29を介して移動バー30を回転させる。これによって、ワイヤ保持部材26が時刻t3まで位置していたワイヤ送給直線L上の位置から離間位置Bへ移動して、時刻t3から時刻t4かけて、同図(D)に示すように、ワイヤ送給経路変更機23内の溶接ワイヤ1の送給経路の長さが、短いL1から長いL2へ変化する。このとき、溶接ワイヤ1の後端部はワイヤ送給機11の送給ローラと加圧ローラとで挟まれているので、溶接トーチ7側の溶接ワイヤ1がL2とL1との差の長さだけ引き戻されることになる。この結果、ワイヤ送給機11から送出された溶接ワイヤ1のワイヤ送給速度の変化が遅延することが相殺されて、同図(E)に示すように、溶接トーチ7から送出された溶接ワイヤ1の送給速度は、時刻t3おいて瞬時に高速度から低速度へ変化する。以後、冷却期間と溶滴移行期間とを繰り返す。
この結果、本発明のアーク溶接装置は、ステッチパルス溶接を行うときに、ワイヤ送給速度をワイヤ送給速度設定信号Fcに対応して適切に切り替えることができる。従って、冷却期間から溶滴移行期間へ切り替えられるときには、溶接ワイヤ1の先端がアーク3によって燃え上がることによってアーク長が長くなることがなく、溶滴移行期間から冷却期間へ切り替えられるときには、短絡が発生してスパッタが発生することがない。従って、適切なTIG溶接並みのうろこ状ビードが形成される。
上述したワイヤ送給経路変更機の第1の実施形態として、調整モータ27の回転数を溶接条件等に対応して設定する場合を説明したが、この手段の代わりに、調整モータ27の回転数を固定させておいて、移動バーの基端部30aを減速機29の軸にクランプ部材でクランプしてネジで固定する。そして、溶接条件等に対応して、移動バー30のクランプ部材に固定された箇所から先端部30bまでの距離を調整することによって、ワイヤ送給経路変更機23内の溶接ワイヤ1の送給経路を変化させても良い。
図4は、本発明のアーク溶接装置のワイヤ送給経路変更機の第2の実施形態を示す図である。同図において、ワイヤ送給経路変更機41内のリニアガイド42のガイドレール43がワイヤ送給経路変更機41の本体に固着されている。リニアガイド42のスライド部材44がプレート45に固着され、プレートの先端部45aにワイヤ保持部材26が取り付けられていて、プレートの側端部45bにラック46が固着されている。このラック46に減速機29が歯合している。リニアガイド42のスライド部材44はガイドレール43に沿って自由に移動できる。したがって、減速機29が回転するとラック46が移動して、ラック46が固着されたプレート45も移動する。このとき、プレート45に固着されたリニアガイド42のスライド部材44はガイドレール43に沿って移動するので、プレート45は直線的に移動する。これによって、ラック46と減速機29とによって減速機29の回転運動がラック46の直線運動に変換される。
ワイヤ送給経路変更機の第2の実施形態は、上述したワイヤ送給経路変更機の第1の実施形態と同様に、ワイヤ保持部材26をワイヤ送給直線L上と離間位置Bとの間で移動させる。ワイヤ送給経路変更機の第2の実施形態が設けられた本発明のアーク溶接装置の動作及び効果は上述したワイヤ送給経路変更機の第1の実施形態が設けられた本発明のアーク溶接装置の動作及び効果と同様であるので説明を省略する。
上述した本発明のアーク溶接装置のワイヤ送給経路変更機の第2の実施形態として調整モータ27の回転数を溶接条件等に対応して設定する場合を説明したが、この手段の代わりに、リミットスイッチによってワイヤ保持部材26の位置を検出してワイヤ保持部材26の動作を制御しても良い。
即ち、ワイヤ保持部材26の上端部と下端部とにそれぞれ接触する2つのリミットスイッチをそれぞれ設けて、ワイヤ保持部材26がワイヤ送給直線L上の位置にあるときは、ワイヤ保持部材26の下端部に接触するリミットスイッチによってワイヤ保持部材26の位置が検出される。そして、ワイヤ保持部材26が離間位置Bにあるときは、ワイヤ保持部材26の上端部が接触するリミットスイッチによってワイヤ保持部材26の位置が検出される。このようにして調整モータ27を回転させると、リミットスイッチによってワイヤ保持部材26の位置を検出して保持部材26の動作を制御することができる。ワイヤ送給経路変更機内の溶接ワイヤ1の送給経路の長さは、ワイヤ保持部材26の上端部に接触するリミットスイッチの位置を調整することによって変化させることができる。
なお、ワイヤ送給経路変更機23又は41は、ワイヤ送給機11にフランジを介して取り付けるよりも、溶接トーチ7にフランジを介して取り付けることによって、ワイヤ送給経路変更機23又は41から送出された溶接ワイヤ1が、溶接ワイヤ1の外周面とコイルライナの内周面との隙間で曲がることが少なくなるので、ワイヤ送給速度設定信号Fcに対する実際のワイヤ送給速度の応答性がより高くなる。
1 溶接ワイヤ
2 被溶接物
3 アーク
4 溶接ロボット
5 マニピュレータ
6 一線式パワーケーブル
7 溶接トーチ
8 ティーチペンダント
9 ロボット制御装置
10 溶接電源
11 ワイヤ送給機
12 電流制御手段
13 ワイヤ送給制御手段
14 駆動回路
15 記憶回路
21 下アーム
22 上アーム
23 ワイヤ送給経路変更機
24 ワイヤ挿入口
25 ワイヤ挿出口
26 ワイヤ保持部材
27 調整モータ
28 駆動ギヤ
28 調整モータ
29 減速機
30 移動バー
30a 移動バーの基端部
30b 移動バーの先端部
31 回転数検出器
32 調整モータ回転数設定器
33 調整モータ回転指令回路
41 ワイヤ送給経路変更機
42 リニアガイド
43 ガイドレール
44 スライド部材
45 プレート
45a プレートの先端部
45b プレートの側端部
46 ラック
47 コイルライナ
48 調整モータ制御手段
B 離間位置
Dw 動作軌跡データ
Fc ワイヤ送給速度設定信号
Iw 溶接電流
L ワイヤ送給直線
L1、L2 溶接ワイヤの送給経路の長さ
Mc 動作制御信号
Pc 溶接電源出力制御信号
Uw 溶接トーチ移動速度設定信号
Vw 溶接電圧
Ws 送給速度
Wsh ワイヤ高速度設定信号
Wsl ワイヤ低速度設定信号

Claims (1)

  1. 溶接ロボットと、
    この溶接ロボットのマニピュレータの先端部に取り付けられた溶接トーチと、
    前記マニピュレータの上アームに取り付けられたワイヤ送給機とを備え、
    教示された移動ピッチごとに位置する複数の停止位置のいずれかに前記溶接トーチを停止させて、前記ワイヤ送給機によって前記溶接トーチに第1の送給速度で送給された溶接ワイヤと被溶接物の間に第1の電流を通電してアークを発生させることによって溶融池を形成する第1の期間と、前記溶接トーチを前記移動ピッチだけ動かして次の前記停止位置へ移動させ、前記ワイヤ送給機によって前記溶接トーチに前記第1の送給速度よりも遅い第2の送給速度で送給された前記溶接ワイヤと前記被溶接物の間に前記第1の電流よりも小さい第2の電流を通電して前記アークを発生させて、溶滴移行を行わせない第2の期間とを交互に繰り返すアーク溶接装置において、
    前記溶接ワイヤが挿入されるワイヤ挿入口と、
    前記溶接ワイヤが挿出されるワイヤ挿出口と、
    前記ワイヤ挿入口から挿入された前記溶接ワイヤを保持するワイヤ保持部材と、
    このワイヤ保持部材を前記第1の期間は前記ワイヤ挿入口と前記ワイヤ挿出口とを結ぶワイヤ送給直線上に位置させ、その後、前記第2の期間に達したときに前記ワイヤ保持部材を前記ワイヤ送給直線から予め定めた距離だけ離間させた離間位置へ移動させ、その後、前記第1の期間に達したときに前記ワイヤ保持部材を前記離間位置から前記ワイヤ送給直線上へ移動させるワイヤ保持部材移動手段とを有するワイヤ送給経路変更機を備え、
    このワイヤ送給経路変更機が前記ワイヤ送給機と前記溶接トーチとの間に設けられたことを特徴とするアーク溶接装置。
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