JP3163519B2 - 亜鉛メッキ鋼板のガスシールドアーク溶接方法とその溶接機 - Google Patents
亜鉛メッキ鋼板のガスシールドアーク溶接方法とその溶接機Info
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Description
に適したガスシールドアーク溶接方法と、その溶接機に
関する。
キした鋼板(以下亜鉛メッキ鋼板という)は、耐食性、
耐候性に優れているため自動車用部品、建築用鉄骨部材
等に用いられ、年々その需要量は増加している。
行溶接(炭酸ガス溶接、MAG溶接)やパルスMAG溶
接が一般に広く用いられている。これらのアーク溶接を
行うと、鋼板表面にメッキされている亜鉛が鉄より低い
融点をもっていて、その亜鉛が気化する。この蒸気亜鉛
が、溶融池および溶融金属を通過し外部に拡散しようと
するが、溶融金属の凝固速度が速い場合には外部に十分
に蒸気亜鉛が拡散しきれずに溶接金属内、および溶接金
属表面に気泡として残存する。この蒸気亜鉛がブローホ
ールやピット(以下、気孔という)等の溶接欠陥の発生
原因となっていた。また、蒸気亜鉛の発生は、アークを
乱し、多量のスパッタの発生する原因にもなっていた。
特徴としては、上記に示すようにスパッタ、気孔の発生
は著しいが、パルスMAG溶接をする場合は、スパッタ
の発生は短絡移行溶接の場合より低減される。また、入
熱量が大きいため、亜鉛蒸気の拡散を促進させて、気孔
の発生を抑制する。しかし、この入熱量が大きいため、
アンダーカット等の溶接欠陥の発生を助長すると共に、
薄板材への対応は困難であった。
タの発生は、溶接品質を低下させるだけでなく、その気
孔発生が許容されない発生頻度に至れば、溶接部の手直
しが必要となり、手直しができない場合にはその部材は
廃棄されることもあり、作業能率の低下、及び著しい不
経済をもたらすことになっていた。このように短絡移行
溶接にもパルスMAG溶接にもそれぞれ欠点があった。
生に対しては、比較的速度の遅い低速溶接や、鋼板の間
隙を開けた溶接等をし、アンダーカットの発生に対して
は、溶接電圧を低下させる等、主として経験に基づいた
施工面での工夫により対応していた。
の亜鉛メッキ鋼板のアーク溶接では、低速溶接のために
能率が低く、鋼板の間隙によって溶け落ちやアンダーカ
ット等の欠陥が発生し易い。また、溶接電圧を低下させ
ると、スパッタ量が増加していた。
で、亜鉛メッキ鋼板のアーク溶接において、従来よりも
高溶接速度で、かつ、気孔、スパッタ、アンダーカット
の発生を抑制することができるガスシールドアーク溶接
方法とその溶接機を提供することにある。
ために、請求項1に記載の発明は、パルス電流を重畳し
たパルスMAG溶接と短絡移行溶接を交互に行うととも
に、パルスMAG溶接時にスパッタ、気孔の発生を抑制
し、短絡移行溶接時に母材への入熱を低減させ、アンダ
ーカットの発生を抑制することを特徴とするガスシール
ドアーク溶接方法である。
項1に記載の溶接方法において、シールドガス中に2〜
7体積%の酸素ガスを混合させたことを特徴とするガス
シールドアーク溶接方法である。
設定器とパルス電流設定器を有しその各々の出力を切換
器の入力とし、周波数設定器からの出力信号により、短
絡電流設定器と前記のパルス電流設定器の出力信号を交
互に出力するとともに、パルスMAG溶接時にスパッ
タ、気孔の発生を抑制し、短絡移行溶接時に母材への入
熱を低減させ、アンダーカットの発生を抑制することを
特徴とする亜鉛メッキ鋼板のガスシールドアーク溶接機
としたものである。
ガスシールドアーク溶接方法は、パルスMAG溶接と短
絡移行溶接を周期的に交互に繰り返すことにより、パル
スMAG溶接時においてスパッタ、気孔の発生を抑制
し、短絡移行溶接時において母材への入熱を低減させ、
アンダーカットの発生を抑制する。
に、酸素ガスを2〜7体積%混合して溶融金属の粘性を
低下し、溶滴移行を容易にし、アークの乱れを抑制す
る。このためスパッタの発生は抑制され、蒸気亜鉛は溶
融部から外部への拡散が促進され、気孔の発生が抑制さ
れる。
ク溶接機では、切換器が周波数設定器の出力信号によ
り、短絡電流設定器及びパルス電流設定器の各々の出力
を周期的に交互に繰り返し出力するため、パルス溶接時
において、スパッタ、気孔の発生を抑制し、短絡移行溶
接時において母材への入熱を低減させ、アンダーカット
の発生を抑制する。
形は、パルスMAG溶接部A、短絡移行溶接部Bからな
る。
MAG溶接によりスパッタが抑制される。また、母材へ
の入熱が大きくなるため蒸気亜鉛の外部への拡散が促進
され、気孔の発生が抑制されるが、一方で、アンダーカ
ットの発生を容易にするので、図1の短絡移行溶接部B
で入熱を低減させ、その発生を抑制する。そして、パル
スMAG溶接と短絡移行溶接とは交互に周期的に行わ
れ、両溶接方法の欠点は低減され利点が発揮されるもの
である。なお、シールドガスはアルゴンガスと炭酸ガス
との混合ガスを主成分としたものである。
スを2〜7体積%混合する。
下し、溶滴移行を容易にし、アークの乱れを抑制する。
このためスパッタの発生は抑制され、蒸気亜鉛は溶融部
から外部への拡散が促進され、気孔の発生が抑制され
る。酸素ガス量が多すぎると、溶融部の粘性が低下しす
ぎるため、逆に溶融池が乱れてスパッタ及び気孔の発生
を助長する。このため、酸素ガスの混合比を2〜7体積
%とした。
設定器C、パルス電流設定器Dの各々の出力が切換器E
に接続されており、周波数設定器Fからの出力信号によ
り、短絡電流設定器C、パルス電流設定器Dの出力信号
を交互に周期的に出力する。また、交互に出力されるパ
ルスMAG溶接部と短絡移行溶接部の出力比率を可変で
きるようにすると共に、パルスMAG溶接部と短絡移行
溶接部の和を1サイクルとした場合に、2〜120Hz
に設定できるようにし、種々の溶接条件に対応できるよ
うにした。
明によると、次の効果がある。
トの発生を抑制することができ、従って溶接品質の向
上、ビード外観の低下の抑制、スパッタ除去作業及び溶
接部の手直し等の作業能率の低下を解消し、良好な溶接
作業性を維持する亜鉛メッキ鋼板の溶接方法と溶接機を
実現できる。
り、薄板材への溶接の適用範囲を広めることができる。
い溶接亜鉛メッキ鋼板製品を実現することができる。
装置のブロック図
Claims (3)
- 【請求項1】 アルゴンガスや炭酸ガスを含むガスをシ
ールドガスとして溶接を行う消耗電極式溶接方法におい
て、パルス電流を重畳したパルスMAG溶接と、短絡移
行溶接とを交互に行うとともに、パルスMAG溶接時に
スパッタ、気孔の発生を抑制し、短絡移行溶接時に母材
への入熱を低減させ、アンダーカットの発生を抑制する
ことを特徴とする亜鉛メッキ鋼板のガスシールドアーク
溶接方法。 - 【請求項2】 シールドガスに2〜7体積%の酸素ガス
を混合して溶接することを特徴とする請求項1に記載の
亜鉛メッキ鋼板のガスシールドアーク溶接方法。 - 【請求項3】 短絡電流設定器とパルス電流設定器を有
し、前記の各々の設定器の出力を切換器の入力とし、周
波数設定器からの出力信号により、前記短絡電流設定器
と前記パルス電流設定器の出力信号を交互に出力すると
ともに、パルスMAG溶接時にスパッタ、気孔の発生を
抑制し、短絡移行溶接時に母材への入熱を低減させ、ア
ンダーカットの発生を抑制する亜鉛メッキ鋼板のガスシ
ールドアーク溶接機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15165993A JP3163519B2 (ja) | 1993-06-23 | 1993-06-23 | 亜鉛メッキ鋼板のガスシールドアーク溶接方法とその溶接機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP15165993A JP3163519B2 (ja) | 1993-06-23 | 1993-06-23 | 亜鉛メッキ鋼板のガスシールドアーク溶接方法とその溶接機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH079149A JPH079149A (ja) | 1995-01-13 |
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Family
ID=15523413
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP15165993A Expired - Lifetime JP3163519B2 (ja) | 1993-06-23 | 1993-06-23 | 亜鉛メッキ鋼板のガスシールドアーク溶接方法とその溶接機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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1993
- 1993-06-23 JP JP15165993A patent/JP3163519B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
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