JP4538520B2 - 鋼板のガスシールドアークブレージング方法 - Google Patents

鋼板のガスシールドアークブレージング方法 Download PDF

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Description

本発明は、銅を主成分としケイ素(シリコン)とマンガンを含有する銅シリコン合金ワイヤを用いた鋼板のアークブレージングにおいて、ビードのぬれ性を改善し、ハンピングやビード蛇行に代表される不整ビードの発生を防止するとともに、スパッタの発生を低減し、ビード幅の揃った平坦なビードを得ることができる鋼板のアークブレージング方法に関するものである。
アークブレージングは、電気アークを熱源としたろう付け方法であり、接合する母材より融点の低い金属又は合金を溶加材として用い、母材をほとんど溶融せずに接合する接合方法であり、アーク溶接向けに販売されている溶接電源を用いて施工されるのが一般的である。
使用される溶加材は主として銅合金ワイヤが用いられ、シリコンやマンガンを含有した銅シリコン合金(CuSi型、融点910〜1025℃)やアルミニウムを含有した銅アルミニウム合金(CuAl型、融点1030〜1040℃)が一般的に使用される。
特に、CuSi型ワイヤは溶融点がCuAl型ワイヤよりも低く、低電流のショートアーク(短絡アーク)によるアークブレージングに適している。また、亜鉛めっき鋼板等の表面処理鋼板の接合に適用しても、アーク溶接のようにピットやブローホールが発生しにくい特徴がある。
アークブレージングは、GMA(Gas Metal Arc)溶接等の溶融溶接に比べて低入熱であるため、歪の発生が少なく、ギャップの大きい継手の接合が可能であるため、自動車車体部品など薄板の接合に適している。また、電気アークを大気から保護するため、アーク溶接と同様にシールドガスが必要であり、アルゴンガスが一般的に用いられている。
しかしながら、シールドガスにアルゴンガスを使用すると、陰極点が安定せずアークの発生が不安定となり、スパッタが発生すると共にビード幅の安定性低下や蛇行といったビード不整を生じる。さらに、ビードのぬれ性が悪いためビード幅の狭い凸ビードになり易く、亜鉛めっき鋼板等の表面処理鋼板の接合に適用した場合には、更にぬれ性が低下しハンピングビードを生じ易くなる。このため、ビード幅が狭くなり易く、溶着金属と母材の接触面積も狭くなるため、継手強度を確保するには、高電流域での施工となるが、アークの更なる不安定化及びスパッタ発生が増加する問題がある。
ブレージング速度もアーク溶接と同様にアークを不安定化させる要因となるため、高速化は困難であり、一般的に1.0m/min未満の領域で施工されているが、ギャップを生じ易い継手の場合には、より低速度での施工を余儀なくされている。
アーク不安定に起因するスパッタやビード不整を低減するアークブレージング方法として、シールドガス中に酸素ガス、炭酸ガス、水素ガスを一定量以上添加し、アークを安定化させる方法が提案されている(特開平9−248668号公報、特表2005−515899号公報)。
また、MIGろう付けのビードのぬれ性を改善するために、ワイヤを形成するCu製外皮内に、Al基材料からなる芯材線や、ワイヤにSi、Mn、Nbを含み、他はCu及び不可避不純物からなる金属粉をCu製外皮内に充填した複合ワイヤが提案されている(特開平6−226486号公報、特開平6−269985号公報)。
ビードのぬれ性改善に関しては、パルスアークを用いることで改善が図れることが一般的に知られている。
上記特開平9−248668公報で開示されている方法では、アークの不安定に起因するスパッタや溶け落ち発生を防止するため、アルゴンに酸素を2〜10%含有させたシールドガスを使用することが開示されている。
しかしながら、本発明者がアークブレージングで一般的に用いられている消耗電極式のアーク溶接機で、亜鉛めっき鋼板のアークブレージングを行ったところ、後述の試験例に示すとおり、アークの不安定現象が改善されるためスパッタ発生量は減少するが、ビードのぬれ性を満足できるレベルまで改善できないことがわかった。
一方、特表2005−515899号公報では、0.4〜2.0%水素、0.3〜2.0%二酸化炭素、残部アルゴンのガス混合物を用いた亜鉛めっきされた金属部品のブレーズ溶接方法が開示されている。
しかしながら、このガス混合物には水素が添加されており、一般的に鋼板のアーク溶接では溶接割れ発生の懸念から水素を添加したシールドガスの使用は好ましくなく、鋼板のアークブレージングにおいても、割れの発生が懸念される。また、このガス混合物は3種混合ガスであるためコスト高となる。
さらに、特開平6−226486号公報や特開平6−269985号公報で開示されているMIGろう付け用複合ワイヤは、特殊なワイヤとなるため、ワイヤ全体が均質なソリッドワイヤを用いた場合に比べ、溶加材のコストが増加する問題があった。
ところで、消耗電極式のアークブレージングではショートアーク又はパルスアークを用いて施工されるのが一般的である。
ショートアークは、アークの点弧と短絡による消失を交互に繰返しながら溶滴を移行させるアーク形態であり、薄鋼板のアークブレージングに多用されている。薄鋼板に適用する場合には、溶け落ちを防止するため低電流域で施工される。
ワイヤが被加工物方向に常に供給される形態のショートアークでは、アークの点弧により溶滴が形成され、溶滴が被加工物若しくは溶融池に接触短絡することによりアークが消失し、電磁的ピンチ力及び熱的ピンチ力を受け溶滴がワイヤから離脱する短絡溶滴移行が行われる。
このとき、電磁的ピンチ力の大きさは電流値に依存し、熱的ピンチ力の大きさはアークの冷却効果が大きく、アークを緊縮させる炭酸ガスや酸素ガス等のシールドガス中の比率に依存する。すなわち、ショートアークで薄鋼板のアークブレージングを行う場合、低電流域で施工されるため、電磁的ピンチ力が弱く、短絡時のスパッタ発生が避けられない。
さらに、ピンチ力に依存した溶滴移行を行う一般的なショートアークではビード幅の狭い凸ビードになると共にビード幅が不揃いになり易いため、ワイヤの狙いズレに対する許容範囲が狭くなる問題がある。
パルスアークは、臨界電流よりも高電流のピーク電流と、低電流のベース電流を周期的に付加し、ピーク電流期間でワイヤを溶融し、ピーク電流からベース電流へと遷移するパルス立下り期間とベース期間でワイヤ先端に形成された溶滴を溶融池に移行させることにより、溶滴が溶融池と接触することなく、溶滴を移行させるアーク形態である。
パルスアークでは、1回のパルスピーク電流でワイヤを溶融、溶滴を形成し、ピーク電流からベース電流へと遷移するパルス立下り期間とベース期間で溶滴を溶融池に移行させるようにパルス条件を調整することにより、溶滴移行が1パルス1移行になり、スパッタ発生量が低減できる。また、アークの広がりが大きいため、ショートアークに比べてビードのぬれ性が良好な幅広のビードが得られる。
しかしながら、パルスアークを用いると、ショートアークに比べて電流値・電圧値共に高くなるため、入熱が大きくなり易く、熱容量が小さい薄鋼板の継手では入熱過多により継手に穴が開く「溶け落ち」を生じ易くなる問題がある。
溶け落ちは手直しコストの増加に繋がり好ましくないため、母材への入熱が過剰となり易いパルスアークを用いることは適当でない。
アークブレージングは、通常被加工物をほとんど溶融しないため、低入熱で歪の少ない接合が実現できるが、継手強度は板材と溶着金属との接する面で確保しているため、特にアークブレージングで多用されている重ね継手においては、上板と溶着金属との接触面を十分に確保することが必要である。しかしながら、従来から用いられている方法では、ビードのぬれ性が悪いため、ビード幅の狭い凸ビードになり易く、上板と溶着金属との接触面を十分に確保することが困難であった。
特開平9−248668号公報 特表2005−515899号公報 特開平6−226486号公報 特開平6−269985号公報
本発明は、鋼板の消耗電極式アークブレージングにおいて、特殊な複合ワイヤを用いることなく、ビードのぬれ性を改善し、ハンピングやビード蛇行に代表される不整ビードの発生を防止するとともに、スパッタの発生を低減し、ビード幅の揃った平坦なビードを得ることを目的とする。
このような課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、銅を主成分としケイ素とマンガンを含有する銅合金ワイヤを用いた亜鉛めっき鋼板のアークブレージングにおいて、
前記ワイヤが被加工物に対して前進後退動作することによ短絡溶滴移行が、1秒間の短絡回数が55〜85回となるように周期的に行われ
シールドガスとして1.5〜7体積%の酸素ガスを含み残部がアルゴンガスからなる混合ガスを使用し、アークブレージングすることを特徴とする亜鉛めっき鋼板のガスシールドアークブレージング方法である。
請求項2にかかる発明は、銅を主成分としケイ素とマンガンを含有する銅合金ワイヤを用いた亜鉛めっき鋼板のアークブレージングにおいて、
前記ワイヤが被加工物に対して前進後退動作することによ短絡溶滴移行が、1秒間の短絡回数が55〜85回となるように周期的に行われ
シールドガスとして2〜7体積%の酸素ガスと15体積%以下のヘリウムガスを含み、残部がアルゴンガスからなる混合ガスを使用し、アークブレージングすることを特徴とする亜鉛めっき鋼板のガスシールドアークブレージング方法である。
請求項3にかかる発明は、前記アルゴンガスが、不純物として酸素ガスと窒素ガスを含む粗アルゴンガスであることを特徴とする請求項1または2記載の亜鉛めっき鋼板のガスシールドアークブレージング方法である。
請求項にかかる発明は、銅合金ワイヤのワイヤ断面が中実で断面同質のソリッドワイヤであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の亜鉛めっき鋼板のガスシールドアークブレージング方法である。
本発明のアークブレージング方法によれば、アークの不安定現象を改善し、スパッタの発生を低減できるだけではなく、ビードのぬれ性が改善されるため、平坦なビードを得ることができ、ハンピングやビード蛇行に代表される不整ビードの発生を防止できる。
図1は、本発明のブレージング方法の一例を模式的に示すもので、その要部を示している。図1中、符号1は、溶接トーチを示す。この溶接トーチ1は、ガスノズル2とコンタクトチップ3とから構成されている。
ガスノズル2は、中空円筒状もので、その内部には同軸的に中空円筒状のコンタクトチップ3が間隙を配して挿通、固定されている。
ガスノズル2とコンタクトチップ3との間の間隙は、シールドガスが流れる流路となっており、この流路は、図示しないシールドガス供給源に接続され、シールドガスが供給されるようになっている。
コンタクトチップ3内の空洞にはワイヤ4が挿通され、図示しないワイヤ送給装置から自動的に送給されたワイヤ4が連続的に送り出されるように構成されている。
このワイヤ送給装置は、ワイヤ4を送り出す前進動作とワイヤ4を後退させる後退動作とを行うことができる装置であって、前進動作および後退動作の時間当たりの回数、周期、タイミング、ワイヤ4の移動量などを適宜設定できるようになっている。
また、コンタクトチップ3と母材5との間には、溶接電源装置6からの溶接電流が印加されるようになっており、この溶接電流によりワイヤ4と母材5との間にアークが発生し、このアークによりワイヤ4が溶融して溶滴が形成され、この溶滴が母材5に移行し、母材5の隙間に流入して母材5の接合(ろう付け)が行われる。
前記シールドガスには、酸素ガスが1.5〜7体積%、好ましくは2〜7体積%であり、残部がアルゴンガス及び不可避不純物からなる混合ガスが用いられる。
ここで、酸素ガスが1.5体積%未満では、陰極点が安定して形成されず、アークが不安定になるため、ハンピングやビード蛇行に代表される不整ビードを生じ易い。また、アークの広がりが大きく、母材への入熱が不足するため、ビードのぬれ性を満足できるレベルまで改善できない。7体積%を越えるとアークが過度に集中するため、ビード幅の安定性が低下する。また、酸化力が過剰になるためスラグの発生が顕著になり、剥離による塵の発生が顕著になる。
また、シールドガスとして、2〜7体積%の酸素ガスと15体積%以下のヘリウムガスを含み、残部がアルゴンガス及び不可避不純物からなる混合ガスも用いることができる。このものではアークの広がりは抑制され、ビード濡れ性がよくなる。ヘリウムガスが15体積%を越えると、溶滴が短絡により移行せず、スプレー移行のようにワイヤから連続的に離脱するようになるため、トーチ移動速度(ブレージング速度)を速くするとアークが不安定になると共にビード幅が不均一になり易く、スパッタも発生し易くなる。
また、ここで不可避不純物とは、ガスを製造する際に含まれる微量の他成分であり、本発明におけるアルゴンガス、ヘリウムガスには不可避不純物が含まれるものを含む。
前記混合ガスに含まれるアルゴンガスは、不純物として酸素ガスと窒素ガスを含むアルゴンガス(粗アルゴンガス)でも良い。アルゴンガス中に含まれる窒素ガスは0.1体積%以下とするのが好ましい。
これらのガスは、空気を液化して空気の各成分の沸点差で各組成分を精留分離する空気液化分離装置より得られる。アルゴンガス採取工程を備えた空気液化分離装置よりアルゴンガスを得る。
アルゴンガスは空気中の濃度が1%未満であり、沸点も窒素ガスの沸点と酸素ガスの沸点の間の値であるため、空気液化分離装置からアルゴンと酸素と窒素を含む粗アルゴンを取り出し、不純物を除去する工程を経ることにより得られる。
空気液化分離装置から取り出された粗アルゴンは酸素分を除去するために水素添加して触媒により酸素を水として除去する。その後、窒素ガス、水素ガスを少量含有する脱酸粗アルゴンガスを精留し、窒素ガス、水素ガスを除去して一般にアルゴンと呼ばれる純アルゴンを得る。
このため、ガス製造工程が複雑になる分、アルゴンガスの価格は高価となる。一方、粗アルゴンガスは脱酸素及び精留工程を経ていないため、アルゴンガスよりも安価となる。
本発明では、アルゴンガスとして、このような粗アルゴンガスを使用することができ、これを用いてシールドガスとした際には、シールドガス中の全酸素が前記規定値となるようにされ、シールドガス中の窒素ガスは0.1体積%以下とされる。
シールドガスの流量は10〜30リットル/分程度とされるが、この範囲に限定されることはない。
前記ワイヤ4は、直径0.8〜1.2mmの銅を主成分としケイ素(シリコン)とマンガンを含有する銅シリコン合金ワイヤであり、EN14640:2005に規定されるシリコン含有量が2.8〜4.0wt%、マンガン含有量が0.5〜1.5wt%の銅合金ワイヤ(CuSi3Mn1)を使用することができる。この銅合金ワイヤのワイヤ断面は、中実であって、断面のすべてが同質の前記銅合金からなるソリッドワイヤである。
ワイヤ4の送り出し速度は、必要溶着量に基づき選択され、3〜11m/分の範囲が好ましいが、この範囲に限定されることはない。
前記母材5には、主に亜鉛めっき鋼板が用いられるが、これ以外に他の表面処理鋼板や表面処理が施されていない炭素鋼板も用いられ、その板厚は0.6〜1.4mm程度とされる。継手形状は、主に重ね継手とされるが、これに限られることはない。2枚の母材5、5の間の隙間は0〜3mm程度とされる。
本発明のアークブレージング方法は、短絡溶滴移行を行うものであるが、従来の短絡溶滴移行と異なり、ワイヤ4が被加工物に対して前進後退動作を行うことにより短絡溶滴移行が周期的に行われる点に特徴がある。
図2には、本発明の短絡溶滴移行と従来の短絡溶滴移行の形態を示している。
図2(a)に示したものは、本発明で実施される短絡溶滴移行の形態を示しており、図2(b)に示したものは、従来の短絡溶滴移行の形態を示している。
図2(a)に示したように、本発明での短絡溶滴移行の形態では、ワイヤ4の先端に溶滴11が形成されると、ワイヤ4の送り量を一時的に大きくして、ワイヤ4先端の溶滴11を溶融池もしくは被加工物に接触させて短絡を行い、アークを消弧させたのち、ワイヤ4を所定量後退させてワイヤ4を引き上げると同時に溶滴11を移行させ、ついでアークを点弧させて次の溶滴11を形成するようにし、これを周期的に好ましくは1秒間に55〜85回繰り返す。
一方、図2(b)に示した従来の短絡溶滴移行の形態は、ワイヤ4が被加工物方向に常時供給され、アークの点弧により溶滴11が形成され、溶滴11が被加工物もしくは溶融池に接触短絡することによりアークが消弧し、電磁的ピンチ力および熱的ピンチ力を受けて溶滴11がワイヤ4から離脱する方法である。
この従来の短絡溶滴移行の形態では、短絡回数を任意に調整することは困難であり、前記シールドガスを用いたとしても、スパッタ量、ビードのぬれ性共に満足の行くレベルのビードが得られないことが、本発明者が行った実験で明らかになっている(試験例1参照)。
ビードのぬれ性が改善されない原因は、前記シールドガスを用いると、熱的ピンチ力により適正なアーク長がアルゴンガスのみの場合よりも短くなることにより、適正なアーク電圧も低くなり、結果として入熱が低くなるためである。一方、入熱を増すためにアーク電圧を増加させると、アーク長が伸びて溶滴移行が不安定になるため、スパッタ発生の増加に繋がるため好ましくない。
これに対して、本発明での短絡溶滴移行の形態では、短絡回数を任意に調整することができ、溶滴移行をピンチ力に依存せず制御できるため、スパッタの発生が低減できる。また、前記シールドガスを用いて、スパッタ量、ビードのぬれ性共に満足の行くレベルのビードが得られる。
本発明でのワイヤ4の前進後退動作による機械的な短絡溶滴移行は、1秒間に55〜85回行われることが好ましく、1秒間に55回未満ではワイヤ4の供給量が少なくなり、安定したビード形成に必要な溶着量を確保できない。1秒間に85回を越えると、アーク点弧からの溶滴形成と被加工物へのワイヤの接触及び離脱までの時間が短くなりすぎるため、溶滴の形成が不十分なままワイヤが溶融池に突っ込みスパッタが発生し易くなる。
前記回数の制御は、ワイヤ4の前進後退動作の1秒間当たりの回数、若しくはワイヤ送給速度に対して回数を設定することで行われる。
溶接電流は60〜150Aとするのが好ましく、これより値が小さいとワイヤの供給量が少なくなり、入熱量も少なくなるため、安定したビード形成に必要な溶着量及びビードのぬれ性を確保できない。値が大きいとアーク点弧による溶滴の形成が不十分になり易くなるため、ワイヤが溶融池に突っ込みスパッタが発生し易い。
また、亜鉛めっき鋼板のアークブレージングにおいて、重ね継手やせぎり継手等の板材を重ね合わせた継手の接合を行う場合、以下の式(a)で表される入熱量Qが、被接合部材の板厚に応じて求められる以下の条件式(b)を満足することが好ましく、入熱量Qがこの範囲より値が小さいとビードのぬれ性が悪く安定したビードが形成できない。入熱量Qがこの範囲より値が大きいと、ワイヤの溶融が過剰になるためアークが不安定になり易く、大粒のスパッタが発生する。
Q=(I×E×60)/v ・・・・・(a)
ここで、
Q:入熱量(J/cm)
I:平均電流(A)
E:平均アーク電圧(V)
v:ブレージング速度(cm/min)
625×t+125≦Q≦1250×t+250 ・・・・・(b)
ここで、
t:鋼板の板厚(mm)値
以下に、本発明でのシールドガス組成限定の理由について、後述の試験例の結果から導き出された考察に基づいて述べる。
アルゴンガス中に酸素ガスを一定量以上添加すると、母材の陰極点が安定して形成され、アークの集中性が増すため、ビード蛇行に代表されるアークの不安定現象が改善される。
酸素ガスはアルゴンガスに比べて電位傾度が高いため、同一アーク長の条件においては、アルゴンガスのみに比べアーク電圧が上昇するため、ビードのぬれ性が増し、平坦なビードが形成される。ヘリウムガスもアルゴンガスに比べて電位傾度が高く、ビードのぬれ性を向上させるが、アークの広がりが大きく、不安定であるため単独での使用は好ましくなく、アーク集中し安定する作用のある酸素ガスと共にアルゴンガスに添加することで、使用することができる。
一方、酸素ガスを必要以上添加するとアークが過度に集中するため、ビード幅の安定性(均一性)が低下する。また、酸化力が過剰になるとスラグの発生が顕著になり、剥離による塵の発生に繋がり、塗装の剥離にも繋がるため好ましくない。また、ヘリウムガスを過剰添加すると、溶滴が短絡により移行せず、スプレー移行のようにワイヤから連続的に離脱するようになるため、ブレージング速度を速くするとアークが不安定になると共にビード幅が不均一になり易く、スパッタも発生し易くなり好ましくない。
さらに、添加濃度を増すに従ってアーク電圧も上昇し、母材が溶融し易くなることから、過剰添加は好ましくない。窒素はアークの不安定化やブローホール等の内部欠陥発生の原因となるため、含有量はできるだけ少ないことが好ましいが、窒素が0.1体積%以下では著しいアークの不安定化や内部欠陥は発生には至らない。
以上を満足する条件で種々の検討を行った結果、アルゴンガス中の酸素ガスの最低濃度は1.5体積%、上限濃度は7体積%、ヘリウムガスの上限濃度は15体積%であることがわかった。
[試験例1]
板厚1.4mmの合金化溶融亜鉛めっき鋼板において、アークトーチを板材に対して鉛直に保持した姿勢で、ブレージング速度を0.6m/minとして、アークブレージングを行った。さらに、同一ロットの試験体を同一条件でアークブレージングを行い、発生したスパッタを銅製の捕集箱で捕集した。
溶接電源はアークブレージングで一般的に利用されているワイヤが被加工物方向に常に供給される従来型の消耗電極式のアーク溶接機(以下、溶接機1と略す)と、ワイヤが被加工物に対して前進後退動作することにより機械的な短絡溶滴移行が周期的に行われる溶接機(以下、溶接機2と略す)を用いて、図2に示す溶滴移行形態の差異によるスパッタ発生量とビードのぬれ性の違いを評価した。
シールドガスとして、アルゴンガスと酸素ガスからなる混合ガスを用い、酸素ガスの組成を変えてアークブレージングを行った。また、比較としてアークブレージングで通常用いられているアルゴンガスを用いた。
評価は、アークブレージングの継手性能を損なう因子であるアークの安定性、ビードの安定性、溶融金属の酸化によるスラグ生成量と剥離状態、ビードのぬれ性及びスパッタ捕集量(g/min)を対象とし、以下の方法で行った。
アークの安定性に関しては、高速度ビデオカメラでアークの過剰な広がりに伴う不安定挙動の発生状況などを観察し、アークが安定しているものを「○」、やや不安定なものを「△」、不安定なものを「×」と評価した。
ビードの安定性は目視観察により、ビード幅が均一に形成しているものを「○」、ややビード幅に乱れを生じているものを「△」、ビードの蛇行やハンピングにより、ビード幅やビード高さに著しい変化を生じているものを「×」と評価した。
ビード上のスラグの生成量及び剥離状態は目視観察により、スラグの生成が認められないものを「○」、スラグの生成が若干認められるが剥離しにくいものを「△」、スラグの生成及び剥離が顕著に認められるものを「×」と評価した。
ビードのぬれ性に関しては、断面観察により図3に示すビード12の幅w、高さh及びぬれ角度を計測し、母材5とのなじみ具合を評価した。
評価においては、ビード幅wをビード高さhで割った(w/h)値が2.5以上、かつビード左右のぬれ角度(θL、θR)が何れも110°以上のものを、ぬれ性が良好と判断し「○」とした。w/h値が2.5以上でθL及びθRが何れも100°以上110°未満のものは「△」、それ以外のものは「×」と評価した。
スパッタ発生量は0.5 g/min未満のものを「○」、0.5g/min以上1.0g/min未満のものを「△」、1.0g/min以上のものを「×」と評価した。
なお、評価項目全てで「○」若しくは「△」と評価されているものを総合評価で合格と判断し、表中の備考欄に「本発明例」と記載した。また、上記に当てはまらないものは不合格とし、表中の備考欄に「比較例」と記載した。
表1に試験結果を示す。
Figure 0004538520
表1の結果から、ワイヤが被加工物に対して前進後退動作することにより、機械的な短絡溶滴移行が周期的に行われるアークブレージングにおいては、全体的にスパッタの発生が極めて少なく、さらに、1.5〜7体積%の酸素ガスを含み残部がアルゴンガスからなる混合ガスを用いることで、ハンピングビードやビード幅の不均一な不整ビードを生じることなく、ぬれ性が良好なビードが得られることがわかる。
一方、ワイヤが被加工物方向に常に供給される形で短絡溶滴移行を行う従来型のアーク溶接機1では、本発明のシールドガスを使用してアークブレージングを行っても、アークは安定するもののスパッタ発生量が多く、ビードのぬれ性に対しての改善効果は得られない。
また、ワイヤが被加工物に対して前進後退動作することにより、機械的な短絡溶滴移行が周期的に行われるアークブレージングにおいても、シールドガスがアルゴンガスのみである場合やアルゴンガス中の酸素ガス添加濃度が本発明の範囲よりも低いシールドガスを用いると、ビードのぬれ性に対しての改善効果は得られず、酸素ガス添加濃度が本発明の範囲よりも高いシールドガスを用いると、ビードのぬれ性は改善されるものの、溶融池の酸化が過剰になりスラグの発生が著しくなった。
試験例1でのアークブレージング方法の条件は、以下の通りである。
ブレージング方法 :消耗電極式 ショートアーク(短絡アーク)
母材 :合金化溶融亜鉛めっき鋼板 板厚1.4mm
継手形状 :ビードオンプレート
ワイヤ :銅シリコン合金(ケイ素青銅)ソリッドワイヤ
CuSi3Mn1 (EN14640:2005) 径1.0mm
アークトーチ姿勢 :下向き鉛直
ブレージング速度 :0.6m/min
シールドガス流量 :15L/min
ワイヤ突出し長さ :12mm
溶接機1
ワイヤ送給速度 :6.2m/min
平均溶接電流 :106〜125A
溶接機2
ワイヤ送給速度 :6.0〜6.9m/min
平均溶接電流 :92〜93A
平均短絡回数 :75回/秒
図4および図5に、これら試験例でのアークブレージング時の電流、電圧波形を示した。図4(a)のものは、試験番号9の比較例のもので、電流値の変動が著しく、不安定で、短絡が不規則である。図4(b)ものは、試験番号12の比較例のもので、電流値の変動がやや安定しており、短絡がやや不規則となっている。
図5(a)のものは、試験番号1のもので、図5(b)のものは、試験番号5(本発明)のものであり、電流値が安定で、短絡も安定し、ほぼ一定周期となっている。
[試験例2]
板厚1.0mmの合金化溶融亜鉛めっき鋼板において、アークトーチを板材に対して鉛直に保持した姿勢で、図2(a)に示すワイヤが被加工物に対して前進後退動作することにより、機械的な短絡溶滴移行が周期的に行われる溶接機2を用いて、ブレージング速度を1.0m/minとしてアークブレージングを行った。
試験においては、アーク長の長さがビード形状やビードぬれ性に及ぼす影響を確認するため、1秒間の短絡溶滴移行回数を52〜88回の範囲に調整し、ワイヤ送給速度及びアーク長を変化させた。
シールドガスには、アルゴンガス及び酸素ガスからなる混合ガスを用い、酸素ガスの組成を変えてアークブレージングを行った。また、比較としてアークブレージングで通常用いられているアルゴンガスを用いた。
評価はアークブレージングの継手性能を損なう因子であるアークの安定性、ビードの安定性、ビードのぬれ性を対象とし、以下の方法で行った。
アークの安定性に関しては、高速度ビデオカメラでアークの過剰な広がりに伴う不安定挙動の発生状況などを観察し、アークが安定しているものを「○」、やや不安定なものを「△」、不安定なものを「×」と評価した。
ビードの安定性は目視観察により、ビード幅が均一に形成しているものを「○」、ややビード幅に乱れを生じているものを「△」、ビードの蛇行やハンピングにより、ビード幅やビード高さに著しい変化を生じているものを「×」と評価した。
ビードのぬれ性に関しては、断面観察により図3に示すビード12の幅w、高さh及びぬれ角度を計測し、母材5とのなじみ具合を評価した。
評価においては、ビード幅wをビード高さhで割った(w/h)値が2.5以上、かつビード左右のぬれ角度(θL、θR)が何れも110°以上のものを、ぬれ性が良好と判断し「○」とした。w/h値が2.5以上でθL及びθRが何れも100°以上110°未満のものは「△」、それ以外のものは「×」と評価した。
なお、評価項目全てで「○」若しくは「△」と評価されているものを総合評価で合格と判断し、表中の備考欄に「本発明例」と記載した。また、上記に当てはまらないものは不合格とし、表中の備考欄に「比較例」と記載した。
表2に試験結果を示す。
Figure 0004538520
表2の結果から、ワイヤが被加工物に対して前進後退動作することにより、機械的な短絡溶滴移行が周期的に行われるアークブレージングにおいて、1.5〜7体積%の酸素ガスを含み残部がアルゴンガスからなる混合ガスを用い、1秒間の短絡溶滴移行回数を56〜85回の範囲に調整することで、ハンピングビードやビード幅の不均一な不整ビードを生じることなく、ぬれ性が良好なビードが得られることがわかる。
一方、上記短絡溶滴移行回数範囲を外れ、シールドガスがアルゴンガスのみである場合やアルゴンガス中の酸素ガス添加濃度が本発明の範囲よりも低いシールドガスを用いると、ビードのぬれ性に対しての改善効果は得られない。
試験例2でのアークブレージング方法の条件は以下の通りである。
ブレージング方法 :消耗電極式 ショートアーク(短絡アーク)
母材 :合金化溶融亜鉛めっき鋼板 板厚0.6、1.0mm
継手形状 :ビードオンプレート
ワイヤ :銅シリコン合金(ケイ素青銅)ソリッドワイヤ
CuSi3Mn1 (EN14640:2005)径1.0mm
アークトーチ姿勢 :下向き鉛直
ブレージング速度 :1.0m/min
シールドガス流量 :15L/min
ワイヤ突出し長さ :12mm
ワイヤ送給速度 :4.0〜7.0m/min
平均溶接電流 :64〜113A
平均短絡回数 :52〜88回/秒
[試験例3]
板厚0.6〜1.4mmの合金化溶融亜鉛めっき鋼板を用いた重ね継手において、上板と下板の間の隙間を0mmとして、図2(a)に示すワイヤが被加工物に対して前進後退動作することにより、機械的な短絡溶滴移行が周期的に行われる溶接機を用いて、ブレージング速度を0.6〜1.5m/minとしてアークブレージングを行い、母材に加えられる入熱量がビード形状やビードぬれ性等に及ぼす影響を確認した。
シールドガスには、アルゴンガスと酸素ガスからなる混合ガス、アルゴンガスと酸素ガス及び窒素ガスからなる混合ガス(粗アルゴンガス)、アルゴンガスと酸素ガス及びヘリウムガスからなる混合ガスを用い、アルゴンガスを主ガスとし添加ガスの組成を変えてアークブレージングを行った。また、比較としてアークブレージングで通常用いられているアルゴンガスを用いた。
評価はアークブレージングの継手性能を損なう因子である、アークの安定性、スパッタ、ビードの安定性、ビードのぬれ性を対象とし、以下の方法で行った。
アークの安定性に関しては、高速度ビデオカメラでアークの過剰な広がりに伴う不安定挙動の発生状況などを観察し、アークが安定しているものを「○」、やや不安定なものを「△」、不安定なものを「×」と評価した。
スパッタに関しては目視にて飛散状況を確認し、ほとんど飛散が認められないものを「○」、僅かに飛散が認められるものを「△」、スパッタの飛散が著しく、大粒(1.0mm以上)のスパッタを生じるものを「×」と評価した。
ビードの安定性は目視観察により、ビード幅が均一に形成しているものを「○」、ややビード幅に乱れを生じているものを「△」、ビードの蛇行やハンピングにより、ビード幅やビード高さに著しい変化を生じているものを「×」と評価した。
ビードのぬれ性に関しては、断面観察により図6に示すビード幅w、脚長l、上板ぬれ長さa(上板と溶着金属が接している長さ)及びビードのぬれ角度θを計測し、継手強度に影響する溶着金属と母材との接合状態を評価した。
評価においては、ビード幅wが板厚tの2倍以上、脚長lが板厚tの1.5倍以上、上板ぬれ長さa(上板と溶着金属が接している長さ)を板厚tで割ったa/t値が1.5以上、かつビードぬれ角度θが120°以上のものをぬれ性が良好と判断し「○」とした。ビード幅wが板厚tの2倍以上、脚長lが板厚tの1.5倍以上、a/t値が1.5以上でビードぬれ角度θが110°以上120°未満のものは「△」、それ以外のものは「×」と評価した。
なお、評価項目全てで「○」若しくは「△」と評価されているものを総合評価で合格と判断し、表中の備考欄に「本発明例」と記載した。また、上記に当てはまらないものは不合格とし、表中の備考欄に「比較例」と記載した。
試験結果を表3ないし表5に分けて示す。
Figure 0004538520
Figure 0004538520
Figure 0004538520
表3ないし表5の結果から、ワイヤが被加工物に対して前進後退動作することにより、機械的な短絡溶滴移行が周期的に行われる、板厚が0.6〜1.4mmの亜鉛めっき鋼板重ね継手のアークブレージングにおいて、平均溶接電流を60〜150A、入熱量Q(J/cm)を被接合部材の板厚に応じて求められる以下の条件式の範囲内とし、
625×t+125≦Q≦1250×t+250
ここで、t:鋼板の板厚(mm)値
2.0〜7.0体積%の酸素ガスを含み、残部がアルゴンガスからなる混合ガスを用いることで、ハンピングビードやビード幅の不均一な不整ビードを生じることなく、低スパッタでぬれ性が良好なビードが得られることがわかる。
また、上記混合ガスに15体積%以下のヘリウムガスを混合しても同様の効果が得られ、上記範囲内の酸素ガスと0.1体積%以下の窒素ガスを含む粗アルゴンガスを用いても同様の効果が得られることがわかる。
一方、シールドガスがアルゴンガスのみである場合やアルゴンガス中の酸素ガス濃度が本発明の範囲よりも低いシールドガスを用いると、溶接電流及び入熱量が上記範囲内でも、良好な結果は得らない。さらに、ヘリウムガスを15体積%を超えて添加すると、溶滴が短絡により移行せず、スプレー移行のようにワイヤから連続的に離脱するようになるため、ブレージング速度を速くするとアークが不安定になると共にビード幅が不均一になり易く、スパッタも発生し易くなる。
試験例3でのアークブレージング方法の条件は以下の通りである。
ブレージング方法 :消耗電極式 ショートアーク(短絡アーク)
母材 :合金化溶融亜鉛めっき鋼板 板厚0.6〜1.4mm
継手形状 :重ね継手(板間隙間0mm)
ワイヤ :銅シリコン合金(ケイ素青銅)ソリッドワイヤ
CuSi3Mn1 (EN14640:2005)径1.0mm
ブレージング速度 :0.6〜1.5m/min
アークトーチ前進角:5°
アークトーチ傾斜角:30°
シールドガス流量 :15L/min
ワイヤ突出し長さ :12mm
ワイヤ送給速度 :3.0〜11.0m/min
平均溶接電流 :40〜175A
平均短絡回数 :59〜82回/秒
本発明のアークブレージング方法の例を示す概略構成図である。 本発明および従来の短絡溶滴移行の形態を模式的に示す説明図である。 試験例でのビードぬれ性を評価するための説明図である。 試験例でのアークブレージング時の電流、電圧波形を示すグラフである。 試験例でのアークブレージング時の電流、電圧波形を示すグラフである。 試験例での溶着金属と母材との接合状態を示す説明図である。
符号の説明
1・・溶接トーチ、2・・ガスノズル、3・・コンタクトチップ、4・・ワイヤ、5・・母材、6・・溶接電源装置 、12・・ビード

Claims (4)

  1. 銅を主成分としケイ素とマンガンを含有する銅合金ワイヤを用いた亜鉛めっき鋼板のアークブレージングにおいて、
    前記ワイヤが被加工物に対して前進後退動作することによ短絡溶滴移行が、1秒間の短絡回数が55〜85回となるように周期的に行われ
    シールドガスとして1.5〜7体積%の酸素ガスを含み残部がアルゴンガスからなる混合ガスを使用し、アークブレージングすることを特徴とする亜鉛めっき鋼板のガスシールドアークブレージング方法。
  2. 銅を主成分としケイ素とマンガンを含有する銅合金ワイヤを用いた亜鉛めっき鋼板のアークブレージングにおいて、
    前記ワイヤが被加工物に対して前進後退動作することによ短絡溶滴移行が、1秒間の短絡回数が55〜85回となるように周期的に行われ
    シールドガスとして2〜7体積%の酸素ガスと15体積%以下のヘリウムガスを含み、残部がアルゴンガスからなる混合ガスを使用し、アークブレージングすることを特徴とする亜鉛めっき鋼板のガスシールドアークブレージング方法。
  3. 前記アルゴンガスが、不純物として酸素ガスと窒素ガスを含む粗アルゴンガスであることを特徴とする請求項1または2記載の亜鉛めっき鋼板のガスシールドアークブレージング方法。
  4. 銅合金ワイヤのワイヤ断面が中実で断面同質のソリッドワイヤであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の亜鉛めっき鋼板のガスシールドアークブレージング方法。
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