JPWO2013047679A1 - 化学強化ガラス板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、化学強化後の切断時の歩留まりに優れ、かつ、強度的にも優れた化学強化ガラス板を提供することを目的とする。本発明の化学強化ガラス板は、上記化学強化ガラス板表面の表面圧縮応力が600MPa以上であり、ガラス表面側の応力分布パターンAとガラス内部側の応力分布パターンBとの2種類の応力パターンを圧縮応力層の中に有し、該応力パターンA及び該応力パターンBをそれぞれ1次関数で近似する場合において、該応力パターンAの傾きSAと該応力パターンBの傾きSBとは、SA>SBの関係を満たすことを特徴とする。

Description

本発明は、化学強化ガラス板に関し、具体的には、携帯電話、スマートフォン、又はタブレットパソコン等に代表される電子機器の表示装置部(入力部を兼ねている場合も含む)に搭載されるカバーガラス又は基板とカバー機能を同時に有する一体型カバーガラスに好適な化学強化ガラス板に関する。
携帯電話やスマートフォンに代表される携帯型電子機器に関して、それらのディスプレイの保護材として、樹脂製カバーが広く用いられている。しかし、ガラスは、樹脂製カバーと比較して、優れた透過率、耐候性又は耐傷性といった特徴を有することから、あるいは、ディスプレイの意匠性を高めるといった目的で、近年ではディスプレイの保護材としてのガラスの需要が高まってきている。さらに、モバイル機器に対する軽量や薄型化の要求のために、必然的にカバーガラスも薄くすることが要求されている。しかしながら、カバーガラスは表面に露出していることから、高硬度部材との接触衝撃により、あるいは落下による衝撃等により割れてしまうという懸念があり、これは、カバーガラスの厚さを薄くすると顕著である。そのため、ガラスに対する機械的強度の確保への要求はますます高まっている。
上記問題を解決するためには、カバーガラスの強度を高めることが考えられ、ガラス板材を強化する方法としては、風冷強化法(物理強化法)と化学強化法の2つの方法が知られている。
前者の風冷強化法は、軟化点付近まで加熱したガラス板の表面を風冷等により急速に冷却する方法である。しかしながら、薄いガラス板に対して風冷強化法を適用すると、表面と内部の温度差がつきにくいために、ガラス板の表面部に圧縮応力層を形成することが困難であり、目的の高強度という特性を得ることができない。また、風冷強化したガラス板を切断しようとして主表面部にクラックを導入すると、粉々に割れてしまうため、切断等の加工が困難であるという致命的な問題点を有する。また、前述したようにカバーガラスの厚さは薄いことが要求されており、薄いガラス板に対して風冷強化法を適用すると、表面と内部の温度差がつきにくいために圧縮応力層を形成することが困難であり、目的の高強度という特性を得ることができない。そのため、後者の化学強化法によって強化されたカバーガラスが通常用いられている。
この化学強化法は、例えばアルカリ成分としてナトリウムイオンを含有するガラス板を、カリウムイオンを含有する溶融塩に接触させ、ガラス板中のナトリウムイオンと溶融塩中のカリウムイオンとの間でのイオン交換により表面層に圧縮応力層を形成させて機械的強度を向上させる方法である。この方法により作製されたガラス板は、ガラス板中のナトリウムと、溶融塩中のナトリウムよりイオン半径の大きいカリウムイオンがイオン交換してガラス板表面層の構造に導入される結果、表面層に体積膨張の傾向が生じるが、温度的にガラスが粘性流動により充分な速度でこの傾向を緩和出来る状態にないため、ガラス板表面層に圧縮応力として残留するため強度が向上する。
化学強化法によるガラスの強度向上を特徴付けるものとして、表面圧縮応力と圧縮応力層深さがある。
表面圧縮応力(Compressive stress)とは、ガラス板最表面層に形成されている圧縮応力であり、イオン交換によってより大きな体積を持つイオンがガラス板表面層に侵入することにより発生する。この圧縮応力が、ガラス板への破壊をもたらす引っ張り応力に抵抗することにより、化学強化されたガラス板はそうでないガラス板と比較して高い強度を有する。このように表面圧縮応力は、ガラス板強度向上の直接的指標として用いられる。
また、圧縮応力層深さ(Depth of layer)とは、ガラス板最表面を基準として圧縮応力が形成されている領域の深さであり、この層が深ければ深いほど、ガラス板表面に存在するより大きなマイクロクラック(亀裂)を押さえ込むことが可能であり、傷に対するガラス板の強度低下を防ぐことができる。
このような化学強化ガラス板が市場に多く受け入れられているもう一つの理由として、前述した薄ガラス板での強化性や高強度化に加えて、強化したガラス板でも切断可能であることが挙げられる。なお、前述の風冷強化ガラス板では、切断しようとしてクラックを導入すると、粉々に割れてしまうため強化後に切断などのガラス板の加工は困難である。
風冷強化ガラス板では、ガラス表面の片側の圧縮応力層は板厚の約6分の1に達することが一般的に知られている。この深い圧縮応力層を超えたガラス内部領域においては、圧縮応力層に生じている圧縮応力との力学的均衡を保つため、強い引っ張り応力が生じている。この引っ張り応力領域にガラスを切断するためのクラックを生じさせると、該クラックは引っ張り応力により自発的に進展し、ガラスが粉々に砕け散ってしまう。これが、風冷強化ガラス板を切断できない理由である。
一方、化学強化ガラス板においては、ガラス板のμmオーダーの極表層でのイオン交換を利用しているので、厳密にはFickの拡散法則に依存するが、大きくは直線で近似がされることが多い。化学強化ガラス板の場合、圧縮応力層及び表面圧縮応力はイオン交換条件によって制御可能であり、また、圧縮応力層が風冷強化ガラス板と比較して非常に浅い。よって、化学強化ガラス板に切断のためのクラックを導入した場合においても、クラックが自発的に進展し、粉々に割れてしまうほどの強い引っ張り応力を生じさせないように制御することが可能である。これが、化学強化ガラスが一般的に切断可能である理由である。
前述のように、化学強化ガラス板は切断可能であるといったが、この切断は非常に難しく、切断不良による破壊によって生産時の歩留まり低下などの問題を引き起こす。そのため、切断したガラスを化学強化することが提案されている(例えば、特許文献1)。
一方、化学強化ガラス板の強度に関して、タッチパネルの軽量や薄型化のための更なる高強度化が望まれており、そのためにイオン交換速度が大きい化学強化に適したガラス、例えば、特許文献2、特許文献3及び特許文献4に記載のアルミノシリケートガラスが提案されている。
また、化学強化後のガラス板の切断性を向上させるために、化学強化後にガラス表面を加熱するなどの事後的処理によって、ガラス最表面の圧縮応力を緩和させる方法が提案されている(例えば、特許文献5)。
特開2002−160932号公報 特開平08−048537号公報 特開2011−213576号公報 特表2011−530470号公報 特許第4535692号
しかし、タッチパネル等のカバーガラスは面積が小さいため、切断後に化学強化するには、操作が煩雑になり、また生産性が著しく悪いため、コストアップに繋がっている。
また、近年、タッチパネルの生産技術として、カバーガラスそのものにタッチセンサーを形成し、1枚のガラス材にカバーガラスとしての機能とタッチパネルとしての機能を持たせた一体型カバーガラスの開発が進んでいる。この一体型カバーガラスの生産においては、化学強化された大板のガラス板にタッチセンサーを形成し、その後にカバーガラスとして所定の形状に切断するという工程が取られる。ここでは、化学強化された後のガラス板の切断加工性が求められている。
しかし、前述したように、イオン交換速度の大きいアルミノシリケートガラスでは、化学強化後の表面圧縮応力および圧縮応力層深さなどが過大となり、また、化学強化後のビッカース硬度が高いため、ホイールチップ方式の切断機でスクライブするとき、切断するためのクラックが導入できず切断自体が困難になる場合がある。また、クラックを導入した場合においても、表面圧縮応力及び圧縮応力層深さが過大であることから、圧縮応力層を超えた内部引っ張り応力領域では比較的大きな引っ張り応力が生じてしまっており、ガラスを切断するためのクラックが自発的に進展してしまう。このことにより、切断時にスクライブ線に沿って分割されない、スクライブ線から外れて切断される、切断時のチッピングによる不良などの問題が数多く生じており、化学強化されたガラスの切断時の歩留まり低下の要因となりうるものであった。
このように、現実的には、強度と切断時の歩留まりを考慮した化学強化が施されたガラス板については、技術的に検討されているとは言い難い状況にある。
すなわち、特許文献1には、切断したガラス板を化学強化することが記載されているが、大板の化学強化ガラス板から複数枚採りによる生産性アップが見込まれない。
また、特許文献2には、イオン交換速度が速くて圧縮応力層が深く、また、耐水性に優れた化学強化ガラス板が記載されており、特許文献3には、表面圧縮応力が高く、かつ、圧縮応力層が深く、また、クラック発生確率の低い化学強化ガラス板が記載されているが、化学強化後の切断時の歩留まりについては検討されていない。
さらに、特許文献4には、圧縮応力層が深く入り易いガラス板に対して、内部引張り応力と脆弱性が記載されているが、強度や化学強化後の切断時の歩留まりについては検討されていない。
さらに、特許文献5には、化学強化ガラス板の切断時の歩留まりを向上させるために、ガラス表面に近い方の応力パターンAとガラス内層側の応力パターンBとを圧縮応力層の中に有し、該応力パターンAと応力パターンBをそれぞれ1次関数で近似する場合において、応力パターンAは応力パターンBよりも小さな傾きを持つことを特徴とする化学強化ガラスが記載されている。このような応力パターンは、圧縮応力層における圧縮応力の積算値を小さくし、内部引っ張り応力値の低減に有効なのであるが、ガラス最表面の圧縮応力を事後的に緩和させていることから、高い表面圧縮応力を持たせることができず、切断時の歩留まり向上と強度の両立という観点からは問題があった。
さらにまた、化学強化ガラス板においては、表面の圧縮応力値が高くなればなるほど、圧縮応力層に生じている圧縮応力の積算値との均衡を保つために必要な内部引っ張り応力値は高くなってしまう。この傾向は、ガラス板の板厚が薄くなるほど顕著なものとなる。ガラス板の板厚が薄くなればなるほど、内部引っ張り応力層の間隔が狭くなってしまい、内部引っ張り応力値は高くなるためである。
以上のように、より薄い化学強化ガラス板であり、切断時の歩留まり向上と強度が両立されたものが切望されているのであるが、これまでの技術では達成できないものであった。
本発明は、上記従来例の問題点を解決すべく、化学強化後の切断時の歩留まりに優れ、かつ、強度的にも優れた化学強化ガラス板を提供することを目的とする。
本発明の化学強化ガラス板は、
ガラス板表面で、ガラス中に最も多く含有するアルカリ金属イオンAを、上記アルカリ金属イオンAよりイオン半径の大きいアルカリ金属イオンBに置換するイオン交換により製造された化学強化ガラス板において、
上記化学強化ガラス板表面の表面圧縮応力が600MPa以上であり、
ガラス表面側の応力分布パターンAとガラス内部側の応力分布パターンBとの2種類の応力パターンを圧縮応力層の中に有し、
該応力パターンA及び該応力パターンBをそれぞれ1次関数で近似する場合において、該応力パターンAの傾きSと該応力パターンBの傾きSとは、S>Sの関係を満たすことを特徴とする。
本発明の化学強化ガラス板では、化学強化ガラス板表面の表面圧縮応力が600MPa以上である。
そのため、本発明の化学強化ガラス板は、強度的に優れている。
一方、表面圧縮応力が600MPa未満であると、ガラスの平均強度が低下してしまい、高硬度部材との接触衝撃により、あるいは落下による衝撃などにより割れてしまうという懸念が生じる。
しかしながら、一般に、表面圧縮応力の値が高くなればなるほど、圧縮応力層における圧縮応力の積算値との均衡を保つために必要な内部引っ張り応力の値は高くなってしまうと考えられている。
本発明の化学強化ガラス板において最も重要であるのは、高い表面圧縮応力の値を有しながらも、圧縮応力層における圧縮応力の積算値を低減させ、切断時の歩留まり向上と高強度を同時に成立させている点である。
そのために、本発明の化学強化ガラス板では、ガラス表面側の応力分布パターンAとガラス内部側の応力分布パターンBとの2種類の応力パターンを圧縮応力層の中に有している。
特に、該応力パターンA及び該応力パターンBをそれぞれ1次関数で近似する場合において、該応力パターンAの傾きをS、該応力パターンBの傾きをSとしたとき、S>Sの関係を満たしている。これにより、高い表面圧縮応力の値を有しながらも、圧縮応力層における圧縮応力の積算値を低減させることができる。
図1は、応力パターンの傾きと圧縮応力層における圧縮応力の積算値との関係を模式的に示すグラフである。
図1では、本発明の化学強化ガラス板における応力パターンを1次関数で近似したグラフを実線で示している。
図1に示すように、本発明の化学強化ガラス板では、ガラス表面側の応力分布パターンAとガラス内部側の応力分布パターンBとの2種類の応力パターンを圧縮応力層の中に有している。そして、応力パターンAの傾きをS、応力パターンBの傾きをSとしたとき、S>Sの関係を満たしている。
一方、図1では、応力パターンの傾きが一定であるグラフ、すなわち、1種類のみの応力パターンを有するグラフを破線で示している。
図1から明らかなように、表面圧縮応力の値σ及び圧縮応力層の深さdが同じである場合であっても、本発明の化学強化ガラス板においては、圧縮応力層における圧縮応力の積算値を低減させることができる。
上述のように、化学強化ガラス板では、圧縮応力層における圧縮応力の積算値と、引っ張り応力層における内部引っ張り応力の積算値とは、互いに均衡が保たれている。
従って、本発明の化学強化ガラス板においては、高い表面圧縮応力の値を有しながらも、低い内部引っ張り応力を有していると推測される。そのため、切断時の歩留まり向上と高強度という効果を同時に達成することができる。
本明細書において、「応力パターンの傾き」とは、ガラス表面からの深さに対する圧縮応力の傾きの絶対値を意味する。
従って、大きな傾きを有する応力パターンは急であり、小さな傾きを有する応力パターンは緩やかである。
なお、圧縮応力層における圧縮応力はガラス表面からガラス内部に向かって減少していくため、応力パターンA及び応力パターンBにおいて、傾きの正負は一致する。
また、応力パターンの傾きを求める際には、発生した応力パターンの形状に関わらず、ガラス表面側から1次関数で近似した応力パターンをA、ガラス内部側から1次関数で近似した応力パターンをBとして、それぞれの傾きを求めればよい。
本発明の化学強化ガラス板においては、光導波路効果を観測原理とする表面応力計を用いて上記化学強化ガラス板の干渉縞を観察し、ガラス表面から1番目の干渉縞と2番目の干渉縞との間隔をr、ガラス表面から2番目の干渉縞と3番目の干渉縞との間隔をr、ガラス表面から3番目の干渉縞と4番目の干渉縞との間隔をrとしたとき、r/r及びr/rの少なくとも1つが、0.3〜0.7を満たすことが好ましい。
本発明の化学強化ガラス板では、応力パターンの傾きを評価するための指標として、光導波路効果を観測原理とする表面応力計を用いて化学強化ガラス板の干渉縞を観察し、ガラス表面から1番目の干渉縞(明線)と2番目の干渉縞との間隔をr、ガラス表面から2番目の干渉縞と3番目の干渉縞との間隔をr、ガラス表面から3番目の干渉縞と4番目の干渉縞との間隔をrとした際の比r/r及びr/rを評価している。
以下、干渉縞の間隔と応力パターンの傾きとの関係について説明する。
図2(a)、図2(b)及び図2(c)は、干渉縞の間隔と応力パターンの傾きとの関係を模式的に示すグラフである。
図2(a)、図2(b)及び図2(c)に示すように、干渉縞の間隔は、応力パターンの傾きに対応していることが知られている。
すなわち、図2(a)に示すように、干渉縞の間隔が広い場合には、応力パターンの傾きが大きく、一方、図2(b)に示すように、干渉縞の間隔が狭い場合には、応力パターンの傾きが小さいことを意味する。また、図2(c)は、図2(a)及び図2(b)が組み合わさった応力パターンである。応力パターンを、異なる傾きを有する2つの1次関数で近似した場合において、干渉縞の間隔変化の様子と応力パターンの傾きの変化の様子との対応が確認できる。このように、干渉縞の間隔を観察することによって、応力パターンの傾きに関する情報が得られる。
ここで、r/rが1に近いことは、ガラス表面から2番目の干渉縞と3番目の干渉縞との間隔rがガラス表面から1番目の干渉縞と2番目の干渉縞との間隔rと同程度であることを意味し、r/rが1より小さくなるほど、間隔rが間隔rよりも小さくなることを意味している。r/rについても同様である。
なお、イオン交換は基本的にはFickの拡散法則に従い、拡散法則そのものは一次関数では無いので、厳密には応力パターンは直線ではない。干渉縞の間隔と応力パターンの関係に関して、より厳密には、r/r及びr/rの少なくとも1つによって関係付けられる干渉縞幅の数列を用いると、直線を用いる場合よりも近似の精度としては高くなり、また生産管理としても簡便である。
以上より、本発明の化学強化ガラス板において、r/r及びr/rの少なくとも1つが、0.3〜0.7を満たす場合、ガラス表面側においては、応力が急激に減少し、ガラス内部側に向かうほど、応力が減少する割合が小さくなる。これは、図1に示したような、本発明における応力パターンの傾きの変化を近似的に表現できている。
従って、S>Sの関係を満たすことが可能となり、圧縮応力層における圧縮応力の積算値を低減させることができる。その結果、化学強化ガラス板の切断時の歩留まりを向上させることができる。
/rの比及びr/rの比が0.3未満であると、ガラス表面側において、応力が急激に減少しすぎる傾向にあり、ガラス板を使用中に生じうるマイクロクラックによって強度が低下してしまう懸念が生じる。
一方、r/rの比及びr/rの比が0.7を超えると、応力パターンの傾きが一定に近くなる。つまり、ガラス表面から内部に向かっての圧縮応力の減少の程度がより直線的な傾向となる。そのため、圧縮応力層における圧縮応力の積算値を低減させる効果が得られにくくなる。
本発明の化学強化ガラス板においては、上記化学強化ガラス板表面の表面圧縮応力が600〜900MPaであることが好ましい。
表面圧縮応力が600〜900MPaであると、化学強化ガラス板の強度としては充分である。
本発明の化学強化ガラス板においては、化学強化ガラス板表面に形成される圧縮応力層の深さが5〜25μmであることが好ましい。
圧縮応力層の深さが5μm未満であると、使用中に発生する微小のマイクロクラックによってガラスの強度が低下してしまい、市場での使用に耐えられない。一方、圧縮応力層の深さが25μmを超えると、スクライブによるガラスの切断加工が困難になる。
本発明の化学強化ガラス板においては、上記化学強化ガラス板の板厚が0.03〜3mmであることが好ましい。
上述のように、一般に、化学強化ガラス板の板厚が薄くなるほど、圧縮応力層における圧縮応力の積算値との均衡を保つために必要な内部引っ張り応力の値は高くなってしまうと考えられている。しかしながら、本発明の化学強化ガラス板においては、板厚が薄い場合であっても、切断時の歩留まり向上と強度とを両立させることができる。
なお、本発明の化学強化ガラス板を表示装置用カバーガラスとして使用する場合、モバイル製品などの最終製品の軽量化やバッテリーなどの装置容量の確保のために、ガラスの板厚はできるだけ薄い方が望ましいが、薄すぎると、ガラスがたわむことにより発生する応力が大きくなってしまう。また、板厚が厚すぎると、装置重量の増加や表示装置の視認性の低下を招いてしまう。
本発明の化学強化ガラス板においては、イオン交換前のガラスが、ソーダライムガラスであり、実質的に質量%で、SiO:65〜75%、NaO+KO:5〜20%、CaO:2〜15%、MgO:0〜10%、Al:0〜5%からなることが好ましい。
この場合、ソーダライムガラスから原料等の変更を行った化学強化に適したガラスとは違って、原料変更や生産効率の悪化等による生産コストの増加がないという利点がある。
例えば、アルミノシリケートガラスのように、組成中に酸化アルミニウムを増加させることはイオン交換効率の向上に有効であるが、原料のコストが増加するだけでなく、特にガラスの溶融温度の著しい増加をもたらすため、生産コストを著しく増加させてしまう。また、例えば、アルカリ土類成分をCaOからMgOに置換することもイオン交換効率の向上に有効であるが、ガラスの溶融温度の増加をもたらし、これもまた生産コストの増加につながる。
本発明の化学強化ガラス板において、上記イオン交換は、アルカリ金属イオンA及びアルカリ金属イオンBを含み、アルカリ金属イオンAのモル量及びアルカリ金属イオンBのモル量の合計に対するアルカリ金属イオンAのモル量の比率P(mol%)を有する第1の塩にガラス板を接触させる第1の工程と、上記第1の工程の後、上記比率Pより小さい比率Q(mol%)を有する第2の塩にガラス板を接触させる第2の工程とを含むことが好ましい。
本発明の化学強化ガラス板の製造方法において、
上記イオン交換は、
アルカリ金属イオンA及びアルカリ金属イオンBを含み、アルカリ金属イオンAのモル量及びアルカリ金属イオンBのモル量の合計に対するアルカリ金属イオンAのモル量の比率P(mol%)を有する第1の塩にガラス板を接触させる第1の工程と、
上記第1の工程の後、上記比率Pより小さい比率Q(mol%)を有する第2の塩にガラス板を接触させる第2の工程とを含むことを特徴とする。
化学強化法におけるイオン交換では、表面圧縮応力及び圧縮応力層の深さは、化学強化処理の処理温度及び処理時間、さらには処理液の選択及びその活性特性に影響される。また、化学強化ガラスの表面圧縮応力及び圧縮応力層の深さは、ガラス内におけるイオン交換の状況等によっても異なる。特に、従来からなされているような1段階のみの処理で化学強化を行う場合には、表面圧縮応力と圧縮応力層の深さとはトレードオフの関係にあり、どちらとも両立させることは難しい。そこで、化学強化処理(イオン交換)を2段階に分け、処理温度、処理時間、処理液の構成を適切に選択することにより、各段階の効果を有効に利用し、切断可能でありながらも大きな表面圧縮応力を持たせることができる。
上記イオン交換では、第1の工程において、アルカリ金属イオンB(例えば、カリウムイオン)とイオン交換することによって圧縮応力の発生に寄与するアルカリ金属イオンA(例えば、ナトリウムイオン)を残した状態で、ガラス表面層の組成が改質される。第1の工程により改質された表面層は、第1の工程前と比較して、アルカリ金属イオンBをより多く含む組成となっていることから、歪点が高くなっている。その結果、第2の工程における処理中に発生する応力の緩和現象を妨げることができるため、大きな表面圧縮応力を有する化学強化ガラスを作製することができると考えられる。また、2段階の処理で化学強化を行うことにより、圧縮応力層の中に2種類の応力パターンを形成することができると考えられる。
本発明の化学強化ガラス板の製造方法においては、上記第1の工程の後、ガラス表面に形成される圧縮応力層の深さが5〜23μmであることが好ましい。
第1の工程後に形成される圧縮応力層の深さが浅すぎると、前段処理におけるガラス表面層の組成の改質が充分に行われないため、後段処理中に生じる応力緩和を充分に妨げることができない。一方、第1の工程後に形成される圧縮応力層の深さが深すぎると、後段処理後に最終的に形成されている圧縮応力層の深さも大きくなってしまい、ガラスの切断性に影響する。前述したように、本発明では、前段処理によって、後段処理中の応力緩和の進行を妨げることが可能である。しかし、ガラスである以上、応力緩和の進行を完全に停止させることはできず、後段処理中においてもわずかであるが応力緩和が生じ、後段処理後に最終的に残留している圧縮応力層の深さが前段処理後と比較して変化する場合がある。また逆に、後段処理におけるイオン交換量が前段処理のそれを上回り、第2の工程後に形成されている圧縮応力層の深さが、若干ではあるが、前段処理のそれと比較して、少しだけ深くなるような場合も想定されうる。しかしながら、第2の工程後に最終的に形成される圧縮応力層の深さは、第1の工程(前段処理)後に形成されている圧縮応力層の深さから若干の変化を伴うだけである。このように、最終的な化学強化ガラスの切断性は、第1の工程後に形成されている圧縮応力層の深さが支配的であることから、第1の工程後に形成されている圧縮応力層の深さが制御されていることが重要である。
以上より、圧縮応力層の深さは5〜23μmであることが好ましい。
なお、第1の工程後に形成される圧縮応力層の深さに関連し、第1の塩の比率Pに応じて、第1の塩の温度や第1の塩にガラス板を接触させる時間が調整される。
本発明の化学強化ガラス板の製造方法においては、上記比率Pが5〜50mol%であることが好ましい。
第1の塩の比率Pが大きすぎると、前段処理(第1の工程におけるイオン交換処理)におけるガラス表面層の組成の改質が充分に行われないため、後段処理(第2の工程におけるイオン交換処理)中に生じる応力緩和を充分に妨げることができず、また、表面に白濁が生じやすくなる。一方、第1の塩の比率Pが小さすぎると、第1の工程において、ガラス板の表面層の組成の改質が充分になされすぎる傾向にあり、ガラス中のアルカリ金属イオンAのほとんどがアルカリ金属イオンBとイオン交換してしまう。そのため、第2の工程においてイオン交換が進まず、所望の表面圧縮応力を得ることができない。また、比率Pが小さすぎると、第1の工程後に圧縮応力層が深くなってしまう傾向にあり、ガラスの切断性に影響を与える。
本発明の化学強化ガラス板の製造方法においては、上記比率Qが0〜10mol%であることが好ましい。
第2の塩の比率Qが10mol%より大きいと、第2の工程において、充分な量のアルカリ金属イオンBがガラス表面層に導入されず、また、表面層中でのアルカリ金属イオンBの再拡散が充分に生じず、所望の表面圧縮応力を得ることができない。また、応力パターンAの傾きが小さくなってしまう。
本発明の化学強化ガラス板は、化学強化後の切断時の歩留まりに優れ、かつ、強度的にも優れている。
図1は、応力パターンの傾きと圧縮応力層における圧縮応力の積算値との関係を模式的に示すグラフである。 図2(a)、図2(b)及び図2(c)は、干渉縞の間隔と応力パターンの傾きとの関係を模式的に示すグラフである。 図3は、表面応力計の視野内の干渉縞の一例を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
(化学強化ガラス板)
本発明の実施形態に係る化学強化ガラス板は、ガラス板表面で、ガラス中に最も多く含有するアルカリ金属イオンAを、上記アルカリ金属イオンAよりイオン半径の大きいアルカリ金属イオンBに置換するイオン交換により製造されている。
例えば、アルカリ金属イオンAがナトリウムイオン(Naイオン)である場合には、アルカリ金属イオンBとして、カリウムイオン(Kイオン)、ルビジウムイオン(Rbイオン)及びセシウムイオン(Csイオン)の少なくとも1つを用いることができる。アルカリ金属イオンAがナトリウムイオンである場合、アルカリ金属イオンBとして、カリウムイオンを用いることが好ましい。
また、イオン交換には、少なくともアルカリ金属イオンBを含む硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、水酸化物塩及びリン酸塩のうちの1種又は2種以上を用いることができる。そして、アルカリ金属イオンAがナトリウムイオンである場合、少なくともカリウムイオンを含む硝酸塩を用いることが好ましい。
本発明の実施形態に係る化学強化ガラス板において、イオン交換前のガラスは、イオン交換可能であるアルカリ金属イオンを含有していれば、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ホウケイ酸塩ガラスなど、特に限定されないが、ソーダライムガラスであることが好ましく、実質的に質量%で、SiO:65〜75%、NaO+KO:5〜20%、CaO:2〜15%、MgO:0〜10%、Al:0〜5%からなることがより好ましい。
本明細書において、「NaO+KO:5〜20%」とは、ガラス中のNaO及びKOの総和の含有量が5〜20質量%であることをいう。
SiOはガラスの主成分であり、65%未満では強度が低くなる上に、ガラスの化学耐久性を悪化させる。他方、75%を超えるとガラス融液の高温粘度が高くなり、ガラス成形が困難となる。従って、その範囲は65〜75%、好ましくは68〜73%である。
NaOは、化学強化処理する上で不可欠であり、必須成分である。5%未満ではイオン交換が不充分で、化学強化処理後の強度があまり向上せず、他方20%を超えるとガラスの化学耐久性を悪化させ、耐候性が悪くなる。従って、その範囲は5〜20%、好ましくは5〜18%、より好ましくは7〜16%である。
一方、KOは、必須成分ではなく、NaOとともにガラス溶解時の融剤として作用し、若干の添加はイオン交換を促進させる補助成分としての作用を有するが、過大に添加するとNaOとの混合アルカリ効果によりNaイオンの移動を抑制してイオン交換がし難くなる。5%を超えるとイオン交換による強度向上がし難くなるため、5%以下の範囲で導入するのが望ましい。
NaO+KOの範囲としては、5〜20%であり、好ましくは7〜18%、より好ましくは10〜17%である。
CaOは、ガラスの化学的耐久性を改善する。また、ガラス溶解時の溶融ガラスの粘度を下げる作用を有し、量産性を向上させるため、2%以上含有するのが望ましい。一方、15%を超えるとNaイオンの移動を抑制してしまう。従って、その範囲は、2〜15%であり、好ましくは4〜13%、より好ましくは5〜11%である。
MgOは、必須成分ではないが、CaOと比較してNaイオンの移動を抑制してしまう効果が少なく、CaOをMgOで置換していくのが望ましい。一方で、CaOと比較して、ガラス溶融時の溶融ガラスの粘度を下げる作用も小さく、10%を超えるとガラス粘性が高くなってしまい、量産性を悪化させる。従って、その範囲は0〜10%、好ましくは0〜8%、より好ましくは1〜6%である。
Alは、必須成分ではないが、強度を高くし、かつイオン交換効率を向上させる成分である。質量%において5%を超えるとガラス融液の高温粘度が高くなる上に、失透傾向が増大するためガラス成形が困難になる。また、イオン交換効率が過大となってしまい、圧縮応力層の深さが深くなるため、化学強化後の切断性が悪化してしまう。従って、その範囲は0〜5%、好ましくは、1〜4%、より好ましくは1〜3%(3は含まないこととする)である。
本発明の実施形態に係る化学強化ガラス板において、イオン交換前のガラスは、実質的に上記成分からなることが好ましいが、これにFe、TiO、CeO、SOその他の微量成分を合量で1%まで含有してもよい。
イオン交換前のガラスの歪点は、好ましくは450〜550℃であり、より好ましくは480〜530℃である。ガラスの歪点が450℃未満であると、化学強化時の耐熱性が不充分であり、一方、550℃を超えると、ガラス溶融温度が高くなりすぎてしまい、ガラス板の生産効率が悪化し、コスト増加をもたらしてしまう。
イオン交換前のガラスは、フロート法、ロールアウト法及びダウンドロー法等、一般的なガラス成形方法により成形されるが、これらの中では、フロート法により成形されることが好ましい。
また、イオン交換前のガラスの表面は、上記の成形方法により成形されたままの状態でもよいし、弗酸エッチング等を用いて表面を荒らすことにより、防眩性等の機能性を付与した状態でもよい。
イオン交換前のガラスの形状は特に限定されないが、板状体であることが好ましい。また、ガラスの形状が板状体である場合、平板でも曲げ板でもでもよく、種々の形状を包含する。また、平板状において、矩形や円盤状なども本発明の範疇であるが、これらの中では矩形であることが好ましい。
本発明の実施形態に係る化学強化ガラス板の板厚の上限は特に限定されないが、3mmであることが好ましく、2mmであることがより好ましく、1.8mmであることがさらに好ましく、1.1mmであることが特に好ましい。また、本発明の実施形態に係る化学強化ガラス板の板厚の下限も特に限定されないが、0.03mmであることが好ましく、0.1mmであることがより好ましく、0.2mmであることがさらに好ましく、0.3mmであることが特に好ましい。
本発明の実施形態に係る化学強化ガラス板表面の表面圧縮応力は、600MPa以上である。表面圧縮応力の下限は、620MPa、さらには650MPaとしてもよい。表面圧縮応力の値は高い方が好ましいが、その上限は、900MPa、850MPa、800MPa、さらには750MPaとしてもよい。
本発明の実施形態に係る化学強化ガラス板表面に形成される圧縮応力層の深さは、耐加傷性及び切断加工性を同時に考慮すると、5〜25μmであることが好ましい。また、圧縮応力層の深さは、好ましくは5〜20μmであり、より好ましくは8〜15μmであり、さらに好ましくは8〜13μmであり、特に好ましくは9〜12μmである。
本明細書において、イオン交換後の表面圧縮応力、及び、イオン交換において形成される圧縮応力層の深さとは、それぞれ、光導波路効果を活用する表面応力計を用いて光弾性法により測定した値をいう。なお、表面応力計を用いた測定においては、イオン交換前のガラスのガラス組成に対応した屈折率及び光弾性定数を用いなければならないことに注意を要する。
化学強化後のガラスのビッカース硬度は、好ましくは5.0〜6.0GPaであり、より好ましくは5.2〜6.0GPaであり、さらに好ましくは5.2〜5.8GPaである。ビッカース硬度が5.0GPa未満であると、加傷性に劣るため、市場での使用に耐えられず、一方、6.0GPaを超えると、切断性が悪化し、切断時の歩留まりに影響を与える。
本発明の実施形態に係る化学強化ガラス板は、ガラス表面側の応力分布パターンAとガラス内部側の応力分布パターンBとの2種類の応力パターンを圧縮応力層の中に有している。
そして、該応力パターンA及び該応力パターンBをそれぞれ1次関数で近似する場合において、該応力パターンAの傾きをS、該応力パターンBの傾きをSとしたとき、S>Sの関係を満たしている。
本発明の実施形態に係る化学強化ガラス板では、光導波路効果を観測原理とする表面応力計を用いて化学強化ガラス板の干渉縞を観察し、ガラス表面から1番目の干渉縞と2番目の干渉縞との間隔をr、ガラス表面から2番目の干渉縞と3番目の干渉縞との間隔をr、ガラス表面から3番目の干渉縞と4番目の干渉縞との間隔をrとしたとき、r/r及びr/rの少なくとも1つが、0.3〜0.7を満たすことが好ましい。
本発明の実施形態に係る化学強化ガラス板では、少なくともr/rが0.3〜0.7を満たすことがより好ましく、また、r/r及びr/rの両方が0.3〜0.7を満たすことがさらに好ましい。
なお、r/rが0.3〜0.7を満たし、r/rは0.3〜0.7を満たさない場合も想定されうるが、その場合、最表面における圧縮応力が生産時の徐冷等の影響により若干の緩和傾向にあるためであり、上記のような場合においても、r/rが0.3〜0.7を満たしているならば、内部引っ張り応力は低減される傾向にあり、本発明の範疇に入る。
以下、表面応力計を用いて化学強化ガラス板の干渉縞を観察する方法について説明する。
図3は、表面応力計の視野内の干渉縞の一例を模式的に示す図である。
図3の下側はガラス表面側を表しており、図3の上側はガラス内部側を表している。
図3に示すように、ガラス表面から1番目の干渉縞Lと2番目の干渉縞Lとの間隔r、ガラス表面から2番目の干渉縞Lと3番目の干渉縞Lとの間隔r、及び、ガラス表面から3番目の干渉縞Lと4番目の干渉縞Lとの間隔rを計測する。計測した間隔r、間隔r及び間隔rから、r/rの値及びr/rの値を算出する。
本発明の実施形態に係る化学強化ガラス板では、上記の方法により算出したr/r又はr/rの値が0.3〜0.7であることが好ましい。r/r又はr/rの下限値は、好ましくは0.35であり、より好ましくは0.4である。r/r又はr/rの上限値は、好ましくは0.65であり、より好ましくは0.63である。
本発明の実施形態に係る化学強化ガラス板は、表示装置用カバーガラスとして使用することが好ましい。
なお、本明細書において、表示装置用カバーガラスとは、それ単独で使用される場合のみだけに限定されず、例えば、「One Glass Solution」あるいは「カバーガラス一体型」と呼ばれるような、カバーガラスをタッチセンサー形成の基板として用いることにより、カバーガラス1枚でカバー機能と基板機能を担うものも含まれる。
表示装置用カバーガラスは、本発明の実施形態に係る化学強化ガラス板を切断加工することにより作製することができる。
化学強化ガラス板はカバーガラスよりも大きなガラス板であり、ガラス主表面部及びすべての端面部が後の切断に先立って化学強化されている。この化学強化されたガラス板から、切断加工することによって、複数のカバーガラスに分割することが考えられる。このようにして、一枚の大きなガラス板から、複数のカバーガラスが同時に効率よく作製できる。このとき、ガラス板の分割によって形成されるカバーガラス端面部は、圧縮応力層が形成されている領域と圧縮応力層が形成されていない領域とを有するものとなる。
カバーガラスの端面部は、レーザースクライブ、メカニカルスクライブもしくはブラシ研磨等による物理的加工(切断、割段だけで無く、面取りも含む)、またはフッ酸溶液を用いた化学的加工(ケミカル切断)によって形成された面であることが望ましい。
表示装置用カバーガラスの主表面部には、薬剤塗布による表面コーティング、微細加工、又はフィルム貼付等によって、防指紋性や防眩性や機能が付与された状態でもよい。また、主表面部にはスズ含有酸化インジウム(ITO)膜が付与されたのち、タッチセンサーが形成されていてもよいし、表示装置部の色調に合わせたプリントが成されていてもよい。また、主表面部に部分的な穴あけ加工等が成されていてもよい。カバーガラスの形状やサイズについても、単純な矩形だけでなく、コーナー部が円形などに加工された形など、表示装置部の意匠的形状に対応した様々な形状が考えられる。
(化学強化ガラス板の製造方法)
本発明の実施形態に係る化学強化ガラス板の製造方法は、アルカリ金属イオンA及びアルカリ金属イオンBを含み、アルカリ金属イオンAのモル量及びアルカリ金属イオンBのモル量の合計に対するアルカリ金属イオンAのモル量の比率P(mol%)を有する第1の塩にガラス板を接触させる第1の工程と、上記第1の工程の後、上記比率Pより小さい比率Q(mol%)を有する第2の塩にガラス板を接触させる第2の工程とを含む。
上記のような第1の塩の構成とすることで、第1の工程中に、ガラス表面層は、アルカリ金属イオンA及びアルカリ金属イオンB(例えば、ナトリウムイオン及びカリウムイオン)がともに含まれる状態に改質される。その結果、第2の工程において発生する圧縮応力の緩和現象を妨げる効果がもたらされる。すなわち、この第2の工程におけるイオン交換により発生する表面圧縮応力は、第1の工程を行っているため、わずかに緩和されるだけで残留する。従って、大きな表面圧縮応力を得ることができる。また、2段階の処理で化学強化を行うことにより、圧縮応力層の中に2種類の応力パターンを形成することができると考えられる。
第1の工程及び第2の工程において、「塩にガラス板を接触させる」とは、ガラス板を塩浴に接触又は浸漬させることをいう。このように、本明細書において、「接触」とは「浸漬」も含む概念とする。
また、塩の接触形態としては、ペースト状の塩を直接接触させるような形態、水溶液として噴射するような形態、融点以上に加熱した溶融塩に浸漬させるような形態などが可能であるが、これらの中では、溶融塩に浸漬させるのが望ましい。
アルカリ金属イオンA及びアルカリ金属イオンBの具体例は、先に述べたとおりである。
また、塩の種類としては、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、水酸化物塩及びリン酸塩のうちの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
アルカリ金属イオンAを含む塩としては、硝酸ナトリウム溶融塩を用いることが好ましく、アルカリ金属イオンBを含む塩としては、硝酸カリウム溶融塩を用いることが好ましい。従って、アルカリ金属イオンA及びアルカリ金属イオンBを含む塩としては、硝酸ナトリウム及び硝酸カリウムからなる混合溶融塩を用いることが好ましい。
比率P及び比率Qは、ともに、アルカリ金属イオンAのモル量及びアルカリ金属イオンBのモル量の合計に対するアルカリ金属イオンAのモル量の比率(mol%)を意味する。
ここで、第1の塩の比率Pが大きすぎると、第1の工程におけるガラス表面改質の効果が得られにくいだけでなく、ガラス板の表面に白濁が生じやすくなる傾向にあり、ガラス強度の信頼性向上を妨げてしまう。一方、第1の塩の比率Pが小さすぎると、第1の工程において、ガラス板の表面層の組成の改質が充分になされすぎてしまう傾向にあり、ガラス中のアルカリ金属イオンAのほとんどがアルカリ金属イオンBとイオン交換してしまう。そのため、第2の工程においてイオン交換が進まず、所望の表面圧縮応力を得ることができない。また、比率Pが小さすぎると、第1の工程後に圧縮応力層が深くなってしまう傾向にあり、ガラスの切断性に影響を与える。
よって、比率Pは、5〜50mol%であることが好ましい。比率Pの下限は、より好ましくは15mol%であり、さらに好ましくは20mol%である。比率Pの上限は、より好ましくは40mol%であり、さらに好ましくは35mol%である。
また、第2の塩の比率Qが10mol%より大きいと、第2の工程において、充分な量のアルカリ金属イオンBがガラス表面層に導入されず、また、表面層中でのアルカリ金属イオンBの再拡散の駆動力も弱くなってしまう傾向にあり、所望の表面圧縮応力を得ることができない。
そのため、比率Qは、0〜10mol%であることが好ましい。比率Qの上限は、より好ましくは2mol%であり、さらに好ましくは1mol%である。このように、第2の塩は、アルカリ金属イオンA(例えば、ナトリウムイオン)を実質的に含まず、陽イオンとしてアルカリ金属イオンB(例えば、カリウムイオン)のみを含んでもよい。
なお、第1の塩及び第2の塩の構成をアルカリ金属イオンA及びアルカリ金属イオンBに限定して説明したが、本発明の目的を損なわない限り、塩と反応を起こさない安定的な金属酸化物、不純物又は他の塩類が存在することを妨げるものではない。例えば、比率Qが0〜2mol%を満たすならば、第1の塩又は第2の塩に、AgイオンやCuイオンが含まれていてもよい。
第1の工程後に形成される圧縮応力層の深さは、前述したように5〜23μmとすることが好ましい。また、7〜20μmであることがより好ましく、10〜18μmであることがさらに好ましい。
上記の圧縮応力層の深さとなるように、第1の工程では、第1の塩の比率Pに応じて、処理温度(第1の塩の温度)を調整することが好ましい。
第1の工程における処理温度(第1の塩の温度)が高すぎるとガラス表面が白濁する可能性が高くなり、さらにまた、圧縮応力層も深くなってしまうことから、ガラス切断性に影響を与えてしまう。一方、第1の塩の温度が低すぎると、第1の工程におけるイオン交換が促進されず、、第1の工程におけるガラス表面改質の効果が得られ難くなり、また、所望の圧縮応力層の深さを得ることができない。
そのため、第1の塩の温度は、400〜530℃であることが好ましい。第1の塩の温度の下限は、より好ましくは410℃であり、さらに好ましくは430℃である。第1の塩の温度の上限は、より好ましくは515℃であり、さらに好ましくは500℃であり、特に好ましくは485℃である。
また、第2の工程では、第2の工程後に形成される圧縮応力層の深さが5〜25μmとなるように、処理温度(第2の塩の温度)を調整することが好ましい。
第2の工程における処理温度(第2の塩の温度)が高すぎると、第2の工程中において、第1の工程で発生した圧縮応力の緩和を招まねいてしまうだけでなく、圧縮応力層も深くなってしまうことから、ガラス切断性に影響を与えてしまう。一方、第2の塩の温度が低すぎると、第2の工程におけるイオン交換が促進されず、第2の工程中に高い表面圧縮応力を発生させることができないだけでなく、アルカリ金属イオンBの再拡散も起こりにくくなることから、所望の圧縮応力層の深さを得ることができない。
そのため、第2の塩の温度は、380〜500℃であることが好ましい。第2の塩の温度の下限は、より好ましくは390℃であり、さらに好ましくは400℃であり、特に好ましくは410℃である。第2の塩の温度の上限は、より好ましくは490℃であり、さらに好ましくは480℃であり、特に好ましくは460℃である。
本発明の実施形態に係る化学強化ガラス板の製造方法では、第1の工程において、5〜50mol%の比率Pを有する第1の塩を使用し、第1の工程後にガラス表面に深さ5〜23μmの圧縮応力層を形成することが好ましい。
また、第2の工程において、0〜10mol%の比率Qを有する第2の塩を使用することが好ましい。
第1の工程において第1の塩にガラス板を接触させる時間、及び、第2の工程において第2の塩にガラス板を接触させる時間の合計は、好ましくは1〜12時間であり、より好ましくは2〜6時間である。
具体的には、第1の塩にガラス板を接触させる時間が長すぎると、第1の工程において発生した圧縮応力が緩和されやすくなる。さらに、圧縮応力層の深さが深くなる傾向がある。これは、ガラスの切断性に影響する。
一方、第1の塩にガラス板を接触させる時間が短すぎると、第1の工程においてガラス表面層の改質効果が充分に得られず、第2の工程において応力緩和が起こりやすくなる傾向となってしまう。よって、第1の工程において第1の塩にガラス板を接触させる時間が0.5〜4時間であるのが好ましい。0.5〜8時間であるのが好ましく、1〜6時間であるのがより好ましく、1〜4時間であるのがさらに好ましい。
第2の工程においては、イオン交換処理によって発生する応力の緩和をできる限り妨げるのが望ましいが、応力緩和は塩にガラス板を接触させる時間が長ければ長いほど進行してしまう。また、第2の工程後の圧縮応力層の深さが深くなる傾向があり、これもまたガラスの切断性に影響する。一方、第2の塩にガラス板を接触させる時間が短すぎても、アルカリ金属イオンAとアルカリ金属イオンBとのイオン交換が充分に進まず、所望の圧縮応力を発生させることが難しくなってしまう。よって、第2の工程において第2の塩にガラス板を接触させる時間が0.5〜8時間であるのが好ましく、0.5〜6時間であるのがより好ましく、0.5〜3時間であるのがさらに好ましい。
なお、第1の工程の処理温度及び接触時間、並びに、第2の工程の処理温度及び接触時間について上に述べたが、これらは第1の工程及び第2の工程におけるイオン交換量(化学強化前後のガラス板の質量差の絶対値をガラス板の表面積で除した量として定義される)と関係がある。すなわち、第1の工程及び第2の工程における、それぞれのイオン交換量が同程度であるならば、ここに記載した処理温度範囲、接触時間範囲には限定されることなく、自由に変更してもよい。
以下、本発明の実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)化学強化ガラス板の作製
イオン交換(化学強化)前のガラス板として、フロート法により製造された厚さ0.7mm、短辺400mm及び長辺500mmのソーダライムガラス(質量%でSiO:71.6%、NaO:12.5%、KO:1.3%、CaO:8.5%、MgO:3.6%、Al:2.1%、Fe:0.10%、SO:0.3%)(以下、ガラス素板という)を準備した。
次に、第1の工程として、準備したガラス素板を、483℃に保持された硝酸カリウム70mol%及び硝酸ナトリウム30mol%からなる混合溶融塩(第1の塩、比率P:30mol%)浴中に120分間浸漬した。
その後、ガラス素板を浴槽から取り出し、ガラス素板の表面を洗浄、乾燥した。
続いて、第2の工程として、乾燥後のガラス素板を、443℃に保持された、実質的に、硝酸カリウム100mol%からなる溶融塩(第2の塩、比率Q:0mol%)浴中に60分間浸漬した。
その後、ガラス素板を浴槽から取り出し、ガラス素板の表面を洗浄、乾燥した。
以上の工程により、実施例1の化学強化ガラス板を作製した。
(2)化学強化ガラス板の評価
(2−1)表面圧縮応力及び圧縮応力層の深さの測定
得られた化学強化ガラス板について、表面応力計(東芝硝子製(現、折原製作所製)、FSM−60V)を用いて、干渉縞の本数とその間隔を観察し、表面圧縮応力、及び、ガラス表面に形成された圧縮応力層の深さをそれぞれ測定した。なお、表面応力計による測定において、上記ソーダライムガラスのガラス組成の屈折率として1.52、同光弾性定数として26.8((nm/cm)/MPa)を用いた。なお、光源としては、ナトリウムランプを用いた。
その結果、実施例1の化学強化ガラス板の表面圧縮応力は805MPaであり、圧縮応力層の深さは12μmであった。なお、第1の工程後の圧縮応力層の深さは14μmであった。
(2−2)r/rの値及びr/rの値の算出
ガラス表面から1番目の干渉縞Lと2番目の干渉縞Lとの間隔r、ガラス表面から2番目の干渉縞Lと3番目の干渉縞Lとの間隔r、及び、ガラス表面から3番目の干渉縞Lと4番目の干渉縞Lとの間隔rを計測した。
そして、計測した間隔r、間隔r及び間隔rから、r/rの値及びr/rの値を算出したところ、r/r=0.66、r/r=0.61であった。
(2−3)切断性の評価
得られた化学強化ガラス板について、市販の超硬製ホイールチップを搭載するメカニカルスクライバーを用いて、一般の切断作業に準ずるスクライブ(負荷重量:2kg)及び分断テストを行ったところ、後述する比較例1と同様に、切断性及び切断時の歩留まりは良好であった。
実施例1の化学強化ガラス板は高い表面圧縮応力を有しているため、一般的には、内部引っ張り応力も高くなり、切断性及び切断時の歩留まりが低下すると考えられる。例えば、実施例1は、後述する比較例1と比べて同程度の圧縮応力層深さを有しているが、表面圧縮応力は大きく増加しており、従来の応力パターンを形成させたならば、切断性及び切断時の歩留まりは悪化する傾向にあると考えられる。しかし、実施例1の化学強化ガラス板では、r/rの値及びr/rの値を所定の範囲に制御しているため、切断性及び切断時の歩留まりにも優れることが確認された。
(実施例2)
第1の工程で使用する第1の塩の比率P及び温度、並びに、第2の工程で使用する第2の塩の比率Q及び温度を表1に示すように変更した他は、実施例1と同様に化学強化ガラス板を作製し、得られた化学強化ガラス板を評価した。なお、表1には、第1の工程後の圧縮応力層の深さも合わせて示してある。
Figure 2013047679
(実施例3〜9)
各実施例の第1の工程に関し、第1の工程後にガラス表面に形成される圧縮応力層の深さが所定の深さ(5〜23μm)となるように、比率Pに応じて、塩の温度を400〜530℃の範囲で調整した以外は、実施例1と同様の操作を行い、第1の工程後の化学強化ガラス板を得た。
次に、第2の工程後に、表面圧縮応力が600MPa以上であり、かつ、ガラス表面に形成される圧縮応力層の深さが5〜25μmとなるように、比率Qに応じて、塩の温度を380〜500℃の範囲で調整した以外は、実施例1と同様の操作を行い、第2の工程後の化学強化ガラス板を得た。
なお、第1の工程において第1の塩にガラス板を接触させる時間、及び、第2の工程において第2の塩にガラス板を接触させる時間の合計は、1〜12時間の範囲で調整した。
Figure 2013047679
実施例2〜実施例9の化学強化ガラス板の表面圧縮応力、圧縮応力層の深さ、並びに、干渉縞の間隔の比(r/r及びr/r)を表1及び表2に示す。実施例2〜実施例9の化学強化ガラス板は、圧縮応力層の深さが同程度であり、従来の1工程から製造される1つの応力パターンのみを有する化学強化ガラスと比較して、切断後の歩留まりの低下が考えられる。しかし、実施例2〜実施例9の化学強化ガラス板の切断後の歩留まりは同程度に良好であった。
(比較例1)
比較例1では、1段階のみの処理で化学強化を行った。
すなわち、実施例1と同様に準備したガラス素板を、463℃に保持された実質的に硝酸カリウム100mol%からなる溶融塩浴中に90分間浸漬した。
以上の工程により、比較例1の化学強化ガラス板を作製した。
得られた化学強化ガラス板を実施例1と同様に評価した。
その結果、比較例1の化学強化ガラス板の表面圧縮応力は550MPaであり、圧縮応力層の深さは12μmであった。
また、実施例1と同様に、間隔r、間隔r及び間隔rから、r/rの値及びr/rの値を算出したところ、r/r=0.86、r/r=0.79であった。
得られた化学強化ガラス板について、市販の超硬製ホイールチップを搭載するメカニカルスクライバーを用いて、一般の切断作業に準ずるスクライブ(負荷重量:2kg)及び分断テストを行ったところ、問題なく切断することができた。また、切断時の歩留まりは98%以上と良好であった。
比較例1の化学強化ガラス板では、切断性及び切断時の歩留まりに問題はないものの、表面圧縮応力が低いため、強度が充分ではないと考えられる。
(比較例2〜比較例7)
第1の工程で使用する第1の塩の比率P及び温度、並びに、第1の塩にガラス板を接触させる時間を表1に示すように変更した他は、比較例1と同様に化学強化ガラス板を作製し、得られた化学強化ガラス板を評価した。
比較例2〜比較例7の化学強化ガラス板の表面圧縮応力、圧縮応力層の深さ、並びに、干渉縞の間隔の比(r/r及びr/r)を表1に示す。
比較例2〜比較例7の化学強化ガラス板においても、比較例1の化学強化ガラス板と同様、切断性及び切断時の歩留まりに問題はないものの、表面圧縮応力が低いため、強度が充分ではないと考えられる。

Claims (11)

  1. ガラス板表面で、ガラス中に最も多く含有するアルカリ金属イオンAを、前記アルカリ金属イオンAよりイオン半径の大きいアルカリ金属イオンBに置換するイオン交換により製造された化学強化ガラス板において、
    前記化学強化ガラス板表面の表面圧縮応力が600MPa以上であり、
    ガラス表面側の応力分布パターンAとガラス内部側の応力分布パターンBとの2種類の応力パターンを圧縮応力層の中に有し、
    該応力パターンA及び該応力パターンBをそれぞれ1次関数で近似する場合において、該応力パターンAの傾きをS、該応力パターンBの傾きをSとしたとき、S>Sの関係を満たすことを特徴とする化学強化ガラス板。
  2. 光導波路効果を観測原理とする表面応力計を用いて前記化学強化ガラス板の干渉縞を観察し、ガラス表面から1番目の干渉縞と2番目の干渉縞との間隔をr、ガラス表面から2番目の干渉縞と3番目の干渉縞との間隔をr、ガラス表面から3番目の干渉縞と4番目の干渉縞との間隔をrとしたとき、r/r及びr/rの少なくとも1つが、0.3〜0.7を満たす請求項1に記載の化学強化ガラス板。
  3. 前記化学強化ガラス板表面の表面圧縮応力が600〜900MPaである請求項1又は2に記載の化学強化ガラス板。
  4. 前記化学強化ガラス板表面に形成される圧縮応力層の深さが5〜25μmである請求項1〜3のいずれかに記載の化学強化ガラス板。
  5. 前記化学強化ガラス板の板厚が0.03〜3mmである請求項1〜4のいずれかに記載の化学強化ガラス板。
  6. イオン交換前のガラスが、ソーダライムガラスであり、実質的に質量%で、SiO:65〜75%、NaO+KO:5〜20%、CaO:2〜15%、MgO:0〜10%、Al:0〜5%からなる請求項1〜5のいずれかに記載の化学強化ガラス板。
  7. 前記イオン交換は、
    アルカリ金属イオンA及びアルカリ金属イオンBを含み、アルカリ金属イオンAのモル量及びアルカリ金属イオンBのモル量の合計に対するアルカリ金属イオンAのモル量の比率P(mol%)を有する第1の塩にガラス板を接触させる第1の工程と、
    前記第1の工程の後、前記比率Pより小さい比率Q(mol%)を有する第2の塩にガラス板を接触させる第2の工程とを含む請求項1〜6のいずれかに記載の化学強化ガラス板。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の化学強化ガラス板を製造する方法であって、
    前記イオン交換は、
    アルカリ金属イオンA及びアルカリ金属イオンBを含み、アルカリ金属イオンAのモル量及びアルカリ金属イオンBのモル量の合計に対するアルカリ金属イオンAのモル量の比率P(mol%)を有する第1の塩にガラス板を接触させる第1の工程と、
    前記第1の工程の後、前記比率Pより小さい比率Q(mol%)を有する第2の塩にガラス板を接触させる第2の工程とを含むことを特徴とする化学強化ガラス板の製造方法。
  9. 前記第1の工程の後、ガラス表面に形成される圧縮応力層の深さが5〜23μmである請求項8に記載の化学強化ガラス板の製造方法。
  10. 前記比率Pが5〜50mol%である請求項8又は9に記載の化学強化ガラス板の製造方法。
  11. 前記比率Qが0〜10mol%である請求項8〜10のいずれかに記載の化学強化ガラス板の製造方法。
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