JPH0848537A - 化学強化用ガラス - Google Patents

化学強化用ガラス

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JPH0848537A
JPH0848537A JP6184856A JP18485694A JPH0848537A JP H0848537 A JPH0848537 A JP H0848537A JP 6184856 A JP6184856 A JP 6184856A JP 18485694 A JP18485694 A JP 18485694A JP H0848537 A JPH0848537 A JP H0848537A
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    • C03C3/00Glass compositions
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Abstract

(57)【要約】 【目的】情報記録媒体用のガラス基板として必要な化学
強化処理後の耐水性が優れた特性を有するガラスを提供
すること。 【構成】重量%で、SiO258〜70%、Al23
3〜22%、Li2O6〜10%、Na2O5〜12%、
ZrO22〜5%の組成を有する化学強化用ガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、化学強化用ガラス、特
に化学強化処理後の耐水性の優れた化学強化用ガラスに
関する。
【従来の技術】
【0001】一般に化学強化用ガラスは、組成中に含ま
れるアルカリ金属よりイオン半径の大きな1価のイオン
を含有する溶融塩中に浸漬され、ガラス中のアルカリ金
属イオンと溶融塩中の1価のイオンとが交換され化学強
化される。このような化学強化ガラスの用途の一つとし
て、情報記録媒体用の基板、特に磁気ディスク基板とし
て用いられるようになってきた。このような用途には、
長期保存及び悪環境すなわち高温高湿下での使用に耐え
る耐候性が要求される。さらに、使用される形状の薄板
化が進み、1mm以下、さらには0.5mm以下で使用
され始めている。現在、化学強化用ガラスとしては、ソ
ーダライム組成のフロートガラスが一般に用いられてい
る。しかしながら、前記ガラスは化学強化処理をすると
耐候性が著しく悪くなるため、高温多湿の環境での使用
に際しては必ずしも十分な耐候性を有しているとは言え
なかった。耐候性の優れた化学強化用ガラスとしては、
米国特許4,156,755号公報にリチウム含有イオ
ン交換強化ガラスが開示されている。すなわち前記公報
の7頁2〜15行には重量%で、59〜63%のSiO
2、10〜13%のNa2O、4〜5.5%のLi2O、
15〜23%のAl23、2〜5%のZrO2を含有
し、Al23+ZrO2が19〜25%、Na2O/Zr
2が2.2〜5.5であるガラス組成が開示されてい
る。また、強化ガラスの製造方法が特開昭62−187
140号公報に開示されている。すなわち、前記公報の
第1項左欄5〜16行目に、重量%で64〜70%のS
iO2、14〜20%のAl23、4〜6%のLi2O、
7〜10%のNa2O、0〜4%のMgO、0〜1.5
%のZrO2を含有する強化ガラスの製造方法が開示さ
れている。上記米国特許4,156,755号公報及び
特開昭62−187140号公報の実施例で示された組
成は溶解に高温を要し、素地ガラスが均質なガラスを製
造するのは容易ではない。さらに、上記公報に記載され
た化学強化用ガラスは、イオン交換後の表面圧縮応力が
小さく、表面圧縮応力層を深くすることで強度を上げる
必要があった。しかしながら、前記化学強化用ガラスの
薄板をイオン交換する場合は、表面応力層を板厚の半分
以上にすると、中央部で応力が緩和するため、強度が低
下するという問題点があった。
【0002】他の化学強化用ガラスが特開平5−324
31号公報に開示されている。すなわち前記公報の第2
項、左側2〜7行目に重量%で、62〜75%のSiO
2、4〜12%のNa2O、4〜10%のLi2O、5〜
15%のAl23、5.5〜15%のZrO2を含有
し、かつNa2O/ZrO2の重量比が0.5〜2.0で
あり、さらにAl23/ZrO2の重量比が0.4〜
2.5である化学強化用ガラスが記載されている。前記
公報に開示された組成のガラスには多量のZrO2が含
まれており、溶融炉を用いて製造する場合、炉内でZr
2の結晶が析出し易く、均質なガラスを結晶を析出さ
せることなく溶融成形するのが容易でないという問題が
あり、この問題はガラスの品質に影響を及ぼす重大な問
題点となっていた。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたものであって、高品質なガラスの製造が可能で
あり、化学強化処理後の耐水性が良好で、かつ表面応力
値が高く、薄板でも十分な強度を有する化学強化用ガラ
スを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】本発明は重量%で、 SiO2 58〜70 Al23 13〜22 Li2O 6〜10 Na2O 5〜12 ZrO2 2〜5 の組成を有することを特徴とする化学強化用ガラスであ
る。重量%で、 SiO2 60〜68 Al23 15.5〜20 Li2O 6.5〜10 Na2O 5〜9.5 ZrO2 2〜5 の組成を有するようにすることはより好ましい。
【作用】
【0004】以下に、本発明の化学強化用ガラスの組成
の限定理由について説明する。SiO2はガラスを形成
するための主要成分であり、58%未満であるとイオン
交換後の耐水性が悪化し、70%を越えるとガラス融液
の粘性が高くなりすぎ、溶融、成形が困難となる。この
ため、SiO2の範囲としては58〜70%であり、6
0〜68%が好ましい。Al23はイオン交換速度を速
めるため及びイオン交換後の耐水性を向上するために必
要な成分であり、13%未満ではその効果が不十分であ
り、22%を越えるとガラス融液の粘性が高くなりす
ぎ、溶融、成形が困難となる。このため、Al23の範
囲としては13〜22%であり、15.5〜20%が好
ましい。Li2Oはイオン交換に必要な成分であるとと
もに、溶解性を高める成分であり、6%未満ではイオン
交換後の表面圧縮応力が十分得られず、また溶解性も悪
い。10%を越えるとイオン交換後の耐水性が悪化する
とともに、液相温度が上がり、成形が困難となる。この
ため、Li2Oの範囲としては、6〜10%であり、
6.5%〜10%が好ましい。Na2Oは溶解性を高め
る成分であり、5%未満ではその効果が不十分であり、
12%を越えるとイオン交換後の耐水性が悪化する。こ
のためNa2Oの範囲としては5〜12%であり、5〜
9.5%以下が好ましい。ZrO2はイオン交換速度を
速め、耐水性にも寄与する成分であり、2%未満ではそ
の効果が不十分であり、5%を越えるとガラス融液の粘
性が高くなりすぎ、溶融、成形が困難となる。このた
め、ZrO2の範囲としては2〜5%が好ましい。本発
明の化学強化ガラスには、以上の成分の他に本発明の特
性を損なわない範囲で、Fe23,TiO2,NiO,
Cr23,CoO等の着色剤、As23,Sb23等の
清澄剤を3%以下含有することが出来る。
【実施例】
【0005】本発明における5種の実施例の組成及びガ
ラスの特性を表1に、また4種の比較例の組成及びガラ
スの特性を表2に示す。まず、実施例1について説明す
る。表1に示した組成となるように通常のガラス原料で
あるシリカ、アルミナ、炭酸リチウム、炭酸ナトリウ
ム、ジルコンを用いて調合した。調合したバッチは白金
るつぼを用いて1450℃で4時間溶融し、鉄板上に流
し出した。このガラスを500℃の炉で30min保持
した後、炉の電源を切り、室温まで放冷し、試料ガラス
とした。試料ガラスの特性として、溶融温度(logη
=2の温度)、作業温度(TW:logη=4の温
度)、液相温度(TL)、作業温度と液相温度との差
(TW−TL)及び歪点(logη=14.5の温度)の
測定結果を表1に示す。高温域の粘性は白金球引き上げ
式自動粘度測定装置にて、また歪点はビーム曲げ式粘度
測定装置により測定した。液相温度は次のようにして測
定した。試料ガラスを粉砕し、1680μmのフルイを
通過し、1190μmのフルイ上にとどまったガラス粒
をエタノールに浸漬し、超音波洗浄した後、恒温槽で乾
燥させた。白金ボート上に1列に開けた1mm径の多数
の穴にこのガラス粒を一粒づつ並べ、850〜1150
℃の勾配炉内に4時間保持した後、炉から取り出し、ガ
ラス粒上に発生した失透を観察し、発生した最高温度を
もって液相温度とした。イオン交換後の特性として、表
面応力、表面応力層深さ、耐水性の測定結果を表1に示
す。イオン交換は、試薬1級の硝酸ナトリウム40%と
試薬1級の硝酸カリウム60%の混合溶融塩中にガラス
を浸漬し、380℃で3時間保持して行った。表面応
力、表面応力層深さはイオン交換処理したガラスの薄片
を作製し、偏光顕微鏡を用いて測定した。耐水性は、上
記試料ガラスを50×100×板厚2mmに切り出し、
鏡面研磨した板をイオン交換し、この板を20mlの精
製水と共にビニール袋に入れ、60℃で120時間保持
した後、精製水中に溶出したガラス成分量を測定し、単
位面積当たりの溶出量として求めた。実施例2〜5も実
施例1と同様の方法で試料ガラスを作製し、実施例1と
同様にしてガラスの特性及びイオン交換後の特性を測定
した。いずれの実施例においても溶融温度は1530℃
以下、液相温度は作業温度より低く、溶解性及び成形性
に優れている。また、応力値は46kg/mm2以上で
あった。イオン交換後の耐水性テストにおける重量減は
1.4μg/cm2以下と優れている。
【表1】
【0006】比較例 実施例1と同様の方法で試料ガラスを作製し、ガラスの
特性及びイオン交換後の特性を測定した。比較例1に用
いたガラス組成は、米国特許4,156,755号公報
の実施例18に記載された組成であり、溶融点は161
5℃と高く、高品質のガラスを製造するのが容易ではな
い。また、応力値も33kg/mm2と本実施例に比べ
て小さいことが分かる。比較例2は特開昭62−187
140号公報の実施例1に記載された組成であり、溶融
点は1590℃以上と高く、高品質のガラスを製造する
のが容易ではない。また、応力値も36kg/mm2
下と本実施例に比べて小さいことが分かる。比較例3は
特開平5−32431号公報の実施例4に記載された組
成であり、作業温度に比べ液相温度が高く、ガラスの成
形が困難である。比較例4は前記市販のソーダライムガ
ラスであり、実施例1と同様の方法で試料ガラスを作製
し、ガラスの特性及びイオン交換後の特性を測定した。
ただし、イオン交換は試薬1級の硝酸ナトリウムの溶融
塩中にガラスを浸漬し470℃で3時間保持して行っ
た。イオン交換後の耐水性テストにおける重量減は20
μg/cm2であり、本発明の実施例の10倍以上の溶
出があり、耐水性が悪い。
【表2】
【発明の効果】
【0007】本発明によれば、情報処理記録媒体のよう
な化学強化処理後の耐水性が良好で、かつ表面応力値が
高く、薄板でも十分な強度を有することが要求される化
学強化用ガラスを、溶解性及び成形性の良いガラス素地
から得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、 SiO2 58〜70 Al23 13〜22 Li2O 6〜10 Na2O 5〜12 ZrO2 2〜5 の組成を有することを特徴とする化学強化用ガラス。
  2. 【請求項2】重量%で、 SiO2 60〜68 Al23 15.5〜20 Li2O 6.5〜10 Na2O 5〜9.5 ZrO2 2〜5 の組成を有することを特徴とする請求項1に記載の化学
    強化用ガラス
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