JP4714837B2 - 木質バイオマスを原料にした分解物質の製造方法および装置 - Google Patents

木質バイオマスを原料にした分解物質の製造方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木質系のバイオマスを原料として加溶媒分解物質を製造する製造方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バイオマスとは、地球の生物圏において、太陽エネルギーを利用して生合成される有機体のことであり、各種の化学成分を原料とすることにより植物、動物および微生物として出現し、それぞれ所定の生態系で形態変化を経て所定のサイクルで無機質に戻るものを総称する用語である。
【0003】
このようなバイオマスが各種産業の原料として注目されるようになって久しいが、工業材料の原料としての観点からは、木材、パルプ、繊維、ゴム、食料、飼料、薪炭、都市ごみの有機性分、屎尿、農業廃棄物、畜産廃棄物、食品加工廃棄物、下水処理で生成する活性汚泥等をバイオマスと呼ぶのが一般的である。
【0004】
かかるバイオマスは、石炭、石油あるいは天然ガス等の地下資源と比較対照されることが多い。地下資源である石炭等は、過去に太陽エネルギーによる再生サイクルの恩恵に浴していたが、現在ではサイクルから外れて再生されることがないため、使い切ってしまえば後がないという問題点を有しているのに対し、バイオマスは、太陽エネルギーが絶えない限り常に再生サイクルの恩恵に浴しているため、無尽蔵な資源であるといえる。
【0005】
かかる背景の基に、特に木質系のバイオマスを原料として化石燃料の代替物を製造したり、融解物質や加溶媒分解物質を回収する研究が盛んに行われるようになった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、木質系のバイオマスを原料として化石燃料の代替品を製造したり融解物質や加溶媒分解物質を回収するための方法は、木質バイオマスを所定の溶液(液化試薬)と混合し、この混合物を所定温度で処理してセルロースやリグニン等を液状物に変換するものが主流であったが製造効率が悪いという問題点を有していた。
【0007】
かかる問題点を解消するものとして、近年、木質バイオマスを密閉容器に装填し、この密閉容器を略500℃の錫の浴槽内に浸漬し、容器内に高温・高圧を現出させてこの高温・高圧環境で木質バイオマスを分解することによって有用物質を製造する方法が提案されている。容器内の高圧は、密封状態の容器内を高温環境にすることによって得るようになされている。
【0008】
しかしながら、このような方法では、容器内の圧力は温度の従属要因になることから、圧力と温度とをそれぞれ他とは独立させた状態で容器内のバイオマスの分解環境を制御することができず、分解環境を制御するための自由度が小さいという問題点を有している。
【0009】
本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたものであり、木質バイオマスの分解環境制御の自由度を大きくしてより効率的に木質系のバイオマスを分解処理することができる木質バイオマスを原料にした分解物質の製造方法および装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、木質バイオマスを原料にして加溶媒分解物質を製造する製造方法であって、木質バイオマスを微粉砕して微粉状原料にする粉砕工程と、微粉状原料と超臨界状態になり得る溶媒とを混練して混練物にする混練工程と、この混練工程で得られた混練物に対して上記溶媒が超臨界状態になる圧力および温度を付与して加溶媒分解を起させる加溶媒分解工程とからなり、上記加溶媒分解工程において、混練物に通電することによるジュール熱で混練物を加熱することを特徴とするものである。
【0011】
請求項記載の発明は、木質バイオマスを原料にして加溶媒分解物質を製造する製造装置であって、木質バイオマスを微粉砕して微粉状原料にする粉砕装置と、微粉状原料と超臨界状態になり得る溶媒とを混練して混練物にする混練装置と、この混練装置で得られた混練物に対して上記溶媒が超臨界状態になる圧力および温度を付与して加溶媒分解を起させる加溶媒分解装置とからなり、上記加溶媒分解装置は、混練物に通電することによるジュール熱で混練物を加熱し得るように構成されていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項1および記載の発明によれば、木質バイオマスの原料は、粉砕工程(粉砕装置)で粉砕されて微粉状原料になることによって表面積が大きくなり、溶媒との接触面積が大きくなって加溶媒分解処理を行う上で有利になる。かかる粉砕工程で得られた微粉状原料は、混練工程(混練装置)で超臨界状態になり得る溶媒と混練されることにより、溶媒が超臨界状態になることによりその作用を受け易い状態になる。このような混練物が、加溶媒分解工程(加溶媒分解装置)において、溶媒が超臨界状態に設定されるため、混練物中の木質バイオマスの構成成分であるセルロースやヘミセルロース等が溶媒の作用を受けて加溶媒分解し、グルコース糖のような糖類になる。
【0013】
このように、木質バイオマスを一旦微粉砕処理して微粉状原料とし、この微粉状原料と超臨界状態になり得る溶媒とを混練して混練物をつくり、この混練物を、溶媒が超臨界状態になる環境に置くことにより、溶媒の超臨界特性発現による活性化によって木質バイオマスは容易に加溶媒分解される。
【0014】
また、請求項1および4記載の発明によれば、混練物に通電するという簡単な操作によってジュール熱による内部加熱で混練物中の溶媒が超臨界状態になる温度を得ることができるため、従来の溶融金属浴槽等による外部から混練物を加熱する加熱方式に比べて加熱処理が容易に行い得るようになるとともに、設備コストおよび運転コストの低減化に寄与する。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記粉砕工程は、木質バイオマスを所定の粒度に予備粉砕する予備粉砕工程と、この予備粉砕工程で得られた予備粉砕物をさらに粉砕して微粉状原料にする微粉砕工程とからなることを特徴とするものである。
【0016】
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、上記粉砕装置は、木質バイオマスを所定の粒度に予備粉砕する予備粉砕装置と、この予備粉砕装置によって得られた予備粉砕物をさらに粉砕して微粉状原料にする微粉砕装置とからなることを特徴とするものである。
【0017】
請求項2および記載の発明によれば、木質バイオマスを一旦予備粉砕工程(予備粉砕装置)で所定の粒度に粉砕した後、この工程で得られた予備粉砕物をさらに微粉砕工程(微粉砕装置)で微粉砕する二段階処理が採用されているため、粒度の揃った予備粉砕物を対象として微粉砕処理を行うことが可能になり、粒度が不揃いの木質バイオマスを直接微粉砕する場合に比較し粉砕効率が向上する。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、上記超臨界状態になり得る溶媒として水およびアルコールのいずれか一方または双方の混合物を使用することを特徴とするものである。
【0019】
請求項記載の発明は、請求項または記載の発明において、上記超臨界状態になり得る溶媒は、水およびアルコールのいずれか一方または双方の混合物であることを特徴とするものである。
【0020】
請求項3および記載の発明によれば、水およびアルコールは、加溶媒分解に適した溶媒である他、超臨界状態になり易い性質を有しているため、これらのいずれか、あるいは混合物は、木質バイオマスの加溶媒分解用の溶媒として適している。
【0021】
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、上記微粉砕装置は、上記予備粉砕物および粉砕処理用の硬質物を密閉状態で収容する粉砕物装填容器と、この粉砕物装填容器の外面を覆うように付設されたジャケット部材とを備えて構成され、このジャケット部材と粉砕物装填容器との間に密閉状態で冷媒を収容する冷媒収容空間が形成されていることを特徴とするものである。
【0022】
この発明によれば、粉砕物装填容器の中に密封状態で予備粉砕物および粉砕処理用粒状物を装填するとともに、ジャケット部材の冷媒収容空間に所定の冷媒を装填することにより、この冷媒の冷熱が粉砕物装填容器内の予備粉砕物に伝熱し、これによって予備粉砕物は低温で脆弱化する。従って、この状態で粉砕物装填容器を振動させたり揺動させることにより、内部の予備粉砕物は、硬質物や容器の内壁面との衝突によって、さらに硬質物と容器の内壁面とに挟まれることによって破砕されて微粉状になる。
【0023】
そして、微粉砕装置には、可動部分が存在せず、しかも被粉砕物の低温脆弱化を利用するものであるため、従来の可動部分が存在する微粉砕装置に比べてその分設備コストを低減させた上で、充分な粉砕性能が得られる。
【0024】
冷媒としては、ドライアイスおよび液体窒素が好適である。ドライアイスを冷媒として使用した場合には、粉砕物装填容器内の被粉砕物を略−80℃にまで冷却することが可能であり、被粉砕物は相当の低温脆弱化を来たし、容易に微粉砕され得る状態になる。また、液体窒素を冷媒として使用すれば、粉砕物装填容器内の被粉砕物は略−190℃にまで冷却され、被粉砕物は極度の低温脆弱化を来たすため、僅かな揺動で良好に微粉砕される。
【0025】
請求項記載の発明は、請求項乃至のいずれかに記載の発明において、上記加溶媒分解装置は、上記混練物が装填される筒状の外型と、この外型の底部に内嵌される下型と、上記外型に摺接状態で移動可能に嵌挿される上型と、上記外型に混練物が装填された状態で上型を加圧する加圧手段と、上記上型および下型を介して外型内に装填されている混練物に電流を供給する電源装置とを備え、上記外型は、上記上型および下型に対して絶縁状態になるように構成されていることを特徴とするものである。
【0026】
この発明によれば、加圧手段の駆動で上型を加圧することにより、外型内の混練物は上型を介して加圧される。そして、この加圧状態で電源装置からの電圧を上型および下型に印加することにより、外型は上型および下型に対して絶縁状態になるように構成されているため、印加された電圧は外型を介して短絡することはなく、結局上型および下型間で混練物を通って電流が流れることになり、この電流によってジュール熱が生じ、このジュール熱で混練物が内部加熱されることになる。
【0027】
このように、上型および下型に対して絶縁状態になるように外型を構成することによって、簡単な構造で加圧状態の混練物に対して電流を供給することが可能になり、設備コストの低減化に貢献する。
【0028】
しかも、加圧手段によって外型内の圧力を調整し得るようになっているため、外型内の加溶媒分解の圧力環境を温度環境と独立した状態で設定することが可能になり、外型内の圧力および温度制御の自由度が向上する。
【0029】
上型および下型に対して絶縁状態になるように外型を構成する点については、外型の内周面に絶縁材料をコーティングしてもよいし(請求項)、外型をセラミック材料によって形成してもよい(請求項1)。
【0030】
請求項1記載の発明は、請求項乃至のいずれかに記載の発明において、上記加溶媒分解装置は、上記混練物が装填される筒状の外型と、この外型の底部に内嵌される下型と、上記外型に摺接状態で移動可能に嵌挿される上型と、上記外型に混練物が装填された状態で上型を加圧する加圧手段と、上記外型に電流を供給する電源装置とを備え、上記外型は、電流が供給されることにより発熱する材料によって形成されていることを特徴とするものである。
【0031】
この発明によれば、電流が供給されることによる外型の発熱によって外型内に装填されている混練物が加熱される。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る木質バイオマスを原料にして加溶媒分解物質を製造する方法の一実施形態を示す工程図である。この図に示すように、本発明方法は、木質バイオマスBを予備粉砕して所定の粒度(平均粒径2.0mm〜0.5mm程度)の予備粉砕物B1にする予備粉砕工程P1と、この予備粉砕工程P1で予備粉砕された予備粉砕物B1を所定の冷凍装置に装填して冷凍した上で微粉砕して所定の粒度(平均粒径略100μm以下)の微粉砕物B2にする冷凍粉砕工程(微粉砕工程)P2と、この冷凍粉砕工程P2で得られた微粉砕物B2に所定の溶媒を添加して混練することにより混練物B3を得る混練工程P3と、この混練工程P3で得られた混練物B3を所定の型に装填した上で加圧する型込め工程P4と、型込めされて圧縮された圧縮物B4に加水分解(加溶媒分解(ソルボリシス))処理を施す加水分解工程(加溶媒分解工程)P5とからなり、各工程を順次実行することにより、木質バイオマスBを有用物質である加水分解物(加溶媒分解物)B5に変換することができる。
【0033】
上記木質バイオマスBとしては、材木の製材屑、間伐材、紙などのパルプ製品の廃棄物、トウモロコシの茎等が採用される。かかる材料が原料として採用されるのは、これらは、通常、廃棄物として埋立て処理されたり焼却処理されるのであるが、これら木質バイオマスBは、多糖類であるセルロースおよびヘミセルロース並びにフェニルプロパン系の化合物であるリグニンの3物質が主成分であり、いずれも安定した固体の高分子化合物であるが、所定の条件で加水分解処理することにより有用物質であるグルコース糖などの加水分解物B5に変換し得るからである。
【0034】
そして、本発明においては、種々の試験の結果、木質バイオマスBを微粉砕物B2にした上で混練工程P3および型込め工程P4を経て加水分解工程P5で所定の条件により圧縮物B4に対し加水分解処理を施すことにより、単糖類の一種であるグルコース糖が得られることをつきとめた結果、本発明に到達したのである。
【0035】
かかる木質バイオマスBは、まず予備粉砕工程P1において粒径が0.5mm以上、例えば略1.0mmに予備粉砕されて予備粉砕物B1とされる。かかる予備粉砕工程P1においては、ジョークラッシャーやウィリーミル等の市販の粗砕機が用いられる。
【0036】
ついで、予備粉砕工程P1から導出された予備粉砕物B1は、冷凍粉砕工程P2において順次冷凍処理が施された後にロールミルや高速回転ミル等の微粉砕機によって100μm以下、例えば略10μm〜100μmに微粉砕されて微粉砕物B2とされる。
【0037】
冷凍粉砕工程P2で予備粉砕物B1に対して冷凍処理が行われるのは、予備粉砕物B1の各粒子中に含まれている水分を冷凍して氷結させて固化し、これによって微粉砕処理を行い易くするためである。また、冷凍粉砕工程P2では、予備粉砕物B1に微粉砕処理を施すに先立って後に詳述する冷凍粉砕装置30の装填室36内が真空状態にされ、これによって微粉の飛散を防止するとともに、粉砕精度および粉砕効率を向上させるようにしている。
【0038】
因みに、木質バイオマスBがこのように微粉砕されるのは、全体としての木質バイオマスの表面積を大きくし、加水分解工程P5において木質バイオマス(圧縮物B4)の表面と分解液とがより多く接触し得るようにして化学反応速度を向上させるためである。こうすることによって木質バイオマスに対する加水分解処理の均一化および迅速化を図ることができる。
【0039】
上記混練工程P3においては、100μm以下に粒度調製された冷凍粉砕工程P2からの微粉砕物B2が、所定の分解液と混練されて混練物B3とされる。混練工程P3で使用される混練機は、通常の市販のものである。分解液としては、例えば、水やアルコール等の超臨界特性を発現し得るものが採用される。本実施形態においては水にアルコールを混入して得た、アルコール濃度が略90%のアルコール水ALが採用されている。かかるアルコール水ALの100重量部に対して略300重量部の微粉砕物B2が混入され、かかる混入物を通常の市販の混練機に装填して混練することにより、ゾル状の混練物B3を得ることができる。
【0040】
上記型込め工程P4においては、円筒状の所定の金型に混練工程P3で得られたゾル状の混練物B3が装填され、略3000kg/cm2の圧力で押圧されて圧縮物B4とされる。混練物B3がこのような大きな圧力で押圧されるのは、つぎの加水分解工程P5においてアルコール水ALを超臨界状態にするためである。そして、通常は非導電性である木質バイオマスは、予備粉砕工程P1〜混練工程P3を経て型込め工程P4において押圧された圧縮物B4にされることにより導電性が付与される。
【0041】
上記加水分解工程P5においては、金型内に装填されて高圧で圧縮されている導電性化した圧縮物B4に所定の電圧および電流値の電力がパルス状で供給される。かかる電力の供給による通電で圧縮物B4内にジュール熱が発生し、圧縮物B4は所定の温度(例えば180℃〜450℃)にまで加熱される。本実施形態においては、圧縮物B4に周波数0.1Hz〜500Hzでピーク電流値が800〜1000Aの所定のパルス幅を有するパルス電流を付与することによって上記ジュール加熱およびパルス放電エネルギー加熱が行われるようにしている。パルス電流が採用されるのは、圧縮物B4に断続的に所定周期で電流を与えることによってパルス放電エネルギーを発生させ、これによって圧縮物B4に対する均一迅速加熱を実現させるためである。
【0042】
そして、圧縮物B4がこのような高温・高圧環境に置かれることにより、圧縮物B4中のアルコール水ALが超臨界状態になり、これによる活性化で木質バイオマスに対する反応性が高まり、木質バイオマスが加水分解される。因みに、この加水分解においては、木質バイオマスの主な構成要素である三成分、すなわちセルロース、ヘミセルロースおよびリグニンの内のリグニンを除いた二成分(セルロースおよびヘミセルロース)が反応に与り、これらがグルコース糖などの単糖類に分解されることが試験の結果判明している。
【0043】
以下、上記のような製造方法で用いられる分解物質の製造装置について説明する。本発明の製造装置10は、図1に示すように、予備粉砕工程P1で使用される予備粉砕機20と、冷凍粉砕工程P2で使用される冷凍粉砕装置30と、混練工程P3で使用される混練機40と、型込め工程P4および加水分解工程P5の二工程で共用して使用される加水分解装置50とを備えて構成されている。
【0044】
上記予備粉砕機20は、本実施形態においては、高速回転している一対のローラ21間に木質バイオマスBを供給することにより破砕する反発式のものが採用されている。上記各ローラ21の外周面には、周方向に等ピッチで径方向の外方に向かって突設された複数の反発板22を有しており、木質バイオマスBは、一対のローラ21間を通過する間に各反発板22に反発して切断され、予備粉砕物B1が排出されるようになっている。なお、予備粉砕工程P1で使用される予備粉砕機20は、上記のような反発式のものに限定されるものではなく、市販の各種のものが使用可能である。
【0045】
上記冷凍粉砕装置30は、本発明独自のものが採用されている。この冷凍粉砕装置30については、図2〜図3を基に後に詳述する。
【0046】
上記混練機40は、本実施形態においては、図1に示すようなものが採用されている。この混練機40は、上面開口の容器からなる混練槽41と、この混練槽41内の内容物を攪拌して混練する混練羽根42と、この混練羽根42を中心軸回りに回転させる駆動モータ43とを備えて構成されている。そして、かかる混練機40において、アルコール水ALを混練槽41内に装填したのち駆動モータ43の駆動で混練羽根42を中心軸回りに回転させつつ、微粉砕物B2を混練槽41内に供給することにより、両者が混合・混練されて混練物B3が得られるようになっている。
【0047】
そして、混練物B3が得られると、混練槽41の底部に設けられた導出管44のバルブを開通させることにより、ゾル状になった混練物B3が外部に導出されるようになっている。なお、本発明は、混練機が上記のような混練羽根回転式のものであることに限定されるものではなく、振動式のものや攪拌式のものなど、通常市販の混練機を採用することができる。
【0048】
上記加水分解装置50は、本発明独自のものが採用されており、この加水分解装置50については、図4および図5を基に後に詳述する。
【0049】
図2は、冷凍粉砕装置30の一実施形態を示す一部切欠き斜視図である。また、図3は図2に示す冷凍粉砕装置30の断面図であり、(イ)は、予備粉砕物B1を装填するために蓋体が開けられた状態、(ロ)は、予備粉砕物B1が装填された後に蓋体が閉じられた状態をそれぞれ示している。
【0050】
これらの図に示すように、冷凍粉砕装置30は、所定厚み寸法を備えた耐圧仕様の円筒容器31と、この円筒容器31の底部開口を閉止した円形の底板32と、同上部開口部分に同心で固定された環状天板33と、この環状天板33に着脱自在に装着される蓋体34と、上記円筒容器31の外周面を所定の離間寸法を備えて囲繞した環状ジャケット板35とを備えた基本構成を有している。
【0051】
上記円筒容器31は、内部に木質バイオマスの予備粉砕物B1を装填するためのものであり、円筒容器31の内周面と、底板32の上面と、環状天板33の下面とに包囲された空間に予備粉砕物B1を装填するための装填室36が形成されている。環状天板33の中央部には、予備粉砕物B1および微粉砕物B2を出し入れするための出入口33aが設けられ、この出入口33aを介して予備粉砕物B1を装填室36内に装填するとともに、得られた微粉砕物B2を取り出すようにしている。
【0052】
かかる環状天板33には周方向に等ピッチで螺設された複数のボルト孔33bが設けられている一方、上記蓋体34には、上記各ボルト孔33bに対応した貫通孔34aが貫設され、蓋体34を環状のパッキン部材37を介して環状天板33に積層した状態でボルトBoを貫通孔34aを介してボルト孔33bに螺着し締結することによって蓋体34が環状天板33に固定され、これによって出入口33aが閉止されるようになっている。
【0053】
また、蓋体34の中心位置には、空気孔34bが穿設されているとともに、この空気孔34bを囲むように空気導出管34cが固定されている。空気導出管34cには開閉バルブ34dが介設され、この開閉バルブ34dを開弁した状態で空気導出管34cの先端開口を真空ポンプ39に接続し、真空ポンプ39を駆動することによって装填室36内が真空状態になるようにしている。所定の真空度が得られると、開閉バルブ34dが閉弁され、これによって装填室36内の真空状態が維持される。
【0054】
かかる真空操作は、装填室36内に予備粉砕物B1が装填された直後に行われる。その理由は、装填室36内に予備粉砕物B1が装填された状態で冷凍粉砕装置30を揺動させることによる粉砕処理を施す場合に、装填室36内に空気が存在すると、この空気による予備粉砕物B1の浮遊、飛散で粉砕効果が低下するが、かかる粉砕効率の低下を防止するためと、予備粉砕物B1の酸化による木質バイオマスの変質を防止するためである。
【0055】
また、空気導出管34cには着脱自在のカバー34eが被せられ、蓋体34にねじ止めで固定されるようになっている。かかるカバー34eは、粉砕操作中の揺動で空気導出管34cが異物と干渉して損傷するのを防止するためのものである。
【0056】
上記環状ジャケット板35は、内径が円筒容器31の外径よりも大きく寸法設定されている。このような環状ジャケット板35が、円筒容器31と同心で底板32および環状天板33間に介設され、上下の周縁部が底板32および環状天板33に溶接され、これによって環状ジャケット板35の内周面と円筒容器31の外周面との間に冷媒が装填される環状冷媒空間35aが形成されている。
【0057】
そして、環状ジャケット板35の周面には、冷媒を環状冷媒空間35a内に挿入するための冷媒挿入孔35bが穿設されているとともに、この冷媒挿入孔35bを取り囲むように冷媒挿入筒35cが溶接で固定されている。この冷媒挿入筒35cの外周面には雄ねじが螺設されており、この雄ねじに雌ねじの螺設されたキャップ35dを螺着して締結することにより、環状冷媒空間35a内が密閉状態になるようにしている。
【0058】
かかるキャップ35d付きの冷媒挿入筒35cにもカバー35eがねじ止めで被せられるようになっている。このカバー35eの機能は、先の空気導出管34c用のカバー34eの機能と同様である。
【0059】
また、環状ジャケット板35の冷媒挿入筒35cと反対側の周面には筒状の防爆弁35fが取り付けられている。この防爆弁35fは、環状冷媒空間35a内が予め設定された定圧(設定圧力)になるように制御するためのものであり、環状冷媒空間35a内が設定圧力を越えると開弁するようになっている。この防爆弁35fによって環状冷媒空間35a内が常に設定圧力になる。従って、環状冷媒空間35a内が異常に高圧になって爆発するのが防止される。この防爆弁35fにもカバー35gが被せられている。
【0060】
そして、本実施形態においては、冷媒としてドライアイスDが採用されている。このドライアイスDの所定量が開放された冷媒挿入筒35cから環状冷媒空間35a内に装填された後に冷媒挿入筒35cにカバー35eが螺着締結され、これによって装填室36内に装填された予備粉砕物B1が略−80℃にまで冷却されて凍結されるようになっている。
【0061】
このような冷凍粉砕装置30の装填室36内には、予備粉砕物B1とともに直径が略80mmの鋼塊Sが装填され、冷凍粉砕装置30が揺すられることによる予備粉砕物B1および鋼塊Sの揺動で、予備粉砕物B1が鋼塊Sの表面および装填室36の内壁面に干渉し、これによって凍結状態の予備粉砕物B1が微粉砕されるようになっている。
【0062】
そして、本実施形態においては、上記のような冷凍粉砕装置30が揺動テーブル38(図2)上に載置され、この揺動テーブル38の駆動で揺すられるようになっている。
【0063】
上記揺動テーブル38は、平面視で正方形状を呈した基台38aと、この基台38aに4つのコイルばね38bを介して支持された揺動板38cとからなっている。基台38aには図略の駆動装置が内装されているとともに、この駆動装置と揺動板38cとの間には図略の揺動アームが介設され、駆動装置の駆動による揺動アームの上下動しながら円運動する揺動動作で揺動板38cが前後左右および上下に揺動するようになっている。
【0064】
従って、かかる揺動テーブル38の揺動板38c上に冷凍粉砕装置30を載置した状態で駆動装置を駆動させることにより、冷凍粉砕装置30は揺動板38cとともに前後左右および上下に揺動し、これによって冷凍粉砕装置30の装填室36に装填されている予備粉砕物B1が微粉砕されることになる。
【0065】
図4は、加水分解装置50の一実施形態を示す側面視の断面図である。また、図5は、加水分解装置50に使用される金型の一実施形態を示す分解斜視図である。まず、図4に示すように、加水分解装置50は、内部に装填された混練機40からの混練物B3に加水分解処理を施す金型51と、この金型51内に導入された混練物B3に圧力を加える加圧装置55と、混練機40からの混練物B3を金型51内に送り込む混練物供給ポンプ56と、金型51を介して金型51内の混練物B3に電力を供給する電源装置57と、金型51内に生成した加水分解物B5を取り出すために後述する外型52を昇降させる外型昇降装置58とを備えて構成されている。
【0066】
上記金型51は、円筒状の外型52と、この外型52の下部に内嵌される円柱状の下型53と、同上部に摺接状態で嵌め込まれる円柱状の上型54とからなっている。上記下型53は、フロアFに敷設された鉄筋コンクリート製の基礎50aの中央部の穴に下端部が嵌め込まれ、かかる下型53の基礎50aから外部に突出している部分に外型52が摺接状態で外嵌されるとともに、この外型52に上型54が上部から摺接状態で嵌挿されることによって金型51が基礎50aに据え付けられ状態になっている。
【0067】
そして、外型52の内周面と、下型53の上面と、上型54の下面とに囲繞された空間によって、混練物B3を装填して加水分解処理を施すための処理室510が形成されている。
【0068】
上記外型52は、金属製の外型本体52aと、この外型本体52aの内周面に耐食性を有する非導電性材料がコーティングされることによって形成したコーティング層52bとからなっている。本実施形態においては、上記外型本体52aは、ステンレススチールやインコネル(ニッケル合金)等の耐酸性に優れ、かつ、強靭な金属が採用されているとともに、上記コーティング層52bは、強靭な合成樹脂材料であるポリテトラフルオロエチレンやシリコン(珪素樹脂)等が採用されている。
【0069】
また、外型本体52aの外周面には、その略中央位置に全周に亘って径方向の外方に向けて突設されたフランジ52cが設けられている。このフランジ52cは、外型昇降装置58によって外型52を昇降させるときの被支持体として使用されるものである。
【0070】
また、外型52には、フランジ52cより若干下方位置に混練物導入孔52dが穿設されているとともに、この混練物導入孔52dの点対称位置には空気抜き孔52eが穿設されている。混練物導入孔52dは、混練物B3を処理室510内に導入するためのものであり、空気抜き孔52eは、処理室510内に混練物B3が導入されたときに処理室510内に予め存在していた空気を抜き出すためのものである。
【0071】
上記下型53には、その上面の中央位置と周面との間で連通した製品導出孔53aが設けられている。この下型53は、処理室510内に生成した製品としての加水分解物B5を系外に導出するためのものであり、外型52が下降位置に位置設定された状態ではその内周面が製品導出孔53aの出口を塞いで処理室510内の加水分解物B5の導出が阻止される一方、外型昇降装置58の駆動で外型52が上昇位置に位置設定された状態では製品導出孔53aは開通し、これによって処理室510内の加水分解物B5が製品導出孔53aを通って系外に導出されるようになっている。
【0072】
また、下型53には、図5に示すように、上半分の位置に周面が環状に凹設されることによって形成した二条の環状溝53bが設けられている。これらの環状溝53bは、弾力性を備えた材料からなるOリング51aを嵌め込むためのものである。本実施形態においては、Oリング51aは強靭な合成樹脂材料であるポリテトラフルオロエチレンやシリコンさらにはカーボン等によって形成されている。かかるOリング51aは、内径が環状溝53bの溝底の径と略同一に寸法設定されているとともに、外径が下型53の径より僅かに大きく寸法設定され、これによって外型52が下型53に外嵌された状態で、図4に示すように、圧縮弾性変形したOリング51aの外周面が、外型52の内周面に押圧状態で摺接るようになっている。
【0073】
上記上型54は、摺接状態で上下動可能に上方から外型52に嵌挿されるように径寸法が設定されている。かかる上型54は、上部の上型本体54aと、この上型本体54aの下面から同心で下方に向けて延設された、径寸法が上型本体54aのそれより若干小さい括れ部54bと、下面が混練物B3に直接当接して混練物B3を押圧する押圧円盤54cとからなっている。
【0074】
上記上型本体54aには、図5に示すように、上記環状溝53bと同様の上下二本の環状溝54dが凹設されている。これらの環状溝54dには、上記同様のOリング51aが嵌め込まれる。かかるOリング51aは、内径が環状溝54dの溝底の径と略同一に寸法設定されているとともに、外径が上型本体54aの径より僅かに大きく寸法設定され、これによって上型54が外型52に嵌挿された状態で、図4に示すように、圧縮弾性変形したOリング51aの外周面が、外型52の内周面に押圧状態で摺接し、上記下型53のOリング51aとの協働によって処理室510の気密性が確実に確保され、内容物の隙間流出が防止される。
【0075】
上記加圧装置55は、金型51を跨ぐようにフロアF上に立設された門形支持フレーム50bの頂部に縦置きで固定された加圧シリンダ55aと、この加圧シリンダ55aから門形支持フレーム50bの頂部を貫通して垂下されたピストンロッド55bとを備えて構成されている。
【0076】
上記ピストンロッド55bの下端部は、同心で上型54の上面に固定されている。従って、加圧装置55の駆動によるピストンロッド55bの加圧シリンダ55aからの出没動作によって上型54は外型52内で昇降し、下降したときには処理室510内の混練物B3を押圧して混練物B3に所定の圧力を付与するようになっている。本実施形態においては、混練物B3に50〜3000kg/cm2の圧力を付与するようにしている。
【0077】
また、本実施形態においては、上型54が最上昇位置に位置した状態では、押圧円盤54cの下端縁部が外型52の混練物導入孔52dより僅かに上方に位置するように設定されている。こうすることによって、処理室510が必要最小限の容量になって処理室510に供給された混練物B3の空気との接触を最小限に抑えることが可能になり、空気が存在することによる混練物B3の酸化が抑制され、加水分解物B5の収率が向上する。
【0078】
上記電源装置57は、商用電源57aから受電した交流電力を所定の周波数の高圧電力に変換した上で、この高圧電流を下型53および上型54に供給するためのものである。本実施形態においては、電源装置57によって商用電源57aからの交流電力が周波数略500Hzでピーク電流値が800〜1000Aのパルス電流に変換するようにしている。かかる電源装置57としては、特許第3132560号公報に記載されたものを好適品として挙げることができる。
【0079】
そして、電源装置57から引き出された第一リード線57bが上型54に接続されているとともに、同第二リード線57cが下型53に接続されている。従って、混練物B3が処理室510内に装填され、かつ、上型54の下降により所定の圧力で押圧された状態で、電源装置57に内装されている図略のスイッチ装置をオン操作することにより、上型54の押圧円盤54cの下面と下型53の上面との間で混練物B3を通して電流が流れるため、混練物B3にはジュール熱が発生し、これによって混練物B3は内部から加熱されることになる。この場合における適切な圧力調整および温度調整は図略の所定の制御装置による制御によって実行される。
【0080】
そして、所定の圧力の付与された混練物B3が処理室510内で加熱されることにより、圧力および温度がアルコール水ALの超臨界状態の範囲内に移行すると、アルコール水ALは気体と液体との中間的な挙動を示して極めて活性に富んだ状態になるため、これによって混練物B3中に含まれた木質バイオマスの三つの主な構成成分であるセルロース、ヘミセルロースおよびリグニンの内の特にセルロースおよびヘミセルロースが加水分解され、これによってグルコース糖などの単糖類が得られることになる。
【0081】
上記外型昇降装置58は、処理室510内に得られた加水分解物B5を抜き出すときに駆動されるものであり、基礎50aに立設された所定基数の昇降シリンダ58aと、この昇降シリンダ58aの頂部から出没するピストンロッド58bとからなっている。かかる外型昇降装置58は、ピストンロッド58bの上端部が外型52のフランジ52cの下面に当接するように設置位置がレイアウト設定されている。
【0082】
従って、処理室510内に加水分解物B5が生成した状態で外型昇降装置58の駆動によってピストンロッド58bを突出させることにより、フランジ52cを介した外型52の上昇で今まで閉止されていた製品導出孔53aの下流端開口が開放され、処理室510内の加水分解物B5は、この開放された製品導出孔53aから外部に導出されることになる。
【0083】
以下、図6を基に必要に応じて図1〜図5を参照しながら加水分解装置50の作用について説明する。図6は、加水分解装置50の作用を説明するための説明図であり、(イ)は、加水分解装置50の処理室510内に混練物B3が導入されつつある状態、(ロ)は、処理室510内に導入された混練物B3が上型54の下降で加圧された状態、(ハ)は、外型昇降装置58の駆動で外型52が上昇された状態、(ニ)は、上型54の下降で処理室510内の加水分解物B5が系外に導出されつつある状態をそれぞれ示している。
【0084】
まず、図6の(イ)に示すように、上型54が最上方位置に位置設定された状態で、混練物供給ポンプ56を駆動することにより混練槽41内の混練物B3を混練物導入孔52dを介して加水分解装置50の処理室510内に導入する。こうすることによって処理室510内の空気は混練物B3と置換されて空気抜き孔52eから排出される一方、処理室510内には混練物B3が順次装填されていく。
【0085】
ついで、処理室510内が混練物B3によって満量(混練物B3が混練物導入孔52dのレベルを越えた量)になったことを確認した後、加圧装置55の駆動でピストンロッド55bを加圧シリンダ55aから突出させて上型54を降下させる。こうすることによって上型54の下面と混練物B3の液面との間に存在した空気が空気抜き孔52eを通って外部に排出されるため、上型54が下降した状態では、その下面と混練物B3の液面との間に空気層が存在しないで上型54の下面が混練物B3の液面に直接当接した状態になっている。従って、以後の加水分解処理において、混練物B3が空気と接触することにより空気中の酸素に酸化されて加水分解処理に悪影響を及ぼすような不都合は回避される。
【0086】
そして、引き続き加圧装置55の駆動を継続して上型54で混練物B3を予め設定された押圧力で押圧することにより、図6の(ロ)に示すように、混練物B3は、僅かではあるが減容して超臨界状態になり得る圧力が加えられる。
【0087】
この状態で、電源装置57からの高圧パルス電圧を下型53および上型54に印加する。こうすることによって下型53および上型54間には処理室510内の混練物B3を通して電流が流通し、電流が混練物B3内を流れることによるジュール熱の発生で混練物B3は内部加熱される。
【0088】
そして、上記内部加熱で混練物B3が所定の温度を越え、これによって温度および圧力の双方が所定の範囲を越えることにより処理室510内のアルコール水ALは活性化が進行した超臨界状態になり、この超臨界状態を所定時間継続させることにより、混練物B3中の木質バイオマスが加水分解してグルコース糖などの単糖類になる。
【0089】
ついで、処理室510内での充分な加水分解反応の進行したことが確認された後、電源装置57からの電力供給を停止し、引き続き外型昇降装置58の駆動でピストンロッド58bを突出させる。こうすることによって外型52はフランジ52cを介して上方に向けて移動し、図6の(ハ)に示すように、製品導出孔53aが外部に向かって開放された状態になる。
【0090】
しかし、図6の(ハ)に示す状態では、外型52が上昇することによって混練物導入孔52dおよび空気抜き孔52eの双方が処理室510の位置から上方に移動してしまい、処理室510内の加水分解物B5が製品導出孔53aを通って外部に排出され得ない状態になっている。
【0091】
そこで、図6の(ニ)に示すように、加圧装置55の駆動で上型54が下降させられる。こうすることによって処理室510内の加水分解物B5が上型54に押圧されて製品導出孔53aを通って系外に排出されることになる。そして、処理室510内の加水分解物B5が外部に排出された後、外型52が下降されるとともに上型54が上昇されて図6の(イ)に示す状態に戻される。
【0092】
このような図6の(イ)〜(ニ)に示す一連の操作を繰り返すことにより、混練槽41に貯留されている木質バイオマスの微粉砕物B2とアルコール水ALとの混練物B3は、順次加水分解されて加水分解物B5になる。
【0093】
以上詳述したように、本実施形態の加水分解物B5の製造方法は、木質バイオマスBを予備粉砕して予備粉砕物B1にする予備粉砕工程P1と、この予備粉砕工程P1で得られた予備粉砕物B1を冷凍状態で微粉砕して微粉砕物B2にする冷凍粉砕工程P2と、この冷凍粉砕工程P2で得られた微粉砕物B2とアルコール水ALとを混合・混練して混練物B3にする混練工程P3と、この混練工程P3で得られた混練物B3を金型51の処理室510に型込めする型込め工程P4と、型込めされた圧縮物B4に対して圧縮物B4中のアルコール水ALが超臨界状態になる圧力および温度を付与して加水分解を起させる加水分解工程P5とからなるものであり、本実施形態の加水分解物B5の製造装置10は、冷凍粉砕工程P2で使用される予備粉砕機20と、冷凍粉砕工程P2で使用される冷凍粉砕装置30と、混練工程P3で使用される混練機40と、型込め工程P4および加水分解工程P5で使用される加水分解装置50とを備えてなるものである。
【0094】
従って、かかる加水分解工程P5の製造方法および製造装置10によれば、木質バイオマスBの原料は、予備粉砕工程P1で予備粉砕機20により一旦予備粉砕物B1にされた後に冷凍粉砕工程P2で冷凍粉砕装置30により粉砕されて微粉砕物B2になることによって表面積が大きくなり、液体との接触面積が大きくなって加水分解処理が効率的に行われる。そして、かかる冷凍粉砕工程P2で得られた微粉砕物B2は、混練工程P3で混練機40によりアルコール水ALと混練されることにより、微粉状の木質バイオマスは、アルコール水ALの作用を極めて受け易い状態の混練物B3になる。
【0095】
このような混練物B3は、型込め工程P4で加水分解装置50の金型51の処理室510に装填された後、加水分解工程P5において、加圧装置55の駆動で上型54の下降により加圧されるとともに、電源装置57から供給されるパルス電流によるジュール発熱で圧縮物B4中のアルコール水ALが超臨界状態になるため、混練物B3中の木質バイオマスBの構成成分であるセルロースやヘミセルロース等は、極めて反応性に富む超臨界状態のアルコール水ALの作用を受けて加水分解し、グルコース糖のような単糖類になる。
【0096】
そして、木質バイオマスBの粉砕処理を、木質バイオマスBを所定の粒度に予備粉砕する予備粉砕工程P1と、この予備粉砕工程P1で得られた予備粉砕物B1をさらに粉砕して微粉砕物B2にする冷凍粉砕工程P2とによって二段階で行うようにしているため、冷凍粉砕工程P2において粒度の揃った予備粉砕物B1を対象として冷凍粉砕工程P2において微粉砕処理を行うことが可能になり、粒度が不揃いの木質バイオマスBを直接微粉砕する場合に比較し粉砕効率を向上させることができる。
【0097】
また、超臨界状態になり得る溶媒としてアルコール水ALを使用しているが、アルコール水ALは加水分解に必須の液体である他、水およびアルコールの双方は超臨界状態になり易い性質を有しているため、アルコール水ALを木質バイオマスBの加水分解用の溶媒として好適に使用することができる。
【0098】
また、加水分解工程P5においては、下型53および上型54を介して、外型52の処理室510内の混練物B3に電源装置57からの電流を通電し、これによるジュール熱で混練物B3を内部加熱するように構成しているため、従来の超臨界特性発生装置のような外部から混練物B3を加熱する加熱方式に比べて加熱処理が容易に行い得るようになるとともに、混練物B3に対する加熱処理のための設備コストおよび運転コストの低減化に寄与することができる。
【0099】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0100】
(1)上記の実施形態においては、微粉砕物B2に添加する超臨界状態になり易い溶媒としてアルコール水ALが使用されているが、本発明は、超臨界状態になり易い溶媒がアルコール水ALであることに限定されるものではなく、水のみであってもよいし、アルコールのみであってもよい。また、アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等を好適に使用することができる。
【0101】
(2)上記の実施形態においては、冷凍粉砕工程P2において冷凍粉砕装置30を用いて予備粉砕物B1を冷凍処理した状態で微粉砕するようにしているが、本発明は、予備粉砕物B1の微粉砕に際し、冷凍粉砕装置30を用いることに限定されるものではなく、通常の微粉砕装置を採用してもよい。
【0102】
(3)上記の実施形態においては、混練機40として混練槽41と、この混練槽41内に装填された微粉砕物B2およびアルコール水ALを攪拌・混練する混練羽根42とを備えたものを採用しているが、かかる混練機40に代えて、筒体の中に同心でスクリュードライバーが内装された、いわゆる単軸式の捏和機を採用してもよい。
【0103】
(4)上記の実施形態においては、下型53および上型54に対して外型52の絶縁性を確保するために、外型本体52aの内周面に非導電性材料からなるコーティング層52bが積層されているが、こうする代わりに外型52そのものをセラミック材料で形成してもよい。
【0104】
(5)上記の実施形態においては、冷凍粉砕装置30の環状冷媒空間35aに冷媒としてドライアイスDが装填されているが、本発明は冷媒がドライアイスDであることに限定されるものではなく、液体酸素、液体窒素あるいはこれらの混合物である液体空気を冷媒として採用してもよい。
【0105】
(6)上記の実施形態においては、加溶媒分解として加水分解が採用されているが、本発明は、加溶媒分解が加水分解であることに限定されるものではなく、加アルコール分解であってもよいし、加フェノール分解であってもよく、さらにその他の溶媒を用いた加溶媒分解であってもよい。
【0106】
(7)上記の実施形態においては、外型本体52aの内周面に非導電性材料からなるコーティング層52bを積層して下型53と上型54との間を絶縁状態にし、下型53および上型54に電源装置57からの電力を供給することによって外型52による短絡を防いだ上で処理室510内の混練物B3に電流を供給するようにしているが、こうする代わりに外型本体52aの内周面にコーティング層52bを設けないで積極的に外型52にパルス電流を流通させるようにし、これによる外型52のジュール発熱およびパルス電流による放電エネルギーで外型52を加熱するようにしてもよい。この場合、外型52には、ステンレススチールやインコネル等の導電性を備えた強靭な材料を採用することが好ましい。
【0107】
(8)上記の実施形態において、混練工程P3で木質バイオマスの微粉砕物B2に微粉状の金属成分を混入して混練物B3の導電性をさらに高めるようにしてもよい。こうすることによって加水分解工程P5における木質バイオマスに対する導電性がより良好になり、超臨界特性の発現条件を容易に向上させることができる。
【0108】
【発明の効果】
請求項1および記載の発明によれば、木質バイオマスの原料は、粉砕工程(粉砕装置)で粉砕されて微粉状原料になることによって表面積が大きくなるため、溶媒との接触面積が大きくなって加水分解処理を効率的に行うことができる。かかる粉砕工程(粉砕装置)で得られた微粉状原料は、混練工程で超臨界状態になり得る溶媒と混練されることにより、溶媒が超臨界状態になることによりその作用を受け易い状態にすることができる。このような混練物が、加水分解工程において、溶媒が超臨界状態に設定されるため、混練物中の木質バイオマスの構成成分であるセルロースやヘミセルロース等が溶媒の作用を受けて加水分解し、グルコース糖のような単糖類を得ることができる。
【0109】
このように、木質バイオマスを一旦微粉砕処理して微粉状原料とし、この微粉状原料と超臨界状態になり得る溶媒とを混練して混練物をつくり、この混練物を、溶媒が超臨界状態になる環境に置くことにより、溶媒の活性化によって木質バイオマスを容易に加水分解することができる。
【0110】
また、請求項1および4記載の発明によれば、混練物に通電するという簡単な操作によってジュール熱による内部加熱で混練物中の溶媒が超臨界状態になる温度を得ることができるため、従来の外部から混練物を加熱する加熱方式に比べて加熱処理が容易に行い得るようになるとともに、設備コストおよび運転コストの低減化に寄与することができる。
【0111】
請求項2および記載の発明によれば、木質バイオマスを一旦予備粉砕工程(予備粉砕装置)で所定の粒度に粉砕した後、この工程で得られた予備粉砕物をさらに微粉砕工程で微粉砕する二段階処理が採用されているため、粒度の揃った予備粉砕物を対象として微粉砕処理を行うことが可能になり、粒度が不揃いの木質バイオマスを直接微粉砕する場合に比較し粉砕効率を向上させることができる。
【0112】
請求項3および記載の発明によれば、水およびアルコールは、加水分解に必須の溶媒である他、超臨界状態になり易い性質を有しているため、これらのいずれか、あるいは混合物は、木質バイオマスの加水分解用の溶媒として好適に使用することができる。
【0113】
請求項記載の発明によれば、粉砕物装填容器の中に密封状態で予備粉砕物および粉砕処理用粒状物を装填するとともに、ジャケット部材の冷媒収容空間に所定の冷媒を装填することにより、この冷媒の冷熱が粉砕物装填容器内の予備粉砕物に伝熱し、これによって予備粉砕物を低温で脆弱化することができる。従って、この状態で粉砕物装填容器を振動させたり揺動させることにより、内部の予備粉砕物は、硬質物や容器の内壁面との衝突によって破砕されて容易に微粉状のものにすることができる。
【0114】
そして、微粉砕装置には、可動部分が存在せず、しかも被粉砕物の低温脆弱化を利用するものであるため、従来の可動部分が存在する微粉砕装置に比べてその分設備コストを低減させた上で、充分な粉砕性能を得ることができる。
【0115】
請求項記載の発明によれば、外型の中に混練物を装填した状態で加圧手段の駆動により上型を加圧することにより、外型内の混練物を上型を介して加圧することができる。そして、この加圧状態で電源装置からの電圧を上型および下型に印加することにより、外型は上型および下型に対して絶縁状態になるように構成されているため印加された電圧は外型によって短絡することはなく、結局上型および下型間で混練物を通って電流が流れることになり、この電流によってジュール熱が生じ、このジュール熱で混練物を内部加熱することができる。
【0116】
このように、上型および下型に対して絶縁状態になるように外型を構成することによって、簡単な構造で加圧状態の混練物に対して電流を供給することが可能になり、設備コストの低減化に貢献することができる。
【0117】
そして、上型および下型に対して絶縁状態になるように外型を構成するためには、外型の内周面に絶縁材料をコーティングしてもよいし(請求項)、外型をセラミック材料によって形成してもよい(請求項1)。こうすることによって外型の上型および下型に対する耐食性および絶縁性を容易に確保することができる。
【0118】
請求項1記載の発明によれば、外型は、電流が供給されることにより発熱する材料によって形成されているため、電流が供給されることによる外型の発熱によって外型内に装填されている混練物を加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る木質バイオマスを原料にして加水分解物を製造する方法の一実施形態を示す工程図である。
【図2】 冷凍粉砕装置の一実施形態を示す一部切欠き斜視図である。
【図3】 図2に示す冷凍粉砕装置の断面図であり、(イ)は、予備粉砕物を装填するために蓋体が開けられた状態、(ロ)は、予備粉砕物が装填された後に蓋体が閉じられた状態をそれぞれ示している。
【図4】 加水分解装置の一実施形態を示す側面視の断面図である。
【図5】 加水分解装置に使用される金型の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図6】 加水分解装置の作用を説明するための説明図であり、(イ)は、加水分解装置の処理室内に混練物B3が導入されつつある状態、(ロ)は、処理室内に導入された混練物が上型の下降で加圧された状態、(ハ)は、外型昇降装置の駆動で外型が上昇された状態、(ニ)は、上型の下降で処理室内の加水分解物が系外に導出されつつある状態をそれぞれ示している。
【符号の説明】
AL アルコール水 Bo ボルト
F フロア P1 予備粉砕工程
P2 冷凍粉砕工程(微粉砕工程)
P3 混練工程
P5 加水分解工程(加溶媒分解工程)
P4 型込め工程 B 木質バイオマス
B1 予備粉砕物 B2 微粉砕物
B3 混練物 B4 圧縮物
B5 加水分解物 S 鋼塊
10 製造装置 20 予備粉砕機
21 ローラ 22 反発板
30 冷凍粉砕装置(微粉砕装置)
31 円筒容器
32 底板 33 環状天板
33a 出入口 33b ボルト孔
34 蓋体 34a 貫通孔
34b 空気孔 34c 空気導出管
34d 開閉バルブ 35 環状ジャケット板
35a 環状冷媒空間 35b 冷媒挿入孔
35c 冷媒挿入筒 35d キャップ
35f 防爆弁
34e,35e,35g カバー
36 装填室 37 パッキン部材
38 揺動テーブル 38a 基台
38b コイルばね 38c 揺動板
39 真空ポンプ
40 混練機(混練装置)
41 混練槽 42 混練羽根
43 駆動モータ 44 導出管
50 加水分解装置 50a 基礎
50b 門形支持フレーム 51 金型
51a Oリング 52 外型
52a 外型本体 52b コーティング層
52c フランジ 52d 混練物導入孔
52e 空気抜き孔 53 下型
53a 製品導出孔 53b 環状溝
54c 押圧円盤 54d 環状溝
54 上型 54a 上型本体
54b 括れ部 54c 押圧円盤
55 加圧装置 55a 加圧シリンダ
55b ピストンロッド 55 上記加圧装置
56 混練物供給ポンプ 57a 商用電源
57b 第一リード線 57 電源装置
58 外型昇降装置 58a 昇降シリンダ
58b ピストンロッド 510 処理室

Claims (11)

  1. 木質バイオマスを原料にして加溶媒分解物質を製造する製造方法であって、木質バイオマスを微粉砕して微粉状原料にする粉砕工程と、微粉状原料と超臨界状態になり得る溶媒とを混練して混練物にする混練工程と、この混練工程で得られた混練物に対して上記溶媒が超臨界状態になる圧力および温度を付与して加溶媒分解を起させる加溶媒分解工程とからなり、
    上記加溶媒分解工程において、混練物に通電することによるジュール熱で混練物を加熱することを特徴とする木質バイオマスを原料にした分解物質の製造方法。
  2. 上記粉砕工程は、木質バイオマスを所定の粒度に予備粉砕する予備粉砕工程と、この予備粉砕工程で得られた予備粉砕物をさらに粉砕して微粉状原料にする微粉砕工程とからなることを特徴とする請求項1記載の木質バイオマスを原料にした分解物質の製造方法。
  3. 上記超臨界状態になり得る溶媒として水およびアルコールのいずれか一方または双方の混合物を使用することを特徴とする請求項1または2記載の木質バイオマスを原料にした分解物質の製造方法。
  4. 木質バイオマスを原料にして加溶媒分解物質を製造する製造装置であって、木質バイオマスを微粉砕して微粉状原料にする粉砕装置と、微粉状原料と超臨界状態になり得る溶媒とを混練して混練物にする混練装置と、この混練装置で得られた混練物に対して上記溶媒が超臨界状態になる圧力および温度を付与して加溶媒分解を起させる加溶媒分解装置とからなり、
    上記加溶媒分解装置は、混練物に通電することによるジュール熱で混練物を加熱し得るように構成されていることを特徴とする木質バイオマスを原料にした分解物質の製造装置。
  5. 上記粉砕装置は、木質バイオマスを所定の粒度に予備粉砕する予備粉砕装置と、この予備粉砕装置によって得られた予備粉砕物をさらに粉砕して微粉状原料にする微粉砕装置とからなることを特徴とする請求項4記載の木質バイオマスを原料にした分解物質の製造装置。
  6. 上記超臨界状態になり得る溶媒は、水およびアルコールのいずれか一方または双方の混合物であることを特徴とする請求項4または5記載の木質バイオマスを原料にした分解物質の製造装置。
  7. 上記微粉砕装置は、上記予備粉砕物および粉砕処理用の硬質物を密閉状態で収容する粉砕物装填容器と、この粉砕物装填容器の外面を覆うように付設されたジャケット部材とを備えて構成され、このジャケット部材と粉砕物装填容器との間に密閉状態で冷媒を収容する冷媒収容空間が形成されていることを特徴とする請求項5記載の木質バイオマスを原料にした分解物質の製造装置。
  8. 上記加溶媒分解装置は、上記混練物が装填される筒状の外型と、この外型の底部に内嵌される下型と、上記外型に摺接状態で移動可能に嵌挿される上型と、上記外型に混練物が装填された状態で上型を加圧する加圧手段と、上記上型および下型を介して外型内に装填されている混練物に電流を供給する電源装置とを備え、上記外型は、上記上型および下型に対して絶縁状態になるように構成されていることを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の木質バイオマスを原料にした分解物質の製造装置。
  9. 上記外型の内周面には、絶縁材料がコーティングされていることを特徴とする請求項8記載の木質バイオマスを原料にした分解物質の製造装置。
  10. 上記外型は、セラミック材料によって形成されていることを特徴とする請求項8記載の木質バイオマスを原料にした分解物質の製造装置。
  11. 上記加溶媒分解装置は、上記混練物が装填される筒状の外型と、この外型の底部に内嵌される下型と、上記外型に摺接状態で移動可能に嵌挿される上型と、上記外型に混練物が装填された状態で上型を加圧する加圧手段と、上記外型に電流を供給する電源装置とを備え、上記外型は、電流が供給されることにより発熱する材料によって形成されていることを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の木質バイオマスを原料にした分解物質の製造装置。
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