JP2002233400A - 木質バイオマスを原料にした分解物質の製造方法および装置 - Google Patents
木質バイオマスを原料にした分解物質の製造方法および装置Info
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Abstract
のバイオマスを分解処理することができるようにする。 【解決手段】 木質バイオマスBを予備粉砕機20によ
り予備粉砕して予備粉砕物B1にする予備粉砕工程P1
と、この予備粉砕工程P1で得られた予備粉砕物B1を
冷凍粉砕装置30により冷凍状態で微粉砕して微粉砕物
B2にする冷凍粉砕工程P2と、この冷凍粉砕工程P2
で得られた微粉砕物B2とアルコール水ALとを混合・
混練して混練物B3にする混練工程P3と、この混練工
程P3で得られた混練物B3を加水分解装置50の金型
51に型込めする型込め工程P4と、型込めされた圧縮
物B4に対して圧縮物B4中のアルコール水ALが超臨
界状態になる圧力および温度を付与して加水分解を起さ
せる加水分解工程P5とを経てグルコース糖などの加水
分解物B5が製造される。
Description
スを原料として加溶媒分解物質を製造する製造方法およ
び装置に関するものである。
て、太陽エネルギーを利用して生合成される有機体のこ
とであり、各種の化学成分を原料とすることにより植
物、動物および微生物として出現し、それぞれ所定の生
態系で形態変化を経て所定のサイクルで無機質に戻るも
のを総称する用語である。
して注目されるようになって久しいが、工業材料の原料
としての観点からは、木材、パルプ、繊維、ゴム、食
料、飼料、薪炭、都市ごみの有機性分、屎尿、農業廃棄
物、畜産廃棄物、食品加工廃棄物、下水処理で生成する
活性汚泥等をバイオマスと呼ぶのが一般的である。
天然ガス等の地下資源と比較対照されることが多い。地
下資源である石炭等は、過去に太陽エネルギーによる再
生サイクルの恩恵に浴していたが、現在ではサイクルか
ら外れて再生されることがないため、使い切ってしまえ
ば後がないという問題点を有しているのに対し、バイオ
マスは、太陽エネルギーが絶えない限り常に再生サイク
ルの恩恵に浴しているため、無尽蔵な資源であるといえ
る。
スを原料として化石燃料の代替物を製造したり、融解物
質や加溶媒分解物質を回収する研究が盛んに行われるよ
うになった。
系のバイオマスを原料として化石燃料の代替品を製造し
たり融解物質や加溶媒分解物質を回収するための方法
は、木質バイオマスを所定の溶液(液化試薬)と混合
し、この混合物を所定温度で処理してセルロースやリグ
ニン等を液状物に変換するものが主流であったが製造効
率が悪いという問題点を有していた。
年、木質バイオマスを密閉容器に装填し、この密閉容器
を略500℃の錫の浴槽内に浸漬し、容器内に高温・高
圧を現出させてこの高温・高圧環境で木質バイオマスを
分解することによって有用物質を製造する方法が提案さ
れている。容器内の高圧は、密封状態の容器内を高温環
境にすることによって得るようになされている。
内の圧力は温度の従属要因になることから、圧力と温度
とをそれぞれ他とは独立させた状態で容器内のバイオマ
スの分解環境を制御することができず、分解環境を制御
するための自由度が小さいという問題点を有している。
ためになされたものであり、木質バイオマスの分解環境
制御の自由度を大きくしてより効率的に木質系のバイオ
マスを分解処理することができる木質バイオマスを原料
にした分解物質の製造方法および装置を提供することを
目的としている。
木質バイオマスを原料にして加溶媒分解物質を製造する
製造方法であって、木質バイオマスを微粉砕して微粉状
原料にする粉砕工程と、微粉状原料と超臨界状態になり
得る溶媒とを混練して混練物にする混練工程と、この混
練工程で得られた混練物に対して上記溶媒が超臨界状態
になる圧力および温度を付与して加溶媒分解を起させる
加溶媒分解工程とからなることを特徴とするものであ
る。
原料にして加溶媒分解物質を製造する製造装置であっ
て、木質バイオマスを微粉砕して微粉状原料にする粉砕
装置と、微粉状原料と超臨界状態になり得る溶媒とを混
練して混練物にする混練装置と、この混練装置で得られ
た混練物に対して上記溶媒が超臨界状態になる圧力およ
び温度を付与して加溶媒分解を起させる加溶媒分解装置
とからなることを特徴とするものである。
質バイオマスの原料は、粉砕工程(粉砕装置)で粉砕さ
れて微粉状原料になることによって表面積が大きくな
り、溶媒との接触面積が大きくなって加溶媒分解処理を
行う上で有利になる。かかる粉砕工程で得られた微粉状
原料は、混練工程(混練装置)で超臨界状態になり得る
溶媒と混練されることにより、溶媒が超臨界状態になる
ことによりその作用を受け易い状態になる。このような
混練物が、加溶媒分解工程(加溶媒分解装置)におい
て、溶媒が超臨界状態に設定されるため、混練物中の木
質バイオマスの構成成分であるセルロースやヘミセルロ
ース等が溶媒の作用を受けて加溶媒分解し、グルコース
糖のような糖類になる。
処理して微粉状原料とし、この微粉状原料と超臨界状態
になり得る溶媒とを混練して混練物をつくり、この混練
物を、溶媒が超臨界状態になる環境に置くことにより、
溶媒の超臨界特性発現による活性化によって木質バイオ
マスは容易に加溶媒分解される。
明において、上記粉砕工程は、木質バイオマスを所定の
粒度に予備粉砕する予備粉砕工程と、この予備粉砕工程
で得られた予備粉砕物をさらに粉砕して微粉状原料にす
る微粉砕工程とからなることを特徴とするものである。
明において、上記粉砕装置は、木質バイオマスを所定の
粒度に予備粉砕する予備粉砕装置と、この予備粉砕装置
によって得られた予備粉砕物をさらに粉砕して微粉状原
料にする微粉砕装置とからなることを特徴とするもので
ある。
質バイオマスを一旦予備粉砕工程(予備粉砕装置)で所
定の粒度に粉砕した後、この工程で得られた予備粉砕物
をさらに微粉砕工程(微粉砕装置)で微粉砕する二段階
処理が採用されているため、粒度の揃った予備粉砕物を
対象として微粉砕処理を行うことが可能になり、粒度が
不揃いの木質バイオマスを直接微粉砕する場合に比較し
粉砕効率が向上する。
記載の発明において、上記超臨界状態になり得る溶媒と
して水およびアルコールのいずれか一方または双方の混
合物を使用することを特徴とするものである。
記載の発明において、上記超臨界状態になり得る溶媒
は、水およびアルコールのいずれか一方または双方の混
合物であることを特徴とするものである。
およびアルコールは、加溶媒分解に適した溶媒である
他、超臨界状態になり易い性質を有しているため、これ
らのいずれか、あるいは混合物は、木質バイオマスの加
溶媒分解用の溶媒として適している。
いずれかに記載の発明において、上記加溶媒分解工程に
おいて、混練物に通電することによるジュール熱で混練
物を加熱することを特徴とするものである。
いずれかに記載の発明において、上記加溶媒分解装置
は、混練物に通電することによるジュール熱で混練物を
加熱し得るように構成されていることを特徴とするもの
である。
練物に通電するという簡単な操作によってジュール熱に
よる内部加熱で混練物中の溶媒が超臨界状態になる温度
を得ることができるため、従来の溶融金属浴槽等による
外部から混練物を加熱する加熱方式に比べて加熱処理が
容易に行い得るようになるとともに、設備コストおよび
運転コストの低減化に寄与する。
明において、上記微粉砕装置は、上記予備粉砕物および
粉砕処理用の硬質物を密閉状態で収容する粉砕物装填容
器と、この粉砕物装填容器の外面を覆うように付設され
たジャケット部材とを備えて構成され、このジャケット
部材と粉砕物装填容器との間に密閉状態で冷媒を収容す
る冷媒収容空間が形成されていることを特徴とするもの
である。
密封状態で予備粉砕物および粉砕処理用粒状物を装填す
るとともに、ジャケット部材の冷媒収容空間に所定の冷
媒を装填することにより、この冷媒の冷熱が粉砕物装填
容器内の予備粉砕物に伝熱し、これによって予備粉砕物
は低温で脆弱化する。従って、この状態で粉砕物装填容
器を振動させたり揺動させることにより、内部の予備粉
砕物は、硬質物や容器の内壁面との衝突によって、さら
に硬質物と容器の内壁面とに挟まれることによって破砕
されて微粉状になる。
せず、しかも被粉砕物の低温脆弱化を利用するものであ
るため、従来の可動部分が存在する微粉砕装置に比べて
その分設備コストを低減させた上で、充分な粉砕性能が
得られる。
素が好適である。ドライアイスを冷媒として使用した場
合には、粉砕物装填容器内の被粉砕物を略−80℃にま
で冷却することが可能であり、被粉砕物は相当の低温脆
弱化を来たし、容易に微粉砕され得る状態になる。ま
た、液体窒素を冷媒として使用すれば、粉砕物装填容器
内の被粉砕物は略−190℃にまで冷却され、被粉砕物
は極度の低温脆弱化を来たすため、僅かな揺動で良好に
微粉砕される。
のいずれかに記載の発明において、上記加溶媒分解装置
は、上記混練物が装填される筒状の外型と、この外型の
底部に内嵌される下型と、上記外型に摺接状態で移動可
能に嵌挿される上型と、上記外型に混練物が装填された
状態で上型を加圧する加圧手段と、上記上型および下型
を介して外型内に装填されている混練物に電流を供給す
る電源装置とを備え、上記外型は、上記上型および下型
に対して絶縁状態になるように構成されていることを特
徴とするものである。
を加圧することにより、外型内の混練物は上型を介して
加圧される。そして、この加圧状態で電源装置からの電
圧を上型および下型に印加することにより、外型は上型
および下型に対して絶縁状態になるように構成されてい
るため、印加された電圧は外型を介して短絡することは
なく、結局上型および下型間で混練物を通って電流が流
れることになり、この電流によってジュール熱が生じ、
このジュール熱で混練物が内部加熱されることになる。
状態になるように外型を構成することによって、簡単な
構造で加圧状態の混練物に対して電流を供給することが
可能になり、設備コストの低減化に貢献する。
調整し得るようになっているため、外型内の加溶媒分解
の圧力環境を温度環境と独立した状態で設定することが
可能になり、外型内の圧力および温度制御の自由度が向
上する。
うに外型を構成する点については、外型の内周面に絶縁
材料をコーティングしてもよいし(請求項11)、外型
をセラミック材料によって形成してもよい(請求項1
2)。
のいずれかに記載の発明において、上記加溶媒分解装置
は、上記混練物が装填される筒状の外型と、この外型の
底部に内嵌される下型と、上記外型に摺接状態で移動可
能に嵌挿される上型と、上記外型に混練物が装填された
状態で上型を加圧する加圧手段と、上記外型に電流を供
給する電源装置とを備え、上記外型は、電流が供給され
ることにより発熱する材料によって形成されていること
を特徴とするものである。
による外型の発熱によって外型内に装填されている混練
物が加熱される。
マスを原料にして加溶媒分解物質を製造する方法の一実
施形態を示す工程図である。この図に示すように、本発
明方法は、木質バイオマスBを予備粉砕して所定の粒度
(平均粒径2.0mm〜0.5mm程度)の予備粉砕物
B1にする予備粉砕工程P1と、この予備粉砕工程P1
で予備粉砕された予備粉砕物B1を所定の冷凍装置に装
填して冷凍した上で微粉砕して所定の粒度(平均粒径略
100μm以下)の微粉砕物B2にする冷凍粉砕工程
(微粉砕工程)P2と、この冷凍粉砕工程P2で得られ
た微粉砕物B2に所定の溶媒を添加して混練することに
より混練物B3を得る混練工程P3と、この混練工程P
3で得られた混練物B3を所定の型に装填した上で加圧
する型込め工程P4と、型込めされて圧縮された圧縮物
B4に加水分解(加溶媒分解(ソルボリシス))処理を
施す加水分解工程(加溶媒分解工程)P5とからなり、
各工程を順次実行することにより、木質バイオマスBを
有用物質である加水分解物(加溶媒分解物)B5に変換
することができる。
材屑、間伐材、紙などのパルプ製品の廃棄物、トウモロ
コシの茎等が採用される。かかる材料が原料として採用
されるのは、これらは、通常、廃棄物として埋立て処理
されたり焼却処理されるのであるが、これら木質バイオ
マスBは、多糖類であるセルロースおよびヘミセルロー
ス並びにフェニルプロパン系の化合物であるリグニンの
3物質が主成分であり、いずれも安定した固体の高分子
化合物であるが、所定の条件で加水分解処理することに
より有用物質であるグルコース糖などの加水分解物B5
に変換し得るからである。
結果、木質バイオマスBを微粉砕物B2にした上で混練
工程P3および型込め工程P4を経て加水分解工程P5
で所定の条件により圧縮物B4に対し加水分解処理を施
すことにより、単糖類の一種であるグルコース糖が得ら
れることをつきとめた結果、本発明に到達したのであ
る。
工程P1において粒径が0.5mm以上、例えば略1.
0mmに予備粉砕されて予備粉砕物B1とされる。かか
る予備粉砕工程P1においては、ジョークラッシャーや
ウィリーミル等の市販の粗砕機が用いられる。
予備粉砕物B1は、冷凍粉砕工程P2において順次冷凍
処理が施された後にロールミルや高速回転ミル等の微粉
砕機によって100μm以下、例えば略10μm〜10
0μmに微粉砕されて微粉砕物B2とされる。
て冷凍処理が行われるのは、予備粉砕物B1の各粒子中
に含まれている水分を冷凍して氷結させて固化し、これ
によって微粉砕処理を行い易くするためである。また、
冷凍粉砕工程P2では、予備粉砕物B1に微粉砕処理を
施すに先立って後に詳述する冷凍粉砕装置30の装填室
36内が真空状態にされ、これによって微粉の飛散を防
止するとともに、粉砕精度および粉砕効率を向上させる
ようにしている。
粉砕されるのは、全体としての木質バイオマスの表面積
を大きくし、加水分解工程P5において木質バイオマス
(圧縮物B4)の表面と分解液とがより多く接触し得る
ようにして化学反応速度を向上させるためである。こう
することによって木質バイオマスに対する加水分解処理
の均一化および迅速化を図ることができる。
以下に粒度調製された冷凍粉砕工程P2からの微粉砕物
B2が、所定の分解液と混練されて混練物B3とされ
る。混練工程P3で使用される混練機は、通常の市販の
ものである。分解液としては、例えば、水やアルコール
等の超臨界特性を発現し得るものが採用される。本実施
形態においては水にアルコールを混入して得た、アルコ
ール濃度が略90%のアルコール水ALが採用されてい
る。かかるアルコール水ALの100重量部に対して略
300重量部の微粉砕物B2が混入され、かかる混入物
を通常の市販の混練機に装填して混練することにより、
ゾル状の混練物B3を得ることができる。
所定の金型に混練工程P3で得られたゾル状の混練物B
3が装填され、略3000kg/cm2の圧力で押圧さ
れて圧縮物B4とされる。混練物B3がこのような大き
な圧力で押圧されるのは、つぎの加水分解工程P5にお
いてアルコール水ALを超臨界状態にするためである。
そして、通常は非導電性である木質バイオマスは、予備
粉砕工程P1〜混練工程P3を経て型込め工程P4にお
いて押圧された圧縮物B4にされることにより導電性が
付与される。
に装填されて高圧で圧縮されている導電性化した圧縮物
B4に所定の電圧および電流値の電力がパルス状で供給
される。かかる電力の供給による通電で圧縮物B4内に
ジュール熱が発生し、圧縮物B4は所定の温度(例えば
180℃〜450℃)にまで加熱される。本実施形態に
おいては、圧縮物B4に周波数0.1Hz〜500Hz
でピーク電流値が800〜1000Aの所定のパルス幅
を有するパルス電流を付与することによって上記ジュー
ル加熱およびパルス放電エネルギー加熱が行われるよう
にしている。パルス電流が採用されるのは、圧縮物B4
に断続的に所定周期で電流を与えることによってパルス
放電エネルギーを発生させ、これによって圧縮物B4に
対する均一迅速加熱を実現させるためである。
圧環境に置かれることにより、圧縮物B4中のアルコー
ル水ALが超臨界状態になり、これによる活性化で木質
バイオマスに対する反応性が高まり、木質バイオマスが
加水分解される。因みに、この加水分解においては、木
質バイオマスの主な構成要素である三成分、すなわちセ
ルロース、ヘミセルロースおよびリグニンの内のリグニ
ンを除いた二成分(セルロースおよびヘミセルロース)
が反応に与り、これらがグルコース糖などの単糖類に分
解されることが試験の結果判明している。
分解物質の製造装置について説明する。本発明の製造装
置10は、図1に示すように、予備粉砕工程P1で使用
される予備粉砕機20と、冷凍粉砕工程P2で使用され
る冷凍粉砕装置30と、混練工程P3で使用される混練
機40と、型込め工程P4および加水分解工程P5の二
工程で共用して使用される加水分解装置50とを備えて
構成されている。
ては、高速回転している一対のローラ21間に木質バイ
オマスBを供給することにより破砕する反発式のものが
採用されている。上記各ローラ21の外周面には、周方
向に等ピッチで径方向の外方に向かって突設された複数
の反発板22を有しており、木質バイオマスBは、一対
のローラ21間を通過する間に各反発板22に反発して
切断され、予備粉砕物B1が排出されるようになってい
る。なお、予備粉砕工程P1で使用される予備粉砕機2
0は、上記のような反発式のものに限定されるものでは
なく、市販の各種のものが使用可能である。
のが採用されている。この冷凍粉砕装置30について
は、図2〜図3を基に後に詳述する。
は、図1に示すようなものが採用されている。この混練
機40は、上面開口の容器からなる混練槽41と、この
混練槽41内の内容物を攪拌して混練する混練羽根42
と、この混練羽根42を中心軸回りに回転させる駆動モ
ータ43とを備えて構成されている。そして、かかる混
練機40において、アルコール水ALを混練槽41内に
装填したのち駆動モータ43の駆動で混練羽根42を中
心軸回りに回転させつつ、微粉砕物B2を混練槽41内
に供給することにより、両者が混合・混練されて混練物
B3が得られるようになっている。
41の底部に設けられた導出管44のバルブを開通させ
ることにより、ゾル状になった混練物B3が外部に導出
されるようになっている。なお、本発明は、混練機が上
記のような混練羽根回転式のものであることに限定され
るものではなく、振動式のものや攪拌式のものなど、通
常市販の混練機を採用することができる。
のが採用されており、この加水分解装置50について
は、図4および図5を基に後に詳述する。
示す一部切欠き斜視図である。また、図3は図2に示す
冷凍粉砕装置30の断面図であり、(イ)は、予備粉砕
物B1を装填するために蓋体が開けられた状態、(ロ)
は、予備粉砕物B1が装填された後に蓋体が閉じられた
状態をそれぞれ示している。
0は、所定厚み寸法を備えた耐圧仕様の円筒容器31
と、この円筒容器31の底部開口を閉止した円形の底板
32と、同上部開口部分に同心で固定された環状天板3
3と、この環状天板33に着脱自在に装着される蓋体3
4と、上記円筒容器31の外周面を所定の離間寸法を備
えて囲繞した環状ジャケット板35とを備えた基本構成
を有している。
スの予備粉砕物B1を装填するためのものであり、円筒
容器31の内周面と、底板32の上面と、環状天板33
の下面とに包囲された空間に予備粉砕物B1を装填する
ための装填室36が形成されている。環状天板33の中
央部には、予備粉砕物B1および微粉砕物B2を出し入
れするための出入口33aが設けられ、この出入口33
aを介して予備粉砕物B1を装填室36内に装填すると
ともに、得られた微粉砕物B2を取り出すようにしてい
る。
で螺設された複数のボルト孔33bが設けられている一
方、上記蓋体34には、上記各ボルト孔33bに対応し
た貫通孔34aが貫設され、蓋体34を環状のパッキン
部材37を介して環状天板33に積層した状態でボルト
Boを貫通孔34aを介してボルト孔33bに螺着し締
結することによって蓋体34が環状天板33に固定さ
れ、これによって出入口33aが閉止されるようになっ
ている。
4bが穿設されているとともに、この空気孔34bを囲
むように空気導出管34cが固定されている。空気導出
管34cには開閉バルブ34dが介設され、この開閉バ
ルブ34dを開弁した状態で空気導出管34cの先端開
口を真空ポンプ39に接続し、真空ポンプ39を駆動す
ることによって装填室36内が真空状態になるようにし
ている。所定の真空度が得られると、開閉バルブ34d
が閉弁され、これによって装填室36内の真空状態が維
持される。
砕物B1が装填された直後に行われる。その理由は、装
填室36内に予備粉砕物B1が装填された状態で冷凍粉
砕装置30を揺動させることによる粉砕処理を施す場合
に、装填室36内に空気が存在すると、この空気による
予備粉砕物B1の浮遊、飛散で粉砕効果が低下するが、
かかる粉砕効率の低下を防止するためと、予備粉砕物B
1の酸化による木質バイオマスの変質を防止するためで
ある。
バー34eが被せられ、蓋体34にねじ止めで固定され
るようになっている。かかるカバー34eは、粉砕操作
中の揺動で空気導出管34cが異物と干渉して損傷する
のを防止するためのものである。
容器31の外径よりも大きく寸法設定されている。この
ような環状ジャケット板35が、円筒容器31と同心で
底板32および環状天板33間に介設され、上下の周縁
部が底板32および環状天板33に溶接され、これによ
って環状ジャケット板35の内周面と円筒容器31の外
周面との間に冷媒が装填される環状冷媒空間35aが形
成されている。
は、冷媒を環状冷媒空間35a内に挿入するための冷媒
挿入孔35bが穿設されているとともに、この冷媒挿入
孔35bを取り囲むように冷媒挿入筒35cが溶接で固
定されている。この冷媒挿入筒35cの外周面には雄ね
じが螺設されており、この雄ねじに雌ねじの螺設された
キャップ35dを螺着して締結することにより、環状冷
媒空間35a内が密閉状態になるようにしている。
5cにもカバー35eがねじ止めで被せられるようにな
っている。このカバー35eの機能は、先の空気導出管
34c用のカバー34eの機能と同様である。
35cと反対側の周面には筒状の防爆弁35fが取り付
けられている。この防爆弁35fは、環状冷媒空間35
a内が予め設定された定圧(設定圧力)になるように制
御するためのものであり、環状冷媒空間35a内が設定
圧力を越えると開弁するようになっている。この防爆弁
35fによって環状冷媒空間35a内が常に設定圧力に
なる。従って、環状冷媒空間35a内が異常に高圧にな
って爆発するのが防止される。この防爆弁35fにもカ
バー35gが被せられている。
てドライアイスDが採用されている。このドライアイス
Dの所定量が開放された冷媒挿入筒35cから環状冷媒
空間35a内に装填された後に冷媒挿入筒35cにカバ
ー35eが螺着締結され、これによって装填室36内に
装填された予備粉砕物B1が略−80℃にまで冷却され
て凍結されるようになっている。
内には、予備粉砕物B1とともに直径が略80mmの鋼
塊Sが装填され、冷凍粉砕装置30が揺すられることに
よる予備粉砕物B1および鋼塊Sの揺動で、予備粉砕物
B1が鋼塊Sの表面および装填室36の内壁面に干渉
し、これによって凍結状態の予備粉砕物B1が微粉砕さ
れるようになっている。
うな冷凍粉砕装置30が揺動テーブル38(図2)上に
載置され、この揺動テーブル38の駆動で揺すられるよ
うになっている。
状を呈した基台38aと、この基台38aに4つのコイ
ルばね38bを介して支持された揺動板38cとからな
っている。基台38aには図略の駆動装置が内装されて
いるとともに、この駆動装置と揺動板38cとの間には
図略の揺動アームが介設され、駆動装置の駆動による揺
動アームの上下動しながら円運動する揺動動作で揺動板
38cが前後左右および上下に揺動するようになってい
る。
38c上に冷凍粉砕装置30を載置した状態で駆動装置
を駆動させることにより、冷凍粉砕装置30は揺動板3
8cとともに前後左右および上下に揺動し、これによっ
て冷凍粉砕装置30の装填室36に装填されている予備
粉砕物B1が微粉砕されることになる。
示す側面視の断面図である。また、図5は、加水分解装
置50に使用される金型の一実施形態を示す分解斜視図
である。まず、図4に示すように、加水分解装置50
は、内部に装填された混練機40からの混練物B3に加
水分解処理を施す金型51と、この金型51内に導入さ
れた混練物B3に圧力を加える加圧装置55と、混練機
40からの混練物B3を金型51内に送り込む混練物供
給ポンプ56と、金型51を介して金型51内の混練物
B3に電力を供給する電源装置57と、金型51内に生
成した加水分解物B5を取り出すために後述する外型5
2を昇降させる外型昇降装置58とを備えて構成されて
いる。
の外型52の下部に内嵌される円柱状の下型53と、同
上部に摺接状態で嵌め込まれる円柱状の上型54とから
なっている。上記下型53は、フロアFに敷設された鉄
筋コンクリート製の基礎50aの中央部の穴に下端部が
嵌め込まれ、かかる下型53の基礎50aから外部に突
出している部分に外型52が摺接状態で外嵌されるとと
もに、この外型52に上型54が上部から摺接状態で嵌
挿されることによって金型51が基礎50aに据え付け
られ状態になっている。
上面と、上型54の下面とに囲繞された空間によって、
混練物B3を装填して加水分解処理を施すための処理室
510が形成されている。
と、この外型本体52aの内周面に耐食性を有する非導
電性材料がコーティングされることによって形成したコ
ーティング層52bとからなっている。本実施形態にお
いては、上記外型本体52aは、ステンレススチールや
インコネル(ニッケル合金)等の耐酸性に優れ、かつ、
強靭な金属が採用されているとともに、上記コーティン
グ層52bは、強靭な合成樹脂材料であるポリテトラフ
ルオロエチレンやシリコン(珪素樹脂)等が採用されて
いる。
略中央位置に全周に亘って径方向の外方に向けて突設さ
れたフランジ52cが設けられている。このフランジ5
2cは、外型昇降装置58によって外型52を昇降させ
るときの被支持体として使用されるものである。
若干下方位置に混練物導入孔52dが穿設されていると
ともに、この混練物導入孔52dの点対称位置には空気
抜き孔52eが穿設されている。混練物導入孔52d
は、混練物B3を処理室510内に導入するためのもの
であり、空気抜き孔52eは、処理室510内に混練物
B3が導入されたときに処理室510内に予め存在して
いた空気を抜き出すためのものである。
周面との間で連通した製品導出孔53aが設けられてい
る。この下型53は、処理室510内に生成した製品と
しての加水分解物B5を系外に導出するためのものであ
り、外型52が下降位置に位置設定された状態ではその
内周面が製品導出孔53aの出口を塞いで処理室510
内の加水分解物B5の導出が阻止される一方、外型昇降
装置58の駆動で外型52が上昇位置に位置設定された
状態では製品導出孔53aは開通し、これによって処理
室510内の加水分解物B5が製品導出孔53aを通っ
て系外に導出されるようになっている。
上半分の位置に周面が環状に凹設されることによって形
成した二条の環状溝53bが設けられている。これらの
環状溝53bは、弾力性を備えた材料からなるOリング
51aを嵌め込むためのものである。本実施形態におい
ては、Oリング51aは強靭な合成樹脂材料であるポリ
テトラフルオロエチレンやシリコンさらにはカーボン等
によって形成されている。かかるOリング51aは、内
径が環状溝53bの溝底の径と略同一に寸法設定されて
いるとともに、外径が下型53の径より僅かに大きく寸
法設定され、これによって外型52が下型53に外嵌さ
れた状態で、図4に示すように、圧縮弾性変形したOリ
ング51aの外周面が、外型52の内周面に押圧状態で
摺接るようになっている。
上方から外型52に嵌挿されるように径寸法が設定され
ている。かかる上型54は、上部の上型本体54aと、
この上型本体54aの下面から同心で下方に向けて延設
された、径寸法が上型本体54aのそれより若干小さい
括れ部54bと、下面が混練物B3に直接当接して混練
物B3を押圧する押圧円盤54cとからなっている。
に、上記環状溝53bと同様の上下二本の環状溝54d
が凹設されている。これらの環状溝54dには、上記同
様のOリング51aが嵌め込まれる。かかるOリング5
1aは、内径が環状溝54dの溝底の径と略同一に寸法
設定されているとともに、外径が上型本体54aの径よ
り僅かに大きく寸法設定され、これによって上型54が
外型52に嵌挿された状態で、図4に示すように、圧縮
弾性変形したOリング51aの外周面が、外型52の内
周面に押圧状態で摺接し、上記下型53のOリング51
aとの協働によって処理室510の気密性が確実に確保
され、内容物の隙間流出が防止される。
にフロアF上に立設された門形支持フレーム50bの頂
部に縦置きで固定された加圧シリンダ55aと、この加
圧シリンダ55aから門形支持フレーム50bの頂部を
貫通して垂下されたピストンロッド55bとを備えて構
成されている。
心で上型54の上面に固定されている。従って、加圧装
置55の駆動によるピストンロッド55bの加圧シリン
ダ55aからの出没動作によって上型54は外型52内
で昇降し、下降したときには処理室510内の混練物B
3を押圧して混練物B3に所定の圧力を付与するように
なっている。本実施形態においては、混練物B3に50
〜3000kg/cm 2の圧力を付与するようにしてい
る。
最上昇位置に位置した状態では、押圧円盤54cの下端
縁部が外型52の混練物導入孔52dより僅かに上方に
位置するように設定されている。こうすることによっ
て、処理室510が必要最小限の容量になって処理室5
10に供給された混練物B3の空気との接触を最小限に
抑えることが可能になり、空気が存在することによる混
練物B3の酸化が抑制され、加水分解物B5の収率が向
上する。
受電した交流電力を所定の周波数の高圧電力に変換した
上で、この高圧電流を下型53および上型54に供給す
るためのものである。本実施形態においては、電源装置
57によって商用電源57aからの交流電力が周波数略
500Hzでピーク電流値が800〜1000Aのパル
ス電流に変換するようにしている。かかる電源装置57
としては、特許第3132560号公報に記載されたも
のを好適品として挙げることができる。
一リード線57bが上型54に接続されているととも
に、同第二リード線57cが下型53に接続されてい
る。従って、混練物B3が処理室510内に装填され、
かつ、上型54の下降により所定の圧力で押圧された状
態で、電源装置57に内装されている図略のスイッチ装
置をオン操作することにより、上型54の押圧円盤54
cの下面と下型53の上面との間で混練物B3を通して
電流が流れるため、混練物B3にはジュール熱が発生
し、これによって混練物B3は内部から加熱されること
になる。この場合における適切な圧力調整および温度調
整は図略の所定の制御装置による制御によって実行され
る。
3が処理室510内で加熱されることにより、圧力およ
び温度がアルコール水ALの超臨界状態の範囲内に移行
すると、アルコール水ALは気体と液体との中間的な挙
動を示して極めて活性に富んだ状態になるため、これに
よって混練物B3中に含まれた木質バイオマスの三つの
主な構成成分であるセルロース、ヘミセルロースおよび
リグニンの内の特にセルロースおよびヘミセルロースが
加水分解され、これによってグルコース糖などの単糖類
が得られることになる。
に得られた加水分解物B5を抜き出すときに駆動される
ものであり、基礎50aに立設された所定基数の昇降シ
リンダ58aと、この昇降シリンダ58aの頂部から出
没するピストンロッド58bとからなっている。かかる
外型昇降装置58は、ピストンロッド58bの上端部が
外型52のフランジ52cの下面に当接するように設置
位置がレイアウト設定されている。
が生成した状態で外型昇降装置58の駆動によってピス
トンロッド58bを突出させることにより、フランジ5
2cを介した外型52の上昇で今まで閉止されていた製
品導出孔53aの下流端開口が開放され、処理室510
内の加水分解物B5は、この開放された製品導出孔53
aから外部に導出されることになる。
を参照しながら加水分解装置50の作用について説明す
る。図6は、加水分解装置50の作用を説明するための
説明図であり、(イ)は、加水分解装置50の処理室5
10内に混練物B3が導入されつつある状態、(ロ)
は、処理室510内に導入された混練物B3が上型54
の下降で加圧された状態、(ハ)は、外型昇降装置58
の駆動で外型52が上昇された状態、(ニ)は、上型5
4の下降で処理室510内の加水分解物B5が系外に導
出されつつある状態をそれぞれ示している。
4が最上方位置に位置設定された状態で、混練物供給ポ
ンプ56を駆動することにより混練槽41内の混練物B
3を混練物導入孔52dを介して加水分解装置50の処
理室510内に導入する。こうすることによって処理室
510内の空気は混練物B3と置換されて空気抜き孔5
2eから排出される一方、処理室510内には混練物B
3が順次装填されていく。
って満量(混練物B3が混練物導入孔52dのレベルを
越えた量)になったことを確認した後、加圧装置55の
駆動でピストンロッド55bを加圧シリンダ55aから
突出させて上型54を降下させる。こうすることによっ
て上型54の下面と混練物B3の液面との間に存在した
空気が空気抜き孔52eを通って外部に排出されるた
め、上型54が下降した状態では、その下面と混練物B
3の液面との間に空気層が存在しないで上型54の下面
が混練物B3の液面に直接当接した状態になっている。
従って、以後の加水分解処理において、混練物B3が空
気と接触することにより空気中の酸素に酸化されて加水
分解処理に悪影響を及ぼすような不都合は回避される。
続して上型54で混練物B3を予め設定された押圧力で
押圧することにより、図6の(ロ)に示すように、混練
物B3は、僅かではあるが減容して超臨界状態になり得
る圧力が加えられる。
ス電圧を下型53および上型54に印加する。こうする
ことによって下型53および上型54間には処理室51
0内の混練物B3を通して電流が流通し、電流が混練物
B3内を流れることによるジュール熱の発生で混練物B
3は内部加熱される。
の温度を越え、これによって温度および圧力の双方が所
定の範囲を越えることにより処理室510内のアルコー
ル水ALは活性化が進行した超臨界状態になり、この超
臨界状態を所定時間継続させることにより、混練物B3
中の木質バイオマスが加水分解してグルコース糖などの
単糖類になる。
解反応の進行したことが確認された後、電源装置57か
らの電力供給を停止し、引き続き外型昇降装置58の駆
動でピストンロッド58bを突出させる。こうすること
によって外型52はフランジ52cを介して上方に向け
て移動し、図6の(ハ)に示すように、製品導出孔53
aが外部に向かって開放された状態になる。
型52が上昇することによって混練物導入孔52dおよ
び空気抜き孔52eの双方が処理室510の位置から上
方に移動してしまい、処理室510内の加水分解物B5
が製品導出孔53aを通って外部に排出され得ない状態
になっている。
装置55の駆動で上型54が下降させられる。こうする
ことによって処理室510内の加水分解物B5が上型5
4に押圧されて製品導出孔53aを通って系外に排出さ
れることになる。そして、処理室510内の加水分解物
B5が外部に排出された後、外型52が下降されるとと
もに上型54が上昇されて図6の(イ)に示す状態に戻
される。
連の操作を繰り返すことにより、混練槽41に貯留され
ている木質バイオマスの微粉砕物B2とアルコール水A
Lとの混練物B3は、順次加水分解されて加水分解物B
5になる。
解物B5の製造方法は、木質バイオマスBを予備粉砕し
て予備粉砕物B1にする予備粉砕工程P1と、この予備
粉砕工程P1で得られた予備粉砕物B1を冷凍状態で微
粉砕して微粉砕物B2にする冷凍粉砕工程P2と、この
冷凍粉砕工程P2で得られた微粉砕物B2とアルコール
水ALとを混合・混練して混練物B3にする混練工程P
3と、この混練工程P3で得られた混練物B3を金型5
1の処理室510に型込めする型込め工程P4と、型込
めされた圧縮物B4に対して圧縮物B4中のアルコール
水ALが超臨界状態になる圧力および温度を付与して加
水分解を起させる加水分解工程P5とからなるものであ
り、本実施形態の加水分解物B5の製造装置10は、冷
凍粉砕工程P2で使用される予備粉砕機20と、冷凍粉
砕工程P2で使用される冷凍粉砕装置30と、混練工程
P3で使用される混練機40と、型込め工程P4および
加水分解工程P5で使用される加水分解装置50とを備
えてなるものである。
法および製造装置10によれば、木質バイオマスBの原
料は、予備粉砕工程P1で予備粉砕機20により一旦予
備粉砕物B1にされた後に冷凍粉砕工程P2で冷凍粉砕
装置30により粉砕されて微粉砕物B2になることによ
って表面積が大きくなり、液体との接触面積が大きくな
って加水分解処理が効率的に行われる。そして、かかる
冷凍粉砕工程P2で得られた微粉砕物B2は、混練工程
P3で混練機40によりアルコール水ALと混練される
ことにより、微粉状の木質バイオマスは、アルコール水
ALの作用を極めて受け易い状態の混練物B3になる。
で加水分解装置50の金型51の処理室510に装填さ
れた後、加水分解工程P5において、加圧装置55の駆
動で上型54の下降により加圧されるとともに、電源装
置57から供給されるパルス電流によるジュール発熱で
圧縮物B4中のアルコール水ALが超臨界状態になるた
め、混練物B3中の木質バイオマスBの構成成分である
セルロースやヘミセルロース等は、極めて反応性に富む
超臨界状態のアルコール水ALの作用を受けて加水分解
し、グルコース糖のような単糖類になる。
木質バイオマスBを所定の粒度に予備粉砕する予備粉砕
工程P1と、この予備粉砕工程P1で得られた予備粉砕
物B1をさらに粉砕して微粉砕物B2にする冷凍粉砕工
程P2とによって二段階で行うようにしているため、冷
凍粉砕工程P2において粒度の揃った予備粉砕物B1を
対象として冷凍粉砕工程P2において微粉砕処理を行う
ことが可能になり、粒度が不揃いの木質バイオマスBを
直接微粉砕する場合に比較し粉砕効率を向上させること
ができる。
ルコール水ALを使用しているが、アルコール水ALは
加水分解に必須の液体である他、水およびアルコールの
双方は超臨界状態になり易い性質を有しているため、ア
ルコール水ALを木質バイオマスBの加水分解用の溶媒
として好適に使用することができる。
53および上型54を介して、外型52の処理室510
内の混練物B3に電源装置57からの電流を通電し、こ
れによるジュール熱で混練物B3を内部加熱するように
構成しているため、従来の超臨界特性発生装置のような
外部から混練物B3を加熱する加熱方式に比べて加熱処
理が容易に行い得るようになるとともに、混練物B3に
対する加熱処理のための設備コストおよび運転コストの
低減化に寄与することができる。
のではなく、以下の内容をも包含するものである。
物B2に添加する超臨界状態になり易い溶媒としてアル
コール水ALが使用されているが、本発明は、超臨界状
態になり易い溶媒がアルコール水ALであることに限定
されるものではなく、水のみであってもよいし、アルコ
ールのみであってもよい。また、アルコールとしては、
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等
を好適に使用することができる。
砕工程P2において冷凍粉砕装置30を用いて予備粉砕
物B1を冷凍処理した状態で微粉砕するようにしている
が、本発明は、予備粉砕物B1の微粉砕に際し、冷凍粉
砕装置30を用いることに限定されるものではなく、通
常の微粉砕装置を採用してもよい。
40として混練槽41と、この混練槽41内に装填され
た微粉砕物B2およびアルコール水ALを攪拌・混練す
る混練羽根42とを備えたものを採用しているが、かか
る混練機40に代えて、筒体の中に同心でスクリュード
ライバーが内装された、いわゆる単軸式の捏和機を採用
してもよい。
3および上型54に対して外型52の絶縁性を確保する
ために、外型本体52aの内周面に非導電性材料からな
るコーティング層52bが積層されているが、こうする
代わりに外型52そのものをセラミック材料で形成して
もよい。
砕装置30の環状冷媒空間35aに冷媒としてドライア
イスDが装填されているが、本発明は冷媒がドライアイ
スDであることに限定されるものではなく、液体酸素、
液体窒素あるいはこれらの混合物である液体空気を冷媒
として採用してもよい。
分解として加水分解が採用されているが、本発明は、加
溶媒分解が加水分解であることに限定されるものではな
く、加アルコール分解であってもよいし、加フェノール
分解であってもよく、さらにその他の溶媒を用いた加溶
媒分解であってもよい。
体52aの内周面に非導電性材料からなるコーティング
層52bを積層して下型53と上型54との間を絶縁状
態にし、下型53および上型54に電源装置57からの
電力を供給することによって外型52による短絡を防い
だ上で処理室510内の混練物B3に電流を供給するよ
うにしているが、こうする代わりに外型本体52aの内
周面にコーティング層52bを設けないで積極的に外型
52にパルス電流を流通させるようにし、これによる外
型52のジュール発熱およびパルス電流による放電エネ
ルギーで外型52を加熱するようにしてもよい。この場
合、外型52には、ステンレススチールやインコネル等
の導電性を備えた強靭な材料を採用することが好まし
い。
P3で木質バイオマスの微粉砕物B2に微粉状の金属成
分を混入して混練物B3の導電性をさらに高めるように
してもよい。こうすることによって加水分解工程P5に
おける木質バイオマスに対する導電性がより良好にな
り、超臨界特性の発現条件を容易に向上させることがで
きる。
木質バイオマスの原料は、粉砕工程(粉砕装置)で粉砕
されて微粉状原料になることによって表面積が大きくな
るため、溶媒との接触面積が大きくなって加水分解処理
を効率的に行うことができる。かかる粉砕工程(粉砕装
置)で得られた微粉状原料は、混練工程で超臨界状態に
なり得る溶媒と混練されることにより、溶媒が超臨界状
態になることによりその作用を受け易い状態にすること
ができる。このような混練物が、加水分解工程におい
て、溶媒が超臨界状態に設定されるため、混練物中の木
質バイオマスの構成成分であるセルロースやヘミセルロ
ース等が溶媒の作用を受けて加水分解し、グルコース糖
のような単糖類を得ることができる。
処理して微粉状原料とし、この微粉状原料と超臨界状態
になり得る溶媒とを混練して混練物をつくり、この混練
物を、溶媒が超臨界状態になる環境に置くことにより、
溶媒の活性化によって木質バイオマスを容易に加水分解
することができる。
質バイオマスを一旦予備粉砕工程(予備粉砕装置)で所
定の粒度に粉砕した後、この工程で得られた予備粉砕物
をさらに微粉砕工程で微粉砕する二段階処理が採用され
ているため、粒度の揃った予備粉砕物を対象として微粉
砕処理を行うことが可能になり、粒度が不揃いの木質バ
イオマスを直接微粉砕する場合に比較し粉砕効率を向上
させることができる。
およびアルコールは、加水分解に必須の溶媒である他、
超臨界状態になり易い性質を有しているため、これらの
いずれか、あるいは混合物は、木質バイオマスの加水分
解用の溶媒として好適に使用することができる。
練物に通電するという簡単な操作によってジュール熱に
よる内部加熱で混練物中の溶媒が超臨界状態になる温度
を得ることができるため、従来の外部から混練物を加熱
する加熱方式に比べて加熱処理が容易に行い得るように
なるとともに、設備コストおよび運転コストの低減化に
寄与することができる。
容器の中に密封状態で予備粉砕物および粉砕処理用粒状
物を装填するとともに、ジャケット部材の冷媒収容空間
に所定の冷媒を装填することにより、この冷媒の冷熱が
粉砕物装填容器内の予備粉砕物に伝熱し、これによって
予備粉砕物を低温で脆弱化することができる。従って、
この状態で粉砕物装填容器を振動させたり揺動させるこ
とにより、内部の予備粉砕物は、硬質物や容器の内壁面
との衝突によって破砕されて容易に微粉状のものにする
ことができる。
せず、しかも被粉砕物の低温脆弱化を利用するものであ
るため、従来の可動部分が存在する微粉砕装置に比べて
その分設備コストを低減させた上で、充分な粉砕性能を
得ることができる。
に混練物を装填した状態で加圧手段の駆動により上型を
加圧することにより、外型内の混練物を上型を介して加
圧することができる。そして、この加圧状態で電源装置
からの電圧を上型および下型に印加することにより、外
型は上型および下型に対して絶縁状態になるように構成
されているため印加された電圧は外型によって短絡する
ことはなく、結局上型および下型間で混練物を通って電
流が流れることになり、この電流によってジュール熱が
生じ、このジュール熱で混練物を内部加熱することがで
きる。
状態になるように外型を構成することによって、簡単な
構造で加圧状態の混練物に対して電流を供給することが
可能になり、設備コストの低減化に貢献することができ
る。
になるように外型を構成するためには、外型の内周面に
絶縁材料をコーティングしてもよいし(請求項11)、
外型をセラミック材料によって形成してもよい(請求項
12)。こうすることによって外型の上型および下型に
対する耐食性および絶縁性を容易に確保することができ
る。
電流が供給されることにより発熱する材料によって形成
されているため、電流が供給されることによる外型の発
熱によって外型内に装填されている混練物を加熱するこ
とができる。
分解物を製造する方法の一実施形態を示す工程図であ
る。
視図である。
(イ)は、予備粉砕物を装填するために蓋体が開けられ
た状態、(ロ)は、予備粉砕物が装填された後に蓋体が
閉じられた状態をそれぞれ示している。
図である。
示す分解斜視図である。
あり、(イ)は、加水分解装置の処理室内に混練物B3
が導入されつつある状態、(ロ)は、処理室内に導入さ
れた混練物が上型の下降で加圧された状態、(ハ)は、
外型昇降装置の駆動で外型が上昇された状態、(ニ)
は、上型の下降で処理室内の加水分解物が系外に導出さ
れつつある状態をそれぞれ示している。
Claims (13)
- 【請求項1】 木質バイオマスを原料にして加溶媒分解
物質を製造する製造方法であって、木質バイオマスを微
粉砕して微粉状原料にする粉砕工程と、微粉状原料と超
臨界状態になり得る溶媒とを混練して混練物にする混練
工程と、この混練工程で得られた混練物に対して上記溶
媒が超臨界状態になる圧力および温度を付与して加溶媒
分解を起させる加溶媒分解工程とからなることを特徴と
する木質バイオマスを原料にした分解物質の製造方法。 - 【請求項2】 上記粉砕工程は、木質バイオマスを所定
の粒度に予備粉砕する予備粉砕工程と、この予備粉砕工
程で得られた予備粉砕物をさらに粉砕して微粉状原料に
する微粉砕工程とからなることを特徴とする請求項1記
載の木質バイオマスを原料にした分解物質の製造方法。 - 【請求項3】 上記超臨界状態になり得る溶媒として水
およびアルコールのいずれか一方または双方の混合物を
使用することを特徴とする請求項1または2記載の木質
バイオマスを原料にした分解物質の製造方法。 - 【請求項4】 上記加溶媒分解工程において、混練物に
通電することによるジュール熱で混練物を加熱すること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の木質バ
イオマスを原料にした分解物質の製造方法。 - 【請求項5】 木質バイオマスを原料にして加溶媒分解
物質を製造する製造装置であって、木質バイオマスを微
粉砕して微粉状原料にする粉砕装置と、微粉状原料と超
臨界状態になり得る溶媒とを混練して混練物にする混練
装置と、この混練装置で得られた混練物に対して上記溶
媒が超臨界状態になる圧力および温度を付与して加溶媒
分解を起させる加溶媒分解装置とからなることを特徴と
する木質バイオマスを原料にした分解物質の製造装置。 - 【請求項6】 上記粉砕装置は、木質バイオマスを所定
の粒度に予備粉砕する予備粉砕装置と、この予備粉砕装
置によって得られた予備粉砕物をさらに粉砕して微粉状
原料にする微粉砕装置とからなることを特徴とする請求
項5記載の木質バイオマスを原料にした分解物質の製造
装置。 - 【請求項7】 上記超臨界状態になり得る溶媒は、水お
よびアルコールのいずれか一方または双方の混合物であ
ることを特徴とする請求項5または6記載の木質バイオ
マスを原料にした分解物質の製造装置。 - 【請求項8】 上記加溶媒分解装置は、混練物に通電す
ることによるジュール熱で混練物を加熱し得るように構
成されていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれ
かに記載の木質バイオマスを原料にした分解物質の製造
装置。 - 【請求項9】 上記微粉砕装置は、上記予備粉砕物およ
び粉砕処理用の硬質物を密閉状態で収容する粉砕物装填
容器と、この粉砕物装填容器の外面を覆うように付設さ
れたジャケット部材とを備えて構成され、このジャケッ
ト部材と粉砕物装填容器との間に密閉状態で冷媒を収容
する冷媒収容空間が形成されていることを特徴とする請
求項6記載の木質バイオマスを原料にした分解物質の製
造装置。 - 【請求項10】 上記加溶媒分解装置は、上記混練物が
装填される筒状の外型と、この外型の底部に内嵌される
下型と、上記外型に摺接状態で移動可能に嵌挿される上
型と、上記外型に混練物が装填された状態で上型を加圧
する加圧手段と、上記上型および下型を介して外型内に
装填されている混練物に電流を供給する電源装置とを備
え、上記外型は、上記上型および下型に対して絶縁状態
になるように構成されていることを特徴とする請求項5
乃至9のいずれかに記載の木質バイオマスを原料にした
分解物質の製造装置。 - 【請求項11】 上記外型の内周面には、絶縁材料がコ
ーティングされていることを特徴とする請求項10記載
の木質バイオマスを原料にした分解物質の製造装置。 - 【請求項12】 上記外型は、セラミック材料によって
形成されていることを特徴とする請求項10記載の木質
バイオマスを原料にした分解物質の製造装置。 - 【請求項13】 上記加溶媒分解装置は、上記混練物が
装填される筒状の外型と、この外型の底部に内嵌される
下型と、上記外型に摺接状態で移動可能に嵌挿される上
型と、上記外型に混練物が装填された状態で上型を加圧
する加圧手段と、上記外型に電流を供給する電源装置と
を備え、上記外型は、電流が供給されることにより発熱
する材料によって形成されていることを特徴とする請求
項5乃至9のいずれかに記載の木質バイオマスを原料に
した分解物質の製造装置。
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