JP6419595B2 - 表面応力測定方法、表面応力測定装置 - Google Patents

表面応力測定方法、表面応力測定装置 Download PDF

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本発明は、強化ガラスの表面応力測定方法及び表面応力測定装置に関する。
携帯電話やスマートフォン等の電子機器において、表示部や、筐体本体にガラスが用いられることが多く、そのガラスは強度を上げるために、ガラス表面にイオン交換による表面層を形成することにより強度を上げた、所謂化学強化ガラスが使用されている。表面層は、少なくともガラス表面側に存在しイオン交換による圧縮応力が発生している圧縮応力層を含み、ガラス内部側に該圧縮応力層に隣接して存在し引張応力が発生している引張応力層を含んでもよい。この化学強化ガラスの強度は、形成された表面層の応力値や表面圧縮応力層の深さに関わっている。そのため、強化ガラスの開発や、生産での品質管理では、表面層の応力値や圧縮応力層の深さ、或いは、応力の分布を測定することが重要である。
強化ガラスの表面層の応力を測定する技術としては、例えば、強化ガラスの表面層の屈折率が内部の屈折率より高い場合に、光導波効果と光弾性効果とを利用して、表面層の圧縮応力を非破壊で測定する技術(以下、非破壊測定技術とする)を挙げることができる。この非破壊測定技術では、単色光を強化ガラスの表面層に入射して光導波効果により複数のモードを発生させ、各モードで光線軌跡が決まった光を取出し、凸レンズで各モードに対応する輝線に結像させる。なお、結像させた輝線は、モードの数だけ存在する。
又、この非破壊測定技術では、表面層から取出した光は、出射面に対して、光の振動方向が水平と、垂直の二種の光成分についての輝線を観察できるように構成されている。そして、次数の一番低いモード1の光は表面層の一番表面に近い側を通る性質を利用し、二種の光成分のモード1に対応する輝線の位置の差とガラスの光弾性定数から強化ガラスの表面付近の応力を求めている(例えば、特許文献1参照)。
一方、上記の非破壊測定技術の原理を元に、モード1とモード2に対応する輝線の位置から、外挿でガラスの最表面での応力(以下、表面応力値とする)を求め、かつ、表面層の屈折率分布は直線的に変化すると仮定し、輝線の総本数から、圧縮応力層の深さを求める方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
又、上記の非破壊測定技術により測定した表面応力値と圧縮応力層の深さを元に、ガラス内部の引張応力CTを定義し、CT値で強化ガラスの強度を管理する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法では、引張応力CTを『CT=(CS×DOL)/(t×1000−2×DOL)』(式0)で計算している。ここで、CSは表面応力値(MPa)、DOLは圧縮応力層の深さ(単位:μm)、tは板厚(単位:mm)である。
一般的に外力が加わらなければ、応力の総和は0である。従って、化学強化により形成された応力を深さ方向に積分した値が、化学強化されていない中心部分でバランスをとるように略均等に引張応力が発生する。
更に、上記の非破壊測定技術に基づく表面応力測定装置に改良を加え、光源に赤外線を用い、可視域において光透過率の低いガラスで表面応力の測定ができるようにすることも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開昭53−136886号公報 特表2011−530470号公報 特開2014−28730号公報 国際公開第2013/047679号
Yogyo-Kyokai-Shi(窯業協会誌)87{3}1979
ところで、化学強化ガラスは、近年、強度を上げるために表面応力値がより高くなっており、又、ガラスの厚みも薄くなっている。そのため、ガラス内部のCT値が大きくなり、破壊するときに細かく飛散したり、CT値が更に大きくなるとガラス内部より破壊する所謂自爆が起きたりするおそれがある。その破壊の危険を避けるために、通常CT値は、ガラスが割れたときに細かく飛散し始めるCT値(以下、CTlimit値とする)以下に抑えられている。
表面応力値が小さく、圧縮応力層の深さも浅く、ガラス厚みも厚い場合はCT値が小さく、無視できるレベルであるが、表面応力値を高くし、ガラス厚みも薄くなってくると、CT値も大きくなり、厳密に表面応力値や、応力分布をコントロールする必要がある。
図1は、一般的な化学強化ガラスの表面層の応力分布を例示する図である。図1に示すように、一般的な化学強化ガラスの表面層の応力分布は、直線より、やや中だるみした分布を持つ。
表面層の応力分布が図1の形状になる理由は以下の通りである。すなわち、ガラスの化学強化では、高温のKNO(硝酸カリウム)液内で、ガラス中のNa(ナトリウム)イオンがK(カリウム)イオンに交換される。そのため、Kイオンの深さ方向の濃度分布は拡散によるものである。Kイオンの濃度は拡散で内部に広がっていくため、このような過程での深さ方向の分布は、誤差関数で表される形状になる。従って、応力分布も同様の形状となる。
Kイオンの深さ方向の濃度分布は、化学強化の度合いが小さい場合は直線と同等とみなすことができ、従来の表面応力測定装置でも問題なく高精度に測定ができる。化学強化の度合いを強く、すなわち、表面応力値が大きく、又、圧縮応力層が深くなると、Kイオンの濃度分布は直線から外れ、同様に応力分布も直線から外れてくる。
そのため、従来の応力分布が直線であると仮定した表面応力測定装置で表面応力値と圧縮応力層の深さを測定し、式0でCT値を計算すると誤差が非常に大きくなる。そのため、正確にCT値を計算するには、応力分布を測定し、その応力分布を厚みで積分し、CT値を求めなければならない。
ところで、化学強化後に切断が可能な応力分布形状が提案されている(例えば、特許文献4参照)。この提案の効果を十分出すためには、精度の高い応力分布を測定する必要がある。しかし、応力分布形状の測定手段がないため、応力分布形状の変わりに上記の非破壊測定技術により観察された輝線の並び方だけを頼りに、強化条件の開発や、品質管理を行っており、この提案は十分な効果が得られていない。
このように、強化ガラスでは、より強度を上げたり、より生産しやすくしたりする提案がされているが、強化ガラスの表面層の応力分布を非破壊で測定する手段が存在しないため、十分な効果が発揮されていない。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、強化ガラスの表面層の応力分布を非破壊で測定することが可能な表面応力測定方法を提供することを目的とする。
本表面応力測定方法は、光源からの光を、被測定体である強化ガラスの少なくとも圧縮応力層を有する表面層内に入射させる光供給工程と、前記表面層内を伝播した光を、光取出し部材を介して、前記強化ガラスの外へ出射させる光取出し工程と、前記強化ガラスの外へ出射した光に含まれる、前記強化ガラスと前記光取出し部材との境界面に対して平行及び垂直に振動する二種の光成分を、夫々が3本以上の輝線を有する二種の輝線列に変換する光変換工程と、前記二種の輝線列を撮像する撮像工程と、前記撮像工程で得られた画像から前記二種の輝線列の夫々の3本以上の輝線の位置を測定する位置測定工程と、前記位置測定工程での測定結果に基づいて、前記二種の光成分に対応した前記強化ガラスの表面から深さ方向の屈折率分布を算出する屈折率分布算出工程と、を有し、前記表面層内には、前記3本以上の輝線に対応した、光線軌跡の異なる3本以上のモードの光が伝播し、夫々の前記モードでの光線軌跡において、前記強化ガラスの表面に対する最深点の深さは互いに異なり、前記屈折率分布算出工程では、次数が隣接するモードの前記最深点の間において、前記強化ガラスの屈折率変化率が一定であると仮定し、次数の最も低いモードから順に、夫々のモードの前記最深点の深さを計算し、全体の屈折率分布を求めることを要件とする。

開示の技術によれば、強化ガラスの表面層の応力分布を非破壊で測定することが可能な表面応力測定方法を提供できる。
一般的な化学強化ガラスの表面層の応力分布を例示する図である。 第1の実施の形態に係る表面応力測定装置を例示する図である。 モードについて説明する図である。 強化ガラスの表面層の屈折率分布を例示する図である。 複数のモードが存在する場合の各モードの光線軌跡を説明した図である。 複数のモードに対応する輝線列を例示する図である。 ガラス内部の光線軌跡を現した図である。 従来の測定方法と本実施の形態に係る測定方法とを比較した図である。 本実施の形態に係る測定方法を例示するフローチャートである。 表面応力測定装置の演算部の機能ブロックを例示する図である。 撮像工程で得られた輝線列の画像の例である。 画像から二種の輝線列の各輝線の位置を測定したデータの例である。 図12のデータに基づいて実際に計算で求めた応力分布である。 第2の実施の形態に係る表面応力測定装置を例示する図である。 全輝線を例示する図である。 撮像素子を移動させて取得した2枚の輝線画像を例示する図である。 第3の実施の形態に係る表面応力測定装置を例示する図である。 応力分布の近似について説明する図である。 第5の実施の形態に係る表面応力測定装置を例示する図である。 分割偏光板を入射側から見た状態を例示する図である。 表面応力測定装置4で得られた輝線列の画像の例である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
〈第1の実施の形態〉
図2は、第1の実施の形態に係る表面応力測定装置を例示する図である。図2に示すように、表面応力測定装置1は、光源10と、光供給部材20と、光取出し部材30と、光変換部材40と、偏光部材50と、撮像素子60と、演算部70とを有する。
200は、被測定体となる強化ガラスである。強化ガラス200は、例えば、化学強化法や風冷強化法等により強化処理が施されたガラスであり、表面210側に屈折率分布を有する表面層を備えている。なお、各実施の形態に係る表面応力測定装置の被測定体となる化学強化ガラスの詳細については〈化学強化ガラス〉の項で後述する。
光源10は、光供給部材20から強化ガラス200の表面層に光線Lを入射するように配置されている。干渉を利用するため、光源10の波長は、単純な明暗表示になる単波長であることが好ましい。
光源10としては、例えば、容易に単波長の光が得られるNaランプを用いることができ、この場合の波長は589.3nmである。又、光源10として、Naランプより短波長である水銀ランプを用いてもよく、この場合の波長は、例えば水銀I線である365nmである。但し、水銀ランプは多くの輝線があるので、365nmラインだけを透過させるバンドパスフィルタを通して使用することが好ましい。
又、光源10としてLED(Light Emitting Diode)を用いてもよい。近年、多くの波長のLEDが開発されているが、LEDのスペクトル幅は半値幅で10nm以上あり、単波長性が悪く、温度により波長が変化する。そのため、バンドパスフィルタを通して使用することが好ましい。
光源10をLEDにバンドパスフィルタを通した構成にした場合、Naランプや水銀ランプほど単波長性はないが、紫外域から赤外域まで任意の波長を使うことができる点で好適である。なお、光源10の波長は、表面応力測定装置1の測定の基本原理には影響しないため、上に例示した波長以外の光源を用いても構わない。
光供給部材20及び光取出し部材30は、被測定体である強化ガラス200の表面210に光学的に接触した状態で載置されている。光供給部材20は、光源10からの光を強化ガラス200に入射させる機能を備えている。光取出し部材30は、強化ガラス200の表面層を伝播した光を強化ガラス200の外に出射させる機能を備えている。
光供給部材20及び光取出し部材30としては、例えば、光学ガラス製のプリズムを用いることができる。この場合、強化ガラス200の表面210において、光線がこれらプリズムを介して光学的に入射及び出射するために、これらプリズムの屈折率は強化ガラス200の屈折率よりも大きくする必要がある。又、各プリズムの傾斜面において、入射光及び出射光が略垂直に通過するような屈折率を選ぶ必要がある。
例えば、プリズムの傾斜角が60°で、強化ガラス200の屈折率が1.52の場合は、プリズムの屈折率は1.72とすることができる。なお、光供給部材20及び光取出し部材30として、プリズムに代えて、同様の機能を備えた他の部材を用いてもよい。又、光供給部材20及び光取出し部材30を一体構造としてもよい。又、安定に光学的な接触をさせるために、光学供給部材20及び光取出し部材30と強化ガラス200の間に、光供給部材20及び光取出し部材30の屈折率と強化ガラス200の屈折率の間の値となる屈折率の液体(ゲル状でもよい)を充填することもある。
光取出し部材30から出射された光の方向には撮像素子60が配置されており、光取出し部材30と撮像素子60との間に、光変換部材40と偏光部材50が挿入されている。
光変換部材40は、光取出し部材30から出射された光線を輝線列に変換して撮像素子60上に集光する機能を備えている。光変換部材40としては、例えば、凸レンズを用いることができるが、同様の機能を備えた他の部材を用いてもよい。
偏光部材50は、強化ガラス200と光取出し部材30との境界面に対して平行及び垂直に振動する二種の光成分のうち一方を選択的に透過する機能を備えている光分離手段である。偏光部材50としては、例えば、回転可能な状態で配置された偏光板等を用いることができるが、同様の機能を備えた他の部材を用いてもよい。ここで、強化ガラス200と光取出し部材30との境界面に対して平行に振動する光成分はS偏光であり、垂直に振動する光成分はP偏光である。
なお、強化ガラス200と光取出し部材30との境界面は、光取出し部材30を介して強化ガラス200の外に出射した光の出射面と垂直である。そこで、光取出し部材30を介して強化ガラス200の外に出射した光の出射面に対して垂直に振動する光成分はS偏光であり、平行に振動する光成分はP偏光であると言い換えてもよい。
撮像素子60は、光取出し部材30から出射され、光変換部材40及び偏光部材50を経由して受光した光を電気信号に変換する機能を備えている。より詳しくは、撮像素子60は、例えば、受光した光を電気信号に変換し、画像を構成する複数の画素毎の輝度値を画像データとして、演算部70に出力することができる。撮像素子60としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の素子を用いることができるが、同様の機能を備えた他の素子を用いてもよい。
演算部70は、撮像素子60から画像データを取り込み、画像処理や数値計算をする機能を備えている。演算部70は、これ以外の機能(例えば、光源10の光量や露光時間を制御する機能等)を有する構成としてもよい。演算部70は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、メインメモリ等を含むように構成することができる。
この場合、演算部70の各種機能は、ROM等に記録されたプログラムがメインメモリに読み出されてCPUにより実行されることによって実現できる。演算部70のCPUは、必要に応じてRAMからデータを読み出したり、格納したりできる。但し、演算部70の一部又は全部は、ハードウェアのみにより実現されてもよい。又、演算部70は、物理的に複数の装置等により構成されてもよい。演算部70としては、例えば、パーソナルコンピュータを用いることができる。
表面応力測定装置1では、光源10から光供給部材20を通して強化ガラス200の表面層に入射した光線Lは表面層内を伝播する。そして、光線Lが表面層内を伝播すると、光導波効果によりモードが発生し、幾つかの決まった経路を進んで光取出し部材30により、強化ガラス200の外へ取出される。
そして、光変換部材40及び偏光部材50により、撮像素子60上に、モード毎にP偏光及びS偏光の輝線となって結像される。撮像素子60上に発生したモードの数のP偏光及びS偏光の輝線の画像データは、演算部70へと送られる。演算部70では、撮像素子60から送られた画像データから、撮像素子60上のP偏光及びS偏光の輝線の位置を算出する。
このような構成により、表面応力測定装置1では、P偏光及びS偏光の輝線の位置に基づいて、強化ガラス200の表面層における表面から深さ方向の、P偏光及びS偏光の夫々の屈折率分布を算出することができる。又、算出したP偏光及びS偏光の夫々の屈折率分布の差と、強化ガラス200の光弾性定数とに基づいて、強化ガラス200の表面層における表面から深さ方向の応力分布を算出することができる。
以下、表面応力測定装置1における屈折率分布の測定及び応力分布の測定に関し、より詳しく説明する。
(モードと輝線)
図3及び図4等を参照し、強化ガラス200の表面層に光線を入射したときの、光線の軌跡とモードについて説明する。
図3において、強化ガラス200は、表面210から深さ方向に屈折率分布を有している。図3において表面210からの深さをxとし、深さ方向の屈折率分布をn(x)とすると、深さ方向の屈折率分布n(x)は、例えば、図4に示す曲線のようになる。つまり、強化ガラス200では、化学強化等により表面210の屈折率は高く、深くなるにつれ低くなり、圧縮応力層が終了する深さ(圧縮応力層の最深部)で元のガラスの屈折率と同じになり、それより深い部分では一定(元のガラスの屈折率)となる。
このように、強化ガラス200の表面層では、内部方向に進むにつれ屈折率が低くなる。そのため、図3において、表面210に対して浅い角度で入射した光線Lは(図3の例では、強化ガラス200より大きな屈折率を持つ光供給部材20を介して入射している)、光線軌跡が徐々に表面210と平行に近づき、最深点xtで深さ方向から表面210の方向に反転する。そして光線軌跡が反転した光線は、入射した点から反転する点までの光線軌跡の形状と相似な形状で表面210へと向かい、表面210で少なくとも一部は反射し、再び強化ガラス200の内部へ進む。
再び強化ガラス200の内部に進んだ光線は、それまでの光線軌跡と同じ形状の軌跡を通り深さxtで反転して表面210に戻り、これを繰り返し、光線は表面210と最深点xtとの間を往復しつつ進んでいく。そして、表面210から幅xtである限定された空間を光が進行していくため、光は有限値の離散的なモードとしてだけ伝播し得る。
すなわち、複数のある決まった経路の光線だけが、強化ガラス200の表面層を伝わることができる。この現象は光導波効果と呼ばれており、光ファイバー内に光線が進む原理でもある。表面210を光導波効果により伝わる光のモード、及びそのモードの光線軌跡は、表面210から深さ方向の屈折率分布で決まる。
図5は、複数のモードが存在する場合の各モードの光線軌跡を説明した図である。図5の例では、モード1、モード2、及びモード3の3つのモードを示しているが、更に高次のモードを有してもよい。次数の一番低いモード1は、光線軌跡が表面210で反射するときの表面210との角度が一番浅い(出射余角が一番小さい)。又、モード毎に光線軌跡の最深点が異なり、モード1の最深点xt1は一番浅い。モードの次数が大きくなるにつれ、表面210での反射するときの表面210となす角度は大きくなる(出射余角が大きくなる)。又、モード2の最深点xt2はモード1の最深点xt1よりも深く、モード3の最深点xt3はモード2の最深点xt2よりも更に深くなる。
ここで、光線の所定面に対する入射角は、入射する光線と所定面の法線とのなす角である。これに対し、光線の所定面に対する入射余角は、入射する光線と所定面とのなす角である。すなわち、光線の所定面に対する入射角がθであれば、光線の所定面に対する入射余角はπ/2−θである。又、光線の所定面に対する出射角と出射余角との関係についても同様である。
なお、図5では入射光を1本の光線で表しているが、入射光はある広がりを持っている。その広がりを持った光も、夫々同じモードでは表面210から出射する光の余角は同じである。そして、生じたモード以外の光は打ち消し合うため、表面210からは各モードに対応した光以外は出射しない。
又、図2において、光供給部材20、光取出し部材30、及び強化ガラス200は奥行き方向には同じ形状である。そのため、光変換部材40で集光された光は、光変換部材40の焦点面である撮像素子60に、そのモードに対応した光が奥行き方向に輝線となって結像される。
そして、モード毎に出射余角が異なるため、図6に示すように、輝線がモード毎に順に並び、輝線列となる。なお、輝線列は通常は明線の列となるが、図2における光供給部材20と光取出し部材30が接し一体になっている場合、出射光に対して光源からの直接光が参照光として作用し、暗線の列となる場合もある。しかし、明線の列となる場合も暗線の列となる場合も、各線の位置は全く同じである。
このように、輝線は、モードが成り立つときに明線又は暗線で発現する。参照光の明暗により輝線の干渉色が変わる場合があっても、本実施の形態に係る屈折率分布や応力分布の計算には全く影響がない。そこで、本願では、明線であっても暗線であっても便宜上輝線と表現する。
ところで、表面層内を伝わった光線が屈折して強化ガラス200の外に出射される際の出射余角は、その光線の表面層内での光線軌跡の最深点での強化ガラス200の屈折率、すなわち実効屈折率nnに等しい屈折率を持つ媒質が光取出し部材30に接していたときの臨界屈折光のそれに等しい。各モードでの最深点は、そのモードでの光線が全反射する点とも解釈できる。
ここで、あるモード間の実効屈折率nnの差Δnと輝線間の距離ΔSとの関係は、光変換部材40の焦点距離f、光取出し部材30の屈折率np、強化ガラス200の屈折率ngとすると、下記の式1(数1)及び式2(数2)の関係がある。
従って、撮像素子60上である一点の実効屈折率の位置が分かれば、観測される輝線の位置から、その輝線に対応する各モードの実効屈折率、すなわち、強化ガラス200の表面層内での光線軌跡の最深点での屈折率を求めることができる。
(屈折率分布の算出)
本実施の形態では、下記の式3(数3)を用いて屈折率分布を算出する。式3は、非特許文献1に記載された技術情報等に基づいて、発明者らが導出したものである。非特許文献1では、屈折率分布は直線的に変化すると仮定し、光の進む経路を円弧に近似している。一方、本実施の形態では、任意の屈折率分布でのモードの成り立つ条件を得るために、屈折率分布を任意の分布n(x)としている。
式3において、θは微小な距離drを直線で進む光線の出射余角、n0は強化ガラス表面の屈折率、Θは強化ガラスに入射した光線の出射余角、λは強化ガラスに入射する光線の波長、Nはモードの次数(例えば、モード1ならN=1)である。又、G1は光線が強化ガラスに入射する点、F2は光線が反転する最深点(xt)、G2はF2で反転した光線が再び強化ガラスに到達する点であり、モード毎に異なる。なお、左辺の第1項は表面層内を伝播する光に関する項、左辺の第2項は表面210を伝播する光に関する項である。
式3を用いて、次数が隣接するモードの最深点の間では、強化ガラス200の屈折率変化率が一定であると仮定し、次数の最も低いモードから順に、夫々のモードの最深点の深さを計算し、全体の屈折率分布を求めることができる。
例えば、図5において、各モードの最深部xt1、xt2、xt3・・・の深さでの表面層の屈折率すなわち実効屈折率をn1、n2、n3・・・とする。又、表面210−xt1の間、xt1−xt2の間、xt2−xt3の間、・・・の屈折率変化率は直線であるとし、その屈折率変化率をα1、α2、α3・・・とする。
あるモードnでの光線軌跡は、そのモードの最深点xtnより浅い部分を通るため、表面からxtnまでの屈折率分布が決まっていれば、そのモードnでの光線軌跡は一意に決まる。全てのモードのxtが分かっているのであれば、屈折率分布は一意に決まるが、式3より、解析的にはもちろんのこと、数値計算においても、直接一度に屈折率分布を求めることは困難である。
そこで、まず、表面210に一番近い部分を通るモード1、2を使い、α1、α2、及びxt1、xt2を求める。そうすると、モード3では、xt1、xt2が既知で、不明なパラメータはxt3だけとなるため、容易にxt3を求めることができる。同様に、モード4、5・・・と順にxt4、xt5・・・を求めれば、全てのモードに対応した最深点のxtnを求めることができる。そして、表面210から深さ方向の屈折率分布を求めることができる。
図7は、ガラス内部の光線軌跡を現した図である。図7を参照して、屈折率分布を計算する具体的な方法について説明する。まず、光線追跡法を使い、式3の左辺を求める。図7において、x方向(縦方向)は強化ガラス200の深さ方向、y方向(横方向)は強化ガラス200の表面210に水平な方向である。又、深さxでの屈折率はn(x)である。なお、Hは表面210の法線である。
ここで、光供給部材20の屈折率を1.72とし、光供給部材20から入射余角Ψで表面210に入射する光線Lを考える。又、入射点の座標を(x0、y0)とする。なお、x0=0である。このとき、強化ガラス200の内部に入射した光線Lは、出射余角θ1で屈折し進む。このとき、Ψとθ1にはスネルの式が成り立つ。
次に、強化ガラス200の内部では光線Lの軌跡は曲線であるが、ある微小な距離drは直線で進むと仮定する(距離drは波長の1/10から1/100程度が望ましい)。つまり、光線は出射余角θ1の方向にdrだけ直線で進むとする。このとき、x方向の移動量dx1=dr・sinθ1、y方向の移動量dy1=dr・cosθ1となる。又、移動した点の座標(x1、y1)=(dr・sinθ1、y0+dr・cosθ1)となる。
この部分的な光線軌跡の始点の座標(x0=0、y0)での屈折率はn(0)、終点の座標(x1、y1)での屈折率はn(x1)であるが、この光線軌跡内では始点の屈折率で一定とし、終点で屈折率がn(x1)に変わるとする。そうすると、次の光線軌跡はスネルの法則にしたがい、出射余角θ2へ角度を変え進む。出射余角θ2で進む光はdrだけ直線で進み、更に出射余角θ3(図示せず)に方向を変えて進んでいく。これを、繰り返し光線軌跡を追って全体の光線軌跡を求める。
このとき、dr進む毎に、式3の左辺の第1項を計算する。例えば、座標(x0=0、y0)〜座標(x1、y1)の部分では、第1項はdr・cosθ1・n(0)であり容易に計算できる。他のdrについても同様にして計算できる。そして、dr毎に求めた第1項を光線軌跡が表面210に戻るまで加算していくと、式3の左辺第1項が全て求まる。又、このとき、この光線軌跡のy方向に進む距離Σdyが分かる。式3においてdG1G2=Σdy、Θ=θ1であるから式3の左辺第2項が求まり、式3左辺が全て求まる。
次に、屈折率分布を計算する方法を説明する。まず、非特許文献1にも示されているように、モード1とモード2の輝線の位置から、表面210の屈折率とモード2の最深点が求まる。これにより、3つの点、表面210(x=0)、モード1の最深点(xt1)、モード2の最深点(xt2)の値と、その点の屈折率n0、n1、n2が分かる。但し、表面がモード1とモード2の外挿なので、この3点は直線である。
次に、モード3での最深点xt3を適当な値に仮定すると、xt3までの屈折率分布が定義でき、上記計算方法にて、この分布での式3の左辺が計算できる。すなわちxt3を唯一のパラメータとして式3の左辺が計算でき、又、右辺はモードの次数で決まり、モード3では2.75λとなる。
その後、xt3をパラメータとし二分法やニュートン法等の非線形方程式の計算手法を用いることで、xt3を容易に求めることができる。そして、xt3まで求めたら、次のモード4の輝線位置から、xt4が求まり、全ての輝線について同様の計算を繰り返すことで、全体の屈折率分布を算出することができる。
(応力分布の算出)
強化ガラスは面内に強い圧縮応力があるため、P偏光の光の屈折率とS偏光の光の屈折率は、光弾性効効果により応力の分だけずれる。すなわち、強化ガラス200の表面210に面内応力が存在すると、P偏光とS偏光で、屈折率分布が異なって、モードの発生のしかたも異なり、輝線の位置も異なる。
従って、P偏光とS偏光での輝線の位置が分かれば、P偏光とS偏光の夫々の屈折率分布を逆に計算することができる。そこで、P偏光とS偏光の屈折率分布の差と強化ガラス200の光弾性定数とに基づいて、強化ガラス200の表面210から深さ方向の応力分布σ(x)を算出することができる。
具体的には、下記の式4(数4)を用いて、応力分布を算出することができる。式4で、kcは光弾性定数であり、ΔnPS(x)はP偏光とS偏光の屈折率分布の差である。P偏光の屈折率分布n(x)とS偏光の屈折率分布n(x)は夫々離散的に得られるので、夫々の点の間を直線近似したり、複数の点を使って近似曲線を算出することで任意の位置において応力分布を得ることができる。
なお、測定された応力分布において、応力0となる点がDOL値、計算された一番深い点での応力値がCT値である。
しかし、CT値、DOL値については、P偏光とS偏光の微小な屈折率差から求めるため、特に屈折率の変化が小さい部分(屈折率分布の傾斜が緩やかになるゼロクロス付近)では、P偏光とS偏光の屈折率差が小さくなり測定誤差が大きくなる。そこで、算出された圧縮応力層の応力分布を強化ガラス200の深さ方向に積分した値が、強化ガラス200の内部の引張応力と釣り合うよう式5(数5)を用いてCT値を算出してもよい。ここで、CS(x)とは、図7に示した強化ガラス200の深さ方向の位置xにおける圧縮応力値である。以下、式0に基づいて算出したCT値と式5に基づいて算出したCT値を分けて説明する場合、それぞれCT値、CT値と呼ぶこととする。例えば、積分範囲を強化ガラス200の表面210から中央までとし、積分結果がゼロとなるようにCT値を決定することができる。その際、応力0点となる深さをDOL値として算出してもよい。
(測定のフロー)
次に、図8及び図9等を参照しながら測定のフローについて説明する。図8は、従来の測定方法(a)と本実施の形態に係る測定方法(b)とを比較した図である。図8(a)に示すように、従来は、P偏光とS偏光の輝線を各2本以上読みとり、各2本の輝線位置情報から最表面の応力を求めている。これに対して、図8(b)に示すように、本実施の形態では、P偏光とS偏光の輝線を各3本以上読みとり、各3本以上の輝線位置情報から表面層の応力分布を求めている点で、従来とは異なる。
図9は、本実施の形態に係る測定方法を例示するフローチャートである。図10は、表面応力測定装置1の演算部70の機能ブロックを例示する図である。
まず、ステップS501では、強化ガラス200の表面層内に光源10からの光を入射させる(光供給工程)。次に、ステップS502では、強化ガラス200の表面層内を伝播した光を強化ガラス200の外へ出射させる(光取出工程)。
次に、ステップS503では、光変換部材40及び偏光部材50は、出射された光の、出射面に対して平行及び垂直に振動する二種の光成分(P偏光とS偏光)について、夫々少なくとも3本以上の輝線を有する二種の輝線列として変換する(光変換工程)。
次に、ステップS504では、撮像素子60は、光変換工程により変換された二種の輝線列を撮像する(撮像工程)。次に、ステップS505では、演算部70の位置測定手段71は、撮像工程で得られた画像から二種の輝線列の各輝線の位置を測定する(位置測定工程)。
次に、ステップS506では、演算部70の屈折率分布算出手段72は、二種の輝線列の夫々少なくとも3本以上の輝線の位置から、二種の光成分に対応した強化ガラス200の表面210から深さ方向の屈折率分布を算出する(屈折率分布算出工程)。
次に、ステップS507では、演算部70の応力分布算出手段73は、二種の光成分の屈折率分布の差とガラスの光弾性定数とに基づいて、強化ガラス200の表面210から深さ方向の応力分布を算出する(応力分布算出工程)。なお、屈折率分布のみを算出することを目的とする場合には、ステップS507の工程は不要である。
なお、屈折率分布のプロファイルと応力分布のプロファイルとは類似しているので、ステップS507で、応力分布算出手段73は、P偏光及びS偏光に対応した屈折率分布のうち、P偏光に対応した屈折率分布、S偏光に対応した屈折率分布、P偏光に対応した屈折率分布とS偏光に対応した屈折率分布との平均値の屈折率分布、の何れかを応力分布として算出してもよい。
又、演算部70は、図10の構成に加えて、CT値を算出するCT値算出手段や、DOL値を算出するDOL値算出手段等を備えていてもよい。この場合、応力分布算出手段73が算出した応力分布に基づいて、CT値やDOL値を算出することができる。
以上のように、本実施の形態に係る表面応力測定装置及び表面応力測定方法によれば、二種の輝線列の夫々少なくとも3本以上の輝線の位置から、二種の光成分に対応した強化ガラスの表面から深さ方向の屈折率分布を算出することができる。又、二種の光成分の屈折率分布の差とガラスの光弾性定数とに基づいて、強化ガラスの表面から深さ方向の応力分布を算出することができる。すなわち、強化ガラスの表面層の屈折率分布及び応力分布を非破壊で測定することができる。
その結果、測定された応力分布に基づいて精度の高いCT値、DOL値を算出することが可能となり、強化ガラスの開発において最適な強化条件を得ることができる。又、強化ガラスの製造工程において、信頼性と精度の高い、ガラスの強度管理が可能となり、より強度の高い強化ガラスを開発及び製造することができる。
[実施例]
第1の実施の形態に対応する実施例を示す。図11は、図9のステップS504の撮像工程で得られたものであり、図11(a)はP偏光の輝線列の画像、図11(b)はS偏光の輝線列の画像である。
図11(a)に示すように本実施例ではP偏光の輝線は31本であり、図11(b)に示すように本実施例ではS偏光の輝線は28本である。又、図11(a)と図11(b)とを比較すると、P偏光の輝線列とS偏光の輝線列では輝線の位置が異なっていることが確認できる。これは、前述のように、強化ガラスの表面に応力があるため、光弾性効果により、夫々の光成分で屈折率分布が異なるためである。
又、光源10の波長は短いほど、強化ガラスの表面での光導波効果のモードが多く生じ、輝線の数が増え、細かな屈折率分布を得ることができる。しかし、あまりモードが多すぎると、輝線が近すぎてモードが分離できなくなるおそれもあるため、光源10の波長は、強化ガラスの強化の度合いで適宜選択することが好ましい。
図12は、ステップS505の位置測定工程で、演算部70の位置測定手段71が図11の画像から二種の輝線列の各輝線の位置を測定したデータの例であり、撮像素子60の一番端からの距離を測定したものである。前述のように、撮像素子60上の任意の一点の実効屈折率が分かれば、式1及び式2と測定された輝線の位置から輝線に対応した各モードの実効屈折率を計算することができる。
撮像素子60上の実効屈折率の基準となる点は、表面に強化が施されていない、ガラス内部とガラス表面の屈折率が同じガラスを測定することで決めることができる。又、観察された輝線画像の図11(a)において、右の輝線列がなくなり、輝度が急に暗くなる点cが存在する。点cは、ガラス内部の屈折率の位置である。
輝度が急に暗くなるのは、入射光が、化学強化等により表面層に形成された、高い屈折率の層を通り本来のガラス屈折率ngの点に達すると、それ以降は光が戻ってこないためである。このガラスの内部の屈折率ngは、前もって、強化される前のガラスで容易に測定することができ、そのガラスの屈折率ngを、実効屈折率を計算する基準にすることもできる。一方、一番次数の高いモードに対応した輝線の位置をガラス内部の屈折率ngとしてもよい。
このように、図12で示した輝線の位置から、輝線に対応するモードでの実効屈折率、すなわち、光線軌跡の最深点の屈折率が分かる。そして、(屈折率分布の算出)の項で説明した計算方法で各モードの最深点の深さを求めていき、P偏光とS偏光の夫々について全体の屈折率分布を算出することができる。更に、P偏光とS偏光の夫々について算出した全体の屈折率分布に基づいて、(応力分布の算出)の項で説明した計算方法により、応力分布を算出することができる。
図12のデータに基づいて実際に計算で求めた応力分布を図13に示す。図13の結果より、精度の高い応力分布を非破壊で測定可能なことが確認できる。
〈第2の実施の形態〉
第2の実施の形態では、移動可能に構成された撮像素子を備えた表面応力測定装置の例を示す。なお、第2の実施の形態において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図14は、第2の実施の形態に係る表面応力測定装置を例示する図である。図14に示すように、表面応力測定装置2は、撮像素子60が撮像面に平行で矢印V方向に移動可能に構成されている点が、表面応力測定装置1(図2参照)と相違する。
より精度の高い応力分布を測定するには、全ての輝線を測定することが望ましい。しかし、被測定ガラスの表面応力が深く強い場合、輝線が広い範囲にわたり生じる。そのため、撮像素子60の画面からはみ出し、全ての輝線を測定できない場合がある。
図15は、全輝線を例示する図である。図15に示すように、撮像素子60の撮像範囲が全輝線(図15の例では13本)の範囲より狭い場合、全ての輝線の位置を測定することができない。そこで、表面応力測定装置2では、撮像素子60をV方向に移動し、複数枚の画像を取得し、合成して全輝線の位置を測定する。
図16は、撮像素子を移動させて取得した2枚の輝線画像を例示する図である。つまり、図16は、全ての輝線が画面に入らないため、撮像素子60を移動させ、2回で全ての輝線画像を取得したときの図であり、図16(a)は入射余角の小さい部分、図16(b)は入射余角の大きい部分である。図16の場合には、全ての輝線を2枚の画像で取得しており、互いに重複している輝線が2本以上になるように2枚の画像の位置を設定し、画像を取得した後、重複している輝線の間隔が一致するように合成することで、全体の輝線の像を得ることができる。もちろん、3枚以上の画像を取得して合成してもよい。
なお、撮像素子60をV方向に移動する方法に代えて、光変換部材40、偏光部材50、及び撮像素子60の位置関係を崩さず、これらを光取出し部材30付近を中心に回転移動する方法を用いてもよい。この方法でも、撮像素子60をV方向に移動する方法と同様に広い範囲で輝線を測定することができる。
〈第3の実施の形態〉
第3の実施の形態では、波長の異なる複数の光源を備えた表面応力測定装置の例を示す。なお、第3の実施の形態において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図17は、第3の実施の形態に係る表面応力測定装置を例示する図である。図17に示すように、表面応力測定装置3は、光源10が光源10Aと光源10Bの2つから構成されている点、光源10と光供給部材20と間にハーフミラー80が配置されている点が、表面応力測定装置1(図2参照)と相違する。
光源10Aと光源10Bとは、互いに波長の異なる光源であり、何れか一方のみを選択的に点灯させることができる。或いは、光源10Aと光源10Bとを両方点灯させ、何れか一方の光源からの光線をシャッタ(図示せず)で遮蔽し、他方の光源からの光線がハーフミラー80に入射するようにしてもよい。つまり、光源10A又は光源10Bから出射された光線が、ハーフミラー80を介して光線Lとして光供給部材20に入射する。
このような構成により、二種類の異なる波長を切り替えて測定可能となる。光源の波長が異なると、表面層内に生じる各モードの最深点も変わるため、二種類の異なる波長を切り替えて測定することで、異なる深さの屈折率が分かる。光源10Aの波長と光源10Bの波長とは、1.5倍〜2.5倍程度離れていることが好ましい。例えば、光源10Aと光源10Bの一方をNaランプ(波長589.3nm)とし、他方を水銀I線(波長365nm)とすることができる。
測定する際は、互いに異なる複数の波長の光を、光供給部材20を介して、強化ガラス200の表面層内に順次入射させ、位置測定手段71が、撮像工程で得られた画像から夫々の波長での二種の輝線列の各輝線の位置を測定する。そして、屈折率分布算出手段72が、夫々の波長での輝線列の位置に基づいて屈折率分布を計算し、応力分布算出手段73が、屈折率分布に基づいて応力分布を計算してから合成する。
具体的には、まず、光源10Aの波長で強化ガラス200の屈折率分布を測定する。次に、光源10Bの波長で強化ガラス200の屈折率分布を測定する。夫々の波長が厳密に倍或いは1.5倍といった切の良い倍数でなければ、各光源の波長に対応して異なる深さでの屈折率が測定できる。そのため、夫々の屈折率分布に基づいて応力分布を計算してから両者を合成することで、より細かな応力分布を得ることができる。
但し、屈折率分布算出手段72が、夫々の波長での輝線列の位置に基づいて屈折率分布を計算し、計算した屈折率分布を合成し、その後、応力分布算出手段73が、合成した屈折率分布に基づいて応力分布を計算してもよい。この場合も同様の効果が得られる。
なお、光源10として、LEDとバンドパスフィルタとを組み合わせた光源を用いてもよい。これにより、赤外域から紫外域の任意の波長の組み合わせを使うことが可能となるため、より精度の高い屈折率分布及び応力分布を得ることができる。又、光源10として、3つ以上の光源を用いてもよい。これにより、3波長以上での測定結果を合成することが可能となるため、より精度の高い屈折率分布及び応力分布を得ることができる。
〈第4の実施の形態〉
第4の実施の形態では、近似計算を行う機能を備えた表面応力測定装置の例を示す。なお、第4の実施の形態において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図18の実線(1)は、表面応力測定装置1で測定した応力分布を示している。実線(1)の応力分布は、例えば、条件の異なる2回の強化工程を経ることで、2つの傾斜を持つよう強化されたガラスの応力分布である。
本実施の形態では、表面応力測定装置1の演算部70は、応力分布を近似する近似手段を備えている。演算部70の近似手段は、実線(1)の応力分布に基づいて、近似線(2)を求めることができる。例えば、演算部70の近似手段は、算出された応力分布を屈曲点が一点である折れ線で近似し、屈曲点と2つの傾斜とを算出することができる。
具体的には、実線(1)の応力分布に基づいて、式6(数6)及び式7(数7)で表される、表面からDOL値の間で、一回だけ屈曲点がある一回折れ線での近似線(2)を仮定し最小二乗法により決定し、屈曲点xpの座標と、ガラス表面よりの傾斜、ガラス中心よりの傾斜の2つの傾斜の値を算出することができる。
屈曲点xpの座標及び2つの傾斜の値の3つのパラメータは、異なる2回の強化工程で形成された応力分布を端的に表している。そのため、この3つのパラメータを製造工程の品質管理に使うことにより、安定な強度が得られる強化ガラスを製造することができる。
なお、測定された応力分布に基づいて、演算部70の近似手段が行う近似は、上記の1回折れ線近似線に係るものには限定されない。演算部70の近似手段は、例えば、移動平均、加重移動平均、誤差関数近似、多次元関数近似等を含む様々な近似を行うことが可能な構成とすることができる。
〈第5の実施の形態〉
第5の実施の形態では、分割偏光板を備えた表面応力測定装置の例を示す。なお、第5の実施の形態において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図19は、第5の実施の形態に係る表面応力測定装置を例示する図である。図19に示すように、表面応力測定装置4は、偏光部材50に代えて、分割偏光板90が撮像素子60の入射側に接して配置されている点が、表面応力測定装置1(図2参照)と相違する。
図20は、分割偏光板90を入射側から見た状態を例示する図である。図20に示すように、分割偏光板90は、撮像素子60の撮像エリアに対応する領域91及び92の2つの領域を有している。領域91は二種の光成分(P偏光又はS偏光)のうち一方を透過させる領域であり、領域92は他方を透過させる領域である。
図21は、表面応力測定装置4で得られた輝線列の画像の例である。図21において、(1)で示す画面上半分はP偏光の輝線の像、(2)で示す画面下半分はS偏光の輝線の像である。図21に示す画像からP偏光及びS偏光の輝線の位置を測定することができる。
表面応力測定装置4は、表面応力測定装置1(図2参照)と異なり、偏光部材50を回転させる機構を備えていないため、装置構造を簡素化することができる。又、表面応力測定装置1(図2参照)と異なり、偏光部材50を回転させて2回に分けて輝線の画像を取る必要がないため、測定時間を短縮することができる。
〈第6の実施の形態〉
第6の実施の形態では、明るさを変えて輝線列の画像を取得する機能を備えた表面応力測定装置の例を示す。なお、第6の実施の形態において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
輝線列を撮像するとき、測定する強化ガラスによっては、低いモードの輝線と高いモードの輝線で、明るさが大きく異なる場合がある。
一方、撮像素子60で撮像される画像のダイナミックレンジは1:100〜1:1000程度である。そのため、一回の撮像では、明るい輝線が撮像できる明るさに設定すると暗い輝線が映らず、暗い輝線が撮像できる明るさに設定すると明るい輝線が飽和して映らない場合があり得る。この場合、全輝線を1枚の画像として取得することができない。精度よく屈折率分布を計算するには、全輝線の測定位置精度を上げる必要があるため、全輝線を適切に撮像する必要がある。
そこで、本実施の形態では、位置測定手段71は、P偏光及びS偏光の輝線列を明るさを変えて複数回撮像した画像を合成し、合成した画像からP偏光及びS偏光の輝線列の位置を測定する。
具体的には、例えば、光源10の光量、或いは露光時間を変化させ、明るさの異なる複数枚の画像を取得し、それらを合成して合成画像を得る。これにより、低いモードの輝線と高いモードの輝線で明るさが大きく異なる場合でも、全輝線が適切な明るさで撮像された1枚の合成画像を取得することができる。その結果、精度よく屈折率分布を算出することができる。
なお、光源10の光量や露光時間を変化させる代わりに、撮像素子60の信号増幅率を変化させても同様の効果が得られる。但し、撮像素子60の信号増幅率を上げると取得する画像のS/Nが劣化する場合があることに注意が必要である。これに対して、光源10の光量や露光時間を変化させる方法では、取得する画像のS/Nは変化しないので、良質な合成画像を得ることができる点で好適である。
〈強化ガラスの品質管理方法〉
複数回の強化工程を経るような化学強化処理を行う場合、従来の測定方法では最終的に得られる(すなわち、最後の強化工程を経た)強化ガラスのCS値やDOL値を測定しても、所望の特性であるかを判断できず、強化ガラスの品質を管理することができなかった。そのため、例えば、各強化工程を終えるごとにCS値やDOL値を測定することにより、それぞれの強化工程が適切に行われているかを判断する必要があった。
しかし、本実施の形態に係る測定方法を用いれば、最終的に得られる強化ガラスの応力プロファイルを測定するだけで強化ガラスの特性を判断でき、強化ガラスの品質を管理することができる。この結果、品質の管理に必要な最低測定回数を1回まで減らすことができ、製造上優れている。
特に、2回の強化工程を経るような化学強化処理を行うときは、DOL値と上述の屈曲点xpの値、及びCS値と上述の式6、式7より得られるa1×xp+b1(=a2×xp+b2)の値を測定することで、1回の測定により強化ガラスの品質を管理することができ、製造上優れている。
〈化学強化ガラス〉
上記の各実施の形態に係る表面応力測定装置の被測定体となる化学強化ガラス(以下、本実施の形態に係る化学強化ガラスとする)について詳説する。
本実施の形態に係る化学強化ガラスは、通常、板形状をしているが、平板でも曲げ加工を施したガラス板でもよい。本実施の形態に係る化学強化ガラスは、フロート法、フュージョン法、スロットダウンドロー法等、既知のガラス成形方法によって平板形状に成形されたガラス板である。
本実施の形態に係る化学強化ガラスは、タブレットPC、ノートPC、スマートフォン及び電子書籍リーダー等の情報機器に備えられたタッチパネルディスプレイのカバーガラス及びタッチセンサーガラス、液晶テレビ及びPCモニタ等のカバーガラス、自動車インパネ等のカバーガラス、太陽電池用カバーガラス、並びにビルや住宅の窓に用いられる複層ガラス等に用いることができる。
本実施の形態に係る化学強化ガラスは、既存の成形法で成形可能な寸法を有する。すなわち、フロート法で成形すれば、フロート成形幅の連続したリボン状のガラスが得られる。又、本実施の形態に係る化学強化ガラスは、最終的には使用目的に適した大きさに切断される。
すなわち、タブレットPC又はスマートフォン等のディスプレイの大きさであったり、太陽電池用カバーガラスであったり、それぞれの用途に応じた大きさとなる。本実施の形態に係る化学強化ガラスは、一般的には矩形に切断されているが、円形又は多角形等の他の形状でも問題なく、穴あけ加工を施したガラスも含まれる。
(化学強化処理)
化学強化処理は、従来公知の方法によって行うことができる。又、化学強化処理の前に、用途に応じた形状加工、例えば、切断、端面加工及び穴あけ加工等の機械的加工を行うことが好ましい。
化学強化処理により、大きなイオン半径のアルカリ金属イオン(典型的には、Kイオン)を含むアルカリ金属塩(例えば、硝酸カリウム塩)の融液に浸漬等によって、ガラス基板を接触させることにより、ガラス基板中の小さなイオン半径の金属イオン(典型的には、Naイオン)が大きなイオン半径の金属イオンと置換される。
化学強化処理は、例えば、350〜500℃の硝酸カリウム溶融塩中にガラス板を5分〜30時間浸漬することによって行うことができる。
イオン交換処理を行うための溶融塩としては、例えば、硝酸カリウム塩、硫酸カリウム塩、及び塩化カリウム塩等のアルカリ硝酸塩、アルカリ硫酸塩及びアルカリ塩化物塩等が挙げられる。これらの溶融塩は単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。又、化学強化特性を調整するために、ナトリウムを含む塩を混ぜてもよい。
本実施の形態に係る化学強化ガラスにおいて、化学強化処理の処理条件は、特に限定されず、ガラスの特性及び溶融塩等を考慮して最適な条件を選択すればよい。
本実施の形態に係る化学強化ガラスは、例えば、以下の工程(1)〜(3)により製造される。工程(1)〜(3)により得られるディスプレイ用カバーガラスは圧縮応力深さが30μm以上であり、且つ表面圧縮応力が300MPa以上である。
(1)ガラスをイオン交換処理することにより、ガラス表面に圧縮応力層を形成する第1の化学強化工程。(2)ガラスを加熱処理する加熱工程。(3)ガラスをイオン交換処理することにより、ガラス表面に圧縮応力層を更に形成する第2の化学強化工程。
以下、各工程について説明する。
(1)ガラスをイオン交換処理することにより、ガラス表面に圧縮応力層を形成する第1の化学強化工程
工程(1)は、化学強化処理に供するガラスをそのガラス中に含まれるアルカリ金属イオン(例えば、ナトリウムイオン)よりイオン半径の大きなアルカリ金属イオンを含む溶融塩(例えば、カリウム塩)とガラスの転移温度を超えない温度域で接触させて、ガラス中のアルカリ金属イオンとアルカリ金属塩のイオン半径の大きなアルカリ金属イオンとをイオン交換させ、アルカリ金属イオンの占有面積の差によりガラス表面に圧縮応力を発生させ圧縮応力層を形成する工程である。
ガラスとアルカリ金属イオンを含む溶融塩とを接触させる処理温度及び処理時間は、ガラス及び溶融塩の組成に応じて適宜調整する。溶融塩の加熱温度は、通常350℃以上が好ましく、370℃以上がより好ましい。又、通常500℃以下が好ましく、450℃以下がより好ましい。
溶融塩の加熱温度を350℃以上とすることにより、イオン交換速度の低下により化学強化が入りにくくなるのを防ぐ。又、500℃以下とすることにより溶融塩の分解・劣化を抑制することができる。
ガラスを溶融塩に接触させる時間は、十分な圧縮応力を付与するためには、通常5分以上が好ましく、10分以上がより好ましい。又、長時間のイオン交換では、生産性が落ちるとともに、緩和により圧縮応力値が低下するため、30時間以下が好ましく、20時間以下がより好ましく、10時間以下が更に好ましい。
(2)ガラスを加熱処理する加熱工程
工程(2)は、工程(1)で得られたガラス表面に圧縮応力層を形成したガラスを加熱処理することにより、圧縮応力層に存在するより大きなアルカリ金属イオン、例えば、カリウムイオンをガラスの表面からガラス内部の方向に移動させることにより、圧縮応力層の最深部をガラス表面からガラス内部の方向に移動させる工程である。
圧縮応力層の最深部がガラス表面からガラス内部の方向に移動することにより、ガラス表面の圧縮応力が低下するが、ガラス表面から好ましくは30μm以上の、より好ましくは50μm以上の圧縮応力層が形成される。
ガラスを加熱処理する温度はガラス転移点より50℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは100℃以上低い温度とする。ガラス転移点より50℃以上低い温度でガラスを加熱処理することにより、ガラスの応力緩和を防ぐことができる。
ガラスを加熱処理する時間は、加熱処理温度により適宜調整することが好ましく、通常30分〜2000分であることが好ましく、30〜300分であることがより好ましい。
(3)ガラスをイオン交換処理することにより、ガラス表面の圧縮応力層を変化させる第2の化学強化工程
工程(3)は工程(2)で得られたガラスをイオン交換することにより、ガラス表面の圧縮応力層を変化させる工程である。工程(3)において再度イオン交換することにより、ガラス表面及びその内部の圧縮応力層を変化させることができる。
工程(3)のイオン交換処理は工程(1)において上述したイオン交換処理と同様の方法により行ってもよいし、別の方法であってもよい。又、別の溶融塩を用いてもよい。
工程(1)〜(3)は、連続的な工程、例えばガラス板製造工程において連続的に移動するガラスリボンに対してオンラインで順次行ってもよいし、又は非連続的にオンラインで行ってもよい。又、作業効率の点から工程(2)を省いた方が好ましい。
イオン交換処理を行うための溶融塩は、少なくともカリウムイオン含む処理塩を用いることが好ましい。このような処理塩としては、例えば、硝酸カリウム、又は、硝酸ナトリウムが好適に挙げられる。
又、混合溶融塩には、その他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、例えば、硫酸ナトリウム及び硫酸カリウム等のアルカリ硫酸塩、並びに塩化ナトリウム及び塩化カリウム等のアルカリ塩化塩等が挙げられる。
(好適な化学強化ガラスの例)
本実施の形態に係る化学強化ガラスは、イオン交換処理によって表面に圧縮応力層を備える。化学強化ガラスの表面応力値(CS値)は300MPa以上であることが好ましく、500MPa以上であることがより好ましく、600MPa以上であることが更に好ましく、700MPa以上であることが特に好ましい。
又、化学強化ガラスの使用時に圧縮応力層の深さDOL値を超える深さの傷がつくと化学強化ガラスの破壊につながるため、化学強化ガラスのDOL値は深い方が好ましく、30μm以上であることが好ましく、40μm以上であることが好ましく、更に好ましくは50μm以上である。
化学強化ガラスのCT値を大きくすると、CS値を大きく、DOL値を深くできるため好ましい。例えば、式0に従えば、CT値をCTlimitに10%近付けると、CS値又はDOL値を約10%上げることができ、CS値やDOL値をより好ましい値に近付けることができる。
各実施の形態に係る表面応力測定装置を使うと、本実施の形態のように2回に分けて化学強化処理することで、応力プロファイルを図18のように曲げて大きいCS値と深いDOL値を達成したガラスのCT値(CT値)を測定することができる。一方で、化学強化ガラスが破壊した時に、爆発的に粉々に割れるのを防ぐために、化学強化ガラスのCT値をCTlimit値以下とすることが好ましい。CTlimit値は、経験的に−38.7×ln(t)+48.2[MPa]であることが知られている。ここで、tはガラスの板厚を表し、単位はmmである。
従来、CT値は式0により求められていたため、式0に基づくCT値(CT値)が上述のCTlimit値を上回らないよう化学強化処理条件が選択され、実際のCT値も制御されていた。しかしながら、本実施の形態に係る強化ガラスの表面応力測定方法によれば、屈曲した応力のプロファイルを測定することができるため、式0に基づくCT値よりも実際のCT値に近い式5に基づくCT値を求めることができる。
屈曲した応力プロファイルを有する化学強化ガラスの場合、一般的に、式5に基づくCT値は式0に基づくCT値より小さくなる。従って、従来CTlimitを上回るCT値を有すると考えられていた応力プロファイルでも、実際にはCTlimitを上回らないものがあることを本発明者らは見出した。これにより、式5に基づくCT値(CT値)がCTlimit値以下でありながら、好ましくはCT値がCTlimit値の50%以上、より好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上となる化学強化ガラスを製造することができる。すなわち、CT値を上記範囲とすることで、CS値やDOL値をより好ましい値に近付けることができ、より好ましい化学強化ガラスを提供することができる。
又、本実施の形態に係る化学強化ガラスの式0に基づくCT値(CT値)は、好ましくはCTlimit値以上である。これにより、CS値やDOL値を従来見出せなかった好ましい値に近付けることができる。
なお、化学強化ガラスのCT値はCTlimit値を超えないことが好ましい。CT値がCTlimitを超える化学強化ガラスを破壊すると爆発的に粉々に割れるため好ましくない。一方で、CT値がCTlimitを超えないガラスを破壊しても爆発的に粉々に割れることはない。
上述した通り、屈曲した応力プロファイルを有する化学強化ガラスの場合、一般的に、式5に基づくCT値は式0に基づくCT値より小さくなる。CT値とCT値の比CT/CTが小さいほどCS値やDOL値をより好ましい値に近付けるのに有効であり、CT/CTを70%以下にすることが好ましく、より好ましくは50%以下、更に好ましくは30%以下である。
又、本実施の形態に係る化学強化ガラスは、爆発的に粉々に割れるのを防ぐため、DOL値の半値の深さにおける圧縮応力値が、好ましくは表面応力値(CS値)の40%以下、より好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下、特に好ましくは10%以下である。
又、本実施の形態に係る化学強化ガラスは、表面応力値(CS値)の半値(HW)となる位置は8μm未満であることが好ましい。より好ましくは7μm以下、更に好ましくは6μm以下、最も好ましくは5μm以下である。表面応力値(CS値)の半値(HW)となる位置が8μm未満であることで、大きいCS値と深いDOL値を達成することができ、化学強化ガラスが破壊した時に、爆発的に粉々に割れるのを防ぐことができる。
本実施の形態に係る化学強化ガラスの用途は、特段限定されない。高い機械的強度を有することから、落下による衝撃や、他の物質との接触が予想される箇所への使用に好適である。
以上、好ましい実施の形態及び実施例について詳説したが、上述した実施の形態及び実施例に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態及び実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上記の各実施の形態では、光源を表面応力測定装置の構成要素として説明したが、表面応力測定装置は光源を有していない構成としてもよい。この場合、表面応力測定装置は、例えば、光供給部材20と、光取出し部材30と、光変換部材40と、偏光部材50と、撮像素子60と、演算部70とを有する構成とすることができる。光源は、表面応力測定装置の使用者が適宜なものを用意して使用することができる。
又、光供給部材20に二種の光成分(P偏光及びS偏光)を入射する構成としてもよい。この場合には、光取出し部材30から撮像素子60までの光路上に偏光部材50や分割偏光板90を配置する必要はない。
又、上記の各実施の形態は、適宜組み合わせることができる。
1、2、3、4 表面応力測定装置
10、10A、10B 光源
20 光供給部材
30 光取出し部材
40 光変換部材
50 偏光部材
60 撮像素子
70 演算部
71 位置測定手段
72 屈折率分布算出手段
73 応力分布算出手段
80 ハーフミラー
90 分割偏光板
91、92 領域
200 強化ガラス
210 強化ガラスの表面

Claims (22)

  1. 光源からの光を、被測定体である強化ガラスの少なくとも圧縮応力層を有する表面層内に入射させる光供給工程と、
    前記表面層内を伝播した光を、光取出し部材を介して、前記強化ガラスの外へ出射させる光取出し工程と、
    前記強化ガラスの外へ出射した光に含まれる、前記強化ガラスと前記光取出し部材との境界面に対して平行及び垂直に振動する二種の光成分を、夫々が3本以上の輝線を有する二種の輝線列に変換する光変換工程と、
    前記二種の輝線列を撮像する撮像工程と、
    前記撮像工程で得られた画像から前記二種の輝線列の夫々の3本以上の輝線の位置を測定する位置測定工程と、
    前記位置測定工程での測定結果に基づいて、前記二種の光成分に対応した前記強化ガラスの表面から深さ方向の屈折率分布を算出する屈折率分布算出工程と、を有し、
    前記表面層内には、前記3本以上の輝線に対応した、光線軌跡の異なる3本以上のモードの光が伝播し、
    夫々の前記モードでの光線軌跡において、前記強化ガラスの表面に対する最深点の深さは互いに異なり、
    前記屈折率分布算出工程では、次数が隣接するモードの前記最深点の間において、前記強化ガラスの屈折率変化率が一定であると仮定し、次数の最も低いモードから順に、夫々のモードの前記最深点の深さを計算し、全体の屈折率分布を求める表面応力測定方法。
  2. 前記撮像工程よりも前に、前記光源からの光を前記二種の光成分に分離する光分離工程を有する請求項1記載の表面応力測定方法。
  3. 前記光分離工程では、前記二種の光成分のうち前記境界面に平行に振動する光成分を透過させる領域と、前記境界面に垂直に振動する光成分を透過させる領域と、を有する光分離手段を用いる請求項2記載の表面応力測定方法。
  4. 前記二種の光成分に対応した屈折率分布の差と、前記強化ガラスの光弾性定数と、に基づいて、前記強化ガラスの表面から深さ方向の応力分布を算出する応力分布算出工程を有する請求項1乃至の何れか一項記載の表面応力測定方法。
  5. 前記二種の光成分に対応した屈折率分布のうち、前記境界面に対して平行に振動する光成分に対応した第一の屈折率分布、前記境界面に対して垂直に振動する光成分に対応した第二の屈折率分布、前記第一の屈折率分布と前記第二の屈折率分布との平均値である第三の屈折率分布、の何れかを前記強化ガラスの表面から深さ方向の応力分布として算出する応力分布算出工程を有する請求項1乃至の何れか一項記載の表面応力測定方法。
  6. 前記応力分布算出工程で算出された前記圧縮応力層の応力分布を前記強化ガラスの深さ方向に積分した値が、前記強化ガラスの内部の引張応力と釣り合うようCT値を算出するCT値算出工程を有する請求項又は記載の表面応力測定方法。
  7. 前記応力分布算出工程で算出された応力分布を近似する近似工程を有する請求項乃至の何れか一項記載の表面応力測定方法。
  8. 前記近似工程では、前記応力分布算出工程で算出された応力分布を、屈曲点が一点である折れ線で近似し、前記屈曲点と2つの傾斜とを算出する請求項記載の表面応力測定方法。
  9. 互いに異なる複数の波長の光を前記強化ガラスの表面層内に順次入射させ、
    前記応力分布算出工程では、夫々の波長での輝線列の位置に基づいて応力分布を算出し、算出した応力分布を合成する請求項乃至の何れか一項記載の表面応力測定方法。
  10. 前記位置測定工程では、前記二種の輝線列を複数に分けて撮像した画像を合成し、合成した画像から前記二種の輝線列の位置を測定する請求項1乃至の何れか一項記載の表面応力測定方法。
  11. 光源からの光を、被測定体である強化ガラスの少なくとも圧縮応力層を有する表面層内に入射させる光供給部材と、
    前記表面層内を伝播した光を、前記強化ガラスの外へ出射させる光取出し部材と、
    前記光取出し部材を介して出射した光に含まれる、前記強化ガラスと前記光取出し部材との境界面に対して平行及び垂直に振動する二種の光成分を、夫々が3本以上の輝線を有する二種の輝線列に変換する光変換部材と、
    前記二種の輝線列を撮像する撮像素子と、
    前記撮像素子で得られた画像から前記二種の輝線列の夫々の3本以上の輝線の位置を測定する位置測定手段と、
    前記位置測定手段の測定結果に基づいて、前記二種の光成分に対応した前記強化ガラスの表面から深さ方向の屈折率分布を算出する屈折率分布算出手段と、を有し、
    前記表面層内には、前記3本以上の輝線に対応した、光線軌跡の異なる3本以上のモードの光が伝播し、
    夫々の前記モードでの光線軌跡において、前記強化ガラスの表面に対する最深点の深さは互いに異なり、
    前記屈折率分布算出手段は、次数が隣接するモードの前記最深点の間において、前記強化ガラスの屈折率変化率が一定であると仮定し、次数の最も低いモードから順に、夫々のモードの前記最深点の深さを計算し、全体の屈折率分布を求める表面応力測定装置。
  12. 前記光源から前記撮像素子までの光路上に、光を前記二種の光成分に分離する光分離手段が配置されている請求項11記載の表面応力測定装置。
  13. 前記光分離手段は、前記二種の光成分のうち前記境界面に平行に振動する光成分を透過させる領域と、前記境界面に垂直に振動する光成分を透過させる領域と、を有する請求項12記載の表面応力測定装置。
  14. 前記二種の光成分に対応した屈折率分布の差と、前記強化ガラスの光弾性定数と、に基づいて、前記強化ガラスの表面から深さ方向の応力分布を算出する応力分布算出手段を有する請求項11乃至13の何れか一項記載の表面応力測定装置。
  15. 前記二種の光成分に対応した屈折率分布のうち、前記境界面に対して平行に振動する光成分に対応した第一の屈折率分布、前記境界面に対して垂直に振動する光成分に対応した第二の屈折率分布、前記第一の屈折率分布と前記第二の屈折率分布との平均値である第三の屈折率分布、の何れかを前記強化ガラスの表面から深さ方向の応力分布として算出する応力分布算出手段を有する請求項11乃至13の何れか一項記載の表面応力測定装置。
  16. 前記応力分布算出手段で算出された前記圧縮応力層の応力分布を前記強化ガラスの深さ方向に積分した値が、前記強化ガラスの内部の引張応力と釣り合うようCT値を算出するCT値算出手段を有する請求項14又は15記載の表面応力測定装置。
  17. 前記応力分布算出手段で算出された応力分布を近似する近似手段を有する請求項14乃至16の何れか一項記載の表面応力測定装置。
  18. 前記近似手段は、前記応力分布算出手段で算出された応力分布を、屈曲点が一点である折れ線で近似し、前記屈曲点と2つの傾斜とを算出する請求項17記載の表面応力測定装置。
  19. 互いに異なる複数の波長の光を前記強化ガラスの表面層内に順次入射させ、
    前記応力分布算出手段は、夫々の波長での輝線列の位置に基づいて応力分布を算出し、算出した応力分布を合成する請求項14乃至18の何れか一項記載の表面応力測定装置。
  20. 前記位置測定手段は、前記二種の輝線列を複数に分けて撮像した画像を合成し、合成した画像から前記二種の輝線列の位置を測定する請求項11乃至19の何れか一項記載の表面応力測定装置。
  21. 請求項1乃至10の何れか一項記載の表面応力測定方法、又は、請求項11乃至20の何れか一項記載の表面応力測定装置、により表面層の応力分布を測定する工程を含む化学強化ガラスの製造方法。
  22. 請求項21記載の化学強化ガラスの製造方法により製造された化学強化ガラス。
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