JP2021520483A - 幅広い計量プロセスウインドウを有するプリズム結合応力計 - Google Patents

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Abstract

プリズム結合システム及び方法は、プリズム結合システムを用いて、表面付近スパイク領域及び深部領域による屈折率プロファイルを有する化学強化済み物品の初期TMモードスペクトル及びTEモードスペクトルを収集するステップを含む。初期TMモードスペクトル及びTEモードスペクトルを検査することにより、これらが、選択された許容誤差内で屈曲部応力の正確な推定を生成できる好ましい測定ウインドウに収まるかどうかを確認する。好ましい測定ウインドウに収まらない場合、プリズム結合システムの測定構成を変更して、新たなTMモードスペクトル及びTEモードスペクトルを収集する。上記新たなTMモードスペクトル及びTEモードスペクトルが好ましい測定ウインドウに収まるまで、このプロセスを繰り返す。続いて、これらの新たなTMモードスペクトル及びTEモードスペクトルを用いて屈曲部応力を決定する。測定構成を変更するステップは、測定波長、界面流体の厚さ、及び界面流体の屈折率のうちの少なくとも1つを変更するステップを含むことができる。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年6月29日出願の米国仮特許出願第62/692,233号、及び2018年4月2日出願の米国仮特許出願第62/651,442号の優先権の利益を主張するものであり、各上記仮特許出願は依拠され、参照によりその全体が本出願に援用される。
本開示は、ガラス系イオン交換済み(ion‐exchanged:IOX)物品に関し、特にガラス系化学強化済み物品中の応力を拡張された(即ち比較的大きな)測定プロセスウインドウで特性決定する、プリズム結合システム及び方法に関し、ここで上記化学強化済み物品は、表面付近スパイク領域を含む屈折率プロファイルを有する。
化学強化済みガラス系物品は、ガラス系基板を化学修飾に供して、硬度、破断耐性等といった少なくとも1つの強度関連特性を改善することによって形成される。化学強化済みガラス系ガラス系物品は特に、ディスプレイベースの電子デバイス、特にスマートフォン及びタブレット等のハンドヘルドデバイスのためのカバーガラスとしての用途が見出されている。
ある方法では、化学強化はイオン交換(IOX)プロセスによって達成され、これにより、ガラス系基板のマトリックス中のイオン(「ネイティブイオン(native ion)」又は「基板イオン(substrate ion)」を、外部から、例えば溶融浴から導入されたイオン(即ち置換イオン又は注入イオン)によって置換する。強化は一般に、置換イオンがネイティブイオンより大きい場合に発生する(例えばNa又はLiイオンがKイオンによって置換される)。IOXプロセスは、物品表面からマトリックス内へと延在する、ガラス内のIOX領域を発生させる。IOX領域は、マトリックス内において、ある層深さ(depth of layer:DOL)を有する屈折率プロファイルを画定し、上記層深さは、物品表面に対して測定されたIOX領域のサイズ、厚さ、又は「深度(deepness)」を表す。屈折率プロファイルはまた、応力プロファイル、表面応力、圧縮深さ、中心張力、複屈折等を含む応力関連特性を画定する。屈折率プロファイルはまた、ガラス系物品において、屈折率プロファイルが当該技術分野で公知の特定の基準を満たす場合に、所与の波長の光に関してm個の導波モードをサポートする、光導波路を画定できる。
プリズム結合システム及び方法を用いて、ガラス系IOX物品内に形成された平面光導波路の導波モードのスペクトルを測定することにより、IOX領域の1つ以上の特性、例えば屈折率プロファイル及び上述の応力関連特性を決定できる。この技法は、ディスプレイ用の(例えばスマートフォン用の)化学強化済みカバーのため等の多様な用途に使用されるガラス系IOX物品の特性の測定に使用されてきた。このような測定を品質管理の目的で使用して、IOX領域が意図した特性を有し、かつ所与の用途のために選択された各特性に関する選択された設計許容誤差の範囲内に収まることを保証する。
プリズム結合システム及び方法は、多数のタイプの従来のガラス系IOX物品に対して使用できるが、このような方法は、特定のガラス系IOX物品に対しては良好に作用せず、また場合によっては全く作用しない。例えば、特定のタイプのIOXガラス系物品は、2つの部分からなるプロファイルを生じさせる第1及び第2のイオン拡散によって形成された、事実上デュアルIOX(DIOX)ガラス系物品である。第1の部分(第1の領域)は基板表面に隣接しており、比較的急峻な勾配を有するが、第2のセグメント(第2の領域)は基板内へとより深く延在し、ただし比較的浅い勾配を有する。第1の領域はスパイク領域又は単に「スパイク(spike)」と呼ばれ、第2の領域は深部領域と呼ばれる。光導波路は、スパイク領域及び深部領域の両方によって画定される。
このような2領域プロファイルは、比較的高い実効屈折率を有する低次モード間の比較的大きな間隔と、臨界角に近い比較的低い実効屈折率を有する高次モード間の極めて小さな間隔とをもたらし、上記臨界角は、導波モードのための全内部反射(total‐internal reflection:TIR)と、いわゆる漏洩モードのための非TIRとの間の境界又は遷移領域を画定する。あるモードスペクトルにおいて、利便性のために、臨界角は「臨界角遷移領域(critical angle 遷移領域)とも呼ぶことができる。導波モードが光導波路のスパイク領域内しか移動できない状態が発生する場合がある。導波モード又は漏洩モードがスパイク領域内しか移動しないことによりスパイク領域内のみでガイドされた光と、深部領域でガイドされた光とを区別することが、不可能ではないにしても困難になる。
2領域プロファイルを有するガラス系IOX物品に関するモードスペクトルから臨界角の正確な位置を決定するのは困難である。というのは、臨界角付近に存在する導波モードは、臨界角遷移領域において強度プロファイルを歪ませるためである。これにより、モード干渉縞の分数の計算が歪められ、従ってスパイク領域の深さ及び応力関連パラメータの計算(スパイク領域の底部における圧縮応力(「屈曲部応力(knee stress)」とも呼ばれ、CSで表される)の計算を含む)が歪められる。
理解されるように、屈曲部応力CSはガラス系IOX物品の重要な特性であり、その測定は、化学強化済みガラス系物品の大規模製造における品質管理のために使用できる。残念なことに、上述の測定に関する問題により、品質管理のためにプリズム結合システムを用いてIOX物品の測定を行う際に、厳しい制約が課される。というのは、屈曲部応力CSの正確な推定には、臨界角遷移領域が、横方向電気(transverse electric:TE)導波モード及び横方向磁気(transverse magnetic:TM)導波モードの両方に関して正確に確立される必要があるためである。
本明細書に記載の方法は、表面付近スパイク領域を含むIOX物品の測定時に、プリズム結合システムの性能を最適化することを対象としている。この最適化は測定ウインドウに関するものであり、また特に測定ウインドウを増大させ、従ってIOX物品の測定時に少なくとも1つの応力パラメータの正確な推定を得ることができる。例示的な応力関連パラメータとしては、屈曲部応力CS及びスパイク深さD1、中心張力CT、張力‐歪みエネルギ(tension‐strain energy)TSE、並びに中心張力CT及び/又は張力‐歪みエネルギTSEに関連する脆性の推定値が挙げられる。
プリズム結合システム及び方法は、プリズム結合システムを用いて、表面付近スパイク領域及び深部領域による屈折率プロファイルを有する化学強化済み物品の初期TMモードスペクトル及びTEモードスペクトルを収集するステップを含む。初期TMモードスペクトル及びTEモードスペクトルを検査することにより、これらが、選択された許容誤差内で屈曲部応力の正確な推定を生成できる好ましい測定ウインドウに収まるかどうかを確認する。好ましい測定ウインドウに収まらない場合、プリズム結合システムの測定構成を変更して、新たなTMモードスペクトル及びTEモードスペクトルを収集する。上記新たなTMモードスペクトル及びTEモードスペクトルが好ましい測定ウインドウに収まるまで、このプロセスを繰り返す。続いて、これらの新たなTMモードスペクトル及びTEモードスペクトルを用いて屈曲部応力を決定する。測定構成を変更するステップは、測定波長、界面流体の厚さ、及び界面流体の屈折率のうちの少なくとも1つを変更するステップを含むことができる。
本明細書で開示されるシステム及び方法により、IOX物品、特に圧縮深さが大きいLi系基板から作製されたIOX物品の製造のための、より広い製造ウインドウを実現することもできる。多くの場合、表面スパイク領域R1を有するリチウム含有アルミノシリケートガラス系IOX物品の製造における製造ウインドウは、好ましい範囲内で優れた機械的性能を可能にする製造条件及び応力プロファイルパラメータの範囲ではなく、利用可能な品質管理測定ウインドウのサイズによって制限されている。
本明細書で開示されるシステム及び方法はまた、応力関連特性の偽陽性測定を抑制する。従来の測定システム及び方法は、応力プロファイル(特にCS)の特徴を定義する値を好ましい範囲内とすることなく、測定されたIOX物品を品質管理に合格させる場合がある。これは、スパイク領域を有するIOX物品の測定時の、測定方法及びプリズム結合システム構成の不備(抜け穴)によって発生し得る。これらの抜け穴は、好ましい測定ウインドウに隣接するモードスペクトルに関して発生する歪みに関連する場合もあり、また一部の間接的な方法の場合、これらは、プロセスターゲットをシフトすることで、最高次導波モードと同様の複屈折を、プロファイルパラメータの様々な組み合わせによって、ほとんどの場合、比較的小さなCSを有するものの比較的高いカリウムスパイクDOL又は比較的高い表面CSを有する組み合わせによって、達成するステップに関わる。
本明細書に記載の方法及びシステムは、歪みが最小限に抑えられた好ましい測定ウインドウにおける測定を提供し、また更に、この好ましい測定ウインドウで測定された直接的な屈曲部応力CSを用いて、このハイブリッド法の間接的な成分の較正が正しいことを検証する。
本開示のある実施形態は、化学強化済みガラス系物品の屈曲部応力の測定における系統誤差を低減するための方法である。上記方法は:横方向磁気(TM)光学偏光状態及び横方向電気(TE)光学偏光状態それぞれに関する第1の角度結合スペクトルを収集するステップ;TM光学偏光及びTE光学偏光のそれぞれに関して、プリズム結合によって得られた上記角度スペクトルが好ましい測定ウインドウ内であるかどうかを評価するステップ;TMスペクトル及びTEスペクトルのうちの少なくとも1つが上記好ましい測定ウインドウの範囲外である場合に、補正動作を取るステップ;並びにTMスペクトル及びTEスペクトルの両方がそれぞれの好ましい測定ウインドウ内である場合に、測定を受け入れて終了するステップを含む。
本開示の別の実施形態は、上述の方法を実施するために構成された装置である。上記装置は、少なくとも2つの波長を用いて順次又は同時に測定を実施するために設けられた、プリズム結合ベースの応力計を備える。上記応力計は:少なくとも1つの光源からの光をサンプルに結合するプリズム;測定波長でTMプリズム結合スペクトル及びTEプリズム結合スペクトルを選択する、偏光デバイス;並びにTMスペクトル及びTEスペクトルをキャプチャするセンサデバイスを備える。
本開示の別の実施形態は、ガラス系基板の光導波路を画定する表面付近スパイク領域及び深部領域による屈折率プロファイルを有する化学強化済み物品における屈曲部応力を推定する方法であって、上記方法は:a)初期測定構成に設定されたプリズム結合システムを用いて、上記化学強化済み物品に関するTMモードスペクトル及びTEモードスペクトルを収集するステップ;b)上記TMモードスペクトル及び上記TEモードスペクトルを検査して、これらが、選択された許容誤差内で屈曲部応力の正確な推定を生成できる好ましい測定ウインドウに収まらないことを見出すステップ;c)上記プリズム結合システムの測定構成を1回以上変更して、新たなTMモードスペクトル及びTEモードスペクトルが上記好ましい測定ウインドウ内に収まるまで、上記新たなTMモードスペクトル及びTEモードスペクトルを測定するステップ;並びにd)上記新たなTMモードスペクトル及びTEモードスペクトルを用いて上記屈曲部応力を決定するステップを含む。
本開示の別の実施形態は、ガラス系基板の光導波路を画定する表面付近スパイク領域及び深部領域を有する化学強化済み・イオン交換済み(IOX)物品における屈曲部応力の測定を実施する方法であって、上記方法は:a)上記光導波路の第1の横方向磁気(TM)モードスペクトル及び第1の横方向電気(TE)モードスペクトルを含む第1のモードスペクトルを、結合プリズムを有しかつ第1の構成に置かれたプリズム結合システムを用いて、収集するステップであって、上記第1の構成は、第1の測定波長、並びに上記結合プリズムと上記IOX物品との間の界面に存在する界面流体の厚さ及び屈折率によって画定される、ステップ;b)上記第1のTMモードスペクトル及び上記第1のTEモードスペクトルを評価して、上記TMモードスペクトル及び上記TEモードスペクトルのうちの少なくとも1つが、上記屈曲部応力を選択された許容誤差内で推定できる好ましい測定ウインドウの範囲外にあることを見出すステップ;c)上記測定波長、上記界面流体の上記厚さ、及び上記界面流体の上記屈折率のうちの少なくとも1つを調整することによって、上記プリズム結合システムを第2の構成とするステップ;d)上記第2の構成の上記プリズム結合システムを用いて、上記光導波路の第2のTMモードスペクトル及び第2のTEモードスペクトルを含む第2のモードスペクトルを収集するステップであって、上記第2の構成は、上記第2のTMモードスペクトル及び上記第2のTEモードスペクトルを上記好ましい測定ウインドウ内とする、ステップ;並びにe)上記第2のTMモードスペクトル及び上記第2のTEモードスペクトルを用いて、上記選択された許容誤差内で上記屈曲部応力を決定するステップを含む。
本開示の別の実施形態は、ガラス系基板内に形成されかつ光導波路を画定する表面付近スパイク領域及び深部領域を有する化学強化済み・イオン交換済み(IOX)物品の応力特性を測定するためのプリズム結合システムであって、上記プリズム結合システムは:
a)入力面、出力面、及び結合面を有する結合プリズムであって、上記結合面は、基板上面の導波路と接することにより、界面流体屈折率及び厚さを備えた界面流体を有する界面を画定する、結合プリズム;
b)上記界面に空気圧接続され、上記界面における真空の量を変化させるよう構成された、真空システム;
c)上記界面に流体接続され、1つ以上の上記界面流体を上記界面に供給するよう構成された、界面流体供給源;
d)複数の異なる測定波長から選択可能な測定波長を有する測定光を放出する、光源システムであって、上記測定光は、上記結合プリズムの上記入力面を通して上記界面を照明することにより、上記結合プリズムの上記出力面から出る反射光を形成し、ここで上記反射光は、第1の横方向磁気(TM)モードスペクトル及び第1の横方向電気(TE)モードスペクトルを画定する、光源システム;
e)上記結合プリズムから上記反射光を受信して、上記第1のTMモードスペクトル及び上記第1のTEモードスペクトルを検出するよう配設された、光検出器システム;
f)コントローラであって:
a.上記第1のTMモードスペクトル及び上記第1のTEモードスペクトルを処理して、上記第1のTMモードスペクトル及び上記第1のTEモードスペクトルのうちの少なくとも1つが、上記第1のTMモードスペクトル及び上記第1のTEモードスペクトルから上記屈曲部応力を選択された許容誤差内で推定できるようにする好ましい測定ウインドウの範囲外にあることを見出す動作;
b.i)上記測定波長、ii)上記界面流体の上記厚さ、及びiii)上記界面流体の上記屈折率のうちの少なくとも1つを調整することによって、上記プリズム結合システムを第2の構成とする動作;
c.上記第2の構成の上記プリズム結合システムを用いて、第2のTMモードスペクトル及び第2のTEモードスペクトルを収集する動作であって、上記第2の構成は、上記第2のTMモードスペクトル及び上記第2のTEモードスペクトルを上記好ましい測定ウインドウ内とする、動作;並びに
d.上記第2のTMモードスペクトル及び上記第2のTEモードスペクトルを用いて、上記選択された許容誤差内で上記屈曲部応力を決定する動作
を実施するよう構成された、コントローラ
を備える。
本開示の別の実施形態は、ガラス系基板内に形成されかつ光導波路を画定する表面付近スパイク領域及び深部領域を有する化学強化済み・イオン交換済み(IOX)物品の応力特性を測定するためのプリズム結合システムであって、上記プリズム結合システムは:入力面、出力面、及び結合面を有する結合プリズムであって、上記結合面は、基板上面の導波路と接することにより、界面流体屈折率及び厚さを備えた界面流体を有する界面を画定する、結合プリズム;選択可能な測定波長を有する測定光を放出するよう構成された光源システムであって、上記測定光は、上記結合プリズムの上記入力面を通して上記界面を照明することにより、上記結合プリズムの上記出力面から出る反射光を形成し、ここで上記反射光は、横方向磁気(TM)モードスペクトル及び横方向電気(TE)モードスペクトルを画定する、光源システム;上記結合プリズムから上記反射光を受信して、初期測定波長において初期TMモードスペクトル及び初期TEモードスペクトルを検出するよう配設された、光検出器システム;コントローラであって:
i)上記初期TMモードスペクトル及び上記初期TEモードスペクトルを処理して、上記初期TMモードスペクトル及び上記初期TEモードスペクトルのうちの少なくとも1つが、上記初期TMモードスペクトル及び上記初期TEモードスペクトルから上記屈曲部応力を選択された許容誤差で推定できるようにする好ましい測定ウインドウの範囲外にあることを見出す動作;
ii)上記光源の上記測定波長を、上記選択可能な測定波長に1回以上変更して、新たなTMモードスペクトル及び新たなTEモードスペクトルが上記好ましい測定ウインドウ内となるまで、それぞれ1つ以上の上記新たなTMモードスペクトル及び1つ以上の上記新たなTEモードスペクトルを収集する動作;並びに
iii)上記好ましい測定ウインドウ内にある上記新たなTMモードスペクトル及び上記新たなTEモードスペクトルを用いて、上記選択された許容誤差内で上記屈曲部応力を決定する動作
を実施するよう構成された、コントローラを備える。
本明細書に記載の実施形態は、いずれの好適な組み合わせで組み合わせることができる。更なる特徴及び利点は、以下の「発明を実施するための形態」に記載され、またその一部は、当業者には「発明を実施するための形態」から明らかであり、又はこれらの実施形態を、本明細書の記述及び特許請求の範囲並びに添付の図面に記載されているように実施することによって認識されるだろう。上述の「発明の概要」及び以下の「発明を実施するための形態」はいずれも単なる例であり、特許請求の範囲の性質及び特徴を理解するための概観又は枠組みを提供することを意図したものであることを理解されたい。
添付の図面は、更なる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれて本命細書の一部を構成する。これらの図面は1つ以上の実施形態を図示し、「発明を実施するための形態」と併せて、様々な実施形態の原理及び動作を説明する。従って本開示は、以下の「発明を実施するための形態」を、添付の図面と併せて解釈することで、より完全に理解される。
平坦な基板の形態の例示的なDIOXガラス基板の立面図 図1AのDIOX基板の、x‐y平面において得られた拡大断面図であり、基板表面にわたって、及び基板の本体の中に向かって行われる、例示的なDIOXプロセスを示す DIOX基板を形成するDIOXプロセスの結果の概略図 図1Cに示されているDIOX基板に関する例示的な屈折率プロファイルn(x)の図であり、スパイク領域、深部領域、及びこれらの2つの領域の間の遷移領域である屈曲部を示す 本開示による、本明細書で開示される方法を用いてIOX物品を測定するために使用される例示的なプリズム結合システムの概略図 図3Aのプリズム結合システムの光検出器システムの拡大図 図3Bの光検出器システムによってキャプチャされた、TMモードスペクトル及びTEモードスペクトルを含むモードスペクトルの概略図 例示的な光源の異なる軸外発光素子から光を配向するために使用される例示的な光学系の概略図 図3Cと同様の例示的なモードスペクトルの一部分の概略図であり、TEモードスペクトル及びTMモードスペクトルに関して、測定されたモードスペクトルからモード数の分数部分を決定する例示的な方法を示す DIOXプロセスを用いてリチウム含有アルミノシリケートガラス基板から形成された例示的なIOX物品に関する、測定されたスパイク深さDOLsp(μm)の、「ステップ1(step 1)」拡散時間t1(秒)に対するプロットであり、測定は単波長プリズム結合システム(白い四角)及び3波長プリズム結合システム(黒い丸)によって実施され、「ステップ1」拡散時間t1は、2ステップDIOXプロセスの第1のプロセスに関するものである 同一のDIOXプロセスを用いてリチウム含有アルミノシリケートガラス基板から形成された例示的なIOX物品に対して行われた測定に基づく、測定された屈曲部応力CS(MPa)の、TM干渉縞(モード)数NTMに対するプロットであり、複数の異なるIOX物品に関して、ステップ1拡散時間t1は同一であるがステップ2拡散時間は様々であり、また単波長測定は白い四角で示されており、3波長測定は黒い丸で示されている 図4の考察においてと同一のタイプのIOX物品に関する、2ステップイオン交換(DIOX)の後に測定された屈曲部応力CS(MPa)の、第1ステップイオン交換時間(「ステップ1時間(step 1 time)」)t1(時間)に対するプロット 更なる例示的な測定に関する、図4と同様のプロット 単波長測定に関する例示的なTMモードスペクトル及びTEモードスペクトルのペアの概略図であり、これらはそれぞれ4つのTMモード及びTEモード、即ち干渉縞を含み、干渉縞0.5個分の測定ウインドウサイズを示す 3測定波長それぞれに対して1つずつ、3つのTMモードスペクトル及びTEモードスペクトルのペアを示すこと、並びに図8Aの単波長の場合のおよそ2倍である、干渉縞約0.9個分という比較的大きな有効測定ウインドウを示すこと以外は、図8Aと同様の図 例示的なIOX物品の形態の試験ガラス系物品に対する非脆性の試験結果 例示的なIOX物品の形態の試験ガラス系物品に対する脆性の試験結果
これより、本開示の様々な実施形態について詳細に言及する。これらの実施形態の例は添付の図面に図示されている。可能な限り、図面全体を通して、同一又は同様の部分を指すために同一又は同様の参照番号及び記号を用いる。図面の縮尺は正確でなく、当業者であれば、本開示の重要な側面を図示するために図面が簡略化されていることを認識するだろう。
頭字語IOXは、説明の文脈に応じて「イオン交換(ion exchange)」又は「イオン交換済み(ion exchanged)」を意味することができる。「IOX物品(IOX article)」は、少なくとも1つのIOXプロセスを用いて形成された物品を意味する。従って、DIOXプロセスによって形成された物品を本明細書ではIOX物品と呼ぶが、DIOX物品と呼ぶこともできる。
本明細書では、用語「ガラス系(glass based)」は、ガラス若しくはガラスセラミックを含むか又はこれらからなる、材料、物品、マトリックス、基板等を説明するために使用される。
IOX物品に関する圧縮応力プロファイルは、CS(x)で表され、本明細書では単に応力プロファイルとも呼ばれる。応力プロファイルに関する表面圧縮応力、又は単に「表面応力(surface stress)」は、CSで表され、x=0に関する圧縮応力プロファイルCS(x)の値であり、即ちCS=CS(0)であり、ここでx=0は、IOX物品の表面に対応する。
圧縮深さDOCは、IOX物品の表面から、圧縮応力CS(x)又はCS’(x)がゼロと交差する点までで測定された、IOX物品内へのx距離である。
屈曲部応力はCSで表され、スパイク領域(R1)と深部領域(R2)との間の屈曲部遷移点(深さD1)における圧縮応力の量であり、即ちCS(D1)=CSである。
スパイク領域R1は、基板表面からのスパイク深さを有し、これはD1及びDOLSPの両方として表され、後者はスパイク層深さ(spike depth of layer)とも呼ばれる。深部領域との区別を明確にするために、スパイク領域は「表面付近スパイク領域(near‐surface spike region)」とも呼ばれる。
深部領域R2は深さD2を有し、これはIOX領域全体の全層深さDOLとしても表される。
頭字語FWHMは「半値全幅(full‐width half maximum)」を意味する。
用語「好ましい測定ウインドウ(preferred measurement window)」及び「拡張された測定ウインドウ(extended measurement window)」は同義語である。
後に記載される特許請求の範囲は、この「発明を実施するための形態」に組み込まれてその一部を構成する。
例示的なプリズム結合システム及び測定方法は、例えば2016年12月8日公開の米国特許出願公開第2016/0356760号明細書「リチウムを含有するイオン交換済み化学強化済みガラスの特性決定方法(METHODS OF CHARACTERIZING ION‐EXCHANGED CHEMICALLY STRENGTHENED GLASSES CONTAINING LITHIUM)」(国際公開第2016/196748A1号明細書としても公開);2018年2月20日発行の米国特許第9,897,574号明細書「リチウムを含有するイオン交換済み化学強化済みガラスの特性決定方法(METHODS OF CHARACTERIZING ION‐EXCHANGED CHEMICALLY STRENGTHENED GLASSES CONTAINING LITHIUM)」;2017年7月28日出願の米国特許出願第62/538335号明細書「リチウムを含有するイオン交換済み化学強化済みガラスの屈曲部応力の測定の改良方法(METHODS OF IMPROVING THE MEASUREMENT OF KNEE STRESS IN ION‐EXCHANGED CHEMICALLY STRENGTHENED GLASSES CONTAINING LITHIUM)」;及び2017年1月3日発行の米国特許第9,534,981号明細書「層深さが大きなイオン交換導波路の特性決定のためのプリズム結合システム及び方法(prism‐coupling systems and methods for characterizing ion‐exchange waveguides with large depth‐of‐layer)」に記載されており、これらの文献はそれぞれ、参照によりその全体が本出願に援用される。
IOX物品
図1Aは、例示的なIOX物品10の立面図である。IOX物品10はガラス系基板20を備え、これは表面(上面)22を画定するマトリックス21を有し、上記マトリックスは、ベース(バルク)屈折率nと表面屈折率nとを有する。図1Bは、IOX物品10の、x‐y平面において得られた拡大断面図であり、この例示的なIOX物品を形成するために、表面22にわたって、及びマトリックス21の中に向かってx方向に行われる、例示的なDIOXプロセスを示す。
基板20はマトリックス21中に基板イオンISを含み、これは第1のイオンI1及び第2のイオンI2と交換される。第1のイオンI1及び第2のイオンI2は、公知の技法を用いて、マトリックス21中に順次、又は同時に導入できる。例えば、第2のイオンI2は、強化のためにKNO浴を介して導入されるKイオンとすることができ、その後、AgNO含有浴を介して導入されるAgイオンとすることができる第1のI1イオンを導入することで、表面22に隣接して抗菌特性が付加される。イオンI1及びI2を表す図1Bの円は、概略的な図示のためだけに使用されており、これらの円の相対的なサイズは、イオン交換に関与する実際のイオンのサイズ間のいずれの実際の関係を必ずしも表さない。図1Cは、IOX物品10を形成するDIOXプロセスの結果の概略図を示し、例示を容易にするために図1Cでは基板イオンISが省略されており、またこの基板イオンISは、マトリックス21を構成するものとして理解される。DIOXプロセスは、以下に説明するような表面付近スパイク領域R1及び深部領域R2を含むIOX領域24を形成する。IOX領域24は、光導波路26を画定する。
更に、イオンI1は、領域R1及びR2(以下で紹介及び説明される図2を参照)の両方において、タイプI2のイオンと同様に、相当な個数で存在し得る。1ステップイオン交換プロセスの場合でさえ、2つのIOX領域R1及びR2の形成を観察できるが、イオンI1及びI2の相対濃度には大きな差がある。ある例では、KNOとAgNOとの混合物を含有する浴中でのNa含有ガラス又はLi含有ガラスのイオン交換を用いて、Ag及びKがいずれも相当な濃度であるスパイク領域R1、並びに同様にAg及びKが相当な濃度である深部領域R2を得ることができるが、Kに対するAgの相対濃度は、深部領域R2よりもスパイク領域R1において非常に大きくなり得る。
図2は、図1Cに示されているもののような例示的なIOX物品10に関する例示的な屈折率プロファイルn(x)の図であり、比較的浅いイオン交換(イオンI1)に関連する、マトリックス21内への深さD1(又はDOLsp)を有するスパイク領域R1と、比較的深いイオン交換(イオンI2)に関連する、総層深さ(DOL)を画定する深さD2を有する深部領域R2とを示す。ある例では、DOLは少なくとも50μmであり、更にある例では、150μm又は200μmもの大きさとすることができる。スパイク領域R1と深部領域R2との間の遷移領域は、以下で説明するように、屈折率プロファイルn(x)の、また対応する応力プロファイルCS(x)の、屈曲部KNを画定する。
深部領域R2は実際には、スパイク領域R1の前に生成され得る。スパイク領域R1は基板表面22に隣接し、比較的急勾配で浅い(例えばD1は数ミクロン程度であってよい)が、深部領域R2は、勾配が比較的緩やかであり、上述の深さD2まで基板内へと比較的深く延在する。ある例では、スパイク領域R1は、基板表面22において最大屈折率nを有し、中間屈折率n(「屈曲部屈折率(knee index)」と呼ばれる場合もある)へと急激に落ち込むが、深部領域R2は、中間屈折率から基板(バルク)屈折率nへと、より緩やかに落ち込む。他のIOXプロセスは、急激でより浅い表面付近屈折率の変化をもたらす可能性があること、及びDIOXプロセスは例示のためにここで説明されていることを、ここに強調しておく。
以下で挙げられる脆性の基準に従うと、いくつかの例ではIOX物品10は脆性であるが、他の例では非脆性である。
プリズム結合システム
図3Aは、本開示の方法の態様を実施するために使用できる例示的なプリズム結合システム28の概略図である。プリズム結合システム28を用いたプリズム結合方法は、非破壊的なものである。この特徴は特に、研究開発目的のため及び製造時の品質管理のために、脆性のIOX物品を測定するために有用である。
プリズム結合システム28は、IOX物品10を操作可能に支持するよう構成された支持ステージ30を含む。プリズム結合システム28はまた、結合プリズム40を含み、これは、入力面42、結合面44、及び出力面46を有する。結合プリズム40は、屈折率n>nを有する。結合プリズム40はIOX物品10と接し、IOX物品10は、結合プリズムの結合面44及び表面22を光学的に接触させて界面50を画定することによって測定され、ある例では、上記界面50は厚さTHの界面(屈折率適合用)流体52を含むことができる。ある例では、プリズム結合システム28は、界面流体52を界面に供給するために界面50に流体接続された界面流体供給源53を含む。この構成により、異なる屈折率を有する複数の異なる界面流体52を展開することもできる。よってある例では、界面流体52の屈折率は、屈折率がより高い又はより低い界面流体を追加するための界面流体供給源53の操作によって変更できる。ある例では、界面流体供給源53はコントローラ150に動作可能に接続され、コントローラ150によって制御される。
ある例示的な測定では、界面50に空気圧接続された真空システム56を用いて、界面における真空の量を変更することにより、厚さTHを制御できる。ある例では、真空システムはコントローラ150に動作可能に接続され、コントローラ150によって制御される。
プリズム結合システム28は、入力光軸A1及び出力光軸A2を含み、これらはそれぞれ、結合プリズム40の入力面42及び出力面46を通過し、プリズム/空気界面における屈折を考慮した後で界面50において概ね収束する。プリズム結合システム28は、入力光軸A1に沿って、以下で説明されるような:波長λの測定光62を放出する光源60;任意の光学フィルタ66(あるいは、これは軸A2上の検出器経路に含まれる場合もある);散乱光62Sを形成する任意の光散乱素子70;及び集束(測定)光62Fを形成する任意の集束光学系80を、この順番で含む。よって、プリズム結合システム28のある例では、光源60とプリズムの入力面42との間には光学素子が存在しない。光源60から集束光学系80までの構成部品は、照明システム82を構成する。
プリズム結合システム28はまた、結合プリズム40から出力光軸A2に沿って:焦点面92及び焦点距離fを有し、以下で説明されるように反射光62Rを受信する、収集光学系90;TM/TE偏光子100;並びに光検出器システム130を含む。
入力光軸A1は、光源60と結合面44との間の入力光路OP1の中心を画定する。入力光軸A1はまた、測定されているIOX物品10の表面12に対する結合角度θを画定する。
出力光軸A2は、結合面44と光検出器システム130との間の出力光路OP2の中心を画定する。なお、入力光軸A1及び出力光軸A2は、屈折によってそれぞれ入力面42及び出力面46で曲げられる場合がある。またこれらは、入力光路OP1及び/又は出力光路OP2に鏡(図示せず)を挿入することによって、サブ経路へと分割される場合がある。
ある例では、光検出器システム130は、検出器(カメラ)110及びフレームグラバー120を含む。以下で説明される他の実施形態では、光検出器システム130は、CMOS又はCCDカメラを含む。図3Bは、光検出器システム130のTM/TE偏光子100及び検出器110の拡大立面図である。ある例では、TM/TE偏光子はTMセクション100TM及びTEセクション100TEを含む。光検出器システム130は光感受性表面112を含む。
光感受性表面112は収集光学系90の焦点面92に存在し、この光感受性表面は出力光軸A2に対して概ね垂直である。これは、結合プリズム出力面46を出た反射光62Rの角度方向の分布を、カメラ110のセンサ平面の横方向空間分布に変換する役割を果たす。ある例示的実施形態では、光感受性表面112はピクセルを備え、即ち検出器110はデジタル検出器、例えばデジタルカメラである。
図3Bに示すように、光感受性表面112をTEセクション112TEとTMセクション112TMとに分割することにより、角度反射スペクトル(モードスペクトル)113のデジタル画像の同時記録が可能となり、上記角度反射スペクトル113は、反射光62RのTE偏光及びTM偏光に関する個々のTEモードスペクトル113TE及びTMモードスペクトル113TMを含む。この同時検出により、システムパラメータが時間と共にドリフトする場合に、TE及びTMの測定を異なる時点において実施することによって生じ得る測定ノイズのソースが排除される。図3Cは、光検出器システム130によってキャプチャされたモードスペクトル113の概略図である。モードスペクトル113は、導波モードに関連する全内部反射(TIR)セクション115と、放射モード及び漏洩モードに関連する非TIRセクション117とを有する。TIRセクション115と非TIRセクション117との間の遷移領域116は臨界角を画定し、臨界角遷移領域116と呼ばれる。
TMモードスペクトル113TMはモード線又は干渉縞115TMを含み、TEモードスペクトル113TEはモード線又は干渉縞115TEを含む。モード線又は干渉縞115TM及び115TEは、プリズム結合システム28の構成に応じて、明るい線又は暗い線となり得る。図3Cでは、説明を容易にするために、モード線又は干渉縞115TM及び115TEは暗い線として図示されている。以下の記述では、用語「干渉縞(fringe)」は、より正式な用語「モード線(mode line)」の省略形として使用される。
応力特性は、モードスペクトル113内のTM干渉縞115TM及びTE干渉縞115TEの位置の違いに基づいて計算される。TMモードスペクトル113TMに関する少なくとも2つの干渉縞115TM、及びTEモードスペクトル113TEに関する少なくとも2つの干渉縞115TEが、表面応力CSの計算に必要となる。応力プロファイルCS(x)の計算には、更なる干渉縞が必要となる。
再び図3Aを参照すると、プリズム結合システム28はコントローラ150を含み、これはプリズム結合システムの動作を制御するよう構成される。コントローラ150はまた、光検出器システム130から、キャプチャされた(検出された)TE及びTMモードスペクトル画像を表す画像信号SIを受信して処理するようにも構成される。コントローラ150はまた、プロセッサ152及びメモリユニット(「メモリ(memory)」)154を含む。コントローラ150は、光源制御信号SLによって光源60の起動及び動作を制御でき、光検出器システム130から(例えば図示されているようにフレームグラバー120から)画像信号SIを受信して処理する。コントローラ150は、本明細書に記載の機能を実施するようにプログラム可能であり、上記機能としては、IOX物品10の上述の応力特性のうちの1つ以上の測定に到達するための、プリズム結合システム28の操作、及び画像信号SIの上述の信号処理が挙げられる。
IOX物品10の応力特性の適切な測定には、従来、プリズム結合システム28が集束光62Fを、IOX導波路26によってサポートされた十分な個数の導波モードに結合させることで、スパイク領域R1及び深部領域R2における屈折率プロファイルのうちの全てではないものの大半をサンプリングすることにより、測定されたモードスペクトル113が完全かつ正確となる、即ちIOX領域の一部のみではなくIOX領域24全体に関する情報を含むようにすることが必要である。
スパイク領域R1に関連する導波モード又は漏洩モードが臨界角に近い実効屈折率を有する場合、モードスペクトル113の臨界角遷移領域116の正確な位置の決定は困難となり得る。これは、強度プロファイルの最大勾配の通常の位置が、スパイク深さD1における、即ちスパイク領域と深部領域R2との間の遷移領域によって形成される屈曲部KN(図2を参照)における実際の実効屈折率から、わずかに異なる実効屈折率に対応する場合があるためである。上述のように、有効屈折率スペクトルの付近の導波モード又は漏洩モードによって引き起こされる共振は、屈曲部KNにおける屈折率に対応する実効屈折率付近の強度分布の形状を大幅に変化させる可能性がある。上述のように、これは、TE干渉縞115TE及びTM干渉縞115TMの個数の分数部分の計算、従ってスパイク深さD1の計算を大きく歪める可能性がある。これは特に、Naイオン及びKイオンを用いてIOX物品10を形成するDIOXプロセスを経たLi系ガラス基板20に当てはまる。
上述の計算の歪みにより、IOX物品10の品質管理のためにプリズム結合測定を使用する場合に、大きな制約が課される。というのは、屈曲部応力CSの正確な推定は、臨界角強度遷移領域がTM及びTE偏光の両方に関して乱れない狭い範囲の条件(即ち狭い測定プロセスウインドウ)においてのみ可能であるためである。
プリズム結合システム28を動作させて比較的大きな測定プロセスウインドウを提供する例示的な方法は、プリズム結合システムを、光源60からの光62の測定波長λを変化させるように構成することを必要とする。図3Aに示す例では、光源60は、それぞれ異なる測定波長λを放出するように構成された個別の発光素子61を用いて構成できる。それぞれλ1、λ2、及びλ3として表すことができる3つの例示的な測定波長λとしては、540nm、595nm、及び650nmを挙げることができる。ある例では、発光素子61は、発光ダイオード及びレーザダイオードのうちの少なくとも1つを備える。いくつかの実施形態では、各発光素子61が入力光軸A1上に存在し得る中心位置に比較的近接するように、複数の発光素子61を中心位置の周囲に配設する。ある例では、測定波長λは、540nm〜650nmの波長範囲に収まる。
既存の単波長照明システム82では、単一の発光素子61を入力光軸A1上の中心位置に位置決めできる。測定のための波長の切替時に、この中心位置から大きくシフトすることが問題となり得る。ある例では、発光素子61を回転式器具上に設置でき、この回転式器具は、複数の発光素子61のうちの1つを入力光軸A1上に位置決めする。
機械的手段を用いて発光素子61を光軸A1の約2mm〜3mm以内に移動させることができない場合に、光学的手段を使用できる。図3Dは、逆望遠鏡形態の例示的な光学系200の概略図である。光学系200は、入力光軸A1に沿って配設された、焦点距離f1の正レンズ210及び焦点距離f2の負レンズ220を含む。垂直の破線は、焦点距離f1及び焦点距離f2が入力光軸上の共通の一点に存在することを示している。
3つの軸外発光素子61が図示されており、これらはそれぞれ波長λ1、λ2、及びλ3を有する光62を放出する。光学系200の倍率Mは、f2/f1によって与えられる。ある例では、倍率を0.2倍とするために、f2=15mmかつf1=75mmである。この分数、即ち縮小は、光源60までの距離を約5倍に効果的に増大させるように作用し、結合プリズムの位置から見た場合に発光素子61をより近接させて、測定波長の各選択肢について、中心に近い照明を可能にする。これは図3Dにおいて、負レンズ220を出る3つの光線62が、発光素子61を出る3つの光線に比べて近接していることによって示されている。
光学系200の他の構成を用いて、縮小倍率の好適な量を画定できる。ある例では、光拡散器(例えば摩耗させた散乱面を有するガラス板)を、「f1,f2」で表された垂直の破線の付近に位置決めでき、3つの発光素子61のうちのいずれの1つを起動させると、この位置に比較的小さな輝点を形成できる。
ある関連構成では、2つの発光素子を3つの波長それぞれに使用し、各ペアを、光軸上の光源の中心位置の周りに直径方向に位置決めする。この構成により、モードスペクトル113をキャプチャする検出器(カメラ)110上で撮像される2次元角度スペクトルの中央を、より均一に照明できる。
いくつかの実施形態では、発光素子61を、単一の線に沿って配置してよい。例えば発光素子61は、回折格子(図示せず)を照明してよく、光ビーム62は、回折格子との相互作用の前後に、この光のうちの大部分が収集されて結合プリズム40に送られるように、レンズを用いて制御されてよい。回折格子は、わずかに異なる隣接した位置から発せられた複数のビームを一体化して、これらのビームを、プリズムの入口ファセットに向かう単一の一次方向に送ることで、入り口ファセットを通してプリズム‐サンプル界面を照明する役割を果たす。ある例では、回折格子は反射に使用でき、測定に利用される波長範囲の平均波長に対して実質的にブレーズさせることができ、これにより、この回折格子によってスペクトルが選択された光が、極めて高いパーセンテージで、測定プリズムの方向に回折される。
いくつかの実施形態では、発光素子61を、単一の線に沿って配置してよく、また最小の波長から最大の波長まで順番に配設してよい。発光素子61からの光62は、任意のレンズを通過した後、高分散プリズムを通過してよく、これは、わずかに異なる位置から発せられた、複数の発光素子からの光を一体化して、これらの光を、一体化のための分散プリズムと測定用の結合プリズムとを接続する1つの光路に概ね沿って送ることで、応力のプリズム結合測定を実施するために界面50を照明する。
いくつかの実施形態では、光源60は、連続的に調整可能な波長を有するように構成される。一例では、光源60は、広帯域LED及び調整可能なフィルタを備える。別の例では、光源60は、調整可能なレーザ、及びレーザスペックルを低減するための光拡散器を備える。調整可能なフィルタを用いる場合、以下で説明されるように、TMモードスペクトル113TM及びTEモードスペクトル113TEの両方が好ましい測定ウインドウ内に見出されるまで、波長を調整してよい。中央波長の5%という比較的小さな調整範囲を用いても、好ましい測定ウインドウの大幅な拡大を得ることができる。ある例では、好ましい調整範囲は、中央測定波長λの10%である。
いくつかの実施形態では、プリズム結合システム28は、IOX物品の異なるエリアに結合される複数の結合プリズム40を含むことができる。各結合プリズム40は、光源60からの異なる測定波長λによって照明されるように構成される。同様に、各結合プリズムからの反射光62Rは、1つの光検出器システム130によって、又は光感受性表面112の異なる部分において、又は別個の光検出器システムによって、検出できる。
そして、複数の結合プリズム40を用い、また複数の測定波長λを用いて、測定を、これらの波長のうちの1つにおいて、TM偏光状態及びTE偏光状態の両方に関して好ましい測定ウインドウ内での測定の要件が満たされるまで、実施できる。ある同様の実施形態では、単一の幅が広い結合プリズム40を、IOX物品10の広いエリアに接触させてよい。界面50の異なる複数の位置を、異なる測定波長λで同時に又は順次照明してよく、対応するモードスペクトル113は、別個の光検出器システム130を用いて、又は光感受性表面112の異なる複数の部分において、収集され、ここで光感受性表面112は、個別の測定が可能となる程度に十分に大きなものとされる。
プリズム結合システムを用いた測定方法
本開示の方法は、TMモードスペクトル113TM又はTEモードスペクトル113TEが、測定されているIOX物品10の少なくとも1つの応力関連特性の正確な測定を行うための好ましい(即ち十分に大きな)測定ウインドウ内にあるかどうかを同定する、異なる複数の方法を含む。TMモードスペクトル113TM又はTEモードスペクトル113TEのいずれかが好ましい測定ウインドウ内にない場合、上記方法は、プリズム結合システム28を異なる測定構成に設定するステップを含み、上記異なる測定構成に設定するステップは、IOX物品10の少なくとも1つの応力パラメータの更に正確な測定を得るために、TMモードスペクトル113TM及びTEモードスペクトル113TEの両方を好ましい測定ウインドウ内とすることができる。換言すれば、上記方法は、プリズム結合システムの測定構成を、スパイク領域R1を有するIOX物品の測定のために最適化することを対象としている。
プリズム結合システム28を異なる測定構成に設定するための第1の方法は、測定波長λを選択された量だけ変化させるステップを含む。第2の方法は、界面50の界面流体52の厚さTH及び屈折率nのうちの少なくとも1つを変化させるステップを含む。第3の方法は、第1の方法と第2の方法とを組み合わせる。
例示的な方法
上記方法の第1のステップでは、IOX物品10をプリズム結合システム28に装入し、上述のようにして第1のモードスペクトル113を収集する。
上記方法の第2のステップでは、第1のTMモードスペクトル113TM及び第1のTEモードスペクトル113TEを処理して、光検出器システム130の光感受性表面112がキャプチャした干渉縞115TM及び115TEそれぞれの位置に対する、TM信号及びTE信号の強度を得る。これは、結合角度θに対する強度に相当し、またこれは実効屈折率neffに対する強度にも相当する。というのは、光感受性表面112上での位置と、結合角度θと、IOX物品10内のIOX領域24によって画定される導波路26内を伝播する導波モードの実効屈折率neffとの間には、1対1の関係があるためである。
第3のステップでは、第2のステップで得られた位置データに対する強度を用いて、第1のTMモードスペクトル113TM及びTEモードスペクトル113TEが、プリズム結合システム28の好ましい測定ウインドウ内において得られた(又は存在する)かどうかを確立する。一例では、これは、TMモードスペクトル113TM及びTEモードスペクトル113TEに関する全(実数)モード数又は干渉縞数の分数部分を決定するステップを含む。上記全モード数は、特定の偏光(TM又はTE)に関する導波モードの個数に等しい整数部分を含み、これは、各モードスペクトル113TM又は113TEのTIRセクション117において発生する干渉縞115TM又は115TEの個数と同一である。TM干渉縞115TMの個数はNTMであり、TE干渉縞115TEの個数はNTEである。
本開示の方法のある態様は、TEモードスペクトル113TE及びTMモードスペクトル113TMの両方に関するモードの個数(モード個数)の分数部分FPを決定するステップを含む。図3Eは、図3Cと同様の例示的なモードスペクトル113の一部分の概略図であり、TEモードスペクトル113TE及びTMモードスペクトル113TMに関するモード個数の分数部分FPを決定できる方法を示している。
ある例では、モード個数の分数部分FPは、最低の実効屈折率neffを有する最後の導波モードと、臨界角遷移領域116に対応する実効屈折率neffとの間の距離を比較することによって決定される。臨界角を超える結合角度θに関して、入射光62Fは、その一部のみが反射されて反射光62Rを形成し、入射光のうちの反射されなかった部分は、漏洩モード又は放射モードとして、IOX物品10にスパイク深さD1よりはるかに深くまで侵入する。
臨界角に対応する実効屈折率neffは「臨界屈折率(critical index)」と呼ばれ、ncritで表される。場合によっては、臨界屈折率ncritは基板屈折率nと等しくなり得る。例えばこのような状況は、IOX物品10を、Na(例えばNaNO)を含有する浴中で化学強化されたLi含有ガラス基板20から形成した場合に発生し得る。
最後の導波モードと臨界角ncritとの間の距離は、最後の導波モードの屈折率と臨界屈折率との間の実効屈折率の差Δnに対応し、これは以下によって与えられる:
Δn=min(neff)−ncrit
ここでmin(neff)は、特定の偏光(TM又はTE)に関する全ての導波モードの有効屈折率のうち最小のものであり、ncritは、同じ偏光に関する臨界屈折率である。
モード数(即ち干渉縞の個数)NTM又はNTEの分数部分FPは、最後の導波モード115TE又は115TMと臨界屈折率ncritとの間の間隔を検査することによって見出される。いくつかの実施形態では、TM又はTEモード数の分数部分は、モード数に対する実効屈折率の依存度を外挿することによって、Δnを、次のモードまでの予測される間隔と比較することにより、決定される。いくつかの実施形態では、モード数に対する実効屈折率neffの依存度の当てはめを、整数の導波モードから得ることができる。この当てはめを外挿し、外挿された関数が測定されたncritと等しくなるモード数NTM又はNTEの値から、あるモード個数を臨界角ncritに割り当てる。干渉縞の個数に対する、所与のモードスペクトル113TM又は113TEにおける干渉縞115TM又は115TEの位置、又は干渉縞の個数に対する角度スペクトルの角度を直接用いて、これと同じ手順を実施することもできる。
干渉縞数の分数部分FPを決定する1つの方法は、所与のモードスペクトルの次の干渉縞である仮想干渉縞118を、臨界角遷移領域116が上記仮想干渉縞を遮るという事実に関して考慮するというものである。これは、既存の干渉縞の間隔に基づく外挿によって達成できる。最後の干渉縞115TE又は115TMから、対応する仮想干渉縞118までの距離は、DVFでああるため、モード(干渉縞)数の分数部分FPは、FP=Δn/DVFとなり、ここでΔn及びDVFは、複数のTMモードスペクトル113TM及びTEモードスペクトル113TEに関して異なる場合があることに留意されたい。
干渉縞数の分数部分FPを決定する別の方法は、モードが2つ又は3つしかない場合のものである。この場合、距離DVFを、図3Eにも示されているようなTIR‐PIR遷移領域に最も近い2つのモード間の間隔MSによって概算できる。
一例では、好ましい測定ウインドウ内となるためには、干渉縞数NTM又はNTEの分数部分FPは、ある選択された範囲内にある。一例では、干渉縞数の分数部分FPに対する上記範囲は、0.1〜0.85である。別の例では、干渉縞数の分数部分FPは0.15より大きくてよい。別の例では、干渉縞数の分数部分FPは、0.8未満、例えば0.75未満、又は0.70未満であってよい。従って、FPに対する例示的な範囲は、0.15及び0.75、又は0.15及び0.70を含む。TMモードスペクトル113M及びTEモードスペクトル113TEのうちの少なくとも一方の分数部分FPが、上記選択された範囲外である場合、プリズム結合システム28は、干渉縞数の分数部分FPを上記選択された範囲内とする異なる測定条件に設定され、これにより、IOX物品10の少なくとも1つの応力パラメータを、より良好な精度で決定できる。
別の例では、好ましい測定ウインドウ内となるためには、臨界角遷移領域116の形状(強度プロファイル)を大幅に変更するために十分に臨界屈折率ncritに近い導波モード又は漏洩モードが存在してはならない。というのは、臨界角遷移領域116の最大強度勾配の位置を用いて、IOX物品10の応力関連パラメータを決定しているためである。キャプチャされたプリズム結合スペクトルの臨界角遷移領域の強度に悪影響を及ぼす、導波モード又は漏洩モードの共振は、本明細書では「有害共振(offending resonance)」又は「有害モード(offending mode)」と呼ばれる。
本明細書中で使用される場合、光伝播モードは、その実効屈折率が臨界屈折率より高い場合に、「導波(guided)」モード又は「拘束(bound)」モードと呼ばれる。本明細書中で使用される場合、光伝播モードは、その実効屈折率が臨界屈折率より低い場合に、「漏洩(leaky)」モードと呼ばれる。漏洩モードは、その実効屈折率が臨界屈折率に比較的近い場合、特に最後の2つの導波モード、即ち特定の偏光に関する最低の実効屈折率を有する2つの導波モードのモード間隔に非常に近い場合に、伝送共振を生成する。
本明細書中で使用される場合「伝送共振(transmission resonance)」は、所与のモードスペクトル113TM又は113TEにおける強度のディップを指し、ここで強度は通常、neff<ncritに関して、実効屈折率の低下と共に単調減少する。モードスペクトルのディップが臨界角遷移領域116に極めて近くなると、最大勾配の位置が、わずかに大きな実効屈折率に向かってシフトし、これは、スパイク領域R1の底部付近の最低の材料屈折率に対応する。
同様に、臨界屈折率よりごくわずかに大きな実効屈折率を有する導波モードは、このモードに関する結合共振のゼロでない幅を原因として、臨界角遷移領域116の付近における強度を変化させ得る。このゼロでない幅は、結合強度、プリズム結合システム28内の光学系の分解能、及び測定エリアにおけるIOX物品10の反りによって引き起こされる収差を含む、複数の要因の結果であり得る。
上述の複数のケースのそれぞれにおいて、測定されたモードスペクトル113TM又は113TEにおける臨界角の見かけの位置は、対応する共振(拘束モード共振又は漏洩モード共振)が、実効屈折率に関する共振の幅とおおよそ同一であるか又はより小さな、臨界角からの距離内である場合に、大きくシフトする。
従って、導波モードが導波モード共振の幅の0.5FWHM以内、例えば0.6FWHM又は0.7FWHM以内である場合に、測定されたモードスペクトル113TM又は113TEは好ましい測定ウインドウの範囲外であると考えることができる。同様に、漏洩モードの最低強度点が漏洩モード共振の幅の0.5FWHM以内、例えば0.6FWHM又は0.7FWHM以内である場合に、測定されたモードスペクトル113TM又は113TEは好ましい測定ウインドウの範囲外であると考えられる。
漏洩モード共振が臨界屈折率ncritから多少離れている場合、共振は幅広かつ非対称であり、そのFWHMは、工業的測定条件において測定及び定義するのが困難である場合がある。従っていくつかの実施形態では、所与の漏洩モードが臨界角遷移領域116に悪影響を及ぼすかどうかを同定するために、異なる基準を用いることができる。このようなある方法では、漏洩モードの最低強度点(ディップ位置)と、臨界角遷移領域116の見かけの位置との間の距離を考慮する。
測定されたモードスペクトル113TM又は113TEは、漏洩モードディップ位置と遷移領域の見かけの位置との間の距離が、見かけの臨界角遷移領域から最も近い導波モード位置までの距離の0.2倍未満、又は見かけの臨界角遷移領域から最も近い導波モード位置までの距離の0.3、0.4、又は0.5倍未満である場合に、好ましい測定ウインドウ内であると考えることができる。この距離の選択は、スパイク領域R1の形状に少なくとも部分的に依存し、複数のIOX物品10において収集されたデータからの経験的エビデンスに基づいて選択できる。
別の例では、TMモードスペクトル113TM及びTEモードスペクトル113TEがいずれも好ましい測定ウインドウの範囲内であるかどうかの決定は、最も近いモード(干渉縞)の強度プロファイルの二次導関数と、この最も近いモードと臨界角遷移領域116の見かけの位置との間の距離との間の関係に基づく。定性的には、拘束モードに関する決定閾値が漏洩モードに関するものと同一である必要がないことを除いて、拘束モード及び漏洩モードに関するこの関係の分析のために、同一の方法が適用される。
いくつかの実施形態では、有害モードと見かけの臨界角遷移領域116との間の距離を、モード位置における光強度の二次導関数の平方根で除算された数値因子と比較する。これは、
単位ピーク値の共振ピークの多数のベル形状の強度分布に関する半値全幅(FWHM)が、(強度のディップの場合は最小値、又は強度のピークの場合は最大値における)共振の位置における強度の二次導関数の平方根の逆数に比例するという観察に基づいている。
例えば、単位ピーク値のローレンツ因子に関しては、FWHMはおよそ
Figure 2021520483
であり、単位ピーク値のガウス因子に関しては、FWHMはおよそ
Figure 2021520483
であり、双曲線正割に関しては、FWHMはおよそ
Figure 2021520483
であり、ここでI”は、スペクトルの水平変数(例えば位置、角度、実効屈折率、又は点の個数)に関する強度の二次導関数を表す。多くの場合、臨界角遷移領域116の見かけの位置は、遷移領域と近くのモードとの間の距離が、上記近くのモードの共振のFWHM幅の約1.8倍よりも大きい場合、この近くの(最も近い)モードの影響を実質的に受けない。
いくつかの実施形態では、同一の偏光状態に関する近くのモードの位置と(見かけの)臨界角遷移領域116との間の距離が、上記近くのモードの結合共振のFWHM幅の1.8倍未満である場合に、測定されたモードスペクトル113TM又は113TEは、好ましい測定ウインドウの範囲外であると考えられる。
いくつかの実施形態では、測定されたモードスペクトル113TM又は113TEは、それが、上記近くのモードの結合共振のFWHM幅の1.5倍未満、例えば上記近くのモードの結合共振のFWHM幅の1.2倍未満、1倍未満、0.8倍未満、0.6倍未満、又は0.5倍未満である場合に、好ましい測定ウインドウの範囲外であると考えられる。
測定されたモードスペクトル113TM又は113TEが好ましい測定ウインドウの範囲内であるか範囲外であるかを決定するための好ましい閾値比は、所与の応力パラメータ(例えば屈曲部応力CS)の測定に関する高い精度の重要性と、広い測定ウインドウを有することの重要性との間のトレードオフに基づくものであってよい。測定精度が重要になるほど、FWHMに対する許容可能な最小間隔は大きくなり、またその逆も成り立つ。
更に、所与のモードに対応する強度分布の形状が、ローレンツプロファイルによって十分に説明される場合、上記比の好ましい閾値は、例えば0.8〜1.8等のように高くすることができる。所与のモードが、ガウシアンプロファイルによって十分に説明される場合、上記比の好ましい閾値は、例えば0.5〜1.2等のように低くすることができる。
以上の考慮事項に基づいて、臨界角遷移領域116の見かけの位置と近くの有害モードとの間の距離が、およそ
Figure 2021520483
以下である場合に、測定されたモードスペクトル133TM又は113TEは、好ましい測定ウインドウの範囲外にあるとみなされる。これは、臨界角遷移領域116の見かけの位置の、最大でも無視できる程度のシフトを保証するために使用される、比較的顕密な基準である。様々な場合において、異なる複数の線形状、及び問題となっている応力パラメータ(例えば屈曲部応力CS)と好ましい測定ウインドウの幅との間の好ましいトレードオフについて、間隔に関するより厳密でない閾値を選択してよい。例えば間隔は、
Figure 2021520483
の8.5倍以下、例えば6.8、5.7、4.5、3.4、又は2.8倍以下であってよい。
更に、近いモードの形状がローレンツ関数から離れ、ガウス関数に近く、また測定ウインドウの最大化された幅がより高い優先順位である場合、このモードと遷移領域116の見かけの位置との間の間隔の好ましい閾値は、
Figure 2021520483
の2.4倍以下、例えば1.9、1.4、又は1.2倍以下であってよい。
近いモードの位置の二次導関数は、ローパスフィルタリングによって信号を平滑化するステップ、一次導関数を二値的に見出して、これをローパスフィルタリングで平滑化するステップ;続いて二次導関数を二値的に見出してこれを平滑化し、モード共振の位置における値を得るステップによって、見出すことができる。いくつかの実施形態では、二次導関数は、放物線(二次多項式)を、モード位置に最も近い信号に当てはめるステップ;及び当てはめ放物線の二次導関数を、モードの結合共振を表す第2の二次導関数として機能させるステップによって見出すことができる。二次導関数を見出すためのこのような方法は、当該技術分野において公知である。
更に、いくつかの実施形態では、最小強度が0に対応し、最大強度が1に対応する、又はその逆となるように、モード共振(導波モード又は漏洩モード)の付近の強度分布を正規化する。共振における導波モード又は漏洩モードとの最大結合が、反射された強度の局所的最小値に相当する、反射モードスペクトルの一例では、反射された強度のディップの底部における最小強度を強度分布全体から差し引き、第2の強度分布が最小値0を有するようにしてよい。次に、第2の強度分布にスケーリング係数を乗算して、局所的最小値の付近の最大値が1に等しくなるようにする。これにより、0〜1の範囲を有する、スケーリングされた正規化強度分布が提供される。この正規化手順の後に、二次導関数を計算してよい。
測定されたTMモードスペクトル113TM及びTEモードスペクトル113TEの両方が好ましい測定ウインドウ内であることが分かった場合、屈曲部応力CS、及び関連するパラメータ(例えばスパイクの深さD1、層深さDOL等)を決定できる。更に、TMモードスペクトル113TMが好ましい測定ウインドウ内であることが分かった場合、上記TMモードスペクトルと、同時に測定された関連するTEスペクトル113TEとを用いて、屈曲部応力CSを決定できるかどうかを決定する前にのみ、TM干渉縞数に基づいて層深さDOLを計算することを選択できる。
測定されたTMモードスペクトル113TM及びTEモードスペクトル113TEのうちの一方が、好ましい測定ウインドウの範囲外にあることが分かった場合、TMモードスペクトル113TM及びTEモードスペクトル113TEの別の(第2の)ペアを考慮する。モードスペクトル113TM及び113TEの第2のペアは、第1のTM及びTEスペクトルのうちの少なくとも一方が好ましい測定ウインドウ内にないことが決定された後で、収集できる。あるいは、モードスペクトル113TM及び113TEの第2のペアは、モードスペクトルの第1のペアを得る際に使用されたものと異なる測定条件に設定されたプリズム結合システム28を用いて、事前に収集できる。
ある例では、プリズム結合システム28の光源60は、光62が第2の測定に関して第1の測定とは異なる波長を有するように調整される。第2の波長は、好ましい測定ウインドウの連続性を提供するように選択でき、これにより、第1の波長に関する好ましい測定ウインドウにかろうじて収まるIOX物品10が、異なる波長を有する第2のスペクトルに関する好ましい測定ウインドウに収まる。
例えば、Li含有アルミノシリケートガラス系基板20から形成され、KIOXプロセスを用いて形成されたスパイク領域R1を有する、IOX物品を考える。測定されたモードスペクトル113TM又は113TEは、第1の測定波長である590nmにおいて、干渉縞約2.1〜約3個の全モード数を有する。計算された表面圧縮応力は、500〜900MPaである。
この特定の例示的なIOX物品10は、第1の波長よりも約1%〜15%だけ大きな第2の波長を用いた、モードスペクトル113TM及び113TEの第2の測定を利用して、干渉縞数の範囲を、全モード数が2.3〜2.7の好ましいプロセス(測定)ウインドウ内へとシフトさせることができる。
同様に、測定されたモードスペクトル113TM又は113TEから得られるモード数が、好ましい測定ウインドウの下端のすぐ下である場合(ここでは、干渉縞数が、干渉縞1.75〜2.1個の範囲に収まる場合)、第2の波長は、モード干渉縞数が好ましい測定ウインドウの範囲からどの程度外れるかに応じて、約1%〜25%だけ短くすることができる。
例えば18%、25%、又は30%といった、より大きな波長のシフトによって形成される、好ましい測定ウインドウのより大きなシフトを使用できる。測定波長のより大きなシフトを用いて、2つの異なる測定波長の測定ウインドウを組み合わせることで、より大きな測定ウインドウを確立できる。
ある例では、スパイクが、2つの近い測定波長の間の波長が好ましい測定ウインドウ内に収まることを要求する状態が回避される。ある例では、ベース屈折率nの上に表面屈折率増分Δnを有する線形形状を有するスパイクに関して、干渉縞数N、測定波長λ、及びスパイク深さD1又はDOLspの間の関係は:
Figure 2021520483
となる。
TMモードスペクトル113TMとTEモードスペクトル113TEとの間の干渉縞数の差は、2つのモードスペクトルの間のΔnの差に左右される。というのは、測定において、干渉縞数を決定する他のパラメータは、これら2つの偏光状態に関して同一であるためである。表面圧縮応力をCSで標識し、また屈曲部応力をCSとすると、2つの偏光の間のΔnの差は、(CS−CS)/SOCに概ね等しく、ここでSOCは応力光係数である。SOCは典型的には、大半の化学強化済みガラスに関して、3×10−6RIU/MPaの15%以内であり、ここでRIUは屈折率単位を表す。
Na系又はLi系ガラス基板20中に、Kを使用するIOXプロセスによって生成されるスパイクに関して、TMとTEとの間のΔnの差は通常、これら2つのΔn値の平均の約1/5.6である。Δnの応力誘発型複屈折をδnTM−TEで標識すると、2つの偏光の間の干渉縞数の差は:
Figure 2021520483
となり、
Figure 2021520483
である。
これは、TE偏光状態に関する干渉縞数が典型的には、TM偏光状態に関する干渉縞数の約10/11であることを意味している。従って、TEに関する干渉縞数は:
Figure 2021520483
だけ異なる。
モード数の差をTMモード数に関連付ける0.09の係数は、SOCの変動に伴ってわずかに変化し、3×10−6に対するSOCの比の平方根におおよそ比例する。約2×10−6から約4.5×10−6の範囲のSOCに関して、対応する係数は約0.073から約0.11まで変化する。
各偏光に関する好ましい測定ウインドウが、約0.1〜0.8、例えば約0.15〜0.75の、干渉縞数の分数部分FPを有することが確立されたため、各偏光に関する測定ウインドウは、干渉縞約0.6個にわたって広がることができる。TM干渉縞数とTE干渉縞数との間にオフセットがあるとすると、TM及びTE偏光の臨界屈折率の正確な測定を同時に得るための有効な好ましい測定ウインドウは、単偏光の好ましい測定ウインドウに比べて、TMとTEとのモード数の差だけ減少する。
約2.6個のTM干渉縞115TMを有するTMモードスペクトル113TMに関して:
Figure 2021520483
である典型的なガラスに関するある例では、好ましい測定ウインドウは、TM偏光のみに関する干渉縞約0.6個から、干渉縞0.6−(0.19〜0.29)=(0.31〜0.41)個まで減少する。同様に、3.6個のTM干渉縞115TMを有する目標TMモードスペクトル113TMに関して、好ましい測定ウインドウは、干渉縞約0.6個から、干渉縞0.6−(0.26〜0.40)=(0.2〜0.34)個まで減少する。前者の場合、減少はSOCの値に応じて約1/3〜1/2であり、後者の場合、減少は概ね、単偏光の好ましいウインドウの約1/2〜約2/3である。よって、TMモードスペクトル113TMとTEモードスペクトル113TEとの間の干渉縞数のオフセットにより、単一の好ましい測定ウインドウ内で得られる連続プロセスウインドウの有効幅が大幅に低減される。
第1の測定波長において測定された第1のTMスペクトル113TM又は第1のTEスペクトル113TEが、好ましい測定ウインドウに収まらない、いくつかの実施形態では、異なる(第2の)測定波長において測定されたモードスペクトルを用いて、TM及びTEスペクトルを好ましい測定ウインドウ内に位置決めする。干渉縞数が多い方のモードスペクトル(通常はTMスペクトル113TM)が、干渉縞約2.75〜3.15を有する場合、測定波長を上昇させて、TMスペクトルに関する干渉縞数を好ましい範囲2.15〜2.75とすることができる。
単一のより長い波長を用いて、カバーされていない範囲である干渉縞2.75〜3.15個を、好ましい測定ウインドウである干渉縞2.15〜2.75個へとシフトさせるために、この単一のより長い第2の波長は、第1の測定波長より少なくとも12%、好ましくは14%以上長いことが好ましい場合がある。
その一方で、干渉縞数が多い方の偏光状態で第1の測定波長において干渉縞2.75〜3.15個を有するIOX物品のいずれもが、第2の(より長い)波長において好ましい測定ウインドウの範囲外とならないように、測定の連続性を保証することが望ましい場合がある。よって、より長い第2の測定波長に関して、他方の偏光状態における干渉縞数が好ましい測定ウインドウの範囲外とならないことが好ましい場合がある。この例では、波長の変化を用いて、干渉縞2.15〜2.75個から、干渉縞約2.1個未満へと、モード数をシフトさせる。
ある例では、SOCがおよそ:
Figure 2021520483
である典型的なガラスに関して、高干渉縞数偏光は、第1の波長において干渉縞2.6〜2.75個を有してよく、低干渉縞数偏光は、干渉縞2.35〜2.55個を有してよい。よって、2.35という比較的少ない干渉縞数を有する例に関して、12%を超える波長の上昇により、上記比較的少ない干渉縞数は2.1未満に低下し、好ましい測定ウインドウの範囲外となる。
その一方で、モード干渉縞数2.55に関して、最大19.6%の波長の上昇により、対応するモードスペクトルが、干渉縞2.1〜2.8個という拡張された好ましい測定ウインドウ内に保持される。従って典型的なガラス基板に関して、第2の波長に関する波長の変化が第1の波長の20%を超えない、例えば第1の波長の12%を超えないことが好ましい。
いくつかの実施形態では、より長い波長への切り替えによって、問題となっている範囲である干渉縞2.75〜3.15個の全体をカバーすることにより、好ましい測定ウインドウの可能な最大の拡張を得るのではなく、2つ以上の波長の間で使用可能な好ましい測定ウインドウ内で、IOX物品10を連続的に測定できることが好ましい。従って、第1の波長の12%又は14%を超える波長の上昇が望ましいものとなり得るものの、必須ではない、又は非常に好ましいわけではない場合がある。その一方で、一部のガラスに関する20%未満の波長の上昇、又は大半のガラスに関する12%未満の波長の上昇は、好ましい測定ウインドウを、干渉縞2.1〜2.8個を有する標的測定スペクトルにセンタリングされた極めて多様なIOX物品10間で連続的に利用できるようにするために、極めて好ましいものとなり得る。
Figure 2021520483
の範囲内等の大幅に低いSOCを有する、あまり一般的でないガラスが存在し、これらに関しては、干渉縞数が少ない方の偏光に関して好ましい測定ウインドウから外れることなく、大幅に大きな波長の上昇が可能である。
Brewster又はB(ここで
Figure 2021520483
である)を単位として測定された応力光係数の4つの異なる値に関する好ましい波長変化の例が、以下の表1〜4で与えられる。これらの例は、2つの干渉縞数のうちの多い方が測定ウインドウの上端を超えているために、好ましい変化が波長の上昇であるケースに関して、与えられている。少ない方の干渉縞数が好ましい測定ウインドウの下端未満となる場合、好ましい変化は、より短い波長へのものであり、表1〜4の例と同様の波長のパーセンテージ変化が好ましい。
表1は、SOCが約1Bである材料に関する、様々な干渉縞数を有する測定ウインドウに関する好ましい波長変化を提供する。
Figure 2021520483
表2は、SOCが約2Bである材料に関する、様々な干渉縞数を有する測定ウインドウに関する好ましい波長変化を提供する。
Figure 2021520483
表3は、SOCが約3Bである材料に関する、様々な干渉縞数を有する測定ウインドウに関する好ましい波長変化を提供する。
Figure 2021520483
表4は、SOCが約4Bである材料に関する、様々な干渉縞数を有する測定ウインドウに関する好ましい波長変化を提供する。
Figure 2021520483
表1〜4の例は、場合によっては波長を第1の測定波長の約28%まで変化させることが有利となり得ることを実証している。多くの場合、例えば8〜24%といった大幅に小さな波長変化によって、主要な利益を得ることができる。偏光状態あたりの干渉縞が多いモードスペクトルほど、両方の波長に関して同時に好ましいウインドウ条件を達成するために必要な波長シフトが小さくなる。このような場合に関して、連続的で正確な品質管理用測定のカバレッジを有する十分に広い製造ウインドウを提供するためには、複数の別個の波長(3つ以上)が必要となる場合がある。
例示的なIOX物品
一例では、IOX物品10を、63.16モル%のSiO、2.37モル%のB、15.05モル%のAl、9.24モル%のNaO、5.88モル%のLiO、1.18モル%のZnO、0.05モル%のSnO、及び2.47モル%のPという組成を有し、また約3BのSOCを有する、ガラス基板20から形成した。化学強化のためのDIOXプロセスを採用した。第1のK‐LiIOXステップ(即ちKを内部拡散イオンI1として使用するIOXステップ)の後、TMモードスペクトル113TM及びTEモードスペクトル113TEはそれぞれ、第1の測定波長λ=590nmにおいて、2〜3個の干渉縞を有していた。第2のIOXステップの後、TMモードスペクトル113TM及びTEモードスペクトル113TEはそれぞれ、590nmにおいて3〜4個の干渉縞を有していた。Kベースのスパイク領域R1の形成に関連する表面応力CSは通常、500〜640MPaである。Naを内部拡散イオンI2として使用する第2のIOXステップの後の表面応力は、典型的には750〜950MPaである。
本明細書に記載の方法を用いると、545nm、590nm、及び640nmの測定波長λをそれぞれ中心とする3つの測定波長を用いた場合の、連続的で有効な好ましい測定ウインドウによって、ステップ1及びステップ2の両方に関する測定要件を満たすことができる。更にある例では、これらの測定波長において、測定光62のスペクトル帯域幅がそれぞれ約8nm、9nm、及び10nmを超えないことが好ましい。更に高い干渉縞コントラストに関しては、スペクトル帯域幅をそれぞれ4nm、5nm、及び6nmに制限できる。よって一例では、各測定波長のスペクトル帯域幅は10nm以下であり、また別の例では6nm以下である。
ステップ2の後において、干渉縞数が590nm測定ウインドウのエッジに近い場合、測定ウインドウの上端又は下端のいずれが590nmに近いかに応じて、測定波長を上昇又は低下させることにより、モードスペクトルを好ましい測定ウインドウ内に戻す。3つの測定波長の実装を用いる別の例では、最短の測定波長は約540nmであり、中央の測定波長は約595nmであり、最長の測定波長は約650nmである。
例として2つ又は3つの測定波長について上述したが、いずれの合理的な個数の測定波長を使用してよい。例えば、2つの測定波長を使用すると、測定ウインドウを最大で2倍増大させることができ、合理的な製造プロセスウインドウの屈曲部ズを満たすためには全く十分なものとなり得る。一方、スパイク深さD1が比較的大きく、偏光状態あたり複数の(例えば3つ、4つ若しくは5つ以上の)干渉縞を生成するいくつかの場合において、又はSOCが4B等のように極めて高い場合において、4つ以上の波長が好ましい場合がある。これらの複数の測定波長は、上述の3つの波長の例よりも近接して位置決めでき、それぞれ平均波長の7.6%及び9.2%の間隔を有し、上記平均波長は、これらの例では3つの測定波長の中央である。
ある例示的な方法は、屈曲部応力CSの測定における、及びスパイク深さDOLspの測定における、系統的誤差を抑制する。この系統的誤差の抑制は、異なる波長における好ましい測定ウインドウ間のシームレスな遷移領域を実現できるよう、複数の測定波長を、十分に近くなるように注意深く選択した場合に、基本的に完全なものとなり得る。これは、近接する波長の好ましい測定ウインドウが少なくともわずかに重なり合う場合があることを意味している。
表1〜4に列挙した例によって、上述のような重なり合いを保証する好ましい波長シフトの選択、及び製造条件の連続的な範囲をカバーできるサンプルの範囲に関する系統的誤差を実質的に含まない測定が可能となる。一方、波長が、ウインドウの重なり合いを保証する好ましい間隔よりわずかに大きく離間している場合、測定能力の最大限の拡張が得られるものの、系統的誤差は部分的にしか抑制されない。特定のIOX物品10が正確な測定からの逸脱を示す可能性は、複数の好ましい測定ウインドウによって製造範囲のカバレッジが大幅に増大することによってこのようなサンプルが減少したとしても、依然として存在する。
いくつかの実施形態では、TMスペクトル113TM及びTEスペクトル113TEのうちの少なくとも一方が好ましい測定ウインドウ内にない場合に行われる補正動作としては、問題となっているスペクトルを好ましい測定ウインドウ内とするのを支援するために、界面流体52(例えば屈折率オイル)の厚さを変更するステップが挙げられる。これは、界面流体を導波路26の一部とみなすことができることによって、可能となる。この補正動作によって解決される主要な問題は、屈曲部応力CSの正確な、即ち選択された許容誤差以内での決定である。測定波長における界面流体52の好ましい屈折率は、問題となっているスペクトルが発生する偏光状態に関する臨界屈折率より高い。更に、界面流体52の好ましい屈折率は、臨界屈折率よりも0.1以下だけ、例えば約0.06以下だけ、又は0.04以下だけ高い。いくつかの実施形態では、ガラスの表面における予測された屈折率(例えばカリウムスパイクの表面屈折率)に可能な限り近い屈折率を有するように、界面流体52を選択できる。
特に、界面流体屈折率nは、表面屈折率nの約0.004又は0.003以内であってよい。表面屈折率nは通常、スパイクにおける有意な表面応力により、TM偏光及びTE偏光に関して異なっているが、この差異は通常0.004未満であり、ほとんどの場合0.003未満である。上述のように、界面流体52は、結合プリズム40のプリズム結合面44とIOX物品10の表面12との間に存在し、界面流体の厚さTHは、真空システム56を用いて制御できる。まず、真空の量を比較的高くすることで、界面流体52の厚さTHを比較的小さく、例えば200nm以下、又は100nm以下とすることができる。界面流体52のこのような厚さTHによって、表面圧縮応力CS及びスパイク深さD1を十分な精度で測定できる。スパイク深さD1は、0.1マイクロメートル、又は0.2マイクロメートルも大きく推定される場合があるが、これは多くの場合に許容可能なものとなり得る。表面圧縮応力CSは、界面流体の厚さが実際には0.1マイクロメートル又は0.2マイクロメートルもある可能性が場合であっても、界面流体の厚さを0と仮定することによって、わずかに小さく推定される場合がある。
ある例では、界面流体52の厚さTHは、漏洩モードの実効屈折率を上昇させることによって、漏洩モードを導波路26の準導波モードに変えるように調整され、ここで準導波モードは、臨界角遷移領域に対応する屈折率よりも高い実効屈折率を有する。
別の例では、界面流体52の厚さTHは、漏洩モードの実効屈折率を上昇させることによって、漏洩モードを導波路26の準導波モードに変えることで、新たなモード数の分数部分FPが好ましい(拡張された)測定ウインドウMWE内に収まるように調整され、ここで界面流体の屈折率を、臨界角に対応する屈折率より高くすることができる。
別の例では、界面流体52の厚さTHは、漏洩モードの実効屈折率を低下させることによって、漏洩モードを導波路26の準導波モードに変えることで、新たなモード(干渉縞)数の分数部分FPが好ましい測定ウインドウMWE内に収まるように調整される。この場合、界面流体52の屈折率を、上記臨界角に対応する屈折率より低くすることができる。
別の例は、界面流体52の屈折率を変更することによって、漏洩モードの実効屈折率を変化させて、漏洩モードを、臨界角実効屈折率より高い実効屈折率を有する準導波モードに変えるステップを含む。この例はまた、干渉縞数の分数部分FPを、この分数部分FPが、好ましい測定ウインドウに関連する分数部分の範囲内に収まるように、変更するステップも含むことができる。本明細書中の記載では、界面流体52の屈折率を変更するステップは、第1の屈折率を有する第1の界面流体の少なくとも一部分を、第2の屈折率を有する第2の界面流体で置換するステップを含む。このプロセスを用いて、第1の屈折率と第2の屈折率との間の、基本的にいかなる屈折率でも画定できる。
プリズム結合システム28を所望の構成に配置してモードスペクトル113を収集した後、CS及びDOLの値を記録する。TMモードスペクトル113TM及びTEモードスペクトル113TEの両方が上述のように好ましい測定ウインドウ内に収まる場合、TM及びTE臨界屈折率ncritを、各臨界角遷移領域116の強度プロファイルの最も高い勾配の位置によって測定する。これにより複屈折の測定値が提供され、これを用いて屈曲部応力CSを計算する。
一方、TMモードスペクトル113TM及びTEモードスペクトル113TEのうちの少なくとも一方が好ましい測定ウインドウ内にない場合、問題となっているTMモードスペクトル又はTEモードスペクトルの漏洩モード又は導波モードが有害となり得、即ち臨界屈折率に近すぎる実効屈折率を有し、臨界角遷移領域116の見かけの位置に悪影響を及ぼす。この点において、例えば真空を低下させる(例えば圧力を上昇させる)ことによって、問題となっている漏洩モード又は導波モードの実効屈折率が、有害でなくなるように十分に上昇するまで、即ち臨界角遷移領域116が実質的に妨害されず、所与の偏光に関する臨界角(及びこれに伴って臨界屈折率)を正確に測定できる程度に、臨界屈折率より十分に高くなるまで、界面流体52の厚さTHを増大させることができる。
TM偏光及びTE偏光の両方に関する臨界角を同時に測定することが好ましいが、これは必須ではない。他方の偏光状態に関する第1の測定されたモードスペクトルが、補正動作の前に、好ましい測定ウインドウ内にあった場合、屈折率適合用流体52の元々の厚さを用いてこの他方の偏光状態に関して測定された臨界角位置を用いることによって、CSを測定できる。TMモードスペクトル113TM及びTEモードスペクトル113TEの両方の測定を同時に行うことを選択することは、経時的に発生し得るプリズム結合システム28のわずかな変化による誤差を回避するのに役立つ。
実験結果
図4は、リチウム系アルミノシリケートガラス基板20を用いて作製されたIOX物品10のための第1のIOXプロセスに関する、時間t1(時間)に対するスパイク深さD1(μm)のプロットである。白い四角は、595nmである単一の測定波長λにおいて動作する光源60を備えたプリズム結合システム28を用いて行われた測定である。黒い丸は、540nm、595nm、及び650nmを中央とする3つの異なる測定波長λにおいて動作するよう構成された光源60を備えたプリズム結合システム28を用いて行われた測定である。
単波長測定法に関する初期(「オリジナル(original)」)測定ウインドウMWOは、長破線で表されており、本明細書に記載の3波長測定法及びプリズム結合システムに関する拡張された(好ましい)測定ウインドウMWEは、短破線で示されている。3つの測定波長λを用いた、拡張された測定ウインドウMWEは、単波長測定ウインドウMWOに比べて大幅に拡張されている。IOXプロセスの時間は、IOX物品10の屈折率プロファイルを画定するため、IOXプロセスの時間の範囲がより広い、拡張された測定ウインドウMWEは、スパイクベースの屈折率プロファイルの範囲がより大きなIOX物品を、屈曲部応力CS等の少なくとも1つの応力特性に関して特性決定できることを意味する。
図5は、リチウム含有アルミノシリケートガラス基板20から形成された例示的なIOX物品10に関する、TMモード(干渉縞)数NTMに対する屈曲部応力CS(MPa)のプロットである。単波長測定は、595nmである測定波長λにおいて行われ、×で表される。3波長測定は、540nm、595nm、650nmの測定波長において行われ、黒い四角で表される。単波長測定は、モード数の増大に伴うCSの単調な連続的減少に従わないが、3波長測定は、20MPaを超えない比較的小さな測定ノイズによって制限される精度内で、このようなパターンに従う。モード数の増大は2ステップIOXプロセスによって得られ、ステップ1は全てのサンプルに対して同一であったが、ステップ2では、全て同一のステップ2用IOX浴を使用しながら、異なるサンプル間で拡散時間を変更した。TMモード(干渉縞)数は、このデータセットにおいてモード約3〜約4.5個の範囲内で変化した。TEモード数は、同一のデータセットに関して、TMモード数より約9%(干渉縞0.3〜0.4個)少なく、点線で囲ったデータ点に関する拡張された測定ウインドウの範囲外となっている。
図6は、図5で測定したものと同一のIOX物品10に関する、第1ステップのイオン交換時間(「ステップ1時間(step 1 time)」t1(時間)に対する、2ステップイオン交換(DIOX)後に測定された屈曲部応力CSのプロットである。CSの予想される傾向は、時間t1の増大に伴うゆっくりとした単調減少である。単波長(λ=595nm)測定は×で示されており、3波長(λ=540nm、595nm、及び650nm)測定結果は黒い四角で示されている。3つの波長が、連続的なカバレッジに最適なものから若干離れている場合であっても、3波長測定のためのデータ点は、単波長測定よりも良好に、予想された単調な傾向(破線)に適合する。よって、間隔が狭い2つ以上の測定波長(例えばλ=545nm、590nm、及び640nm)を放出する光源60を有するプリズム結合システム28は、予想された単調な傾向からの逸脱を大幅に低減し、これは、応力関連特性のより正確な測定につながる。
図7は図4と同様であり、595nmである単一の測定波長を有する単波長プリズム結合システム28(白い四角)、並びに540nm、595nm、及び650nmの3つの測定波長を有するプリズム結合システム28(黒い丸)を用いて行われた測定に関する、図6のIOX物品10に関するステップ1時間t1(時間)に対するスパイク深さD1(マイクロメートル)をプロットしている。単波長測定ウインドウMWOは長破線で示されており、拡張された測定ウインドウMWEは短破線で示されている。好ましい測定ウインドウの右上の縁部では、有害なTM漏洩モードがTM臨界角遷移領域116に近接していることにより、報告されたスパイク深さD1は正確な値より下に落ちている。同様に、好ましい測定ウインドウの左下の縁部では、有害なTE漏洩モードが、臨界角遷移領域116のあまりに近くに発生する。これらのプロットにおけるスパイク深さD1は、TMモードスペクトル113TMのみに基づいて測定されるため、スパイク深さD1が影響を受けなくても屈曲部応力CSが低く推定される場合がある。TEモードスペクトル113TE及びTMモードスペクトル113TMの両方からのデータを含むことにより、屈曲部応力のより正確な推定を得ることができる。
図8A及び8Bは、TMモードスペクトル113TM及びTEモードスペクトル113TEの概略図であり、それぞれ4つのTMモード及びTEモード又は干渉縞115TM及び115TEを含む。図8Aは、単測定波長に関するモードスペクトル113TM及び113TEを示し、図8Bは、545nm、590nm、及び640nmの3つの測定波長それぞれについて1ペアずつ、3ペアのモードスペクトル113TM及び113TEを示す。図8Aの単波長システムに関する有効な測定ウインドウMWOは、干渉縞約0.5個のサイズを有し、図3Bの3波長システムに関する拡張された測定ウインドウMWEは、干渉縞約0.9個、即ち単波長測定ウインドウMWOの約2倍である。
脆性
脆性の挙動、又は「脆性(frangibility)」は、ガラス系物品を衝突又は損傷に供した場合の特定の破断挙動を指す。本明細書中で使用される場合、ガラス系物品(及び特に本明細書中で考慮されているもの等のガラス系IOX物品10)は、脆性試験の結果として、ある試験範囲内で以下のうちの少なくとも1つを呈する場合に、非脆性であると考えられる:(1)最大寸法が少なくとも1mmの、4個以下の断片;及び/又は(2)割れ線の数以下の分岐の数。断片、分岐、及び割れ線は、衝突点を中心とするいずれの2インチ×2インチ(5.08cm×5.08cm)の正方形に基づいて計数される。従ってガラス系物品は、以下に記載されている手順に従って破壊が形成される衝突点を中心とするいずれの2インチ×2インチ(5.08cm×5.08cm)の正方形に関して、試験(1)及び(2)のうちの一方又は両方を満たす場合に、非脆性であると考えられる。様々な例において、化学強化済みIOX物品10は、脆性又は非脆性となり得る。
脆性試験では、衝突プローブをガラス系物品に接触させるが、衝突プローブがガラス系物品内に延在する深さは、連続的な接触の反復によって増大する。衝突プローブの深さの段階的な増大により、ガラスの脆性の挙動の正確な決定を妨げる過度な外力の印加を防止しながら、衝突プローブが形成する傷を張力領域に到達させる。一実施形態では、ガラス内の衝突プローブの深さは、反復のたびに約5μmだけ増大させることができ、衝突プローブは、反復の間にガラスとの接触から取り除かれる。試験範囲は、衝突点を中心とするいずれの2インチ×2インチ(5.08cm×5.08cm)の正方形である。
図9Aは、例示的なIOX物品10の形態の試験用ガラス系物品に対する非脆性の試験結果を示す。図9Aに示されているように、試験範囲は衝突点230を中心とする正方形であり、この正方形の1辺の長さαは2インチ(5.08cm)である。図9Aに示されている非脆性サンプルは、3つの断片242、並びに2つの割れ線240及び1つの分岐250を含む。従って図9Aに示されている非脆性IOX物品10は、最大寸法が少なくとも1mmの断片を4つ未満だけ内包し、分岐の数は割れ線の数以下である。本明細書中で使用される場合、割れ線は衝突点から始まり、断片は、断片のいずれの部分が試験範囲内に延在している場合に、試験範囲内にあると考えられる。
コーティング、接着層等を、本明細書に記載の強化ガラス物品と組み合わせて使用する場合があるが、このような外的な拘束は、ガラス系物品の脆性、又は脆性の挙動の決定時には使用されない。いくつかの実施形態では、ガラス系物品の破断挙動に影響を及ぼさないフィルムを脆性試験の前にガラス系物品に適用して、ガラス物品から断片が飛び出るのを防止し、試験を実施する人物のために安全性を向上させることができる。
図9Bは、例示的なIOX物品10の形態の試験用ガラス物品に対する脆性の試験結果を示す。脆性のIOX物品10は、最大寸法が少なくとも1mmの断片242を5つ含む。図9Bに示されているIOX物品10は、2つの割れ線240及び3つの分岐250を含み、割れ線より多くの分岐を形成している。従って図9Bに示されているサンプルは、4つ以下の断片、又は割れ線の数以下の分岐の数のいずれも呈していない。
本明細書に記載の脆性試験では、衝突は、強化ガラス物品内に存在する内部貯蔵エネルギを解放させるためにちょうど十分となる力で、ガラス系物品の表面に与えられる。即ち、点衝突力は、強化ガラス系物品の表面に少なくとも1つの新しい割れを形成して、圧縮応力CS領域(即ち層深さ)を通して中心張力CT下の領域まで上記割れを伸長させるために十分なものである。
添付の請求項において定義される本開示の精神又は範囲から逸脱することなく、本明細書に記載されているような本開示の好ましい実施形態に対して様々な修正を実施できることは、当業者には明らかであろう。従って本開示は、添付の請求項及びその均等物の範囲内である限り、そのような修正及び変形を包含する。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
ガラス系基板の光導波路を画定する表面付近スパイク領域及び深部領域による屈折率プロファイルを有する化学強化済み物品における、屈曲部応力を推定する方法であって、
上記方法は:
a)初期測定構成に設定されたプリズム結合システムを用いて、上記化学強化済み物品に関するTMモードスペクトル及びTEモードスペクトルを収集するステップ;
b)上記TMモードスペクトル及び上記TEモードスペクトルを検査して、上記TMモードスペクトル及び上記TEモードスペクトルが、選択された許容誤差内で屈曲部応力の正確な推定を生成できる好ましい測定ウインドウに収まらないことを見出すステップ;
c)上記プリズム結合システムの測定構成を1回以上変更して、新たなTMモードスペクトル及び新たなTEモードスペクトルが上記好ましい測定ウインドウ内に収まるまで、上記新たなTMモードスペクトル及び上記新たなTEモードスペクトルを測定するステップ;並びに
d)上記新たなTMモードスペクトル及び上記新たなTEモードスペクトルを用いて上記屈曲部応力を決定するステップ
を含む、方法。
実施形態2
上記測定構成を変更する上記ステップは:i)上記プリズム結合システムの測定光の波長;ii)上記プリズム結合システムの結合プリズムと上記光導波路との間の光結合を提供するために使用される界面流体の厚さ;及びiii)上記界面流体の屈折率のうちの少なくとも1つを変更するステップを含むことができる、実施形態1に記載の方法。
実施形態3
上記TMモードスペクトル及び上記TEモードスペクトルはそれぞれ、整数部分及び分数部分FPを有する干渉縞数を有し、
上記好ましい測定ウインドウに関して、上記TMモードスペクトル及び上記TEモードスペクトルそれぞれに関する上記分数部分FPは、0.1〜0.85である、実施形態1に記載の方法。
実施形態4
上記好ましい測定ウインドウに関して、上記TMモードスペクトル及び上記TEモードスペクトルそれぞれに関する上記分数部分FPは、0.15〜0.75である、実施形態3に記載の方法。
実施形態5
上記TMモードスペクトル及び上記TEモードスペクトルはそれぞれ、全内部反射(TIR)セクションと非TIRセクションとの間の臨界角遷移領域を備え、ここで上記TIRセクションは、位置を有する干渉縞を備え、また上記臨界角遷移領域に対して距離Δnという最も近い位置にある、最近接干渉縞を含み、
上記方法は:上記干渉縞の上記位置を上記非TIRセクションに外挿して、上記最近接干渉縞からの距離DVFを有する仮想干渉縞の位置を画定するステップ;及びFP=Δn/DVFの関係から上記分数部分FPを決定するステップを更に含む、実施形態3に記載の方法。
実施形態6
上記プリズム結合システムは、それぞれ異なる上記測定波長の光を放出する複数の発光素子を備える光源を備え、
上記測定構成を変更する上記ステップは、上記測定波長を調整するステップを含み、上記調整するステップは、上記発光素子のうちの1つをオフにして、上記発光素子のうちの別のものをオンにするステップを含む、実施形態1に記載の方法。
実施形態7
上記測定波長は、540nm〜650nmの波長範囲に収まる3つの異なる上記測定波長の間で変更できる、実施形態2に記載の方法。
実施形態8
上記測定波長を変更する上記ステップは、上記測定波長を少なくとも1%だけ変更するステップを含む、実施形態2に記載の方法。
実施形態9
上記測定波長を変更する上記ステップは、上記測定波長を1%〜25%だけ変更するステップを含む、実施形態8に記載の方法。
実施形態10
上記測定波長を変更する上記ステップは、上記測定波長を2%〜15%だけ変更するステップを含む、実施形態9に記載の方法。
実施形態11
ガラス系基板の光導波路を画定する表面付近スパイク領域及び深部領域を有する化学強化済み・イオン交換済み(IOX)物品における屈曲部応力の測定を実施する方法であって、
上記方法は:
a)上記光導波路の第1の横方向磁気(TM)モードスペクトル及び第1の横方向電気(TE)モードスペクトルを含む第1のモードスペクトルを、結合プリズムを有しかつ第1の構成に置かれたプリズム結合システムを用いて、収集するステップであって、上記第1の構成は、第1の測定波長、並びに上記結合プリズムと上記IOX物品との間の界面に存在する界面流体の厚さ及び屈折率によって画定される、ステップ;
b)上記第1のTMモードスペクトル及び上記第1のTEモードスペクトルを評価して、上記TMモードスペクトル及び上記TEモードスペクトルのうちの少なくとも1つが、上記屈曲部応力を選択された許容誤差内で推定できる好ましい測定ウインドウの範囲外にあることを見出すステップ;
c)上記測定波長、上記界面流体の上記厚さ、及び上記界面流体の上記屈折率のうちの少なくとも1つを調整することによって、上記プリズム結合システムを第2の構成とするステップ;
d)上記第2の構成の上記プリズム結合システムを用いて、上記光導波路の第2のTMモードスペクトル及び第2のTEモードスペクトルを含む第2のモードスペクトルを収集するステップであって、上記第2の構成は、上記第2のTMモードスペクトル及び上記第2のTEモードスペクトルを上記好ましい測定ウインドウ内とする、ステップ;並びに
e)上記第2のTMモードスペクトル及び上記第2のTEモードスペクトルを用いて、上記選択された許容誤差内で上記屈曲部応力を決定するステップ
を含む、方法。
実施形態12
上記動作a)、c)、及びd)は、上記動作b)の前に実施される、実施形態11に記載の方法。
実施形態13
上記動作c)は、上記測定波長のみを調整するステップを含む、実施形態11に記載の方法。
実施形態14
上記プリズム結合システムは、それぞれ異なる測定波長の光を放出する複数の発光素子を備える光源を備え、
上記動作c)は、上記測定波長を調整するステップを含み、上記調整するステップは、上記発光素子のうちの1つをオフにして、上記発光素子のうちの別のものをオンにするステップを含む、実施形態11に記載の方法。
実施形態15
上記異なる測定波長は、それぞれ10nm未満の波長帯を有する3つの異なる測定波長を含む、実施形態14に記載の方法。
実施形態16
上記異なる測定波長は、それぞれ6nm未満の波長帯を有する3つの異なる測定波長を含む、実施形態14に記載の方法。
実施形態17
上記異なる測定波長は、540nm〜650nmの波長範囲に収まる、実施形態14に記載の方法。
実施形態18
上記測定波長を調整する上記ステップは、上記測定波長を少なくとも1%だけ変更する、実施形態11に記載の方法。
実施形態19
上記測定波長を調整する上記ステップは、上記測定波長を1%〜25%だけ変更する、実施形態18に記載の方法。
実施形態20
上記測定波長を調整する上記ステップは、上記測定波長を2%〜15%だけ変更する、実施形態18に記載の方法。
実施形態21
上記測定波長を調整する上記ステップは、上記測定波長を3%〜11%だけ変更する、実施形態18に記載の方法。
実施形態22
上記TMモードスペクトル及び上記TEモードスペクトルはそれぞれ、整数部分及び分数部分FPを有する干渉縞数を有し、
上記好ましい測定ウインドウに関して、上記TMモードスペクトル及び上記TEモードスペクトルそれぞれに関する上記分数部分FPは、0.1〜0.85である、実施形態11に記載の方法。
実施形態23
上記好ましい測定ウインドウに関して、上記TMモードスペクトル及び上記TEモードスペクトルそれぞれに関する上記分数部分FPは、0.15〜0.75である、実施形態12に記載の方法。
実施形態24
上記TMモードスペクトル及び上記TEモードスペクトルはそれぞれ、全内部反射(TIR)セクションと非TIRセクションとの間の臨界角遷移領域を備え、ここで上記TIRセクションは、位置を有する干渉縞を備え、また上記臨界角遷移領域に対して距離Δnという最も近い位置にある、最近接干渉縞を含み、
上記方法は:上記干渉縞の上記位置を上記非TIRセクションに外挿して、上記最近接干渉縞からの距離DVFを有する仮想干渉縞の位置を画定するステップ;及びFP=Δn/DVFの関係から上記分数部分FPを決定するステップを更に含む、実施形態12に記載の方法。
実施形態25
上記動作c)は、上記界面流体の上記厚さのみを調整するステップを含む、実施形態11に記載の方法。
実施形態26
上記界面流体の上記厚さを調整する上記動作c)は、上記界面に供給される真空の量を変更するステップを含み、
上記真空の量の増大は、上記厚さを低減し、上記真空の量の低減は、上記厚さを増大させる、実施形態11に記載の方法。
実施形態27
上記光導波路は臨界角を有し、上記臨界角は臨界角実効屈折率を備え、また実効屈折率を有する漏洩モードをサポートし、
上記方法は:
上記界面流体の上記厚さを変更することで、上記漏洩モードの上記実効屈折率を変化させて、上記漏洩モードを、上記臨界角の実効屈折率より高い実効屈折率を有する準導波モードに変えるステップ
を更に含む、実施形態26に記載の方法。
実施形態28
上記界面流体の上記厚さを変更する上記ステップは、上記漏洩モードの上記実効屈折率を上昇させ、
上記界面流体は、上記臨界角実効屈折率より大きな屈折率を有する、実施形態27に記載の方法。
実施形態29
上記界面流体の上記厚さを変更する上記ステップは、上記漏洩モードの上記実効屈折率を低下させ、
上記界面流体は、上記臨界角実効屈折率より小さな屈折率を有する、実施形態27に記載の方法。
実施形態30
上記TMモードスペクトル及び上記TEモードスペクトルはそれぞれ、整数部分及び分数部分FPを有する干渉縞数を有し、
上記界面流体の上記厚さを変更する上記ステップは、上記干渉縞数の上記分数部分FPを、上記分数部分FPが上記好ましい測定ウインドウに関連する分数部分範囲内に収まるように、変化させる、実施形態27に記載の方法。
実施形態31
上記分数部分範囲は0.1〜0.85である、実施形態30に記載の方法。
実施形態32
上記分数部分範囲は0.15〜0.75である、実施形態30に記載の方法。
実施形態33
上記光導波路は臨界角を有し、上記臨界角は臨界角実効屈折率を備え、また実効屈折率を有する漏洩モードをサポートし、
上記方法は:
上記界面流体の上記屈折率を変更することで、上記漏洩モードの上記実効屈折率を変化させて、上記漏洩モードを、上記臨界角の実効屈折率より高い実効屈折率を有する準導波モードに変えるステップ
を更に含む、実施形態30に記載の方法。
実施形態34
上記TMモードスペクトル及び上記TEモードスペクトルはそれぞれ、整数部分及び分数部分FPを有する干渉縞数を有し、
上記界面流体の上記屈折率を変更する上記ステップは、上記干渉縞数の上記分数部分FPを、上記分数部分FPが上記好ましい測定ウインドウに関連する分数部分範囲内に収まるように、変化させる、実施形態33に記載の方法。
実施形態35
上記分数部分範囲は0.1〜0.85である、実施形態34に記載の方法。
実施形態36
上記分数部分範囲は0.15〜0.75である、実施形態35に記載の方法。
実施形態37
ガラス系基板内に形成されかつ光導波路を画定する表面付近スパイク領域及び深部領域を有する化学強化済み・イオン交換済み(IOX)物品の応力特性を測定するためのプリズム結合システムであって、
上記プリズム結合システムは:
g)入力面、出力面、及び結合面を有する結合プリズムであって、上記結合面は、基板上面の導波路と接することにより、界面流体屈折率及び厚さを備えた界面流体を有する界面を画定する、結合プリズム;
h)上記界面に空気圧接続され、上記界面における真空の量を変化させるよう構成された、真空システム;
i)上記界面に流体接続され、1つ以上の上記界面流体を上記界面に供給するよう構成された、界面流体供給源;
j)複数の異なる測定波長から選択可能な測定波長を有する測定光を放出する、光源システムであって、上記測定光は、上記結合プリズムの上記入力面を通して上記界面を照明することにより、上記結合プリズムの上記出力面から出る反射光を形成し、ここで上記反射光は、第1の横方向磁気(TM)モードスペクトル及び第1の横方向電気(TE)モードスペクトルを画定する、光源システム;
k)上記結合プリズムから上記反射光を受信して、上記第1のTMモードスペクトル及び上記第1のTEモードスペクトルを検出するよう配設された、光検出器システム;
l)コントローラであって:
a.上記第1のTMモードスペクトル及び上記第1のTEモードスペクトルを処理して、上記第1のTMモードスペクトル及び上記第1のTEモードスペクトルのうちの少なくとも1つが、上記第1のTMモードスペクトル及び上記第1のTEモードスペクトルから上記屈曲部応力を選択された許容誤差内で推定できるようにする好ましい測定ウインドウの範囲外にあることを見出す動作;
b.i)上記測定波長、ii)上記界面流体の上記厚さ、及びiii)上記界面流体の上記屈折率のうちの少なくとも1つを調整することによって、上記プリズム結合システムを第2の構成とする動作;
c.上記第2の構成の上記プリズム結合システムを用いて、第2のTMモードスペクトル及び第2のTEモードスペクトルを収集する動作であって、上記第2の構成は、上記第2のTMモードスペクトル及び上記第2のTEモードスペクトルを上記好ましい測定ウインドウ内とする、動作;並びに
d.上記第2のTMモードスペクトル及び上記第2のTEモードスペクトルを用いて、上記選択された許容誤差内で上記屈曲部応力を決定する動作
を実施するよう構成された、コントローラ
を備える、プリズム結合システム。
実施形態38
上記光源システムは波長可変レーザを備える、実施形態37に記載のプリズム結合システム。
実施形態39
上記光源システムは、複数の異なる上記測定波長のうちの1つをそれぞれ放出する複数の発光素子を備える、実施形態37に記載のプリズム結合システム。
実施形態40
上記複数の発光素子は、レーザダイオード又は発光ダイオードのうちの少なくとも一方を備える、実施形態39に記載のプリズム結合システム。
実施形態41
上記複数の異なる測定波長は540nm〜650nmである、実施形態37に記載のプリズム結合システム。
実施形態42
上記複数の異なる測定波長は、それぞれ10nm未満の波長帯を有する3つの異なる測定波長を含む、実施形態37に記載のプリズム結合システム。
実施形態43
上記異なる測定波長は、それぞれ6nm未満の波長帯を有する3つの異なる測定波長を含む、実施形態37に記載のプリズム結合システム。
実施形態44
上記異なる測定波長は、540nm〜650nmの波長範囲に収まる、実施形態37に記載のプリズム結合システム。
実施形態45
上記異なる測定波長は、互いから少なくとも1%だけ異なる、実施形態37に記載のプリズム結合システム。
実施形態46
上記異なる測定波長は、互いから1%〜25%だけ異なる、実施形態45に記載のプリズム結合システム。
実施形態47
上記異なる測定波長は、互いから2%〜15%だけ異なる、実施形態46に記載のプリズム結合システム。
実施形態48
上記異なる測定波長は、互いから3%〜11%だけ異なる、実施形態47に記載のプリズム結合システム。
実施形態49
上記TMモードスペクトル及び上記TEモードスペクトルはそれぞれ、整数部分及び分数部分FPを有する干渉縞数を有し、
上記好ましい測定ウインドウに関して、上記TMモードスペクトル及び上記TEモードスペクトルそれぞれに関する上記分数部分FPは、0.1〜0.85である、実施形態37に記載のプリズム結合システム。
実施形態50
上記好ましい測定ウインドウに関して、上記TMモードスペクトル及び上記TEモードスペクトルそれぞれに関する上記分数部分FPは、0.15〜0.75である、実施形態49に記載のプリズム結合システム。
実施形態51
上記TMモードスペクトル及び上記TEモードスペクトルはそれぞれ、全内部反射(TIR)セクションと非TIRセクションとの間の臨界角遷移領域を備え、ここで上記TIRセクションは、位置を有する干渉縞を備え、また上記臨界角遷移領域に対して距離Δnという最も近い位置にある、最近接干渉縞を含み、
上記プリズム結合システムは上記コントローラを更に備え、上記コントローラは:上記干渉縞の上記位置を上記非TIRセクションに外挿して、上記最近接干渉縞からの距離DVFを有する仮想干渉縞の位置を画定し、FP=Δn/DVFの関係から上記分数部分FPを決定する、実施形態49に記載のプリズム結合システム。
実施形態52
上記光導波路は臨界角を有し、上記臨界角は臨界角実効屈折率を備え、また実効屈折率を有する漏洩モードをサポートし、
上記プリズム結合システムを上記第2の構成にする上記動作は、上記真空システムを用いて上記界面の真空の量を変更することによって上記界面流体の上記厚さを変更することで、上記漏洩モードの上記実効屈折率を変化させて、上記漏洩モードを、上記臨界角の実効屈折率より高い実効屈折率を有する準導波モードに変えるステップを含む、実施形態37に記載のプリズム結合システム。
実施形態53
上記界面流体の上記厚さを変更する上記ステップは、上記漏洩モードの上記実効屈折率を上昇させ、
上記界面流体は、上記臨界角実効屈折率より大きな屈折率を有する、実施形態52に記載のプリズム結合システム。
実施形態54
上記界面流体の上記厚さを変更する上記ステップは、上記漏洩モードの上記実効屈折率を低下させ、
上記界面流体は、上記臨界角実効屈折率より小さな屈折率を有する、実施形態52に記載のプリズム結合システム。
実施形態55
上記TMモードスペクトル及び上記TEモードスペクトルはそれぞれ、整数部分及び分数部分FPを有する干渉縞数を有し、
上記界面流体の上記厚さを変更する上記ステップは、上記干渉縞数の上記分数部分FPを、上記分数部分FPが上記好ましい測定ウインドウに関連する分数部分範囲内に収まるように、変化させる、実施形態52に記載のプリズム結合システム。
実施形態56
上記分数部分範囲は0.1〜0.85である、実施形態55に記載のプリズム結合システム。
実施形態57
上記分数部分範囲は0.15〜0.75である、実施形態56に記載のプリズム結合システム。
実施形態58
上記光導波路は臨界角を有し、上記臨界角は臨界角実効屈折率を備え、また実効屈折率を有する漏洩モードをサポートし、
上記プリズム結合システムは:
上記界面流体供給源を用いて、上記界面流体の上記屈折率を変更することで、上記漏洩モードの上記実効屈折率を変化させて、上記漏洩モードを、上記臨界角の実効屈折率より高い実効屈折率を有する準導波モードに変えるステップ
を更に含む、実施形態37に記載のプリズム結合システム。
実施形態59
上記TMモードスペクトル及び上記TEモードスペクトルはそれぞれ、整数部分及び分数部分FPを有する干渉縞数を有し、
上記界面流体の上記屈折率を変更する上記ステップは、上記干渉縞数の上記分数部分FPを、上記分数部分FPが上記好ましい測定ウインドウに関連する分数部分範囲内に収まるように、変化させる、実施形態58に記載のプリズム結合システム。
実施形態60
上記分数部分範囲は0.1〜0.85である、実施形態59に記載のプリズム結合システム。
実施形態61
上記分数部分範囲は0.15〜0.75である、実施形態60に記載のプリズム結合システム。
実施形態62
ガラス系基板内に形成されかつ光導波路を画定する表面付近スパイク領域及び深部領域を有する化学強化済み・イオン交換済み(IOX)物品の応力特性を測定するためのプリズム結合システムであって、
上記プリズム結合システムは:
入力面、出力面、及び結合面を有する結合プリズムであって、上記結合面は、基板上面の導波路と接することにより、界面流体屈折率及び厚さを備えた界面流体を有する界面を画定する、結合プリズム;
選択可能な測定波長を有する測定光を放出するよう構成された光源システムであって、上記測定光は、上記結合プリズムの上記入力面を通して上記界面を照明することにより、上記結合プリズムの上記出力面から出る反射光を形成し、ここで上記反射光は、横方向磁気(TM)モードスペクトル及び横方向電気(TE)モードスペクトルを画定する、光源システム;
上記結合プリズムから上記反射光を受信して、初期測定波長において初期TMモードスペクトル及び初期TEモードスペクトルを検出するよう配設された、光検出器システム;
コントローラであって:
iv)上記初期TMモードスペクトル及び上記初期TEモードスペクトルを処理して、上記初期TMモードスペクトル及び上記初期TEモードスペクトルのうちの少なくとも1つが、上記初期TMモードスペクトル及び上記初期TEモードスペクトルから上記屈曲部応力を選択された許容誤差で推定できるようにする好ましい測定ウインドウの範囲外にあることを見出す動作;
v)上記光源の上記測定波長を、上記選択可能な測定波長に1回以上変更して、新たなTMモードスペクトル及び新たなTEモードスペクトルが上記好ましい測定ウインドウ内となるまで、それぞれ1つ以上の上記新たなTMモードスペクトル及び1つ以上の上記新たなTEモードスペクトルを収集する動作;並びに
vi)上記好ましい測定ウインドウ内にある上記新たなTMモードスペクトル及び上記新たなTEモードスペクトルを用いて、上記選択された許容誤差内で上記屈曲部応力を決定する動作
を実施するよう構成された、コントローラ
を備える、プリズム結合システム。
実施形態63
上記光源システムは波長可変レーザを備える、実施形態62に記載のプリズム結合システム。
実施形態64
上記光源システムは、上記選択可能な測定波長のうちの1つをそれぞれ放出する複数の発光素子を備える、実施形態62に記載のプリズム結合システム。
実施形態65
上記複数の発光素子は、レーザダイオード又は発光ダイオードのうちの少なくとも一方を備える、実施形態64に記載のプリズム結合システム。
実施形態66
上記選択可能な測定波長は540nm〜650nmである、実施形態62に記載のプリズム結合システム。
実施形態67
上記選択可能な測定波長は、それぞれ10nm未満の波長帯を有する3つの異なる測定波長を含む、実施形態62に記載のプリズム結合システム。
実施形態68
上記選択可能な測定波長は、それぞれ6nm未満の波長帯を有する3つの異なる測定波長を含む、実施形態62に記載のプリズム結合システム。
実施形態69
上記選択可能な測定波長は、互いから少なくとも1%だけ異なる、実施形態62に記載のプリズム結合システム。
実施形態70
上記選択可能な測定波長は、互いから1%〜25%だけ異なる、実施形態69に記載のプリズム結合システム。
実施形態71
上記選択可能な測定波長は、互いから2%〜15%だけ異なる、実施形態70に記載のプリズム結合システム。
実施形態72
上記選択可能な測定波長は、互いから3%〜11%だけ異なる、実施形態71に記載のプリズム結合システム。
実施形態73
上記TMモードスペクトル及び上記TEモードスペクトルはそれぞれ、整数部分及び分数部分FPを有する干渉縞数を有し、
上記好ましい測定ウインドウに関して、上記TMモードスペクトル及び上記TEモードスペクトルそれぞれに関する上記分数部分FPは、0.1〜0.85である、実施形態62に記載のプリズム結合システム。
実施形態74
上記好ましい測定ウインドウに関して、上記TMモードスペクトル及び上記TEモードスペクトルそれぞれに関する上記分数部分FPは、0.15〜0.75である、実施形態73に記載のプリズム結合システム。
実施形態75
上記TMモードスペクトル及び上記TEモードスペクトルはそれぞれ、全内部反射(TIR)セクションと非TIRセクションとの間の臨界角遷移領域を備え、ここで上記TIRセクションは、位置を有する干渉縞を備え、また上記臨界角遷移領域に対して距離Δnという最も近い位置にある、最近接干渉縞を含み、
上記プリズム結合システムは上記コントローラを更に備え、上記コントローラは:上記干渉縞の上記位置を上記非TIRセクションに外挿して、上記最近接干渉縞からの距離DVFを有する仮想干渉縞の位置を画定し、FP=Δn/DVFの関係から上記分数部分FPを決定する、実施形態73に記載のプリズム結合システム。
10 IOX物品
20 ガラス系基板
21 マトリックス
22 表面
24 IOX領域
26 光導波路、IOX導波路
28 プリズム結合システム
30 支持ステージ
40 結合プリズム
42 入力面
44 結合面
46 出力面
50 界面
52 界面流体、屈折率適合用流体
53 界面流体供給源
56 真空システム
60 光源
61 発光素子
62 測定光、光、光線、光ビーム
62F 集束光、入射光
62S 散乱光
62R 反射光
66 光学フィルタ
70 光散乱素子
80 集束光学系
82 照明システム
90 収集光学系
92 焦点面
100 TM/TE偏光子
100TE TEセクション
100TM TMセクション
110 検出器、カメラ
112 光感受性表面
112TE TEセクション
112TM TMセクション
113 角度反射スペクトル、モードスペクトル
113TE TEモードスペクトル
113TM TMモードスペクトル
115 全内部反射(TIR)セクション、TIRセクション
115TE モード線又は干渉縞、TE干渉縞
115TM モード線又は干渉縞、TM干渉縞
116 遷移領域、臨界角遷移領域
117 非TIRセクション
120 フレームグラバー
130 光検出器システム
150 コントローラ
152 プロセッサ
154 メモリユニット
200 光学系
210 正レンズ
220 負レンズ
230 衝突点
240 割れ線
242 断片
250 分岐

Claims (15)

  1. ガラス系基板の光導波路を画定する表面付近スパイク領域及び深部領域による屈折率プロファイルを有する化学強化済み物品における、屈曲部応力を推定する方法であって、
    前記方法は:
    a)初期測定構成に設定されたプリズム結合システムを用いて、前記化学強化済み物品に関するTMモードスペクトル及びTEモードスペクトルを収集するステップ;
    b)前記TMモードスペクトル及び前記TEモードスペクトルを検査して、前記TMモードスペクトル及び前記TEモードスペクトルが、選択された許容誤差内で屈曲部応力の正確な推定を生成できる好ましい測定ウインドウに収まらないことを見出すステップ;
    c)前記プリズム結合システムの測定構成を1回以上変更して、新たなTMモードスペクトル及び新たなTEモードスペクトルが前記好ましい測定ウインドウ内に収まるまで、前記新たなTMモードスペクトル及び前記新たなTEモードスペクトルを測定するステップ;並びに
    d)前記新たなTMモードスペクトル及び前記新たなTEモードスペクトルを用いて前記屈曲部応力を決定するステップ
    を含む、方法。
  2. 前記測定構成を変更する前記ステップは:i)前記プリズム結合システムの測定光の波長;ii)前記プリズム結合システムの結合プリズムと前記光導波路との間の光結合を提供するために使用される界面流体の厚さ;及びiii)前記界面流体の屈折率のうちの少なくとも1つを変更するステップを含むことができる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記プリズム結合システムは、それぞれ異なる前記測定波長の光を放出する複数の発光素子を備える光源を備え、
    前記測定構成を変更する前記ステップは、前記測定波長を調整するステップを含み、前記調整するステップは、前記発光素子のうちの1つをオフにして、前記発光素子のうちの別のものをオンにするステップを含む、請求項1に記載の方法。
  4. ガラス系基板の光導波路を画定する表面付近スパイク領域及び深部領域を有する化学強化済み・イオン交換済み(IOX)物品における屈曲部応力の測定を実施する方法であって、
    前記方法は:
    a)前記光導波路の第1の横方向磁気(TM)モードスペクトル及び第1の横方向電気(TE)モードスペクトルを含む第1のモードスペクトルを、結合プリズムを有しかつ第1の構成に置かれたプリズム結合システムを用いて、収集するステップであって、前記第1の構成は、第1の測定波長、並びに前記結合プリズムと前記IOX物品との間の界面に存在する界面流体の厚さ及び屈折率によって画定される、ステップ;
    b)前記第1のTMモードスペクトル及び前記第1のTEモードスペクトルを評価して、前記TMモードスペクトル及び前記TEモードスペクトルのうちの少なくとも1つが、前記屈曲部応力を選択された許容誤差内で推定できる好ましい測定ウインドウの範囲外にあることを見出すステップ;
    c)前記測定波長、前記界面流体の前記厚さ、及び前記界面流体の前記屈折率のうちの少なくとも1つを調整することによって、前記プリズム結合システムを第2の構成とするステップ;
    d)前記第2の構成の前記プリズム結合システムを用いて、前記光導波路の第2のTMモードスペクトル及び第2のTEモードスペクトルを含む第2のモードスペクトルを収集するステップであって、前記第2の構成は、前記第2のTMモードスペクトル及び前記第2のTEモードスペクトルを前記好ましい測定ウインドウ内とする、ステップ;並びに
    e)前記第2のTMモードスペクトル及び前記第2のTEモードスペクトルを用いて、前記選択された許容誤差内で前記屈曲部応力を決定するステップ
    を含む、方法。
  5. 前記動作a)、c)、及びd)は、前記動作b)の前に実施される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記動作c)は、前記測定波長のみを調整するステップを含む、請求項4に記載の方法。
  7. 前記プリズム結合システムは、それぞれ異なる測定波長の光を放出する複数の発光素子を備える光源を備え、
    前記動作c)は、前記測定波長を調整するステップを含み、前記調整するステップは、前記発光素子のうちの1つをオフにして、前記発光素子のうちの別のものをオンにするステップを含む、請求項4に記載の方法。
  8. 前記異なる測定波長は、540nm〜650nmの波長範囲に収まる、請求項7に記載の方法。
  9. 前記TMモードスペクトル及び前記TEモードスペクトルはそれぞれ、整数部分及び分数部分FPを有する干渉縞数を有し、
    前記好ましい測定ウインドウに関して、前記TMモードスペクトル及び前記TEモードスペクトルそれぞれに関する前記分数部分FPは、0.1〜0.85である、請求項1又は4に記載の方法。
  10. 前記動作c)は、前記界面流体の前記厚さのみを調整するステップを含む、請求項4に記載の方法。
  11. ガラス系基板内に形成されかつ光導波路を画定する表面付近スパイク領域及び深部領域を有する化学強化済み・イオン交換済み(IOX)物品の応力特性を測定するためのプリズム結合システムであって、
    前記プリズム結合システムは:
    a)入力面、出力面、及び結合面を有する結合プリズムであって、前記結合面は、基板上面の導波路と接することにより、界面流体屈折率及び厚さを備えた界面流体を有する界面を画定する、結合プリズム;
    b)前記界面に空気圧接続され、前記界面における真空の量を変化させるよう構成された、真空システム;
    c)前記界面に流体接続され、1つ以上の前記界面流体を前記界面に供給するよう構成された、界面流体供給源;
    d)複数の異なる測定波長から選択可能な測定波長を有する測定光を放出する、光源システムであって、前記測定光は、前記結合プリズムの前記入力面を通して前記界面を照明することにより、前記結合プリズムの前記出力面から出る反射光を形成し、ここで前記反射光は、第1の横方向磁気(TM)モードスペクトル及び第1の横方向電気(TE)モードスペクトルを画定する、光源システム;
    e)前記結合プリズムから前記反射光を受信して、前記第1のTMモードスペクトル及び前記第1のTEモードスペクトルを検出するよう配設された、光検出器システム;
    f)コントローラであって:
    a.前記第1のTMモードスペクトル及び前記第1のTEモードスペクトルを処理して、前記第1のTMモードスペクトル及び前記第1のTEモードスペクトルのうちの少なくとも1つが、前記第1のTMモードスペクトル及び前記第1のTEモードスペクトルから前記屈曲部応力を選択された許容誤差内で推定できるようにする好ましい測定ウインドウの範囲外にあることを見出す動作;
    b.i)前記測定波長、ii)前記界面流体の前記厚さ、及びiii)前記界面流体の前記屈折率のうちの少なくとも1つを調整することによって、前記プリズム結合システムを第2の構成とする動作;
    c.前記第2の構成の前記プリズム結合システムを用いて、第2のTMモードスペクトル及び第2のTEモードスペクトルを収集する動作であって、前記第2の構成は、前記第2のTMモードスペクトル及び前記第2のTEモードスペクトルを前記好ましい測定ウインドウ内とする、動作;並びに
    d.前記第2のTMモードスペクトル及び前記第2のTEモードスペクトルを用いて、前記選択された許容誤差内で前記屈曲部応力を決定する動作
    を実施するよう構成された、コントローラ
    を備える、プリズム結合システム。
  12. 前記複数の異なる測定波長は540nm〜650nmである、請求項11に記載のプリズム結合システム。
  13. ガラス系基板内に形成されかつ光導波路を画定する表面付近スパイク領域及び深部領域を有する化学強化済み・イオン交換済み(IOX)物品の応力特性を測定するためのプリズム結合システムであって、
    前記プリズム結合システムは:
    入力面、出力面、及び結合面を有する結合プリズムであって、前記結合面は、基板上面の導波路と接することにより、界面流体屈折率及び厚さを備えた界面流体を有する界面を画定する、結合プリズム;
    選択可能な測定波長を有する測定光を放出するよう構成された光源システムであって、前記測定光は、前記結合プリズムの前記入力面を通して前記界面を照明することにより、前記結合プリズムの前記出力面から出る反射光を形成し、ここで前記反射光は、横方向磁気(TM)モードスペクトル及び横方向電気(TE)モードスペクトルを画定する、光源システム;
    前記結合プリズムから前記反射光を受信して、初期測定波長において初期TMモードスペクトル及び初期TEモードスペクトルを検出するよう配設された、光検出器システム;
    コントローラであって:
    i)前記初期TMモードスペクトル及び前記初期TEモードスペクトルを処理して、前記初期TMモードスペクトル及び前記初期TEモードスペクトルのうちの少なくとも1つが、前記初期TMモードスペクトル及び前記初期TEモードスペクトルから前記屈曲部応力を選択された許容誤差で推定できるようにする好ましい測定ウインドウの範囲外にあることを見出す動作;
    ii)前記光源の前記測定波長を、前記選択可能な測定波長に1回以上変更して、新たなTMモードスペクトル及び新たなTEモードスペクトルが前記好ましい測定ウインドウ内となるまで、それぞれ1つ以上の前記新たなTMモードスペクトル及び1つ以上の前記新たなTEモードスペクトルを収集する動作;並びに
    iii)前記好ましい測定ウインドウ内にある前記新たなTMモードスペクトル及び前記新たなTEモードスペクトルを用いて、前記選択された許容誤差内で前記屈曲部応力を決定する動作
    を実施するよう構成された、コントローラ
    を備える、プリズム結合システム。
  14. 前記光源システムは:
    波長可変レーザ;及び/又は
    前記選択可能な測定波長のうちの1つをそれぞれ放出する複数の発光素子
    を備える、請求項11又は13に記載のプリズム結合システム。
  15. 前記選択可能な測定波長は540nm〜650nmである、請求項13に記載のプリズム結合システム。
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