JP2016109592A - 屈折率分布計測方法、屈折率分布計測装置、及び光学素子の製造方法 - Google Patents

屈折率分布計測方法、屈折率分布計測装置、及び光学素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 被検レンズの屈折率分布を高精度に計測する。【解決手段】 形状及び屈折率が既知の第1基準レンズ120と被検レンズ60の第1面とを近接させて第1の干渉縞を測定し、形状及び屈折率が既知の第2基準レンズ125と被検レンズ60の第2面とを近接させて第2の干渉縞を測定し、第1基準レンズ120と被検レンズ60と第2基準レンズ125を通った光の透過波面を測定する。第1の干渉縞から被検レンズ60の第1面の形状を算出し、第2の干渉縞から被検レンズ60の第2面の形状を算出し、第1基準レンズ120の屈折率と第2基準レンズ125の屈折率と被検レンズ60の第1面の形状と第2面の形状と透過波面とを用いて、被検レンズ60の屈折率分布を算出する。【選択図】 図1

Description

本発明は、光学素子の屈折率分布を計測する屈折率分布計測方法及び屈折率分布計測装置に関する。
モールドによるレンズ製造方法では、形状、屈折率、屈折率分布の3つの物理量が設計値から乖離する。特に、レンズ内部に発生する屈折率分布は、光学性能に悪影響を及ぼす。そのため、モールドレンズの製造には、形状および屈折率が設計値と異なるという条件のもとで、モールド後のレンズの屈折率分布を計測する技術が必要である。
特許文献1に開示された計測方法では、被検物の屈折率と略同じ屈折率を有し、被検物の面形状と逆の面形状を有する第1および第2基準素子で被検物を挟み、第1及び第2基準素子と被検物との隙間にマッチングオイルを充填させて測定セルを構成する。そして、測定セルの干渉縞を測定し、干渉縞から位相分布データを算出し、屈折率の基準値との差をとることで被検物の屈折率分布を求める。
特許文献2に開示された計測方法では、第1反射面で反射された反射波面と第2反射面で反射された反射波面とにより形成される干渉パターンから、被検物が光路上に有る状態と無い状態それぞれの光路長分布を求める。そして、被検物が光路上に有る状態で、第1反射面で反射された反射波面と被検物の一方の側面で反射された反射波面とにより形成される干渉パターンから光路長分布を求める。さらに、被検物が光路上に有る状態で、第2反射面で反射された反射波面と被検物の他方の側面で反射された反射波面とにより形成される干渉パターンから光路長分布を求める。最後に、4つの光路長分布から、被検物の透過波面の形状を計測する。
特開2014−196966号公報 特開平01−257229号公報
特許文献1に開示された計測方法では、被検物の屈折率とほぼ等しい屈折率を有するマッチングオイルが必要である。しかしながら、高い屈折率を有する被検物に対しては、マッチングオイルの作製が困難である。マッチングオイルを使用しない場合、被検物の形状誤差(設計値からの乖離)が、屈折率分布の誤差となって現れる。
特許文献2で開示された計測方法では、高屈折率の光学素子の屈折率分布を計測できるが、被検物の側面が平面であることを前提としている。レンズ形状の被検物の屈折率分布を計測するためには、被検物を平板状に加工する必要がある。被検物の加工は、コストがかかるだけでなく、被検物に蓄積されていた応力が加工の際に解放されることにより、被検物の屈折率分布が変化してしまうため、屈折率分布を正確に計測することが難しい。
本発明は、被検レンズの屈折率分布を非破壊かつ高精度に計測することができる屈折率分布計測方法および屈折率分布計測装置を提供することを例示的な目的とする。
本発明の一側面としての屈折率分布計測方法は、形状及び屈折率が既知の第1基準レンズと被検レンズの第1面とを近接させて、第1の干渉縞を測定する第1干渉縞測定ステップと、形状及び屈折率が既知の第2基準レンズと被検レンズの第2面とを近接させて、第2の干渉縞を測定する第2干渉縞測定ステップと、第1基準レンズと被検レンズと第2基準レンズを通った光の透過波面を測定する透過波面測定ステップと、第1の干渉縞から被検レンズの第1面の形状を算出する第1形状算出ステップと、第2の干渉縞から被検レンズの第2面の形状を算出する第2形状算出ステップと、第1基準レンズの屈折率と第2基準レンズの屈折率と被検レンズの第1面の形状と第2面の形状と透過波面とを用いて、被検レンズの屈折率分布を算出する屈折率分布算出ステップと、を有することを特徴とする。
尚、光学素子をモールドするステップと、上記の屈折率分布計測方法を用いて光学素子の屈折率分布を計測することによって、モールドされた光学素子の光学性能を評価するステップとを含む光学素子の製造方法も、本発明の他の一側面を構成する。
また、本発明のさらに他の一側面としての屈折率分布計測装置は、形状及び屈折率が既知の第1基準レンズと被検レンズの第1面とを近接させて、第1の干渉縞を測定する第1干渉縞測定手段と、形状及び屈折率が既知の第2基準レンズと被検レンズの第2面とを近接させて、第2の干渉縞を測定する第2干渉縞測定手段と、第1基準レンズと被検レンズと第2基準レンズを通った光の透過波面を測定する透過波面測定手段と、第1の干渉縞から被検レンズの第1面の形状を算出し、第2の干渉縞から被検レンズの第2面の形状を算出する形状算出手段と、第1基準レンズの屈折率と第2基準レンズの屈折率と被検レンズの第1面の形状と第2面の形状と透過波面とを用いて、被検レンズの屈折率分布を算出する屈折率分布算出手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、被検レンズの屈折率分布を非破壊かつ高精度に計測することができる。
本発明における実施例1の屈折率分布計測装置の概略構成を示す図。 実施例1における被検レンズの屈折率分布の算出手順を示すフローチャート。 実施例1において被検レンズ上に定義された座標系と計測装置内での光線の光路を示す図。 本発明における実施例2の屈折率分布計測装置の概略構成を示す図。 実施例2における被検レンズの屈折率分布の算出手順を示すフローチャート。 本発明の光学素子の製造方法の製造工程を示す図。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施例について説明する。
図1は、本発明における実施例1の屈折率分布計測装置の概略構成を示している。計測装置は、光源10、被検レンズ60の第1面の反射光を検出する検出器80、被検レンズ60の第2面の反射光を検出する検出器81、被検レンズ60の透過光を検出するシャックハルトマンセンサ85、コンピュータ90を有する。計測装置は、第1基準レンズ120、被検レンズ60、第2基準レンズ125について、干渉縞と透過波面を測定することにより、被検レンズ60の屈折率分布を計測する。本実施例では、被検レンズは正の屈折力を有するレンズであるが、屈折力の正負に依らず、屈折型光学素子であれば屈折率分布の計測を行うことができる。
光源10は、レーザ光源(例えば、半導体レーザ)である。光源10から射出した光は、ピンホール30を通って発散波となり、コリメータレンズ40を通って平行光となる。平行光はビームスプリッタ100において反射光(第1被検光)と透過光(第2被検光)に分割される。
図1(a)のように、ビームスプリッタ100で反射した一部の第1被検光は、ビームスプリッタ102で反射し、第1基準レンズ120に入射する。第1基準レンズ120の第1面120aは平面で、表面には反射防止膜が形成されている。第1基準レンズ120の第2面120bは、被検レンズ60の第1面60aとほぼ同一の面形状を有している。すなわち、第1基準レンズ120は、被検レンズ60と対向する面120bとは反対側の面120aが平面である。また、第1基準レンズの第2面120bが被検レンズ60の第1面60aとほぼ同一の面形状とは、例えば、被検レンズの面形状の製造誤差程度の範囲で面形状が一致していることをいう。第1基準レンズ120の形状は、他の触針式形状計測等で計測されており既知の量である。
第1基準レンズ120に入射した一部の第1被検光は、第2面120bで反射し、残りの第1被検光は透過する。第1基準レンズ120の第2面120bを透過した一部の第1被検光は、被検レンズ60の第1面60aで反射し、残りの第1被検光は透過する。
第1基準レンズ120の第2面120bで反射した第1被検光と、被検レンズ60の第1面60aで反射した第1被検光とが、合波して第1の干渉縞を形成する。第1の干渉縞を形成した一部の第1被検光は、ビームスプリッタ102を透過して、結像レンズ41を介して検出器80(例えば、CCDやCMOS)で検出される。検出器80は、被検レンズ60の第1面60aの位置と、結像レンズ41に関して共役な位置に配置されている。つまり、被検レンズ60の第1面60aの像と第1の干渉縞とが検出器80上に結像される。検出器80で測定された干渉信号は、コンピュータ90に送られる。
図1(b)のように、ビームスプリッタ100を透過した一部の第2被検光は、ビームスプリッタ103、ビームスプリッタ101で反射し、第2基準レンズ125に入射する。第2基準レンズ125の第2面125bは平面で、表面には反射防止膜が形成されている。第2基準レンズ125の第1面125aは、被検レンズ60の第2面60bとほぼ同一の面形状を有している。すなわち、第2基準レンズ125は、被検レンズ60と対向する面125aとは反対側の面125bが平面である。第2基準レンズ125の形状も、既知の量である。
第2基準レンズ125に入射した一部の第2被検光は、第1面125aで反射し、残りの第2被検光は透過する。第2基準レンズ125の第1面125aを透過した一部の第2被検光は、被検レンズ60の第2面60bで反射する。
第2基準レンズ125の第1面125aで反射した第2被検光と、被検レンズ60の第2面60bで反射した第2被検光とが、合波して第2の干渉縞を形成する。第2の干渉縞を形成した一部の第2被検光は、ビームスプリッタ101を透過して、結像レンズ42を介して検出器81で検出される。検出器81は、被検レンズ60の第2面60bの位置と、結像レンズ42に関して共役な位置に配置されている。つまり、被検レンズ60の像と第2の干渉縞とが検出器81上に結像される。検出器81で測定された干渉信号は、コンピュータ90に送られる。
図1(c)のように、被検レンズ60の第1面60aを透過した一部の第1被検光は、第2面60b、第2基準レンズ125を透過した後、ビームスプリッタ101で反射し、ビームスプリッタ103を透過してシャックハルトマンセンサ85で検出される。シャックハルトマンセンサ85で検出された信号はコンピュータ90に送られる。
第1基準レンズ120、被検レンズ60、第2基準レンズ125には、それぞれ不図示の調整ステージ(例えば、ピエゾステージ)上に保持されており、光軸方向や光軸に垂直方向に微動可能である。被検レンズ保持部35は、被検レンズ60を保持するだけでなく、被検レンズ60の外側を通る光を遮光するアパーチャの役目も果たす。
コンピュータ90は、検出器80、検出器81、シャックハルトマンセンサ85の検出結果をもとに被検レンズ60の屈折率分布を算出する算出手段や、第1基準レンズ120、被検レンズ60、第2基準レンズ125のステージを制御する制御手段を有する。コンピュータ90は、CPU等から成る。
図2は、被検レンズ60の屈折率分布を算出する算出手順を示すフローチャートである。本実施例では、まず、図1(a)のように、第1基準レンズ120と被検レンズ60の第1面60aを近接させて第1の干渉縞を測定する(S10の第1干渉縞測定ステップ)。なお、近接とは、干渉縞(ニュートンリング)を測定できる程度に近づけた状態を指し、接触させた状態と、接触させずに十分に近づけた状態の両方を含む。図1では、反射の様子がわかりやすいように、実際より第1基準レンズ120と被検レンズ60を離して描かれている。第1の干渉縞を測定する際には、第2被検光は不要なので、不図示のシャッター等で第2被検光を遮光する。また、他の干渉光の混入を防ぐために、被検レンズ60の第2面60bと第2基準レンズ125とは離れていることが望ましい。
次に、図1(b)のように、第2基準レンズ125と被検レンズ60の第2面60bを接触させて第2の干渉縞を測定する(S20の第2干渉縞測定ステップ)。第2の干渉縞を測定する際には、第1被検光は不要なので、不図示のシャッター等で第1被検光を遮光する。ステップS10と同様の理由で、第1基準レンズ120と被検レンズ60の第1面60aとは離れていることが望ましい。
そして、図1(c)のように、第1基準レンズ120と被検レンズ60と第2基準レンズ125を透過した光の透過波面W(x,y)をシャックハルトマンセンサ85で測定する(S30の透過波面測定ステップ)。透過波面を測定する際、第2被検光は不要なため、シャッター等で遮光する。
第1の干渉縞から被検レンズ60の第1面の形状を算出し、第2の干渉縞から被検レンズ60の第2面の形状を算出する(S40の形状算出ステップ)。形状を高精度に算出する場合は、位相シフト法を使用すればよい。位相シフト法を使用する場合は、ステップS10において第1基準レンズ120の位置をシフトさせながら第1の干渉縞を測定し、ステップS20において第2基準レンズ125の位置をシフトさせながら第2の干渉縞を測定する。第1及び第2基準レンズの位置をシフトさせる位相シフト法の代わりに、光源10に波長可変光源を用いて、波長走査による位相シフト法が用いられてもよい。
最後に、第1基準レンズ120の屈折率と第2基準レンズ125の屈折率と被検レンズの第1面の形状と第2面の形状と透過波面W(x,y)とを用いて、被検レンズ60の屈折率分布を算出する(S50の屈折率分布算出ステップ)。透過波面W(x,y)は、数式1で表される。
Figure 2016109592
(x,y)、L(x,y)、L(x,y)、L(x,y)、L(x,y)は、図3(b)に示される光線に沿った各構成要素間の幾何学的距離である。図3(b)の光線は、図3(a)に示す被検レンズ60の内部にある点(x,y)を通る光線を指す。図3(b)は、各面における屈折による光線の偏向を無視して描かれている。L(x,y)は被検レンズ60の厚み、L(x,y)は第1基準レンズ120の厚み、L(x,y)は第2基準レンズ125の厚みである。L(x,y)は第1基準レンズ120と被検レンズ60の隙間、L(x,y)は被検レンズ60と第2基準レンズ125の隙間である。L(x,y)、L(x,y)は、既知である。上記ステップS40においてL(x,y)、L(x,y)、L(x,y)も算出されている。
sample(x,y)は、図3(a)の点(x,y)を通る光線方向の被検レンズ60の屈折率である。nは第1基準レンズ120の屈折率、nは第2基準レンズ125の屈折率であり、既知である。本実施例では、被検レンズ60の切断端(コバ)付近の点(a,b)における屈折率nsample(a,b)を既知としている。被検レンズ60の屈折率nsample(a,b)は、例えば、被検レンズ60の切断端付近をプリズム形状に加工して最小偏角法で計測できる。
一方、被検レンズと同一の形状で特定の屈折率nsample(a,b)の分布を有するレンズを基準被検レンズとする。簡単のため、本実施例の基準被検レンズの屈折率分布は一様であるとする。そして、基準被検レンズがS30の被検レンズの位置に配置されている状態を、コンピュータ90上で仮想的に構築し、算出した透過波面をWsim(x,y)とする。このとき、透過波面Wsim(x,y)は、数式2のようになる。
Figure 2016109592
透過波面W(x,y)と透過波面Wsim(x,y)との差分から、被検レンズ60の屈折率分布GI(x,y)が数式3のように算出される。
Figure 2016109592
本実施例の計測方法は、被検レンズ60の屈折率とほぼ等しい屈折率を有するマッチング液を用いずに、被検レンズ60の屈折率分布を計測できる。マッチング液は、被検レンズの透過波面から被検レンズの形状に由来する成分と屈折率分布に由来する成分とを分離する目的で使用される。一方、本実施例では、透過波面W(x,y)の測定とは別に、被検レンズ60の形状の測定を行うため、屈折率分布算出過程で形状に由来する成分と屈折率分布に由来する成分を分離できる。したがって、実効的なマッチング液が得られない高屈折率(n〜1.8以上)の光学素子の屈折率分布も、非破壊かつ高精度に算出できる。また、同一装置で形状と屈折率分布とを計測できるため、コストも低減できる。
光路長分布(=屈折率分布×L(x,y))は、モールドレンズの光学性能を示す物理量として、屈折率分布の代用が可能である。したがって、本発明の屈折率分布計測方法(屈折率分布計測装置)は、光路長分布計測方法(光路長分布計測装置)も意味する。
本実施例では、透過波面の測定にシャックハルトマンセンサ81を使用した。シャックハルトマンセンサの代わりにタルボ干渉計のようなシアリング干渉計を用いてもよい。
本実施例では、基準被検レンズに関する透過波面Wsim(x,y)を用いずに、被検レンズ60の屈折率分布を算出する方法を説明する。図4は、本発明における実施例2の屈折率分布計測装置の概略構成を示している。本実施例の屈折率分布計測装置は、マッハツェンダ干渉計で透過波面を測定する。実施例1と同様の構成については、同一の符号を付して説明する。
本実施例では、被検レンズ60は負の屈折力をもつレンズである。本実施例の被検レンズ60の第1面60aと第2面60bは相対的に偏芯しており、本実施例では、被検レンズ60の面の偏芯も測定する。本実施例では、第1基準レンズ120の屈折率と被検レンズ60の切断端(コバ)付近の屈折率nsample(a,b)と第2基準レンズ125の屈折率とが等しいと仮定している。
光源11は、複数の波長の光を射出することができる光源(例えば、スーパーコンティニューム光源)である。複数の波長の光は、分光器20を通って準単色光となる。本実施例では、分光器20によって所望の波長を選択できる。分光器20を通った光は、ピンホール30を通って発散波となり、コリメータレンズ40を通って平行光となる。
図4(a)のように、ビームスプリッタ100で反射した一部の第1被検光は、ビームスプリッタ102で反射し、第1基準レンズ120に入射する。第1基準レンズ120に入射した一部の第1被検光は、第2面120bを透過した後、被検レンズ60の第1面60aで反射し、残りの第1被検光は被検レンズ60の第1面60aを透過する。被検レンズ60の第1面60aで反射した一部の第1被検光は、再度第1基準レンズ120の第2面120bで反射し、被検レンズ60の第1面60aを透過する。1回も反射せずに被検レンズ60の第1面60aを透過した第1被検光と、2回反射して被検レンズ60の第1面60aを透過した第1被検光が合波して第1の干渉縞を形成する。本実施例では、4回以上の多重反射光は、強度が弱いため無視している。
第1の干渉縞を形成した一部の第1被検光は、被検レンズ60の第2面60b、試液70(例えば、オイル)、第2基準レンズ125、ビームスプリッタ101、104を透過し、結像レンズ42を介して検出器81で検出される。検出器81は、被検レンズ60の第1面60aの位置と、結像レンズ42に関して共役な位置に配置されている。つまり、被検レンズ60の第1面60aの像と第1の干渉縞とが検出器81上に結像される。検出器81で測定された干渉信号は、コンピュータ90に送られる。
図4(b)のように、ビームスプリッタ100を透過した一部の第2被検光は、ビームスプリッタ103、ビームスプリッタ101で反射し、第2基準レンズ125に入射する。第2基準レンズ125に入射した一部の第2被検光は、第1面125aを透過した後、被検レンズ60の第2面60bで反射し、残りの第2被検光は被検レンズ60の第2面60bを透過する。被検レンズ60の第2面60bで反射した一部の第2被検光は、再度第2基準レンズ125の第1面125aで反射し、被検レンズ60の第2面60bを透過する。1回も反射せずに被検レンズ60の第2面60bを透過した第2被検光と、2回反射して被検レンズ60の第2面60bを透過した第2被検光が合波して第2の干渉縞を形成する。
第2の干渉縞を形成した一部の第2被検光は、被検レンズ60の第1面60a、試液70、第1基準レンズ120、ビームスプリッタ102を透過し、結像レンズ41を介して検出器80で検出される。検出器80は、被検レンズ60の第2面60bの位置と、結像レンズ41に関して共役な位置に配置されている。つまり、被検レンズ60の第2面60bの像と第2の干渉縞とが検出器81上に結像される。検出器81で測定された干渉信号は、コンピュータ90に送られる。
図4(c)のように、第1基準レンズ120、試液70、被検レンズ60、試液70、第2基準レンズ125、ビームスプリッタ101を透過した第1被検光と、ビームスプリッタ103を透過しミラー105で反射した第2被検光とは、ビームスプリッタ104で合波し、被検レンズ60の透過波面に関する干渉縞を形成する。透過波面に関する干渉縞は、結像レンズ42によって検出器81上に結像される。
第1基準レンズ120、被検レンズ60、第2基準レンズ125には、それぞれ不図示の調整ステージ(例えば、ピエゾステージ)上に保持されており、光軸方向や光軸に垂直方向に微動可能である。
本実施例では、第1基準レンズ120と被検レンズ60の間、被検レンズ60と第2基準レンズの間に、適宜、試液(液体)70を介在させる。試液70は、界面における屈折の影響を低減するだけでなく、所望の干渉縞を測定する際に、不要な干渉縞の混入を防ぐ効果がある。
コンピュータ90は、検出器80、検出器81の検出結果から被検レンズ60の屈折率分布を算出する算出手段や、分光器20を透過する光の波長、及び第1基準レンズ120、被検レンズ60、第2基準レンズ125のステージを制御する制御手段を有する。コンピュータ90は、CPU等から成る。
図5は、被検レンズ60の屈折率分布を算出する算出手順を示すフローチャートである。本実施例では、まず、第1基準レンズ120と第2基準レンズ125の光軸が一致するように調整する(S110)。光軸は、例えば、第1基準レンズ120と第2基準レンズ125を近接させて、第1被検光を入射させ、第1基準レンズ120の第2面120bにおける反射光と第2基準レンズ125の第1面125aにおける反射光の干渉縞を測定しながら調整すればよい。
次に、図4(a)のように、被検レンズ60と第2基準レンズ125との間に、試液70を塗布し、第1基準レンズ120と被検レンズ60の第1面60aを近接させて第1の干渉縞を測定する(S120の第1干渉縞測定ステップ)。図4では、反射の様子がわかりやすいように、実際より各レンズ間の距離を離して描かれている。第1の干渉縞を測定する際には、第2被検光は不要なので、不図示のシャッター等で第2被検光を遮光する。
そして、図4(c)のように、第1基準レンズ120と被検レンズ60との間にも試液70を塗布し、第1基準レンズ120と被検レンズ60と第2基準レンズ125を透過した光の透過波面W(x,y)を測定する(S130の透過波面測定ステップ)。
図4(b)のように、被検レンズ60と第2基準レンズ125との間の試液70を除去し、第2基準レンズ120と被検レンズ60の第2面60bを近接させて第2の干渉縞を測定する(S140の第2干渉縞測定ステップ)。第2の干渉縞を測定する際には、第1被検光は不要なので、不図示のシャッター等で第1被検光を遮光する。
第1の干渉縞から被検レンズ60の第1面の形状を算出し、第2の干渉縞から被検レンズ60の第2面の形状を算出する(S150の形状算出ステップ)。本実施例では、第1基準レンズ120と第2基準レンズ125の光軸が一致しているため、被検レンズ60の第1面60aと第2面60bの相対偏芯も測定できる。ただし、ステップS120、S130、S140の各測定において、第1及び第2基準レンズと被検レンズ60との相対位置や相対傾きが変化しないように注意が必要である。
最後に、第1基準レンズ120の屈折率nsample(a,b)と第2基準レンズ125の屈折率nsample(a,b)と被検レンズの第1面の形状と第2面の形状と透過波面W(x,y)とを用いて、被検レンズの屈折率分布を算出する(S160)。透過波面W(x,y)は、数式4で表される。
Figure 2016109592
mediumは試液70の屈折率である。本実施例では、第1及び第2基準レンズの屈折率と被検レンズ60のコバ付近の屈折率nsample(a,b)は等しい。
被検レンズ60の第1面60aの面形状と第1基準レンズ120の第2面120bの面形状、及び被検レンズ60の第2面60bの面形状と第2基準レンズ125の第1面125aの面形状が、被検レンズの面形状の製造誤差程度の範囲で一致しているとする。このとき、数式5の近似が成り立つ。数式4を、数式5の近似を用いて変形すると数式6のように、被検レンズ60の屈折率分布GI(x,y)が算出される。
Figure 2016109592
Figure 2016109592
本実施例では、被検レンズの面形状と被検レンズに対向する各基準レンズの面形状とが、被検レンズの面形状の製造誤差程度の範囲で一致していると仮定した。しかし、被検レンズ60の第1面60aと第2面60bの相対偏芯を測定するだけであれば、面形状の差が大きくてもよい。例えば、被検レンズ60が非球面レンズだとしても、第1基準レンズ120の第2面120b及び第2基準レンズの第1面125aは、被検レンズの非球面に近い球面であればよい。そのとき、光軸付近の干渉縞の非回転対称成分から、被検レンズ60の面偏芯が測定される。
本実施例では、ステップS120、S130、S140の各測定において、第1及び第2基準レンズと被検レンズ60との相対位置や相対傾きが変化しない状態を仮定し、第1の干渉縞及び第2の干渉縞から被検レンズ60の面偏芯を測定した。代わりに、第1の干渉縞の測定時に非回転対称成分が現れない位置に被検レンズ60を調整し、第2の干渉縞の測定時にも非回転対称成分が現れない位置に被検レンズ60を調整し、被検レンズの位置の変化量から被検レンズ60の面の相対偏芯を測定してもよい。
本実施例では、第2の干渉縞を検出器80で測定した。その代わりに、第2の干渉縞も検出器81で測定してもよい。第1基準レンズ120と被検レンズ60の間に試液が塗布されているため、第1被検光を用いても第2の干渉縞を測定することができる。
実施例1、実施例2では、屈折率分布計測装置に被検レンズ60の第1面及び第2面の形状測定機能も組み込んだ。その代わりに、被検レンズ60の第1面及び第2面の形状測定は、第1基準レンズ120と被検レンズ60、被検レンズ60と第2基準レンズそれぞれを重ねて目視するだけの古典的なニュートン干渉法を用いてもよい。
実施例1、実施例2で説明した装置及び方法を用いて、計測された屈折率分布の結果を、モールドレンズ等の光学素子の製造方法にフィードバックすることも可能である。
図6には、モールド成型を利用した光学素子の製造工程の例を示している。
光学素子は、光学素子の設計工程、金型の設計工程及び、設計された金型を用いた光学素子のモールド工程を経て製造される。モールドされた光学素子は、その形状精度が評価され、精度不足である場合は金型を補正して再度モールドを行う。形状精度が良好であれば、光学素子の光学性能が評価される。この光学性能の評価工程に、図2を用いて説明した屈折率分布算出フローを組み込むことで、高屈折率硝材を母材としてモールドされる光学素子の量産が可能になる。なお、光学性能が低い場合は、光学面を補正した光学素子を設計し直す。
以上、説明した各実施例は代表的な例に過ぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
10 光源
60 被検レンズ
80、81 検出器
85 シャックハルトマンセンサ
90 コンピュータ
120 第1基準レンズ
125 第2基準レンズ

Claims (12)

  1. 形状及び屈折率が既知の第1基準レンズと被検レンズの第1面とを近接させて、第1の干渉縞を測定する第1干渉縞測定ステップと、
    形状及び屈折率が既知の第2基準レンズと前記被検レンズの第2面とを近接させて、第2の干渉縞を測定する第2干渉縞測定ステップと、
    前記第1基準レンズと前記被検レンズと前記第2基準レンズを通った光の透過波面を測定する透過波面測定ステップと、
    前記第1の干渉縞から前記被検レンズの第1面の形状を算出する第1形状算出ステップと、
    前記第2の干渉縞から前記被検レンズの第2面の形状を算出する第2形状算出ステップと、
    前記第1基準レンズの屈折率と前記第2基準レンズの屈折率と前記被検レンズの前記第1面の形状と前記第2面の形状と前記透過波面とを用いて、前記被検レンズの屈折率分布を算出する屈折率分布算出ステップと、
    を有することを特徴とする屈折率分布計測方法。
  2. 前記透過波面と、特定の屈折率分布を有する基準被検レンズが前記被検レンズの位置に配置されているときの透過波面との差分に基づいて、前記被検レンズの屈折率分布を算出することを特徴とする請求項1に記載の屈折率分布計測方法。
  3. 前記第1の干渉縞および前記第2干渉縞を測定する前に、前記第1基準レンズと前記第2基準レンズの光軸が一致するように調整することを特徴とする請求項1または2に記載の屈折率分布計測方法。
  4. 前記第2基準レンズと前記被検レンズの第2面との間に液体を介在させて前記第1干渉縞を測定することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の屈折率分布計測方法。
  5. 前記第1基準レンズと前記被検レンズの第1面との間に液体を介在させて前記第2干渉縞を測定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の屈折率分布計測方法。
  6. 前記第1基準レンズと前記被検レンズの間および前記第2基準レンズと前記被検レンズの間に液体を介在させて前記透過波面を測定することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の屈折率分布計測方法。
  7. 光学素子をモールドするステップと、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の屈折率分布計測方法を用いて前記光学素子の屈折率分布を計測することによって、モールドされた光学素子の光学性能を評価するステップと、を含むことを特徴とする光学素子の製造方法。
  8. 形状及び屈折率が既知の第1基準レンズと被検レンズの第1面とを近接させて、第1の干渉縞を測定する第1干渉縞測定手段と、
    形状及び屈折率が既知の第2基準レンズと前記被検レンズの第2面とを近接させて、第2の干渉縞を測定する第2干渉縞測定手段と、
    前記第1基準レンズと前記被検レンズと前記第2基準レンズを通った光の透過波面を測定する透過波面測定手段と、
    前記第1の干渉縞から前記被検レンズの第1面の形状を算出し、前記第2の干渉縞から前記被検レンズの第2面の形状を算出する形状算出手段と、
    前記第1基準レンズの屈折率と前記第2基準レンズの屈折率と前記被検レンズの前記第1面の形状と前記第2面の形状と前記透過波面とを用いて、前記被検レンズの屈折率分布を算出する屈折率分布算出手段と、
    を有することを特徴とする屈折率分布計測装置。
  9. 前記透過波面測定手段は、シャックハルトマンセンサを有することを特徴とする請求項8に記載の屈折率分布計測装置。
  10. 前記透過波面測定手段は、シアリング干渉計を有することを特徴とする請求項8に記載の屈折率分布計測装置。
  11. 前記透過波面測定手段は、マッハツェンダ干渉計を有することを特徴とする請求項8に記載の屈折率分布計測装置。
  12. 前記第1及び第2の基準レンズは、前記被検レンズと対向する面とは反対側の面が平面であることを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載の屈折率分布計測装置。
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