JPWO2012161105A1 - チョコレート用油脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
前記油脂Aは構成脂肪酸中ラウリン酸が10重量%から50重量%であり、パルミチン酸とステアリン酸の合計が20重量%から60重量%であるエステル交換油。
前記油脂Bは原料油脂をエステル交換した後に分別により高融点成分又は高融点成分及び低融点成分を除去する工程から得られる、25重量%以上のSSO型トリグリセリド及び15重量%以下のS3型トリグリセリドを含む油脂である。
第2は、油脂Bの構成脂肪酸のうちパルミチン酸/ステアリン酸の重量比が1以上である第1記載のチョコレート用油脂組成物である。
第3は、固体脂含量(Solid Fat Content)が30℃で15%以上、40℃で10%以下であり、構成脂肪酸中飽和脂肪酸が90重量%以下であり、トランス脂肪酸が5重量%以下である第1または第2記載のチョコレート用油脂組成物である。
第4は、油脂Aの原料油脂がパーム核油、ヤシ油、パーム油、綿実油、それらの分別油、及びそれらの硬化油から選ばれる2種以上の植物油脂である、第1から3何れか1に記載のチョコレート用油脂組成物である。
第5は、油脂Bの原料油脂がパーム油、綿実油、それらの分別油、及びそれらの硬化油から選ばれる1種以上の植物油脂である第1から4何れか1に記載のチョコレート用油脂組成物である。
第6は、第1〜5何れか1に記載のチョコレート用油脂組成物を使用してなるチョコレートである。
第7は、第1〜5何れか1に記載のチョコレート用油脂組成物をチョコレート全体に対して20〜70重量%使用するチョコレートの製造法である。
本発明のチョコレート用油脂組成物は5重量%から30重量%のSSO型トリグリセリドを含むことが必要であり、好ましくは10重量%から25重量%である。SSO型トリグリセリドが5重量%より少ないと飽和脂肪酸が十分に低減せず、30重量%より多いとハードバターとしての硬さが不十分となるため、いずれも好ましくない。
本発明のチョコレート用油脂組成物は11重量%以下のS3型トリグリセリドを含むことが必要であり、好ましくは9重量%以下である。S3型トリグリセリドが11重量を超えるとチョコレートとしての口どけが低下し、いわゆるワキシーな食感になってしまう。
一方本発明のチョコレート用油脂組成物の構成脂肪酸中飽和脂肪酸は好ましくは90重量%以下、さらに好ましくは85重量%以下である。この飽和脂肪酸含量は、ラウリン酸型ハードバターの95重量%以上より、大きく低減されたものである。またトランス脂肪酸は5重量%以下であることが好ましい。
一方S3型トリグリセリドの含有量の分析は、下記に示す高速液体クロマトグラフによるトリグリセリド組成分析により、P3(トリパルミトイルグリセリド)、P2St(ジパルミトイルステアロイルグリセリド)、PSt2(ジステアロイルパルミトイルグリセリド)及びSt3(トリステアロイルグリセリド)をS3含量として合算した。
前記他の油脂として、パーム油中融点部油脂を含む場合はチョコレートとしての口どけの点で好適である。パーム油中融点部油脂の含有量に特に制限はないが、通常は、合計量として、油脂組成物の全重量に対し、30重量%未満であり、好ましくは20重量%未満であり、特に好ましくは10重量%未満であり、もっとも好ましくは5重量%未満である。
融点45℃以上の油脂の含有量に特に制限はないが、通常は、合計量として、油脂組成物の全重量に対し、10重量%未満であり、好ましくは5重量%未満であり、特に好ましくは3重量%未満である。
前記乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、等が挙げられる。
これらのチョコレートに対し、本発明のチョコレート用油脂組成物を20〜70重量%使用することができる。
二段分別パームステアリン(ヨウ素価12)40部、パーム核ステアリン(ヨウ素価7)60部を混合した原料油脂に、金属触媒(ナトリウムメトキシド)0.3部を加え、真空下80℃で60分ランダムエステル交換させた。得られた油脂を定法に従い精製を行い油脂Aとした。
油脂Aの構成脂肪酸中、ラウリン酸は32重量%、パルミチン酸とステアリン酸の合計は42重量%であった。
パームステアリン(ヨウ素価31)を原料油脂に、金属触媒(ナトリウムメトキシド)0.3部を加え、真空下80℃で60分ランダムエステル交換させた。得られた油脂を定法に従い精製を行った後、アセトン分別により、高融点成分と低融点成分を除去し得られた中融点部を定法に従い精製を行い油脂B−1を得た。
油脂B−1の構成脂肪酸のうちパルミチン酸/ステアリン酸の比は9.7であった。
パームステアリン(ヨウ素価31)を原料油脂に、金属触媒(ナトリウムメトキシド)0.3部を加え、真空下80℃で60分ランダムエステル交換させた。得られた油脂を定法に従い精製を行った
油脂A65部と油脂B−1 35部を混合し実施例1の油脂とした。
(実施例2)
油脂A90部と油脂B−1 10部を混合し実施例2の油脂とした。
(実施例3)
油脂A40部と油脂B−1 60部を混合し実施例3の油脂とした。
(実施例4)
油脂A75部と油脂B−1 25部を混合し実施例4の油脂とした。
(比較例1)
油脂Aを比較例1の油脂とした。
(比較例2)
油脂A65部と実験例3で得られた油脂35部を混合し比較例2の油脂とした。
ラウリン酸型非テンパリング型ハードバターである、「パルケナH」(不二製油株式会社製)の飽和脂肪酸含量は99.9%、トランス酸含量は0.0%であった。
(比較例4)
トランス酸型非テンパリング型ハードバターである、「メラノH1000」(不二製油株式会社製)の飽和脂肪酸含量は39.5%、トランス酸含量は43.0%であった。
ココアパウダー10部、脱脂粉乳20部、砂糖40部、実施例4の油脂30部、レシチン0.4部を原料にして定法に従いチョコレート生地を調製した。さらにこのチョコレート生地を油脂が融解している温度(50℃)で型に流し込み、5℃で冷却固化した。固化したチョコレートは20℃で1週間熟成(エージング)した後、1日で17℃を10時間、28℃を10時間保持できる恒温器(温度を17℃から28℃に変えるのに2時間、同様に28℃から17℃に変えるのに2時間)に保管しサイクルテストを行い、2週間後のチョコレートの表面状態を目視により確認したが、艶も残り良好な状態であった。
チョコレート生地の原料油脂として実施例4の油脂に代えて比較例1の油脂を用いる他は実施例5と同様にチョコレートの調製、サイクルテストを行い、同じく2週間後のチョコレート表面を確認したが、すでにブルームが出現していた。
パーム油(ヨウ素価52)40部、二段分別パームステアリン(ヨウ素価12)35部、シア脂(ヨウ素価58)25部を混合した原料油脂に、金属触媒(ナトリウムメトキシド)0.3部を加え、真空下80℃で60分ランダムエステル交換させた。得られた油脂を、アセトンを用いて、二段分別を行い、得られた中融点画分を定法に従い精製を行い油脂B−2とした。
油脂B−2の構成脂肪酸のうちパルミチン酸/ステアリン酸の比は3.3であった。
パーム油から乾式三段分別を行いパーム油中融点部油脂を得た。ヨウ素価は34であった。
(実施例6)
油脂A 61部、油脂B−2 31部、実験例5の油脂 8部を混合し実施例6の油脂とした。
チョコレート生地の原料油脂として実施例4の油脂に代えて実施例6の油脂を用いる他は実施例5と同様にチョコレートの調製、サイクルテストを行い、同じく2週間後のチョコレート表面を確認したところ実施例5と同様、艶も残り良好な状態であった。
Claims (7)
- 油脂A及び油脂Bを含み、油脂Aと油脂Bの合計量が70重量%以上であり、油脂Aと油脂Bの比率(油脂A/油脂B)が0.5から20であり、5重量%から30重量%のSSO型トリグリセリド(1,2−ジ飽和−3オレイン酸トリグリセリド、もしくは2,3−ジ飽和−1オレイン酸トリグリセリド)及び11重量%以下のS3型トリグリセリド(トリ飽和トリグリセリド)を含むチョコレート用油脂組成物。但しSはパルミチン酸またはステアリン酸、Oはオレイン酸を表す。
前記油脂Aは構成脂肪酸中ラウリン酸が10重量%から50重量%であり、パルミチン酸とステアリン酸の合計が20重量%から60重量%であるエステル交換油。
前記油脂Bは原料油脂をエステル交換した後に分別により高融点成分又は高融点成分及び低融点成分を除去する工程から得られる、25重量%以上のSSO型トリグリセリド及び15重量%以下のS3型トリグリセリドを含む油脂。 - 油脂Bの構成脂肪酸中、パルミチン酸とステアリン酸の重量比(パルミチン酸/ステアリン酸)が1以上である請求項1に記載のチョコレート用油脂組成物。
- 固体脂含量(Solid Fat Content)が30℃で15%以上、40℃で10%以下であり、構成脂肪酸中飽和脂肪酸が90重量%以下であり、トランス脂肪酸が5重量%以下である請求項1又は2に記載のチョコレート用油脂組成物。
- 油脂Aの原料油脂がパーム核油、ヤシ油、パーム油、綿実油、それらの分別油、及びそれらの硬化油から選ばれる2種以上の植物油脂である、請求項1から3何れか1項に記載のチョコレート用油脂組成物。
- 油脂Bの原料油脂がパーム油、綿実油、シア脂、サル脂それらの分別油、及びそれらの硬化油から選ばれる1種以上の植物油脂である請求項1から4何れか1項に記載のチョコレート用油脂組成物。
- 請求項1〜5何れか1項に記載のチョコレート用油脂組成物を使用してなるチョコレート。
- 請求項1〜5何れか1項に記載のチョコレート用油脂組成物をチョコレート全体に対して20〜70重量%使用するチョコレートの製造法。
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