JPWO2011096213A1 - 誘導加熱調理機器およびその制御方法 - Google Patents

誘導加熱調理機器およびその制御方法 Download PDF

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Abstract

鍋を載置するトッププレート(2)と、トッププレート2の下に設けられ鍋を加熱する誘導加熱コイル9を含むインバータ(10)と、鍋の底から放射される赤外線を検知して鍋底温度に対応する出力電圧値を出力する赤外線センサ(13)と、前記出力電圧値に基づき、鍋底に調理物が焦げ付いたことを検知する焦げ付き検知動作を行い、鍋底に調理物が焦げ付いたことを検知すると焦げ付き情報を出力する焦げ付き検知部(14)と、複数の出力設定値の中から1つの出力設定値を選択するための出力設定部(12)と、誘導加熱コイル9に高周波電流を供給しかつ加熱出力が出力設定値となるようにインバータ(10)の加熱動作を制御する制御部(11)とを備え、出力設定範囲に対応した焦げ付き検知動作を行う。

Description

本発明は一般家庭やレストラン及びオフィスなどで使用される焦げ付き検知を備えた誘導加熱調理機器およびその制御方法に関するものであり、特に、出力設定範囲に対応した焦げ付き検知動作を行う誘導加熱調理機器およびその制御方法に関するものである。
従来、この種の加熱調理機器は、特定の調理モード時、例えば煮込み料理などにおいて、鍋底の温度を検知するセンサと、前記センサの温度上昇から、前記鍋底に調理物が焦げ付いたと検知する構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−149875号公報
しかしながら、前記従来の構成では、焦げ付き検知を行える調理モードが限定されており、それらは特に煮込みに限られたものである。利用者は、焦げ付き検知を使用するときには、煮込み機能を選択しなくてはならないという課題を有していた。
本発明の目的は、前記従来の課題を解決するもので、利用者が、特定の調理モードを選択することなく、出力設定を選択して調理をおこなう加熱モードで通常の加熱調理を行っても、焦げ付き検知が働くことができる誘導加熱調理機器およびその制御方法を提供することにある。
前記従来の課題を解決するために、本発明にかかる誘導加熱調理機器は、鍋を載置するトッププレートと、前記トッププレートの下に設けられ前記鍋を加熱する誘導加熱コイルを含むインバータと、前記トッププレートの下に設けられ、前記鍋の底から放射されて前記トッププレートを透過した赤外線を検知して前記鍋の鍋底温度に対応する出力電圧値を出力する赤外線センサと、前記赤外線センサからの出力電圧値に基づき、前記鍋底に調理物が焦げ付いたことを検知する焦げ付き検知動作を行い、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知すると焦げ付き情報を出力する焦げ付き検知部と、複数の出力設定値の中から、1つの前記出力設定値を選択するための出力設定部と、前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給しかつ加熱出力が前記出力設定値となるように前記インバータの加熱動作を制御すると共に前記出力設定部により前記出力設定値が変更可能な制御モードである加熱モード及び加熱を停止し加熱開始キーを操作すると前記加熱モードに移行する制御モードである待機モードを有し、前記加熱モードで動作中に前記焦げ付き情報が出力されると前記待機モードに移行する制御部とを備えた誘導加熱調理機器であって、前記制御部は、前記出力設定部により所定の第1出力設定範囲内の出力が選択されるときに、前記加熱モードで動作するように制御し、前記焦げ付き検知部は、前記赤外線センサからの出力電圧値が所定の第1出力電圧値以上に増加したことを検知するときに、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知する前記焦げ付き検知動作を行い、また、前記制御部は、前記出力設定部により前記第1出力設定範囲より大きい第2出力設定範囲内の出力が選択されるときに、前記加熱モードで動作するように制御し、前記焦げ付き検知部は、前記赤外線センサからの出力電圧値が前記第1出力電圧値より大きい所定の第2出力電圧値以上に増加したことを検知するときに、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知する前記焦げ付き検知動作を行うことを特徴とする。
また、別の本発明にかかる誘導加熱調理機器の制御方法は、
鍋を載置するトッププレートと、
前記トッププレートの下に設けられ前記鍋を加熱する誘導加熱コイルを含むインバータと、
前記トッププレートの下に設けられ、前記鍋の底から放射されて前記トッププレートを透過した赤外線を検知して前記鍋の鍋底温度に対応する出力電圧値を出力する赤外線センサと、
前記赤外線センサからの出力電圧値に基づき、前記鍋底に調理物が焦げ付いたことを検知する焦げ付き検知動作を行い、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知すると焦げ付き情報を出力する焦げ付き検知部と、
複数の出力設定値の中から1つの出力設定値を選択するための出力設定部と、
前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給しかつ加熱出力が前記出力設定値となるように前記インバータの加熱動作を制御すると共に前記出力設定部により前記出力設定値が変更可能な制御モードである加熱モード及び加熱を停止し加熱開始キーを操作すると前記加熱モードに移行する制御モードである待機モードを有し、前記加熱モードで動作中に前記焦げ付き情報が出力されると前記待機モードに移行する制御部とを備えた誘導加熱調理機器の制御方法であって、
前記制御部は、前記出力設定部により所定の第1出力設定範囲内の出力が選択されるときに、前記加熱モードで動作するように制御し、前記焦げ付き検知部は、前記赤外線センサからの出力電圧値が所定の第1出力電圧値以上に増加したことを検知するときに、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知する前記焦げ付き検知動作を行うステップと、
前記制御部は、前記出力設定部により前記第1出力設定範囲より大きい第2出力設定範囲内の出力が選択されるときに、前記加熱モードで動作するように制御し、前記焦げ付き検知部は、前記赤外線センサからの出力電圧値が前記第1出力電圧値より大きい所定の第2出力電圧値以上に増加したことを検知するときに、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知する前記焦げ付き検知動作を行うステップとを含むことを特徴とする。
従って、本発明にかかる誘導加熱調理機器およびその制御方法によれば、赤外線センサを用いて焦げ付き検知動作を行うことにより、誤検知が起きる機会を減らしつつ焦げ付き検知機能を感度良く働かせ、焦げ付きの状態が悪化するのを防止すると共に不必要に加熱を停止することを防止し、違和感なく調理を継続することができる。
また、本発明にかかる誘導加熱調理機器およびその制御方法は、使用者が設定した出力設定値に適した焦げ付きの検知する温度を自動で判別するため、利用者が、調理モードを選択することなく、焦げ付き検知機能を使用することができる。
本発明の実施の形態1にかかる誘導加熱調理機器の構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1にかかる誘導加熱調理機器の第1の加熱部4の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1にかかる誘導加熱調理機器のフローチャートである。 本発明の実施の形態2にかかる誘導加熱調理機器のフローチャートである。
第1の発明にかかる誘導加熱調理機器は、鍋を載置するトッププレートと、前記トッププレートの下に設けられ前記鍋を加熱する誘導加熱コイルを含むインバータと、前記トッププレートの下に設けられ、前記鍋の底から放射されて前記トッププレートを透過した赤外線を検知して前記鍋の鍋底温度に対応する出力電圧値を出力する赤外線センサと、前記赤外線センサからの出力電圧値に基づき、前記鍋底に調理物が焦げ付いたことを検知する焦げ付き検知動作を行い、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知すると焦げ付き情報を出力する焦げ付き検知部と、複数の出力設定値の中から、1つの前記出力設定値を選択するための出力設定部と、前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給しかつ加熱出力が前記出力設定値となるように前記インバータの加熱動作を制御すると共に前記出力設定部により前記出力設定値が変更可能な制御モードである加熱モード及び加熱を停止し加熱開始キーを操作すると前記加熱モードに移行する制御モードである待機モードを有し、前記加熱モードで動作中に前記焦げ付き情報が出力されると前記待機モードに移行する制御部とを備えた誘導加熱調理機器であって、前記制御部は、前記出力設定部により所定の第1出力設定範囲内の出力が選択されるときに、前記加熱モードで動作するように制御し、前記焦げ付き検知部は、前記赤外線センサからの出力電圧値が所定の第1出力電圧値以上に増加したことを検知するときに、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知する前記焦げ付き検知動作を行い、また、前記制御部は、前記出力設定部により前記第1出力設定範囲より大きい第2出力設定範囲内の出力が選択されるときに、前記加熱モードで動作するように制御し、前記焦げ付き検知部は、前記赤外線センサからの出力電圧値が前記第1出力電圧値より大きい所定の第2出力電圧値以上に増加したことを検知するときに、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知する前記焦げ付き検知動作を行う。これにより、赤外線センサを用いて焦げ付き検知動作を行うことにより、誤検知が起きる機会を減らしつつ焦げ付き検知機能を感度良く働かせ、焦げ付きの状態が悪化するのを防止すると共に不必要に加熱を停止することを防止し、違和感なく調理を継続することができる。また、出力設定範囲に対応した焦げ付き検知動作を行うことで、利用者が設定した出力設定値に適した焦げ付きの検知する温度を自動で判別するため、利用者が、調理モードを選択することなく、焦げ付き検知機能を使用することができる。
第2の発明にかかる誘導加熱調理機器は、特に、第1の発明にかかる誘導加熱調理機器において、前記制御部は、前記出力設定部により前記第2出力設定範囲より大きい第3出力設定範囲内の出力が選択されるときに、前記加熱モードで動作するように制御し、前記焦げ付き検知部は、前記鍋底に調理物が焦げ付いたことを検知する焦げ付き検知動作を禁止するように制御する。これにより、炒め物やあえて焦げをつけたい加熱調理などの高出力調理時に、不必要に加熱動作を停止するなどの誤検知を避けることができ、利用者が、違和感なく調理を継続することができる。
第3の発明にかかる誘導加熱調理機器の制御方法は、
鍋を載置するトッププレートと、
前記トッププレートの下に設けられ前記鍋を加熱する誘導加熱コイルを含むインバータと、
前記トッププレートの下に設けられ前記鍋の底から放射され前記トッププレートを透過する赤外線を検知して前記鍋の鍋底温度に対応する出力電圧値を出力する赤外線センサと、
前記赤外線センサからの出力電圧値に基づき、前記鍋底に調理物が焦げ付いたことを検知する焦げ付き検知動作を行い、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知すると焦げ付き情報を出力する焦げ付き検知部と、
複数の出力設定値の中から1つの出力設定値を選択するための出力設定部と、
前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給しかつ加熱出力が前記出力設定値となるように前記インバータの加熱動作を制御すると共に前記出力設定部により前記出力設定値が変更可能な制御モードである加熱モード及び加熱を停止し加熱開始キーを操作すると前記加熱モードに移行する制御モードである待機モードを有し、前記加熱モードで動作中に前記焦げ付き情報が出力されると前記待機モードに移行する制御部とを備えた誘導加熱調理機器の制御方法であって、
前記制御部は、前記出力設定部により所定の第1出力設定範囲内の出力が選択されるときに、前記加熱モードで動作するように制御し、前記焦げ付き検知部は、前記赤外線センサからの出力電圧値が所定の第1出力電圧値以上に増加したことを検知するときに、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知する前記焦げ付き検知動作を行うステップと、
前記制御部は、前記出力設定部により前記第1出力設定範囲より大きい第2出力設定範囲内の出力が選択されるときに、前記加熱モードで動作するように制御し、前記焦げ付き検知部は、前記赤外線センサからの出力電圧値が前記第1出力電圧値より大きい所定の第2出力電圧値以上に増加したことを検知するときに、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知する前記焦げ付き検知動作を行うステップとを含む。
第4の発明にかかる誘導加熱調理機器の制御方法は、特に、第3の発明にかかる誘導加熱調理機器の制御方法において、前記制御部は、前記出力設定部により前記第2出力設定範囲より大きい第3出力設定範囲内の出力が選択されるときに、前記加熱モードで動作するように制御し、前記焦げ付き検知部は、前記鍋底に調理物が焦げ付いたことを前記検知する焦げ付き検知動作を禁止するように制御するステップをさらに含む。
以下、本発明にかかる実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる誘導加熱調理機器の構成を示す斜視図である。
図1において、外郭ケース1の上部にトッププレート2が設けられている。トッププレート2上面には誘導加熱により鍋などの調理容器3を加熱する第1の加熱部4、第2の加熱部5および第3の加熱部6をそれぞれ示す表示が設けられている。さらに、魚等を焼くロースター7、および熱源の操作をする操作部8が外郭ケース1の側面に設けられている。
以上のように構成された誘導加熱調理機器について、図2を参照して、加熱部の構成を説明する。
図2は、本発明の実施の形態1にかかる誘導加熱調理機器の第1の加熱部4の構成を示すブロック図である。
図2において、トッププレート2の上面に設けられた第1の加熱部4を示す表示の位置に合わせて調理容器3が載置される。トッププレート2の下方には誘導加熱コイル9が設けられている。さらに、誘導加熱コイル9の下方には誘導加熱コイル9を制御するインバータ10とインバータ10を動作させるための制御部11が設けられている。
出力設定部12により、出力設定値が設定されると、制御部11は誘導加熱コイル9に高周波電流を供給し、かつ、加熱出力が出力設定値となるようにインバータ10の加熱動作を制御する。
赤外線センサ13は、トッププレート2の下に設けられ、調理容器3の鍋底から放射されトッププレート2を透過する赤外線を検知して、調理容器3の鍋底温度に対応する出力電圧値を出力する。調理容器3の鍋底に調理物が焦げ付いたことを検知すると焦げ付き情報を出力する焦げ付き検知部14と、複数の出力設定値の中から、1つの出力設定値を選択するための出力設定部12と、誘導加熱コイル9に高周波電流を供給し、かつ、加熱出力が出力設定値となるようにインバータ10の加熱動作を制御すると共に、出力設定部12により出力設定値が変更可能な制御モードである加熱モード及び加熱を停止し加熱開始キーを操作すると加熱モードに移行する制御モードである待機モードを有し、加熱モードで動作中に焦げ付き情報が出力されると待機モードに移行する制御部11とで構成している。
制御部11は、出力設定部12で、第1出力設定範囲内の出力が選択されて加熱モードで動作すると、焦げ付き検知部14は、出力電圧値が第1出力電圧値V1以上に増加したことを検知すると、鍋底に調理物が焦げ付いたことを検知する焦げ付き検知動作を行う。
また、制御部11は、出力設定部12により所定の第1出力設定範囲より大きい第2出力設定範囲内の出力が選択されるときに、加熱モードで動作するように制御し、焦げ付き検知部14は、出力電圧値Vが第1出力電圧値V1より大きい第2出力電圧値V2以上に増加したことを検知すると鍋底に調理物が焦げ付いたことを検知する焦げ付き検知動作を行う。
以上のように構成された誘導加熱調理機器について、図3を参照して、動作および作用について説明する。
図3は、本発明の実施の形態1にかかる誘導加熱調理器のフローチャートである。
まず、図3において、ステップ1(S1)にて、操作部8にある加熱開始キーをオンするとステップ2(S2)にて、加熱が開始される。
ステップ3(S3)にて、制御部11は、出力設定部12で設定された出力が、第1出力設定範囲内の設定出力であった場合、ステップ4(S4)に移行する。
ステップ4(S4)にて、制御部11に出力された、赤外線センサ13によって検知された調理容器3の鍋底温度が、予め設定された鍋底温度に対応する第1出力電圧値V1以上であった場合、ステップ5(S5)にて、焦げ付き検知部14は、焦げ付き情報を制御部11に出力する。次いで、制御部11は、ステップ6(S6)にて焦げ付き情報に基づき、加熱停止を行う。
一方、ステップ3(S3)にて、出力設定部12が第1出力設定範囲より大きい第2出力設定範囲の設定出力であった場合、ステップ7(S7)に移行する。
ステップ7(S7)にて、赤外線センサ13によって検知されて制御部11に出力された調理容器3の鍋底温度が、予め設定された鍋底温度に対応しかつ第1出力電圧値V1より大きい第2出力電圧値V2以上であった場合、ステップ8(S8)にて、焦げ付き検知部14は、焦げ付き情報を制御部11に出力する。
制御部11は、ステップ9(S9)にて焦げ付き情報に基づき、加熱停止を行う。
例えば、出力設定部12の第1出力設定範囲が370W相当の出力設定以下で、第2出力設定範囲が370W相当より大きい出力設定で、第1出力電圧値V1が赤外線センサ13によって検知された調理容器3の鍋底温度が130℃に対応する出力電圧値で、第2出力電圧値V2が赤外線センサ13によって検知された調理容器3の鍋底温度が170℃に対応する出力電圧値に、それぞれ設定したとする。そして、利用者が出力設定部12で370W相当(第1出力設定範囲内)の出力を設定したとする。この場合には、焦げ付き情報を有効にし、その後調理容器3の鍋底温度が、130℃(第1出力電圧値V1)になると、ステップ5(S5)で焦げ付き情報を出力し、制御部11は待機モードとなり加熱を停止して終了する。
一方、利用者が出力設定部12で1000W相当(第2出力設定範囲内)の出力を設定したとする。この場合には、焦げ付き情報を有効にし、その後調理容器3の鍋底温度が、170℃になると、焦げ付き情報を出力し、制御部11は待機モードとなり加熱を停止して終了する。
以上のように、本実施の形態においては、赤外線センサを用いて焦げ付き検知動作を行い、かつ出力設定部12にて設定された出力設定範囲に対応した焦げ付き検知を行うことにより、加熱モードにおいても、誤検知が起きる機会を減らしつつ焦げ付き検知機能を感度良く働かせ、焦げ付きの状態が悪化するのを防止すると共に不必要に加熱を停止することを防止し違和感なく調理を継続することができる。
また、本実施の形態の制御部11と焦げ付き検知部14はマイクロコンピュータで構成することにより、簡単な構成にすることができる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2にかかる誘導加熱調理機器のフローチャートである。
図4のフローチャートは、図3のフローチャートに比較して、ステップ20(S20)およびステップ21(S21)をさらに備えたことを特徴としている。ここで、実施の形態1と同様の部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。
まず、図4において、ステップ20(S20)にて、出力設定部12が第2出力設定範囲より大きい第3出力設定範囲の設定出力であった場合、ステップ21(S21)に移行する。ステップ21(S21)にて、焦げ付き検知部14からの焦げ付き情報に基づかず、出力制御を行う。すなわち、焦げ付き検知動作を禁止して行わない。そして、終了する(すなわち、加熱動作を継続する)。
例えば、出力設定部12の第2出力設定範囲が370W相当の出力設定より大きくかつ2000W相当の出力設定未満で、第3出力設定範囲が2000W相当以上の出力設定とする。そして、利用者が、出力設定部12で、2000W相当(第3出力設定範囲内)の出力を設定したとする。この場合には、制御部11は、炒め物や湯沸しなどの高出力調理を始めたと判定し、焦げ付き情報を無効にし、すなわち、焦げ付き情報に基づかず、加熱調理を継続する。
一方、利用者が、出力設定部6で、2000W相当の出力未満を設定したとする。制御部11は、利用者が、一般に焦げ付きが懸念される調理を始めたと判定し、焦げ付き情報と出力情報に基づき、調理を継続する。
以上のように、本実施の形態においては、出力設定部6にて設定された出力により、低出力調理時に焦げ付き情報を有効にし、かつ、高出力調理時に、無効にすることにより、焦げ付き検知の誤検知を避けることができ、利用者が、調理モードを選択しなくても違和感なく調理を継続することができる。
以上のように、本発明にかかる誘導加熱調理機器は、利用者が選択した出力設定範囲によって、焦げ付き検知が利用者にとって必要か不必要かを判別することにより、焦げ付き検知が不必要に働く機会を低減し、調理物の焦げ付きの状態が悪化するのを防止しつつ調理を行うことが可能となるので、組み込み式誘導加熱調理機器、卓上で使用される誘導加熱調理機器、据え置き式の誘導加熱調理機器などの使用形態、あるいは業務用、家庭用などの使用目的にかかわらずあらゆる種類の誘導加熱調理器全般の用途に有効である。
2 トッププレート
3 調理容器(鍋)
9 誘導加熱コイル
10 インバータ
11 制御部
12 出力設定部
13 赤外線センサ
14 焦げ付き検知部
本発明は一般家庭やレストラン及びオフィスなどで使用される焦げ付き検知を備えた誘導加熱調理機器およびその制御方法に関するものであり、特に、出力設定範囲に対応した焦げ付き検知動作を行う誘導加熱調理機器およびその制御方法に関するものである。
従来、この種の加熱調理機器は、特定の調理モード時、例えば煮込み料理などにおいて、鍋底の温度を検知するセンサと、前記センサの温度上昇から、前記鍋底に調理物が焦げ付いたと検知する構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−149875号公報
しかしながら、前記従来の構成では、焦げ付き検知を行える調理モードが限定されており、それらは特に煮込みに限られたものである。利用者は、焦げ付き検知を使用するときには、煮込み機能を選択しなくてはならないという課題を有していた。
本発明の目的は、前記従来の課題を解決するもので、利用者が、特定の調理モードを選択することなく、出力設定を選択して調理をおこなう加熱モードで通常の加熱調理を行っても、焦げ付き検知が働くことができる誘導加熱調理機器およびその制御方法を提供することにある。
前記従来の課題を解決するために、本発明にかかる誘導加熱調理機器は、鍋を載置するトッププレートと、前記トッププレートの下に設けられ前記鍋を加熱する誘導加熱コイルを含むインバータと、前記トッププレートの下に設けられ、前記鍋の底から放射されて前記トッププレートを透過した赤外線を検知して前記鍋の鍋底温度に対応する出力電圧値を出力する赤外線センサと、前記赤外線センサからの出力電圧値に基づき、前記鍋底に調理物が焦げ付いたことを検知する焦げ付き検知動作を行い、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知すると焦げ付き情報を出力する焦げ付き検知部と、複数の出力設定値の中から、1つの前記出力設定値を選択するための出力設定部と、前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給しかつ加熱出力が前記出力設定値となるように前記インバータの加熱動作を制御すると共に前記出力設定部により前記出力設定値が変更可能な制御モードである加熱モード及び加熱を停止し加熱開始キーを操作すると前記加熱モードに移行する制御モードである待機モードを有し、前記加熱モードで動作中に前記焦げ付き情報が出力されると前記待機モードに移行する制御部とを備えた誘導加熱調理機器であって、前記制御部は、前記出力設定部により所定の第1出力設定範囲内の出力が選択されるときに、前記加熱モードで動作するように制御し、前記焦げ付き検知部は、前記赤外線センサからの出力電圧値が所定の第1出力電圧値以上に増加したことを検知するときに、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知する前記焦げ付き検知動作を行い、また、前記制御部は、前記出力設定部により前記第1出力設定範囲より大きい第2出力設定範囲内の出力が選択されるときに、前記加熱モードで動作するように制御し、前記焦げ付き検知部は、前記赤外線センサからの出力電圧値が前記第1出力電圧値より大きい所定の第2出力電圧値以上に増加したことを検知するときに、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知する前記焦げ付き検知動作を行うことを特徴とする。
また、別の本発明にかかる誘導加熱調理機器の制御方法は、
鍋を載置するトッププレートと、
前記トッププレートの下に設けられ前記鍋を加熱する誘導加熱コイルを含むインバータと、
前記トッププレートの下に設けられ、前記鍋の底から放射されて前記トッププレートを透過した赤外線を検知して前記鍋の鍋底温度に対応する出力電圧値を出力する赤外線センサと、
前記赤外線センサからの出力電圧値に基づき、前記鍋底に調理物が焦げ付いたことを検知する焦げ付き検知動作を行い、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知すると焦げ付き情報を出力する焦げ付き検知部と、
複数の出力設定値の中から1つの出力設定値を選択するための出力設定部と、
前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給しかつ加熱出力が前記出力設定値となるように前記インバータの加熱動作を制御すると共に前記出力設定部により前記出力設定値が変更可能な制御モードである加熱モード及び加熱を停止し加熱開始キーを操作すると前記加熱モードに移行する制御モードである待機モードを有し、前記加熱モードで動作中に前記焦げ付き情報が出力されると前記待機モードに移行する制御部とを備えた誘導加熱調理機器の制御方法であって、
前記制御部は、前記出力設定部により所定の第1出力設定範囲内の出力が選択されるときに、前記加熱モードで動作するように制御し、前記焦げ付き検知部は、前記赤外線センサからの出力電圧値が所定の第1出力電圧値以上に増加したことを検知するときに、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知する前記焦げ付き検知動作を行うステップと、
前記制御部は、前記出力設定部により前記第1出力設定範囲より大きい第2出力設定範囲内の出力が選択されるときに、前記加熱モードで動作するように制御し、前記焦げ付き検知部は、前記赤外線センサからの出力電圧値が前記第1出力電圧値より大きい所定の第2出力電圧値以上に増加したことを検知するときに、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知する前記焦げ付き検知動作を行うステップとを含むことを特徴とする。
従って、本発明にかかる誘導加熱調理機器およびその制御方法によれば、赤外線センサを用いて焦げ付き検知動作を行うことにより、誤検知が起きる機会を減らしつつ焦げ付き検知機能を感度良く働かせ、焦げ付きの状態が悪化するのを防止すると共に不必要に加熱を停止することを防止し、違和感なく調理を継続することができる。
また、本発明にかかる誘導加熱調理機器およびその制御方法は、使用者が設定した出力設定値に適した焦げ付きの検知する温度を自動で判別するため、利用者が、調理モードを選択することなく、焦げ付き検知機能を使用することができる。
本発明の実施の形態1にかかる誘導加熱調理機器の構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1にかかる誘導加熱調理機器の第1の加熱部4の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1にかかる誘導加熱調理機器のフローチャートである。 本発明の実施の形態2にかかる誘導加熱調理機器のフローチャートである。
第1の発明にかかる誘導加熱調理機器は、鍋を載置するトッププレートと、前記トッププレートの下に設けられ前記鍋を加熱する誘導加熱コイルを含むインバータと、前記トッププレートの下に設けられ、前記鍋の底から放射されて前記トッププレートを透過した赤外線を検知して前記鍋の鍋底温度に対応する出力電圧値を出力する赤外線センサと、前記赤外線センサからの出力電圧値に基づき、前記鍋底に調理物が焦げ付いたことを検知する焦げ付き検知動作を行い、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知すると焦げ付き情報を出力する焦げ付き検知部と、複数の出力設定値の中から、1つの前記出力設定値を選択するための出力設定部と、前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給しかつ加熱出力が前記出力設定値となるように前記インバータの加熱動作を制御すると共に前記出力設定部により前記出力設定値が変更可能な制御モードである加熱モード及び加熱を停止し加熱開始キーを操作すると前記加熱モードに移行する制御モードである待機モードを有し、前記加熱モードで動作中に前記焦げ付き情報が出力されると前記待機モードに移行する制御部とを備えた誘導加熱調理機器であって、前記制御部は、前記出力設定部により所定の第1出力設定範囲内の出力が選択されるときに、前記加熱モードで動作するように制御し、前記焦げ付き検知部は、前記赤外線センサからの出力電圧値が所定の第1出力電圧値以上に増加したことを検知するときに、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知する前記焦げ付き検知動作を行い、また、前記制御部は、前記出力設定部により前記第1出力設定範囲より大きい第2出力設定範囲内の出力が選択されるときに、前記加熱モードで動作するように制御し、前記焦げ付き検知部は、前記赤外線センサからの出力電圧値が前記第1出力電圧値より大きい所定の第2出力電圧値以上に増加したことを検知するときに、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知する前記焦げ付き検知動作を行う。これにより、赤外線センサを用いて焦げ付き検知動作を行うことにより、誤検知が起きる機会を減らしつつ焦げ付き検知機能を感度良く働かせ、焦げ付きの状態が悪化するのを防止すると共に不必要に加熱を停止することを防止し、違和感なく調理を継続することができる。また、出力設定範囲に対応した焦げ付き検知動作を行うことで、利用者が設定した出力設定値に適した焦げ付きの検知する温度を自動で判別するため、利用者が、調理モードを選択することなく、焦げ付き検知機能を使用することができる。
第2の発明にかかる誘導加熱調理機器は、特に、第1の発明にかかる誘導加熱調理機器において、前記制御部は、前記出力設定部により前記第2出力設定範囲より大きい第3出力設定範囲内の出力が選択されるときに、前記加熱モードで動作するように制御し、前記焦げ付き検知部は、前記鍋底に調理物が焦げ付いたことを検知する焦げ付き検知動作を禁止するように制御する。これにより、炒め物やあえて焦げをつけたい加熱調理などの高出力調理時に、不必要に加熱動作を停止するなどの誤検知を避けることができ、利用者が、違和感なく調理を継続することができる。
第3の発明にかかる誘導加熱調理機器の制御方法は、
鍋を載置するトッププレートと、
前記トッププレートの下に設けられ前記鍋を加熱する誘導加熱コイルを含むインバータと、
前記トッププレートの下に設けられ前記鍋の底から放射され前記トッププレートを透過する赤外線を検知して前記鍋の鍋底温度に対応する出力電圧値を出力する赤外線センサと、
前記赤外線センサからの出力電圧値に基づき、前記鍋底に調理物が焦げ付いたことを検知する焦げ付き検知動作を行い、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知すると焦げ付き情報を出力する焦げ付き検知部と、
複数の出力設定値の中から1つの出力設定値を選択するための出力設定部と、
前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給しかつ加熱出力が前記出力設定値となるように前記インバータの加熱動作を制御すると共に前記出力設定部により前記出力設定値が変更可能な制御モードである加熱モード及び加熱を停止し加熱開始キーを操作すると前記加熱モードに移行する制御モードである待機モードを有し、前記加熱モードで動作中に前記焦げ付き情報が出力されると前記待機モードに移行する制御部とを備えた誘導加熱調理機器の制御方法であって、
前記制御部は、前記出力設定部により所定の第1出力設定範囲内の出力が選択されるときに、前記加熱モードで動作するように制御し、前記焦げ付き検知部は、前記赤外線センサからの出力電圧値が所定の第1出力電圧値以上に増加したことを検知するときに、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知する前記焦げ付き検知動作を行うステップと、
前記制御部は、前記出力設定部により前記第1出力設定範囲より大きい第2出力設定範囲内の出力が選択されるときに、前記加熱モードで動作するように制御し、前記焦げ付き検知部は、前記赤外線センサからの出力電圧値が前記第1出力電圧値より大きい所定の第2出力電圧値以上に増加したことを検知するときに、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知する前記焦げ付き検知動作を行うステップとを含む。
第4の発明にかかる誘導加熱調理機器の制御方法は、特に、第3の発明にかかる誘導加熱調理機器の制御方法において、前記制御部は、前記出力設定部により前記第2出力設定範囲より大きい第3出力設定範囲内の出力が選択されるときに、前記加熱モードで動作するように制御し、前記焦げ付き検知部は、前記鍋底に調理物が焦げ付いたことを前記検知する焦げ付き検知動作を禁止するように制御するステップをさらに含む。
以下、本発明にかかる実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる誘導加熱調理機器の構成を示す斜視図である。
図1において、外郭ケース1の上部にトッププレート2が設けられている。トッププレート2上面には誘導加熱により鍋などの調理容器3を加熱する第1の加熱部4、第2の加熱部5および第3の加熱部6をそれぞれ示す表示が設けられている。さらに、魚等を焼くロースター7、および熱源の操作をする操作部8が外郭ケース1の側面に設けられている。
以上のように構成された誘導加熱調理機器について、図2を参照して、加熱部の構成を説明する。
図2は、本発明の実施の形態1にかかる誘導加熱調理機器の第1の加熱部4の構成を示すブロック図である。
図2において、トッププレート2の上面に設けられた第1の加熱部4を示す表示の位置に合わせて調理容器3が載置される。トッププレート2の下方には誘導加熱コイル9が設けられている。さらに、誘導加熱コイル9の下方には誘導加熱コイル9を制御するインバータ10とインバータ10を動作させるための制御部11が設けられている。
出力設定部12により、出力設定値が設定されると、制御部11は誘導加熱コイル9に高周波電流を供給し、かつ、加熱出力が出力設定値となるようにインバータ10の加熱動作を制御する。
赤外線センサ13は、トッププレート2の下に設けられ、調理容器3の鍋底から放射されトッププレート2を透過する赤外線を検知して、調理容器3の鍋底温度に対応する出力電圧値を出力する。調理容器3の鍋底に調理物が焦げ付いたことを検知すると焦げ付き情報を出力する焦げ付き検知部14と、複数の出力設定値の中から、1つの出力設定値を選択するための出力設定部12と、誘導加熱コイル9に高周波電流を供給し、かつ、加熱出力が出力設定値となるようにインバータ10の加熱動作を制御すると共に、出力設定部12により出力設定値が変更可能な制御モードである加熱モード及び加熱を停止し加熱開始キーを操作すると加熱モードに移行する制御モードである待機モードを有し、加熱モードで動作中に焦げ付き情報が出力されると待機モードに移行する制御部11とで構成している。
制御部11は、出力設定部12で、第1出力設定範囲内の出力が選択されて加熱モードで動作すると、焦げ付き検知部14は、出力電圧値が第1出力電圧値V1以上に増加したことを検知すると、鍋底に調理物が焦げ付いたことを検知する焦げ付き検知動作を行う。
また、制御部11は、出力設定部12により所定の第1出力設定範囲より大きい第2出力設定範囲内の出力が選択されるときに、加熱モードで動作するように制御し、焦げ付き検知部14は、出力電圧値Vが第1出力電圧値V1より大きい第2出力電圧値V2以上に増加したことを検知すると鍋底に調理物が焦げ付いたことを検知する焦げ付き検知動作を行う。
以上のように構成された誘導加熱調理機器について、図3を参照して、動作および作用について説明する。
図3は、本発明の実施の形態1にかかる誘導加熱調理器のフローチャートである。
まず、図3において、ステップ1(S1)にて、操作部8にある加熱開始キーをオンするとステップ2(S2)にて、加熱が開始される。
ステップ3(S3)にて、制御部11は、出力設定部12で設定された出力が、第1出力設定範囲内の設定出力であった場合、ステップ4(S4)に移行する。
ステップ4(S4)にて、制御部11に出力された、赤外線センサ13によって検知された調理容器3の鍋底温度が、予め設定された鍋底温度に対応する第1出力電圧値V1以上であった場合、ステップ5(S5)にて、焦げ付き検知部14は、焦げ付き情報を制御部11に出力する。次いで、制御部11は、ステップ6(S6)にて焦げ付き情報に基づき、加熱停止を行う。
一方、ステップ3(S3)にて、出力設定部12が第1出力設定範囲より大きい第2出力設定範囲の設定出力であった場合、ステップ7(S7)に移行する。
ステップ7(S7)にて、赤外線センサ13によって検知されて制御部11に出力された調理容器3の鍋底温度が、予め設定された鍋底温度に対応しかつ第1出力電圧値V1より大きい第2出力電圧値V2以上であった場合、ステップ8(S8)にて、焦げ付き検知部14は、焦げ付き情報を制御部11に出力する。
制御部11は、ステップ9(S9)にて焦げ付き情報に基づき、加熱停止を行う。
例えば、出力設定部12の第1出力設定範囲が370W相当の出力設定以下で、第2出力設定範囲が370W相当より大きい出力設定で、第1出力電圧値V1が赤外線センサ13によって検知された調理容器3の鍋底温度が130℃に対応する出力電圧値で、第2出力電圧値V2が赤外線センサ13によって検知された調理容器3の鍋底温度が170℃に対応する出力電圧値に、それぞれ設定したとする。そして、利用者が出力設定部12で370W相当(第1出力設定範囲内)の出力を設定したとする。この場合には、焦げ付き情報を有効にし、その後調理容器3の鍋底温度が、130℃(第1出力電圧値V1)になると、ステップ5(S5)で焦げ付き情報を出力し、制御部11は待機モードとなり加熱を停止して終了する。
一方、利用者が出力設定部12で1000W相当(第2出力設定範囲内)の出力を設定したとする。この場合には、焦げ付き情報を有効にし、その後調理容器3の鍋底温度が、170℃になると、焦げ付き情報を出力し、制御部11は待機モードとなり加熱を停止して終了する。
以上のように、本実施の形態においては、赤外線センサを用いて焦げ付き検知動作を行い、かつ出力設定部12にて設定された出力設定範囲に対応した焦げ付き検知を行うことにより、加熱モードにおいても、誤検知が起きる機会を減らしつつ焦げ付き検知機能を感度良く働かせ、焦げ付きの状態が悪化するのを防止すると共に不必要に加熱を停止することを防止し違和感なく調理を継続することができる。
また、本実施の形態の制御部11と焦げ付き検知部14はマイクロコンピュータで構成することにより、簡単な構成にすることができる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2にかかる誘導加熱調理機器のフローチャートである。
図4のフローチャートは、図3のフローチャートに比較して、ステップ20(S20)およびステップ21(S21)をさらに備えたことを特徴としている。ここで、実施の形態1と同様の部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。
まず、図4において、ステップ20(S20)にて、出力設定部12が第2出力設定範囲より大きい第3出力設定範囲の設定出力であった場合、ステップ21(S21)に移行する。ステップ21(S21)にて、焦げ付き検知部14からの焦げ付き情報に基づかず、出力制御を行う。すなわち、焦げ付き検知動作を禁止して行わない。そして、終了する(すなわち、加熱動作を継続する)。
例えば、出力設定部12の第2出力設定範囲が370W相当の出力設定より大きくかつ2000W相当の出力設定未満で、第3出力設定範囲が2000W相当以上の出力設定とする。そして、利用者が、出力設定部12で、2000W相当(第3出力設定範囲内)の出力を設定したとする。この場合には、制御部11は、炒め物や湯沸しなどの高出力調理を始めたと判定し、焦げ付き情報を無効にし、すなわち、焦げ付き情報に基づかず、加熱調理を継続する。
一方、利用者が、出力設定部6で、2000W相当の出力未満を設定したとする。制御部11は、利用者が、一般に焦げ付きが懸念される調理を始めたと判定し、焦げ付き情報と出力情報に基づき、調理を継続する。
以上のように、本実施の形態においては、出力設定部6にて設定された出力により、低出力調理時に焦げ付き情報を有効にし、かつ、高出力調理時に、無効にすることにより、焦げ付き検知の誤検知を避けることができ、利用者が、調理モードを選択しなくても違和感なく調理を継続することができる。
以上のように、本発明にかかる誘導加熱調理機器は、利用者が選択した出力設定範囲によって、焦げ付き検知が利用者にとって必要か不必要かを判別することにより、焦げ付き検知が不必要に働く機会を低減し、調理物の焦げ付きの状態が悪化するのを防止しつつ調理を行うことが可能となるので、組み込み式誘導加熱調理機器、卓上で使用される誘導加熱調理機器、据え置き式の誘導加熱調理機器などの使用形態、あるいは業務用、家庭用などの使用目的にかかわらずあらゆる種類の誘導加熱調理器全般の用途に有効である。
2 トッププレート
3 調理容器(鍋)
9 誘導加熱コイル
10 インバータ
11 制御部
12 出力設定部
13 赤外線センサ
14 焦げ付き検知部

Claims (4)

  1. 鍋を載置するトッププレートと、
    前記トッププレートの下に設けられ前記鍋を加熱する誘導加熱コイルを含むインバータと、
    前記トッププレートの下に設けられ、前記鍋の底から放射されて前記トッププレートを透過した赤外線を検知して前記鍋の鍋底温度に対応する出力電圧値を出力する赤外線センサと、
    前記赤外線センサからの出力電圧値に基づき、前記鍋底に調理物が焦げ付いたことを検知する焦げ付き検知動作を行い、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知すると焦げ付き情報を出力する焦げ付き検知部と、
    複数の出力設定値の中から1つの出力設定値を選択するための出力設定部と、
    前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給しかつ加熱出力が前記出力設定値となるように前記インバータの加熱動作を制御すると共に前記出力設定部により前記出力設定値が変更可能な制御モードである加熱モード及び加熱を停止し加熱開始キーを操作すると前記加熱モードに移行する制御モードである待機モードを有し、前記加熱モードで動作中に前記焦げ付き情報が出力されると前記待機モードに移行する制御部とを備えた誘導加熱調理機器であって、
    前記制御部は、前記出力設定部により所定の第1出力設定範囲内の出力が選択されるときに、前記加熱モードで動作するように制御し、前記焦げ付き検知部は、前記赤外線センサからの出力電圧値が所定の第1出力電圧値以上に増加したことを検知するときに、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知する前記焦げ付き検知動作を行い、
    また、前記制御部は、前記出力設定部により前記第1出力設定範囲より大きい第2出力設定範囲内の出力が選択されるときに、前記加熱モードで動作するように制御し、前記焦げ付き検知部は、前記赤外線センサからの出力電圧値が前記第1出力電圧値より大きい所定の第2出力電圧値以上に増加したことを検知するときに、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知する前記焦げ付き検知動作を行うことを特徴とする誘導加熱調理機器。
  2. 前記制御部は、前記出力設定部により前記第2出力設定範囲より大きい第3出力設定範囲内の出力が選択されるときに、前記加熱モードで動作するように制御し、前記焦げ付き検知部は、前記鍋底に調理物が焦げ付いたことを前記検知する焦げ付き検知動作を禁止するように制御することを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱調理機器。
  3. 鍋を載置するトッププレートと、
    前記トッププレートの下に設けられ前記鍋を加熱する誘導加熱コイルを含むインバータと、
    前記トッププレートの下に設けられ、前記鍋の底から放射されて前記トッププレートを透過した赤外線を検知して前記鍋の鍋底温度に対応する出力電圧値を出力する赤外線センサと、
    前記赤外線センサからの出力電圧値に基づき、前記鍋底に調理物が焦げ付いたことを検知する焦げ付き検知動作を行い、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知すると焦げ付き情報を出力する焦げ付き検知部と、
    複数の出力設定値の中から1つの出力設定値を選択するための出力設定部と、
    前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給しかつ加熱出力が前記出力設定値となるように前記インバータの加熱動作を制御すると共に前記出力設定部により前記出力設定値が変更可能な制御モードである加熱モード及び加熱を停止し加熱開始キーを操作すると前記加熱モードに移行する制御モードである待機モードを有し、前記加熱モードで動作中に前記焦げ付き情報が出力されると前記待機モードに移行する制御部とを備えた誘導加熱調理機器の制御方法であって、
    前記制御部は、前記出力設定部により所定の第1出力設定範囲内の出力が選択されるときに、前記加熱モードで動作するように制御し、前記焦げ付き検知部は、前記赤外線センサからの出力電圧値が所定の第1出力電圧値以上に増加したことを検知するときに、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知する前記焦げ付き検知動作を行うステップと、
    前記制御部は、前記出力設定部により前記第1出力設定範囲より大きい第2出力設定範囲内の出力が選択されるときに、前記加熱モードで動作するように制御し、前記焦げ付き検知部は、前記赤外線センサからの出力電圧値が前記第1出力電圧値より大きい所定の第2出力電圧値以上に増加したことを検知するときに、前記鍋底に前記調理物が焦げ付いたことを検知する前記焦げ付き検知動作を行うステップとを含むことを特徴とする誘導加熱調理機器の制御方法。
  4. 前記制御部は、前記出力設定部により前記第2出力設定範囲より大きい第3出力設定範囲内の出力が選択されるときに、前記加熱モードで動作するように制御し、前記焦げ付き検知部は、前記鍋底に調理物が焦げ付いたことを前記検知する焦げ付き検知動作を禁止するように制御するステップをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の誘導加熱調理機器の制御方法。
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